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JP2007251194A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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JP2007251194A JP2007128174A JP2007128174A JP2007251194A JP 2007251194 A JP2007251194 A JP 2007251194A JP 2007128174 A JP2007128174 A JP 2007128174A JP 2007128174 A JP2007128174 A JP 2007128174A JP 2007251194 A JP2007251194 A JP 2007251194A
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Katsuhiko Hieda
克彦 稗田
Kyoichi Suguro
恭一 須黒
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】トランジスタの微細化に伴うショートチャネル効果やリーク電流の低減を可能とする。
【解決手段】p型シリコン基板101の主平面上に形成されたエピタキシャルSi層と、少なくともエピタキシャル層に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域上にゲート絶縁膜106を介して形成されたゲート電極107とを含むトランジスタ構造を有し、このトランジスタ構造同士は互いに素子分離絶縁膜105を挟んで形成される半導体であって、チャネル領域の下部のパンチスルー・ストッパ層102にはチャネル領域よりも高濃度の不純物が含まれ、かつソース・ドレイン拡散層108は素子分離絶縁膜105上には延在しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パンチスルー・ストッパ層を主に半導体基板中に形成し、チャネル領域の不純物濃度を低濃度化するためのトランジスタ構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
MOS構造を有する半導体デバイスでは、MOSトランジスタの高性能化が大きな課題である。MOSトランジスタの高性能化とは主に(1)駆動電流の増加、(2)しきい値ばらつきの低減、(3)寄生抵抗/寄生容量の低減等を示している。駆動能力を増加させるには、ゲート寸法(チャネル寸法、ゲート長とも言う)を短くして達成してきた。しかし、短チャネル化するとともにショートチャネル効果が増大して来ると言う問題もある。
そこで、ショートチャネル効果を抑えるために、ゲート酸化膜の膜厚をできるだけ薄くしたり、また、チャネル領域の不純物濃度を108cm-3程度まで高濃度化する努力が行われてきた。しかし、信頼性を保証できる最大許容電界(Emax)による制限から、ゲート酸化膜の膜厚を最大電界以上にあまり薄くできない。また、過度のチャネル不純物濃度の高濃度化はチャネル領域の高濃度不純物の散乱によるドレイン電流の飽和をもたらし、短チャネル化してもドレイン電流が増加しないという問題が顕者になってきている。さらに、微細化に伴い、ゲート電極の高抵抗化やソース・ドレインの寄生抵抗が問題となってきている。さらに、微細化に伴い、ゲート電極の高抵抗化やソース・ドレインの寄生抵抗が問題となってきている。
この様な問題を解決するために、高濃度チャネルストッパ層の上に形成されるチャネル領域の低濃度化、ソース・ドレインのサリサイド化、ゲート電極のメタル化がそれぞれ提案されて個別にそれぞれ実用化されている。
例えば、IEDM Technical Digest pp. 433-436(1993)(T-Ohguro 他)やIEEE Transactions on E1ectron Devices, Vo1.45, No.3(March 1998), pp. 710-716(T.Ohguro 他)に開示されているように、LOCOS等の素子分離を行った後にチャネル領域にパンチスルー・ストッパ用に高濃度イオン注入層を形成し、その上に不純物をドープしていないエピタキシャルSi層を薄く(10mm程度)形成し、低不純物濃度のチャネル領域としてMOSトランジスタを構成している例がある。
この従来の半導体装置の上面図、チャネル長方向の横断面図、チャネル幅方向の横断面図をそれぞれ図18(a)〜(c)に示す。図18(b)に示すように、シリコン基板101上に素子分離絶縁膜201が形成され、またシリコン基板101中には高濃度不純物が注入されたパンチスルー・ストッパ層102が形成される。このシリコン基板101表面にはエピタキシャルSi層103が形成され、さらにこのエピタキシャルSi層103上にゲート絶縁膜106を介してゲート電極107が形成される。ゲート電極107の下部以外の領域には、ソース・ドレイン拡散層108がエピタキシャルSi層103及びシリコン基板101中に互いに離間して形成される。
このトランジスタ構造を有する半導体装置の製法としては、まず、シリコン基板101に素子分離として素子分離絶縁膜201を形成し、その後に、シリコン基板101上にエピタキシャルSi層103の形成を600℃程度で行う。このように、素子分離絶縁膜201を形成した後にエピタキシャルSi層103を成長させるため、素子分離領域の端部において結晶性の悪いエピタキシャルSi層103が形成されることがある。このSi層103は、チャネル幅方向に沿って図18のAに示す領域に形成されるもので、このAに示す領域でリーク電流が発生するという問題があった。
