JP2004182914A - 光硬化型防曇剤組成物および防曇性被覆物品の製造方法 - Google Patents
光硬化型防曇剤組成物および防曇性被覆物品の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】一液性で低エネルギーの光照射により硬化被膜が形成され、優れた防曇持続性を有する防曇剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の防曇剤組成物は、(a)平均分子量2,000〜20,000のウレタン重合体と、(b)環状構造を有するジアクリレートと、(c)ポリアルキレングリコールアクリレートと、(d)アルキルポリオールポリアクリレートおよび(e)光硬化触媒を含有することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の防曇剤組成物は、(a)平均分子量2,000〜20,000のウレタン重合体と、(b)環状構造を有するジアクリレートと、(c)ポリアルキレングリコールアクリレートと、(d)アルキルポリオールポリアクリレートおよび(e)光硬化触媒を含有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化型防曇剤組成物および防曇性被覆物品の製造方法に係わり、さらに詳しくは、プライマーを必要とせず、一液性で低エネルギーの光により硬化して防曇性に優れた塗膜を形成する防曇剤組成物と、この防曇剤組成物を塗工して被覆物品を得る防曇性被覆物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から透明材料として用いられているプラスチックや無機ガラスは、表面の温度が露点以下になった場合、表面に曇りを生じ透明性が損なわれてしまうという欠点があった。そのような曇りを防ぐ防曇方法として、従来から種々の提案がなされてきた。
【0003】
例えば、▲1▼アルコール性水酸基を有する親水性アクリレートモノマーを特定の多官能モノマーと共重合させることにより、あるいはポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を架橋させることにより、吸水性の膜を形成する方法が知られている。また、▲2▼成形品を構成する樹脂中に界面活性剤を練り込んでおく方法、あるいは▲3▼界面活性剤を含有する組成物を基材表面に塗布する方法が知られている。
【0004】
しかし、▲1▼の吸水性膜を形成する方法においては、架橋の程度により膜の吸水性を制御しているため、吸水による防曇性の発現と耐水性付与の両方の要求を満足させることが困難であった。また▲2▼および▲3▼の方法においては、界面活性剤が水により流出し、防曇性が大きく低下するという問題があった。
【0005】
さらに、自動車のような車両に装着されているヘッドライトなどの灯具の防曇化に関しては、灯具使用時の高温環境すなわち60〜140℃の温度下においても、防曇性、並びに灯具を構成するプラスチックなどのレンズの外観、塗膜強度および密着性が長期に亘って維持されることが求められている。
【0006】
これらの問題を解決する方法として、疎水性化合物をプライマーとして用い、親水性単量体をトップコートとして形成する紫外線硬化型防曇剤組成物の製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、親水性単量体と疎水性単量体をブロック共重合させた紫外線硬化型防曇剤組成物も提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0008】
さらに、N−メチロールアクリルアミドなどをブロックまたはグラフト共重合させることにより、加熱硬化型の防曇剤組成物を製造する方法も提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0009】
【特許文献1】
特開平08−027290号公報(第2−3頁、第6頁)
【特許文献2】
特開平06−032997号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平06−107967号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、実作業性に問題があった。すなわち、加熱硬化型のプライマーが使用されており、硬化に120℃×2時間程度の加熱を要するばかりでなく、2液性であるため作業性に劣り、しかも硬化の際に非常に大きなエネルギー(紫外線照射量2000mJ/cm2)を必要とした。
【0011】
また、特許文献2に開示された組成物は、耐湿性が低く防曇性に劣るという欠点を有していた。
【0012】
さらに、特許文献3に記載された防曇剤組成物は、硬化に80℃×60分あるいは120℃×30分を要し、作業性が悪いという問題があった。
【0013】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、一液性で低エネルギーの光照射により硬化被膜が形成され、優れた防曇持続性を有する防曇剤組成物、および防曇性被覆物品の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す知見を得た。すなわち、塗膜中への水の浸透を維持するため、および表面を親水化する添加剤を架橋空間内に留め防曇性を持続するために、架橋密度並びに架橋空間の経時的な収縮の防止が有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明の防曇剤組成物は、請求項1に記載するように、(a)平均分子量2,000〜20,000のウレタン重合体と、(b)環状構造を有するジアクリレートと、(c)ポリアルキレングリコールアクリレートと、(d)アルキルポリオールポリアクリレート、および(e)光硬化触媒を含有することを特徴とする。
【0016】
本発明の防曇剤組成物においては、請求項2に記載するように、(a)成分として、平均分子量が2,000〜10,000のポリウレタンアクリレートを使用することができる。
【0017】
また、請求項3に記載するように、さらに界面活性剤を含有することができる。そして、この界面活性剤の含有量は、前記した(a)成分と(b)成分と(c)成分および(d)成分の配合量の合計100重量部(固形分)に対して、0.1〜50重量部とすることが望ましい。さらに、請求項4に記載するように、界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーンオイルを使用することができる。
【0018】
本発明の防曇性被覆物品の製造方法は、請求項5に記載するように、請求項1乃至4のいずれか1項記載の光硬化型防曇剤組成物を基材に塗工する塗工工程と、前記塗工された防曇剤組成物に光を照射し、前記基材の表面に防曇性塗膜を形成する光照射工程とを備えたことを特徴とする。そして、本発明の防曇性被覆物品の製造方法では、請求項6に記載するように、光照射工程で、出力80〜160W/cm、照度10〜150mW/cm2、積算光量50〜200mJ/cm2の条件で紫外線を照射することが望ましい。
【0019】
本発明においては、強靭性付与成分として、ウレタン樹脂および環状構造を有するジアクリレートを配合し、さらに架橋成分(硬さ向上成分)としてポリアルキレングリコールアクリレートを配合しているので、経時的な架橋反応の進行による架橋密度の過度の上昇を防止することができ、防曇性の低下を大幅に改善することができる。また、アルキルポリオールポリアクリレートの配合により、被膜硬度を保持しながら防曇性を確保することができ、とりわけポリカーボネートに対する密着性を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態に使用する(a)成分のウレタン重合体としては、平均分子量(数平均分子量)が2,000〜20,000のウレタンポリマーであれば種類は限定されない。特に、ポリウレタン(メタ)アクリレートを使用することが望ましい。ポリウレタン(メタ)アクリレートでは、平均分子量が2,000〜10,000のものが好適している。
