以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る撮像システムを用いてバウンス発光撮影を行っている図である。本発明の実施形態に係る撮像システムは、撮像装置であるカメラ300、カメラ300に着脱可能に装着されたレンズユニット5、カメラ300に着脱可能に装着された照明装置であるストロボ装置200を含む。図2は、本発明の実施形態に係るストロボ装置200の概略構成を示す図、図3は、本発明の実施形態に係るカメラ300の概略構成を示す図であって、図1、図2、図3において同一のものは同じ符号をつけている。
図1では、ストロボ装置200からの光を天井101に反射させ、その反射光で被写体100を照らしていて、図1において、ストロボ装置200から照射される光束の中心を実線で示している。実際にストロボ装置200から照射される光束は幅を持っていて、天井101で反射されると多方向に拡散する。しかしながら、説明を簡単にするため、照射される光束の中心の光(照射光軸の中心を通る光)のうち被写体100に到達する光を代表して図1に示している。
ストロボ装置200から照射される光束は中心が最も強度が強く、照射される光束の中心の光が被写体100に向かう角度によって被写体100に生じる陰影が異なる。例えば、図1に示すように被写体100がストロボ装置200に比較的近い場合、ストロボ装置200から天井101に向けて光を照射すると、天井101で反射された光は被写体100に対して真上または真上に近い角度から入射する。このような角度で被写体100に光が入射すると、被写体100の鼻の下や首などに影が生じやすい。そこで、図1のように、被写体100の存在する側とは反対側にストロボ装置200から光を照射し、天井101で反射された光で被写体100を照らすことで、被写体100の鼻の下や首などの影が軽減される。
しかしながら、被写体100の存在する側の反対側には撮影者が存在する場合もあり、被写体100の存在する側とは反対側にストロボ装置200から光を照射すると、撮影者にストロボ装置200から発せられた光が当たって撮影者が不快に感じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、被写体100の存在する側とは反対側に撮影者が存在する可能性が高い場合と被写体100の存在する側とは反対側に撮影者が存在する可能性が低い場合とで、ストロボ装置200からの光の照射方向の制限を変える。以下では、被写体100の存在する側とは反対側に撮影者が存在する可能性が高い場合と被写体100の存在する側とは反対側に撮影者が存在する可能性が低い場合とで、ストロボ装置200からの光の照射方向の制限を変える例を説明する。
次に、図2を用いてストロボ装置200の説明をする。
ストロボ装置200は、電池202が装着されることにより電源回路203が作動し、ストロボ装置200を制御する制御部201に電源が供給される。
制御部201は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、ストロボ装置200全体を制御する。また、制御部201は、SW回路210の状態に応じて各種処理を実行する。制御部201は、SW回路210におけるMENUスイッチがユーザにより押下されると、表示回路215によりLCD217をパラメータ設定モード表示とする。そして、制御部201は、ダイアルユニット212やSETスイッチに対するユーザの操作によって、制御に必要なパラメータを設定する。ダイアルユニット212には回転方向によってパルスの出方が変わるDIAL1、及びDIAL2の切片があり、回転方向と回転数を収得する事により、スムーズにパラメータの変更が行えるようになっている。また、SW回路210におけるMENUスイッチを操作することによって、ユーザは後述するオートバウンスモードを選択することができる。
さらに、制御部201は、ワイヤレスセレクター211の状態により、ワイヤレスモードでの作動状態を設定する。ワイヤレスモードでは通信回路213内の無線通信モジュール(RF−u)により無線通信が行われる。ワイヤレスセレクター211の状態がOFFのときはワイヤレスモードで動作しない。ワイヤレスセレクター211の状態がMASTERのときはマスターとして動作する。ワイヤレスセレクター211の状態がSLAVEのときはスレーブとして動作する。複数のストロボ装置を使った多灯発光撮影を行う際に、複数のストロボ装置の制御を行う機器(MASTER機)となるのかMASTER機の指示に従って動作する機器(SLAVE機)となるのかを設定する。
充電回路204は、発光部の光源であるXe管206を発光させるためのエネルギーをコンデンサに蓄積させるための充電を行う。なお、光源はXe管206以外であってもよく、LEDなどでもよい。LEDを発光させるためのエネルギーを蓄積しない構成の場合は充電回路204は不要であり、LEDを発光させるためのエネルギーを蓄積する構成の場合はLEDを発光させるためのエネルギーを蓄積するのに適した蓄電素子を用いればよい。
