以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1の外観を示す図である。
図1(a)には、デジタルカメラ1を正面斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(b)には、デジタルカメラ1を背面斜め上方から見た斜視図が示されている。
まず、図1(a)を参照してデジタルカメラ1の正面および上面の構成を説明する。
図1に示すデジタルカメラ1の正面中央にはレンズ鏡胴100が備えられている。そのレンズ鏡胴100内には撮影レンズ1021を含む撮影光学系が内蔵されている。なお、レンズ鏡胴100に内蔵されている撮影光学系1021は、焦点距離が可変な撮影光学系であって、ボディの背面側にあるズームスイッチ(後述する)の操作に応じて鏡胴の繰り出し量が変化して焦点距離が調節される。その撮影光学系が内蔵されているレンズ鏡胴100の上方にはファインダ101が備えられており、そのファインダ101の横には発光窓102が備えられている。この発光窓102からは、後述するシステム制御回路によって撮影補助光の照射が必要であると判定された場合に被写体に向けて撮影補助光が照射される。また、本実施形態においては、レンズ鏡胴100の先端部に複数のLED114が配備されており、それらのLED114から撮影補助光が照射される様にもなっている。
また、カメラボディの上面にはレリーズボタン104やモードダイヤル105、さらに連写/単写切替スイッチ106が備えられている。
次に図1(b)を参照してデジタルカメラの背面側の構成を説明する。
図1(b)に示すボディ背面にはファインダ機能を発揮する表示画面1501が備えられている。その表示画面1501の横方向には、この表示画面1501を表示状態にするか非表示状態にするかを切り替える画像表示ON/OFFスイッチ107や十字キーを含む多数の操作子を備えた操作部103が備えられている。この操作部103にはズームスイッチとしても用いられる十字キーの他にメニュー/OKキーやキャンセルキー、電源スイッチが含まれる。
図2は図1のデジタルカメラ1の内部の構成を示す構成ブロック図である。
図2を参照してデジタルカメラ1内部の構成を説明する。
本実施形態のデジタルカメラ1ではすべての処理がシステム制御回路110によって制御されている。このシステム制御回路110の入力部には図1に示したレリーズボタン104、モードダイヤル105,単写/連写切替スイッチ106などの操作子や操作部103の中の複数の操作子それぞれが接続されていてそれらの操作子のうちのいずれかの操作により操作信号がこのシステム制御回路110に供給されてくると、それらの操作子のうちの少なくとも一つの操作に応じた処理が開始される。
また図1には示していないが、本実施形態のデジタルカメラ1は、着脱自在な記憶媒体であるメモリカード800が媒体装填室100Aに装着されてその媒体装填室100Aに装填されたメモリカード800に撮影画像を表わす画像信号が記録されるようになっているので、記憶媒体であるメモリカード800が媒体装填室100A内に装着されているかどうかを検知するための記憶媒体着脱検知手段108が備えられている。さらに背面側にある画像表示ON/OFFスイッチ107や図1には図示されていないが表示画面1501の表面を覆って保護するための防護用扉の開閉を検知する画像表示部開閉検知手段109も備えられている。これらの記憶媒体着脱検知手段108や画像表示ON/OFFスイッチ107や画像表示部開閉検知手段109それぞれからの信号もシステム制御回路110に供給されるようになっていてシステム制御回路110はそれらの信号を受けて適宜処理を実行するようにもなっている。またシステム制御回路110は、撮影モード時には図1に示すデジタルカメラ1の背面側に配備されている十字キーの操作に応じてズーム制御手段1020に指示して撮影レンズ1021の中のズームレンズを移動させている。上述した様に本実施形態のデジタルカメラ1は繰り出し自在な鏡胴を備えたものであるので鏡胴の繰り出し量が変化すると、ズームレンズが移動して撮影レンズ1021の焦点距離が変わり撮影領域も変わる。
またシステム制御回路110では、CCD固体撮像素子120で生成された画像信号に基づいてシステム制御回路110によりTTL(Through The Lens)測距とともにTTL測光が行なわれている。TTL測距にあっては、システム制御回路110が測距制御手段1030に指示して撮影光学系1021の中のフォーカスレンズを光軸に沿って移動させることによりピントを移動させながらCCD固体撮像素子120に所定のタイミングごとに画像信号を生成させ生成させた画像信号のコントラストを所定の間隔ごとに検出していくことによってピントの検出が行なわれている。以降の説明においては、このフォーカスレンズを光軸に沿って移動させることによりピントを遠い方から近い方へと移動させながらピントの検出を行なうことをAFサーチという。
また、TTL測光にあっては、システム制御回路110がCCD固体撮像素子120で生成された画像信号の輝度を検出することによりTTL測光が行なわれている。
そのTTL測光の測光結果に応じては、システム制御回路110は、露光制御手段1040に指示してその露光制御手段1040に絞り1041の開口径を調節させたり、不図示のメカニカルシャッタのシャッタ秒時を調節させたりしている。
また被写界輝度が低いというTTL測光の結果を受けてシステム制御回路110は、補助光発光部11内の第1の発光量制御手段112Aに指示してキセノン管Xeから補助光を照射させている。
ここで、本実施形態のデジタルカメラ1には、発光源にキセノン管(以降Xe管と記載する)114Xを備えた第1の補助光発光部11Aに加えて、発光源に複数のLED114を備えた第2の補助光発光部11Bが配備されている。上述した様に本実施形態のデジタルカメラ1が備える鏡胴100は、繰出自在なものであるため、最大の繰り出し量になる側にズームスイッチである十字キーが操作されていったときにその繰り出されている鏡胴100の先端部に発光窓102から発光された撮影補助光が干渉してけられ領域が発生してしまうことがある。
そこで、本実施形態では、第2の補助光発光部11Bの複数のLED114をレンズ鏡胴100の先端部に設けて第1の補助光発光部11AのXe管114Xからの撮影補助光が鏡胴100の先端部に干渉して不到達となるケラレ領域が発生したときには、第1の補助光発光部11Aに撮影補助光を照射させるとともに、第2の補助光発光部11Bの複数のLED114の少なくとも一つにケラレ領域に向けて撮影補助光を照射させることにより画角全域に向けて撮影補助光を照射させている。
