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JP2008070662A - キャリアおよび二成分現像剤 - Google Patents

キャリアおよび二成分現像剤 Download PDF

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JP2008070662A JP2006250115A JP2006250115A JP2008070662A JP 2008070662 A JP2008070662 A JP 2008070662A JP 2006250115 A JP2006250115 A JP 2006250115A JP 2006250115 A JP2006250115 A JP 2006250115A JP 2008070662 A JP2008070662 A JP 2008070662A
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Akifumi Miyamoto
亮史 宮本
Toshinao Ishida
稔尚 石田
Masayuki Sawai
正幸 澤井
Takeshi Kato
武 加藤
Kazuya Korematsu
和哉 是松
Toru Nishikawa
徹 西川
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Abstract


【課題】 耐久性および環境安定性に優れているために、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても経時的に安定した帯電性が得られ、高画質な画像を得ることのできるキャリアおよび二成分現像剤を提供する。
【解決手段】 コア材にコート樹脂を被覆したキャリアにおいて、前記コート樹脂は、コア材の外周を被覆し、金属酸化物を含有する第1のコート樹脂層と、第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層とを含むようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤およびそのキャリアに関する。
現像剤を用いた画像形成方法には、カールソンプロセスを応用した電子写真方式が広く用いられている。電子写真方式を利用した画像形成装置では、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および定着工程などによって画像が形成される。帯電工程では、感光体の表面を暗所で均一に帯電する。露光工程では、帯電した感光体に原稿像を投射することにより、光の当たった部分の帯電を除去して感光体の表面に静電潜像を形成する。現像工程では、感光体表面に形成された静電潜像に現像剤のトナーを付着させることにより可視像を形成する。転写工程では、感光体表面に形成された可視像に紙およびシートなどの記録媒体を接触させ、可視像と接触している記録媒体の面とは反対側からコロナ放電を行い、トナーとは逆の極性の電荷を記録媒体に与えることにより、可視像を記録媒体に転写する。定着工程では、加熱および加圧などの手段により記録媒体に転写された可視像を定着する。クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体の表面に残ったトナーを回収する。以上の工程を繰り返すことによって、電子写真プロセスを利用した画像形成装置は、記録媒体上に所望の画像を形成する。
従来、電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる現像剤には、粉砕法および重合法などによって製造されるトナーが含まれることが知られている。粉砕法とは、熱可塑性樹脂、着色剤、帯電制御剤およびオフセット防止剤としてのワックスなどを溶融混練した後、冷却により固化させて溶融混練物を調製し、得られた溶融混練物を粉砕および分級することによってトナーを調製する方法である。また、重合法とは、懸濁重合法および乳化重合法などによってトナーを調製する方法である。
現在、複写機およびプリンタなどの画像形成装置は、高速化および小型化、あるいはリサイクルトナーシステム化が図られており、長期間高画質な画像を得るために、耐久性および環境安定性に優れた現像剤の開発が求められている。
現像剤がトナーとキャリアとから構成される二成分現像剤の場合、耐久性および環境安定性に優れた現像剤を開発するためには、画像形成装置内で現像剤を安定して帯電させるために、コア材の種類、コート樹脂の種類およびコート樹脂量の最適化などのキャリアの開発がトナーの開発とともに重要である。
また現像剤は、感光体の表面に形成された静電潜像に現像剤中のトナーが円滑に付着できるような適度な流動性および帯電性を有する必要がある。現像剤の流動性および帯電性は、キャリアの組成によって変化するためキャリアの組成の最適化も重要である。
キャリアには、粉体特性、電気特性および磁気特性といった特性があり、現像システムに合わせた各性能が要求される。近年では、環境安定性および耐久性向上のためにコア材(芯材)をコート樹脂(被覆材)で被覆したキャリアが広く使用されている。
たとえば、特許文献1のカラー現像剤では、トナー粒子に酸化チタンまたはアルミナを外部添加することによって帯電の安定性を損ねることなく流動性を付与し、帯電を安定化する含窒素化合物を含む被覆材の重量をキャリア芯材の重量に対して0.1重量%〜5.0重量%とすることによって二成分現像剤の耐久性および環境特性を向上させている。