【0022】
このポリウレタン(メタ)アクリレートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと分子内に(メタ)アクリレート基と水酸基を有する化合物とをウレタン化反応させることにより得ることができる。このとき、各種のポリオール成分を併用してもよい。
【0023】
ここで、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとしては、o−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボヌレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環族のイソシアネート類などを挙げることができる。
【0024】
また、これらのイソシアネートモノマーの1種以上のビュレット体、またはイソシアヌレート体、イソシアネート化合物と各種ポリオールとのウレタン化反応によって得られるアダクト体なども、ポリイソシアネート原料として使用することができる。
【0025】
本発明に使用する(b)成分の環状構造を有するジアクリレートとしては、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどのグリコールのジアクリレート;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートビスフェノールAにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加して得られたジオールのジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、シクロヘキシルジアクリレートなどのジアクリレート;イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートなどのイソシアヌル酸のジアクリレート;などが挙げられる。これらの中でも、密着性、硬化収縮などの観点から、特に水添ジシクロペンタジエニルジアクリレートやシクロヘキシルジアクリレートなどの脂環式構造を有するジアクリレートが最も好ましい。
【0026】
本発明に使用する(c)成分のポリアルキレングリコールアクリレートとしては、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレートのような2個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなど、にエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドなどを付加させた3個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーなどが挙げられる。これらの中でも、防曇性の持続性の点で、ポリエチレングリコールのジアクリレートの使用が好ましい。
【0027】
本発明に使用する(d)成分のアルキルポリオールポリアクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどの2個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーなど、アルキルジオールとアクリル酸とを反応させたジアクリレートおよび多官能アクリレートが挙げられる。その中でも防曇性の持続性を考慮した場合、アルキルジオールジアクリレート系化合物の使用が好ましい。
【0028】
(e)成分の光硬化触媒としては、紫外線、可視光線などの活性光線により、前記(a)〜(d)成分の(メタ)アクリレート化合物を重合させる性質を有するものであれば、特に種類は限定されない。
【0029】
紫外線で活性化する光硬化触媒としては、例えばソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイドおよびジサルファイドなどのサルファイド類;チオキサントン、エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ヒドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニウムなどのジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチルケタール、メチルフェニルグリオキシレートなどの芳香族カルボニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピルなどのジアルキルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイドなどの過酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体;4,4’ ,4” −トリメトキシ−2,3−ジフェニルキノキサリンなどのキノキサリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナ−トなどのアシル化リン化合物などが挙げられる。
【0030】
また、可視光線で活性化する光硬化触媒としては、例えば2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’ −カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトンなどが挙げられる。
【0031】
本発明の防曇剤組成物における各成分の配合組成は、例えば(a)成分のウレタン重合体100重量部に対して、(b)成分の環状構造を有するジアクリレート1〜100重量部と、(c)成分のポリエチレングリコールアクリレート5〜500重量部と、(d)成分のアルキルジオールジアクリレート5〜500重量部をそれぞれ配合することができる。
【0032】
また、防曇剤組成物における光硬化触媒の配合量は、多くなると硬化被膜の黄変が発生するか、または硬化被膜が脆くなるなどの問題を生じ、少なくなると硬化が不十分となるので、前記(a)〜(d)成分の配合量の合計100重量部(固形分)に対して、0.1〜10重量部とすることが望ましい。
【0033】
また、本発明の防曇剤組成物においては、レベリング性などの向上のために、さらに界面活性剤を配合することが望ましい。界面活性剤としては、公知の非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤から選ばれる1種以上のものを使用することができる。
【0034】
非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノステアレートなどのポリオキシエチレンアシルエステル類、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類、シュガーエステル類、セルロースエーテル類、およびポリエーテル(ポリオキシエチレン)変性シリコーンオイルなどが使用される。
【0035】
陰イオン系界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの高級アルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンサルフェート塩などが使用される。
【0036】
陽イオン系界面活性剤としては、例えばエタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩などのアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが使用される。
【0037】
両性イオン系界面活性剤としては、例えばジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタインなどの脂肪酸型両性界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性界面活性剤、アルキルグリシンなどが使用される。
【0038】