このリーク電流の発生を避けるために、まずシリコン基板101に高濃度不純物からなるパンチスルー・ストッパ層102を形成し、次いでエピタキシャルSi層103を形成してさらにその後に素子分離絶縁膜201の形成を行う方法がある。しかしながら、素子分離工程では高温の工程が用いられているため、シリコン基板101の高濃度不純物層であるパンチスルー・ストッパ層102から不純物が再拡散して低濃度不純物層の濃度が高くなってしまうという問題を引き起こしていた。
すなわち、素子分離の際の界面酸化膜形成や埋め込み酸化膜のデンシファイ工程等の高温工程、ゲート酸化膜形成や後酸化の高温工程、ソース・ドレインの活性化の高温工程、ソース・ドレインのシリサイド化時の高温工程が障害となり、チャネル表面領域の低濃度不純物層の形成が困難であった。
IEDM Technical Digest pp. 433-436(1993)(T-Ohguro 他) IEEE Transactions on E1ectron Devices, Vo1.45, No.3(March 1998), pp. 710-716(T.Ohguro 他) 特開平8−213478号公報 特開平7−263673号公報
上述したように従来の半導体装置では、素子分離を行った後にチャネル層として機能するエピタキシャルSi層を形成するため、素子分離端部まで結晶性の悪いSi層が延在し、リーク電流が発生するという問題がある。この問題を解決するために先にエピタキシャルSi層を形成し、その後素子分離を行う方法も考えられるが、エピタキシャルSi層形成の後に行われる素子分離の際の界面酸化膜形成、素子分離絶縁膜のデンシファイ工程、ゲート酸化膜形成工程、ソース・ドレイン活性化工程等の高温工程が障害となり、チャネル表面領域の低濃度不純物層の形成が困難であった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、トランジスタの微細化に伴うショートチャネル効果やリーク電流の低減を可能とするトランジスタ構造を有する半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る半導体装置は、第1導電型の半導体基板の主平面上に形成された第1導電型の単結晶半導体層と、少なくとも前記単結晶半導体層に互いに離間して形成された第2導電型のソース領域及びドレイン領域と、このソース領域とドレイン領域との間に形成された第1導電型のチャネル領域と、このチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを含むトランジスタ構造を有し、このトランジスタ構造同士は互いに素子分離領域を挟んで形成されている半導体装置であって、前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、第1導電型のパンチスルー・ストッパ層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記パンチスルー・ストッパ層よりも不純物濃度が低く、かつ前記ソース領域及びドレイン領域は素子分離領域上には延在せず、パンチスルー・ストッパ層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、第1の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と隔離されて形成され、第2の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と一部重なりかつ少なくともチャネル領域の下部に選択的に形成され、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層とは接していることを特徴とする。
また、別の本発明に係る半導体装置は、第1導電型の半導体基板の主平面上に形成された第1導電型のエピタキシャル半導体層と、少なくとも前記エピタキシャル半導体層に互いに離間して形成された第2導電型のソース領域及びドレイン領域と、このソース領域とドレイン領域との間に形成された第1導電型のチャネル領域と、このチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを含むトランジスタ構造を有し、このトランジスタ構造同士は互いに素子分離領域を挟んで形成されている半導体装置であって、前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、第1導電型のパンチスルー・ストッパ層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面における前記チャネル領域は前記パンチスルー・ストッパ層よりも不純物濃度が低く、かつ前記ソース領域及びドレイン領域は素子分離領域上には延在せず、パンチスルー・ストッパ層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、第1の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と隔離されて形成され、第2の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と一部重なりかつ少なくともチャネル領域の下部に選択的に形成され、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層とは接していることを特徴とする。
本発明の望ましい形態を以下に示す。
(1)ソース領域及びドレイン領域上にはシリサイド膜が形成されてなる。
(2)ゲート電極は、不純物がドープされた多結晶Si膜と、該多結晶Si膜上に形成されたメタル膜又はシリサイド膜の積層構造である。
(3)(2)において、ソース領域及びドレイン領域上にはシリサイド膜が形成されてなる。