さらに、本実施形態においては、ズームスイッチである十字キーの操作に応じて鏡胴100の長さが変化するので、CCD固体撮像素子120が、撮影領域を分割したときの各分割領域ごとに反射光の輝度を測定することができる受光手段であることを利用して、システム制御回路110が第1の補助光発光部11AのXe管114Xから撮影に先立ってプリ発光させると共に、上記CCD固体撮像素子120に、プリ発光光の、各分割領域からの反射光を受光させ、CCD固体撮像素子120による受光結果に基づいてケラレ領域の発生の有無を判定している。ここでシステム制御回路110がケラレ領域が発生すると判定したときには、第2の補助光発光部11Bの発光量制御手段112Bに指示してLED駆動回路113Bに複数のLED114のうちの少なくとも一つを駆動させることにより鏡胴の先端部の複数のLEDのうちの少なくとも一つから撮影補助光を照射させている。
本実施形態においては、CCD固体撮像素子120によって本発明にいう受光手段の一例が構成され、その受光手段とシステム制御回路110とによって本発明にいう判定手段の一例が構成され、システム制御回路110によって本発明にいう制御手段の一例が構成されている。また、本発明にいう第1の照明手段の一例がXe管114Xを備える第1の補助光発光部11Aで構成され、本発明にいう第2の照明手段の一例が複数のLED114を備える第2の補助光発光部11Bで構成されている。
なおシステム制御回路110内には、ホワイトバランス調整部やγ補正部やYC変換部等も設けられていて色温度検出回路141で検出された色温度に基づいてホワイトバランス調整部でホワイトバランス調整が行なわれたり、画像表示部150が備える表示画面1501の表示仕様に適した信号にするためにγ補正部でγ補正部が行なわれたり、さらにγ補正が行なわれた後のR、G、Bの各色信号がどのような表示部によっても表示される様にYC変換部でYC信号に変換されたりしている。
ここで、図2を参照してこのデジタルカメラの動作の概要を簡単に説明しておく。
まず図2の操作部103(図1参照)内の電源スイッチが投入されると、不揮発性メモリ110A内の全体処理プログラムの手順にしたがってシステム制御回路110によりこのデジタルカメラ1全体の動作が統括的に制御され撮影処理が開始される。その不揮発性メモリ110Aの他にこの撮影処理が行なわれているときのフラグや処理変数などが一時記憶されるメモリ110Bも配備されている。この例では電池Btの消費電力を抑制するために操作部103内の電源スイッチが投入されシステム制御回路110(システム制御回路110には電池Btからの電力が常に供給されている)により電源スイッチが投入されたことが検知されたときに初めて電池Btから電源制御手段111bを介して各ブロックに電力が供給される。こうして各ブロックに電力が供給されると、デジタルカメラ1は動作状態になる。
この動作状態になったデジタルカメラ1の動作を構成とともに説明していく。
図1に示すレンズ鏡胴100内にはフォーカスレンズやズームレンズを含んだ撮影レンズ1021、さらに光量調節用の絞り1041などが配備された撮影光学系が内蔵されている。またこの例においてはレンズを保護するレンズバリア1011が配備されている例が示されており、電源スイッチが投入されるとバリア制御手段1010によってそのレンズバリア1011が解放されて図1に示すように鏡胴100が繰り出され撮影レンズ1021が表面に露出する構成になっている。
この電源スイッチが投入されたときにモードダイヤル105が撮影側に切り替えられていた場合には、まず表面に露出した撮影レンズ1021を通ってCCD固体撮影素子120に結像された被写体像を表わす画像信号が、タイミング発生回路121からのタイミング信号に基づいて所定の間隔ごと(例えば16.5msごと)に間引かれてA/D変換回路130へと出力される。出力された画像信号がA/D変換回路130でアナログの画像信号からデジタルの画像信号に変換されさらにデジタルの画像信号がメモリ制御部111aの制御の下に画像処理回路140に導かれてこの画像処理回路140でRGBの画像信号がそれぞれR色信号、G色信号、B色信号に分離される。さらにR色信号,G色信号,B色信号それぞれに分離された各色信号がメモリ制御部111aの制御の下にバスを介してシステム制御回路110や色温度検出回路141に導かれる。その色温度検出回路141で検出された色温度の情報がシステム制御回路110に供給されてシステム制御回路110内のホワイトバランス調整部でホワイトバランスが調整される。
さらにホワイトバランス部でホワイトバランスが調整された後、このデジタルカメラ1が備える表示画面1501(図1参照)上に表示することができる様にシステム制御回路110内のγ補正部でγ補正が行なわれ、さらにYC変換部でYC信号への変換が行われた後、そのYC信号が画像表示メモリ151内に記憶される。こうしてこの画像表示メモリ151内に記憶された1フレーム分のYC信号がメモリ制御部111aの制御の下に読み出されてD/A変換回路160に導かれアナログの画像信号に変換されてから画像表示部150に供給される。
この例では、画像表示部150に所定の間隔ごとに新しい画像信号を供給することができるようにするために画像表示メモリ151を設けて、その画像表示メモリ151に少なくとも2フレーム分の画像信号を記憶することにより画像表示部150への画像信号の供給タイミングをうまく調整することができるようにして所定の間隔ごとに画像が繋がる様に切り替えられて成る動画像の表示を可能ならしめている。
前述したようにシステム制御回路110ではAFサーチによる測距結果に基づいて測距結果手段1030に指示して常に合焦点に撮影光学系内のフォーカスレンズを配置させたり、またズームスイッチが操作されたときにはズーム制御手段1020に指示してそのズームスイッチの操作によるズーム倍率に応じた位置に撮影光学系の中のズームレンズを配置させたりしているため、表示画面上には常にピントのあった、ズームスイッチの操作位置に応じたズーム倍率のスルー画が表示される。
ここで、レリーズボタン104が半押しされると、システム制御回路110は、露光制御手段104に絞り1041の開口径を調節させたりシャッタ秒時を設定させたりする。こうしてシステム制御回路110が絞り1041の開口径を調節させ不図示のメカニカルシャッタのシャッタ秒時の設定を行なわせた後、さらに撮影補助光の発光が必要であると判定した場合にはレリーズボタン104の全押に同期してXe管114Xから撮影補助光を発光させることができる様に発光の準備を整える。
