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JP2007527887A - 5,6−ジアルキル−7−アミノトリアゾロピリミジン、その調製、および有害真菌を防除するためのその使用、ならびにそれらの化合物を含む組成物 - Google Patents

5,6−ジアルキル−7−アミノトリアゾロピリミジン、その調製、および有害真菌を防除するためのその使用、ならびにそれらの化合物を含む組成物 Download PDF

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JP2007527887A JP2007502272A JP2007502272A JP2007527887A JP 2007527887 A JP2007527887 A JP 2007527887A JP 2007502272 A JP2007502272 A JP 2007502272A JP 2007502272 A JP2007502272 A JP 2007502272A JP 2007527887 A JP2007527887 A JP 2007527887A
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Abstract

本発明は、式(I):
Figure 2007527887

(式中、置換基は以下の通り定義される:R1はアルキルまたはアルコキシアルキルを表し、ここで、脂肪族基は記載に従って置換されていてもよく;R2はCHR3CH3、シクロプロピル、CH=CH2またはCH2CH=CH2を表し、R3は水素、CH3またはCH2CH3を表す)の5,6-ジアルキル-7-アミノ-トリアゾロピリミジンに関する。また本発明は、前記化合物の生産方法、それを含有する薬剤、および植物病原真菌を防除するためのその使用に関する。

Description

本発明は、式I:
Figure 2007527887
(式中、置換基は以下に定義された通りである:
R1は、C5-C12-アルキルまたはC5-C14-アルコキシアルキルであり、ここで、脂肪族基は、1〜3個の以下の基:シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C3-C6-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオおよびNRaRbにより置換されていてもよく;
Ra、Rbは、水素またはC1-C6-アルキルであり;
R2は、CHR3CH3、シクロプロピル、CH=CH2またはCH2CH=CH2であり;
R3は、水素、CH3またはCH2CH3である)
で表される5,6-ジアルキル-7-アミノトリアゾロピリミジンに関する。
さらに、本発明は、それらの化合物の調製方法、それらを含む組成物、および植物病原性有害真菌を防除するためのその使用に関する。
5,6-ジアルキル-7-アミノトリアゾロピリミジンは、GB 1 148 629の一般的方法で提示されている。各々の抗真菌上有効な5,6-ジアルキル-7-アミノトリアゾロピリミジンは、EP-A 141 317により公知である。しかし、多くの場合、これらの活性は不十分である。
これに基づいて、活性が改良され、かつ/または広範な活性スペクトルを有する化合物を提供することが本発明の目的である。
本発明者らは、冒頭に定義した化合物により本目的が達成されることを見出した。さらに、本発明者らは、それらの調製方法と中間体、それらを含む組成物、および化合物Iを用いて有害真菌を防除する方法を見出した。
式Iで表される化合物は、トリアゾロピリミジン骨格の5位における置換基の特定配置により上述の公報に記載されているものとは異なる。
公知の化合物と比較した場合、式Iで表される化合物は、有害真菌に対してより有効である。
本発明による化合物は、種々の経路によって得ることができる。有利には、本発明による化合物は、式IIの置換β-ケトエステルを式IIIの3-アミノ-1,2,4-トリアゾールで変換して式IVの7-ヒドロキシトリアゾロピリミジンを取得することにより得られる。式IIおよび式IV中の基R1およびR2は、式Iについて定義された通りであり、式II中の基RはC1-C4-アルキルであるが、実用的な理由からは、ここではメチル、エチルまたはプロピルが好ましい。
Figure 2007527887
式IIの置換β-ケトエステルと式IIIのアミノゾールとの反応は、溶媒の存在下または不在下で実施することができる。溶媒の使用は、出発原料がそれに対して実質的に不活性であって、かつ出発原料がその中に完全にまたは部分的に溶解可能である場合に有利である。好適な溶媒は、特にアルコール類、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、グリコールまたはグリコールモノエーテル、ジエチレングリコールまたはそのモノエーテル、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、ベンゼンまたはメシチレン、アミド類、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、低級アルカン酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、あるいは塩基類、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のカーボネート、さらにまたアルカリ金属重炭酸塩、有機金属化合物、特にアルカリ金属アルキル、ハロゲン化アルキルマグネシウム、およびまたアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、およびジメトキシマグネシウム、さらには有機塩基類、例えば第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンおよびN-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ピリジン、置換ピリジン、例えばコリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジン、およびまた二環式アミン類、ならびにこれらの溶媒の水との混合物が挙げられる。好適な触媒は、前に記載したような塩基であるか、あるいは酸、例えばスルホン酸または鉱酸である。特に好ましくは、この反応は溶媒を用いずに行なうか、あるいはクロロベンゼン、キシレン、ジメチルスルホキシドまたはN-メチルピロリドン中で行う。特に好ましい塩基は、第三級アミン類、例えばトリイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリンまたはN-メチルピペリジンである。この反応を溶液中で行なう場合、温度は50〜300℃、好ましくは50〜180℃である(EP-A 770 615; Adv. Het. Chem. 57 (1993), 81ffを参照されたい)。
