JP2007318405A - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents
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Abstract
【課題】織布からなる表面振動板層を備える多層構造の電気音響変換器用振動板の変形や歪を低減すること、高品質の多層構造の振動板を提供すること等。
【解決手段】電気音響変換器用振動板1は、表面層31及び表面層32の間に中間振動板層5が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板1であり、表面層31及び表面層32が織布からなり、表面層31と表面層32の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて、一体形成されている。好ましくは、2軸の織布からなる表面層31,32の繊維軸方向が周方向に略45度にずれて形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】電気音響変換器用振動板1は、表面層31及び表面層32の間に中間振動板層5が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板1であり、表面層31及び表面層32が織布からなり、表面層31と表面層32の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて、一体形成されている。好ましくは、2軸の織布からなる表面層31,32の繊維軸方向が周方向に略45度にずれて形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気音響変換器用振動板に関するものである。
スピーカやマイクロフォン等の電気音響変換器用振動板の製造方法に要望される物性は、比弾性率(E/ρ)、比曲げ剛性率(E/ρ3 )が大きく、適度な内部損失を有し、機械的疲労に強く、耐候性が良いことである。例えば紙材、布材、高分子材、金属等により形成された振動板が知られているが、振動板を物性の異なる複数の素材の多層構造とすることで、個々の材料の欠点を補い、各種特性のバランスが良い振動板を得ることが提案されている。
例えば特許文献1には、多層構造の電気音響変換器用振動板の製造方法として、予め表面振動板層を所定の寸法形状に形成しておき、その表面振動板層を射出成形用金型内にインサートし、射出成形用金型内に射出材を射出することで表面振動板層および内部振動板層を備えた振動板を一体成形する製造方法が開示されている。
例えば、織布からなる第1及び第2の表面振動板層(スキン層)を射出金型にインサートし、第1及び第2の表面振動板層の間に中間層(コア層)の形成材料である射出材を射出して、図1(A)に示すように、第1及び第2の表面振動板層31J,32J及び中間層5が一体成形された振動板1Jを作製する場合、射出成形により成形された樹脂層(中間層)は成形収縮による収縮率が比較的大きく、一方、織布からなる第1及び第2の表面振動板層(スキン層)は、織物であるために収縮しにくいために、金型から振動板を取り出した後、振動板の内部応力により変形が生じる場合がある。
詳細には例えば図1(B)に示すように、スキン層が織布からなる場合には、伸びやすい方向と伸びにくい方向、あるいは曲がりやすい方向と曲りにくい方向が存在する。具体的には図1(B)に示すように、織布からなる表面振動板層31J(32J)では、織布の繊維軸方向に対して斜め方向(角度45度)に伸張しやすく、それと直交する方向に収縮しやすい特性を有するので、例えば図1(C)に示すように繊維軸方向に対して斜め方向に変形する場合がある。また織布は、斜め方向(角度45度)の軸に沿って折れ曲がりやすい特性を有する。上記変形した振動板をスピーカ用の振動板として採用した場合には、再生音の音質が劣化する場合がある。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、織布からなる表面振動板層を備える多層構造の電気音響変換器用振動板の変形を低減すること、高品質の多層構造の振動板を提供すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
