JP5217290B2 - 照明装置、撮像装置、及び、カメラシステム - Google Patents
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Description
また近年のデジタルカメラは、撮影条件に応じて撮像素子の撮像感度(ISO値)を自動的に調節するオートISOと称する機能を備えたものが普及している。
このようなデジタルカメラと照明装置とで構成されるカメラシステムにおいては、ISO値が固定されている場合はその固定ISO値に基づく調光可能範囲が照明装置の表示部に表示され、一方オートISOの場合には所定の測光タイミング毎の測光結果(輝度値)に応じてその都度決定されるISO値(1つのISO値)に基づく調光可能範囲がその表示部に表示される。
また、カメラをオートISOに設定しておき、かつレリーズボタンの全押し操作(撮影指示)に応じて、カメラでの本撮影の直前に照明装置が被写体測光のために行う、いわゆるプリ発光を行った上で本発光及び本撮影を行う場合には、そのプリ発光時の測光結果(ひいてはそれに基づく撮像感度)を反映した調光可能範囲が、撮影時の正しい調光可能範囲ということになる。しかしながら調光可能範囲の表示は、この全押し操作が行われる前に得られた測光結果(ひいては撮像感度)に基づいて算出された調光可能範囲を表示しているものであり、もしこのプリ発光時の測光結果と全押し操作前の測光結果とが異なっていると、その調光可能範囲の表示は正しい調光可能範囲を表示できないという不都合がある。
またプリ発光から本発光(本撮影)までの間隔は非常に短いため、たとえこの短い期間に、プリ発光時の測光結果(ひいては撮像感度)に基づく調光可能範囲を表示したとしても、撮影前に予め撮影者に正しい調光可能範囲を示す、という目的が実現できない。
本発明は上記問題点を解決して、正しい調光可能範囲を撮影者に示すことが可能な照明装置、撮像装置、及び、カメラシステムを提供することを目的とするものである。
請求項1の発明は、撮像部(11)の撮像感度を、撮影条件に応じて所定の設定範囲内で自動調整する感度制御部(19b)を備える撮像装置(10)を用いた撮影時に使用され、照明光を照射する照明装置であって、表示部(33)と、前記感度制御部の前記所定の設定範囲に関する感度範囲情報に基づいて、調光可能範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を演算して前記表示部に表示させる制御部(36)と、を備え、前記制御部は、前記撮像装置に備えられるとともに前記撮像部の出力に基づいて生成された画像データの輝度値を複数の補正強度のうちの任意の補正強度で補正可能な画像処理部の、前記任意の補正強度に関する補正能力情報に基づいて、前記調光可能範囲を補正し、且つ前記補正後の調光可能範囲と前記補正能力情報とを関連付けて前記表示部に表示させること、を特徴とする照明装置(30)である。
請求項3の発明は、請求項1に記載の照明装置において、前記撮像装置(10)と通信を行うことによって前記感度範囲情報及び前記補正能力情報をこの撮像装置から取得する通信部(32)を備えることを特徴とする照明装置(10)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の照明装置において、前記撮像装置と通信を行うことによって前記補正能力情報をこの撮像装置から取得する通信部(32)を備えること、を特徴とする照明装置(30)である。
図1は、実施形態のカメラシステムの構成を示すブロック図である。
照明装置30は、デジタルカメラ2を用いて撮影を行う際に使用されるものであり、一般にフラッシュ装置、スピードライト等と称されている。
表示部12は、撮影済みの画像やメニュー画面を表示する部分である。
アクセサリーシュー13は、複数の(図示しない)電気接点を備えている。照明装置30の取付脚31にも、これらの電気接点に対応した複数の(図示しない)電気接点が設けられており、照明装置30とカメラ本体10とは、電気的に接続される。
カメラ本体10に備えられた通信部14は、交換レンズ20に備えられた通信部22とも通信を行うことができ、交換レンズ20に備えられた絞り装置23の絞り値(F値)情報や、撮影レンズ21の焦点距離情報等を交換レンズ20から取得できるようになっている。
操作部16は、カメラ本体10の筐体に備えられた複数の押しボタンを含み、撮影者等のユーザは、これらの押しボタンを操作することによって、各種入力操作を行うようになっている。
照明光照射部18は、カメラ本体10を用いた撮影時に照明光を照射する内蔵型の照明装置である。
画像データ生成部19aは、撮像部11から出力される電気信号に基づいて画像データを生成する部分である。