(4)高濃度不純物層は第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、該第1の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と隔離されて形成され、該第2の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と一部重なり、かつ少なくともチャネル領域の下部に選択的に形成されてなる。
(5)高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と隔離されて形成される。
(6)ソース領域及びドレイン領域はエピタキシャル半導体層中に形成された第1の部分と、該エピタキシャル半導体層上の第1の部分のソース領域及びドレイン領域上にさらに選択的に形成された第2の部分からなる。
(7)高濃度不純物層はチャネルの少なくとも一部に存在し、該高濃度不純物層の下には該高濃度不純物層と接する様に該高濃度不純物層と同じ導電型のウェル層が形成される。
(8)シリサイド膜がコバルトシリサイド、チタンシリサイド、パラジウムシリサイド(PdSi2)、プラチナシリサイド(PtSi)、イリジウムシリサイド(IrSi3)などである。
また、さらに別の本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の少なくとも一部に第1導電型の高濃度不純物層を形成する工程と、前記半導体基板の主平面上にエピタキシャル成長により第1導電型の半導体層を形成する工程と、前記半導体層及び前記半導体基板を選択的に除去して溝を形成し、該溝に素子分離絶縁膜を埋め込み形成する工程と、前記半導体層上に選択的にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマスクに第2導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを含み、前記高濃度不純物層の形成後の工程は、700℃以下の条件で行い、前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、第1の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と隔離されて形成され、第2の高濃度不純物層はソース領域及びドレイン領域と一部重なりかつ少なくともチャネル領域の下部に選択的に形成され、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層とは接していることを特徴とする。
本発明の望ましい形態を以下に示す。
(1)溝を形成した後素子分離絶縁膜の埋め込み形成の前に、該溝表面を覆うようにラジカル酸化を用いた酸化膜を形成する。
(2)半導体基板の形成後半導体層を形成する前に、半導体基板表面に形成された自然酸化膜を、700℃以下の条件で水素ラジカルを用いて除去する。
(3)ソース領域及びドレイン領域は、室温以下の低温に半導体基板を冷却してイオン注入を行うことにより形成する。
(4)ソース領域及びドレイン領域の活性化に、700℃以上の温度によるミリ秒以下の短時間高速熱処理工程を用いる。
(5)ソース・ドレイン不純物層の活性化に、エキシマレーザを用いて熱処理を行う工程を用いる。
(6)ゲート絶縁膜の形成に、ラジカル酸化法を用いて半導体層表面に酸化膜を形成する工程を用いる。
(7)溝を形成した後素子分離絶縁膜を埋め込み形成する前に、該溝表面を覆うように700℃以下の条件でラジカル酸化を用いて酸化膜を形成する。
(8)半導体基板中に形成したソース領域及びドレイン領域に自己整合的にシリサイド膜を形成する。
(9)シリサイド膜がコバルトシリサイド、チタンシリサイド、パラジウムシリサイド(PdSi2)、プラチナシリサイド(PtSi)、イリジウムシリサイド(IrSi3)などである。
(10)ゲート電極表面にシリサイド膜を形成するとともに、ソース領域及びドレイン領域上にもシリサイド膜を形成する。
(作用)
本発明では、エピタキシャル半導体層が素子分離領域上に延在しないMOSトランジスタの構造により、素子分離端部における結晶性の悪い半導体層がないためリーク電流の発生が低減できる。また、ゲート電極の構造を、不純物がドープされた多結晶Si膜に、シリサイド膜又はメタル膜が形成された積層構造とすることにより、ゲート電極の抵抗値を低減することができる。また、ゲート絶縁膜との界面近傍におけるチャネル領域が半導体基板よりも不純物濃度が低く形成されるため、ショートチャネル効果を抑制しつつドレイン電流の低下を防止できる。
また、MOSトランジスタ形成工程のトータル・プロセスのうち、高濃度不純物層形成以後の工程の低温化(<700℃)を実現することにより、高濃度不純物層からなるチャネル下部領域の形成が可能となる。すなわち、チャネル領域形成の際の高濃度不純物層からチャネル領域への不純物拡散を低減することで、ゲート絶縁膜との界面近傍におけるチャネル領域を半導体基板よりも低い不純物濃度に保つことができ、ショートチャネル効果を抑制することができる。700℃以下の低温プロセスにより半導体装置を製造することにより、高濃度不純物層からチャネル領域への不純物の拡散を抑制できることは、IEDM Technical Digestpp. 433-436(1993)(T-Ohguro 他)やIEEE Transactions on E1ectron Devices, Vo1.45, No.3(March 1998), pp. 710-716(T.Ohguro 他)にも開示されているように明らかである。
さらに、エピタキシャル成長によるチャネル領域の形成の後に素子分離絶縁膜の形成工程を行うことで、素子分離絶縁膜を先に形成することにより生じる素子分離絶縁膜上への延在した結晶性の悪い半導体層の形成を防止することができる。
また、このように低温化プロセスを用いることにより、ソース領域及びドレイン領域の拡散層深さの拡張を防ぐことができるため、ショートチャネル効果を抑制したトランジスタ構造を実現することができる。
