JP3947333B2 - スピーカ振動板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織布を用いたスピーカ振動板ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカ用振動板に要求される物性は、代表的には、軽量であること、弾性率が大きいこと、内部損失が大きいことの3つがある。
従来から使用されている紙コーン型振動板は、成形形状の自由度が大きく、比較的軽量であり、また、内部損失も大である。一方、弾性率が著しく小さく、また、耐湿性能が悪いため、改善のための提案が多数なされている。
【0003】
最近では、カーボン繊維等の高弾性繊維織布プリプレグ(半硬化樹脂)を成形して作成されたクロスコーン振動板が出現し、耐湿性の向上ににより大きな弾性率が得られるようになった。しかしながらこのプリプレグ成形体は、内部損失が小さく軽量の振動板が得られないといった欠点を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、このプリプレグ成形体と予め振動板形状に成形された紙や樹脂製の成形部材とを接着剤により貼り合わせることが考えられる。このことにより、比較的成形形状の自由度が大きく、かつ、物性の良好な振動板を作成できる。
しかしながら、両部材を振動板形状に成形し、接着剤で貼り合わせ、かつ、周辺を切断して振動板に成形するための製造工程が増え、結果的にはコストアップにつながる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、織布を基材として射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に装着し、そのキャビティ内に樹脂を射出することにより、織布と樹脂の二層構造とし、また、織布や樹脂を適宜所定のものとすることにより、音質や周波数特性の設定が可能なスピーカ振動板を提供することを目的とする。
また、射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に織布を装着し、キャビティ内に樹脂を射出する各工程により、接着剤を用いずに貼り合わせを可能とし、種々の織布をプリプレグ化せずに樹脂との複合化が可能なスピーカ振動板の製造方法を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために請求項1に記載のスピーカ振動板は、射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、織布を基材として射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に挟んで装着し、可動側金型と固定側金型が閉じられて形成されるキャビティ内に樹脂を射出することにより、前記織布と樹脂の二層構造としたことを特徴とする。
また、請求項2に記載のスピーカ振動板は、請求項1に記載の同振動板において、前記織布は、その周縁部にて挟持されることを特徴とする。
【0007】
このことにより、射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、振動板形状のキャビティ内に織布の周縁部が挟まれるように支持され、この状態で可動側金型と固定側金型を閉じ樹脂を射出し、樹脂が固化した後金型を開くことにより、織布と樹脂の二重構造の振動板が得られる。このとき、織布や樹脂を適宜所定のものとすることにより、所望の音質に設定できる。
【0008】
請求項3に記載のスピーカ振動板の製造方法は、射出成形によるスピーカ振動板の製造方法であって、射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に挟んで織布を装着する工程と、前記可動側金型と前記固定側金型を閉じる工程と、前記キャビティ内に樹脂を射出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
このことにより、接着剤を用いずに貼り合わせを可能とし、種々の織布をプリプレグ化せずに樹脂との複合化が可能となり、結果的に、成形形状の自由度が大きく、内部損失も小さいスピーカ用振動板を製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のスピーカ用振動板の製造方法における各製造工程を説明するために引用した図である。図1において、10は射出成形装置を構成する金型であり、可動側金型11と固定側金型12から成る。なお、固定側金型12の一部にには、樹脂15を射出するために射出装置の射出口(ゲート)16が差し込まれている。13は、振動板形状のキャビティ、14は、織布(以下、クロス材と称する)である。
【0011】
上記構成において、まず、射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ13内に、クロス材14の周縁部が挟まれるように装着する(図1(a))。ここではクロス材として、カーボン、ケプラ、PBO、ガラス、コーネックス等、あるいは、カーボンとケプラ、PBOとガラス等の混合織りのクロス材が用いられる。次に、射出成形装置を構成する金型10の可動側金型11と固定側金型12を閉じ、図示せぬ射出装置から樹脂15を射出する(図2(b))。ここでは、樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプチレンテレフタレート系の樹脂材が用いられ、このときの温度は、150℃〜300℃に保たれている。また、金型10のキャビティ面の温度は、10℃〜100℃に保たれている。更に、金型10を絞める圧力は約80t〜200tに保たれている。
このとき、同図(b)に示すように、可動側金型11と固定側金型12との間のキャビティ13に充填された樹脂は、固定側金型10に接している部分から固化が始まる。そして、適当なタイミングで型開きを行うことにより、クロス14と樹脂15の二層構造のスピーカ用振動板を得る。また、クロス材14や樹脂15は適宜所定のものを使用でき、その組み合わせによっては所望の音質や周波数特性を得ることができる。
【0012】
以上説明のように本発明は、織布14を基材として射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ13内に装着し、そのキャビティ13内に樹脂15を射出することにより、織布14と樹脂15の二層構造の振動板を提供できる。また、織布や樹脂を必要に応じて適宜所定のものとすることにより、音質や周波数特性の設定が可能となる。更に、射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ13内に織布を装着し、キャビティ13内に樹脂15を射出する各工程により、接着剤を用いずに貼り合わせを可能とし、種々の織布をプリプレグ化せずに樹脂との複合化が可能となるため、製造工程を減少させ、かつ、プリプレグ化を要しないため接着剤を不要とし内部損失の大きなスピーカ用振動板を得ることが可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上説明のように本発明は、射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、織布を基材として射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に挟んで装着し、可動側金型と固定側金型が閉じられて形成されるキャビティ内に樹脂を射出することにより、織布と樹脂による二層構造の振動板を得るものであり、このことにより、種々の織布をプリプレグ化せずに樹脂との複合化ができ、接着剤を使用することなく貼り合わせが可能となるため、製造工程を少なくでき、コストダウンがはかれる。
また、射出する樹脂を選択することによって音質制御が可能となり、好みの音質や周波数特性の設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程を説明するために引用した図である。
【符号の説明】
10 金型
11 可動側金型
12 固定側金型
13 キャビティ
14 織布(クロス材)
15 樹脂
16 ゲート
Claims (3)
- 射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、織布を基材として射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に挟んで装着し、可動側金型と固定側金型が閉じられて形成されるキャビティ内に樹脂を射出することにより、前記織布と樹脂の二層構造としたことを特徴とするスピーカ振動板。
- 前記織布は、その周縁部にて挟持されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動板。
- 射出成形によるスピーカ振動板の製造方法であって、
射出成形装置を構成する金型の可動側金型と固定側金型を閉じる前に、射出成形装置に形成されるスピーカ振動板形状のキャビティ内に挟んで織布を装着する工程と、
前記可動側金型と前記固定側金型を閉じる工程と、
前記キャビティ内に樹脂を射出する工程と、
を備えたことを特徴とするスピーカ振動板の製造方法。
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JP37482199A JP3947333B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | スピーカ振動板およびその製造方法 |
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JP37482199A Expired - Lifetime JP3947333B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | スピーカ振動板およびその製造方法 |
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