請求項1に記載の発明は、第1の表面振動板層及び第2の表面振動板層の間に中間振動板層が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板であって、前記第1の表面振動板層及び前記第2の表面振動板層が織布からなり、前記第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて一体形成されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る電気音響変換器用振動板は、第1の表面振動板層及び第2の表面振動板層の間に中間振動板層が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板であって、第1の表面振動板層及び第2の表面振動板層が織布からなり、第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて一体形成されていることを特徴とする。
好適には、2軸の第1の織布からなる第1の表面振動板層と、第1の織布に対して繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれた2軸の第2の織布からなる第2の表面振動板層とを射出金型にインサートした状態で、第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の間に中間振動板層の形成材料である射出材が射出されて、第1の表面振動板層、中間振動板層、及び第2の表面振動板層が一体成形されていることを特徴とする。
また、好適には、第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の繊維軸方向が周方向に略45度ずれて形成されていることを特徴とする。
上記構成の電気音響変換器用振動板では、第1の表面振動板層及び第2の表面振動板層が織布からなり、第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の繊維軸方向が規定角度、例えば2軸の織布を第1及び第2の表面振動板層として採用した場合には略45度だけ周方向にずれて配置され、第1の表面振動板、中間振動板層、及び第2の表面振動板層とが一体成形されているので、第1及び第2の表面振動板層それぞれの変形方向が規定角度だけずれており、電気音響変換器用振動板の歪、変形等が低減する。また歪が少なく高品質の多層構造の振動板を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る電気音響変換器用振動板1を説明するための図である。詳細には図2(A)は、電気音響変換器用振動板1の断面図である。図2(B)は図2(A)に示した電気音響変換器用振動板1の表面層3(第1の表面層31)を説明するための図である。図2(C)は図2(A)に示した電気音響変換器用振動板1の表面層(第2の表面層32)を説明するための図である。図2(D)は図2(B)及び図2(C)に示した表面層3の繊維軸方向のずれを説明するための図である。図3は、図2(A)〜(D)に示した表面層31,32の織布の繊維軸方向を説明するための図である。
以下、コーン形状の電気音響変換器用振動板1を例示して説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、ドーム形状、平面・平板形状等各種形態の電気音響変換器用振動板を対象とすることができる。また、コーン型電気音響変換器用振動板においても、以下の構造に特に限定されるものではない。また、円形状電気音響変換器用振動板1を説明するがこの形態に限られるものではない。電気音響変換器用振動板1は、例えば楕円形状、矩形状、その他任意の形状に形成されていてもよい。本発明に係る電気音響変換器用振動板1は、例えばスピーカ等の電気音響変換器の振動板に採用することができる。
図2(A)〜(D)に示すように、本実施形態に係る電気音響変換器用振動板1は、第1の表面振動板層31(表面層31ともいう)と第2の表面振動板層32(表面層32ともいう)の間に中間振動板層5(コア層5ともいう)が形成された多層構造を有する。表面層31及び表面層32をまとめて表面層3ともいう。表面層31及び表面層32が2軸の織布からなり、表面層31と表面層32の繊維軸方向が規定角度θだけ周方向にずれて形成され、表面層31、中間振動板層5、及び表面層32が一体成形されている。本実施形態に係る電気音響変換器用振動板1は3層構造であるが、この形態に限られるものではない。例えば電気音響変換器用振動板1は、3層以上の多層構造であってもよい。
表面層31は本発明に係る第1の表面振動板層の一実施形態に相当し、表面層32は本発明に係る第2の表面振動板層の一実施形態に相当し、中間振動板層5は本発明に係る中間振動板層の一実施形態に相当する。
表面層31及び表面層32は、例えば樹脂、アラミド繊維,炭素繊維等の他、公知の各種繊維により、例えば2軸織り(平織や綾織等)の所定方式の織り方により形成され、コーン形状、ドーム形状、平面・平板形状等の規定された振動板形状に成形することで形成されたものである。また、本実施形態に係る表面層31,表面層32は、図2(B),図2(C),図3に示すように、縦糸301および横糸302が互いに略直交するように織り込まれた2軸織りにより形成されている。この縦糸301や横糸302の繊維の軸方向が本発明に係る繊維軸方向の一実施形態に相当する。繊維軸方向は網目方向に対応する。
