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JP2008274922A - 燃料遮断弁 - Google Patents

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JP2008274922A JP2007249062A JP2007249062A JP2008274922A JP 2008274922 A JP2008274922 A JP 2008274922A JP 2007249062 A JP2007249062 A JP 2007249062A JP 2007249062 A JP2007249062 A JP 2007249062A JP 2008274922 A JP2008274922 A JP 2008274922A
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Abstract

【課題】保持力が高く、フロートとのシール性が高い燃料遮断弁を提供する。
【解決手段】弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降するフロート52と、その上部に載置されフロートの昇降により外部への接続通路31bを開閉する上部弁体60と、を備え、上部弁体60は、弁本体62と、弁本体62に取付けられゴム製のシート部材61とを備え、シート部材は、基部61aと、接続孔61bと、基部との間で弁本体62を保持する挟持部61dと、接続通路を開閉しかつ接続孔上部に開口するシート部61jと、フロート上部の第2シール部56aに開閉され接続孔下部に開口するリップ部61eとを備え、基部とリップ部との間には、リップ部が第2シール部に着座したときに第2シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部61gが形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の燃料タンクに発生するガスを排気する排気口から燃料が流出するのを遮断する燃料遮断弁に関する。
燃料タンク内には、燃料から蒸発して発生するガスを排気するとともに、排気口から燃料が流出するのを遮断する燃料遮断弁が設けられている。かかる燃料遮断弁は、燃料タンクの上部に装着され、外部のキャニスタ等に接続される接続通路を上部に設けたケーシングと、ケーシングの弁室内に燃料液位により浮力を増減して昇降するフロートと、フロートの上部に載置された上部弁体とを備えたものが知られている。そして、燃料タンクの燃料液位が上昇することによりフロートが浮力を増大して、フロート及び上部弁体が接続通路を閉じて燃料の外部への流出を防止している。
かかる燃料遮断弁では、車両傾斜時にシール部が燃料中に液没したときにも、高いシール性が要求される。この課題に対応する技術として、特許文献1,2に示すように、上部弁体に接続孔をもつリング状のゴム製のシート部材を設けて、シート部材の上部のシート部を接続通路のシール部に対して開閉させ、また、シート部材の下部先端をリップ状としフロートの上部のシール部で開閉させることにより、接続孔及び接続通路を開閉することが知られている。
特開2000−130271号公報 特開2002−235623号公報
しかしながら、ゴム製のシート部材の下部先端に形成したリップ部の根本部は、厚肉の基部であるため、リップ部が撓みにくい。このため、シート部材は、フロートの上部のシール部に対するシール性が低い。この場合リップ部自体を薄くすることが考えられるが、リップ部の強度が弱くなり、耐久性が低下する。
また、特許文献2のシート部材の上部及び下部は、相手部材のケーシングやフロートのシール部に対してシール又は開放されるシート部及びリップ部である。このため、シート部材は、基部と、シート部の下方の挟持部との間で上部弁体の弁本体の内周側突出部を挟持することにより弁本体に保持されているにすぎない。それゆえ、フロートよりリップ部が受けた押圧力は、シール部材の全体に及び、基部を変形させて、シール部材が上部弁体の本体部から外れるおそれがある。
また、特許文献2のように、フロートがリップに着座したときに、リップはフロートから上方向の押圧力を受ける。この押圧力は基部の上部に形成されたシート部にも伝わる。このため、シート部の平面度を損ね、シート部とケーシングのシール部との間のシール性にも影響が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、保持力が高く且つフロートとの間のシール性が高いシート部材をもつ燃料遮断弁を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、前記燃料タンク内と前記接続通路とを連通する弁室と、前記接続通路に臨んだ第1シール部とを有するケーシングと、前記弁室に収納され該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降し、その上部に第2シール部を有するフロートと、該フロートの上部に載置され該フロートが昇降することで前記接続通路を開閉する上部弁体と、を備え、前記上部弁体は、弁本体と、該弁本体に取付けられ接続孔をもつリング状のゴム製のシート部材とを備え、前記シート部材は、基部と、前記基部との間で前記弁本体を挟持する挟持部と、前記接続通路を開閉しかつ前記接続孔の上部の開口を有するシート部と、前記第2シール部