塩基は一般に触媒反応量で用いられる。しかしまた、塩基は等モル量で、過剰量で、あるいは必要に応じて溶媒として用いることができる。
Figure 2007527887
多くの場合、得られる式IVの凝縮物は反応溶液から純粋な形態で沈殿し、これを同一溶媒または水で洗浄した後、引き続き乾燥させ、これをハロゲン化剤(特に塩素化剤または臭素化剤)と反応させることにより、式V(式中、Halは塩素または臭素、特に塩素である)の化合物が得られる。この反応は、好ましくは、50℃〜150℃でオキシ塩化リン、塩化チオニルまたは塩化スルホニルなどの塩素化剤を用いて行うが、好ましくは還流温度で過剰のオキシ三塩化リン中で行う。過剰のオキシ三塩化リンを蒸発させた後、残渣を氷水で処理するが、必要に応じて水非混和性溶媒を加えて行う。多くの場合、乾燥有機相から単離された塩素化生成物は、必要に応じて不活性溶媒を蒸発させた後、非常に純粋であり、引き続きこれを不活性溶媒中アンモニアと100℃〜200℃で反応させ、7-アミノ-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンを得る。この反応は、好ましくは、1〜100barの圧力下で、1モル〜10モル過剰のアンモニアを用いて行なう。
この新規の7-アミノアゾロ[1,5-a]ピリミジンは、必要に応じて溶媒を蒸発させ、水中に溶解させることにより結晶性化合物として単離する。
式IIのβ-ケトエステルは、Organic Synthesis Coll. Vol. 1, p. 248に記載のようにして調製することができ、かつ/または市販されている。
あるいは、式Iの新規化合物は、式VI(式中、R1およびR2は上に定義された通りである)の置換アシルシアニドを式IIIの3-アミノ-1,2,4-トリアゾールと反応させることにより得ることができる。
Figure 2007527887
この反応は、溶媒の存在下または不在下で行なうことができる。溶媒の使用は、出発原料がそれに対して実質的に不活性であって、かつ出発原料がその中に完全にまたは部分的に溶解可能である場合に有利である。好適な溶媒は、特にアルコール類、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、グリコールまたはグリコールモノエーテル、ジエチレングリコールまたはそのモノエーテル、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、ベンゼンまたはメシチレン、アミド類、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、低級アルカン酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、あるいは塩基類、例えば上述のもの、ならびにこれらの溶媒と水との混合物である。この反応を溶液中で行なう場合、反応温度は50〜300℃、好ましくは50〜150℃である。
この新規の7-アミノトリアゾロ[1,5-a]ピリミジンは、必要に応じて溶媒を蒸発させるか、または水で稀釈した後、結晶性化合物として単離される。
7-アミノアゾロ[1,5-a]ピリミジンを調製するのに必要な式VIの置換シアン化アルキルの一部は公知であるか、あるいは、強塩基(例えばアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミドまたは金属アルキル)を用いてシアン化アルキルとカルボン酸エステルから公知の方法により調製することができる(J. Amer. Chem. Soc. 73, (1951), p. 3766を参照されたい)。
上に記載した経路により各化合物Iを得ることができない場合、別の化合物Iを誘導体化することにより調製することができる。
合成により異性体の混合物が得られる場合、各異性体は、場合により、使用の実施、または適用時に(例えば光、酸または塩基の作用下で)変換することができるので、一般に分離は必ずしも必要とされない。またかかる変換は、使用後に、例えば、植物の処理の事例で、または処理植物中で、または防除する有害真菌中で起こる場合もある。
上記式中に記載されている記号の定義では、集合的な用語が使用されているが、これらは一般に以下の置換基を表わす。
ハロゲン:フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素;
アルキル:1〜4個または5〜12個の炭素原子を有している飽和直鎖または一分枝状もしくは二分枝状の炭化水素基、例えばC1-C6-アルキルで、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、および1-エチル-2-メチルプロピルなど;
ハロメチル:メチル基で、この場合、水素原子の一部または全部が上で記載したハロゲン原子により置換されていてもよいもの;特にクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル;
シクロアルキル:3〜6個の炭素環構成員を有する単環式または二環式飽和炭化水素基で、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル;