感度制御部19bは、撮影条件等に関わらず適正露出が得られるように、測光部15の出力に応じて撮像部11の撮像感度(ISO値)を自動的に制御する公知の感度自動制御を行う部分である。
これに対し、感度制御部19bは、オートISO撮影モードにおいて、ISO200からISO800までの範囲を使用するようになっており、ISO値に上限を設定することによって撮像感度上昇に起因するノイズ量の増加を防止している。
この画像処理部19cの行う画像処理機能の一例を説明すると、画像処理部19cは、例えば、撮影済み画像を形成する画像データの一部の輝度値が低い(暗い)場合、この輝度値の低い領域を検出して当該領域のみの輝度値を上昇させる画像処理を行うようになっている。
照射部33は、撮影時に照明光を発光する部分であり、例えば、キセノンランプ等の光源を備えている。
表示部34は、照明装置30に関する各種ステータスを表示する部分であり、例えば、液晶表示パネル等を備えている。
操作部35は、照明装置30の筐体に備えられた複数の押しボタンを含み、ユーザは、これらの押しボタンを操作することによって、各種入力操作を行うようになっている。
演算部36aは、絞り装置23の絞り値情報、撮影レンズ21の焦点距離情報、照明装置30のガイドナンバー情報(GN情報)、撮像部11の撮像感度情報等に基づいて、照明装置30の調光可能範囲を演算する部分である。絞り値情報、焦点距離情報、及び、焦点距離情報は、カメラ本体10の通信部14から伝達される。
照明装置30は、TTL(自動調光モード)設定時には、シャッターとほぼ同時に発光するモニタ発光を行い、演算部36aは、このモニタ発光時の測光部15の出力に基づいて、絞り値情報、焦点距離情報、及び、撮像感度情報等をカメラ本体10から取得して、調光可能範囲を演算するようになっている。
図2は、図1に示す照明装置に備えられた表示部の表示画面の一例を示す図である。
制御部36は、ISO値が固定された状態で撮影が行われる場合には、図2(a)に示すように、このISO値(例えば、「ISO200」等)と、このISO値に基づいた調光可能範囲をそれぞれの表示領域34a、34bに表示させるようになっている。
前述のように、感度制御部19bがオートISO撮影モード時に設定するISO値の範囲は、ISO200〜800なので、撮影モードがオートISO撮影モードである場合、制御部36は、表示部34に対して図2(b)に示すように、例えば、表示領域34aに「ISO AUTO」と表示させるとともに、例えば、表示領域34bに「0.9〜20m」等と表示させる。
図2(c)は、画像処理部19cの処理を行った場合に得られる(延長される)調光可能範囲の増加分(+αの延長距離)を表示部34に表示した例である。表示領域34cに画像処理部19cにて画像処理(輝度処理)を行った場合であることと、その処理の強度(本実施形態では、強、並、低の3段階のうちの「並」)を示す表示を行い、同時に表示領域34dに、その画像処理を行った場合に稼げる距離(調光範囲の延長できる距離)を表示する。
そして、この状態でカメラ本体10の操作部16に含まれる所定の押しボタン(例えば、HELPボタン)が操作されると、制御部19は、撮像部11の撮像感度、前述の記録部17に記録された情報(外付け型照明装置のガイドナンバー情報)、及び、交換レンズ20から伝達される情報に基づいて、外付け型の照明装置(照明装置30を含む)を使用した場合の調光可能範囲をカメラ側の表示部12に表示させるようになっている。
これによって、撮影者は、内蔵型の照明光照射部18を使用した場合の調光可能範囲と、外付け型の照明装置を使用した場合の調光可能範囲とを比較することができる。
図3は、図1に示す照明装置に備えられた制御部が行う表示制御を示すフローチャートである。
制御部36は、通信部14及び通信部32を介して、カメラ側から受信した情報に基づいて、撮影者が設定したISO値に関する撮影モードを判定する。ISO値が固定された撮影モードが指定されている場合、制御部36は、ステップS02に進み、撮影モードがオートISO撮影モードである場合には、ステップS04に進む。
制御部36は、カメラ本体10から伝達される信号に基づいてISO値(例えば、ISO200)を判定し、ステップS03に進む。
(ステップS03:調光可能範囲演算)
制御部36は、ステップS02において判定したISO値に基づいて演算部36aに調光可能範囲を演算させ、ステップS05に進む。
制御部36は、感度制御部19bがオートISO撮影モード時に設定するISO値の範囲(例えば、ISO200〜800)に対応した調光可能範囲を演算部36aに演算させ、ステップS05に進む。
制御部36は、ステップS03又はステップS04による演算結果に応じた調光可能範囲をISO値と併せて表示部34に表示させる。
