JP2007273240A - 色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】透光性が高く、電子供給の律速を考慮した対極電極を用いることにより、高効率な光電変換を行えるタンデム型の色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】第1の色素を吸着させたn型半導体電極11と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極12の間に対極電極13を配置し、前記n型半導体と対極電極との間に電解質溶液15を充填した色素増感太陽電池において、前記対極電極13はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y/(x+y)≦0.85、0<y<320の条件を満たす。
【選択図】図1
【解決手段】第1の色素を吸着させたn型半導体電極11と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極12の間に対極電極13を配置し、前記n型半導体と対極電極との間に電解質溶液15を充填した色素増感太陽電池において、前記対極電極13はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y/(x+y)≦0.85、0<y<320の条件を満たす。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属酸化物半導体材料に色素を吸着させ、増感した色素増感太陽電池に係り、特に半導体電極を平行に配置し、その間に対極電極を配置した、いわゆるタンデム型の色素増感太陽電池に関する。
化石燃料の枯渇、その燃焼に伴って生ずる地球温暖化などのグローバルな環境問題が全人類的な課題になり、このような状況下において、非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は燃料が不要で、無尽蔵なクリーンエネルギーとして本格的な実用化が進展している。太陽電池は、使用される半導体材料によって、シリコン系、化合物半導体系、有機半導体系、金属酸化物半導体系などに分類される。金属酸化物半導体系の太陽電池については、シリコン系と比較して材料精製のためのエネルギーが少なく、化合物半導体系と比較して環境問題への影響が少なく、色素吸着により光電気変換効率も良好であるので、低コスト、環境適合型の太陽電池として、実用化に向けて研究開発が進められている(例えば、特許文献1−4参照)。
特開2000−260492号公報
特開2005−129580号公報
特開2000−100483号公報
特開2001−167808号公報
第1色素を吸着させたn型半導体からなる第1電極と第2色素を吸着させたn型半導体からなる第2電極の間に透光性を有する対極電極を配置したn/n並列タンデム型色素増感太陽電池が知られている(上記特許文献1−2)。係るタンデム型の色素増感太陽電池では、第1電極を透過した太陽光が第1電極で発電を行い、対極電極を透過して、さらに第2電極で発電を行うので、第2電極への光量が多いほど第2電極での発電量が多くなり変換効率も向上する。このため、対極電極としてのメッシュやワイヤについては、光の透過率が高いことが求められる。しかし、メッシュやワイヤの開口率が上がるほど、メッシュやワイヤの目が粗くなるため、対極電極から第1電極または第2電極側へ電子供給を行うために必要なレドックス対の拡散距離が長くなる。このため、対極電極の開口率が上がることにより電子供給が律速になり、発電効率が低下する可能性がある。また、開口率が上がるほど表面積不足による反応律速により変換効率が低下する可能性がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、透光性が高く、電子供給の律速を考慮した対極電極を用いることにより、高効率な光電変換を行えるタンデム型の色素増感太陽電池を提供することを目的とする。また、電子供給の律速を緩和するため、電解質溶液の濃度を調整することにより、さらに高効率化した色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の色素増感太陽電池は、第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、前記対極電極はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y/(x+y)≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦0.906×y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦0.906×y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、上記色素増感太陽電池において、対極電極はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y/(x+y)<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦0.906×y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とするものである。
また、前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦0.906×y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とするものである。