本発明に係る半導体装置によれば、ゲート絶縁膜との界面近傍におけるチャネル領域は、半導体基板よりも低い不純物濃度であるため、ショートチャネル効果を抑制しつつドレイン電流の低下を防止できる。また、素子分離領域上にソース・ドレイン領域が延在しない構造であるため、素子分離部における結晶性の悪い半導体層が無くリーク電流が低減できる。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、700℃以下の低温プロセスを用いることにより、ソース領域及びドレイン領域の深さを浅く形成しつつ、チャネル領域を低不純物濃度に保ち、チャネル領域下部に形成された高濃度不純物領域からの不純物の拡散を抑制することができる。また、高濃度不純物層を形成した後に素子分離絶縁膜の形成を行うため、素子分離領域上にソース領域及びドレイン領域が延在することが無い半導体装置を製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体装置(単体トランジスタ)の全体構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)はチャネル長方向で切断したA−A’断面図、(c)はチャネル幅方向で切断したB−B’断面図である。以下、nチャネルトランジスタの場合について説明する。
不純物濃度5×1015cm-3程度のp型シリコン基板101のトランジスタ領域にpウェル(図示せず)が形成され、このpウェルの中のトランジスタ・チャネル形成領域に2×1018cm-3程度の濃度の高濃度不純物が導入されたパンチスルー・ストッパ層102が形成される。パンチスルー・ストッパ層102の上層には、不純物のドープされていないエピタキシャルSi層103が例えば20nm程度の膜厚で形成される。また、これらシリコン基板101及びエピタキシャルSi層103が掘り込まれた領域であってトランジスタの形成されない領域はSTI(Shallow Trench Iso1ation)素子分離領域であり、この素子分離領域には、酸化膜104を介して絶縁膜105が埋め込み形成される。
エピタキシャルSi層103の一部はチャネル領域として動作する。トランジスタのしきい値(Vth)をコントロールする為、必要に応じて不純物濃度5×1016cm-3程度のp型チャネル不純物層(図示せず)が主にエピタキシャルSi層103のチャネル領域にのみ選択形成される。なお、不純物濃度が大きくなると、不純物散乱によるチャネル電流の低下が問題となるため、チャネル領域の不純物濃度は1×1017cm-3程度を超えないものとする。また、チャネル領域全体としての不純物濃度はシリコン基板101よりも高くなっているが、ゲート絶縁膜106との界面近傍における不純物濃度はシリコン基板101よりも低い程度に形成される。
また、ゲート絶縁膜106を介してメタル(例えばTiN膜やRu膜やW膜やそれらの積層膜)からなるゲート電極107が形成され、ゲート電極107をマスクにして形成された不純物拡散層として、不純物濃度5×1019cm-3程度、拡散層深さ0.04μm程度のn型拡散層108aと不純物濃度5×1020cm-3程度、拡散層深さ0.08μm程度のn+型拡散層108bがゲート電極107の両側にそれぞれ形成される(以下、これら拡散層108aと108bを併せてソース・ドレイン拡散層108と呼ぶ)。また、ソース・ドレイン拡散層108の表面にはゲート電極107の側壁に形成された側壁膜109を用いてシリサイド膜110(例えばTiSi2,CoSi2,PtSi,Pd2Si,IrSi3,RhSi等)が自己整合的に形成される。
さらに、これらゲート電極107,シリサイド膜110等を覆うように層間絶縁膜111が形成され、この層間絶縁膜111を介してシリサイド膜110まで接続されるコンタクトプラグ112,このコンタクトプラグ112に接続される配線113が形成され、トランジスタ構造が実現される。
以上説明した構造のトランジスタの製造工程を図2〜図8の工程断面図を用いて説明する。図2〜図8における(a)は図1(a)の平面図、(b)は図1(b)のA−A’断面図に対応する製造工程図である。
まず、図2に示すように、不純物濃度5×10-5cm-3程度の(100)p型シリコン基板101のトランジスタ・チャネル領域に例えばピーク不純物濃度で4×1017cm-3程度のpウェル(図示せず)を、例えばボロンを260KeV,2×1013cm-2程度イン注入することにより形成する。
次に、pウェル中のトランジスタ・チャネル形成領域に高濃度不純物が導入されたパンチスルー・ストッパ層102をレジスト膜(図示せず)をマスクに例えばボロン等をイオン注入法を用いてピーク濃度で2×1018cm-3程度の不純物分布になるように形成する。この時、Si基板101表面に8mm程度の膜厚のSiO2等の酸化膜121を形成しておき、レジストからのSi基板101への汚染を防止する。この時のイオン注入層の活性化には、例えば900℃、5分、N2中でRTA(Rapid Thermal Anneal)を用いて急峻なプロファイルを持つp型の不純物層を形成するようにする。
次に、図3に示すように、まず酸化膜121を除去し、さらに自然酸化膜を除去し、Si基板101表面を露出させた後、全面にエピタキシャルSi層103を成長させる。成膜温度は例えば700℃程度とし、エピタキシャルSi層103の膜厚は例えば20nm程度とする。自然酸化膜の除去には、エピタキシャル膜成長装置の炉の中で水素ラジカル(H*)等を用いて700℃程度で処理する方法を用いても良い。
このエピタキシャルSi成長過程及び後の熱工程により、先にSi基板101表面に形成したパンチスルー・ストッパ層102からのエピタキシャルSi層103への不純物の再拡散が起こる。このため、低不純物のチャネル領域を形成するためには、エピタキシャルSi層103の形成やその後の熱工程をできるだけ低温化する。