また電気音響変換器用振動板1は、2軸の第1の織布からなる表面層31と、この表面層31と規定角度、例えば略角度45度だけ繊維軸方向が周方向にずれた2軸の第2の織布からなる表面層32とを射出金型にインサートした状態で、表面層31と表面層32の間に中間振動板層の形成材料である射出材が射出されて、表面層31、中間振動板層5、および表面層32が一体成形されている。
中間振動板層(コア層)5は、表面層31,32に密着状態に積層されると共に、表面層31,32とは異なる材料で形成されている。また、後述するように中間振動板層5は、射出材を射出成形用金型内に射出して形成される。中間振動板層5の射出材として用いる材料は、例えばポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂をベースに発泡剤と無機物または有機物フィラーを混合した材料等の規定材料を採用することができる。
また、電気音響変換器用振動板1は、例えば図2(A)に示すように、中央部をA−A線およびB−B線に沿って筒状に切抜くことにより形成された開口部1cを有する。この開口部1cには、例えばスピーカ装置のボイスコイルボビンが配設される。
上記構成の電気音響変換器用振動板1は、後述するように、2軸の第1の織布からなる表面層31と、第1の織布と規定角度だけ繊維軸方向が周方向にずれた2軸の第2の織布からなる表面層32を射出金型にインサートした状態で、表面層31と表面層32の間に中間振動板層5の形成材料である射出材が射出されて、表面層31、中間振動板層5、及び表面層32が一体成形される(射出成形)。
上記構成の電気音響変換器用振動板1では、射出成形により成形された中間振動板層5(樹脂層)が成形収縮による収縮率が大きく、特に中間振動板層5をオレフィン系樹脂により形成した場合や、中間振動板層5を発泡形成した場合には比較的収縮率が大きい。一方、織布からなる表面層31,32は、織布の繊維軸方向に対して斜め方向(角度45度)に伸張しやすく、それと直交する方向に収縮しやすい特性を有する。本実施形態に係る電気音響変換器用振動板1では、図2(A)〜(D)に示すように、表面層31と表面層32の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて、表面層31,32および中間振動板層5が一体成形されているので、表面層31,32それぞれの変形しやすい方向(変形方向)が規定角度だけずれて、電気音響変換器用振動板1の歪や変形等を低減することができる。また、歪が少なく高品質の多層構造の電気音響変換器用振動板1を提供することができる。またスピーカ装置に、本発明に係る電気音響変換器用振動板1を採用することにより、高品質の音を発音することができる。
また、特に中間振動板層5にオレフィン系樹脂を採用した場合や、中間振動板層5を発泡形成した場合であっても、歪や変形等が比較的低い電気音響変換器用振動板1を得ることができる。
上述した実施形態では表面層31,32の繊維軸方向のずれの角度は、電気音響変換器用振動板1の歪や変形等を低減することができれば、再生環境やスピーカ装置の周波数特性に応じて適宜設定する。また表面層31,32の繊維軸方向のずれの角度は、例えば略45度、詳細には45±15度程度に設定することが好ましく、より詳細には45度に設定することが好ましい。
次に、上記構成の電気音響変換器用振動板1の製造方法を図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明に係る電気音響変換器用振動板1の製造方法の一実施形態で使用する射出成形装置を説明するためのブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る射出成形装置6は、金型締め圧制御部7、型締めシリンダ8、射出装置9、射出プロセス制御部10、射出成形金型(射出成形用金型)11、可動プラテン12、雄金型13、固定プラテン14、および雌金型15を有する。
射出成形装置6は、本実施形態に係る電気音響変換器用振動板1を製造する装置である。金型締め圧制御部7は、型締めシリンダ8から、射出成形用金型11の型締圧力の検出値を示す信号を受信し、また可動プラテン12と固定プラテン14の間の距離情報を示す信号を例えば可動プラテン12から受信し、それらの信号に基づいて型締圧力指令を示す信号を型締めシリンダ8に出力して、型締めシリンダ8を制御し、雄金型13と雌金型15との間の締め圧をコントロールする。型締めシリンダ8は、雄金型13と雌金型15との間の型締圧力を検出し、その検出結果を示す信号を金型締め圧制御部7に出力する。また、型締めシリンダ8は、金型締め圧制御部7から型締圧力指示を示す信号を受けて、その信号に応じて可動プラテン12を介して雄金型13と雌金型15との間の締め圧を調整する。