効果の持続性の点から、非イオン系界面活性剤の使用が好ましく、特にポリエーテル変性シリコーンオイルの使用が、防曇性の持続性および塗膜の外観変化を防止する観点から好適している。
【0039】
これらの界面活性剤の配合割合は、前記した(a)〜(d)成分の配合量の合計100重量部に対して、固形分比で0.1〜50重量部とすることが望ましく、より好ましくは0.1〜20重量部とする。界面活性剤の配合量が0.1重量部未満では長期に亘る防曇持続性が得られず、反対に50重量部を越える場合には、塗膜の耐水性および強度が低くなり好ましくない。
【0040】
界面活性剤の混合方法としては、(a)成分と(b)成分と(c)成分および(d)成分から成る組成物を、水または有機溶剤あるいは水と有機溶剤との混合溶剤に溶解・分散した後、その中に界面活性剤を加える方法を採ることができる。また、(a)〜(d)成分と共に界面活性剤を加えてもよい。
【0041】
このとき用いる溶剤としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのアルコールエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられる。これらの中で、アルコール系溶剤、アルコールエーテル系溶剤およびこれらの混合溶剤が特に好適している。
【0042】
本発明の光硬化型防曇剤組成物においては、必要に応じて紫外線吸収剤、硬化触媒、酸化防止剤などの各種添加剤を配合することができる。
【0043】
紫外線吸収剤としては、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系紫外線吸収剤などが挙げられる。また光重合促進剤としては、N−メチルジエタノールアミン、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノイソベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエートなどの2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
【0044】
これらの各添加剤は、本発明の光硬化型防曇剤組成物100重量部に対して、0.1〜50重量部の割合で配合することができる。
【0045】
次に、本発明の光硬化型防曇剤組成物を用いて防曇加工を行い、防曇性被覆物品を製造する方法について説明する。
【0046】
本発明の防曇性被覆物品の製造方法の実施形態では、防曇剤組成物を基材に公知の手段により塗工した後、紫外線などの活性光線を照射して塗布膜を硬化させる。
【0047】
ここで基材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックあるいは無機ガラスから成る所定形状(例えば板状やレンズ状)の成形体が挙げられる。特に車両灯具の防曇加工では、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどのプラスチック製レンズの内部表面に、通常の塗工手段で防曇剤組成物を塗工した後、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成する。
【0048】
紫外線の照射手段としては、高圧水銀灯を使用することができる。照射条件は、例えば出力80〜160W/cm、照度100〜150mW/cm2(波長350nm)、積算光量50〜200mJ/cm2(波長350nm)とすることが望ましい。
【0049】
なお、前記した基材には、さらに密着性を向上させる目的で前処理を施すことができる。前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線、電子線、放射線などの電離性活性線による処理;粗面化処理;化学薬品処理;プライマー処理などが挙げられる。
【0050】
塗工環境は特に限定されない。すなわち、従来の防曇コート剤は相対湿度60%(R.H.)を越える環境で塗工した場合、硬化後に塗膜が白化して外観が低下するおそれがあるが、本発明の防曇剤組成物に関しては塗工の際の湿度管理は不要である。
【0051】
塗工手段としては、通常の塗料塗布の手段であるロールコート法、スプレーコート法、浸漬法、刷毛塗り法、スピンコート法、フローコート法などを適用することができる。
【0052】
本発明の防曇剤組成物においては、プライマーが不要で1液での構成が可能であるうえに、低エネルギーの光照射により防曇性の高い硬化被膜が形成される。また、ウレタンアクリレートが含有されており、被膜に強靭性が付与され収縮しにくいため、添加成分が抜けにくく、その結果防曇性が向上している。さらに、後硬化により経時的に被膜が収縮して防曇性が低下することがないので、高温環境下並びに湿度条件下での防曇持続性に優れ、防曇性劣化が生じない。またさらに、硬度が保持されながら防曇性が確保され、特にポリカーボネートに対する密着性に優れた被膜が得られる。
【0053】
そして、本発明の防曇剤組成物により防曇性を付与された物品であるプラスチック製レンズを組込んだ車両灯具は、実使用環境下において、塗膜の外観と密着性はもちろんのこと、防曇性および塗膜強度が極めて長期に亘って維持されるものとなる。
【0054】
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部数表示はいずれも重量部を示す。
【0055】
実施例1
まず、以下に示すようにして、防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。すなわち、重量平均分子量が約7000のウレタンジアクリレート6.0部、環状構造を有するジアクリレートである水添ジペンタジエニルジアクリレート14.2部、ポリエチレングリコールジアクリレート15.6部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12.5部、光重合触媒であるイルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)の商品名)2.36部、粘度が約200cStのポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部および粘度が約40cStのポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部をそれぞれ混合し、均一な溶液とした後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにより50%に希釈し、塗布溶液とした。
【0056】
次いで、得られた塗布溶液を、25℃、相対湿度50%の条件でフローコートによりポリカーボネート板の上に塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電気(株)製)により、出力160W、照度100mW/cm2(350nm)、積算光量150mJ/cm2、照射距離95mmの条件で紫外線を照射して、塗膜を硬化させた。こうして、防曇剤被覆物品を得た。なお、紫外線の積算光量は、オーク製作所製のUV−10により測定した。
【0057】
実施例2
実施例1と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布環境を25℃×70%R.H.とした以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させた。こうして防曇剤被覆物品を得た。
【0058】
実施例3
実施例1と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布方法をスプレーコートとした以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させ、防曇剤被覆物品を得た。
【0059】
実施例4