アルコキシアルキル:酸素原子によって分断されている飽和直鎖、あるいは一分枝、二分枝もしくは三分枝状の炭化水素鎖で、例えばC5-C12-アルコキシアルキル:任意の位置で酸素原子によって分断されていてもよい5〜12個の炭素原子を有している上に記載した炭化水素鎖、例えばプロポキシエチル、ブトキシエチル、ペントキシエチル、ヘキシルオキシエチル、ヘプチルオキシエチル、オクチルオキシエチル、ノニルオキシ、3-(3-エチルヘキシルオキシ)エチル、3-(2,4,4-トリメチルペンチルオキシ)エチル、3-(1-エチル-3-メチルブトキシ)エチル、エトキシプロピル、プロポキシプロピル、ブトキシプロピル、ペントキシプロピル、ヘキシルオキシプロピル、ヘプチルオキシプロピル、オクチルオキシプロピル、ノニルオキシプロピル、3-(3-エチルヘキシルオキシ)プロピル、3-(2,4,4-トリメチルペンチルオキシ)プロピル、3-(1-エチル-3-メチルブトキシ)プロピル、エトキシブチル、プロポキシブチル、ブトキシブチル、ペントキシブチル、ヘキシルオキシブチル、ヘプチルオキシブチル、オクチルオキシブチル、ノニルオキシブチル、3-(3-エチルヘキシルオキシ)ブチル、3-(2,4,4-トリメチルペンチルオキシ)ブチル、3-(1-エチル-3-メチルブトキシ)ブチル、メトキシペンチル、エトキシペンチル、プロポキシペンチル、ブトキシペンチル、ペントキシペンチル、ヘキシルオキシペンチル、ヘプチルオキシペンチル、3-(3-メチルヘキシルオキシ)ペンチル、3-(2,4-ジメチルペンチルオキシ)ペンチル、3-(1-エチル-3-メチルブトキシ)ペンチル。
本発明の範囲には、キラル中心を有している式Iで表される化合物の(R)異性体および(S)異性体ならびにラセミ化合物が含まれる。
式Iで表されるトリアゾロピリミジンの意図される用途を鑑みると、特に好ましいのは、各置換基が、それぞれの場合それ自体で、あるいは組み合せで、以下の意味をもつものである。
基R1が最大12個の炭素原子を有する化合物Iが好ましい。
式I中のR1のアルキル基は、好ましくは直鎖、または一分枝状、二分枝状、三分枝状もしくは多分枝状のアルキル基、特に直鎖アルキル基である。
さらに、R1がα炭素原子で分枝されている式Iの化合物が好ましい。これらの化合物は式Ia:
Figure 2007527887
(式中、R11はC3-C10-アルキルまたはC5-C10-アルコキシアルキルであり、R12はC1-C4-アルキル、特にメチルであり、ここでR11とR12はともに最大12個の炭素原子を有しており、かつそれらの基は非置換であるか、あるいは式IのR1のように置換されていてもよい)
により表される。
R1がシアノ置換アルキル基である場合、前記シアノ基は好ましくは末端炭素原子に位置する。
好ましくは、R1が直鎖、または一分枝状、二分枝状、三分枝状もしくは多分枝状のC5-C12-アルキル基であって、これがそれ以上の置換基を有しない、化合物Iである。
本発明による化合物Iの一実施形態では、R1はC5-C12-アルキルまたはC1-C11-アルコキシ-C1-C11-アルキルであり、好ましくは炭素原子数の合計が5〜12個である。この場合に特に好ましいのは、C2-C9-アルコキシプロピル基である。
特に好ましいのは、R1がn-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルまたは1-エチル-2-メチルプロピルの化合物Iである。
加えて、好ましいのは、R1がn-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、1-メチルヘプチル、n-ノニル、1-メチルオクチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、1-メチルノニル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル-または1-メチルウンデシルである式Iの化合物である。
本発明による化合物Iの好ましい一実施形態では、R2はエチルである。
本発明による化合物Iのさらなる好ましい実施形態では、R2はイソプロピルである。
本発明による化合物Iのさらなる実施形態では、R2は1-メチルプロピルである。
本発明による化合物Iのさらなる実施形態では、R2はシクロプロピルである。
特にその用途を鑑みると、好ましいのは以下の表中に掲げられた化合物Iである。さらに、表において置換基として記載されている基は、それらが記載されている組み合わせとは独立に、それら自体、当の置換基の特に好ましい実施態様でもある。
表1
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2がエチルである、式Iの化合物。
表2
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2がイソプロピルである、式Iの化合物。
表3
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2が1-メチルプロピルである、式Iの化合物。
表4
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2がエテニルである、式Iの化合物。
表5
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2がアリルである、式Iの化合物。
表6
各化合物に関するR1が表Aの1つの行に対応し、R2がシクロプロピルである、式Iの化合物。
Figure 2007527887
Figure 2007527887
Figure 2007527887
Figure 2007527887
Figure 2007527887
Figure 2007527887
Figure 2007527887
化合物Iは抗真菌剤として好適である。これらは、広範囲の植物病原性真菌類、特に子嚢菌綱(Ascomycetes)、不完全菌綱(Deuteromycetes)、卵菌綱(Oomycetes)および担子菌綱(Basidiomycetes)の菌類、特に卵菌綱(Oomycetes)に対する顕著な効果で区別される。一部のものは浸透的に作用し、それらは、植物保護において、葉面抗真菌剤として、種子粉衣用抗真菌剤および土壌抗真菌剤として使用することができる。
これらは、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、牧草、バナナ、ワタ、ダイズ、コーヒーの木、サトウキビ、ブドウの木、果樹および観葉植物などの様々な栽培植物、ならびにキュウリ、マメ、トマト、ジャガイモ、ウリなどの野菜、ならびにこれらの植物の種子につく数多くの真菌類の防除において特に重要である。
これらは、以下の植物病害の防除に特に適している。
・ 果物および野菜につくアルテルナリア種(Alternaria species)、