次に、例えば反応性イオンエッチング(RIE法)を用いてエピタキシャルSi層103及びSi基板101に例えば約0.2μm程度の溝124を形成する。この時、エッチング・マスク材としてバッファ酸化膜122(例えば膜厚8nm)とシリコン窒化膜(Si34)123(例えば膜厚100mm)を積層形成し、レジスト(図示せず)をマスクにシリコン窒化膜123及びバッファ酸化膜122、さらにエピタキシャルSi層103,Si基板101を加工する。
次に、溝124の内壁のエッチング・ダメージ等をアッシングとウェット処理等を用いてクリーニング及び除去して溝124のSi基板101表面を露出させる。また、この時のバッファ酸化膜122の形成には、例えば700℃程度の低温で良質の酸化膜を形成できる酸素ラジカル酸化法を用いる。ラジカル酸化とは、励起状態が酸素原子ラジカルを主成分とする酸化源ガスをシリコン基板1に供給し、Si表面を酸化して高性能のシリコン酸化膜を低温(700℃程度)で形成する方法である。次に、溝124の側面及び底面に低温で良質な酸化膜を形成できるラジカル酸化法を用いて7nm程度の膜厚の酸化膜104を形成する。
次に、図4に示すように、酸化膜104を介して溝124に例えばTEOS酸化膜等の絶縁膜105を埋め込み、いわゆるトレンチ型の素子分離層(STI:Shal1ow Trench Iso1ation)を形成する。具体的には、全面に300nm程度のTEOS酸化膜を650℃の成膜温度を用いたCVD法で堆積した後、例えば700℃程度のラジカル酸化雰囲気でCVD酸化膜のデンシファイを行い、次に全面をCMP(Chemical Mechanical Po1ishing)法により平坦化する。この時、シリコン窒化膜123とのCMPレートの差を用いて絶縁膜105を溝124に平坦に埋め込む。さらに、シリコン窒化膜123を例えばホット燐酸等でウェット除去し、次いでバッファ酸化膜122をフッ酸系の溶液で剥離し、エピタキシャルSi層103の表面を露出させる。
次に、図5に示すように、露出したエピタキシャルSi層103の表面に例えば700℃程度のラジカル酸化法を用いて例えば5mm程度の膜厚のゲート絶縁膜106(酸化膜)を形成する。このラジカル酸化によるゲート絶縁膜106の形成により、Si表面の凸凹が少ない酸化膜が実現できるので、後述するチャネル不純物の低濃度化(i層チャネル化)との組み合わせで、チャネル界面散乱及び不純物散乱によるチャネル・モビリティの低下の少ないMOSトランジスタチャネルを実現できる。また、ラジカル酸化では酸化膜の膜厚がある温度では一定の膜厚のみ形成されるため、酸化膜のウェーハ面内及びチップ間での酸化膜の膜厚ばらつきを少なくできるという特長がある。
また、SiO2からなるゲート絶縁膜106の代わりにTa25(タンタルオキサイド)膜を用いてもよい。Ta25膜は比誘電率(εr)がSiO2 からなる膜(εr=3.9)に比較して大きく、約20〜27程度である。このため、酸化膜に膜厚を換算したときの酸化膜換算膜厚(equivalent film thickness)が2mm以下にもできる可能性がある膜である。具体的には、エピタキシャルSi層103界面との界面準位密度を減らすために、例えば1nm程度のSiO2膜系の膜をエピタキシャルSi層103界面に形成してからその上にTa25膜を形成する、積層ゲート絶縁膜構造にして使用することができる。
必要であれば、レジスト膜(図示せず)をマスクとして所望のエピタキシャルSi層103を含むチャネル領域にのみチャネル・イオン注入を行なう。nチャネルトランジスタの場合、0.7V程度のしきい値(Vth)を設定するためには、例えばボロン(B+)を10KeV,5×1012cm-2程度イオン注入し、チャネル領域にのみ選択的にp型チャネル不純物層(図示せず)を形成する。この工程は、SiO2膜等のバッファ酸化膜(図示せず)を介してイオン注入を行なうので、このバッファ酸化膜を剥離した後、犠牲酸化膜としてSiO2膜(図示せず)を形成し、このSiO2膜を介してイオン注入を行なっても良い。
また、この追加のイオン注入によるチャネル不純物層の活性化は、このチャネル・イオン注入の後、例えば、RTAを用いて例えば750℃、10秒程度の熱処理で行なっても良い。この追加のチャネル不純物層を形成した後の熱工程は低温化(700℃以下が望ましい)が必要なので、チャネル層、すなわちエピタキシャルSi層103のイオン注入にはイオン注入中の半導体装置の温度を低温にコントロールして行う、いわゆる「クライオ・イオン注入法」を用いてイオン注入時の結晶ダメージを低減させ、低温で活性化ができるようにする。なお、チャネル不純物層の活性化は、エキシマレーザでの700℃程度の低温活性化でもよい。
次に、例えばn型不純物をドープした多結晶Si膜(膜厚200mm程度)を全面に堆積し、レジスト膜(図示せず)をマスクにパターニングを行いゲート電極107を形成する。
次に、図6に示すように、ゲート電極107をマスクにしてn-型のソース・ドレイン拡散層108aを例えばエピタキシャルSi層103にイオン注入ダメージの入り難い「低温イオン注入法(クライオ・イオン注入法)」を用いて形成する。この時、ゲート電極107の側壁や底面角部の電界集中を緩和するために、ゲート電極107を例えばラジカル酸化法や低温のRTO(Rapid Thermal Oxidation)法等を用いて5nm程度の膜厚の酸化膜(図示せず)をゲート電極107の側壁や底面角部に形成しても良い。
また、浅いソース・ドレイン拡散層108aの形成には、イオン注入法ではなく固相拡散法を用いても良い。イオン注入条件は、例えば、リン(P+)イオンの注入を40KeV,4×1013cm-2程度行ない、ソース・ドレイン拡散層108aを形成する。もちろん、砒素(As)等のイオン注入を行っても良い。