以下に示すようにして、防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。すなわち、重量平均分子量が約3500のウレタンジアクリレート6.0部、水添ジペンタジエニルジアクリレート14.2部、ポリエチレングリコールジアクリレート15.6部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12.5部、イルガキュア9072.36部、粘度が約200cStでポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部および粘度が約40cStでポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部をそれぞれ混合し、均一な溶液とした後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにより50%に希釈し、塗布溶液とした。
【0060】
次いで、得られた塗布溶液を、25℃、相対湿度50%の条件でフローコートによりポリカーボネート板の上に塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電気(株)製)により、出力160W、照度100mW/cm2(350nm)、積算光量150mJ/cm2、照射距離95mmの条件で紫外線を照射して、塗膜を硬化させた。こうして、防曇剤被覆物品を得た。
【0061】
実施例5
実施例4と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布環境を25℃×70%R.H.とした以外は実施例4と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させた。こうして防曇剤被覆物品を得た。
【0062】
実施例6
実施例4と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布方法をスプレーコートとした以外は実施例4と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し紫外線を照射して塗膜を硬化させ、防曇剤被覆物品を得た。
【0063】
実施例7
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例1と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0064】
実施例8
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例2と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0065】
実施例9
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例3と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0066】
実施例10
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例4と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0067】
実施例11
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例5と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0068】
実施例12
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例6と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0069】
比較例1〜3,比較例7〜9
1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを添加しなかったこと以外は、実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製し、この塗布溶液を用い実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤被覆物品を製造した。
【0070】
比較例4〜6,比較例10〜12
ポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル(粘度約40cSt)を添加しなかったこと以外は、実施例4〜6および実施例10〜12と同様にして塗布溶液を調製し、この塗布溶液を用い実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤被覆物品を製造した。なお、比較例1と実施例1、比較例2と実施例2、………比較例12と実施例12というように、比較例は同じ番号の実施例にそれぞれ対応するものとする。
【0071】
次いで、実施例1〜12および比較例1〜12でそれぞれ製造された防曇剤被覆物品の防曇性塗膜について、以下に示す方法でそれぞれ物性を評価した。
【0072】
(1)硬化前外観
各環境下において塗布液を塗布した際の、養生中(10分)での外観の変化を調べた。無色透明のものを○、白濁したものを×で表した。
【0073】
(2)硬化性
紫外線照射による硬化直後、塗膜を触指したときの塗膜状態を調べ、タックフリーになっているものを○、触指で傷つくものを△、べたつくものを×で表した。
【0074】
(3)密着性
JIS D0202に準拠した碁盤目セロハンテープ剥離試験を行った。すなわち、塗膜表面にカッターナイフで基材に達するような100個のクロスカットを作り、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼付け、それを接着面と垂直方向に剥離し、剥がれずに残ったクロスカットの数を測定した。残留個数100個/100個をaで、80〜99個/100個をbで、80個未満/100個をcでそれぞれ表した。
【0075】
(4)塗膜強度
各環境下に放置した塗膜の外観変化を、目視により判定した。そして、外観変化のないものを○、外観に変化の見られたものを×とした。
【0076】
(5)呼気テスト
各環境下に放置された塗膜を25℃の恒温室内に置き、塗膜に息を吹きかけ、曇りの状態を目視によって判定した。塗膜が全く曇らないものを◎、水滴が瞬時にぬれ拡がるものを○、やや曇りが見られるものを△、全面が曇るものを×でそれぞれ表した。
【0077】
(6)40℃スチームテスト
25℃の恒温室内に置かれた塗膜を40℃の温水蒸気に5分間晒し、曇り始めるまでの時間を測定した。そして、全く曇らないものを◎、水滴が瞬時にぬれ拡がるものを○、やや曇りが見られるものを△、全面が曇るものを×で表した。
【0078】
なお、上記各試験に供した試験片の環境条件(A)〜(D)は、それぞれ以下に示す通りである。
(A)初期環境
紫外線照射による硬化直後の塗膜物性
(B)耐熱性
基材がポリカーボネートの場合に、80℃で100時間放置後の塗膜物性
(C)耐湿性
塗膜を50℃で相対湿度98%の環境下に100時間放置後の物性
(D)耐水性
塗膜を20℃の水中に1時間浸漬した後、25℃で相対湿度50%の環境下に17時間放置し乾燥させた後の塗膜物性
【0079】
評価結果を表1および表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】
本発明の防曇剤組成物によれば、低エネルギーの光照射により防曇性の高い硬化被膜を形成することができるうえに、プライマーが不要であり1液での構成が可能であるので、生産性が高い。また、硬化被膜が強靭で収縮しにくいため、添加成分が抜けにくく、防曇持続性に優れている。さらに、硬度が保持されながら防曇性が確保され、特にポリカーボネートに対する密着性に優れた被膜が得られる。
【0083】
