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JP2007212917A - 印刷物の製造方法 - Google Patents

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JP2007212917A JP2006034800A JP2006034800A JP2007212917A JP 2007212917 A JP2007212917 A JP 2007212917A JP 2006034800 A JP2006034800 A JP 2006034800A JP 2006034800 A JP2006034800 A JP 2006034800A JP 2007212917 A JP2007212917 A JP 2007212917A
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Hiroyuki Miura
洋之 三浦
Kazuhiro Takada
一広 高田
Junichi Kaminaga
純一 神永
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】
基板上に光触媒層を設ける印刷物の製造方法において「混色」「白抜け」の発生しない印刷物を提供することを目的とする。特に基板の裏面から入射した光が隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱し、この散乱光が隔壁を通過し、混色を発生することを防ぐことを課題とする。
【解決手段】透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程と、エネルギー照射により濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する工程と、濡れ性変化層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する工程と、インクジェット印刷装置によりインクを吐出して着色層を形成し、印刷パターンを形成する工程とを含み、前記隔壁を形成する樹脂組成物が黒色顔料を含み、かつ、前記隔壁に含まれる黒色顔料の含有量が50重量%以上であることを特徴とする
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット印刷装置などの印刷装置を用いて製造された印刷物に関するものである。この印刷物としては有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子)が例示でき、この有機EL素子の有機発光層をインクジェット印刷装置等を用いて形成する。また、前記印刷物としてカラーフィルタも例示でき、この着色層をインクジェット印刷装置を用いて形成する。また、この外、回路基板、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を印刷物として例示することができる。
例えば、前記有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする。)の有機発光層の形成方法は、従来種々の検討が重ねられており、代表的な方法として、フォトリソグラフィー方式、インクジェット方式など各種の印刷法が知られている。フォトリソグラフィー方式による有機EL素子の画素パターン形成は、基板全体に各色の感光性樹脂層の塗布膜を形成し、パターン状に露光した後に塗布膜の不要な部分を取りのぞき、残ったパターンを各画素とする。この方法では塗布膜の多くが現像除去されるため、大量の材料が無駄になる。さらに、各画素ごとに露光、現像工程を行うため、工程数が多くなる。このフォトリソグラフィー方式は、有機EL素子に限らず、カラーフィルタ等、種々の光学素子や電気素子の製造に利用されている。
そして、フォトリソグラフィー方式の上記問題は、基板の大型化に伴い顕著となり、コスト、環境面ともに問題を呈するようになった。この問題を克服する方法として、印刷方式により光学素子を製造する方式が注目されている。例えば、インクジェット法よって有機EL素子を製造する場合には、R、G、Bの3色の有機発光材料を含むインキを用い、各色を同時に一度の工程で印刷することができる。このため、フォトリソグラフィーと比べ、インキ材料の無駄もほとんど発生せず、また、同時に3色画素の形成工程が短縮されるため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンが期待できる。
前述したようにインクジェット方式は製造プロセスの簡略化及びコスト削減を図ることができることから、有機EL素子やカラーフィルタといった光学素子の製造へ応用されている。しかしながら、印刷方式の問題の一つとして、「混色」「白抜け」とった問題がある。以下、これらの光学素子を製造する場合を、インクジェット印刷を例に挙げて説明する。
「混色」とは、隣接する画素間において、インキが混ざり合い、異なる色の着色インキが混合してしまう不良である。混色は、吐出されたインキが、隔壁を超えてあふれてしまうことにより発生する。この問題を解決するため、インキ吐出方式を用いたカラーフィルタ基板の製造方法として、特許文献1〜4に記載されている方法が提案されている。特許文献1〜4には、インキのインキ吐出工程におけるインキのにじみ、混色を防止するため、含フッ素化合物等の撥インキ剤を含有させた黒色樹脂層をフォトリソグラフィー法等で形成し、隔壁とすることが記載されている。
「白抜け」とは、主に印刷版により付与されたインキが隔壁によって囲まれた領域内に十分且つ均一に拡散することができないことに起因して発生する不良であり、カラーフィルタにおいて、色ムラやコントラストの低下といった表示不良の原因となり、有機EL素子においては、ショート原因となるピンホールとなる。白抜けは、隔壁の側面から撥インキ剤が滲出した場合に発生する。隔壁の側面からの撥インキ剤の滲出は加熱により促進する。隔壁をフォトリソグラフィー法で形成する場合、隔壁となる樹脂組成物を基板に塗布後、マスクを用いて露光、現像した後、隔壁を加熱(ポストベーク)する。この際に、隔壁の一部から撥インキ剤が滲出し、印刷装置により付与されたインキが濡れ広がらず、白抜けが発生する。
また、隔壁をフォトリソグラフィー方式で作製する場合、基板上に撥インキ剤を含む感光性樹脂組成物を塗布し、これを露光現像して隔壁とする際に、隔壁開口部内に存在する撥インキ剤が現像液により充分に除去されず、画素内に撥インキ剤が残存した場合にも、白抜けが発生する。
特許文献1〜4にはインクジェット方式で製造するカラーフィルタの隔壁に含フッ素材料を撥インキ剤として用いる方法が記載されている。この方法によると、混色は防止することができるが、撥インキ剤の樹脂分子が全体的にフッ素原子を含むため、樹脂分子全体の極性が高く、インキ中に含まれる他の樹脂成分、溶媒成分との相溶性が低かった。このため、隔壁パターンの露光、現像後、加熱焼成する工程において、撥インキ剤が隔壁から画素に滲出して「白抜け」の問題が発生した。