・ 禾穀類、イネおよび芝生につくビポラリス種(Bipolaris species)およびドレクスレラ種(Drechslera species)、
・ 禾穀類につくブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(ウドンコ病)、
・ イチゴ、野菜、観葉植物、およびブドウの木につくボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色カビ病)、
・ サラダ用野菜につくブレミア・ラクツカ(Bremia lactucae)、
・ ウリ科植物につくエリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)およびスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、
・ 様々な植物につくフサリウム種(Fusarium species)およびベルチシリウム種(Verticillium species)、
・ 禾穀類、バナナおよびラッカセイにつくマイコスファエレラ種(Mycosphaerella species)、
・ キャベツおよびタマネギにつくペロノスポラ種(Peronospora species)、
・ ダイズにつくファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)およびファコプソラ・メイボミア(P. meibomiae)、
・ ジャガイモおよびトマトにつくフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、
・ コショウにつくフィトフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、
・ ブドウの木につくプラスモパラ・ビチコーラ(Plasmopara viticola)、
・ リンゴの木につくポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、
・ コムギおよびオオムギにつくシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)、
・ ホップおよびキュウリにつくシュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora species)、
・ 禾穀類につくプッシニア種(Puccinia species)、
・ イネにつくピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、
・ 芝生につくピチウム・アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、
・ ワタ、イネおよび芝生につくリゾクトニア種(Rhizoctonia species)、
・ コムギにつくセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)およびスタゴノスポラ・ノドラム(Stagonospora nodorum)、
・ ブドウの木につくウンシヌラ・ネカトール(Uncinula necator)、
・ 禾穀類およびサトウキビにつくウスチラゴ種(Ustilago species)、
・ リンゴの木およびナシの木につくベンチュリア種(Venturia species)(黒星病)。
これらは、ペロノスポラ(Peronospora)種、フィトフトラ(Phytophthora)種、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)およびプソイドペロノスポラ(Pseudoperonospora)種などの卵菌綱の有害真菌を防除するのに特に好適である。
また化合物Iは、資材(例えば木材、紙、塗料分散液、繊維または織物)の保護や保存製品の保護における有害真菌(例えばパエシロマイセス・バリオチイ(Paecilomyces variotii)など)の防除にも適している。
化合物Iを用いるには、真菌を、または真菌による病害から保護すべき植物、種子、資材もしくは土壌を、殺菌に有効な量の活性化合物で処理する。施用は、真菌による資材、植物または種子の感染の前および後のいずれにおいても行うことができる。
抗真菌性組成物は、一般に活性化合物を重量で0.1〜95%、好ましくは0.5〜90%含んでいる。
植物保護で用いる場合は、施用される量は、所望の効果の種類に応じて、1ヘクタール(ha)当たり活性化合物0.01〜2.0kgである。
種子の処理では、一般に、種子100キログラム当たり1g〜1000g、好ましくは100キログラム当たり5〜100gの活性化合物の量が必要である。
資材または保存製品の保護で用いる場合は、施用する活性化合物の量は、施用領域の種類および所望の効果によって決まる。資材の保護で通常に施用される量は、例えば、処理資材1立方メートル当たり活性化合物0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgである。
化合物Iは、通常の製剤、たとえば、溶液、エマルション、懸濁液、粉末、ダスト、ペーストおよび顆粒に変換することができる。施用剤形は個々の目的に依存するが、いずれの場合にも、それは本発明の化合物の微細で均一な分布を保証するものでなければならない。
製剤は公知の方法、たとえば、活性化合物を溶媒および/または担体により、所望により乳化剤および分散剤を用いて希釈することにより調製される。好適な溶媒/添加剤は基本的に次の通りである。
- 水、芳香族溶媒(たとえば、ソルベッソ(Solvesso)製品、キシレン)、パラフィン(たとえば、鉱油留分)、アルコール(たとえば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(たとえば、シクロヘキサノン、ガンマ-ブチロラクトン)、ピロリドン(NMP、NOP)、酢酸エステル(二酢酸グリコール)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸および脂肪酸エステル。原則として、溶媒混合物も用いることができる。