また、第1の補助光発光部11Aが備えるXe管114Xにプリ発光を行なわせてCCD固体撮像素子120にそのプリ発光時の被写体光を受光させることにより被写体を表わす画像信号を生成させ、生成させた画像信号の中の各分割領域の輝度信号に基づいてケラレ領域があるかどうかを判定する。ここで輝度差があることからケラレ領域が有ると判定したら、そのケラレ領域に対応する、複数のLED114のうちの少なくとも一つから撮影補助光を発光させることができる様に発光の準備を整え、ケラレ領域がないと判定したら、何もせずにそのまま処理を続行する。
そしてシステム制御回路110は、タイミング発生回路121に指示してそのタイミング発生回路121に露光開始信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させてCCD固体撮像素子120に露光を開始させる。その後、レリーズボタン104が全押しされ、撮影補助光が必要があってケラレ領域があると判定していた場合には第1の補助光発光部11A内の第1の発光量制御手段112Aに指示して駆動回路113AにXe管114Xを駆動させることによりXe管から撮影補助光を照射させるとともに第2の発光量制御手段112Bに指示してLED駆動回路113Bに複数のLED114のうちの少なくとも一つを駆動させることにより少なくとも一つのLED114からケラレ領域に撮影補助光を照射させる。またケラレ領域がないと判定していた場合には第1の補助光発光部11A内の第1の発光量制御手段112Aに指示してXe管駆動回路113AにXe管114Xを駆動させることによりXe管114Xからのみ撮影補助光を照射させる。そして所定のシャッタ秒時が経過して露出制御手段にメカニカルシャッタを閉じ駆動させた後にシステム制御回路110は、タイミング発生回路121に指示を出して今度は露光終了信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させる。その露光終了信号に同期してCCD固体撮像素子120から露光が終了した後の画像信号をA/D変換回路130へと出力させる。
後段のA/D変換回路130ではCCD固体撮像素子120から出力されたアナログの画像信号がデジタルの画像信号に変換され、さらにこのデジタルの画像信号がメモリ制御部111aに制御されバスを経由してメモリ180に供給される。そのメモリ180にCCD固体撮像素子120が備えるすべての画素からなる画像信号が記憶された後、システム制御回路110の制御の下にその画像信号が読み出されてシステム制御回路110内のホワイトバランス調整部で上記各色アンプに設定されたゲインでR信号・G信号・B信号それぞれの振幅が調整されることでホワイトバランスの調整が行なわれる。さらにγ補正やYC信号への変換が行なわれた画像信号が、バスを介して圧縮・伸張回路190に供給されYC信号からなる画像信号が圧縮されてメモリカード800に記憶される。
こうしてシステム制御回路110によってデジタルカメラの撮影動作が制御され撮影により得られた画像信号がメモリカード800に記録される。
なお、カメラボディに設けられているコネクタ117にケーブルを介してアンテナが接続されると外部との間で無線通信が行なわれる通信手段116や操作内容をユーザに伝えるための表示部115なども配備されている。
ここで、システム制御回路110が実行する補助光発光の処理をもう少し分かり易く説明する。
図3は、システム制御回路110が実行する補助光発光の処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS301でレリーズボタン104が半押しされたかどうかを判定する。ここでレリーズボタン104が半押しされていなかったら、ステップS301の処理を繰り返す。ステップS301でレリーズボタン104が半押しされたと判定したら、次のステップS302でTTL測光により被写界輝度の測定を行なって次のステップS303でTTL測距によりAFサーチを行なって被写体距離の測定を実行する。
次のステップS304で、ステップS302の測光結果から発光の必要があるかどうかを判定する。このステップS304で発光の必要があると判定した場合にはステップS305へ進んで内部のフラグに1をセットし、必要ないと判定した場合にはステップS306へ進んで内部のフラグに0をセットする。
次のステップS307でレリーズボタン104が全押しされたかどうかを判定する。ここでレリーズボタン104が全押しされていないと判定したらステップS307の処理を繰り返し、全押しされたと判定したらステップS308へ進む。
ステップS308でフラグの内容を参照してフラグの内容が1であったらステップS309へ進み、フラグの内容が0であったらステップS317へジャンプする。ステップS317へジャンプしたらステップS317でCCD固体撮像素子120に向けてタイミング発生回路121に露光開始信号を供給させた後、ステップS316でCCD固体撮像素子120に向けてタイミング発生回路121に露光終了信号を供給させてCCD固体撮像素子120からA/D変換回路130に画像信号を出力させてこのフローの処理を終了する。
また、ステップS308でフラグが1であったら、ステップS309へ進んでキセノン管114Xにプリ発光を行なわせて次のステップS310でCCD固体撮像素子120に受光させたプリ発光光を表わす画像信号の各分割領域の輝度信号に基づいてケラレ領域が発生したかどうかを判定する。次のステップS311でケラレ領域が発生すると判定したらケラレあり側へ進んでステップS312で露光を開始してキセノン管114Xに撮影補助光を発光させるとともにケラレ領域に対応する、複数のLED114のうちの少なくとも一つに撮影補助光を照射させる。次のステップS316で露光終了信号をCCD固体撮像素子120に出力させて画像信号をA/D回路130へと出力させてこのフローの処理を終了する。
また、ステップS311でケラレがないと判定したら、ケラレなし側へ進んでステップS314でタイミング発生回路121にCCD固体撮像素子120に向けて露光開始信号を供給させてCCD固体撮像素子120に露光を開始させ、次のステップS315でXe管114Xのみに撮影補助光を照射させる。次のステップS316でタイミング発生回路121にCCD固体撮像素子120に露光終了信号を供給させCCD固体撮像素子120からA/D変換回路130へと画像信号を出力させてこのフローの処理を終了する。