次に、図7に示すように、SiO2膜を全面にCVD法で堆積した後、全面のRIEを行ない、ゲート電極107パターンの側壁部にSiO2膜を残す、いわゆる「SiO2の側壁残し」を行ない、ゲート電極107の側壁に膜厚20nm程度の側壁膜109膜を形成する。その後、例えば砒素(As+)イオンの注入を15KeV,5×1015cm-2程度行ないn+型のソース・ドレイン拡散層108bを形成し、拡散層108aと併せて、いわゆるゲート・エクステンション構造を持ったソース・ドレイン拡散層108を形成する。
ここでは、ゲート・エクステンション構造を用いているが、n-型拡散層のみ、あるいは、n+型拡散層のみの、いわゆるシングル・ソース・ドレイン方式でも良い。それぞれの拡散層深さは、700℃以下の温度での最終的なイオン注入層の熱的な活性化により、n-型の拡散層108aは接合深さXj:0.05μm程度、n+型の拡散層108bのXj=0.06μm程度になるようにイオン注入条件及び活性化条件を制御する。なお、この低温活性化には、エキシマレーザを用いた熱処理を行うのが望ましいが、850℃程度でミリ秒以下の短時間高速熱処理によることもできる。また、エキシマレーザを用いた熱処理と高速熱処理とを併用することもできる。このように、低温イオン注入及び活性化を行うことにより、ソース・ドレイン拡散層108の高濃度化及びシャロウ化が可能となる。
次に、露出したソース・ドレイン拡散層108の表面にTiSi2やCoSi2,PtSi,Pd2Si,IrSi3,RhSi等のシリサイド膜110を低温(<700℃)で形成する。このシリサイド膜110は、ソース・ドレイン拡散層108に自己整合的に形成される。これにより、ソース・ドレイン拡散層108の比抵抗を例えば<50μΩcm程度に低下させることができる。特に、p+型の拡散層とのコンタクト抵抗を低下させるにはPd2Siが有効である。このように、Pd2Si等の低温化でシリサイドを形成できる新しいシリサイド材料を導入することにより、p+型の拡散層のコンタクト抵抗を低下できるので、ソース・ドレイン拡散層108の寄生抵抗の小さなMOSトランジスタが実現できる。
次に、図8に示すように、全面にCVDを用いてSiO2からなる層間絶縁膜111を例えば300nm程度堆積し、例えば700℃程度のラジカル酸化雰囲気で例えば3分程度デンシファイを行なう。この熱工程でソース・ドレイン拡散層108のイオン注入層の活性化を兼ねて行っても良い。ソース・ドレイン拡散層108の深さ(Xj)を抑えたい時は、デンシファイの温度を700℃程度に低温化したり、RTA法を用いて850℃程度でms(ミリ秒)程度の短時間アニールを行っても良いし、それらを併用してイオン注入層の活性化を行なっても良い。この後、層間絶縁膜111全面をCMPにより平坦化を行ない、層間絶縁膜111表面の平坦化を行う。
次に、レジスト膜(図示せず)とRIE法を用いてシリサイド膜110が露出するようにコンタクト・ホール125を形成する。この後は、図1(a),(b)に示すように、コンタクト・ホール125にコンタクトプラグ112を形成し、さらにAlからなる配線113を形成する。そして、全面にパッシベーション膜(図示せず)を堆積し、トランジスタの基本構造が完成する。この時、コンタクトプラグ112にはW(タングステン)膜やAl(アルミ)膜、TiN(窒化チタン)膜/Ti(チタン)膜やそれらの積層膜を用いることができる。
このように700℃以下の低温プロセスにより半導体装置を製造する理由を図9を用いて説明する。図9はソース・ドレイン拡散層深さの拡散層形成後のRTA温度依存性を示す図であり、横軸は加熱温度、縦軸は拡散層深さを表す。ボロン(B+)イオンを1keV、3.0×1014cm-2程度行った場合を示す。図9に示すように、700℃以下の温度では、アニール時間が1分の場合も10分の場合もソース・ドレイン拡散層深さが0.05μmと浅く形成することができるが、それ以上の温度で加熱した場合には、加熱工程におけるソース・ドレイン拡散層の拡張により、拡散層深さも深くなってしまい、ショートチャネル効果を抑制できない。これに対して、上述の700℃以下の低温プロセスを用いた場合には、拡散層の拡張も浅くでき、ショートチャネル効果も抑制することができる。
また、700℃以下の低温プロセスにより半導体装置を製造することにより、パンチスルー・ストッパ層102からチャネル領域への不純物の拡散を抑制できることは、IEDM Technical Digest pp. 433-436(1993)(T-Ohguro 他)やIEEE Transactions on E1ectron Devices, Vo1.45, No.3(March 1998), pp. 710-716(T.Ohguro 他)にも開示されているように明らかである。
以上の工程に示したように、パンチスルー・ストッパ層102形成後の工程にいて、STIのSi側壁の酸化やCVD酸化膜104のデンシファイ等にラジカル酸化を用いて工程を低温化したり、犠牲酸化・ゲート酸化等低温酸化膜形成法を導入することで実現される完全な低温工程で実現したトランジスタ構成により、シリコン基板101中に形成した高濃度不純物のパンチスルー・ストッパ層102からエピタキシャルSi層103中のチャネル領域への不純物拡散を抑制することができ、ゲート絶縁膜との界面近傍におけるチャネル領域の低不純物濃度化が実現できる。これにより、ショートチャネル効果を抑えながらドレイン電流の低下を防止できる。これには、ラジカル酸化法を用いて高品質酸化膜の形成を低温化できたこととイオン注入法にクライオ・イオン注入法を用いて低温活性化を達成できた事が大きく貢献している。また、トランジスタ形成プロセスの低温化が実現できているので、例えば高誘電体膜などをゲート絶縁膜106に適用することが容易になる。これによりゲート絶縁膜106の薄膜化がさらに実現し易くなる。
また、このように低温化プロセスを用いることにより、ソース・ドレイン拡散層108の深さの拡張を防ぐことができるため、ショートチャネル効果を抑制したトランジスタ構造を実現することができる。