上記「混色」と「白抜け」の問題を解決する方法の一つとして隔壁が設けられた基板上に光触媒層を設ける方法が知られている(特許文献5)。この方法によると、光触媒層にパターン露光を施すことにより隔壁で仕切られた開口部領域にのみ選択的に親インキ性を付与できるため、「白抜け」と「混色」の問題が同時に解決できるというものである。
しかし、上記引用文献5に記載の方法によると、裏露光の際に光触媒層を通過した光が散乱する問題が生じた。すわなち、基板の裏面から入射した光が、隔壁の開口部に位置する光触媒層において散乱を生じ、隔壁を通過し、隔壁上面に位置する光触媒層に達するため、隔壁上面に位置する光触媒層が親インク性化し、「混色」を誘発する問題が生じた。
特開平6−347637号公報 特開平7−35915号公報 特開平7−35916号公報 特開平7−35917号公報 特開2003−229260号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、基板上に光触媒層を設ける印刷物の製造方法において「混色」「白抜け」の発生しない印刷物を提供することを目的とする。特に基板の裏面から入射した光が隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱し、この散乱光が隔壁を通過し、混色を発生することを防ぐことを課題とする。
また、本発明では印刷物としてカラーフィルタを製造する際に、画素平坦性を改善し色ムラのない高精細なカラーフィルタを製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の構成は以下のものである。
(請求項1)
インクジェット方式によりインク皮膜を形成する印刷物の製造方法において、少なくとも、(a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程と、(b)前記透明基板および前記隔壁を覆うように、エネルギー照射により濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する工程と、
(c)前記濡れ性変化層に、前記基板の両面のうち、隔壁が設けられた面と反対の面からエネルギー照射することにより、濡れ性変化層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する工程と、
(d)前記透明基板上の隔壁に仕切られた領域にインクジェット印刷装置によりインクを吐出して着色層を形成し、印刷パターンを形成する工程とを含み、前記隔壁を形成する樹脂組成物が黒色顔料を含み、かつ、前記隔壁に含まれる黒色顔料の含有量が50重量%以上であることを特徴とする印刷物の製造方法である。
(請求項2)
前記(a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程が、(a)透明基板上に黒色顔料及び撥インキ材料を含む樹脂組成物を用いて隔壁パターンを印刷し、単層の仕切り状の隔壁を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項3)
前記(a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程が、(a1)透明基板にn−1回(nは2以上の自然数)所定の親インキ樹脂組成物を用いて第1の隔壁パターンを印刷した後、この第1の隔壁パターン上に黒色顔料及び撥インキ材料を含む樹脂組成物を用いて第2の隔壁パターンを印刷し、複数層からなる仕切り状の隔壁を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項4)
また、本発明の製造方法では、前記隔壁の厚さを前記濡れ性変化層の厚さの1〜100倍とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
(請求項5)
また、本発明の製造方法では、前記隔壁パターンの印刷を反転印刷法により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
(請求項6)
また、本発明の製造方法では、前記濡れ性変化層が、少なくとも光触媒とバインダーからなる光触媒含有層であり、かつエネルギーの照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するそうであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
(請求項7)
また、本発明の製造方法では、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷物の製造方法を用いて作成されたカラーフィルタの製造方法である。
本発明によると、基板上に光触媒層を設ける印刷物の製造方法において「混色」「白抜け」の発生しない印刷物を提供することができた。特に基板の裏面から入射した光が隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱光を、隔壁において完全に遮断し、混色の発生を防止することができた。
また本発明によると、隔壁の高さをインク皮膜の高さと同程度とすることができた。このため、印刷物の画素平坦性を改善することができた。
本発明に係る印刷物は、表示ディスプレイの表示画面を構成する光学部品として好適に利用できる。この場合には、多数の前記領域は表示画面を構成する画素に相当する。また、隔壁には黒色遮光部材を混合して隔壁としての機能を併せ持つことができる。
光学部品としては、例えば、カラー液晶ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタが例示でき、この場合には、インキ皮膜は透過光を着色する着色層を構成し、この着色層は前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色のものである。
また、光学部品として、有機エレクトロルミネセンス素子を例示することもでき、この場合には、インキ皮膜は有機発光材料層を構成する。また、前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色の有機発光材料層である。
なお、この外、本発明に係る印刷物として、回路基板、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を例示することができる。
本発明の基板は、印刷物の支持基板として用いるものである。具体的には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等、ドライフィルム等、公知の透明基板材料を使用することができる。中でも硝子基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