射出装置9は、成形プロセス情報を示す信号を射出プロセス制御部10に出力する。また、射出装置9は、射出プロセス制御部10から射出条件指令を示す信号を受信し、その信号に応じて規定の射出プロセスを実行する。本実施形態に係る射出装置9は、例えばPP(ポリプロピレン)等のオレフィン系樹脂をベースに発泡剤と、無機物または有機物フィラーとを混合した樹脂混合剤を射出する。射出プロセス制御部10は、射出装置9から成形プロセス情報を示す信号を受信し、また、金型締め圧制御部7から可動プラテン12側の距離情報等を示す信号を受信し、それらの信号に基づいて射出条件指示を示す信号を射出装置9に出力する。また、射出プロセス制御部10と金型締め圧制御部7は、相互にデータ送受信を行い、射出成形装置6全体を統括的に制御する。
射出成形用金型11は、電気音響変換器用振動板1を製造する金型である。射出成形用金型11は、例えば図4に示すように、雄金型13、および雌金型15を有する。本実施形態では、雄金型13は可動プラテン12により保持されて可動型金型として作動し、雌金型15は固定プラテン14により保持されて固定側金型として作動する。雄金型13には、電気音響変換器用振動板1の表面の輪郭に沿うコーン型の突出部13aが形成されている。雄金型13は、雌金型15に対して規定位置に配置されることにより、第2の振動板層5に係る規定形状のギャップを形成する。雌金型15には、コーン型の突出部13aに相応するコーン型の凹部15aが形成されている。
図5(a)〜(f)は、本発明の一実施形態に係る電気音響変換器用振動板1の製造方法を説明するための図である。図5(a)〜(f)を参照しながら、射出成形装置6により電気音響変換器用振動板1を製造する方法の一実施形態を説明する。
まず、金型締め圧制御部7は、型締めシリンダ8を制御して、図5(a)に示すように射出成形用金型11の雄金型13,雌金型15を所定間隔に開いた状態に設定する。雄金型13に予め規定形状に形成された表面層31である2軸の織布31aを取り付け、雌金型15に予め規定形状に形成された表面層32である2軸の織布32aを取り付ける。この取り付け時(インサート時)に、2軸の織布31aと、織布31aに対して2軸の織布32aを、繊維軸方向が規定角度(略45度)だけ周方向にずらして、射出金型11にインサートする。この際、真空吸着装置により織布31a,32aを金型13,15に固定してもよい。
その後、金型締め圧制御部7は、型締めシリンダ8を制御して、図5(b)に示すように雄金型13,15を規定間隔となるように射出成形用金型11を閉じる。この際、雄金型13,15の内側では所定の振動板形状のギャップ112が形成される。
射出プロセス制御部10は、射出装置9を制御して、図5(c)に示すように、中間振動板層5の形成材料である射出材30を射出口25から射出させる。射出材30は、雄金型13と雌金型15の内側により形成されたギャップ112内に流動する。
射出プロセス制御部10は、射出装置9を制御して図5(d)に示すように、織布31aと織布32aとの間で射出材30が規定形状をなすように、規定量の射出材30を射出した後、射出を抑止する。また例えば射出時に、型閉じ状態から雄金型13,雌金型15を相互に離反する方向に所定量移動させることで、樹脂を流れ易くさせ、射出の途中で再度閉じる工程を追加して射出成形を行ってもよい。
射出成形後、金型締め圧制御部7は、図5(e)に示すように、型締めシリンダ8を制御して、射出成形用金型11の雄金型13と雌金型15とを相互に離反する方向に所定量移動させて開状態にする。開状態の射出成形用金型11内から射出成形された振動板が取り出される。次に図5(e)に示すように、取り出した振動板の中央部をA−A線およびB−B線に沿って筒状に切り抜く。また、電気音響変換器用振動板1の外周部をC−C線およびD−D線に沿って切り取る。
上述した製造工程により、図5(f),図2(a)に示すように、表面層31と、中間振動板層5と、表面層31に対して繊維軸方向が略45度だけ周方向にずれた位置関係の表面層32とが、一体成形された多層構造の電気音響変換器用振動板1を作製することができる。
以上説明したように、2軸の織布31aからなる表面層31と、織布31aに対して繊維軸方向が規定角度(略45度)だけ周方向にずれた2軸の織布32aからなる表面層32とを射出金型11にインサートした状態で、表面層31と表面層32の間に中間振動板層5の形成材料である射出材30を射出して、表面層31と中間振動板層5と表面層32とを一体成形することで、本発明に係る上記構成の電気音響変換器用振動板1を簡単な製造工程により作製することができる。