また、特許文献2の電子写真用二成分現像剤では、キャリア芯材の重量に対する被覆材の重量が百分率で5.0重量%を超えるようにすることにより、被覆材のキャリア芯材からの耐剥離性を向上させている。また、トナーにマグネタイト(FeO・Fe)などの導電性微粉体を加えることにより環境特性を向上させている。
一方、コート樹脂に種々の添加剤を添加する方法も知られている。
たとえば、特許文献3では、コート樹脂に添加されるアルミナやシリカなどの粒子の粒子径(D)とコート樹脂の膜厚(h)との関係を、1<[D/h]<5とすることによって、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦によるコート樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができ、コート樹脂の膜削れを防止できることについて開示されている。
また、特許文献4では、酸化鉄粒子粉末と硬化したフェノール樹脂とからなる芯粒子の表面に、硬化したフェノール樹脂とアルミナとからなる被覆層を有することによって、被覆樹脂の剥離耐久性が向上し、経時的に安定した帯電性を得られることについて開示されている。
また、特許文献5では、バインダー樹脂および金属酸化物からなる磁性キャリアにおいて、コア粒子を被覆するコート樹脂層表面の金属酸化物の平均露出密度が5個/μm以下であることによってキャリア付着を防止できることについて開示されている。
特開平4−177369号公報 特開2003−255591号公報 特開2001−188388号公報 特開平9−325525号公報 特開2002−207321号公報
近年、画像形成装置は、高速化および小型化あるいはリサイクルトナーシステム化が図られており、このような画像形成装置を用いて画像形成を行うと、現像剤に与えられるストレスが以前の画像形成装置より大きくなる。
被覆材の重量がキャリア芯材重量に対して0.1重量%〜5.0重量%である特許文献1の現像剤を長期間使用する場合、コート樹脂がキャリア芯材から経時的に剥離し、キャリア芯材が表面に露出してしまうことにより、結果としてトナーを適切に帯電できなくなる。つまり、特許文献1の現像剤は、高速化および小型化された画像形成装置を用いて画像形成する場合においては、初期状態のキャリア特性を維持できない耐久性が不充分な現像剤であり、得られた画像は、画像濃度の低下したものとなってしまう。
一方、特許文献2に開示されている電子写真用二成分現像剤は、キャリア芯材の重量に対する被覆材の重量が百分率で5.0重量%を超えるために、高速化および小型化された画像形成装置において長期間使用しても、キャリア芯材が表面に露出しにくくなり、キャリア特性を長期間維持できる耐久性の優れた現像剤である。
しかし、キャリア芯材に多量の被覆材を被覆することになるために、被覆材の種類によっては環境安定性などのキャリア特性を確保できない可能性があり、そのため画像形成時において、高温高湿下では現像剤中のトナー濃度が安定せず、トナー飛散および白地カブリなどが起こる可能性がある。特許文献2においては、この環境安定性悪化の問題をトナーにマグネタイトなどの導電性微粉体を外添することによって解決している。
また、環境安定性を向上させるためには、特許文献3〜5に示したようにコート樹脂層にアルミナや酸化チタンなどの金属酸化物の微粉末を含有することが有効であることが知られている。
本発明者は、金属酸化物を含有するコート樹脂の重量をコア材の重量に対して5.0重量%以上にすることにより、耐久性や環境安定性に比較的良好なキャリアが得られることを確認している。
しかしながら、上記のようにコート樹脂層に金属酸化物の微粉末を有するキャリアは、キャリアの磨耗および劣化が進むにつれ、コート樹脂層から金属酸化物の微粒子が流出し、画質に悪影響を与える可能性があることが明らかである。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐久性および環境安定性に優れているために、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても安定した帯電性が得られ、高画質な画像を得ることのできるキャリアおよび二成分現像剤を提供することである。
本発明は、二成分現像剤を構成するキャリアにおいて、コア材がコート樹脂層によって被覆されており、前記コート樹脂層は前記コア材の外周を被覆する第1のコート樹脂層と、前記第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層とを含み、前記第1のコート樹脂層は金属酸化物を含有することを特徴とするキャリアである。
また本発明のキャリアは、前記第2のコート樹脂層の重量が前記第1のコート樹脂層の重量よりも大きいことを特徴とする。
また本発明のキャリアは、前記コア材100重量%に対して、前記第1のコート樹脂層および前記第2のコート樹脂層に含まれるコート樹脂の重量が5重量%以上であることを特徴とする。
また本発明のキャリアは、前記第1のコート樹脂層100重量%に対して、前記金属酸化物が1重量%以上20重量%以下になるように添加されることを特徴とする。
また本発明のキャリアは、前記金属酸化物が、アルミナ微粉末であることを特徴とする。
また本発明は、トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤であって、キャリアが前記キャリアであることを特徴とする二成分現像剤である。
本発明によれば、コア材の外周を被覆する第1のコート樹脂層が金属酸化物を含有することにより、高温高湿下における帯電性の向上および安定化を図ることができ、環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。