に開閉され前記接続孔の下部の開口を有し前記基部の下面よりも下方に突出するリップ部とを備え、前記基部と前記リップ部との間には、前記リップ部が前記第2シール部に着座したときに前記第2シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、前記燃料タンク内と前記接続通路とを連通する弁室と、前記接続通路に臨みリング状のゴム製のシート部材が取付られた通路形成突部とを有するケーシングと、前記弁室に収納され該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降することで前記接続通路を開閉し、その上部に前記シート部材との間で弁開閉を行うシール部を有するフロートと、を備え、前記シート部材は、基部と、前記基部との間で前記通路形成突部を挟持する挟持部と、前記接続通路の開口を有し前記シール部に開閉され前記基部の下面よりも下方に突出するリップ部とを備え、前記基部と前記リップ部との間には、前記リップ部が前記シール部に着座したときに前記シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記基部の前記下面は、前記フロートが浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記基部の前記下面と前記リップ部との間には、リング状の溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記基部の前記接続孔と対向する内周面と前記リップ部との間には、リング状の溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記薄膜部は、前記シート部材の径方向に延びていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、前記薄膜部は、前記シート部材の径方向に対して前記フロートから離間する方向に傾斜していることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、前記基部と前記リップ部との間には、連結部が介設されており、該連結部と前記基部との間に前記溝部を形成して、前記薄膜部を前記溝部に隣設していることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、前記基部の内周面の直下に前記溝部が形成されていることを特徴とする。ここで、基部の内周面とは、基部の接続孔に対向する内周面だけでなく、該内周面に拡径方向に窪む溝部が形成されている場合には該溝部をも含む意味である。
前記請求項1に係る燃料遮断弁においては、燃料タンクに燃料が供給されて燃料タンクの所定液位に達すると、弁室内に流入した燃料により、フロートが浮力により上昇するとともに、フロートとともに上部弁体も上昇する。この上部弁体の上昇により、シート部材のシート部が接続通路を閉じて、燃料タンクを外部に対して遮断し、燃料タンクから外部へ燃料が流出することが防止される。また燃料タンクの液位が下がると、接続通路を開く前に、リップ部が第2シート部から離れて、上部弁体に形成された接続孔が開く。このため、接続通路を速やかに開き、優れた再開弁特性を得ることができる。
そして、給油時に上昇してきたフロートが上部弁体のシート部材のリップ部に着座したときに、リップ部は、フロートの第2シール部によって上方へ押圧される。ここで、基部とリップ部との間には、リップ部が第2シール部に着座したときに第2シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されている。このため、押圧力によって、リップ部と基部との間に形成された薄膜部が容易に弾性変形する。このため、リップ部の第2シール部に対する追従性が高くなり、第2シール部との間を確実にシールすることができる。また、フロートが傾斜して上昇してきても、薄膜部の自在な弾性変形によって、リップ部は、傾斜した第2シール部との間を確実にシールすることができる。
また、第2シール部の押圧力は、薄膜部の弾性変形によって、薄膜部に吸収される。このため、シート部材全体が弾性変形することが抑制される。ゆえに、基部や挟持部の弾性変形が抑制され、基部と挟持部とは、弁本体の取付部から抜け出ることが抑制される。また、シート部の平面度を確保でき、第1シール部とのシール性も向上する。
請求項2に係る燃料遮断弁においては、燃料タンクに燃料が供給されて燃料タンクの所定液位に達すると、弁室内に流入した燃料により、フロートが浮力により上昇する。このフロートの上昇により、ケーシングに取り付けられたシート部材のリップ部がフロートのシール部との間をシールして接続通路が閉じる。これにより、燃料タンクを外部に対して遮断し、燃料タンクから外部へ燃料が流出することが防止される。また燃料タンクの液位が下がると、フロートが下降してフロートのシール部がシート部材のリップ部との間を開放して接続通路が開く。
ここで、給油時に上昇してきたフロートがシート部材のリップ部に着座したときに、リップ部は、フロートのシール部によって上方へ押圧される。基部とリップ部との間には、リップ部がシール部に着座したときにシール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されている。このため、押圧力によって、リップ部と基部との間に形成された薄膜部が容易に弾性変形する。それゆえ、リップ部のシール部に対する追従性が高くなり、シール部との間を確実にシールすることができる。また、フロートが傾斜して上昇してきても、薄膜部の自在な弾性変形によって、リップ部は、傾斜したシール部との間を確実にシールすることができる。