表示回路215、LED216やLCD217を制御し、充電が完了するとLED216を点灯させたり、LCD217に充電が完了したことを示す情報を表示させる。
接続部214は、ストロボ装置200をカメラ300に着脱可能に装着させる部分であり接続端子を有している。この接続端子がカメラ300の有するストロボ接続端子20に接続されるより、カメラ300とストロボ装置200との通信が可能となる。
背面検知センサ220は、赤外LEDと検知センサがモジュール化された構成となっており、物体等が近接した場合に赤外光が物体に反射され、検知センサでの受光量によって物体を検知できるようになっている。なお、所定の検知範囲内の物体を検知することができる構成であれば、赤外LEDと受光部以外の公知の構成、例えば、照度センサや静電センサ等を用いた構成を背面検知部としてよい。また、物体までの距離を測定するセンサも、測定した距離から物体が所定の検知範囲内にあるか否かがわかるので、所定の検知範囲内にある物体を検知するためのセンサに含まれる。物体までの距離を測定するセンサを用いる場合、センサの測定結果(センサの出力)に基づいて、所定の検知範囲内に物体を検知しているか否かを判定すればよい。背面検知センサ220は、ストロボ装置200を接続部214を介してカメラ300に装着している状態にて、被写体側の面とは反対側の面(背面)に配置されている。
ストロボ装置200は、後述するように、接続部214や背面検知センサ220を有する本体部とXe管206を有する可動部とに分かれている。バウンス駆動回路207は、モーター208を駆動して可動部を本体部に対して相対的に上下方向及び左右方向に回動させる。また、バウンス駆動回路207は、ロータリーエンコーダやアブソリュートエンコーダを用いた位置検出回路209の出力により、可動部の回動状態を検出する。
測距回路221は、ストロボ装置200からの光が照射される方向に存在する対象物のストロボ装置200からの距離に関する情報を取得する。距離に関する情報を取得する方法は限定されないが、例えば、光源と受光センサとを用いて、光源を発光させ対象物で反射された光を受光センサで受光し、受光した光量から距離に関する情報を演算して取得する方法を適用すればよい。その他、光源から赤外線を対象物に照射し、赤外線を照射してから受光センサで赤外線を検知するまでの時間から距離に関する情報を演算する方法を適用してもよい。測距回路221は、ストロボ装置200から対象物までの距離に関する情報を取得するための電子部品を有していればよく、上述した光源と受光センサは一例である。
次に、図2を用いてカメラ300の説明をする。
カメラ300は、全体の制御を行うマイコンPRS140と、CCDまたはCMOSエリアセンサ等からなる撮像部13とを有している。また、撮像部13から入力された画像信号を処理する画像処理部141、画像を表示する画像表示部401、複数の画像データを保存する不揮発性の記憶部材からなる外部記憶装置9等も有している。
マイコンPRS140は、例えば、内部にCPU(中央演算処理部)、RAM、ROM、不揮発性メモリ、入出力ポート等が配置されたワンチップのコンピュータ(以下、マイコンと略記する)である。
マイコン140は、ROMに格納されたシーケンスプログラムに基づいて一連の動作を行う。また、マイコン140に内蔵されている不揮発性メモリには、一連のパラメータが格納されている。例えば、露出制御や焦点調節に関する調整値等を含む一連のカメラの制御パラメータや、撮像素子の調整値、撮像画像のホワイトバランスから画像表示部401に撮像画像を表示する際の制御値のデータなどのパラメータが格納されている。このように、画像処理の制御、調整に関係する一連のパラメータが不揮発性メモリに格納されている。
撮像部13は、CCDまたはCMOSエリアセンサ等の撮像素子と該撮像素子を駆動するセンサ駆動部とからなる。撮像素子は、レンズユニット5の光学系を通じて撮像素子上に結像された光学像を光電変換し、電気信号として画像処理部141へ出力する。
画像処理部141は、画像補正部、インターフェイス(IF)部、表示画生成部から構成されていて、撮像部13からの撮像素子出力に一連の処理を行っている。画像補正部は、A/D変換機能を備え、撮像部13から入力された電気信号をA/D変換し、暗電流補正やシェーディング補正など、撮像部13に起因する一連の補正を行う。
画像処理部141では、ローパスフィルタによりノイズ成分を除去し、画素及び色補間処理、ホワイトバランスやガンマ補正等、いわゆる画像そのものに関する一連の画像処理を行う。IF部では、一連の画像処理を行った画像データを後述する外部記憶装置9へ送り出したり、外部記憶装置9に記録された画像データを読み出したりする。
また、画像処理部141では、画像処理された画像データや、外部記憶装置9に記憶された画像データに対して表示のための一連の処理を行い、IF部を介して画像表示部401へ出力する。なお、IF部から画像表示部401へ画像データを出力するまでの一連の処理は、表示画生成部内のリサイズ部、VRAM部を経由して行われる。
画像表示部401は、LCD制御部とLCD表示部で構成され、画像処理部141にてLCD表示向けの画像サイズに調整された画像データにLCD表示向けに、輝度、コントラスト、γの各調整を行い、LCDに表示する。