上記本発明によれば、開口部の繰り返しパターンとして、その線幅と線間隔とを上記の範囲とすることで、光の透過率を高く維持しつつ、対極電極から第1電極または第2電極側へ電子供給を行うために必要なレドックス対の拡散距離を抑え、電子供給が律速になることを防止できる。このため、対極電極の開口率のバランスを取ることで、発電効率を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態のタンデム型色素増感太陽電池を示す。第1の色素を吸着させたn型半導体電極11と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極12の間に対極電極13を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液15を充填したn/n並列タンデム型色素増感太陽電池である。
この構造をより詳細に説明する。半導体電極11は、TiO2(n型半導体)にルテニウム系遷移金属錯体色素等の短波長吸収色素を吸着させたものである。半導体電極12は、TiO2(n型半導体)にフタロシアニン系色素等の長波長吸収色素を吸着させたものである。n型半導体に吸着させる色素として、少なくとも1個のビピリジル基を含む有機遷移金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、メロシアニン系色素、シアニン系色素、ポルフィリン系色素、ロダニン系色素、インドール系色素、キノリン系色素、ベンゾチアゾール系色素を用いることができる。また、n型半導体として、ZnO、SnO2、NbO2、WO3などを用いることもできる。
対極電極13は、安価な金属板体にPtをスパッタ、蒸着、メッキでコートしたものであり、パンチングメタルまたはメッシュである。そして、図2、図3、図4に示す開口部の繰り返しパターンを備えている。また、対極電極は、触媒機能を有するPtワイヤ、またはカーボン繊維を用いて形成したメッシュとしてもよく、金属もしくは繊維等で形成されたメッシュへ、Ptまたはカーボン、または導電性ポリマーでコートしたものでもよい。また、対極電極は、金属板に穴を形成したパンチングメタルに、Pt、またはカーボン、または導電性ポリマーでコートしたものでもよい。
電解質溶液15は、ヨウ素(I2)、ヨウ化リチウム(LiI)、ターシャルブチルピリジン(t-BP)、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨウ化物(DMPII)を、アセトニトリル(AN)もしくはメトキシアセトニトリル(MAN)に溶解させた電解液である。電解質溶液のI2濃度が0.05〜0.3mol/l、ヨウ化物塩濃度が0.6〜2.4mol/lの範囲で作成されることが好ましい。また、電解質溶液として、イミダゾリウム塩を主体とした揮発性成分を含まない溶融塩電解質溶液を用いてもよい。
半導体電極11,12は、透明導電性膜(ITO膜、FTO膜)17を表面に形成した透明なガラス基板18上に設けられる。2枚のガラス基板18,18間の側面は、熱硬化性樹脂シート19により封止され、その内部空間に電解質溶液15が充填されている。この色素増感太陽電池の発電出力は、半導体電極11,12がアノードとなるので、透明導電性膜17に接続した端子から正極が取り出され、対極電極13がカソードとなるので、対極電極13に接続した端子から負極が取り出される。
次に、この色素増感太陽電池の動作について説明する。太陽光が入射すると、短波長側の光線が半導体電極11に吸収され、発電動作を行い、透明な半導体電極11を透過した光の一部は対極電極の非開口部により遮られるが、開口部を透過した光は半導体電極12に入射し、長波長側の光線が半導体電極12に吸収され、発電動作を行う。このため、n/nタンデム型の色素増感太陽電池により、太陽光光線の広い波長範囲を発電動作に利用できる。
色素増感型太陽電池の電解質では、下式に示すようなヨウ素の酸化還元体(レドックス対)が用いられている。
I3 -+2e-=3I-+I2
色素は光を吸収し、励起状態に上がった色素分子からチタニア(TiO2)の伝導帯に電子注入を行わせている。チタニアに注入された電子は、アノードおよび外部回路を通じてカソードに達する。一方、チタニアに電子を供与して酸化状態にある色素は、電解液中のレドックス系のI−から電子を受取って中性分子に戻る。I−は電子を失ってI3 −となるが、カソードから回路を流れてきた電子を受けとってI−に戻る。色素増感型太陽電池の内部でこのようなサイクルが繰り返されることにより光を電流に変換する。
I3 -+2e-=3I-+I2
色素は光を吸収し、励起状態に上がった色素分子からチタニア(TiO2)の伝導帯に電子注入を行わせている。チタニアに注入された電子は、アノードおよび外部回路を通じてカソードに達する。一方、チタニアに電子を供与して酸化状態にある色素は、電解液中のレドックス系のI−から電子を受取って中性分子に戻る。I−は電子を失ってI3 −となるが、カソードから回路を流れてきた電子を受けとってI−に戻る。色素増感型太陽電池の内部でこのようなサイクルが繰り返されることにより光を電流に変換する。
次に、本発明の対極電極の開口パターン形成例について説明する。図2は、対極電極をラインとスペースの繰り返しパターンとして形成したものである。線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y/(x+y)≦0.85、0<y<320の条件を満たすことで、すなわち、開口率を50-85%とすることで、後述するように、最大の変換効率が得られる。