また、シール部の押圧力は、薄膜部の弾性変形によって、薄膜部に吸収される。このため、シート部材全体が弾性変形することが抑制される。ゆえに、基部や挟持部の弾性変形が抑制され、基部と挟持部とは、ケーシングの通路形成突部から抜け出ることが抑制される。
請求項3に係る発明においては、基部の下面は、フロートが浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面となっている。このため、フロートが過度に上昇することが抑制されて、リップ部及び薄膜部の過度な変形を抑制でき、シート部材の耐久性が向上する。
請求項4に係る発明においては、シート部材の基部の下面とリップ部との間にリング状の溝部が形成されている。溝部は、基部とリップ部との間に、薄膜部を形成するための形状であり、溝部には薄膜部が隣設されている。この場合、溝部はシート部材の型抜き方向に形成されることになり、型抜き性がよい。
請求項5に係る発明においては、シート部材の内周面とリップ部との間にリング状の溝部が形成されている。この場合、第2シール部の上方への押圧力によって薄膜部が弾性変形しやすくなり、第2シール部に対するシール性が更に向上する。
請求項6に係る発明においては、薄膜部は、シート部材の径方向に延びている。このため、シート部材の軸方向の力によって薄膜部が変形しやすくなる。ゆえに、フロートが傾斜して浮上してリップ部に傾斜した状態で着座したときにも、薄膜部は、傾斜したフロートの第2シール部に追従して変形することができる。したがって、リップ部と第2シール部との間のシール性が確保できる。
請求項7に係る発明においては、薄膜部が、シート部材の径方向に対してフロートから離間する方向に傾斜している。この場合にも、薄膜部が変形しやすくなり、リップ部とフロートとの間を確実にシールすることができる。
請求項8に係る発明においては、基部とリップ部との間に連結部を介設させ、連結部と基部との間に溝部を形成して、薄膜部を溝部に隣設している。薄膜部は、連結部よりも厚みが薄くなり、連結部よりも変形しやすい部分である。ゆえに、フロートの着座の際に薄膜部が撓んで、リップ部と第2シール部との間のシール性を確保することができる。
請求項9に係る発明においては、基部の内周面の直下に溝部が形成されている。このため、基部の内周面の直下に薄膜部が形成される。ゆえに、フロート着座時に薄膜部が更に撓みやすくなり、リップ部と第2シール部との間のシール性をより一層確保することができる。
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態の燃料遮断弁は、図1に示すように、燃料タンクFTの上部に装着されている。燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaには取付穴FTaが形成されている。タンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態で取付けられている。燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンク内の燃料が所定液位FL1まで上昇したときにキャニスタへの流出を規制するものである。
燃料遮断弁10は、ケーシング20と、フロート機構50と、スプリング70とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体30と、底部材37と、蓋体40とを備え、ケーシング本体30と底部材37とにより囲まれたスペースが弁室30となっている。弁室30には、スプリング70に支持されたフロート機構50が収納されている。
図2に示すように、ケーシング本体30は、天井壁部31と、側壁部32とにより囲まれたカップ形状であり、その下部を開口30aとしている。天井壁部31には、中央に接続通路31bが開口し内周方向に向けて突設された通路形成突部31aが形成されている。通路形成突部31aは、接続通路31bに臨み下方に向けて突設された第1シール部31cを有している。接続通路31bの弁室30S側は、第1シール部31cになっている。側壁部32には、燃料タンクFT内と弁室30Sとを接続する第1連通孔32aが形成されている。また、側壁部32の内壁には、フロート機構50をガイドするためのケース側ガイド部34が周方向に4ヶ所、等間隔でリブ形状に形成されている。ケース側ガイド部34は、ケーシング本体30の下部に形成された下ガイドリブ34aと、下ガイドリブ34aより軸心方向へ形成された上ガイドリブ34bとを備えている。
底部材37は、ケーシング本体30の開口30aの一部を閉じるとともに、弁室内に燃料蒸気及び液体燃料を導入するための部材である。底部材37は、底板38と、円筒部39とを一体に形成し、底板38の外周部でケーシング本体30の下端に溶着されている。底板38には、流通孔38a、38bが形成され、またスプリング70の下端を支持するためのスプリング支持部38cが形成されている。円筒部39は、導入通路39aを備えており、導入開口39bからの燃料蒸気及び液体燃料を流通孔38aを通じて弁室30S内に導く。