画像表示部401に表示される対象となる画像データは、前述した撮像部13で撮像を行い得られた画像データのほかに、外部記憶装置9に記憶した画像データや、カメラの設定情報がある。
また、画像表示部401は、撮像部13で連続的に撮像して得られた画像データを逐次表示する、いわゆるライブビュー表示も可能である。
外部記憶装置9は、例えば、CFカードのような複数の画像データを保存することができる不揮発性の記憶部材であって、カメラ300から着脱可能なものである。そして、カメラに装着した状態で画像処理部141から出力される画像データを記憶する。これにより、1つまたは複数の画像データを記憶した後に、カメラから取り外して、本システムのデータ形式で読み出し可能な別のシステムに装着すれば、記憶されている撮影画像データの再生、編集、及び保存が可能となる。
焦点検出部4は、結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、及び複数の光電変換素子からなるCCD等のラインセンサから構成されている。本実施形態における焦点検出部4は、周知の位相差方式であるとともに、観察画面内(ファインダ視野内)の複数の領域を焦点検出点として、該焦点検出点で焦点を検出することが可能となるように構成されている。
測光センサ8は、CCDまたはCMOSエリアセンサ等の撮像素子を用いた被写体の測光を行うためのセンサであり、観察画面内(ファインダ視野内)の複数の領域を測光領域として、該測光領域で測光を行うことが可能となるように構成されている。
操作部6は、焦点検出や測光などの撮像準備動作を指示したり(SW1 ON)撮像動作を指示したり(SW2 ON)するレリーズボタンや、カメラ300の動作モードや各種設定を行うための設定ボタンなどを含んでいる。マイコン140は、操作部6へのユーザの操作に応じてカメラ300を制御する。
レンズユニット5には、焦点調節回路及び絞り駆動回路が組み込まれており、不図示のマウント接点を介してマイコンPRS140と信号の伝達がなされる。マイコン140は、焦点検出部4から出力される信号に基づき、レンズユニット5に内蔵されている焦点調節回路を動作して、最適な焦点調節となる信号を出力する。さらに、測光センサから出力される信号に基づいて、レンズユニット5に内蔵されている絞り駆動回路を動作して、最適な露光量となる信号を出力する。
ファインダー310は、被写体側の面とは反対側の面(背面)に配置されていて、レンズユニット5を通して得られる光学像を、撮影者が目視により確認できる窓である。なお、ファインダー310は、レンズユニット5を通して得られる光学像の代わりに、撮像部13で撮像を行い得られた画像データを表示させる表示部を有している、いわゆる電子ファインダーでもよい。
背面検知センサ800は、被写体側の面とは反対側の面(背面)のファインダー310の近傍に配置されていて、所定の検知範囲内の物体を検知することができるセンサである。なお、背面検知センサ800は、ストロボ装置200の背面検知センサ220と同様の構成でよいため説明は省略する。
リモートコントロール部600は、受信部610と送信部620で構成され、受信部610と送信部620とで電波や赤外線などを用いた無線通信を行うことで、カメラ300の遠隔操作を行う。送信部620は、カメラ300を遠隔操作するためのボタンやスイッチを含む操作部及び操作部の状態に関する情報を受信部610に送信するための送信回路を有している。送信回路には、電波による無線通信を行う構成であればアンテナなどの無線通信モジュールを有し、赤外線による無線通信を行う構成であれば赤外線LEDを有している。受信部610は、電波による無線通信を行う構成であればアンテナなどの無線通信モジュールを有し、赤外線による無線通信を行う構成であれば赤外線受光センサを有している。リモートコントロール部600を用いた遠隔操作では、送信部620を操作することで、操作部6のレリーズボタンが操作されたときと同様に撮像準備動作の指示や撮像動作の指示を行うことができる。受信部610は、カメラ300の被写体側の面に設けられていて、受信部610で受信した情報は、マイコン140へ伝達される。
続いて、図4を用いて、ストロボ装置200における本体部に対する可動部の回動角度を説明する。以下では、ストロボ装置200でXe管206からの光の照射方向(発光部の照射方向)を決定し、決定された照射方向となるようにバウンス駆動回路207を用いて可動部を本体部に対して相対的に回動させることをオートバウンスと呼ぶ。また、オートバウンスを行うモードをオートバウンスモードと呼ぶ。