図4は、第1実施形態のデジタルカメラ1が発揮する効果を説明する図である。
第1の実施形態のデジタルカメラ1においては繰出し自在である鏡胴100がズームスイッチの操作に応じて繰り出されていくと、図1に示す発光窓102と鏡胴100との位置関係から図4に示す箇所にケラレ領域が発生することがある。そこでシステム制御回路110は、第1の補助光発光部11Aが備えるXe管にプリ発光を行なわせ、撮影領域から反射してきたプリ発光光の強度をCCD固体撮像素子120を用いて測定し輝度差からケラレ領域が発生したと判定したときには、例えば図4に示す様に鏡胴100の先端部の複数のLED114のうちの3つのLEDからそのケラレ領域に向けて撮影補助光を照射させている。
こうしておくと、Xe管114Xから照射された撮影補助光が鏡胴100の先端部に干渉して撮影補助光が不到達となるケラレ領域が発生してもそのケラレ領域に向けて複数のLED114のうちの少なくとも一つから撮影補助光が好適に照射されるので、画角全域に亘って撮影補助光が好適に照射される。
図5〜図8は、第2実施形態を説明する図である。
図5には第2実施形態のデジタルカメラ1´の外観が示されており、この外観はボディ上面にホットシューHSが設けられそのホットシューHSに外付けの補助光発光装置10が着脱自在に装着される構成になっている以外は図1の外観と同じである。図6には、図5のデジタルカメラ1´の内部構成がブロック図の形で示されており、この内部構成は、ホットシューHSが追加され外付けの補助光発光装置10が装着自在になっている以外は図2の構成と同じである。なお、ホットシューHSに外付けの補助光発光装置10が装着されたときには、内蔵されている第1の補助光発光部11Aの動作が禁止され外付けの補助光発光装置10から撮影補助光が照射される。
また図7(a)には、ボディのホットシューHSに補助光発光装置10が装着されたときにケラレ領域が発生した場合と図7(b)にはケラレ領域が発生しない場合の画像の違いが示されている。
さらに図8には、ケラレ領域が発生したときに鏡胴の先端部の複数のLEDのうちの少なくとも一つからLEDを照射させているときに、Xe管114Xに照射させた光量と同じ光量になったタイミングでLEDの発光を停止させる場合の処理内容が示されている。
第1の実施形態では、発光窓102とレンズ鏡胴100との間の位置関係から図4に示す位置にケラレ領域が発生したが、ホットシューHSに外付けの補助光発光装置10が装着されたときにケラレ領域が発生した場合には図7、図8に示す位置(ハッチング領域)にケラレ領域が発生する。
その場合にも第1の実施形態と同様にシステム制御回路110が第1の補助光発光部が備えるXe管114Xに撮影補助光を照射させるとともにケラレ領域に向けて第2の補助光発光部の複数のLED114のうちの少なくとも一つに撮影補助光を照射させると、撮影領域全域に向けて撮影補助光が照射される。
また第1の実施形態では、複数のLED114それぞれの発光を停止させるタイミングについては触れなかったが、もしもXe管114Xから照射された撮影補助光の光量とLED114から照射された光量の間に差が生じると画像信号上に輝度むらが生じてしまう。
そこで、Xe管114Xに照射させている発光光量と複数のLED114それぞれに照射させている光量が同じになったタイミングで複数のLED114それぞれの発光を停止させる処理を行なうことが必要になってくる。
図7には、システム制御回路110が、CCD固体撮像素子120で被写体光を受光したときの撮影領域を複数の分割領域に分割した場合の分割領域がそれぞれ符号1〜9で示されている。図中符号8で示す分割領域の部分がケラレ領域であり、そのケラレ領域にLED114から撮影補助光が照射されている。図7の符号1〜8の各分割領域にはXe管から撮影補助光が照射されている訳であるから、複数のLED114のうちの少なくとも一つから分割領域8に向けて照射されている積分光量がこれらの領域の受光光量とほぼ同じになったタイミングでLEDからの発光を停止させれば良いことになる。
しかし、図7に示す符号8の分割領域程度の大きさでは分割範囲が大き過ぎてケラレ領域内の発光光量に差が現われ兼ねないので図8に示す様にケラレ領域内を複数のLEDそれぞれの照射領域に対応する様にさらに細かく分割してそれぞれの分割領域に照射させているLEDの発光をそれぞれ個別に停止させている。
本実施形態においては、システム制御回路110と第2の発光量制御手段112BとLED駆動回路113BとCCD固体撮像素子120とによって本発明の光量調節手段の一例が構成されている。
図8(c)には、Xe管114Xから撮影補助光を照射させたときの符号6の領域の受光光量により発光光量を調光しておいて、その受光光量と、複数のLED114それぞれが担当する分割領域である符号8,符号9,符号10で示す分割領域のうちの符号9で示す分割領域の受光光量が略同じになったときにLEDの発光を停止させる処理を行なった場合のタイミングチャートが示されている。
つまり、Xe管114Xから撮影補助光を照射させて撮影領域から反射してくる被写体光をCCD固体撮像素子120で受光してCCD固体撮像素子120から画像信号を出力させた後、システム制御回路110が、撮影領域を複数の分割領域に分割して符号6で示す分割領域の調光を行なってその符号6の分割領域の受光光量を検出し検出した受光光量になるまで領域9に向かって複数のLED114のうちのいずれかに撮影補助光を照射させたらLEDの発光を停止させている。
このLEDの発光停止処理を分割領域9だけでなく、領域8と領域10でも行なえば、撮影領域全体の光量がほぼ均等化される。
ところで撮影装置の中には、カメラヘッドが着脱自在にカメラ本体に装着されて撮影が行なわれるものがある。カメラヘッドには望遠から広角に対応する、多数の種類のカメラヘッドがあり、それらの種類のうちのいずれかのカメラヘッドがカメラ本体に装着されるため、カメラヘッドの種類によってはカメラヘッドの先端部がカメラ本体の発光窓から被写体に向けて照射される撮影補助光に干渉してケラレ領域を発生させてしまうものもある。
図9は、本発明の第3の実施形態であるカメラシステムを示す図である。
図9に示すように本実施形態のカメラシステム2は、カメラヘッド2aとカメラ本体2bとを備える。図9には、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッド2aと、そのカメラヘッド2aが着脱自在に装着されカメラヘッド2aから画像データを受け取って信号処理を行なうカメラ本体2bとが示されている。
