JP2007277537A - 防曇性塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(a−1)〜(a−4)を含む光重合性組成物(A)100重量部に対し、光重合開始剤(B)1〜10重量部が配合されていることを特徴とする紫外線硬化型防曇性塗料組成物。(a−1)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレート;4〜35重量%、(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマー;3〜45重量%、(a−3)親水性単官能アクリレート;20〜65重量%であって且つ(a−1)よりも多い量、及び(a−4)前記成分(a−1)以外のジ(メタ)アクリレート;10〜40重量%
【選択図】なし
Description
無溶剤系の防曇性塗膜用樹脂組成物として、特定の親水性モノマーとHLBが6〜11のノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を併用したものが提案されている(特許文献5)が、官能基数が少ないモノマーから構成されているために硬化塗膜の滑り性が悪く、表面の汚れを拭き取る際に傷が付きやすいという課題があった。
1. 下記(a−1)〜(a−4)を含む光重合性組成物(A)100重量部に対し、光重合開始剤(B)1〜10重量部が配合されていることを特徴とする、紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
(a−1)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレート;4〜35重量%、
(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマー;3〜45重量%、
(a−3)親水性単官能アクリレート;20〜65重量%であって且つ(a−1)よりも多い量、及び
(a−4)前記成分(a−1)以外のジ(メタ)アクリレート;10〜40重量%
2.前記(a−1)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレートが、下記一般式(1)で表される構造のものである、1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
3.前記(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマーの分子量が400以上である、1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
4.前記(a−2)2〜15官能の多官能アクリレートオリゴマーが、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー又はウレタンポリ(メタ)アクリレートオリゴマーである、1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
5.前記(a−3)親水性単官能アクリレートが、フェノール系エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートである、1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
6.前記(a−4)ジ(メタ)アクリレートが、炭素数4〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するモノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、または炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである、1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
7. ポリカーボネート樹脂成形体の表面に、1〜6のいずれかに記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物を硬化して得られる硬化塗膜が形成されていることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂製品。
本発明の防曇性塗料組成物は、以下に示す成分(a−1)〜(a−4)を含む光重合性組成物(A)と光重合開始剤(B)とからなる。
(a−1)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレート
(a−2)2〜15官能の多官能アクリレートオリゴマー
(a−3)親水性単官能アクリレート
(a−4)共重合可能なジ(メタ)アクリレート
<成分(a−1)>
光重合性組成物に含まれる成分(a−1)であるエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレートは、より好ましくは下式(1)で表される構造のものである。
mとnはエチレンオキサイド(以下、「EO」と略す)の平均付加モル数(付加率)を示す。m+nは10〜35、好ましくは17〜35である。
上記エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレートは、市販されているものを使用することができる。具体的には、商品名「BPE−20」(第一工業製薬(株)製、EO付加率:20モル)、商品名「FA−321M」(日立化成工業(株)製、EO付加率:10モル)、商品名「A−BPE−10」(新中村化学(株)製、EO付加率:10モル)、商品名「A−BPE−20」(新中村化学(株)製、EO付加率:17モル)等が挙げられるがこれに限られない。
本発明の成分(a−2)は2〜15官能、好ましくは2〜6官能の多官能アクリレートオリゴマーである。ここでいうオリゴマーとは、好ましくは構成単位の数が2以上、より好ましくは2〜20程度の重合体であり、分子量は約400以上、より好ましくは1200以上のものである。
(1)多官能ポリオール(メタ)アクリレートオリゴマー、すなわち多価アルコール(ポリオール又はポリヒドロキシ含有化合物)と、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体からなる群から選択される化合物との反応によって得られるポリアクリレートまたはポリメタクリレートのオリゴマー