図4に記載された「Home position」(基準位置)は、ストロボ装置200をカメラ300に装着させた状態において、カメラ300の撮影光軸とストロボ装置200の照射光軸とが平行になる可動部の回動角度を示している。この「Home position」における本体部に対する可動部の回動角度を上下方向に0度、左右方向に0度とする。本実施形態では、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度として、角度θL(第1の角度)と角度θN(第2の角度)が設定できる。図4に示すように、角度θLは角度θNよりも小さい角度であって、本実施形態では角度θLを90度、角度θNを120度としている。角度θLの値は90度に限定されるものではないが、撮影者にストロボ装置200から発せられた光が当たりにくくするために90度以下が好ましい。また、角度θNの値も120度に限定されるものではないが、可動部を回動させるときの自由度を高めるためにメカ構成によって決まる最大回動角度に近い角度が好ましい。
なお、本実施形態におけるストロボ装置200は、可動部が「Home position」から最大で上方向に120度、下方向に5度、左右方向にそれぞれ180度まで可動可能なように構成されているものとする。可動部が本体部に対して上下方向と左右方向に回動可能な構成は、例えば特開2015−049280号公報に記載されているような構成にすればよく、詳細な説明は省略する。
オートバウンス発光撮影を行う際にバウンス駆動回路207を用いて可動部を回動させる場合、制限角度が角度θLに設定されていると、「Home position」から角度θLまでの角度領域Aに含まれる回動角度となるように可動部が回動される。また、制限角度が角度θNに設定されていると、「Home position」から角度θNの角度領域Bに含まれる回動角度となるように可動部が回動される。
以上のような、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を設定する処理を含めたオートバウンス発光撮影に係わる処理を、図5、図6を用いて説明する。
ストロボ装置200をカメラ300に装着し、カメラ300の電源がオンになると、ステップS10にてマイコン140は、撮影に関わる一連の初期設定を行う。
ステップS20にてマイコン140は、発光モードなどストロボ装置200に関わる情報(ストロボ情報)の初期化を行う。ストロボ装置200の電源がオンになると、ステップS30にてマイコン140は、ストロボ装置200との通信を行って装着しているストロボ装置200に関する情報を取得する。
次に、ステップS40にてマイコン140は、バウンス駆動回路207に指示して、可動部を図4に示した「Home position」に移動させる。なお、可動部がすでに「Home position」に位置する場合は、本ステップは省略される。
ステップS50にてマイコン140は、操作部6のレリーズボタンが操作されてSW1がONになったか否かを判別する。操作部6のレリーズボタンが操作されてSW1がONになった場合はステップS60へ移行し、操作部6のレリーズボタンが操作されてSW1がONになっていない場合はステップS80へ移行する。
ステップS60にてマイコン140は、背面検知センサ800で物体を検知しているか否かを判別する。なお、背面検知センサ800は、定期的に物体の検知動作を行ってもよいし、ステップS60にて物体の検知動作を行ってもよい。背面検知センサ800で物体を検知している場合はステップS90へ移行し、物体を検知していない場合はステップS70へ移行する。
ステップS70にてマイコン140は、ストロボ装置200と通信し、背面検知センサ220で物体を検知しているか否かを判別する。背面検知センサ220は、背面検知センサ800と同様に、定期的に物体の検知動作を行ってもよいし、ステップS60にて物体の検知動作を行ってもよい。背面検知センサ800で物体を検知している場合はステップ90へ移行し、物体を検知していない場合はステップS100へ移行する。
ステップS50にて操作部6のレリーズボタンが操作されてSW1がONになっていないと判別した場合、ステップS80にてマイコン140は、リモートコントロール部600の送信部620が操作されてSW1がONになったか否かを判別する。リモートコントロール部600の送信部620が操作されてSW1がONになった場合はステップS90へ移行し、リモートコントロール部600の送信部620が操作されてSW1がONになっていない場合はステップS50へ移行する。
ステップS90にてマイコン140は、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を角度θNに設定し、ストロボ装置200に設定した制限角度に関する情報を送信する。
ステップS100にてマイコン140は、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度θLに設定し、ストロボ装置200に設定した制限角度に関する情報を送信する。
ステップS110にてマイコン140は、ストロボ装置200へオートバウンスの実行指示を送信する。また、ステップS110にてマイコン140は、ストロボ装置200へオートバウンスの実行指示を送信する前に各部に指示して焦点検出や測光などの撮影準備動作を行わせる。
ステップS120にてマイコン140は、操作部6のレリーズボタンあるいはリモートコントロール部600の送信部620が操作されてSW2がONになったか否かを判別する。