図9を参照してまずカメラヘッド2aの構成を説明する。
カメラヘッド2aの外観は従来の交換レンズと同様のものである。また、本実施形態のカメラヘッド2aは、先端部に複数のLED41を備えたリング型の補助光発光部4を装着することができる構成になっている。本実施形態においては、このリング型の補助光発光部4がカメラヘッド2aごとに配備されていてそのリング型の補助光発光部4がカメラヘッド2aに装着された状態で常に撮影が行なわれるものとする。
カメラ本体2の他の構成要素を、図9を参照して説明しておく。
カメラ本体2bの中央には、多数のマウント接点を持つヘッドマウント20bが配備されている。カメラヘッド2a側にも同様のマウント部が構成されており、双方のマウント接点の位置がそれぞれあうように図中の一点鎖線に沿ってカメラヘッド2aがカメラ本体2bに装着されると、多数のマウント接点同士が各々接続されてカメラヘッド2aとカメラ本体2bとが電気的に接続される。
この多数のマウント接点の中のそれぞれが通信用、電力供給用にそれぞれ割り当てられていてカメラ本体2b側からカメラヘッド2a側への通信が行なわれたり、またカメラヘッド2a側からカメラ本体2b側への通信が行なわれたり、さらにカメラ本体2b側からカメラヘッド2a側への電力の供給が行なわれたりする。
このヘッドマウント20bの上方にはAWBセンサ21bが配備され、そのAWBセンサ21bにより撮影時の光源種が検出される。この光源種とは、例えば太陽光であるか蛍光灯であるかといったようなものであり、この光源種がAWBセンサ21bにより検出され後述するデジタル信号処理部に適正な色温度が設定されて最適なホワイトバランスの調整が行なわれる。そのAWBセンサ21bの横には、発光窓22bが配備されており、その発光窓22bを通して撮影補助光を発光する補助光発光部がカメラ本体2b内に配備されている。また上述した様にカメラ本体2bのボディ上面にはホットシューHS1が配備されており、そのホットシューHS1に外付けの補助光発光装置3が装着されると、発光窓22bからではなく、そのホットシューHS1に装着された補助光発光装置3から撮影補助光が照射される。
さらにカメラ本体2bのボディ上面にはレリーズ釦23bとモードダイヤル24bが配備されている。このモードダイヤル24bによって撮影モードと再生モードとが選択され、さらにその撮影モードにあっては、さらに静止画撮影モードであるとか、動画撮影モードであるとかが選択される。
つまり、カメラ本体2bに装着されたカメラヘッド2aの先端部が、カメラ本体2b側から照射された撮影補助光の一部に干渉して発光窓22b又はホットシューHS1に装着された補助光発光装置3から撮影補助光が照射されたときにその撮影補助光が不到達となるケラレ領域が発生したときにはそのケラレ領域に向けてそのリング型の補助光発光装置4が備える複数のLED41のうちの少なくとも一つに撮影補助光を照射させるので第1の実施形態と同様の構成になって第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態ではモードダイヤル24bが電源スイッチを兼ねていてモードダイヤル24bが操作されたときに各モードの指定が行われるとともに電源が投入され各部に電力が供給される構成になっている。
ここで図10を参照して図9に示すカメラシステム2の内部の構成を説明する。
図10はカメラヘッド2aがカメラ本体2bに装着された状態にあるときのカメラシステムの内部構成を示すブロック図である。
図10の上方側には多数のカメラヘッドのうちの一つのカメラヘッド2aの構成が、また図10の下方側にはカメラ本体2bの構成がそれぞれ示されている。図10に示すカメラヘッド以外のカメラヘッドにおいても図10に示すカメラヘッドの内部構成とほぼ同じ構成を有するものとし、外観形状や内蔵の撮影光学系のレンズ性能のみが異なるものであるとする。
まず、このカメラシステム2の電源廻りの構成を簡単に説明しておく。
カメラヘッド2a側のDC/DCコンバータ201aと本体側のDC/DCコンバータ241bは、カメラ本体のバッテリBtの電力供給を受けて動作するものであって、カメラヘッド側の電源制御部200a,カメラ本体側の電源制御部240bによってそれぞれ制御される。
カメラヘッド2aがカメラ本体2bに装着された状態にあるときにモードダイヤル24bが操作されることによって電源投入の指示がユーザ操作により出されると、カメラ本体側の電源制御部240bからDC/DCコンバータ241bに指示が出されてカメラ本体2b内の各部に電池Btからの電力が供給される。このようにして電池Btからの電力がカメラ本体2b各部に供給されたら、カメラ本体2b側の電源制御部240b、さらにラッチ部260b、I/O部261bを経てカメラヘッド2a側の電源制御部200aにも電力供給の指示が伝達されバッテリBtの電力がDC/DCコンバータ201aを介してカメラヘッド2a側の各部にも供給される。
なお、カメラヘッド2aがカメラ本体2bに装着された状態になったときには、カメラ本体2b側の電源制御部240bにカメラヘッド2a側からロー信号(図中、中央右側に示してあるグランド信号)が供給される。ここでモードダイヤル24bにより電源投入の指示が出されたら、これを受けてカメラ本体2b側の電源制御部240bによりラッチ部260bがローからハイへ、もしくはハイからローへ切り替えられそのままラッチされてI/O部261bにそのラッチ信号が供給され本体CPU200bに電源が投入されたことが伝達される。さらにI/O部261bからカメラヘッド2a側の電源制御部200aにもこのラッチ信号が電源オン指示となって伝達される。つまりモードダイヤルが操作され電源スイッチ24bが投入されたときに、カメラ本体2b側のDC/DCコンバータ241b、またカメラヘッド2a側のDC/DCコンバータ201aから各部に電力が供給されてこのカメラシステム全体がカメラシステムとして立ち上がり動作する。
次に、電源が投入され、このカメラシステム2が動作して撮影が行なわれているときにカメラヘッド2aからカメラ本体2bへ送信される画像データの流れを説明する。
まず、カメラヘッド2a側の構成を説明する。