また上記電気音響変換器用振動板1の製造方法において、例えば比較的大きな織布から織布31aと織布32aを切り出して、表面層31と表面層32に用いることで、例えば個別に織布31a,32aを作製する場合と比べて作業効率が向上する。また表面層31,32に用いる織布31a,32aを同じ織布から作製しているので、剛性、歪方向、歪の大きさ、等の特性が等しくなり、高品質の電気音響変換器用振動板1を得ることができる。また電気音響変換器用振動板1の品質のばらつきを低減することができる。
また、剛性が略等しい表面層31と表面層32とを用いることにより、高品質の電気音響変換器用振動板1を作製することができる。
次に、射出発泡形成法により電気音響変換器用振動板1を製造する方法を説明する。
図6は、電気音響変換器用振動板1の製造方法の射出発泡成形工程を説明するための図である。図7は、図6に示した射出発泡成形工程を説明するための断面図である。
図6は、電気音響変換器用振動板1の製造方法の射出発泡成形工程を説明するための図である。図7は、図6に示した射出発泡成形工程を説明するための断面図である。
本実施形態に係る中間振動板層5は、発泡剤を含む射出材30を射出成形用金型11内に射出して発泡させることにより形成される。詳細には、図6(a)に示すように、射出成形装置6の型締め機構によって射出成形用金型11の雄金型13と雌金型15との間の離間距離を規定距離に設定した後、例えば射出装置9からPP(ポリプロピレン)に発泡剤と無機物または有機物フィラーとが混合した樹脂混合剤(射出材)30を射出する。
この射出材30の温度は、射出装置9内で規定温度、例えば約230℃に保たれている。また表面層31,32の温度は、規定温度例えば約90℃に保たれている。更に金型締め圧制御部7によって制御されている型締めシリンダ8による締め圧は規定圧力、例えば約100t(トン)に保たれている。更に射出成形用金型11の雄金型13と雌金型15によって形成されるキャビティの一般厚みは規定厚さ、例えば約0.2mm程度に設定されている。
また、このとき図6(b)に示すように、雄金型13と雌金型15との間に充填された射出材30は、射出成形用金型11または表面層31,32に接している部分から固化が始まり、固化した外表面層が図7に示すように中間振動板層5のスキン層5aを形成し、溶解部分は射出装置9のスクリュー部から押し出される圧力と雄金型13および雌金型15による締め圧が掛かるため、分解した発泡剤のガスは圧縮されて発泡が抑制されながら固化が進んでいく。
次に、図6(c)に示すように、例えば射出材30の充填完了直後、溶融部分の発泡剤の発泡圧力がまわりのスキン層(固化部分)3aを押し広げるだけの力が残っているうちに、金型締め圧制御部7によって制御されている型締めシリンダ8による締め圧を瞬時に0t(トン)近くまで減圧させる。これにより、溶融部分の圧縮されていた発泡剤の分解ガスがまわりの樹脂を押し広げながら膨らみ発泡が開始されて、図7に示すように、スキン層5aに挟まれた発泡層5bが形成される。
ここで、雄金型13の型開きタイミングについて説明する。射出材30の充填が完全に終了する前に型開きを行ってしまうと、樹脂混合剤が射出成形用金型11の雄金型13および雌金型15のキャビティ内部に入り込み過ぎ、製品の重量が重くなってしまい、反対にタイミングが遅いと樹脂の固化が進みすぎ、発泡剤が発泡できないまま完全固化してしまうため、上記不具合が生じないような時間で型開きを行うことが好ましい。更に、例えば射出材30の樹脂温度、射出成形用金型11の温度、表面層31,32の温度、製品の厚さ、発泡剤の加量等の条件により、適宜型開きの時間を設定することが好ましい。
以上説明したように、発泡剤を含む射出材30を射出成形用金型11内に射出して発泡させることにより、スキン層に未発泡層5a、コア層に発泡層5bを有する中間振動板層5を形成し、その発泡層5bを含む中間振動板層5と表面層31,32とを有する多層構造の電気音響変換器用振動板1を形成したので、より軽量で高剛性の電気音響変換器用振動板1を得ることができる。
また、上述したように発泡成形により中間振動板層5は、成形収縮率が比較的大きいが、本実施形態に係る電気音響変換器用振動板1は、表面層31,32の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれた状態で、表面層31,中間振動板層5,表面層32を一体成形して作製されているので、電気音響変換器用振動板1の歪や変形が低減する。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。上述した実施形態それぞれを組み合わせてもよい。例えば表面層31,32の形成材料は、上述した形態に限られるものではない。
また、例えば表面層31や表面層32が、3軸以上の織布からなる表面層31及び表面層32により電気音響変換器用振動板1を形成してもよい。
また電気音響変換器用振動板1は、上述した実施形態では表面層31,中間振動板層5,表面層32の3層構造を有したが、4層以上の多層構造であってもよい。