SW2がONになった場合はステップS130へ移行し、SW2がONになっていない場合はステップ150へ移行する。
ステップS130にてマイコン140は、ストロボ装置200から、ストロボ装置200からの光の照射方向がバウンス発光撮影に適した方向となるように可動部を回動させたことを示すオートバウンス完了通知を受信しているか否かを判定する。オートバウンス通知を受信している場合はステップS140へ移行し、オートバウンス通知を受信していない場合はステップS130を繰り返す。
ステップS140にてマイコン140は、各部に指示して撮像動作を行わせる。また、マイコン140は、撮像に合わせてストロボ装置200を発光させるように、ストロボ装置200に発光指示を送信する。
ステップS150にてマイコン140は、操作部6のレリーズボタンあるいはリモートコントロール部600の送信部620が操作されてSW1がONになっているか否かを判別する。SW1がONになっている場合はステップS120へ移行し、SW2がONになっていない場合はステップS50へ移行する。
以上のようにして、オートバウンス発光撮影が行われる。
次に、カメラ300からオートバウンスの実行指示を受信したストロボ装置200の処理について図6を用いて説明する。図6の処理は、カメラ300からオートバウンスの実行指示を受信すると開始される。
ステップS1010にて制御部201は、バウンス発光撮影に適したストロボ装置200からの光の照射方向を演算するための一連の動作を行う。本実施形態では、ストロボ装置200から被写体までの距離に関する情報とストロボ装置200から被写体とは異なる方向の対象物までの距離に関する情報とに基づいてバウンス発光撮影に適したストロボ装置200からの光の照射方向を演算する方法を用いる。
そこで、制御部201は、ストロボ装置200から被写体までの距離に関する情報を取得するために、ストロボ装置200からの光の照射方向が被写体の方向を向くようにバウンス駆動回路207に指示して可動部を回動させる。ストロボ装置200がカメラ300に装着されている場合、可動部が「Home position」に位置しているとストロボ装置200からの光の照射方向が被写体の方向を向くので、「Home position」に位置するよう可動部を回動させる。その後、制御部201は測距回路221を用いてストロボ装置200から被写体までの距離に関する情報を取得する。続いて、ストロボ装置200から被写体とは異なる対象物までの距離に関する情報を取得するために、制御部201は、ストロボ装置200からの光の照射方向が被写体とは異なる対象物の方向を向くようにバウンス駆動回路207に指示して可動部を回動させる。本実施形態では、天井を被写体とは異なる対象物とする例を説明するが、天井の代わりに壁などを対象物にしてもよい。可動部を回動させた後、制御部201は測距回路221を用いてストロボ装置200から天井までの距離に関する情報を取得する。
次に、取得したストロボ装置200から被写体までの距離に関する情報とストロボ装置200から天井までの距離に関する情報とに基づいてバウンス発光撮影に適したストロボ装置200からの光の照射方向を演算する。
ここで、ストロボ装置200から天井までの距離を距離L1、ストロボ装置200から被写体までの距離を距離L2とする。そして、以下の式(1)を用いて、重力方向に直交する方向を基準にしたバウンス発光撮影に適したストロボ装置200からの光の照射方向を角度θSPを演算する。
TAN(θSP)=L1/(L2/2) ・・・(1)
次に、ステップS1020にて制御部201は、演算して求めた角度θSPを可動部を回動させるときの目標角度θPに設定する。
ステップS1030にて制御部201は、設定された目標角度θPが可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度より大きいか否かを判定する。ここで目標角度θPと比較される制限角度は、ステップS90あるいはステップS100でマイコン140により設定され、カメラ300からストロボ装置200に送信された制限角度に関する情報に対応する。例えば、カメラ300からストロボ装置200に送信された制限角度に関する情報が制限角度θNを示す場合は、制御部201は目標角度θPが制限角度θNより大きいか否かを判定する。目標角度θPが制限角度より大きい場合はステップS1040へ移行し、ステップS1040にて制御部201は、制限角度を目標角度に設定する。目標角度θPが制限角度以下の場合はステップS1050へ移行し、目標角度を変更しない。
ステップS1050にて制御部201は、バウンス駆動回路207に指示して可動部を回動させるとともに、位置検出回路209の出力により可動部の回動角度が目標角度θPとなったか否かを判定する。可動部の回動角度が目標角度θPとなっていればステップS1060へ移行し、可動部の回動角度が目標角度θPとなっていなければステップS1050を繰り返す。
ステップS1060にて制御部201は、ストロボ装置200からの光の照射方向がバウンス発光撮影に適した方向となるように可動部を回動させたことを示すオートバウンス完了通知をカメラ300に送信する。