本発明の隔壁は、基板上に仕切り状、格子状、ストライプ状に形成され、開口部を有するものである。この開口部にインクジェット印刷装置によりインキ皮膜が付与される。隔壁は金属、樹脂などで形成することができる。金属で形成する場合はCr、Ni等の金属を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などでパターニングする。本発明では隔壁を樹脂により形成する。この場合、隔壁はフォトリソグラフィー法、反転印刷法、凸版印刷法、インクジェット法等で形成することができる。
また本発明の印刷物としてカラーフィルタを形成する場合、黒色顔料を含有した樹脂で隔壁(以下、ブラックマトリクスともいう)を形成することが望ましい。
また、隔壁は印刷法により数回に分けて印刷形成することができる。例えば、透明基板上にn−1回(nは1以上の自然数)所定の親インキ樹脂組成物を用いて第1の隔壁パターンを印刷した後、この第1の隔壁パターン上に黒色顔料及び撥インキ材料を含む樹脂組成物を用いて第2の隔壁パターンを印刷する方法が挙げられる。この方法によるとn−1層の親インキ性を示す隔壁上に1層の撥インキ性を示す隔壁を形成することができる。
本発明の方法によれば、隔壁を印刷法により形成し、さらに、着色層をインクジェット方式により形成することにより、隔壁あるいは着色層をフォトリソグラフィー法により形成した場合に比べて、レジスト及び現像液等の材料の削減、作業工程数の削減、作業時間の短縮が可能となり、カラーフィルタの製造を格段に低コスト化することが出来る。
本発明は、透明基板に印刷法により所定のパターンを有する隔壁を形成する工程、透明基板および前記隔壁を覆うように、エネルギー照射により濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化形成工程と、エネルギー照射することにより、濡れ性変化層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と、隔壁形成工程を経た前記透明基板上の隔壁開口部にインクジェット方式により着色インクを吐出して、着色層を形成することにより、カラーフィルタパターンを形成するフィルタパターン形成工程を特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明の方法によれば、隔壁を印刷法により形成し、さらに、着色層をインクジェット方式により形成することにより、隔壁あるいは着色層をフォトリソグラフィー法により形成した場合に比べて、レジスト及び現像液等の材料の削減、作業工程数の削減、作業時間の短縮が可能となり、カラーフィルタの製造を格段に低コスト化することが出来る。
本発明の方法によれば、顔料濃度が高い為に充分な遮光性を維持したまま、ブラックマトリクスの膜厚を薄くすることが出来る。これにより、光触媒層の画素平坦性が良好なために色ムラのない高精細なカラーフィルタを製造することが出来る。
また本発明では、顔料濃度が高い為に、基板の裏面から入射した光が、隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱光が隔壁を通過しないために色ムラのない高精細なカラーフィルタを製造することが出来る。
本発明の方法は、上述のように、寸法精度が良好となり、色むらが発生しにくいため、例えば360mm×460mm以上の大画面の大きさのカラーフィルタの製造に十分対応できる。
以下、図面を用いてカラーフィルタを例に本発明をより詳細に説明する。
図1に、本発明の第1の観点に係るカラーフィルタの製造方法の一例を説明するための図を示す。本発明の第1の観点に係るカラーフィルタの製造方法では、まず、図1に示すように、透明基板2を用意し、印刷法により隔壁1を例えば格子状あるいはストライプ状に形成する。
反転印刷法により所定のパターンを有する隔壁1を形成した後に、好ましくは加熱いわゆるポストベークを行うことができる。これにより、印刷された隔壁を熱硬化すると共に、透明基板2上に強固に固着させることができる。加熱温度は、例えば150℃ないし230℃にすることができる。印刷により形成された隔壁1には、着色パターンを形成する際に用いられるインクジェットインクをはじく成分が含まれることがある。ポストベークにより、隔壁表面にこの成分が溶出することがある。このようなときには、ポストベーク後に紫外線オゾン洗浄等を行い、この成分を除去することができる。また、溶出したこの成分が隔壁間の透明基板表面まで至るときには、紫外線オゾン洗浄等によりこの成分を除去することがより好ましい。
反転印刷法により所定のパターンを有する隔壁1を形成した後にエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層3を設ける。このようにして形成された光触媒層上に、隔壁をマスク代わりに裏露光を行う。フォトマスクを用いて紫外光をパターン状に照射を行うと、作業工程時間が大幅に上昇し、さらにカラーフィルタのコストアップになる。このため基板の裏側から露光を行ういわゆる「裏露光」することが望ましい。
その後、インクジェット装置6に、着色パターン塗布インク例えば赤色着色インク、緑色着色インク、及び青色着色インクを各々適用し、インクジェットノズル例えば赤色用インクジェットノズル、緑色用インクジェットノズル、及び青色用インクジェットノズルより、開口部に、各色の着色インクを所定の配列で吐出する。各色の着色インクは、上記積層からなる隔壁により、互いに隣接する開口部にはみ出すことなく、所定の開口部内に受容され得る。このため、各色の着色インクの混色、それによる黒欠陥が発生しにくく、及び着色層の塗布むら(白抜け)、それによる色むらは発生しにくい。
さらに、インクジェット装置6に、着色パターン塗布インク例えば赤色着色インク、緑色着色インク、及び青色着色インクを各々適用し、インクジェットノズル例えば赤色用インクジェットノズル、緑色用インクジェットノズル、及び青色用インクジェットノズルより、開口部に、各色の着色インクを所定の配列で吐出する。各色の着色インクは、上記積層からなる隔壁により、互いに隣接する開口部にはみ出すことなく、所定の開口部内に受容され得る。このため、各色の着色インク間の混色、それによる黒欠陥が発生しにくく、及び着色層の塗布むら(白抜け)、それによる色むらは発生しにくい。
このようにして、透明基板2上に、所定のパターンを有する隔壁1、光触媒層3と、この積層間に規則正しく配列された、赤色着色層、緑色着色層、及び青色着色層を有する着色パターン7とを含む本発明に係るカラーフィルタが形成される。
この透明基板としては、例えばガラス基板、石英基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカ−ボネート、ポリエーテルサルフォン、及びポリアクリレート等のプラスチックシート及びプラスチックフィルムを好適に使用することができる。