(2)多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、すなわち多価アルコール(ポリオール)と、多価カルボン酸(多塩基酸もしくは多塩基性カルボン酸)又はその無水物と、アルリル酸およびメタクリル酸やそれらの誘導体とから得られる飽和若しくは不飽和ポリエステルのポリアクリレートまたはポリメタクリレートのオリゴマー
(3)多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、すなわちポリイソシアネートと活性水素及びアクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基を有する化合物とから得られるウレタンポリアクリレートまたはウレタンポリメタクリレートのオリゴマー
(4)多官能ポリグリシジルエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、すなわちポリグリシジルエーテルとアクリル酸およびメタクリル酸やそれらの誘導体とから得られるポリアクリレートまたはポリメタクリレートのオリゴマー
脂肪族ポリオールとしては、トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタン;テトラオール、例えば、ペンタエリトリトールおよびジ−トリメチロールプロパン;およびヘキサオール、例えば、ジペンタエリトリトールを挙げることができる。
さらに、脂肪族および脂環式ポリオールを、種々の量のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させて、エトキシル化および/またはプロポキシル化ポリオールを得ることができる。エトキシル化および/またはプロポキシル化ポリオールの例としては、エトキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化トリメチロールプロパン、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン、エトキシル化ペンタエリトリトール、およびプロポキシル化ペンタエリトリトールを挙げることができる。
芳香族ポリオールとしては、ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。
本発明に使用できるポリエーテルポリオールは、芳香族ポリエーテルおよび脂肪族ポリエーテルの両方である。ポリエーテルポリオールの脂肪族基は、直鎖、分岐鎖、または環状であってよい。ポリエーテルポリオールの例としては、トリ−グリコール、例えば、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ならびに混合ポリエーテル、例えば、ポリ(プロピレン−エチレン)グリコールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールは、エステル結合を有するポリオールである。例えば、過剰のポリオールを二塩基酸(無水物)と反応させて、約1個〜約6個のエステル結合および反応性ヒドロキシ基を有する低分子量化合物を得る。前記ポリオール単独および混合物のいずれかを使用して、ポリエステルポリオールを製造することができる。
ポリエステルポリオールは、さらに種々の量のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させて、エトキシル化および/またはプロポキシル化ポリエステルポリオールとすることもできる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造においてイソシアネート化合物の製造に使用されるポリオール類としては、上記(1)ポリオール(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に使用される多価アルコールとして例示した化合物を挙げることができる。
上記ポリオール類とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート等が挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられる「活性水素およびアクリロイルオキシ基(又はメタアクリロイルオキシ基)を含有する化合物」としては、水酸基及びアクリロイルオキシ基(又はメタアクリロイルオキシ基)を含有する化合物である。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、または、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートと活性水素および(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する化合物との反応生成物が挙げられる。
更に具体的には、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートオリゴマー、トリメタクリレートオリゴマー、ジアクリレートオリゴマーもしくはジメタクリレートオリゴマー;ジ(2−ヒドロキシエチル)モノ(2−ヒドロキシヘプタン)イソシアヌレートのトリアクリレートオリゴマー、トリメタクリレートオリゴマー、ジアクリレートオリゴマーもしくはジメタクリレートオリゴマー;及びウレタン結合で繋がった両末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する化合物(分子量1200以上)が挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは市販品を用いることができる。市販品の具体例としては、UN−3320HC(根上工業)、Eb−220(ダイセルサイテック)、U6HA(新中村化学)等が挙げられるがこの限りではない。
成分(a−3)である親水性単官能アクリレートとしては、エチレンオキサイド(EO)変性アクリレート等が挙げられる。具体的には、フェノールEO変性アクリレート(フェノキシポリエチレングリコールアクリレート)、パラクミルフェノールEO変性アクリレート(パラクミルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート)、ノニルフェノールEO変性アクリレート(ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート)等のフェノール類とアクリル酸とがエチレンオキサイド単位を介在させて結合したフェノール系EO変性アクリレート、及びメトキシポリエチレングリコールアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールアクリレートなどのアルコキシポリエチレングリコールアクリレートが挙げられる。