以上のように、本実施形態では、カメラ300の背面検知センサ800の検知結果及びストロボ装置200の背面検知センサ220の検知結果に基づいて、ストロボ装置200の可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を設定している。具体的には、背面検知センサ800と背面検知センサ220のいずれも物体を検知していない場合、背面検知センサ800と背面検知センサ220の少なくとも一方で物体を検知している場合よりも制限角度を小さい角度に設定している。背面検知センサ800と背面検知センサ220のいずれも物体を検知していない場合、撮影者がカメラ300やストロボ装置200から離れていると想定される。そのため、被写体100の存在する側とは反対側にストロボ装置200から光を照射することができるように制限角度を大きい角度にすると、撮影者にストロボ装置200から発せられた光が当たって撮影者が不快に感じるおそれがある。そこで、背面検知センサ800と背面検知センサ220のいずれも物体を検知していない場合、撮影者にストロボ装置200から発せられた光が当たりそうな角度に可動部を回動できないように制限角度を設定する。
また、本実施形態では、背面検知センサ800と背面検知センサ220のいずれも物体を検知していない場合であっても、リモートコントロール部600が操作されたことに応じてオートバウンスの開始指示を行う場合には、制限角度を小さい値にしない。リモートコントロール部600が操作されたことに応じてオートバウンスの開始指示を行う場合、撮影者が被写体100の存在する側とは反対側に位置する可能性は低いためである。
以上のようにストロボ装置200の可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を設定することで、ストロボ装置200からの光の照射方向の自由度をできる限り確保し、ストロボ装置200からの光がユーザに照射されることを低減することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態のカメラ400は、2つの軸を回動中心として回動可能な画像表示部501を有する点で第1の実施形態のカメラ300と異なる。また、本実施形態は、画像表示部501の回動状態に基づいてストロボ装置200の可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を設定する点で、第1の実施形態と異なる。なお、本実施形態の撮像システムは、カメラ300の代わりにカメラ400を用いる点が第1の実施形態と異なるだけであり、第1の実施形態のストロボ装置200を用いればよい。
以下では、第1の実施形態と同様な構成は同じ符号とし、第1の実施形態と重複する処理についての詳細な説明は省略する。
まず、図7を用いてカメラ400の説明をする。
カメラ400は、互いに直交する2つの軸を回動中心として回動可能な画像表示部501を被写体側とは反対側の面(背面)に有している。画像表示部501を2つの軸を回動中心として回動可能とする方法は公知の方法を用いればよく、本実施形態では、2つの軸を回動中心として回動可能なヒンジ機構を用いて画像表示部501をカメラ400の本体部分に連結させた構成の例を説明する。
また、カメラ400は、画像表示部501の第1の軸を回動中心とした回動状態を検出する第1の検出部510と、画像表示部501の第2の軸を回動中心とした回動状態を検出する第2の検出部520とを有している。第1の検出部510、第2の検出部520の検出方法は公知の方法を用いればよく、例えば、カメラ400の本体部分と画像表示部501のいずれか一方に磁石、他方に磁気センサを設けて、磁気センサの検出結果から回動状態を検出する方法などでよい。あるいは、カメラ400の本体部分と画像表示部501のいずれか一方にパターンが設けられた基板、他方に接点ブラシを設けて、接点ブラシが接しているパターン上の位置によって基板から異なる信号を出力し出力信号から回動状態を検出する方法などでよい。
画像表示部501は、撮像部13で連続的に撮像して得られた画像データを逐次表示する、いわゆるライブビュー表示も可能であり、マイコン140は操作部6へのユーザの操作に応じてライブビューを行うか否か(ライブビューモードにするか否か)を制御する。
図8は、画像表示部501の回動可能な方向を示す図である。図8(a)は、画像表示部501の表示面が被写体側とは反対側を向いていて、画像表示部501の表示面とは反対の面(裏面)がカメラ400の本体部分に対向している状態である。図8(b)は、図8(a)に示す状態から第1の軸を中心に画像表示部501をカメラ400の本体部分から離れる方向に180度回動させ、第2の軸を中心に画像表示部501を表示面が上を向く方向に45度回動させた状態である。
本実施形態では、図8(a)に示す状態を基準状態とすると、画像表示部501は、第1の軸を中心に基準状態からカメラ400の本体部分から離れる方向に180度回動可能とする。また、画像表示部501は、第2の軸を中心に基準状態から表示面が上を向く方向及び下を向く方向にそれぞれ180度回動可能とする。