また、第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層を含むことによって、キャリアの磨耗および劣化が進むにつれて起こる第1のコート樹脂層からの金属酸化物の流出を回避することができるため、耐久性に優れたキャリアを得ることができる。
したがって、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても安定した帯電性が得られ、高画質な画像が得られるキャリアを得ることができる。
また本発明によれば、第2のコート樹脂層の重量が第1のコート樹脂層の重量よりも大きいことにより、キャリアの磨耗および劣化が進むにつれて起こる第1のコート樹脂層からの金属酸化物の流出をより確実に回避することができるため、より耐久性に優れたキャリアを得ることができる。
また本発明によれば、コア材100重量%に対して、第1のコート樹脂層および第2のコート樹脂層に含まれるコート樹脂の重量が5重量%以上であることにより、高速化および小型化された画像形成装置において長期間使用してもキャリア芯材が表面に露出しにくくなり、耐久性の優れたキャリアを得ることができる。
また本発明によれば、第1のコート樹脂層100重量%に対して、金属酸化物が1重量%以上20重量%以下になるように添加されることによって、高温高湿下における帯電性の向上および安定化をさらに図ることができ、より環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。
また本発明によれば、金属酸化物が、アルミナ微粉末であることにより、高温高湿下における帯電性の向上および安定化をさらに図ることができ、より環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。さらに、アルミナ微粉末を含むことによりキャリア表面のスペント成分をキャリア同士が削り取ることで、ストレスを受けていない樹脂が常に表面へ露出し、その結果キャリアの性能が保持される。したがって、優れたライフ安定性を得ることができる。
また本発明によれば、トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤において、キャリアが耐久性および環境安定性の優れている前記キャリアであることによって、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても安定した帯電性が得られ、高画質な画像が得られる二成分現像剤を得ることができる。
本発明は、コア材の外周を被覆し、金属酸化物を含有する第1のコート樹脂層と、第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層とを含むキャリアおよびこのキャリアとトナーとから構成される二成分現像剤である。
[キャリア]
本発明の二成分現像剤を構成するキャリアは、コア材とコア材を被覆するコート樹脂層とから構成される。このコート樹脂層は、コア材の外周を被覆し、金属酸化物を含有する第1のコート樹脂層と、第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層とから構成される。
第1のコート樹脂層が金属酸化物を含有することにより、高温高湿下における帯電性の向上および安定化を図ることができ、環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。
また、第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層を有することによって、キャリアの磨耗および劣化が進むにつれて起こる第1のコート樹脂層からの金属酸化物の流出を回避することができるため、耐久性に優れたキャリアを得ることができる。
したがって、本発明のキャリアを用いれば、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても安定した帯電性が得られ、高画質な画像を得ることができる。
また、第2のコート樹脂層の重量が第1のコート樹脂層の重量よりも大きいことが好ましい。これによってキャリアの磨耗および劣化が進むにつれて起こる第1のコート樹脂層からの金属酸化物の流出をより確実に回避することができるため、より耐久性に優れたキャリアを得ることができる。
以下に、本発明のキャリアの構成成分であるコート樹脂、金属酸化物およびコア材について説明する。
(コート樹脂)
コート樹脂としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂などを挙げることができる。また、これらのコート樹脂にはカーボンブラックが添加されていてもよく、これにより帯電量の上昇を抑制し、安定した画像濃度を維持することができる。
コート樹脂の含有量としては、第1のコート樹脂層および第2のコート樹脂層に含まれるコート樹脂の重量が、コア材100重量%に対して5重量%以上であることが好ましい。
上記の含有量であることにより、高速化および小型化された画像形成装置において長期間使用してもキャリア芯材が表面に露出しにくくなり、耐久性の優れたキャリアを得ることができる。5重量%以下である場合、現像槽内での摩擦に起因する磨耗および剥離が生じやすく耐久寿命が短くなってしまう。
コート樹脂は噴霧法および浸漬法などの方法によってコア材に被覆することができる。
(金属酸化物)
第1のコート樹脂層は、金属酸化物を含んで構成される。これにより、高温高湿下における帯電性の向上および安定化を図ることができ、環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。
金属酸化物としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができるが、たとえば、アルミナ微粉末、酸化チタンなどを挙げることができる。