本発明の防曇剤組成物により防曇性を付与された物品であるプラスチック製レンズを組込んだ車両灯具は、実使用環境下において、塗膜の外観と密着性はもちろんのこと、防曇性および塗膜強度が極めて長期に亘って維持される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化型防曇剤組成物および防曇性被覆物品の製造方法に係わり、さらに詳しくは、プライマーを必要とせず、一液性で低エネルギーの光により硬化して防曇性に優れた塗膜を形成する防曇剤組成物と、この防曇剤組成物を塗工して被覆物品を得る防曇性被覆物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から透明材料として用いられているプラスチックや無機ガラスは、表面の温度が露点以下になった場合、表面に曇りを生じ透明性が損なわれてしまうという欠点があった。そのような曇りを防ぐ防曇方法として、従来から種々の提案がなされてきた。
【0003】
例えば、▲1▼アルコール性水酸基を有する親水性アクリレートモノマーを特定の多官能モノマーと共重合させることにより、あるいはポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を架橋させることにより、吸水性の膜を形成する方法が知られている。また、▲2▼成形品を構成する樹脂中に界面活性剤を練り込んでおく方法、あるいは▲3▼界面活性剤を含有する組成物を基材表面に塗布する方法が知られている。
【0004】
しかし、▲1▼の吸水性膜を形成する方法においては、架橋の程度により膜の吸水性を制御しているため、吸水による防曇性の発現と耐水性付与の両方の要求を満足させることが困難であった。また▲2▼および▲3▼の方法においては、界面活性剤が水により流出し、防曇性が大きく低下するという問題があった。
【0005】
さらに、自動車のような車両に装着されているヘッドライトなどの灯具の防曇化に関しては、灯具使用時の高温環境すなわち60〜140℃の温度下においても、防曇性、並びに灯具を構成するプラスチックなどのレンズの外観、塗膜強度および密着性が長期に亘って維持されることが求められている。
【0006】
これらの問題を解決する方法として、疎水性化合物をプライマーとして用い、親水性単量体をトップコートとして形成する紫外線硬化型防曇剤組成物の製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、親水性単量体と疎水性単量体をブロック共重合させた紫外線硬化型防曇剤組成物も提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0008】
さらに、N−メチロールアクリルアミドなどをブロックまたはグラフト共重合させることにより、加熱硬化型の防曇剤組成物を製造する方法も提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0009】
【特許文献1】
特開平08−027290号公報(第2−3頁、第6頁)
【特許文献2】
特開平06−032997号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平06−107967号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、実作業性に問題があった。すなわち、加熱硬化型のプライマーが使用されており、硬化に120℃×2時間程度の加熱を要するばかりでなく、2液性であるため作業性に劣り、しかも硬化の際に非常に大きなエネルギー(紫外線照射量2000mJ/cm2)を必要とした。
【0011】
また、特許文献2に開示された組成物は、耐湿性が低く防曇性に劣るという欠点を有していた。
【0012】
さらに、特許文献3に記載された防曇剤組成物は、硬化に80℃×60分あるいは120℃×30分を要し、作業性が悪いという問題があった。
【0013】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、一液性で低エネルギーの光照射により硬化被膜が形成され、優れた防曇持続性を有する防曇剤組成物、および防曇性被覆物品の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す知見を得た。すなわち、塗膜中への水の浸透を維持するため、および表面を親水化する添加剤を架橋空間内に留め防曇性を持続するために、架橋密度並びに架橋空間の経時的な収縮の防止が有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明の防曇剤組成物は、請求項1に記載するように、(a)平均分子量2,000〜20,000のウレタン重合体と、(b)環状構造を有するジアクリレートと、(c)ポリアルキレングリコールアクリレートと、(d)アルキルポリオールポリアクリレート、および(e)光硬化触媒を含有することを特徴とする。
【0016】
本発明の防曇剤組成物においては、請求項2に記載するように、(a)成分として、平均分子量が2,000〜10,000のポリウレタンアクリレートを使用することができる。
【0017】
また、請求項3に記載するように、さらに界面活性剤を含有することができる。そして、この界面活性剤の含有量は、前記した(a)成分と(b)成分と(c)成分および(d)成分の配合量の合計100重量部(固形分)に対して、0.1〜50重量部とすることが望ましい。さらに、請求項4に記載するように、界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーンオイルを使用することができる。
【0018】
本発明の防曇性被覆物品の製造方法は、請求項5に記載するように、請求項1乃至4のいずれか1項記載の光硬化型防曇剤組成物を基材に塗工する塗工工程と、前記塗工された防曇剤組成物に光を照射し、前記基材の表面に防曇性塗膜を形成する光照射工程とを備えたことを特徴とする。そして、本発明の防曇性被覆物品の製造方法では、請求項6に記載するように、光照射工程で、出力80〜160W/cm、照度10〜150mW/cm2、積算光量50〜200mJ/cm2の条件で紫外線を照射することが望ましい。
【0019】
本発明においては、強靭性付与成分として、ウレタン樹脂および環状構造を有するジアクリレートを配合し、さらに架橋成分(硬さ向上成分)としてポリアルキレングリコールアクリレートを配合しているので、経時的な架橋反応の進行による架橋密度の過度の上昇を防止することができ、防曇性の低下を大幅に改善することができる。また、アルキルポリオールポリアクリレートの配合により、被膜硬度を保持しながら防曇性を確保することができ、とりわけポリカーボネートに対する密着性を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態に使用する(a)成分のウレタン重合体としては、平均分子量(数平均分子量)が2,000〜20,000のウレタンポリマーであれば種類は限定されない。特に、ポリウレタン(メタ)アクリレートを使用することが望ましい。ポリウレタン(メタ)アクリレートでは、平均分子量が2,000〜10,000のものが好適している。
【0022】
このポリウレタン(メタ)アクリレートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと分子内に(メタ)アクリレート基と水酸基を有する化合物とをウレタン化反応させることにより得ることができる。このとき、各種のポリオール成分を併用してもよい。
【0023】
ここで、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとしては、o−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボヌレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環族のイソシアネート類などを挙げることができる。
【0024】
また、これらのイソシアネートモノマーの1種以上のビュレット体、またはイソシアヌレート体、イソシアネート化合物と各種ポリオールとのウレタン化反応によって得られるアダクト体なども、ポリイソシアネート原料として使用することができる。
【0025】