隔壁は、隔壁印刷用のインク組成物を用いて印刷され得る。このインク組成物は、インク用バインダー樹脂と黒色遮光材とを含有し得る。
黒色遮光材としては、例えば黒色顔料、黒色染料、カーボンブラック、アニリンブラック、黒鉛、及び鉄黒からなる群から選択され得る。このインク組成物には、さらに酸化チタン、無機顔料、及び有機顔料を混合することができる。本発明では、黒色顔料の含有量が50重量%以上であることが望ましい。黒色顔料の含有量が50重量%以上であると、光触媒層を裏露光した際の散乱光が隔壁を通過し、隔壁上面に達することがない。このため、混色の発生を防止することができる。また隔壁の高さが1.5μm以下の場合であっても十分な光学濃度を維持することができる。隔壁は、例えば仕切り状、ストライプ状あるいは格子状のパターンで形成することができる。これらのパターンの幅は、例えば5μmないし50μmにすることができる。また、隔壁の厚さは、0.5μmないし1.5μmにすることができる。また、隔壁パターンの厚さを濡れ性変化層の厚さの1〜100倍とすることが好ましい。1倍以下だと混色を防止する隔壁として機能せず、100倍を越えるほど隔壁の厚みを厚くすると、光触媒層を面内均一性よく塗布することが出来ず、着色インクの色ムラが生じてしまう。
隔壁の形成方法としては、フォトリソグラフィー法と印刷法が挙げられる。顔料濃度が50重量%以上の場合は露光不良を発生する可能性があるため、印刷法が好ましい。印刷法として例えば反転印刷法、凸版オフセット印刷法、及び平板印刷法等があげられる。好ましくは反転印刷法を使用することができる。図2ないしは図4に、反転印刷法を用いた隔壁の形成工程の一例を説明するための図を示す。
図中、22は隔壁形成用インクを定量塗布する塗布ユニット、24は塗布ユニット22から隔壁形成用インクを受容し、インク層23を支持する回転可能な円筒形のブランケット胴、32はブランケット胴上に設置されたブランケット、25は、隔壁の反転パターンに応じた凹状パターンを有し、ブランケット32上のインク層23から不要な部分を取り除くための剥離部材を、各々示す。
まず、図2に示すように、ブランケット胴24を回転移動することにより、塗布ユニット22内からインクを受容し、ブランケット32上に一様なインク層23を塗布する。
次に、図3に示すように、インク層23上に剥離部材25を当接し、インク層23から不要な部分を取り除き、ブランケット24上に隔壁の反転パターン31を形成する。
その後、図4に示すように、反転パターン31が形成されたブランケット24上に透明基板27を当接して、透明基板27上に反転パターン31を転写し、隔壁26を形成する。
さらに、透明基板27の他方の主面上に、同様にして隔壁を形成することができる。他方の主面上に隔壁のパターンの幅を変更する場合には、剥離部材を、その幅を狭くしたこと以外は同様の凹状パターンを有する剥離部材に取り替えることが出来る。塗布ユニットとしては、スリットコーター、及びダイコーター等の塗布装置を使用することが出来る。
反転印刷に使用される隔壁形成用インク組成物は、上記黒色遮光材とインク用バインダー樹脂、離形剤、溶媒、及び分散剤等を含有し得る。
インク用バインダー樹脂としては、例えばカゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びメラミン樹脂などが選択し得る。耐熱性や耐光性が要求される際には、例えばアクリル樹脂を好ましく用いることができる。インク用バインダー樹脂の含有量は、インク組成物全重量に対し、好ましくは5重量%ないし50重量%である。
溶媒としては、インク組成物の塗布性、分散剤安定性などを考慮して、適宜選択されたものが使用でき、例えばトルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジグライム、及びシクロヘキサノン等があげられる。溶媒の含有量は、インク組成物全重量に対し、好ましくは5重量%ないし50重量%である。
離形剤としては例えばケイ素および/またはフッ素の原子を含む材料例えばフッ素樹脂系部材、及びシリコーン樹脂系部材が使用され、フッ素樹脂系部材としては、含フッ素モノマ−もしくはオリゴマ−(低分子化合物)、シリコーン樹脂系部材としては、含ケイ素モノマ−またはオリゴマ−(低分子化合物)を使用することができる。離形剤の含有量は、インク組成物全重量に対し、好ましくは0.01重量%ないし5重量%、より好ましくは0.1重量%ないし0.5重量%である。
分散剤としては、非イオン性界面活性剤例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル等、イオン性界面活性剤例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩等、その他、有機顔料誘導体、及びポリエステルなどがあげられる。分散剤はこれらを単独、あるいは二種類以上を混合して使用することができる。分散剤の含有量は好ましくは1重量%ないし20重量%である。
剥離部材は、適度の硬さと寸法安定性、加工性を有する材料が好ましく、例えばガラス、金属、及びプラスチックから選択され得る。ブランケットは、隔壁形成用インク組成物との組み合わせで好適に選択され、高分子フィルムやゴムのようにある程度の硬度と柔軟性を有する材料であることが好ましく、例えば、フッ素系樹脂、ポリアクリレート、シリコーン樹脂、ポリカ−ボネート、ポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルスルホン、シリコーン系エラストマ−、フッ素系エラストマ−、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムまたはこれらの混合物が用いられる。
この反転印刷法では、転写時にブランケット版からインク層を剥離しやすくするために離形剤を含有する隔壁形成用インクが好ましく使用される。反転印刷法により形成された隔壁を用いると、隔壁形成後のポストベークにより隔壁から離形剤が溶出し、隔壁上面、側面、及び隔壁間の開口部の透明基板表面等に広がる傾向がある。隔壁側面及び開口部にこのような離形剤があると、着色パターン塗布インクがはじかれて開口部に受容されず、いわゆる白抜けが生じ、その結果、色むらとなる傾向がある。このため、上記ポストベークの後、透明基板の第1の主面及び第1の主面上に形成された隔壁を紫外線オゾン洗浄に供し、隔壁から溶出した離形剤を除去することができる。
紫外線オゾン洗浄では、例えばオゾン雰囲気の濃度は数十から数万ppmとし、紫外線を5〜1000mWの露光量で、1ないし10分照射する。これにより、有機物を分解することができる。なお、使用するUVランプとしては、例えば低・中出力(50〜200mW)、あるいは高出力(500〜5000mW)のものが使用できる。