上記金属酸化物の中でも、特にアルミナ微粉末が好ましく、これを用いることにより、高温高湿下における帯電性の向上および安定化をさらに図ることができ、より環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。
アルミナ微粉末は、その表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理としては、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理およびフッ素含有成分による処理などを挙げることができる。
金属酸化物の含有量としては、第1のコート樹脂層100重量%に対して、1重量%以上20重量%以下であることが好ましい。これにより高温高湿下における帯電性の向上および安定化をさらに図ることができ、より環境安定性に優れたキャリアを得ることができる。金属酸化物の含有量が、1重量%より少ないと、環境安定性を向上させる効果が小さくなってしまい、20重量%より多いと、第1のコート樹脂層の形成が困難となる。
金属酸化物の平均粒径としては、5nm以上200nm以下であることが好ましい。
(コア材)
コア材としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、鉄粉およびフェライトなどを挙げることができる。
鉄粉としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉およびチッ化鉄粉などを挙げることができる。還元鉄粉およびチッ化鉄粉は、不定形であるので、球形化処理を行ってもよい。
フェライトとしては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、マンガンおよびカルシウムなどのフェライト粉末を挙げることができる。フェライトキャリアは、球形で、流動性がよく、化学的にも安定であるので、高画質化、長寿命化に好ましく用いられる。
コア材の形状としては、不定形のものから球形のものまで用いることができる。
コア材の平均粒径としては、10μm以上1000μm以下のものを用いることができ、さらに好ましくは、30μm以上100μm以下である。
コア材の平均粒径が30μmより小さいと、キャリアが感光体に付着して流出してしまう現象、いわゆるキャリア上がりを引き起こし、現像剤量が、徐々に減少することによって、二成分現像剤中のトナー濃度がうまく制御できなくなってしまう可能性が高くなる。さらに、キャリア上がりが顕著になると、現像剤が記録材上に現れてしまう。
また、コア材の平均粒径が100μmより大きいと、現像剤中のトナーを現像ローラ(現像スリーブ)から感光体へ移動させる際、二成分現像剤の穂立ち(磁気ブラシ)が粗く、安定した画質を供給することが困難となったり、二成分現像剤が現像槽からこぼれてしまうという現象を引き起こしたりする可能性が生じる。
[トナー]
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤および磁性微粉体などを含むトナー母体粒子に外添剤が添加されたものである。
以下にトナーの構成成分について説明する。
(結着樹脂)
トナー母体粒子は、結着樹脂を含んで構成される。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく公知の樹脂を用いることができ、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などを挙げることができる。上記の共重合体としては、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
結着樹脂は、上記の樹脂1種を単独で用いてもよいし、または2種以上の混合物として用いてもよい。
これらの樹脂の分子量分布は、1つのピークを有するものであってもよいし、2つのピークを有するものであってもよい。
また熱的性質としては、ガラス転移点(Tg)が40℃以上70℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、画像形成装置内の温度が上昇した場合に、トナーが溶融してしまい、トナー同士の凝集が発生してしまう。また、70℃より高いと、定着性が劣ってしまい、実用性に乏しい。
(着色剤)
トナー母体粒子は、着色剤を含んで構成される。着色剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、カーボンブラック、鉄黒、合金アゾ染料、油溶性染料および顔料などを挙げることができる。
着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。1重量部より少ないと、充分な画像濃度を確保できなくなり、10重量部より多いと、着色剤が樹脂中に均一に分散できなくなるので、高品質な画像を得られなくなる。
(離型剤)
トナー母体粒子は、離型剤としてワックスを含んで構成される。ワックスとしては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびポリオレフィンなどから選ばれる少なくとも1種から構成されるワックスを挙げることができる。
ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。1重量部より少ないと、オフセットが発生しやすくなり、10重量部より多いと、フィルミングが発生しやすくなる。
(帯電制御剤)