本発明に使用する(b)成分の環状構造を有するジアクリレートとしては、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどのグリコールのジアクリレート;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートビスフェノールAにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加して得られたジオールのジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、シクロヘキシルジアクリレートなどのジアクリレート;イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレートなどのイソシアヌル酸のジアクリレート;などが挙げられる。これらの中でも、密着性、硬化収縮などの観点から、特に水添ジシクロペンタジエニルジアクリレートやシクロヘキシルジアクリレートなどの脂環式構造を有するジアクリレートが最も好ましい。
【0026】
本発明に使用する(c)成分のポリアルキレングリコールアクリレートとしては、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレートのような2個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなど、にエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドなどを付加させた3個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーなどが挙げられる。これらの中でも、防曇性の持続性の点で、ポリエチレングリコールのジアクリレートの使用が好ましい。
【0027】
本発明に使用する(d)成分のアルキルポリオールポリアクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどの2個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーなど、アルキルジオールとアクリル酸とを反応させたジアクリレートおよび多官能アクリレートが挙げられる。その中でも防曇性の持続性を考慮した場合、アルキルジオールジアクリレート系化合物の使用が好ましい。
【0028】
(e)成分の光硬化触媒としては、紫外線、可視光線などの活性光線により、前記(a)〜(d)成分の(メタ)アクリレート化合物を重合させる性質を有するものであれば、特に種類は限定されない。
【0029】
紫外線で活性化する光硬化触媒としては、例えばソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイドおよびジサルファイドなどのサルファイド類;チオキサントン、エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ヒドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニウムなどのジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチルケタール、メチルフェニルグリオキシレートなどの芳香族カルボニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピルなどのジアルキルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイドなどの過酸化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体;4,4’ ,4” −トリメトキシ−2,3−ジフェニルキノキサリンなどのキノキサリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナ−トなどのアシル化リン化合物などが挙げられる。
【0030】
また、可視光線で活性化する光硬化触媒としては、例えば2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’ −カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトンなどが挙げられる。
【0031】
本発明の防曇剤組成物における各成分の配合組成は、例えば(a)成分のウレタン重合体100重量部に対して、(b)成分の環状構造を有するジアクリレート1〜100重量部と、(c)成分のポリエチレングリコールアクリレート5〜500重量部と、(d)成分のアルキルジオールジアクリレート5〜500重量部をそれぞれ配合することができる。
【0032】
また、防曇剤組成物における光硬化触媒の配合量は、多くなると硬化被膜の黄変が発生するか、または硬化被膜が脆くなるなどの問題を生じ、少なくなると硬化が不十分となるので、前記(a)〜(d)成分の配合量の合計100重量部(固形分)に対して、0.1〜10重量部とすることが望ましい。
【0033】
また、本発明の防曇剤組成物においては、レベリング性などの向上のために、さらに界面活性剤を配合することが望ましい。界面活性剤としては、公知の非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤から選ばれる1種以上のものを使用することができる。
【0034】
非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノステアレートなどのポリオキシエチレンアシルエステル類、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類、シュガーエステル類、セルロースエーテル類、およびポリエーテル(ポリオキシエチレン)変性シリコーンオイルなどが使用される。
【0035】
陰イオン系界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの高級アルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンサルフェート塩などが使用される。
【0036】
陽イオン系界面活性剤としては、例えばエタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩などのアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが使用される。
【0037】
両性イオン系界面活性剤としては、例えばジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタインなどの脂肪酸型両性界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性界面活性剤、アルキルグリシンなどが使用される。
【0038】
効果の持続性の点から、非イオン系界面活性剤の使用が好ましく、特にポリエーテル変性シリコーンオイルの使用が、防曇性の持続性および塗膜の外観変化を防止する観点から好適している。
【0039】
これらの界面活性剤の配合割合は、前記した(a)〜(d)成分の配合量の合計100重量部に対して、固形分比で0.1〜50重量部とすることが望ましく、より好ましくは0.1〜20重量部とする。界面活性剤の配合量が0.1重量部未満では長期に亘る防曇持続性が得られず、反対に50重量部を越える場合には、塗膜の耐水性および強度が低くなり好ましくない。
【0040】
界面活性剤の混合方法としては、(a)成分と(b)成分と(c)成分および(d)成分から成る組成物を、水または有機溶剤あるいは水と有機溶剤との混合溶剤に溶解・分散した後、その中に界面活性剤を加える方法を採ることができる。また、(a)〜(d)成分と共に界面活性剤を加えてもよい。
【0041】
このとき用いる溶剤としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのアルコールエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられる。これらの中で、アルコール系溶剤、アルコールエーテル系溶剤およびこれらの混合溶剤が特に好適している。