蓋体40は、蓋本体41と、蓋本体41の中央から側方へ突出した管体部42と、蓋本体41の外周に形成されたフランジ43とを備え、これらを一体に形成している。管体部42には、蓋側通路42aが形成されている。蓋側通路42aの一端は、接続通路31bを通じてケーシング本体30の弁室30Sに接続され、他端はキャニスタ(図示略)側に接続される。蓋本体41の下部には、ケーシング本体30の上端を溶着する内部溶着端43aが形成されている。フランジ43の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される外側溶着部43bが形成されている。
フロート機構50は、再開弁特性を向上させた2段の弁構造であり、フロート52と、フロート52の上部に配置された上部弁体60とを備えている。フロート52は、第1フロート部53と、第1フロート部53の外周側に一体に組み付けられた第2フロート部54とを備えている。第1フロート部53は、円柱状であり、第1フロート本体53aを備えている。第2フロート部54は、円筒形状であり、収納穴54aを有する第2フロート本体54bを備えている。この収納穴54aに第1フロート部53が嵌挿されることにより第1フロート部53と一体化している。第1フロート本体53aの外周部の段部は、スプリング支持部53bとなっており、スプリング70の上端を支持している。スプリング70は、第1フロート部53と第2フロート部54との間のスペースであるスプリング収納間隙52a(図1)の間に配置され、底部材37のスプリング支持部38cとの間にスプリング70を掛け渡している。
図3、図4に示すように、第1フロート本体53aの上部には、弁支持部55が突設されている。弁支持部55は、上部弁体60を支持する部位であり、円柱状の突起である支持突部56を備えている。支持突部56の上面は、平面である第2シール部56aになっている。弁支持部55の外周部には、上部弁体60を昇降方向にガイドする弁側ガイド部57が周方向に4ヶ所、等間隔でリブ形状に形成されている。弁支持部55の外周側の第1フロート部53の上面には、上部弁体60を抜止するための係合爪58が2箇所(図3では1つを示す。)上方に向けて形成されている。
図4に示すように、上部弁体60は、接続通路31bを開閉するとともに、再開弁特性を改良するための弁であり、フロート52の弁支持部55に対して昇降可能に支持されている。上部弁体60は、有底の円筒形状である弁本体62と、弁本体62に保持されたシート部材61とを備えている。
図4,図5に示すように、弁本体62は、円板状の上面部62aと、上面部62aの外周部から突設された円筒形状の側壁62bとを備え、その内側スペースが支持孔62cになっている。上面部62aの中央部には、シート部材61を保持するための取付部62dが形成されている。弁本体62の上部の外周部には、支持孔62cを外部に接続するための通気孔62eが4ヶ所形成されている。側壁62bの内周壁には、フロート52の係合爪58と係合する被係合爪62fが2箇所形成されている。弁本体62の側壁62bは、その外周部でケーシング本体30の内壁の上ガイドリブ34bによりガイドされ、また、内周部で弁支持部55の弁側ガイド部57により、上部弁体60の昇降範囲の全長にわたってガイドされるように設けられている。
図5に示すように、シート部材61は、中央に接続孔61bをもつリング状体であり、基部61aと、基部61aとの間で弁本体62の取付部62dを挟持する挟持部61dと、接続通路31bを開閉しかつ接続孔61bの上部の開口を有するシート部61jと、第2シール部56aに開閉され接続孔61bの下部の開口を有し基部61aの下面よりも下方に突出するリップ部61eとを備え、ゴム材料により一体成形されている。また、基部61aとリップ部61eとの間には、リップ部61eが第2シール部56aに着座したときに第2シール部56aによる押圧により弾性変形可能な薄膜部61gが形成されている。基部61aの下面とリップ部61eとの間には、リング状の溝部61hが形成されている。基部61aの下面は、フロート52が浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面61fとなっている。
シート部材61は、シート部61aが弁本体62の上面部62aに対して間隙を有することで、第1シール部31cに着座したときに弾性変形してシール性を高めている。また、シート部材61は、リップ部61eが基部61aの下面であるストッパ面61fよりも下方に突出していることで、第2シール部56aが着座したときに弾性変形してシール性を高めている。また、基部61aとリップ部61eとの間に薄膜部61gが形成されているため、リップ部61eが第2シール部56aにより押圧されたときに薄膜部61gが弾性変形して、リップ部61eと第2シール部56aとのシール性を更に高めている。
シート部材61は、基部61aを弁本体62の取付部62dに圧入嵌合した状態で弁本体62に保持されている。即ち、取付部62dは、上面部62aを貫通する取付穴62gを備えている。一方、基部61aは、径方向に拡張した拡張部61kを備えており、拡張部61kが取付穴62gに圧入されることによりシート部61jの下部の挟持部61dとの間に上面部62aを挟持している。これにより、シート部材61は、弁本体62に抜止めされた状態にて取付けられている。このとき、基部61aは、取付部62dによって圧縮される状態となる締め代が設定されていないだけでなく、取付部62dと基部61aとの間には、間隙Gpが確保され、これにより基部61aの弾性変形を許容している。このため、シート部材61が取付部62dに取付けられた状態で、シート部61j及びリップ部61eは、弾性変形していない。