トナー母体粒子は、帯電制御剤を含んで構成される。帯電制御剤は、正帯電制御用帯電制御剤と負帯電制御用帯電制御剤との2種類があり、アゾ系染料、カルボン酸金属錯体、四級アンモニウム化合物およびニグロシン系染料などを挙げることができる。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。0.1重量部より少ないと、充分な帯電性を付与することができない。5重量部より多いと、帯電制御剤が樹脂中に均一に混合されない。
(磁性微粉体)
トナー母体粒子は、磁性微粉体を含んで構成されていてもよい。磁性微粉体は、トナーに磁性を与えトナーの摩擦帯電量の低下を防ぐ。磁性微粉体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムおよびケイ素などの元素を含み、磁性を有する金属酸化物微粒子などからなる微粉体であり、特にはマグネタイトが好ましい。
磁性微粉体の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下であることが好ましい。
(外添剤)
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を添加して構成される。外添剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることでき、たとえば、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物微粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。
さらに、これらの微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理としては、たとえば、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理ならびにフッ素含有成分による処理などを挙げることができる。
外添剤は、上記の外添剤1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用して用いてもよい。また外添剤としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において帯電付与が充分でないことがあり、さらにシリカはトナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。
外添剤の添加量は、トナー母体粒子100重量部に対して0.1重量部以上2.0重量部以下であることが好ましい。
〈トナー製造方法〉
次いで、トナーの製造方法を示す。
トナーは従来の公知の方法で製造できる。
たとえば、結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などをヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機によって溶融混練する。この混練物をジェット式粉砕機にて粉砕後、分級し、体積平均粒径で5μm〜15μm程度のトナー母体粒子を得ることができる。さらに、このトナー母体粒子に外添剤として無機微粒子などを添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により付着、均一分散させることによってトナーを製造することができる。
[二成分現像剤]
本発明の二成分現像剤は、上記のようなトナーとキャリアとを規定のトナー濃度となるように混合機で混合させることによって製造できる。混合機としては、公知のものを用いることができ、たとえば、ナウターミキサなどを挙げることができる。
本発明の二成分現像剤は、耐久性および環境安定性に優れている本発明のキャリアを含むことによって、高速化および小型化された画像形成装置において、長期間および高温高湿下で使用しても安定した帯電性が得られ、高画質な画像を得ることができる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に本実施例に限定されるものではない。
〔実施例A〕
実施例Aでは、二成分現像剤を構成しているキャリアのキャリアコート量(コア材の重量に対するコート樹脂の重量%)の影響について検討した。
〈トナーの製造例〉
まず、以下に示すようにトナーを製造した。
結着樹脂100重量部に対し、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製:商品名330R)5重量部、ワックスとしてポリエチレン(クラリアントジャパン社製:商品名PE130)1重量部およびポリプロピレン(三井化学社製:商品名NP−505)1.5重量部、帯電制御剤(保土ケ谷化学工業社製:商品名S−34)1重量部、磁性微粉体としてマグネタイト(関東電化社製:商品名KBC−100)1.5重量部を加え、スーパーミキサ(川田社製:商品名V−20)で充分混合し、得られた混合物を二軸混練機(池貝鉄工社製:商品名PCM−30)によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:商品名IDS−2)にて粉砕後、分級し、体積平均粒径が7.5μmのトナー母体粒子を得た。このトナー母体粒子100重量部に対して、外添剤としてシリカ微粒子(日本アエロジル社製:商品名R972)を0.3重量部外添することによってトナーを得た。
〈キャリアの製造例〉
次いで、以下に示すようにキャリアを製造した。
コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)95.0重量%にカーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させた。粒子径が50μmであるフェライトのコア材に流動床型コーティング装置を用いて浸漬法により上記の分散液を塗布し、250℃で2時間加熱して、塗布したコート樹脂を硬化させることによってフェライトキャリアを得た。この際、表1に示すようにキャリアコート量を調整して、コート樹脂のコーティングを行った。