撮影モードがオートISO撮影モードである場合、制御部36は、表示部34に対して、図2(b)に示すように、例えば、「ISO AUTO」と表示領域34aに表示させるとともに、例えば、「0.9〜20m」等と表示領域34bに表示させる(ステップS06に進む)。
ISO値が固定で設定されている場合(ステップS2)、制御部36は、このISO値と、このISO値に基づいて演算された調光可能範囲を表示部34に表示させる(図2(a)参照)。
制御部36は、ユーザによって、操作部35の所定の操作ボタンが操作されると、これを検出してステップS07に進む。これに対し、ユーザによる上記入力操作が検出されない場合には、処理を終了する。
(ステップS07:調光可能範囲演算・表示)
制御部36は、画像処理部19cによる画像処理能力を考慮して、ステップS05で表示した調光可能範囲(例えば、「0.9m〜20m」等)を補正する演算を行い、この補正後の調光可能範囲を表示部34に表示させる。
前述のように、カメラシステム1は、画像処理部19cの機能によって、この画像処理部19cを備えていないカメラシステムに比べ、調光可能範囲の上限値を大きくすることができる。本実施形態のカメラシステム1では、画像処理部19cの機能によって、調光可能範囲の上限が、例えば、20mから20.5mに、+0.5mだけ延長されるようになっている。
したがって、制御部36は、ステップS06でユーザによって所定の押しボタンが操作されると、表示部34の表示を、前述の図2(c)に示したような表示状態に変更して処理を終了する。なお、表示形態としては、図2(c)に示す形態に限られず、例えば、表示領域34dの表示を行わない代わりに、表示領域34bに表示される調光可能範囲を、「0.9m〜20.5m」と変更して表示するようにしてもよい。この際にも、この表示された調光可能範囲が画像処理部19cによる画像処理能力を考慮したものである旨の表示である表示領域34cの表示を併せて表示してもよい。
(1)感度制御部19bがオートISO撮影モードにおいて設定するISO値の設定範囲に対応した調光可能範囲を表示するので、撮影時の調光可能範囲は、必ず表示部34で表示された数値の範囲内に含まれる。したがって、撮影者は、オートISO撮影モードで撮影を行う場合であっても、撮影前に調光可能範囲がどの程度の範囲となるのかを知ることができる。
(2)画像処理部19cの能力を考慮した調光可能範囲を表示できるので、撮影者は、例えば、補正前の調光可能範囲では光量不足となる場合であっても、画像処理によって適正露出の画像を得ることができることが分かる。画像処理を行うことで適正露出の画像が得られることが分かれば、撮影時に、例えば、シャッタスピードを遅くする等の設定変更することなく撮影を行うことができる。
(3)内蔵型の照明光照射部18を使用した場合の調光可能範囲と、外付け型の照明装置を使用した場合の調光可能範囲とを比較できるので、例えば、照明光照射部18を使用した場合に光量不足となるときでも、撮影者は、外付け型の照明装置を使用すれば、適正露出で撮影することができることが分かる。したがって、撮影者は、ISO感度や、シャッタスピードを変更することなく撮影を行うことができる。
本発明の構成は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が適宜可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。
(1)実施形態の照明装置は、調光可能範囲の上限値、及び、下限値を表示したが、これに限らず、例えば、上限値のみを表示してもよい。
(2)実施形態のカメラシステムは、照明装置の表示部に調光可能範囲を表示したが、これに限らず、例えば、カメラ本体側の表示部(表示部12及び/又は光学ファインダー40内のファインダー内表示部41)に上記実施形態(照明装置側の表示部に表示した内容)と同様の表示を行ってもよい。また、調光可能範囲の演算は、照明装置の演算部が行ったが、これに限らず、例えば、カメラ本体側の制御部が行ってもよい。
(3)実施形態の照明装置は、撮像装置から感度範囲情報を通信によって取得したが、これに限らず、例えば、照明装置に対して感度範囲情報を手動で入力してもよい。
(4)実施形態の照明装置は、カメラ本体に機械的に接続されたが、照明装置とカメラ本体とは、例えば、無線によって接続されるものでもよい。
(5)画像処理部が行う画像処理効果の程度(画像処理の効き具合)をいくつかの段階(例えば、高、低の二段階)に設定できる場合、これらの段階に応じた調光可能範囲を表示できるようにしてもよい。
(6)表示部に、所望の被写体までの距離も、上述の調光可能範囲の表示とともに表示するようにしておけば、その調光可能範囲内にその所望の被写体が存在するか否かが容易に確認できて使い勝手がよい。なお、所望の被写体の距離情報は、AFセンサーのうち選択されているオートフォーカスエリアから得られるセンサー情報、あるいは主要被写体と自動認識した被写体位置に対応するフォーカスエリアから得られるセンサー情報に基づいて得るようにすればよい。