図10に示すようにこのカメラシステム2を構成するカメラヘッド2aには、撮影光学系21aと撮像素子(ここではCCD固体撮像素子が用いられているので以下CCDという)22aとが備えられている。その撮影光学系21a内には撮影レンズや絞りなどが配備されている。その撮影光学系21a内の撮影レンズで被写体をCCD22aに結像させて、CCD22aで画像データの生成を行なっている。このCCD22aで生成した画像データをアナログ信号処理部23aに出力させてそのアナログ信号処理部23aでノイズ低減の処理などを行なわせた後、後段のA/D部24aにアナログ信号の画像データをデジタル信号の画像データに変換させる。その後、デジタル信号の画像データが高速シリアルドライバ250aに供給され、この高速シリアルドライバ250aおよびカメラ本体の高速シリアルドライバ250aを経由してカメラ本体2bに画像データが送信される。
このカメラ本体2b側に送信される画像データの中には、図10には不図示のモードダイヤル24b(図9参照)によっていずれかの撮影モードが選択された状態にあるときに撮影光学系内の撮影レンズが捉えた被写体をLCDパネル(図示せず)上に表示するためのスルー画用の画像データ(以下スルー画信号という)やその撮影モードの中の静止画撮影モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦23bの操作により得られる静止画像を表す画像データ(以下静止画信号という)やその撮影モードの中の動画モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦23bの操作により得られる動画を表す画像データ(以下動画信号という)の3通りの画像データがある。
なお、A/D部24aでデジタル信号に変換された画像データはA/D部24aの後段に設けられた積算回路26aにも供給されている。この積算回路26aはAF機能(以下AFという)およびAE機能(以下AEという)を果たすものであって、この積算回路26aによってAE機能を働かせるための被写界輝度の測定やAF機能を働かせるための被写体距離の測定が行なわれている。その積算回路26aで測定された被写体距離や被写界輝度がデータバス292aを介して絞り/フォーカス/ズーム制御部27aに供給され、その絞り/フォーカス/ズーム制御部27aによって撮影光学系内の絞りの径が調節されたり、撮影光学系内のフォーカスレンズの位置が調節されたりする。このようにしておくとこのカメラヘッド2aが備える撮影光学系内のレンズが異なる被写体に向けられる度にAFやAEが働きすぐにピントや輝度の調整が行なわれてピントの合った被写体を表す画像データがCCD22aで生成されCCD22aから出力され、そのCCD22aから出力されたスルー画データが、高速シリアルドライバ250aを通してカメラ本体2b側に供給される。
また本実施形態のカメラシステム2では、複数のLEDを備えたリング型の補助光発光装置4がカメラヘッド2aの先端部に自在に装着される構成になっている。このためリング型の補助光発光装置4がカメラヘッド2aの先端部に装着されたときにその補助光発光装置4の動作を制御するための補助光発光制御部294aが配備されている。その補助光発光制御部294aはバス292aを介してヘッドCPU29aに接続されそのヘッドCPU29aには後段の積算回路26aがバス292aを介して接続されている。このため、撮影が行なわれるときには、積算回路26aで積算された測光情報がヘッドCPU29aの制御の下に3線シリアルドライバ251a、251bにより本体CPU200bに伝達され本体CPU200bでケラレ領域が発生すると判定されそのケラレ領域を示す情報が3線シリアルドライバ251b,251aを通して返信されてきたらその情報に基づいてリング型の補助光発光装置4が備える複数のLED41のうちの少なくとも一つを発光させケラレ領域に撮影補助光を照射させることができる。
以上がカメラヘッド2a側の構成である。
次にカメラ本体2b側の構成を説明する。
まず、上記カメラヘッド2a側で生成されたスルー画データが高速シリアルドライバ250aを経由してカメラ本体2bに供給されてきて本体側の高速シリアルドライバ250bで受信されたら受信されたスルー画データがバスを経由してまずデジタル信号処理回路203bに供給される。
デジタル信号処理部203bでは、黒レベルクランプやホワイトバランス調整やYC変換などの信号処理が施され信号処理が施された画像データがフレームメモリ204bを経由してLCD制御部205b、さらにLCD2050bに供給されLCD表示画面上にスルー画信号に基づくスルー画が表示される。LCD制御部205bにはOSD(On Screen Display)2051b側からの情報も供給されているためスルー画とともに時刻なども表示される。
そのフレームメモリ204b内の画像データに基づいてLCD制御部205bの制御の下にLCD2050bの表示画面上にスルー画が表示されているときに、そのスルー画を見ながらレリーズ釦23bが押されたら、割込み信号がヘッドCPU29aに供給されヘッド側のCCD22aで生成された静止画信号が高速シリアルドライバ250aを経由してカメラ本体2bに送信されてくる。
この静止画信号がデジタル信号処理回路203bに供給されデジタル信号処理回路203bで信号処理が施された後、カードI/F206bに供給される。そうしたらデジタル信号処理回路203bで画像処理が行なわれ画像処理が行なわれた後の静止画像データが画像ファイルの形でカードI/F206bによってメモリカード208bに記録される。
また本実施形態のカメラシステム2においては、カメラ本体2bにも補助光発光部221bが備えられており、その補助光発光部221bの動作は補助光発光制御部220bによって制御されている。その補助光発光部220bはバスに接続されており、同様にバスに接続されている本体CPU200bからの指示に基づいて補助光発光部221bのキセノン管の発光タイミングなどが制御される。
また、バスには3線シリアルドライバ251bも接続されており、カメラヘッド2a側の積算回路26aで測定された測光結果が3線シリアルドライバ251bを経由してカメラ本体2bに送信されてきたときにはバスを介して本体CPU200bが測光結果を受け取って補助光発光制御部220bにその測光結果を伝えている。その測光結果を受けた補助光発光制御部220bが、補助光発光部221bの発光動作を制御してその補助光発光部221bから撮影補助光を照射させている。またカメラ本体2bにはホットシューHS1が配備されており、そのホットシューHS1に着脱自在に外付けの補助光発光装置3が装着されると、そのホットシューHS1に装着された補助光発光装置3の発光動作が補助光制御部220bによって制御される。