(実施例1)
上記の製造方法によって得られたトナーと、キャリアコート量が8.0重量%となるようにコート樹脂がコーティングされたフェライトキャリアとを、二成分現像剤中のトナー濃度が5.0重量%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)にて20分間混合攪拌することによって二成分現像剤を製造した。
(実施例2)
キャリアコート量を5.0重量%とした以外は、実施例1と同様にして、二成分現像剤を製造した。
(比較例1)
キャリアコート量を4.1重量%とした以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
(比較例2)
キャリアコート量を2.2重量%とした以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
[評価方法]
実施例1,2および比較例1,2の二成分現像剤について、次のようにして画像濃度の経時変化を評価した。その結果を表1に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「○」および「×」の記号は、表1で用いる評価結果を示す記号である。「○」は、優れていることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
(画像濃度)
上記の製造方法によって得られた実施例1,2および比較例1,2の二成分現像剤を使用し、モノクロ複写機(シャープ社製:AR−450)によって、印字率5%の原稿を印刷した。初期の現像剤を用いて印刷した画像の画像濃度(初期の画像濃度)と印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷後に印刷した画像の画像濃度(100000枚印刷後の画像濃度)とをマクベス反射濃度計(Macbeth社製:RD−914)によって測定した。画像濃度は、100000枚印刷後の画像濃度によって下記の基準に基づいて評価した。
○:画像濃度が1.30以上1.4未満である。
×:画像濃度が1.30未満である。
Figure 2008070662
表1で示した結果からわかるように、キャリアコート量が5.0重量%以上のキャリアを用いた実施例1および2のキャリアを用いた二成分現像剤においては、100000枚印刷後の画像濃度は初期の画像濃度とほぼ同じであり、100000枚印刷後であっても画像濃度が維持できる耐久性の優れた現像剤であった。
一方、キャリアコート量が5.0重量%より少ないキャリアを用いた比較例1および2の二成分現像剤においては、100000枚印刷後の画像濃度は、初期の画像濃度と比較して大きく低下し、耐久性の低い実用が困難な現像剤であった。
〔実施例B〕
実施例Bでは、二成分現像剤を構成しているキャリアのコート樹脂層の構成について検討した。
(実施例3)
〈トナーの製造例〉
まず、以下に示すようにトナーを製造した。
ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製:商品名IDS−2)によって混練物を粉砕する際のエアーの圧力などの粉砕条件を変化させた以外、実施例1と同様にして体積平均粒径が8.5μmのトナー母体粒子を得た。このトナー母体粒子100重量部に対して、外添剤としてシリカ微粒子(日本アエロジル社製:商品名R972)を0.3重量部外添することによってトナーを得た。
〈キャリアの製造例〉
実施例3のキャリア1の概略断面図を図1に示した。実施例3のキャリア1は、コア材2がアルミナ含有コート樹脂層3によって被覆され、さらにその外周をアルミナ微粉末を含有していないコート樹脂層4によって被覆されているキャリアである。
以下に示すように実施例3のキャリア1を製造した。
コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)85.0重量%にカーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、さらに金属酸化物としてアルミナ微粉末(日本アエロジル社製:商品名AlumiumOxideC、平均粒径:約20nm)10.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させたアルミナ含有コート樹脂分散液を用意した。
また、コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)95.0重量%に、カーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させたアルミナ微粉末を含有していないコート樹脂分散液を用意した。
粒子径が50μmであるフェライトのコア材2に、流動床型コーティング装置を用いて浸漬法によりアルミナ含有コート樹脂分散液をコア材2に対してキャリアコート量が2.0重量%となるように塗布した。その上から同様にしてアルミナ微粉末を含有していないコート樹脂分散液を、コア材2に対してキャリアコート量が8.0重量%になるように塗布した。次いで、250℃で2時間加熱して、塗布したコート樹脂を硬化させることによって実施例3のキャリア1を得た。
上記のようにして得られたトナーおよび実施例3のキャリア1とを二成分現像剤中のトナー濃度が5%になるようにナウターミキサ(ホソカワミクロン社製:VL−0)にて20分間混合攪拌することによって二成分現像剤を製造した。
(比較例3)