【0042】
本発明の光硬化型防曇剤組成物においては、必要に応じて紫外線吸収剤、硬化触媒、酸化防止剤などの各種添加剤を配合することができる。
【0043】
紫外線吸収剤としては、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系紫外線吸収剤などが挙げられる。また光重合促進剤としては、N−メチルジエタノールアミン、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノイソベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエートなどの2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
【0044】
これらの各添加剤は、本発明の光硬化型防曇剤組成物100重量部に対して、0.1〜50重量部の割合で配合することができる。
【0045】
次に、本発明の光硬化型防曇剤組成物を用いて防曇加工を行い、防曇性被覆物品を製造する方法について説明する。
【0046】
本発明の防曇性被覆物品の製造方法の実施形態では、防曇剤組成物を基材に公知の手段により塗工した後、紫外線などの活性光線を照射して塗布膜を硬化させる。
【0047】
ここで基材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックあるいは無機ガラスから成る所定形状(例えば板状やレンズ状)の成形体が挙げられる。特に車両灯具の防曇加工では、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどのプラスチック製レンズの内部表面に、通常の塗工手段で防曇剤組成物を塗工した後、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成する。
【0048】
紫外線の照射手段としては、高圧水銀灯を使用することができる。照射条件は、例えば出力80〜160W/cm、照度100〜150mW/cm2(波長350nm)、積算光量50〜200mJ/cm2(波長350nm)とすることが望ましい。
【0049】
なお、前記した基材には、さらに密着性を向上させる目的で前処理を施すことができる。前処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線、電子線、放射線などの電離性活性線による処理;粗面化処理;化学薬品処理;プライマー処理などが挙げられる。
【0050】
塗工環境は特に限定されない。すなわち、従来の防曇コート剤は相対湿度60%(R.H.)を越える環境で塗工した場合、硬化後に塗膜が白化して外観が低下するおそれがあるが、本発明の防曇剤組成物に関しては塗工の際の湿度管理は不要である。
【0051】
塗工手段としては、通常の塗料塗布の手段であるロールコート法、スプレーコート法、浸漬法、刷毛塗り法、スピンコート法、フローコート法などを適用することができる。
【0052】
本発明の防曇剤組成物においては、プライマーが不要で1液での構成が可能であるうえに、低エネルギーの光照射により防曇性の高い硬化被膜が形成される。また、ウレタンアクリレートが含有されており、被膜に強靭性が付与され収縮しにくいため、添加成分が抜けにくく、その結果防曇性が向上している。さらに、後硬化により経時的に被膜が収縮して防曇性が低下することがないので、高温環境下並びに湿度条件下での防曇持続性に優れ、防曇性劣化が生じない。またさらに、硬度が保持されながら防曇性が確保され、特にポリカーボネートに対する密着性に優れた被膜が得られる。
【0053】
そして、本発明の防曇剤組成物により防曇性を付与された物品であるプラスチック製レンズを組込んだ車両灯具は、実使用環境下において、塗膜の外観と密着性はもちろんのこと、防曇性および塗膜強度が極めて長期に亘って維持されるものとなる。
【0054】
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部数表示はいずれも重量部を示す。
【0055】
実施例1
まず、以下に示すようにして、防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。すなわち、重量平均分子量が約7000のウレタンジアクリレート6.0部、環状構造を有するジアクリレートである水添ジペンタジエニルジアクリレート14.2部、ポリエチレングリコールジアクリレート15.6部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12.5部、光重合触媒であるイルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)の商品名)2.36部、粘度が約200cStのポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部および粘度が約40cStのポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部をそれぞれ混合し、均一な溶液とした後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにより50%に希釈し、塗布溶液とした。
【0056】
次いで、得られた塗布溶液を、25℃、相対湿度50%の条件でフローコートによりポリカーボネート板の上に塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電気(株)製)により、出力160W、照度100mW/cm2(350nm)、積算光量150mJ/cm2、照射距離95mmの条件で紫外線を照射して、塗膜を硬化させた。こうして、防曇剤被覆物品を得た。なお、紫外線の積算光量は、オーク製作所製のUV−10により測定した。
【0057】
実施例2
実施例1と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布環境を25℃×70%R.H.とした以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させた。こうして防曇剤被覆物品を得た。
【0058】
実施例3
実施例1と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布方法をスプレーコートとした以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させ、防曇剤被覆物品を得た。
【0059】
実施例4
以下に示すようにして、防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。すなわち、重量平均分子量が約3500のウレタンジアクリレート6.0部、水添ジペンタジエニルジアクリレート14.2部、ポリエチレングリコールジアクリレート15.6部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12.5部、イルガキュア9072.36部、粘度が約200cStでポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部および粘度が約40cStでポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル0.72部をそれぞれ混合し、均一な溶液とした後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにより50%に希釈し、塗布溶液とした。
【0060】
次いで、得られた塗布溶液を、25℃、相対湿度50%の条件でフローコートによりポリカーボネート板の上に塗布し、高圧水銀灯(ウシオ電気(株)製)により、出力160W、照度100mW/cm2(350nm)、積算光量150mJ/cm2、照射距離95mmの条件で紫外線を照射して、塗膜を硬化させた。こうして、防曇剤被覆物品を得た。
【0061】
実施例5