隔壁に含まれる黒色顔料濃度は50重量%以上が好ましい。50重量%以下であると、隔壁の厚みを厚くしなくてはならないので、光触媒層を面内均一性よく塗布することが出来ず、着色インクの色ムラが生じてしまう。また、基板の裏面から入射した光が、隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱光が隔壁を通過するために、色ムラの生じたカラーフィルタになってしまう。
エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒含有層は、光触媒とバインダーを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレ−コート、ディッブコート、ロ−ルコート、ビ−ドコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
また、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層を、隔壁をマスク代わりに裏露光を行うことにより、濡れ性変化層を形成することが出来る。
上記光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは、0.1〜0.2μmである。
エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層に含有される光触媒としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましい。中でも酸化チタンが好ましい。これは、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易であるからである。酸化チタンには、アナタ−ゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することが出来るが、アナタ−ゼ型の酸化チタンが好ましい。アナタ−ゼ型酸化チタンは励起波長380nm以下にある。
このようなアナタ−ゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアゼナ−ル型酸化チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製STK−01(平均粒径7nm)、硝酸解膠型のアゼナ−ル型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを超えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥インク性が低下し、また露光部の親インク性の発現が不十分となるため好ましくない。
光触媒が酸化チタンである場合は、上記光触媒含有層表面のフッ素の含有量を、X線光電子分析法で分析して定量化すると、チタン元素を100とした場合に、フッ素元素が500以上となる比率でフッ素元素が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含有層を有することが好ましい。
この程度の量のフッ素元素が含まれていれば、エネルギー未照射部分の撥インク性が十分であり、エネルギーを照射してフッ素元素含有量が低下した部分のパターンを形成し、より正確にカラーフィルタを製造することが出来るからである。
本発明において、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層に使用するバインダーは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高いエネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水性や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることが出来る。
上記の(1)の場合、一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランートリクロルヒドロシランートリブロムヒドロシランートリメトキシヒドロシランートリエトキシヒドロシランートリイソプロポキシヒドロシランートリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシランートリフルオロプロピルトリクロルシランートリフルオロプロピルトリブロムシランートリフルオロプロピルトリメトキシシランートリフルオロプロピルトリエトキシシランートリフルオロプロピルトリイソプロポキシシランートリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
また、バインダーとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンとしては、CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3;CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3;CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3;CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3;(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3;(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3;(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3;CF3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;CF3(CF2)3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;CF3(CF2)5(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;CF3(CF2)7(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2;(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2;(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2SiCH3(OCH3)2;(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2SiCH3(OCH3)2;CF3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)5(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)7(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3;CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3;CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3;CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3;およびCF3(CF2)7SO2N(C2H5)C2H4CH2Si(OCH3)3等を挙げることが出来る。