姿勢検出部700は、例えば、角速度センサやジャイロセンサが用いられ、水平方向の姿勢、垂直方向の姿勢、前後方向の姿勢を検出する。姿勢検出部700により検出された各方向の姿勢に関する姿勢情報はマイコン140に入力される。この姿勢検出部700の検出結果によって、マイコン140は、カメラ400の姿勢を判別することができる。
次に、画像表示部501に表示された画像を撮影者が視認できる視認可能範囲とストロボ装置200の制限角度との関係を図9を用いて説明する。
図9(a)は、制限角度が角度θNであるときに最大角度まで可動部を回動させた状態を示していて、図9(b)は、制限角度が角度θLであるときに最大角度まで可動部を回動させた状態を示している。
また、図9(a)、図9(b)はともに、画像表示部501を第1の軸を中心に180度回動させ、かつ、表示面が重力方向と平行で上を向く位置から表示面が撮影者側を向くように第2の軸を中心に角度θDだけ回動させている。
図9における角度θiは、画像表示部501に表示された画像を撮影者が視認できる視認可能範囲を示す角度である。視認可能範囲は、画像表示部501に表示された画像を撮影者が視認するのに適した範囲であって、視認可能範囲外では、周囲の反射や注視する視野面積が低下するなど、相対的に視認性が低下する。なお、この視認可能範囲は画像表示部501の特性によって異なる。
図9(a)に示すように、画像表示部501の角度を角度θDとしてストロボ装置200の回動角度をθNとした場合、ストロボ装置200の照射光軸が視認可能範囲に入る。そのため、ストロボ装置200を発光させるとストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性がある。
図9(b)に示すように、画像表示部501の角度を角度θDとしてストロボ装置200の回動角度をθLとした場合、ストロボ装置200の照射光軸が視認可能範囲に入らない。そのため、ストロボ装置200を発光させてもとストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は低い。
以上のように、ストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は、画像表示部501の回動状態に応じて異なる。
また、画像表示部501の回動状態には、図10に示すような状態も考えられる。図10は、画像表示部501を第1の軸を中心に90度回動させた状態である。このような状態であれば、ストロボ装置200の上下方向の照射方向によらず、ストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は低い。
また、ストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は、図11に示すように、カメラ400の姿勢に応じて異なる。例えば、図11に示すように、図9(a)に示す状態とストロボ装置200の照射方向及び画像表示部501の回動状態が同じ状態において、カメラ400を前方にα度傾けたとする。このような状態では、画像表示部501の視認可能範囲も前方にα度傾くことになる。しかしながら、視認可能範囲内であっても、画像表示部501の真上よりも前方から画像表示部501を可能性は低い。そのため、画像表示部501の回動状態から判断すると制限角度をθLにしたほうがよいときでも、カメラ400の姿勢によっては、制限角度をθNにしてもよい。
以上のような条件を考慮して制限角度を設定するための処理を図12を用いて説明する。
図12に示す処理は、図5のステップS40に続いて実行され、図5のステップS50〜S100の代わりに実行される。
ステップ2010にてマイコン140は、操作部6のレリーズボタンが操作されてSW1がONになったか否かを判別する。SW1がONになった場合はステップS2020へ移行し、SW1がONになっていない場合はステップ2010を繰り返す。
ステップS2020にてマイコン140は、ライブビューモードか否かを判定する。ライブビューモードでない場合はステップS2030へ移行し、ライブビューモードである場合はステップS2070へ移行する。
ステップS2030、S2040、S2050、S2060では、図5のステップS60、S70、S90、S100と同様の処理を行うため説明は省略する。
ステップS2070にてマイコン140は、、姿勢検出部700の検出結果に基づいて、カメラ400の姿勢を判別する。、姿勢検出部700は、定期的にカメラ400の姿勢を検出してもよいし、ステップS2070にてカメラ400の姿勢を検出してもよい。
ステップS2080にてマイコン140は、第1の検出部510の検出結果及び第2の検出部520の検出結果に基づいて、画像表示部501の回動状態を判別する。