また、低温化プロセスにより形成可能なシリサイド膜110をソース・ドレイン拡散層108上に形成することにより、コンタクト抵抗が低減でき、ソース・ドレイン拡散層108の寄生抵抗の小さなMOSトランジスタが実現できる。
また、ゲート絶縁膜106の形成にラジカル酸化法を用いているので、ゲート絶縁膜106の10年信頼性を保証できる最大電界(Emax)が通常の熱酸化膜に比べて大きくなるのでゲート絶縁膜106の膜厚を通常の熱酸化膜に比べて更に薄くできる。また、表面の凸凹が少ない酸化膜が実現できるので、チャネル不純物の低濃度化との組み合わせでチャネル界面散乱及び不純物散乱によるチャネル・モビリティの低下の少ないMOSトランジスタチャネルを実現できる。また、ラジカル酸化は酸化膜の膜厚がある温度では一定の膜厚のみ形成されるので、酸化膜のウェーハ面内及びチップ間での酸化膜の膜厚ばらつきが少なくできる。
また、エピタキシャルSi層103を形成してからSTIを行う製造方法なので、エピタキシャルSi層103が素子分離(STI)の上に張り出して形成されないので、チャネル幅方向のリーク電流の増加を抑制できる。また、以上に示した工程は、従来の平面型のトランジスタ製造工程を踏襲できるので、工程/構造を複雑にすることなくトランジスタ性能を向上させる事ができる。
(第2実施形態)
図10は本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す横断面図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図のみを図10に示す。
第1実施形態では、ゲート電極としてn型又はp型に不純物がドープされた多結晶Si膜をゲート電極107に用いた例を説明したが、本実施形態では、ゲート電極構造としてゲート電極107の配線抵抗を低減するため、ゲート電極107の表面にシリサイド膜131を選択形成する構造に関する。なお、他の構成は第1実施形態と重複するため同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
このシリサイド膜131は、ソース・ドレイン拡散層108上に形成されたシリサイド膜110と同時に形成することができる。すなわち、ソース・ドレイン拡散層108表面を露出させる際に、同時にゲート電極107の多結晶Si層表面も露出させておけば良い。シリサイド膜131の材料としては、第1実施形態で記述したように、TiSi2,CoSi2,PtSi,Pd2Si,IrSi3,RhSi等からなる膜を用いる。また、シリサイド膜131の形成には低温工程(<700℃)で形成する。なお、他の工程は第1実施形態と同じである。
このように、ゲート電極構造としてゲート電極107の表面にシリサイド膜131を選択形成することにより、ゲート電極構造の配線抵抗を低減することができる。
(第3実施形態)
図11は本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図を(a)に、チャネル幅方向で切断した断面図(図1におけるB−B’断面図に対応する図)を(b)に示す。
本実施形態では、ソース・ドレイン拡散層108の底部の大部分とパンチスルー・ストッパ層102の間に距離dを設ける構造に関する。例えば距離dは0.01μm程度である。この構造を実現するには例えばシリコン基板101に第1のパンチスルー・ストッパ層141(第1実施形態のパンチスルー・ストッパ層102に対応)のピーク不純物濃度位置(Rp)を第1実施形態の場合に比べて0.01μm程度下方に形成する事で対応できる。
また、第1のパンチスルー・ストッパ層141のピーク不純物濃度位置(Rp)を第1実施形態のパンチスルー・ストッパ層102よりも下方に形成したことによりショートチャネル効果を抑制する能力が低下した場合には、図11に示すように第2のパンチスルー・ストッパ層142をゲート電極107の直下のチャネル領域に選択的に形成する事で対応しても良い。
本実施形態に係る半導体装置の製造工程は第1実施形態と共通するが、本実施形態では、第1のパンチスルー・ストッパ層141の形成の直前又は直後に、第2のパンチスルー・ストッパ層142の形成を行う点が異なる。この第2のパンチスルー・ストッパ層142は、シリコン基板101表面にレジスト膜(図示せず)をマスクにして選択的に所望の領域にイオン注入することにより形成される。あるいは、エピタキシャルSi層を形成した後にレジスト膜マスクのイオン注入法で形成しても良い。
いずれにしても、チャネル領域のエピタキシャルSi層103表面が5×1016cm-3以下程度の低濃度領域となり、ショートチャネル効果を低減できるようにチャネル領域の直下に高濃度のパンチスルー・ストッパ層142が形成される構造となっていればよい。
このようにソース・ドレイン拡散層108の底部の大部分とパンチスルー・ストッパ層141の間に距離dを設ける構造とする理由について以下説明する。
第1実施形態では、トランジスタのチャネル領域はエピタキシャルSi層103で形成され、シリコン基板101に形成したパンチスルー・ストッパ層102からエピタキシャルSi層103に後の熱工程により高濃度不純物がわずかに再拡散するように設計されている。
しかし、シリコン基板101中の高濃度パンチスルー・ストッパ層102と高濃度ソース・ドレイン拡散層108がソース・ドレイン拡散層108の底部で接触している構造となっていた。このような構造では高濃度pn接合が形成され、接合リーク電流が増加することもそれぞれの濃度関係から考えられ、デバイスによっては使用できない事も予想される。
そこで本実施形態のようにソース・ドレイン拡散層108と第1のパンチスルー・ストッパ層141の間に距離dを設ける構造とすることにより、高濃度不純物の再拡散も起こりにくく、またpn接合の形成が防止でき、接合リーク電流の低減を図ることができる。また、第2のパンチスルー・ストッパ層142がゲート電極107の下部の低濃度チャネル領域の下部に形成されるため、ショートチャネル効果も抑制できる。