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダートして用いることにより、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層の非露光部の撥インク性が大きく向上し、インクジェット方式用インクの付着を妨げる機能を発現する。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
ただし、nは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリ−ルあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。また、上記ノールガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物をバインダーに混合してもよい。
本発明のカラーフィルタにおいては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々のバインダーをエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層に用いることができる。本発明においては、上述したように、このようなバインダーおよび光触媒を含むエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層にフッ素を含有させ、エネルギーをパターン照射することによりエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層表面のフッ素を低減させ、これにより撥インク性領域内に親インク性領域を形成するようにしてもよい。この際、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層中にフッ素を含有させる必要があるが、このようなバインダーを含むエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有するバインダーに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物をエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素をエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層中から除去することができるからである。
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダーに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
例えば、オルガノポリシロキサンを得る方法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサンを得ることができる。ここで、この方法においては、上述したように上記一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成することにより、フルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。このようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンをバインダーとして用いた場合は、エネルギーが照射された際、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解されることから、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層表面にエネルギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることができる。
この際用いられるフルオロアルキル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
本発明においては、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、こノールガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
フルオロアルキル基がこの程度含まれることにより、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層上の撥インク性を高くすることができ、エネルギーを照射して親インク性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるからである。
また、上記(2)に示す方法では、撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR1,R2のいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射により光触媒含有層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
一方、後者の例、すなわち、バインダーの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダー樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
本発明においてエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層には上記の光触媒、バインダーの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOLBL、BC、BO、BBの各シリ−ズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サ−フロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタ−ジェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ−エム(株)製フロラ−ドFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマ−、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカ−ボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾ−ル、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ−、ポリマ−等を含有させることができる。