ステップS2090にてマイコン140は、画像表示部501の表示面とは反対の面(裏面)がカメラ400の本体部分に対向している位置を基準にした、第1の軸を中心とした角度である角度θVが90度以上か否かを判別する。角度θVが90度以上の場合はステップS2100へ移行し、90度未満の場合はステップS2130へ移行する。このステップS2090で角度θVが90度未満と判別された場合、画像表示部501とカメラ400の本体部分が干渉するため、後述する角度θDは−90度か90度に限定される。角度θDがいずれの角度であっても、ストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性があるため、制限角度を小さくするようにステップS2130へ移行する。
ステップS2100にてマイコン140は、角度θVが180度で表示面が重力方向と平行で上を向く位置を基準にした、表示面が撮影者側を向くように第2の軸を中心とした角度である角度θDが、−180度以上で第1の閾値θth1未満か否かを判別する。ここで、表示面が被写体側を向くように第2の軸を中心とした角度は0度未満で表す。角度θDが−180度以上で第1の閾値θth1未満の場合はステップS2120へ移行し、角度θDが−180度以上で第1の閾値θth1未満という条件を満たさない場合はステップS2110へ移行する。ここで、角度θDが−180度以上で第1の閾値θth1未満の場合は、画像表示部501の表示面が下側あるいは被写体側を向いている場合とし、第1の閾値θth1は例えば−90度とする。このように、画像表示部501の表示面が下側あるいは被写体側を向いている場合は、バウンス発光撮影時にストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は低いため、制限角度を小さくしないようにステップS2120へ移行する。
ステップS2110にてマイコン140は、角度θDから重力方向と平行な方向に対するカメラ400の前後方向の傾き角度である角度θCを引いた角度θDCが第2の閾値θth2以上か否かを判別する。ここで、カメラ400の撮影光軸が下を向く方向にカメラ400が傾いた場合の角度θCを正の値で表す。角度θDCが第2の閾値θth2以上の場合はステップS2130へ移行し、角度θDCが第2の閾値θth2未満の場合はステップS21200へ移行する。ここで、角度θDCが第2の閾値θth2以上の場合は、ストロボ装置200からの光の照射方向と撮影者が画像表示部501を見る位置との差が相対的に大きい場合とし、第2の閾値θth2は例えば90度とする。このように、ストロボ装置200からの光の照射方向と撮影者が画像表示部501を見る位置との差が相対的に大きい場合は、バウンス発光撮影時にストロボ装置200からの光が撮影者の目に入る可能性は低い。そのため、制限角度を小さくしないようにステップS2120へ移行する。
ステップS2120にてマイコン140は、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度を角度θNに設定し、ストロボ装置200に設定した制限角度に関する情報を送信する。
ステップS2130にてマイコン140は、可動部を回動させるときの回動角度を制限する制限角度θLに設定し、ストロボ装置200に設定した制限角度に関する情報を送信する。
制限角度を設定した後は、図5のステップS110へ移行する。
以上のように、本実施形態では、画像表示部501の位置を示す情報とカメラ400の姿勢情報とに基づいて制限角度を設定する。それにより、ストロボ装置200からの光の照射方向の自由度をできる限り確保し、ストロボ装置200からの光がユーザに照射されることを低減することができる。
なお、上記の2つの実施形態でマイコン140で実行した処理の一部を制御部201で実行する構成でもよい。例えば、カメラ300が遠隔操作されたことを示す情報、画像表示部501の回動状態を示す情報、カメラ400の姿勢情報などの撮像装置の状態を示す情報をマイコン140から制御部201が受信する。そして、受信した情報に基づいて制御部201が制限角度を設定してもよい。さらに、カメラ400の姿勢に関する情報や背面検知センサ800の検知結果に関する情報もマイコン140から制御部201が受信し、受信した情報に基づいて制御部201が制限角度を設定してもよい。
また、上記の2つの実施形態では、撮像装置と照明装置の両方に背面検知センサを有する撮像システムの例を説明したが、撮像装置と照明装置のいずれか一方にだけ背面検知センサを有する撮像システムであってもよい。
また、第2の実施形態では、撮像装置が姿勢検出部を有する撮像システムの例を説明したが、撮像装置は姿勢検出部を有さず照明装置が姿勢検出部を有していて、照明装置の姿勢検出部の検出結果を撮像装置の姿勢として用いてもよい。
また、第2の実施形態では、ストロボ装置200の画像表示部501が第1の軸を中心にした回動と第2の軸を中心にした回動が可能な構成であったが、画像表示部を1つの軸を中心にした回動のみ可能な構成であってもよい。
また、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせた構成であってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。