比較例3のキャリア5の概略断面図を図2(a)に示した。比較例3のキャリア5は、コア材2がアルミナ微粉末を含有していないコート樹脂層4のみによって被覆されているキャリアである。
比較例3のキャリア5は、実施例3と同様にして調整したアルミナ微粉末を含有していないコート樹脂分散液のみをコア材2に対してキャリアコート量が10.0重量%となるように塗布した以外は実施例3と同様にして二成分現像剤を製造した。
(比較例4)
比較例4のキャリア6の概略断面図を図2(b)に示した。比較例4のキャリア6は、コア材2がアルミナ含有コート樹脂層3のみによって被覆されているキャリアである。
比較例4のキャリア6は、実施例3と同様にして調整したアルミナ含有コート樹脂分散液のみをコア材2に対してキャリアコート量が10.0重量%となるように塗布した以外は実施例3と同様にして二成分現像剤を製造した。
以下、アルミナ含有コート樹脂層を第1層、アルミナ微粉末を含有していないコート樹脂層を第2層と表記する。
[評価方法]
実施例3および比較例3,4の二成分現像剤について、次のようにして環境安定性、画質および画像濃度の経時変化ならびにキャリア付着量を評価した。その結果を表2に示す。なお、評価基準の説明に用いられている「○」、「△」および「×」の記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「○」は、優れていることを示し、「△」は、標準レベルであることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
上記の製造方法によって得られた実施例3および比較例3,4の二成分現像剤を使用し、モノクロ複写機(シャープ社製:AR−450)によって、印字率5%の原稿を印刷した。
(環境安定性)
高温高湿(温度35℃、相対湿度85%)下において、17時間放置後に印刷した画像の白地カブリをハンター白度計(日本電色工業社製)で測定し、その測定結果を下記の基準に基づいて評価した。
○:白地カブリの値が1.0未満である。
×:白地カブリの値が1.0以上である。
(キャリア抵抗)
標準環境下(温度25℃、相対湿度50%)において、粉体抵抗測定機(ダイアインスツルメンツ社製:MCP−PD51)を用いてキャリアの抵抗を測定した。
(画質および画像濃度)
実施例Aの画像濃度の経時変化の評価方法と同様の方法で初期および100000枚印刷後の画像濃度を測定し、100000枚印刷後の画像濃度によって下記の基準に基づいて、画質と共に評価した。
なお、画質問題の有無は、目視により判断している。すなわち、下地が透過せず充分なトナーが紙に付着していると判断できるものを画質問題なしとし、下地が見え紙へ付着しているトナーが不充分であると判断できるものを画質問題ありとした。大体の傾向としては、画像濃度が1.35以上であれば下地が透過せず充分なトナーが紙に付着していると判断でき、1.30未満である場合は、下地が見え紙への付着トナーが不十分であると判断できる。
○:画質問題なし、画像濃度が1.30以上1.35未満である。
△:画質問題あり、画像濃度が1.30以上1.35未満である。
×:画質問題あり、画像濃度が1.30未満である。
(キャリア付着量)
標準環境下(温度25℃、相対湿度50%)において所定のバイアスを印加させた状態で、初期および100000枚印刷後の感光体上に付着したキャリアの個数(感光体周方向幅24mmの範囲での個数)を測定した。キャリア付着量は、100000枚印刷後の付着したキャリアの個数によって下記の基準に基づいて評価した。
○:感光体上に付着したキャリアの個数が10個以上20個未満である。
△:感光体上に付着したキャリアの個数が20個以上40個未満である。
×:感光体上に付着したキャリアの個数が40個以上である。
Figure 2008070662
表2に示した結果からわかるように、第1層および第2層を有する実施例3のキャリア1を用いた二成分現像剤は、環境安定性、画質・画像濃度およびキャリア付着量の評価において、初期および100000枚印刷後のどちらにおいても優れた結果が得られ、非常に有用な現像剤であることが言える。
一方、第2層のみを有する比較例3のキャリア5を用いた二成分現像剤は、環境安定性評価結果が悪く、実用が困難な現像剤である。
また、第1層のみを有する比較例4のキャリア6を用いた二成分現像剤は、環境安定性および画質・画像濃度については優れているものの、キャリア抵抗がやや低く、また100000枚印刷後におけるキャリア付着量がやや劣っており、標準レベルの現像剤である。
〔実施例C〕
実施例Cでは、第1層中のアルミナ含有量の影響について検討した。ただし、コート樹脂層の総キャリアコート量はコア材に対して10重量%とし、第1層と第2層のコア材に対する重量比率は、それぞれ2重量%と8重量%で固定した。なお、第1層中のアルミナ含有量を20重量%より多くすると、コート樹脂層の形成が困難であった。
(実施例4)
コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)94.0重量%にカーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、さらに金属酸化物としてアルミナ微粉末(日本アエロジル社製:商品名AlumiumOxideC、平均粒径:約20nm)1.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させたアルミナ含有コート樹脂分散液を用意した以外は、実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
(実施例5)
コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)91.0重量%にカーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、さらに金属酸化物としてアルミナ微粉末(日本アエロジル社製:商品名AlumiumOxideC、平均粒径:約20nm)4.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させたアルミナ含有コート樹脂分散液を用意した以外は、実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
(実施例6)
コート樹脂として、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:商品名KR−255)75.0重量%にカーボンブラック(ライオン社製:商品名ケッチェンブラックEC)5.0重量%を加え、さらに金属酸化物としてアルミナ微粉末(日本アエロジル社製:商品名AlumiumOxideC、平均粒径:約20nm)20.0重量%を加え、これらをトルエンに分散させたアルミナ含有コート樹脂分散液を用意した以外は、実施例3と同様に二成分現像剤を製造した。
[評価方法]
実施例3〜6および比較例3,5の二成分現像剤について、次のようにして環境安定性、画質および画像濃度の経時変化ならびにキャリア付着量を評価した。その結果を表3に示す。なお、評価基準の説明に用いられている「◎」、「○」、「△」および「×」の記号は、表3で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は、非常に優れていることを示し、「○」は、優れていることを示し、「△」は、標準レベルであることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
(環境安定性)
実施例Bの環境安定性の評価方法と同様の方法でトナー補給時間および白地カブリを測定し、その測定結果を下記の基準に基づいて評価した。
◎:白地カブリの値が0.5未満である。
○:白地カブリの値が0.5以上1.0未満である。
×:白地カブリの値が1.0以上である。
(画質・画像濃度)
実施例Aにおける画像濃度の経時変化の評価方法と同様の方法で初期の画像濃度を測定し、その測定された画像濃度を下記の基準に基づいて、画質と共に評価した。
◎:画質問題なし、画像濃度が1.35以上である。
○:画質問題なし、画像濃度が1.30以上1.35未満である。
△:画質問題あり、画像濃度が1.30以上1.35未満である。
×:画質問題あり、画像濃度が1.30未満である。
(キャリア付着量)
実施例Bのキャリア付着量の評価方法と同様の方法で、初期に感光体上に付着したキャリアの個数を測定し、その測定結果を下記の基準に基づいて評価した。
◎:感光体上に付着したキャリアの個数が10個未満である。
○:感光体上に付着したキャリアの個数が10個以上20個未満である。
△:感光体上に付着したキャリアの個数が20個以上40個未満である。
×:感光体上に付着したキャリアの個数が40個以上である。
Figure 2008070662
表3で示した結果からわかるように、第1層中のアルミナ含有量が1重量%以上の実施例3〜6のキャリアを用いた二成分現像剤は、環境安定性、画質・画像濃度およびキャリア付着量の評価において優れた結果が得られ、総合的な実用性に優れた二成分現像剤であることが言える。また実施例3および5の二成分現像剤においては、特に優れた結果が得られた。
一方、第1層中のアルミナ含有量が1重量%未満の比較例3のキャリアを用いた二成分現像剤は、画質・画像濃度およびキャリア付着量の評価においては優れた結果が得られたものの、環境安定性の評価において劣っていたため、実用が困難な現像剤であった。
上記結果から、第1層中の好適なアルミナ含有量は、1重量%以上20重量%以下であり、より好ましくは4重量%以上10重量%以下であることがわかる。
実施例3のキャリア1の概略断面図である。 比較例3のキャリア5および比較例4のキャリア6の概略断面図である。
符号の説明
1,5,6 キャリア
2 コア材
3 アルミナ含有コート樹脂層
4 アルミナ微粉末を含有していないコート樹脂層

Claims (6)

  1. 二成分現像剤を構成するキャリアにおいて、コア材がコート樹脂層によって被覆されており、前記コート樹脂層は前記コア材の外周を被覆する第1のコート樹脂層と、前記第1のコート樹脂層の外周を被覆する第2のコート樹脂層とを含み、前記第1のコート樹脂層は金属酸化物を含有することを特徴とするキャリア。
  2. 前記第2のコート樹脂層の重量が前記第1のコート樹脂層の重量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記コア材100重量%に対して、前記第1のコート樹脂層および前記第2のコート樹脂層に含まれるコート樹脂の重量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
  4. 前記第1のコート樹脂層100重量%に対して、前記金属酸化物が1重量%以上20重量%以下になるように添加されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のキャリア。
  5. 前記金属酸化物が、アルミナ微粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のキャリア。
  6. トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤であって、前記キャリアが請求項1〜5のいずれか1つに記載のキャリアであることを特徴とする二成分現像剤。
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