実施例4と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布環境を25℃×70%R.H.とした以外は実施例4と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させた。こうして防曇剤被覆物品を得た。
【0062】
実施例6
実施例4と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製した。次いで、この塗布溶液を、塗布方法をスプレーコートとした以外は実施例4と同様にして、ポリカーボネート板上に塗布し紫外線を照射して塗膜を硬化させ、防曇剤被覆物品を得た。
【0063】
実施例7
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例1と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0064】
実施例8
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例2と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0065】
実施例9
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例3と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0066】
実施例10
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例4と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0067】
実施例11
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例5と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0068】
実施例12
紫外線照射による塗膜の硬化条件を、出力80W、照度50mW/ cm2(350nm)、積算光量75mJ/ cm2、照射距離95mmとした以外は実施例6と同様にして、防曇剤被覆物品を製造した。
【0069】
比較例1〜3,比較例7〜9
1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを添加しなかったこと以外は、実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤組成物(塗布溶液)を調製し、この塗布溶液を用い実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤被覆物品を製造した。
【0070】
比較例4〜6,比較例10〜12
ポリオキシエチレン変性されたシリコーンオイル(粘度約40cSt)を添加しなかったこと以外は、実施例4〜6および実施例10〜12と同様にして塗布溶液を調製し、この塗布溶液を用い実施例1〜3および実施例7〜9と同様にして防曇剤被覆物品を製造した。なお、比較例1と実施例1、比較例2と実施例2、………比較例12と実施例12というように、比較例は同じ番号の実施例にそれぞれ対応するものとする。
【0071】
次いで、実施例1〜12および比較例1〜12でそれぞれ製造された防曇剤被覆物品の防曇性塗膜について、以下に示す方法でそれぞれ物性を評価した。
【0072】
(1)硬化前外観
各環境下において塗布液を塗布した際の、養生中(10分)での外観の変化を調べた。無色透明のものを○、白濁したものを×で表した。
【0073】
(2)硬化性
紫外線照射による硬化直後、塗膜を触指したときの塗膜状態を調べ、タックフリーになっているものを○、触指で傷つくものを△、べたつくものを×で表した。
【0074】
(3)密着性
JIS D0202に準拠した碁盤目セロハンテープ剥離試験を行った。すなわち、塗膜表面にカッターナイフで基材に達するような100個のクロスカットを作り、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼付け、それを接着面と垂直方向に剥離し、剥がれずに残ったクロスカットの数を測定した。残留個数100個/100個をaで、80〜99個/100個をbで、80個未満/100個をcでそれぞれ表した。
【0075】
(4)塗膜強度
各環境下に放置した塗膜の外観変化を、目視により判定した。そして、外観変化のないものを○、外観に変化の見られたものを×とした。
【0076】
(5)呼気テスト
各環境下に放置された塗膜を25℃の恒温室内に置き、塗膜に息を吹きかけ、曇りの状態を目視によって判定した。塗膜が全く曇らないものを◎、水滴が瞬時にぬれ拡がるものを○、やや曇りが見られるものを△、全面が曇るものを×でそれぞれ表した。
【0077】
(6)40℃スチームテスト
25℃の恒温室内に置かれた塗膜を40℃の温水蒸気に5分間晒し、曇り始めるまでの時間を測定した。そして、全く曇らないものを◎、水滴が瞬時にぬれ拡がるものを○、やや曇りが見られるものを△、全面が曇るものを×で表した。
【0078】
なお、上記各試験に供した試験片の環境条件(A)〜(D)は、それぞれ以下に示す通りである。
(A)初期環境
紫外線照射による硬化直後の塗膜物性
(B)耐熱性
基材がポリカーボネートの場合に、80℃で100時間放置後の塗膜物性
(C)耐湿性
塗膜を50℃で相対湿度98%の環境下に100時間放置後の物性
(D)耐水性
塗膜を20℃の水中に1時間浸漬した後、25℃で相対湿度50%の環境下に17時間放置し乾燥させた後の塗膜物性
【0079】
評価結果を表1および表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】
本発明の防曇剤組成物によれば、低エネルギーの光照射により防曇性の高い硬化被膜を形成することができるうえに、プライマーが不要であり1液での構成が可能であるので、生産性が高い。また、硬化被膜が強靭で収縮しにくいため、添加成分が抜けにくく、防曇持続性に優れている。さらに、硬度が保持されながら防曇性が確保され、特にポリカーボネートに対する密着性に優れた被膜が得られる。
【0083】
本発明の防曇剤組成物により防曇性を付与された物品であるプラスチック製レンズを組込んだ車両灯具は、実使用環境下において、塗膜の外観と密着性はもちろんのこと、防曇性および塗膜強度が極めて長期に亘って維持される。
Claims (6)
- (a)平均分子量2,000〜20,000のウレタン重合体と、(b)環状構造を有するジアクリレートと、(c)ポリアルキレングリコールアクリレートと、(d)アルキルポリオールポリアクリレート、および(e)光硬化触媒を含有することを特徴とする光硬化型防曇剤組成物。
- 前記(a)成分が、平均分子量が2,000〜10,000のポリウレタンアクリレートであることを特徴とする請求項1記載の光硬化型防曇剤組成物。
- さらに界面活性剤を含有してなり、この界面活性剤の含有量が、前記(a)成分と(b)成分と(c)成分および(d)成分の配合量の合計100重量部(固形分)に対して、0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の光硬化型防曇剤組成物。
- 前記界面活性剤が、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項3記載の光硬化型防曇剤組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の光硬化型防曇剤組成物を基材に塗工する塗工工程と、前記塗工された防曇剤組成物に光を照射し、前記基材の表面に防曇性塗膜を形成する光照射工程とを備えたことを特徴とする防曇性被覆物品の製造方法。
- 前記光照射工程で、出力80〜160W/cm、照度10〜150mW/cm2、積算光量50〜200mJ/cm2の条件で紫外線を照射することを特徴とする請求項5記載の防曇性被覆物品の製造方法。
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