- 粉砕した天然鉱物(たとえば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)および粉砕した合成鉱物(たとえば、高分散シリカ、ケイ酸塩)などの担体;非イオンおよび陰イオン乳化剤(たとえば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)などの乳化剤;およびリグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースなどの分散剤。
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪酸および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩である。さらに、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
直接噴霧可能な溶液、エマルション、ペーストまたは油分散物の調製に適しているものは、ケロシンまたはジーゼル油などの中程度から高い沸点の鉱油留分、さらに、コールタール油および植物または動物由来の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素、たとえば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、極性の高い溶媒、たとえば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、または水である。
粉末、散布用材料および散粉用製品は、活性物質を固体の担体と混合または同時に粉砕することにより調製することができる。
顆粒、たとえば、被覆顆粒、含浸顆粒および均一な顆粒は、活性化合物を固体の担体に結合させることにより調製することができる。固体の担体の例は、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰岩、石灰、チョーク、膠塊粘土、黄土、クレー、白雲石、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの鉱物土類、粉砕した合成材料、たとえば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの肥料、および穀物粗挽き粉、樹皮粗挽き粉、木材粗挽き粉および木の実の殻の粗挽き粉などの植物由来の製品、セルロース粉末および他の固体の担体である。
一般的に、製剤は、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含む。活性化合物は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)のものを使用する。
以下に製剤の例を示す。
1. 水により希釈するための製品
A) 水溶性濃縮物(SL)
10重量部の本発明の化合物を水または水溶性溶媒に溶解する。あるいは、湿潤剤または他の添加剤を加える。活性化合物は水により希釈すると溶解する。
B) 分散性濃縮物(DC)
20重量部の本発明の化合物を、分散剤、たとえばポリビニルピロリドンを加えてシクロヘキサノンに溶解する。水により希釈すると分散物が得られる。
C) 乳化性濃縮物(EC)
15重量部の本発明の化合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ひまし油(それぞれ5%)を加えてキシレンに溶解する。水により希釈するとエマルションが得られる。
D) エマルション(EW、EO)
40重量部の本発明の化合物をドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ひまし油(それぞれ5%)を加えてキシレンに溶解する。この混合物を乳化器(Ultraturrax)を用いて水中に導入し、均一なエマルションを調製する。水により希釈するとエマルションが得られる。
E) 懸濁液(SC、OD)
撹拌したボールミル中で、20重量部の本発明の化合物を、分散剤、湿潤剤および水または有機溶媒を加えて粉砕すると、微細な活性化合物の懸濁液が得られる。水により希釈すると、活性化合物の安定な懸濁液が得られる。
F) 水分散性顆粒および水溶性顆粒(WG、SG)
50重量部の本発明の化合物を、分散剤および湿潤剤を加えて微細に粉砕し、技術機器(たとえば、射出機、噴霧塔、流動床)を用いて水分散性または水溶性顆粒を調製する。水により希釈すると活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。
G) 水分散性粉末および水溶性粉末(WP、SP)
75重量部の本発明の化合物を、分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを加えてローターステーターミル(rotor-stator mill)中で粉砕する。水により希釈すると活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。
2. 希釈せずに施用する製品
H) 散粉用製品(DP)
5重量部の本発明の化合物を微細に粉砕し、95%の微細に粉砕したカオリンと緊密に混合する。これにより散布用製品が得られる。
I) 顆粒(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本発明の化合物を微細に粉砕し、95.5%の担体と結合させる。最新の方法は射出、噴霧乾燥または流動床である。これにより無希釈で施用される顆粒が得られる。
J) ULV溶液(UL)
10重量部の本発明の化合物を有機溶媒、たとえばキシレンに溶解する。これにより無希釈で施用される製品が得られる。
活性化合物は、そのままで、それらの製剤の形で、またはその製剤から調製された使用形態で、たとえば、直接噴霧できる溶液、粉末、懸濁液もしくは分散液、エマルション、油分散物、ペースト、散粉用製品、散布用材料、または顆粒の形で、スプレー、噴霧、散粉、散布または注入により使用することができる。使用形態は意図される目的に完全に依存するが、いずれの場合にも本発明は、本発明の活性化合物の可能な限り微細な分布を保証するものである。
水性の使用形態は、濃縮エマルション、ペーストまたは湿潤性粉末(噴霧用粉末、油分散物)に水を加えることにより調製することができる。エマルション、ペーストまたは油分散物を調製するために、物質を、そのままで、または油または溶媒に溶解して、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中に均一化することができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤、および適切な場合には溶媒または油を含む濃縮物を調製することができ、このような濃縮物は水による希釈に適している。