以上説明したように、本発明に係る電気音響変換器用振動板1は、表面層31及び表面層32の間に中間振動板層5が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板1であり、表面層31及び表面層32が織布からなり、表面層31と表面層32の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて、一体形成されているので、電気音響変換器用振動板1の歪や変形を低減することができる。また、高品質の多層構造の電気音響変換器用振動板1を提供することができる。
好ましくは、2軸の織布からなる表面層31,32の繊維軸方向が周方向に略45度にずれて形成することで、歪を更に低減することができる。
また、2軸の織布31aからなる表面層31と、織布31aに対して繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれた2軸の織布32aからなる表面層32とを射出金型11にインサートした状態で、表面層31と表面層32の間に中間振動板層5の形成材料である射出材30が射出されて、表面層31,中間振動板層5,表面層32がインサート成形法等の各種製造方法により一体成形されているので、簡単に本発明の機能を備える電気音響変換器用振動板1を得ることができる。
また、中間振動板層5を発泡成形により形成した場合であっても、歪や変形が比較的小さい高品質の電気音響変換器用振動板1を得ることができる。
また、中間振動板層5をオレフィン系樹脂を含む材料により形成した場合であっても、歪や変形が比較的小さい高品質の電気音響変換器用振動板1を得ることができる。
1 電気音響変換器用振動板
3 表面振動板層(表面層)
5 中間振動板層(コア層)
5a 中間層のスキン層(未発泡層)
5b 中間層の発泡層
6 射出成形装置
7 金型締め圧制御部
8 型締めシリンダ
9 射出装置
10 射出プロセス制御部
11 射出成形金型(射出成形用金型)
12 可動プラテン
13 雄金型
14 固定プラテン
15 雌金型
30 射出材
31 第1の表面振動板層(第1の表面層)
32 第2の表面振動板層(第2の表面層)
3 表面振動板層(表面層)
5 中間振動板層(コア層)
5a 中間層のスキン層(未発泡層)
5b 中間層の発泡層
6 射出成形装置
7 金型締め圧制御部
8 型締めシリンダ
9 射出装置
10 射出プロセス制御部
11 射出成形金型(射出成形用金型)
12 可動プラテン
13 雄金型
14 固定プラテン
15 雌金型
30 射出材
31 第1の表面振動板層(第1の表面層)
32 第2の表面振動板層(第2の表面層)
Claims (5)
- 第1の表面振動板層及び第2の表面振動板層の間に中間振動板層が形成された多層構造の電気音響変換器用振動板であって、
前記第1の表面振動板層及び前記第2の表面振動板層が織布からなり、前記第1の表面振動板層と第2の表面振動板層の繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれて一体形成されていることを特徴とする電気音響変換器用振動板。 - 2軸の第1の織布からなる前記第1の表面振動板層と、前記第1の織布に対して繊維軸方向が規定角度だけ周方向にずれた2軸の第2の織布からなる第2の表面振動板層とを射出金型にインサートした状態で、前記第1の表面振動板層と前記第2の表面振動板層の間に前記中間振動板層の形成材料である射出材が射出されて、前記第1の表面振動板層、前記中間振動板層、及び前記第2の表面振動板層が一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換用振動板。
- 前記第1の表面振動板層と前記第2の表面振動板層の繊維軸方向が周方向に略45度ずれて形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気音響変換機用振動板。
- 前記中間振動板層は、発泡成形により形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電気音響変換器用振動板。
- 前記中間振動板層は、オレフィン系樹脂を含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気音響変換起用振動板。
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- 2007-05-24 US US11/802,780 patent/US20070286448A1/en not_active Abandoned
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