このホットシューHS1には、適合する補助光発光装置3であればどのような外付けの補助光発光装置であっても装着される構成になっており、このホットシューに外付けの補助光発光装置が装着されたときには外付けの補助光発光装置3から撮影補助光が照射される。
こうしてカメラヘッド2aとカメラ本体2bとが別体となる構成であっても、第1の実施形態のデジタルカメラと同様の構成であると、この第2実施形態のカメラシステムにおいても本体CPU200bとヘッドCPU29aとが連携して本体側の補助光発光部221bにプリ発光を行なわせてカメラヘッド側のCCD22aでプリ発光光を受光し受光した画像信号の各分割領域の輝度信号に基づいてケラレ領域が発生するかどうかを判定し、ケラレ領域が発生すると判定した場合にはヘッドCPU29aが補助光発光制御部にその動作を制御させることによりリング型の補助光発光装置4に撮影補助光を照射させるとともに本体CPU200bが補助光発光部221b又は外付けの補助光発光装置3に撮影補助光を照射させることができるので、図4で説明した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においてはカメラヘッドに撮影光学系の他、撮像素子も内蔵されている例を示したが、撮影光学系のみが内蔵されているものであっても良い。
最後にこのカメラ本体2bが備える他の構成部品についての補足説明を加えておく。
カメラ本体2bには、画像データの処理を行なう部分のほか、OSD2051bを経由してLCD画面上に時刻や日付情報を表示するデータを作成するためのカレンダ時計211bや外部機器との接続用のUSBI/F231bおよびUSBコネクタ230bやこのカメラシステムに操作指示を与えたり簡易表示を行なったりするスイッチ/LED等232bなども配備されている。このスイッチの操作指示などはI/O233bを介して本体CPU200bに供給され、本体CPU200bによりその操作指示に応じた処理が行なわれる。ただしレリーズ釦23bは本体CPU200bおよびヘッドCPU29aの双方の割り込み端子に直接接続されており、レリーズ釦23bが押されたときには、双方のCPU29a,200bに割り込みがかけられて静止画処理プログラムもしくは動画プログラムが起動されるようになっている。
ところで、カメラ本体2bが備える本体CPU200bが、カメラヘッド2aの形状の情報やカメラヘッド2aに内蔵されている撮影光学系の情報や補助光発光部221bの取付位置情報や外付けの補助光発光部装置3の形状の情報およびその補助光発光装置3が備える発光源の照射分布などの情報を予め取得することができれば、プリ発光を行なわなくても幾何計算によりケラレ領域が発生するかどうかを確認することができる。
図11〜図13は、第4の実施形態を説明する図である。
図11には、カメラヘッドがカメラ本体に装着された状態にあるときのカメラシステムの内部構成が示されている。図11の構成は、カメラヘッド2a´にカメラヘッド2a´に内蔵される撮影光学系に関する情報やカメラヘッド2a´の形状に関する情報が予め記憶されるレンズ情報記憶部293aが設けられ、カメラ本体2b´にホットシューHS1の取付位置等に関する情報が記憶された情報記憶部2001bとホットシューHS1に装着された外付けの補助光発光装置3内の記憶部31から補助光発光装置3の形状や性能等に関する情報を取得する情報取得部2002bが設けられ、外付けの補助光発光装置3内に補助光発光装置に関する情報の情報記憶部31が設けられている以外は図2の構成とほぼ同じである。本体CPU200bは、情報取得部2002bを使って外付けの補助光発光装置内の情報記憶部31の情報およびヘッド側情報記憶部内の情報を取得するとともに、本体の情報記憶部内の情報をバスを介して取得して幾何計算を行なって結果を3線シリアルドライバ251a,251bを使ってヘッドCPU29aに伝達してヘッドCPU29aの制御の下に補助光発光制御部294aにリング型の補助光発光装置4が備える複数のLEDのうちのいくつかを発光させケラレ領域に照射させる。
図12には、カメラヘッド2a´、カメラ本体2b´、外付けの補助光発光装置3´内に新たに設けられた各記憶部293a,2001b,31に記憶されている情報の内容が示されている。
図12に示す様に、外付けの補助光発光装置3内の情報記憶部31にはホットシューHS1から撮影補助光の光軸までの高さH2や外付けの補助光発光装置自体の高さHsやストロボ照射角γやストロボ窓サイズMなどが記憶されている。
また、カメラ本体の本体情報記憶部2001b内には、マウント部からホットシューHS1までの高さ方向の長さH1や本体部の高さH等が記憶されている。さらにカメラヘッド2aの情報記憶部293aには、カメラヘッド2aの光軸方向の長さLやカメラヘッド2aの先端部の径Dやカメラヘッド2aに内蔵されている撮影光学系の焦点距離Fなどが記憶されている。
本体CPU200bは、これらの情報とカメラヘッド2a´の積算回路26aで測定された被写体距離の測距結果とからケラレが発生するかどうかを幾何計算により算出することができる。
図13は、幾何計算例を説明する図である。
図13にはカメラシステム2´を側方から見た側面図が示されている。
まず、図13を、図12の内容と照らし合わせながら説明していく。
カメラ本体の高さHとマウントからホットシューまでの高さH1はカメラ本体2b´の情報記憶部2001b内に記憶されている。また外付けの補助光発光装置3の高さHsは補助光発光装置3内の記憶部31に記憶されている。またカメラヘッド2a´の先端部の径Dとカメラヘッド2a´の長さLと撮影光学系の撮影画角β等はカメラヘッド2a´内のレンズ情報記憶部293aに記憶されている。
本体CPU200bは、カメラヘッド2a、カメラ本体2b、補助光発光装置3の各記憶部293a,2001b,31に記憶されている上記情報を情報取得部2002b又はバスを介して取得したらそれらの情報に基づいて、ケラレ領域が発生するかどうかを、符号Yで示す長さや符号αで示す角度を算出することにより判定する。
まず符号H1、符号H2、符号Dとから、外付けの補助光発光装置3の光軸と撮影光学系の光軸との間隔Yが算出される。また符合H2で示す長さと符号Mで示す長さと符号Lで示す長さとから発光窓22bから撮影補助光が照射されたときにカメラヘッド2a´の先端部に撮影補助光が干渉し始めるときの最小の照射角である符号αで示す角度が算出される。本体CPU200bは、もしも外付けの補助光発光装置3の記憶部31内に記憶されている情報の中の照射画角γがこのαよりも小さいことを検知したときには後述する被写体距離を検出せずに即座にケラレ領域が発生しないということを判定することができる。