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図1に示すように、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位が上昇し、これにともない燃料タンク内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、円筒部39の導入開口39bから導入通路39aを経て、流通孔38a、38bから弁室30S内に流入する。さらに、燃料蒸気は、弁室30Sから接続通路31b、蓋側通路42aを通じて、キャニスタ側へ逃がされる。燃料タンクFT内の燃料液位が所定液位FL1に達すると、燃料は導入開口39bを塞ぐことにより、燃料タンクFT内のタンク内圧が上昇する。この状態で、タンク内圧と弁室30S内の圧力との差圧が大きくなり、液体燃料が導入通路39a、流通孔38a、38bを通じて、弁室30Sに流れ込み、燃料液位が弁室30S内を上昇する。弁室30S内の燃料液位が高さh0に達すると、フロート52の浮力及びスプリング70の荷重による上方への力と、フロート機構50の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回り、フロート機構50が一体になって上昇する。このとき、フロート機構50は、フロート52の第2シール部56aに上部弁体60のリップ部61eが着座して接続孔61bを閉止した状態で上昇する。やがて、図6に示すように、上部弁体60のシート部材61が第1シール部31cに着座して接続通路31bを閉じる。このように接続孔61b及び接続通路31bの双方が閉止されると、燃料タンクFT内の燃料がキャニスタへ流出することが防止される。そして、燃料がインレットパイプ内に溜まり、給油ガンに燃料が触れると、給油ガンは自動的に給油を停止する。以上のように、燃料タンクFTへの給油の際に、燃料タンクFTから燃料蒸気を逃がすとともに燃料が燃料タンクFT外へ流出するのを防止することができる。
一方、燃料タンクFT内の燃料が消費されて、燃料液位が低下すると、図7に示すように、フロート52は、その浮力の減少によって下降し、第2シール部56aがリップ部61eから離れて、接続孔61bを開く。接続孔61bの連通により、上部弁体60下方の圧力は、接続通路31bの付近と同じ圧力になる。更にフロート52が下降していくと、フロート52の係合爪58が上部弁体60の被係合爪62fに係合し、フロート52が上部弁体60と一体となって更に下降を続ける。上部弁体60が下降することにより、シート部材61が第1シール部31cから離れて、接続通路31bが開かれる。このとき、リップ部61eが第2シール部56aから離れることにより、接続通路31bよりも通路面積を小さくした接続孔61bが最初に連通する。このため、上部弁体60の下部の圧力が減少されて、上部弁体60が接続通路31bを閉じている閉弁方向の力が小さくなり、よって再開弁特性に優れている。
本実施形態においては、図6に示すように、給油時に上昇してきたフロート52が上部弁体60のシート部材61のリップ部61eに着座したときに、リップ部61eは、フロート52の第2シール部56aによって上方へ押圧される。ここで、基部61aとリップ部61eとの間には、リップ部61eが第2シール部56aに着座したときに第2シール部56aによる押圧により弾性変形可能な薄膜部61gが形成されている。このため、押圧力によって、リップ部61eと基部61aとの間に形成された薄膜部61gが容易に弾性変形する。このため、リップ部61eが第2シール部56aとの間を確実にシールすることができる。また、フロート52が傾斜して上昇してきても、薄膜部61gの自在な弾性変形によって、リップ部61eは、傾斜した第2シール部56aとの間を確実にシールすることができる。
また、第2シール部56aの押圧力は、薄膜部61gの弾性変形によって、薄膜部61gに吸収される。このため、シート部材61全体が弾性変形することが抑制される。ゆえに、基部61aや挟持部61dの弾性変形が抑制され、基部61aと挟持部61dとは、弁本体62の取付部62dから抜け出ることが抑制される。また、シート部61jの平面度を確保でき、第1シール部31cとのシール性も向上する。
また、基部61aの下面は、フロート52が浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面61fとなっている。このため、フロート52が過度に上昇することが抑制されて、リップ部61e及び薄膜部61gの過度な変形を抑制でき、シート部材61の耐久性が向上する。
また、シート部材61の基部61aの下面とリップ部61eとの間には、リング状の溝部61hが形成されていて、この溝部61hとリップ部61eとの間に薄膜部61gが形成されている。シート部材61は、金型を用いて射出成形により形成され、この成形時に、溝部61はシート部材61の型抜き方向に形成されることになり、型抜き性がよい。
本実施形態においては、リップ61eが薄膜部61gから軸方向に延設されているため第2シール部56aに対して垂直方向に当接することになるが(図5)、図8(a)に示すように、薄膜部61gから径内方向に傾斜していていてもよい。この場合、リップ部61eは、第2シール部56aに対して傾斜して当接する。