Claims (8)
- 撮像部の撮像感度を、撮影条件に応じて所定の設定範囲内で自動調整する感度制御部を備える撮像装置を用いた撮影時に使用され、照明光を照射する照明装置であって、
表示部と、
前記感度制御部の前記所定の設定範囲に関する感度範囲情報に基づいて、調光可能範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を演算して前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記撮像装置に備えられるとともに前記撮像部の出力に基づいて生成された画像データの輝度値を複数の補正強度のうちの任意の補正強度で補正可能な画像処理部の、前記任意の補正強度に関する補正能力情報に基づいて、前記調光可能範囲を補正し、且つ
前記補正後の調光可能範囲と前記補正能力情報とを関連付けて前記表示部に表示させること、を特徴とする照明装置。 - 請求項1に記載の照明装置において、
前記撮像装置と通信を行うことによって前記感度範囲情報をこの撮像装置から取得する通信部を備えること、
を特徴とする照明装置。 - 請求項1に記載の照明装置において、
前記撮像装置と通信を行うことによって前記感度範囲情報及び前記補正能力情報をこの撮像装置から取得する通信部を備えることを特徴とする照明装置。 - 撮像部と、前記撮像部の出力に基づいて生成された画像データの輝度値を、複数の補正強度のうちの任意の補正強度で補正可能な画像処理部と、を備える撮像装置に対して接続可能に設けられた照明装置であって、
表示部と、
前記画像処理部の前記任意の補正強度に関する補正能力情報に基づいて、調光可能範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を演算して前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記補正能力情報を、前記演算された調光可能範囲と関連付けて前記表示部に表示させること、を特徴とする照明装置。 - 請求項4に記載の照明装置において、
前記撮像装置と通信を行うことによって前記補正能力情報をこの撮像装置から取得する通信部を備えること、を特徴とする照明装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の照明装置であって、
所望の被写体までの距離を求める測距部を更に有し、
前記制御部は、前記測距部により測定された距離情報を、前記調光可能範囲の表示とともに前記表示部に表示させることを特徴とする照明装置。 - カメラ本体と、該カメラ本体を用いた撮影時に撮影用の照明光を照射する照明装置とからなるカメラシステムであって、
前記カメラ本体は、
撮影条件に応じて撮像部の撮像感度を所定の設定範囲内で自動設定する感度制御部と、
前記撮像部の出力に基づいて生成された画像データの輝度値を、複数の補正強度のうちの任意の補正強度で補正可能な画像処理部と、を備え、
前記照明装置は、
表示部と、
前記カメラ本体と通信を行うことによって、前記感度制御部の前記所定の設定範囲に関する感度範囲情報及び前記画像処理部の前記任意の補正強度に関する補正能力情報を前記カメラ本体から取得する通信部と、
前記感度制御部の前記感度範囲情報及び前記補正能力情報に基づいて、前記照明装置の調光可能範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を演算して前記表示部に表示させ、且つ、前記補正能力情報を前記演算後の前記調光可能範囲と関連付けて前記表示部に表示させる制御部と、
を備えることを特徴とするカメラシステム。 - カメラ本体と、該カメラ本体を用いた撮影時に撮影用の照明光を照射する照明装置とからなるカメラシステムであって、
前記カメラ本体は、
撮影条件に応じて撮像部の撮像感度を所定の設定囲内で自動設定する感度制御部と、
前記撮像部の出力に基づいて生成された画像データの輝度値を、複数の補正強度のうちの任意の補正強度で補正可能な画像処理部と、を備え、
前記照明装置及び前記カメラ本体の何れか一方は、
表示部と、
前記感度制御部の前記所定の設定範囲に関する感度範囲情報及び前記画像処理部の前記任意の補正強度に関する補正能力情報に基づいて、前記照明装置の調光可能範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を演算して前記表示部に表示させ、且つ、前記補正能力情報を前記演算後の前記調光可能範囲と関連付けて前記表示部に表示させる制御部と、
を備えることを特徴とするカメラシステム。
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