図3は、対極電極を多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成したものである。図示の例は、開口部を四角形状、および六角形状としたものであるが、三角形、五角形、または八角形状などとしてもよい。線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことで、すなわち、開口率を50-85%とすることで、最大の変換効率が得られる。
図4は、対極電極を円状の開口部の繰り返しパターンとして形成したものである。線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦0.906×y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことで、すなわち、開口率を50-85%とすることで、最大の変換効率が得られる。
FTO(透明導電性)基板上にフォトリソ法により開口率の条件を変えた、図2に示す開口パターンのPtラインパターンを形成し、開口率について実験的に検討した。すなわち、この対極電極を用いて色素増感太陽電池を形成し、TiO2側、Pt側から照射した太陽電池特性を測定し、それぞれ第1電極、第2電極としての変換効率の傾向を実験により確認した。
実験条件は、下記のとおりである。
半導体電極:Solaronix社製酸化チタンペーストを用い、450℃、30分焼成。
色素:N749(有機金属錯体色素)を使用。
電解質溶液 溶媒:アセトニトリル、成分:下表のとおり。
但し、
LiI:ヨウ化リチウム
t-BP:ターシャル-ブチルピリジン
DMPII:ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム
半導体電極:Solaronix社製酸化チタンペーストを用い、450℃、30分焼成。
色素:N749(有機金属錯体色素)を使用。
電解質溶液 溶媒:アセトニトリル、成分:下表のとおり。
LiI:ヨウ化リチウム
t-BP:ターシャル-ブチルピリジン
DMPII:ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム
対極電極パターンは、図2に示すもので、透明導電性膜(FTO)を配置したガラス基板上にフォトリソによりPtスパッタで形成。
Ptライン 線幅:20、40、60、80、100μm
線間隔:80、160、240、320、400μm
照射方向 Pt側から照射(ガラス基板、対極電極を透過した光により発電)
TiO2側から照射(ガラス基板を透過した光により発電)
Ptライン 線幅:20、40、60、80、100μm
線間隔:80、160、240、320、400μm
照射方向 Pt側から照射(ガラス基板、対極電極を透過した光により発電)
TiO2側から照射(ガラス基板を透過した光により発電)
TiO2側から照射した場合の開口率と変換効率(%)の相関を図5に示し、Pt側から照射した場合の開口率と変換効率(%)の相関を図6に示す。TiO2側から照射した際は、開口率の低下に従い対極電極面積が大きくなるため、フィルファクターFF、短絡電流値が上昇した。Pt側から照射した際は、開口率が低下するにつれて、フィルファクターFFは上昇したが、電流値に関しては、開口率が低下するにつれて(発電に寄与する面積が低下することにより)低下した。開口率に対する変換効率の実験結果から、第1電極(ガラス基板のみを光が透過し、直接発電する電極)としては開口率80%以下、第2電極(ガラス基板と対極電極の開口部を透過した光により発電する電極)としては開口率60〜85%で高い効率になることが分かる。
並列タンデム型色素増感太陽電池においては、第1電極と第2電極の電流値の和になるため、開口率は50〜85%が好ましく、60〜70%になる条件が特に好ましい。また、同じ開口率80%において、TiO2側から照射した結果では、線間隔が320μm以上では変換効率が低下しているため、線間隔は0より大きく320μmより小さい範囲で高い変換効率が得られている。
対極電極の開口部をハニカム構造(六角形状)の繰り返しパターンで形成した場合にも、ラインとスペースの繰り返しパターンを用いた場合の変換効率の傾向と同様の傾向が見られた。表5に線幅と線間隔と開口率との関係を示す。
電解質溶液の中で電子供給を促進させるため、I-、I3 -濃度を増加させて特性を確認した結果、I2、DPMII濃度を2倍にすると変換効率の向上が見られた。表7は材料と濃度の関係を示し、表8はI2、DPMII濃度を変更した場合の変換効率の測定結果を示す。I2、DPMII濃度が3倍でも変換効率は向上したが、2倍よりも向上率は低い。これはヨウ素濃度が多くなるにつれて、電解質溶液による可視光吸収が増えるためと思われる。
従って、対極電極の開口率が高い条件では電解質溶液濃度の改善により変換効率を向上することが可能である。電子供給を改善可能な電解質溶液濃度として、I2、DPMIIがそれぞれ0.05mol/l〜0.3mol/l、0.6mol/l〜2.4mol/lが好ましく、0.05mol/l〜0.15mol/l、0.6mol/l〜1.8mol/lが特に好ましい。
上述のように、線幅20μm、線間隔80μm、開口率80%では十分高い変換効率が得られることが分かる。線間隔80μm以下では電解質溶液の拡散律速になっておらず、開口率80%より大きな条件では対極電極の表面積不足による反応律速に従い変換効率が低下すると思われる。しかし、線間隔80μmより短い範囲で線径を20μmより細くして開口率80%以上にした対極条件であっても、Ptの膜厚を厚くする、多孔質にする等により単位面積あたりの表面積を大きくすることにより高い開口率を維持しつつ、高い変換効率を実現可能である。