ここで、γがαよりも大きくなるということを検知したときには、本体CPU200bは、カメラヘッド2a´内の積算回路26aで検出された被写体距離Xを低速シリアルドライバ250a,250bを使って取得し取得した被写体距離Xに応じてケラレ領域が発生するかどうかを判定する。
例えば図13に示す様な位置関係である場合には、被写体距離が、符号X3で示される距離以上のときにはケラレ領域が発生しないが、被写体距離Xが近距離になってきて符合X2で示される距離になると、βで示される撮影画角内にケラレ領域Bl2が発生する。さらに被写体距離Xが近距離になって符号X1で示されるぐらいの距離になると、βで示される撮影画角内のケラレ領域Bl1が大きくなってくる。
つまり本体CPU200bは、カメラヘッド2a´の積算回路26aで被写体距離Xが検出されたときに図12の情報と被写体距離Xとから幾何計算によりケラレ領域が発生するかどうかを判定するとともにそのケラレ領域の位置座標を算出し算出した位置座標に対応する、複数のLEDのうちの少なくとも一つに撮影補助光を照射させることができる。
この様にプリ発光を行なわなくても、幾何計算によりケラレ領域を算出しても良い。
ここで、カメラヘッド2a´´の先端部のリング型の補助光発光部4´´に測距センサ43aを複数取り付けて被写体距離Xをわざわざ算出しなくても、被写体距離を直接測定で得ることができる構成にした場合の構成例を説明する。
図14、図15は、第5実施形態を説明する図である。
図14には、カメラヘッド2a´´の先端部のリング型の補助光発光装置4´´に3つの測距センサ43a、43b、43cが組み込まれた場合の例が示されている。図14の構成は3つの測距センサ43a〜43cがリング型の補助光発光装置4´´に設けられている以外は、図10の構成と同じ構成である。また図15には、測距センサ43a〜43cの取付位置と測距領域がそれぞれ示されている。
例えば、測距センサ43a〜43cのうちのいずれか一つにより測定された被写体距離を符号X´とする。もしもその符号X´で示される被写体距離が図13に示す符号X2や符号X1の被写体距離になった場合には、ケラレ領域が発生すると判定することができる。
もしも、被写体距離が符号X3の被写体距離よりも大きくなれば、カメラヘッド2a´´の先端部での干渉はないと判定することができる。
この様にすると演算処理が簡素化される。
図16は、第6の実施形態を説明する図である。
図16は、第1実施形態のデジタルカメラの様にプリ発光を行なってケラレ領域を検出したときのケラレ領域又は第2の実施形態のカメラシステムの様に予め与えられた情報からケラレ領域を算出したときのケラレ領域を示す図である。
例えば第2の実施形態のシステム制御回路110が、ホットシューHSに装着された補助光発光部10が備えるXe管にプリ発光を行なわせることにより撮影に先立ってケラレ領域の発生の有無を判定するとともに図16に示すケラレ領域の広がりを検出したときには、撮影時にケラレ領域の広がりに応じて図16に示す7個のLEDのうちの少なくとも一つを対称形になる様に発光させれば良い。
図16には、すべてのLED114を発光させる発光パターンAから中央の一つのLEDを発光させる発光パターンDまでの発光パターンが示されている。
図16の構成にすると、ケラレ領域が広がったとしても好適に補助光を複数のLEDの少なくとも一つから照射させることができる。
また、第1の実施形態のシステム制御回路110が、内蔵の補助光発光部に撮影補助光を照射させるときには、図4に示した様に撮影領域の左下側にケラレ領域が発生するので、パターンAからパターンDに示すパターンで少なくとも一つのLEDを発光させると良い。
図17は、CCD固体撮像素子120で生成された画像信号上でXe管114Xからの撮影補助光の照射領域と複数のLED114のうちの少なくとも一つのLEDからの撮影補助光の照射領域との境界領域の輝度を補正して合わせる処理を行なうときの処理の内容を説明する図である。
図17(a)には、Xe管の照射領域が示されており、図17(b)には、LEDの照射領域が示されている。
図17(a)に示す様にケラレ領域にはXe管からの撮影補助光が不到達となる。このときには境界線によって到達領域と不到達領域とがきちんと切り分けられる訳ではなく、中途半端に照射される境界領域が幅を持って形成される。図17(b)には、LEDから照射される領域と照射されない領域とがきちんと切り分けられる訳ではなく、中途半端に照射され境界領域が形成されていることが示されている。
つまり、図17(a)、図17(b)に示すハッチングの領域には、LEDとXe管との双方から混合された補助光が照射されるため、光量が多くなったり少なくなったりする。特にXe管から撮影補助光が照射された場合には、Xe管を囲む様にして傘状のレフ板が配設されているため、傘側で反射した光がXe管自体にケラレて光量が落ち込んでしまうことがある。その様な場合には、例えば図2に示すシステム制御回路110が、第2の発光量制御手段112Bに指示してLED駆動回路113Bに複数のLED114のうちのいずれかのLEDの駆動電流を増減させることにより発光光量を増加させたり減少させたりすることで光量の補正を行なうと光量の均一化を図ることができる。本実施形態においては、システム制御回路110と第2の発光量制御手段112BとLED駆動回路113Bとによって、本発明にいう第1の補正手段の一例が構成される。
図18は、双方の発光源の発光スペクトルの違いによるホワイトバランスの変化を補正する処理を説明する図である。
Xe管から撮影補助光が照射された場合とLEDから撮影補助光が照射された場合とではホワイトバランスが異なる。予めXe管から撮影補助光が照射される領域においては、Xe管の発光スペクトルに応じたホワイトバランスを行ってLEDから撮影補助光が照射された領域においてはLEDの発光スペクトルに応じたホワイトバランスを行なうことができる様にしておくと良い。さらに、双方が混合される領域においては、双方が混合されたホワイトバランスを行なうことができる様にしておくと良い。
例えば第2の実施形態のデジタル信号処理回路203b内のホワイトバランス処理部に本体CPU200bがホワイトバランスパラメータをセットするときに各分割領域ごとにホワイトバランスのパラメータを選択的にセットする構成にしておくと良い。
そうすると、本発明にいう、画像信号上で、第1の照明手段による撮影補助光と第2の照明手段による撮影補助光とによるホワイトバランスのずれを補正することができる。