また、本実施形態においては、基部61aのストッパ面61fとリップ部61eとの間に溝部61hを形成しているが(図5)、図8(b)に示すように、接続孔61bと対向する内周面61cとリップ部61eとの間に薄膜部61gを形成してもよい。図8(b)の場合、基部61aの内周面61cに接続孔61bの拡径方向に窪む溝部61hが形成されており、溝部61hの直下に薄膜部61gが形成されている。この場合、第2シール部56aの上方への押圧力によって薄膜部61gが弾性変形しやすくなり、第2シール部56aに対するシール性が更に向上する。
また、本実施形態においては、リップ部61eは、薄膜部61gよりも肉厚であるが、図8(c)に示すように、薄膜部61gとリップ部61eとの間に凸状部61iを形成してもよい。
本実施形態において、図8(d)に示すように、薄膜部61gの厚みT1は、フロート52が着座していないときのリップ部61eの厚みT2よりも小さいことが好ましい。薄膜部61gが撓みやすくなる。薄膜部の厚み、リップ部の厚みは、それぞれ薄膜部61g、リップ部61eの長手方向に対して直交する方向の太さをいう。図8(a)〜図8(c)に示すシート部材においても、同様に、薄膜部61gの厚みT1は、フロート52が着座していないときのリップ部61eの厚みT2よりも小さいことが好ましい。
また、本実施形態は、シート部材61の上部のシート部61jと第1シール部31cとの間で弁開閉を行い、またシート部材61の下部のリップ部61と第2シール部56aとの間で弁開閉を行う2段式の弁構造であるが、更に、フロートが中間弁体と下部弁体とからなる3段式の弁構造にも本発明を適用することができる。この場合、上部弁体に配設されているシート部材のシート部は、そのリップ部と、中間弁体の上部に形成された第2シール部との間をシールする。
(実施形態2)
本実施形態は、図9に示すように、シート部材61がケーシング20に取り付けられている点が実施形態1と相違する。ケーシング20は、実施形態1と同様に、天井壁部31と側壁部32とにより囲まれたケーシング本体30をもつ。ケーシング本体30の天井壁部31の中央部には、接続通路31bに臨み内周方向に突出する通路形成突部31aが形成されている。通路形成突部31aには、リング状のゴム製のシート部材61が取り付けられている。また、ケーシング20により囲まれた弁室30Sには、弁室30S内の燃料液位により浮力を増減して昇降することで接続通路31bを開閉するフロート52が収容されている。フロート52はシート部材61の下方に配設され、フロート52の上部のシール部52fとシート部材61のリップ部61eとの間を開閉することにより接続通路31bの開閉を行う。
シート部材61は、基部61aと、基部61aとの間で通路形成突部31aを挟持する挟持部61dと、接続通路31bの開口を有しシール部52fに開閉され基部61aの下面よりも下方に突出するリップ部61eとを有する。基部61aとリップ部61eとの間には、リップ部61eがシール部52fに着座したときにシール部52fによる押圧により弾性変形可能な薄膜部61gが形成されている。基部61aの下面は、フロート52が浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面61fである。ストッパ面61fとリップ部61eとの間には、リング状の溝部61hが形成されている。
本実施形態においては、燃料タンクFTに燃料が供給されて燃料タンクFTの所定液位に達すると、弁室30S内に流入した燃料により、フロート52が浮力により上昇する。このフロート52の上昇により、ケーシング20に取り付けられたシート部材61のリップ部61eがフロート52のシール部52fとの間をシールして接続通路31bが閉じる。これにより、燃料タンクFTを外部に対して遮断し、燃料タンクFTから外部へ燃料が流出することが防止される。また燃料タンクFTの液位が下がると、フロート52が下降してフロート52のシール部52fがシート部材61のリップ部61eとの間を開放して接続通路31bが開く。
ここで、給油時に上昇してきたフロート52がシート部材61のリップ部61eに着座したときに、リップ部61eは、フロート52のシール部52fによって上方へ押圧される。基部61aとリップ部61eとの間には、リップ部61eがシール部52fに着座したときにシール部52fによる押圧により弾性変形可能な薄膜部61gが形成されている。このシール部52fによる押圧力によって、リップ部61eと基部61aとの間に形成された薄膜部61gが容易に弾性変形する。それゆえ、リップ部61eのシール部52fに対する追従性が高くなり、シール部52fとの間を確実にシールすることができる。また、フロート52が傾斜して上昇してきても、薄膜部61gの自在な弾性変形によって、リップ部61eは、傾斜したシール部52fとの間を確実にシールすることができる。
また、シール部52fの押圧力は、薄膜部61gの弾性変形によって、薄膜部61gに吸収される。このため、シート部材61全体が弾性変形することが抑制される。ゆえに、基部61aや挟持部61dの弾性変形が抑制され、基部61aと挟持部61dとは、ケーシング20の通路形成突部31aから抜け出ることが抑制される。
(実施形態3)
図10に示すように、シート部材61の薄膜部61gは、基部61aからシート部材61の径方向に延びており、基部61aとの間には溝部は形成されていない。薄膜部61gの径内側方向の先端部には、薄膜部61gの厚みT1よりも厚みT2が大きいリップ部61eが配設されている。