親水性単官能モノマーのエチレンオキサイドの平均付加モル数は9〜23が好ましい。9モル未満では充分な防曇性が得られない。23モルを超えると硬化塗膜にベトツキが残る。また、環状エーテル構造を有する単官能モノマーの添加も効果的である。
また、環状エーテル構造を有する単官能モノマーとしてはアクリロイルモルホリン(興人)等が挙げられる。
また、
また、成分(a−3)の含有量は前記成分(a−1)の配合量より多くなるような範囲内で選択する必要がある。前記成分(a−1)の配合量より少ないと持続性のある防曇性が得られない。
成分(a−4)であるジ(メタ)アクリレートは、成分(a−1)以外のものであれば特に限定されないが、好ましくは
(i)1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の、炭素数4〜20,好ましくは4〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するモノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
(ii)ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート等のジアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート等のトリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のテトラアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;等の、炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(iii)ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等のジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
(iv)その他、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、この限りではない。
これらのジ(メタ)アクリレートのうち、炭素数4〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を有するモノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、または炭素数2〜4の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明に使用される光重合開始剤としては、一般に知られているものが使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等が挙げられるがこの限りではない。
本発明の紫外線硬化型防曇性塗料組成物には、界面活性剤、シリコーン系、アクリル系重合物等の表面調整剤、一般的な希釈剤、紫外線吸収剤等を目的に応じて適宜配合することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂製品は、ポリカーボネート樹脂成形体の表面に本発明の前記防曇性塗料組成物の硬化塗膜が形成されていることを特徴とする。
ポリカーボネート樹脂成形体は、従来公知の成形用ポリカーボネート樹脂材料から成形されるものであればよい。ポリカーボネート樹脂は、ポリヒドロキシ化合物の炭酸エステル重合物であり、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量の他のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとから界面重合法により得られる熱可塑性ポリカーボネート重合体か、または、上記芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応により作られる分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体が挙げられる。一般的には、ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ化合物の主原料とする炭酸エステル重合物が使用される。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、通常の押出成形によりシートを製造できることが好ましく、粘度平均分子量は15,000〜40,000、好ましくは20,000〜35,000、より好ましくは22,000〜30,000である。特に耐衝撃性が求められる用途では27,000〜30,000がより好ましい。ポリカーボネート樹脂には、一般に用いられる各種の添加剤を添加しても良く、添加剤としては、例えば、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、難燃剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、染顔料などが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂成形体にはあらゆる形状の成形品が含まれるが、本発明の効果を生かすにはシート状物がより好ましい。シート状物の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.5〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mm程度である。シート状物は、熱成形により所望の形状に賦型することもできる。
本発明においては、前記ポリカーボネート樹脂成形体に、本発明の紫外線硬化型防曇性塗料組成物を塗布して硬化塗膜(防曇塗膜層)を形成する。硬化塗膜を形成するコーティング処理は、ロールコート、スピンコートや特開2004−130540号公報に提案された方法などが適用できる。紫外線によって硬化する際は、酸素存在下では硬化阻害を起こすことがあるので窒素雰囲気下での硬化やPETフィルムなどのカバーフィルムをかぶせる方法、ガラス基板とポリカーボネート樹脂の間に塗料を挟み込む方法などが好ましい。
#230:大阪有機化学工業(株)製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
#260:大阪有機化学工業(株)製、1,9−ノナンジオールジアクリレート
U6HA:新中村化学工業(株)製、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー
Eb−220:ダイセルサイテック(株)製、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー
R−2402:第一工業製薬(株)製、4官能ポリエステルアクリレートオリゴマー
NKエステルBPE1300N:新中村化学工業(株)製、エトキシ化ビスフェノールAジメタアクリレート(EO付加率:30モル)
BPE−20:第一工業製薬(株)製、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO付加率:20モル)
FA−321M:日立化成工業(株)製、エトキシ化ビスフェノールAジメタアクリレート(EO付加率:10モル)
NP−10EA:共栄社化学工業(株)製、ノニルフェノキポリシエチレングリコールアクリレート(EO付加率:10モル)
AM−130G:新中村化学工業(株)製、メトキシポリエチレングリコール#550アクリレート(EO付加率:13モル)
イルガキュアー184:チバスペシャリティーケミカルズ(株)製1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
1)防曇性1:サンプルシートの硬化塗膜に息を5秒間吹きかけ、2秒以内に曇りが消えるものを合格とする。
2)防曇性2:ECE−R25に従い、50℃の湯浴から生じる蒸気をサンプルシートの硬化塗膜にあてたとき、20秒間曇らないものを合格とする。
3)滑り性:1Kg/10cm2の荷重で脱脂綿を15往復させたのち、硬化塗膜面に付着した糸クズをエアーガンで10秒間吹き払う。糸クズが残らずに吹き払えたものを合格とする。
4)煮沸性能:JIS−K5400に準じ、煮沸水中に30分間浸漬後、取り出し、室温まで冷却する。カミソリ刃で1mmピッチで縦横11本ずつの刻みを入れ、100マスを刻む。そこにニチバン製のセロハンテープをしっかりと密着させ、90°手前方向に急激に剥がす。併せて、上記防曇性1の評価も行う。防曇性1が良好で、かつ、塗膜の剥離が無い場合を合格(○)とし、1マスでも剥離した場合は不合格(×)とする。
5)熱成形性能
ヘルメットシールド成形用に、長さ140mm、幅400mmに切断したポリカーボネートシートを170℃に加熱された熱風循環乾燥機中で3分間加熱し、取り出すと同時に長さ方向の曲率半径が125mm、短辺方向の曲率半径が500mmの3次元曲面形状で、表面に発塵しにくい長繊維でできたネル地を貼った木製の雄雌ヘルメットシールド型でプレス成形する。防曇面が凸型に接する様に成形する。プレス状態を2分間保持し、型を開放し、成形品を取り出す。成形品にクラックが発生せず、かつ、防曇性1が良好なものを合格とする。
表−1の組成で調合された塗料組成物を用い、以下の手順で硬化塗膜をポリカーボネート樹脂成形体上に形成し、ポリカーボネート樹脂製品のサンプルシートを得た。
80℃にセッティングされた熱風循環乾燥機中で加温された1.5mm厚のポリカーボネート樹脂シート(ユーピロンNF−2000U)に調合された塗料をのせ、バーコーターで硬化後の塗膜厚みが5〜10μmになるようにひき、その上に100μm厚のPETフィルムをのせ、ハンドローラーでレベリングさせた。これを、出力密度80W/cmの高圧水銀灯を用い、光源下12cmの位置でコンベアースピード1.5m/分の条件で紫外線を照射して硬化塗膜を形成した。硬化後、PETフィルムを剥離し、紫外線硬化型防曇性塗料組成物の硬化塗膜を有するポリカーボネート樹脂を得た。
硬化塗膜の評価結果は表−2に記載した通りである。実施例に記載された配合組成のものはすべての性能を満足するものであった。一方、比較例に記載された配合組成のものはすべての性能を満足するには至らず、総合判定は不合格であった。
Claims (7)
- 下記(a−1)〜(a−4)を含む光重合性組成物(A)100重量部に対し、光重合開始剤(B)1〜10重量部が配合されていることを特徴とする、紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
(a−1)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)クリレート;4〜35重量%、
(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマー;3〜45重量%、
(a−3)親水性単官能アクリレート;20〜65重量%であって且つ(a−1)よりも多い量、及び
(a−4)前記成分(a−1)以外のジ(メタ)アクリレート;10〜40重量%
- 前記(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマーの分子量が400以上である、請求項1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物
- 前記(a−2)2〜15官能のアクリレートオリゴマーが、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー又はウレタンポリ(メタ)アクリレートオリゴマーである、請求項1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
- 前記(a−3)親水性単官能アクリレートが、フェノール系エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートである、請求項1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
- 前記(a−4)ジ(メタ)アクリレートが、炭素数4〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するモノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、または炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである、請求項1記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物。
- ポリカーボネート樹脂成形体の表面に、請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線硬化型防曇性塗料組成物を硬化して得られる硬化塗膜が形成されていることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂製品。
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