着色パターン塗布インクは、染料及び顔料等の着色剤、インク用バインダー樹脂、分散剤、及び溶媒等を含有する。
着色パターン塗布インクに使用される顔料の具体的な例としては、Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、Pigment Blue15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Red20、24、86、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185、Pigment Orange36、Pigment Violet23などがあげることができ、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
着色パターン塗布インクの溶媒としては、その表面張力がインクジェット方式に好適な範囲例えば40mN/m以下であり、かつ、沸点が130℃以上のものを好ましく使用できる。表面張力が40mN/mを超えると、インクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼす傾向があり、また、沸点が130℃未満であると、ノズル近傍での乾燥性が著しく高くなりすぎて、ノズル詰まり等の不良発生を招く傾向がある。好適な溶媒として、例えば2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができ、必要に応じて、単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。溶媒は、溶解性の他、経時安定性、及び乾燥性などが要求され、使用される着色剤、及びバインダー樹脂との特性に応じて適宜選択される。
着色パターン塗布インクに使用され得るバインダー樹脂としては、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びメラミン樹脂などがあげられ、使用される着色剤に応じて適宜選択され得る。例えば耐熱性や耐光性が要求される際にはアクリル樹脂が好ましい。
バインダー樹脂への色素の分散を向上させるために、着色パターン塗布インクに分散剤を添加することができる。分散剤としては、非イオン性界面活性剤例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、また、イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩など、その他に、有機顔料誘導体、及びポリエステル等などがあげられる。分散剤は単独で、あるいは二種以上を混合して使用することができる。
また、各色の着色層は、例えば1μm2μmの厚さで形成することができる。
<実施例1>
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
(隔壁の形成)
透明基板として、コ−ニング社製 無アルカリガラス板 1737を用意した。
以下の隔壁印刷用インク材料組成の材料を用意した。
(隔壁印刷用インク組成)
インクバインダー樹脂 ポリイミド前駆体 東レ(株)製:「セミコファインSP−510」
10重量部
黒色遮光剤(カーボンブラック) 90重量部
溶媒(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)) 70重量部
分散剤(銅フタロシアニン誘導体) 5重量部
離形剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製BYK333) 0.5重量部

上記組成のインク材料をビ−ズミル分散機に投入し、冷却しながら3時間分散して隔壁印刷用インク組成物を調製した。
得られたインク組成物を、図2ないしは図4に示す工程と同様にして、反転印刷法に供し、以下のように、ブラックマトリックス層を形成した。尚、反転印刷に際し、ブランケット版としては、表面にシリコーン樹脂を被覆した金属ロ−ルを使用した。また、剥離部材として、表面を隔壁パターンの反転パターンを応じた凸凹パターンに加工した平板状ガラスを使用した。
まず、インク組成物をブランケット版上にスリットコーター法により塗布し、一様なインク層を形成した。次に、剥離部材によって不要な部分を除去し、ブランケット版上に隔壁パターンの反転パターンを形成した。その後、反転パターンが形成されたブランケット版上に透明基板を当接して、透明基板上に反転パターンを転写し、隔壁を転写した。
次いで、隔壁が形成された透明基板をオ−ブンに入れて、230℃で1時間熱硬化を行った。隔壁の上部は平坦で、膜厚は1.0μmであった。また、隔壁のOD値(光学濃度)は6.0であり、充分な遮光性を有することを確認した。尚、OD値は、1μmの試料の入射光強度I0、透過光強度Iから次式によって求めた。

OD=−log(I/I0)
その後、隔壁が形成された透明基板を、照度50mW、露光量500mJ/cm2、オゾン濃度10万ppmの条件で紫外線オゾン洗浄処理に供した。洗浄処理後のガラス開口部表面に対する、上記インクの接触角を測定したところ、10°であり、洗浄されたガラス開口部表面の撥インク性が低下したことを確認した。
(エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層の作成)
エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層組成
バインダー樹脂 フルオロアルキルシランートケムプロダクツ(株)製:「MF−160E」 0.4重量部
バインダー樹脂 テトラメトキシシラン GE東芝シリコーン製:「TSL8114」 3重量部
光触媒 酸化チタン水分散体 石原産業(株)製:「ST−K01」 20重量部
溶剤 イソプロピルアルコール 30重量部

上記組成を100℃で20分間攪拌した。さらにイソプロピルアルコールで3倍に希釈して濡れ変化層材料を調製した。
上記組成物を上記隔壁パターンが形成されたガラス基板上に隔壁を覆うようにスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層を0.2μmの膜厚で形成した。
このエネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層に超高圧水銀灯(波長365nm)によって、40mW/cm2の照度で100秒間隔壁が形成されていない側から露光(裏露光)を行い、親液性部位を形成した。非露光部及び親液性部位との着色インクに対する接触角を測定したところ、非露光部においては40°であり、親液性部位は10°以下であった。
(着色インク層の作成)
メタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部を乳酸ブチル300gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75部を加え70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合体樹脂を得た。得られたアクリル共重合体樹脂を樹脂濃度が10重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロ−ルにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワイスを得た。なお、赤色顔料としてピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリ−ン36を、青色顔料としてピグメントブル−15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように各々調製して添加し、赤色、緑色、及び青色着色インクを得た。
隔壁開口部に対して、赤色、緑色、及び青色着色インクを使用し、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット装置により、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各々の着色層を形成した。このようにして得られたカラーフィルタは、平滑性が良好であり、画素内のΔEabを測定したところ1未満であり、色むらの少ない良好なカラーフィルタであることがわかった。なお、ΔEab(色差)は、ミクロアナライザ−により測定した。
<実施例2>
比較実験として(1)隔壁に含まれる顔料濃度、(2)隔壁の膜厚、(3)隔壁の形成方法の各条件を変えた以外は実施例1と同様にカラーフィルタを製造した。
フォトリソグラフィー法では表1及び表2の条件で、一方印刷法では表3及び表4の条件で行っている。
フォトリソグラフィー法では、十分な光学濃度(OD値)を保ち、さらにパタ−ニング性も良好な条件が見当たらなかった。また、OD値が低いと基板の裏面から入射した光が、隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱光が隔壁を通過するために色ムラの生じたカラーフィルタになった。また、フォトリソグラフィー法では、光学濃度を保とうとすると隔壁膜厚を高くなる為に、光触媒層の膜厚均一性が悪くなり、さらに色むらの生じたカラーフィルタとなった。
一方、印刷法ではすべての条件で光学濃度と隔壁パタ−ニング性が良好であり、さらにOD値が5.25以上であると基板の裏面から入射した光が、隔壁の開口部に位置する光触媒層において生じた散乱光が隔壁を通過しないために色ムラのない高精細なカラーフィルタを製造することが出来る。一方、印刷法では、隔壁パタ−ニング性もよく、さらに光学濃度も保った条件で色ムラのない良好なカラーフィルタを得ることが出来た。
実施例1におけるカラーフィルタの製造方法。 反転印刷法を用いた光遮蔽層の形成工程を説明するための図 反転印刷法を用いた光遮蔽層の形成工程を説明するための図 反転印刷法を用いた光遮蔽層の形成工程を説明するための図
符号の説明
1…隔壁
2…透明基板
3…エネルギー照射により濡れ性が変化する光触媒層
4…エネルギー
5…濡れ性変化パターン
6…インクジェット塗布装置
7…着色層
8…フォトマスク
23…隔壁形成用インク層
24…ブランケット版
25…剥離部材
31…反転パターン
32…ブランケット

Claims (7)

  1. インクジェット方式によりインク皮膜を形成する印刷物の製造方法において、少なくとも、
    (a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程と、
    (b)前記透明基板および前記隔壁を覆うように、エネルギー照射により濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する工程と、
    (c)前記濡れ性変化層に、前記基板の両面のうち、隔壁が設けられた面と反対の面からエネルギー照射することにより、濡れ性変化層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する工程と、
    (d)前記透明基板上の隔壁に仕切られた領域にインクジェット印刷装置によりインクを吐出して着色層を形成し、印刷パターンを形成する工程とを含み、
    前記隔壁を形成する樹脂組成物が黒色顔料を含み、かつ、前記隔壁に含まれる黒色顔料の含有量が50重量%以上であることを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 前記(a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程が、(a)透明基板上に黒色顔料及び撥インキ材料を含む樹脂組成物を用いて隔壁パターンを印刷し、単層の仕切り状の隔壁を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記(a)透明基板に印刷法により所定のパターンを印刷し仕切り状の隔壁を形成する工程が、(a1)透明基板にn−1回(nは2以上の自然数)所定の親インキ樹脂組成物を用いて第1の隔壁パターンを印刷した後、この第1の隔壁パターン上に黒色顔料及び撥インキ材料を含む樹脂組成物を用いて第2の隔壁パターンを印刷し、複数層からなる仕切り状の隔壁を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記隔壁の厚さを前記濡れ性変化層の厚さの1〜100倍とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記隔壁パターンの印刷を反転印刷法により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記濡れ性変化層が、少なくとも光触媒とバインダーからなる光触媒含有層であり、かつエネルギーの照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するそうであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  7. 請求項1〜6に記載の印刷物の製造方法を用いて作成されたカラーフィルタの製造方法。
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