フロート機構50は、3段の弁構造であり、上部弁体60と、中間弁体51及び下部弁体59をもつフロート52とからなる。上部弁体60は、実施形態1と同様に、シート部材61と、シート部材61を保持する弁本体62とからなる。フロート52は、上部弁体60の下部に配置された中間弁体51と、中間弁体51の下部に配置された下部弁体59とからなる。中間弁体51は、略筒状体であり、その上面には第2シール部51aをもつ。第2シール部51aは、上部弁体60に対して中間弁体51が昇降することにより、シート部材61のリップ部61eとの間が開閉されるようになっている。中間弁体51の内部には、下部弁体59の頭部59aを昇降可能に収容する収容空間51bをもち、その内壁面には、下部弁体59の頭部59aの外周壁59bをガイドするガイド面51cをもつ。下部弁体59の下部には、実施形態1と同様に、スプリング収納隙間が形成されており、ケーシングの底部材との間でスプリングを掛け渡している。
燃料遮断弁の動作について説明する。給油により液体燃料が弁室30s内に流入すると、下部弁体59の浮力によって、下部弁体59の頭部59aが中間弁体51の内壁上面51dに当接しながら上昇する。このとき、下部弁体59は、中間弁体51及び上部弁体60と一体となって、フロート機構50全体が弁室30s内を上昇する。シート部材61のリップ部61eと中間弁体51の第2シール部51aとの間は閉じた状態でフロート機構50が上昇する。やがて、上部弁体60のシート部材61が第1シール部材31cに着座して接続通路31bを閉じる。これにより、燃料が接続通路31bを通じてキャニスタへ流出されることが防止される。
一方、燃料タンク内の燃料が消費されて燃料液位が低下すると、下部弁体59はその浮力の減少によって、下降する。このとき、下部弁体59は、その外周壁59bの環状突部59fと中間弁体51の内周壁に形成した係合爪51fとの係合により、中間弁体51を引き下げる。中間弁体51の第2シール部51aは、シート部材61のリップ部61eから離れて、接続孔61bが弁室30sと最初に連通する。更に燃料液位が低下すると、下部弁体59が中間弁体51とともに更に下降する。そして、中間弁体51の外周壁に突出する環状突部51gと上部弁体60の弁本体62の内周壁に突出する係合爪62gとが係合し、上部弁体60が下降する。これにより、上部弁体60のシート部材61が第1シール部31cから離れて接続通路31bが弁室30sと連通する。
本実施形態においては、シート部材61の薄膜部61gが、シート部材61の径方向に延びている。このため、シート部材61の軸方向の力によって薄膜部61gが変形しやすくなる。また、リップ部61eは、薄膜部61gよりも肉厚のため、剛性をもつ。ゆえに、フロート52が傾斜して浮上してリップ部61eに傾斜した状態で着座したときにも、薄膜部61gは、傾斜したフロート52の第2シール部51aに追従して変形することができる。したがって、リップ部61eと第2シール部51aとの間のシール性が確保できる。
(実施形態4)
本実施形態においては、図11に示すように、シート部材61の薄膜部61gが、略径内側方向に延びており、シート部材61の径方向に対してフロート52から離間する方向に傾斜している点が、実施形態3と相違する。基部61aとリップ部61eとの間には、基部61aの底面から窪む溝部61hが形成されている。薄膜部61gの底部は、溝部61hにより形成されている。薄膜部61gの径内側方向の先端には、リップ部61eが下方向に向けて突出している。薄膜部61gの厚みT1は、リップ部61eの厚みT2よりも小さい。この場合にも、薄膜部61gが変形しやすくなり、リップ部61eとフロート52との間を確実にシールすることができる。
(実施形態5)
本実施形態においては、図12に示すように、基部61aとリップ部61eとの間に連結部61mを形成し、連結部61mと基部61aとの間に溝部61hを形成して、薄膜部61gを溝部61hに隣設している点が、実施形態3と相違する。連結部61mの厚みT3はリップ部61eの厚みT2よりも厚いが、薄膜部61gの厚みT1は連結部61mの厚みT3よりも小さい。ゆえに、フロート52がリップ部61eに着座した際に薄膜部61gが撓んで、リップ部61eと第2シール部51aとの間のシール性を確保することができる。
また、溝部61hは、基部61aの内周面61cの直下に位置している。このため、基部61aの内周面61cの直下に薄膜部61gが形成されることになる。ゆえに、薄膜部61が更に撓みやすくなり、薄膜部61gの変形によって更にリップ部61eの第2シール部51aに対する追従性がよくなる。
なお、本実施形態においては、連結部61mがシート部材61の径方向に沿って延びているが、径方向に対して上側又は下側に傾斜していてもよい。連結部61mが傾斜している場合にも、シート部材61の基部61aと連結部61mとの間であって基部61aの内周面61cの直下に溝部61hを形成して、薄膜部61gを基部61aの内周面61cの直下に形成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種種の変形が可能であることは勿論である。