そのまま使える製剤における活性化合物濃度は比較的広い範囲内で変化し得る。一般的に、上記濃度は0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
活性化合物は、95重量%以上の活性化合物を含む製剤を施用することを可能にする、または添加剤を含まない活性化合物を施用することさえも可能にする微量散布法(ULV)にも効果的に使用することができる。
さまざまなタイプの油、湿潤剤、補助剤、除草剤、殺菌剤(fungicides)、他の殺虫剤または殺菌剤(bactericides)を、適切な場合には使用の直前に、活性化合物に加えることができる(タンクミックス)。これらの薬剤は本発明の薬剤に、1:10〜10:1の重量比で混合することができる。
本発明の化合物は抗真菌剤としての使用形態において、他の活性化合物(例えば除草剤、殺虫剤、成長調整剤、抗真菌剤又は他の肥料)と共存していてもよい。本発明の化合物又は抗真菌剤の適用形態で本発明の化合物を含む組成物を他の抗真菌剤と混合することにより、多くの場合は、得られる抗真菌剤としての活性の範囲を拡張することができる。
本発明の化合物と共に組み合わせて使用することができる抗真菌剤の以下のリストは使用可能な組み合わせを例示するものであってそれを限定するものではない。
・ベナラキシル(benalaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、オフレース(ofurace)またはオキサジキシル(oxadixyl)などのアシルアラニン、
・アルジモルフ(aldimorph)、ドジン(dodine)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、グアザチン(guazatine)、イミノクタジン(iminoctadine)、スピロキサミン(spiroxamine)またはトリデモルフ(tridemorph)などのアミン誘導体、
・ピリメタニル(pyrimethanil)、メパニピリム(mepanipyrim)またはシプロジニル(cyprodinyl)などのアニリノピリミジン、
・シクロヘキシミド(cycloheximide)、グリセオフルビン(griseofulvin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ナタマイシン(natamycin)、ポリオキシン(polyoxin)またはストレプトマイシン(streptomycin)などの抗生物質、
・ビテルタノール(bitertanol)、ブロモコナゾール(bromoconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニトロコナゾール(dinitroconazole)、エニルコナゾール(enilconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イマザリル(imazalil)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリフルミゾール(triflumizole)またはトリチコナゾール(triticonazole)などのアゾール、
・イプロジオン(iprodione)、ミクロゾリン(myclozolin)、プロシミドン(procymidone)またはビンクロゾリン(vinclozolin)などのジカルボキシミド、
・フェルバム(ferbam)、ナバム(nabam)、マネブ(maneb)、マンコゼブ(mancozeb)、メタム(metam)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、ポリカルバメート(polycarbamate)、チラム(thiram)、ジラム(ziram)またはジネブ(zineb)などのジチオカルバメート、
・アニラジン(anilazine)、ベノミル(benomyl)、ボスカリド(boscalid)、カルベンダジム(carbendazim)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、シアゾファミド(cyazofamid)、ダゾメット(dazomet)、ジチアノン(dithianon)、ファモキサドン(famoxadone)、フェンアミドン(fenamidone)、フェナリモール(fenarimol)、フベリダゾール(fuberidazole)、フルトラニル(flutolanil)、フラメトピル(furametpyr)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、メプロニル(mepronil)、ヌアリモール(nuarimol)、プロベナゾール(probenazole)、プロキナジド(proquinazid)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、シルチオファム(silthiofam)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チフルザミド(thifluzamide)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、チアジニル(tiadinil)、トリシクラゾール(tricyclazole)またはトリフォリン(triforine)などの複素環式化合物、
・ボルドー液、酢酸銅、オキシ塩化銅または塩基性硫酸銅などの銅殺菌剤、
・ビナパクリル(binapacryl)、ジノカップ(dinocap)、ジノブトン(dinobuton)またはニトロフタル-イソプロピル(nitrophthal-isopropyl)などのニトロフェニル誘導体、
・フェンピクロニル(fenpiclonil)またはフルジオキソニル(fludioxonil)などのフェニルピロール、
・硫黄、
・アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、ベンチアカリバルブ(benthiavalicarb)、カルプロパミド(carpropamid)、クロロタロニル(chlorothalonil)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロシメット(diclocymet)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、エジフェンホス(edifenphos)、エタボキサム(ethaboxam)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、酢酸フェンチン(fentin acetate)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、亜リン酸、フォセチル(fosetyl)、フォセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminum)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)、メトラフェノン(metrafenone)、ペンシクロン(pencycuron)、プロパモカルブ(propamocarb)、フタリド(phthalide)、トリクロフォス-メチル(tolclofos-methyl)、キントゼン(tolclofos-methyl)またはゾキサミド(zoxamide)などの他の殺菌剤、
・アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)またはトリフロキシストロビン(trifloxystrobin)などのストロビルリン、
・キャプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、フォルペット(folpet)またはトリルフルアニド(tolylfluanid)などのスルフェン酸誘導体、
・ジメトモルフ(dimethomorph)、フルメトベル(flumetover)またはフルモルフ(flumorph)などのシンナミドおよび類似化合物
合成の実施例
出発物質を適当に変更して、以下のこの合成の実施例に記載されている方法を用いてさらなる化合物Iを得た。このようにして得られた化合物は、物性データと共に、以下の表に挙げている。
実施例1:4-シアノウンデカン-3-オンの調製
ヘキサン中のブチルリチウム0.495mol溶液を、-70℃でテトラヒドロフラン(THF)300mlに溶解したデカニトリル0.45molの溶液に加え、混合物を約3時間この温度で撹拌し、次いで、0.45molのプロピオン酸エチルを加えた。続いて、この混合物を約16時間20〜25℃で撹拌し、次に水200mlを加え、希釈HCl溶液を用いて混合物を酸性化した。各相を分離させた後、有機相を除去し、水で洗浄し、乾燥させ、溶媒を除いた。91gの表題化合物が残った。
実施例2:7-アミノ-5-エチル-6-オクチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンの調製
メシチレン900mlに溶解した1.27molの実施例1の5-シアノウンデカン-3-オンと1.27molの3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、および0.25molのp-トルエンスルホン酸の混合物を約4時間170℃で加熱した。約20〜25℃に冷却した後、沈殿物を濾過し、次いで、ジクロロメタンに溶解した。水で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を溶液から蒸留除去し、残渣として、m.p.196℃の表題化合物124gを得た。
表I−式Iで表される化合物
Figure 2007527887
有害真菌に対する作用例
式Iで表される化合物の抗真菌作用について、以下の実験により検証した。
活性化合物を、25mgの活性化合物を含むストック溶液として調製し、これを、99対1の溶媒/乳化剤の容量比のアセトンおよび/またはDMSOならびに乳化剤Uniperol(登録商標)EL(エトキシ化アルキルフェノール系の乳化作用と分散作用をもつ湿潤剤)の混合物を用いて10mlに調製した。次に、この混合物を水で100mlととした。このストック溶液を、記載した溶媒/乳化剤/水混合物を用いて、以下に記載した活性化合物の濃度まで希釈した。
使用実施例1−プラスモパラ・ビチコーラ(Plasmopara viticola)によって発病するブドウの木のベト病に対する活性
鉢植えのブドウの木の葉に対し、下記の活性化合物濃度の水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。翌日、葉の下側に、プラスモパラ・ビチコーラの水性胞子懸濁液を接種した。次に、このワインの木を最初に48時間24℃で水蒸気飽和チャンバー内に置いた後、温度20℃〜30℃の温室内に5日間置いた。この期間の後、植物を再び16時間高湿度チャンバー内に置き、胞子嚢柄の出現を促した。次いで、葉の下側の感染の進行程度を目視により測定した。
この試験では、250ppmの化合物I-1またはI-2で処理した植物には感染は認められなかったが、未処理の植物は95%が感染していた。
使用実施例2:フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)によって発病するトマトの葉枯れ病(late blight)に対する活性、予防的施用
鉢植えのトマト植物の葉に対し、下記の活性化合物濃度の水性懸濁液を流れ落ちる程度までスプレーした。翌日、葉にフィトフトラ・インフェスタンスの水性胞子懸濁液を接種した。次に、この植物を最初に温度18℃〜20℃の水蒸気飽和チャンバー内に置いた。6日後、未処理で感染させたコントロール植物における葉枯れ病は、感染が%で視覚的に測定可能な程度にまで進行していた。
この試験では、250ppmの化合物I-1、I-2、I-8、I-9、I-10またはI-11で処理した植物には感染が認められなかったが、未処理の植物では100%が感染していた。
使用実施例3−プラスモパラ・ビチコーラ(Plasmopara viticola)により発病するブドウの木のベト病に対する活性、予防的施用