すなわち、対極電極を多孔質にする、表面を粗くする、または楕円形のワイヤを使用することにより、開口率を下げることなく、対極電極の表面積を実質的に大きくすることで、反応を促進し、高い変換効率を実現可能である。このような視点から、対極電極をラインとスペースの繰り返しパターンとして形成する場合、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y/(x+y)<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことで良好な変換効率が得られる場合がある。また、対極電極を多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成する場合、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことで良好な変換効率が得られる場合がある。また、対極電極を円状の開口部の繰り返しパターンとして形成する場合、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦0.906×y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことで良好な変換効率が得られる場合がある。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
11,12 n型半導体電極
13 対極電極
15 電解質溶液
17 導電性膜
18 ガラス基板
19 熱硬化性樹脂シート
13 対極電極
15 電解質溶液
17 導電性膜
18 ガラス基板
19 熱硬化性樹脂シート
Claims (16)
- 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y/(x+y)≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.5≦0.906×y2/(x+y)2≦0.85、0<y<320の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極はラインとスペースの繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y/(x+y)<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極は多角形状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 第1の色素を吸着させたn型半導体電極と、第1の色素と吸収波長が異なる第2の色素を吸着させたn型半導体電極の間に対極電極を配置し、前記n型半導体電極と対極電極との間に電解質溶液を充填した色素増感太陽電池において、
前記対極電極は円状の開口部の繰り返しパターンとして形成され、線幅と線間隔をそれぞれxμmとyμmとしたとき、0.8≦0.906×y2/(x+y)2<1、0<y<80かつ0<x<20の条件を満たすことを特徴とする色素増感太陽電池。 - 前記多角形は、三角形、四角形、五角形、六角形、または八角形であることを特徴とする請求項2または5記載の色素増感太陽電池。
- 前記対極電極は、パンチングメタルまたはメッシュであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記対極電極は、触媒機能を有するPtワイヤ、またはカーボン繊維を用いて形成したメッシュであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記対極電極は、金属もしくは繊維等で形成されたメッシュへ、Ptまたはカーボン、または導電性ポリマーでコートしたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記対極電極は、金属板に穴を形成したパンチングメタルに、Pt、またはカーボン、または導電性ポリマーでコートしたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記対極電極を多孔質にする、表面を粗くする、または楕円形のワイヤを使用することにより、開口率を下げることなく、対極電極の表面積を大きくしたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記n型半導体が、TiO2、ZnO、SnO2、NbO2、WO3から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記n型半導体に吸着させる色素として、少なくとも1個のビピリジル基を含む有機遷移金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、メロシアニン系色素、シアニン系色素、ポルフィリン系色素、ロダニン系色素、インドール系色素、キノリン系色素、ベンゾチアゾール系色素から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記電解質溶液として、イミダゾリウム塩を主体とした揮発性成分を含まない溶融塩電解質溶液であることを特徴とする請求1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
- 前記電解質溶液のI2濃度が0.05〜0.3mol/l、ヨウ化物塩濃度が0.6〜2.4mol/lの範囲で作成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
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