本発明の実施形態1に係る燃料タンクの上部に取付けられた燃料遮断弁を示す断面図である。 燃料遮断弁を分解した断面図である。 フロート、上部弁体を分解して示した斜視図である。 上部弁体の付近を示す断面図である。 シート部材の付近を拡大した半断面図である。 燃料液位が上昇したときのシート部材の付近を拡大した半断面図である。 燃料液位が下降したときの燃料遮断弁の動作を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係るシート部材の一部拡大断面図であって、(a)はリップ部が薄膜部から傾斜して延設されている場合、(b)は溝部が内周面とリップ部との間に形成されている場合、(c)は薄肉部とリップ部との間に凸状部が形成されている場合を示し、(d)は実施形態1のシート部材の一部拡大断面図である。 実施形態2に係る燃料遮断弁を示す断面説明図である。 実施形態3に係る燃料遮断弁を示す断面説明図である。 実施形態4に係る燃料遮断弁を示す断面説明図である。 実施形態5に係る、上部弁体とフロートとの要部断面説明図である。
符号の説明
10:燃料遮断弁、20:ケーシング、30:ケーシング本体、31b:接続通路、31c:第1シール部、40:蓋体、41:蓋本体、50:フロート機構、51:中間弁体、51a:第2シール部、52:フロート、52f:シール部、56:支持突部、56a:第2シール部、59:下部弁体、60:上部弁体、61:シート部材、61a:基部、61b:接続孔、61c:内周面、61d:挟持部、61e:リップ部、61f:ストッパ面、61g:薄膜部、61h:溝部、61i:凸状部、61j:シート部、61k:拡張部、61m:連結部、62:弁本体、62a:上面部、62b:側壁、62c:支持孔、62d:取付部、62f:係合爪、62g:取付穴、70:スプリング、FT:燃料タンク。

Claims (9)

  1. 燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
    前記燃料タンク内と前記接続通路とを連通する弁室と、前記接続通路に臨んだ第1シール部とを有するケーシングと、
    前記弁室に収納され該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降し、その上部に第2シール部を有するフロートと、
    該フロートの上部に載置され該フロートが昇降することで前記接続通路を開閉する上部弁体と、を備え、
    前記上部弁体は、弁本体と、該弁本体に取付けられ接続孔をもつリング状のゴム製のシート部材とを備え、
    前記シート部材は、基部と、前記基部との間で前記弁本体を挟持する挟持部と、前記接続通路を開閉しかつ前記接続孔の上部の開口を有するシート部と、前記第2シール部に開閉され前記接続孔の下部の開口を有し前記基部の下面よりも下方に突出するリップ部とを備え、
    前記基部と前記リップ部との間には、前記リップ部が前記第2シール部に着座したときに前記第2シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されていることを特徴とする燃料遮断弁。
  2. 燃料タンクの上部に装着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を開閉することで燃料タンクと外部とを連通遮断する燃料遮断弁において、
    前記燃料タンク内と前記接続通路とを連通する弁室と、前記接続通路に臨みリング状のゴム製のシート部材が取付られた通路形成突部とを有するケーシングと、
    前記弁室に収納され該弁室内の燃料液位により浮力を増減して昇降することで前記接続通路を開閉し、その上部に前記シート部材との間で弁開閉を行うシール部を有するフロートと、を備え、
    前記シート部材は、基部と、前記基部との間で前記通路形成突部を挟持する挟持部と、前記接続通路の開口を有し前記シール部に開閉され前記基部の下面よりも下方に突出するリップ部とを備え、
    前記基部と前記リップ部との間には、前記リップ部が前記シール部に着座したときに前記シール部による押圧により弾性変形可能な薄膜部が形成されていることを特徴とする燃料遮断弁。
  3. 前記基部の前記下面は、前記フロートが浮力により上昇したときの最上位置を規定するストッパ面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁。
  4. 前記基部の前記下面と前記リップ部との間には、リング状の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
  5. 前記基部の前記接続孔と対向する内周面と前記リップ部との間には、リング状の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
  6. 前記薄膜部は、前記シート部材の径方向に延びていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
  7. 前記薄膜部は、前記シート部材の径方向に対して前記フロートから離間する方向に傾斜していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
  8. 前記基部と前記リップ部との間には、連結部が介設されており、
    該連結部と前記基部との間に前記溝部を形成して、前記薄膜部を前記溝部に隣設していることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
  9. 前記基部の内周面の直下に前記溝部が形成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の燃料遮断弁。
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