鉢植えの栽培品種「Muller-Thurgau」のブドウの木の葉に、下記の活性化合物濃度を有している水性懸濁液で流れ落ちる程度までスプレーした。これらの物質の持続性が評価できるように、植物は、スプレーコーティングが乾燥した後、温室内に7日間置いた。その後初めて、葉にプラスモパラ・ビチコーラのの水性胞子懸濁液を接種した。次に、このワインの木を最初に48時間24℃で水蒸気飽和チャンバー内に置いた後、温度20℃〜30℃の温室内に5日または7日間置いた。この期間の後、植物を再度16時間高湿度チャンバー内に置き、胞子嚢柄の出現を促した。次いで、葉の下側の感染の進行程度を目視により測定した。
予防的施用が5日間である場合の試験処理では、250ppmの化合物I-4で処理した植物には5%の感染が認められたが、未処理の植物では75%が感染していた。予防的施用が7日間である場合の試験処理では、250ppmの化合物I-8、I-9、I-10、I-11、I-12またはI-13で処理した植物は、感染が7%以下であったのに対し、未処理の植物は80%が感染していた。

Claims (13)

  1. 式I:
    Figure 2007527887
    (式中、置換基は以下に定義された通りである:
    R1は、C5-C12-アルキルまたはC5-C14-アルコキシアルキルであり、ここで、脂肪族基は、1〜3個の以下の基:シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C3-C6-シクロアルキル、C1-C6-アルキルチオおよびNRaRbにより置換されていてもよく;
    Ra、Rbは、水素またはC1-C6-アルキルであり;
    R2は、CHR3CH3、シクロプロピル、CH=CH2またはCH2CH=CH2であり;
    R3は、水素、CH3またはCH2CH3である)
    で表されるトリアゾロピリミジン。
  2. R2がCHR3CH3である、請求項1に記載の式Iで表される化合物。
  3. R1が、12個以下の炭素原子を有する、非置換の直鎖であるか、あるいは一分枝状、二分枝状または三分岐状のアルキル鎖である、請求項1または2に記載の式Iで表される化合物。
  4. R2がエチルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物。
  5. R2がイソプロピルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物。
  6. R2がCHR3CH3であり、R3が水素、CH3またはCH2CH3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物。
  7. 5-エチル-6-(1-メチルヘプチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-イソプロピル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-(3,5,5-トリメチルヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-シクロプロピル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-ペンチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-ヘキシル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-ヘプチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-ノニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-ウンデシル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    6-ヘキシル-5-イソプロピル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    6-ヘプチル-5-イソプロピル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-イソプロピル-6-ノニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
    5-エチル-6-(3-ペンチルオキシプロピル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン。
  8. 式II:
    Figure 2007527887
    (式中、RはC1-C4-アルキルである)
    のβ−ケトエステルを、式III:
    Figure 2007527887
    の3-アミノ-1,2,4-トリアゾールと反応させ、式IV:
    Figure 2007527887
    の7-ヒドロキシトリアゾロピリミジンを得、これをハロゲン化して式V:
    Figure 2007527887
    (式中、Halは塩素または臭素である)
    の化合物を得、Vをアンモニアと反応させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物の調製方法。
  9. 請求項8に記載の式IVまたはVの化合物。
  10. 式VI:
    Figure 2007527887
    のアシルシアニドを、請求項8に記載の式IIIの3-アミノ-1,2,4-トリアゾールと反応させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物の調製方法。
  11. 固体担体または液体担体と請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物とを含む、抗真菌性組成物。
  12. 100kg当たり1〜1000gの量で、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物を含む種子。
  13. 植物病原性有害真菌類を防除する方法であって、真菌類、または真菌類による病害から保護すべき資材、植物、土壌もしくは種子を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iで表される化合物の有効量で処理することを含む、前記方法。
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