また、第2のパンチスルー・ストッパ層142を設けることなくショートチャネル効果を抑制できる場合であれば、第2のパンチスルー・ストッパ層142を省略することもできる。この場合のA−A’断面図は図12に示すようになる。ソース・ドレイン拡散層108と第1のパンチスルー・ストッパ層141の間の距離d2は0.01μmから0.005μm程度に設定することができる。
このような構造でも、ソース・ドレイン拡散層108と第1のパンチスルー・ストッパ層141の高濃度pn接合面積を低減できるため、ソース・ドレイン接合リーク電流を低減できる。
(第4実施形態)
図13は本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図を図13に示す。
第1実施形態では通常の多結晶Siをゲート電極107に用いる例を説明し、第2実施形態ではゲート電極107の配線抵抗を下げるため、多結晶Siのゲート電極107にシリサイド膜131を形成する例を説明した。本実施形態では、ゲート電極107の配線抵抗を低下させるためにゲート電極構造を変更する構造に関する。
図13に示すように、n型又はp型の不純物をドープした多結晶Si層(例えば膜厚は75nm程度)151の上にシリサイド膜152を例えば75nmの膜厚形成し、その上にさらに例えばSiN膜153を例えば20nm形成する。
次に、レジスト膜(図示せず)とRIE法を用いてSiN膜153をパターニングし、次いでこのSiN膜153を用いて下層のシリサイド膜152、多結晶Si膜151をパターニングして積層ゲート電極構造を実現する。
シリサイド膜152の種類はソース・ドレイン拡散層108上のシリサイド膜110と同じでも異なってもよい。シリサイドとしては例えばTiSi2,WSi2等が望ましい。また、シリサイド膜152の代わりにメタル膜を用いることもできる。この場合、152は例えばW(タングステン)膜やWN(タングステンナイトライド)膜を多結晶Si層151との界面に薄く(3nm程度)形成したW/WN積層膜でもよい。
さらにゲート絶縁膜106の界面にある多結晶Si層151を省略してAl膜/TiN膜,W膜/TiN膜,Ru膜/TiN膜等のようにメタル膜を直接ゲート絶縁膜106上に形成してもよい。ラジカル酸化で形成した酸化膜は緻密で良質の膜のため、ゲート絶縁膜106にメタル膜を直接接触させて形成しても、メタル材料のゲート絶縁膜106中への拡散等は低減することができる。このような構造により、ゲート電極の配線抵抗を低減することができる。
(第5実施形態)
図14及び図15は本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図を図14及び図15に示す。
図14に示すように、本実施形態では選択エピタキシャルSi成長法により、ソース・ドレイン拡散層108の上に例えば20nm程度の膜厚の薄いエピタキシャルSi層161が形成される。ソース・ドレイン拡散層108は、第1実施形態における拡散層108aのみからなり、拡散層108bは形成されない。
上記実施形態に係る半導体装置の製造方法を以下説明する。
まず、第1実施形態の図2〜図6と同様に、ゲート電極107をマスクにエピタキシャルSi層103内にソース・ドレイン拡散層108aを形成する。次に、図14に示すように、n-型のソース・ドレイン拡散層108を形成してからエピタキシャルSi層161をソース・ドレイン拡散層108の上部に形成し、このエピタキシャルSi層161にn+型の不純物ドーピングを行う。
なお、ソース・ドレイン拡散層108上にエピタキシャルSi層161を形成してからソース・ドレイン拡散層108のイオン注入を行ってもよいし、またエピタキシャルSi層161に高濃度不純物をドープしてそのSi層161からソース・ドレイン拡散層108を再拡散法により形成してもよい。また、本実施形態の場合、第1実施形態と同様にソース・ドレイン拡散層108とパンチスルー・ストッパ層102が重なってもよいし、また図14のように離れていてもよい。また、図15のように第2のパンチスルー・ストッパ層142を用いた2重パンチスルー・ストッパ構造でもよい。
本実施形態の構造では、選択エピタキシャルSi層161の形成時には、例えばエピタキシャルSi層161表面の自然酸化膜を除去するための前処理等の熱工程を水素ラジカル雰囲気を用いることにより700℃程度まで低温化でき、またSiエピタキシャル成長そのものも700℃程度まで低温化できるので、パンチスルー・ストッパ層102やソース・ドレイン拡散層108の不純物の再拡散等に与える熱的な影響を抑制することができる。また、ゲート絶縁膜106に高誘電体膜やゲート電極107にメタルを用いた場合にも熱的な影響を抑制することができる。
本実施形態のようにエピタキシャルSi層161を形成する理由を以下説明する。
ソース・ドレイン拡散層108の深さは、できるだけ浅くすることがトランジスタのショートチャネル効果を抑制するのに有効であるが、極端に浅い、例えばXj=0.001μm程度の接合深さではソース・ドレインの拡散抵抗が大きくなってしまうという問題がある。また、極端に浅いソース・ドレイン拡散層108では、ソース・ドレイン拡散層108の上に自己整合的に形成するシリサイド膜110の形成が困難になったりする。
そこで、本実施形態のようにソース・ドレイン拡散層108に低温で選択エピタキシャルSi層161を自己整合的に形成することにより、ソース・ドレイン拡散層108の寄生抵抗の低減が実現できる。
なお、第1〜第4実施形態と同様に、ソース・ドレイン拡散層108aに加えてn+型のソース・ドレイン層108bを形成してもよい。
(第6実施形態)
図16は本発明の第6実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図を図16に示す。
第3実施形態では、ソース・ドレイン拡散層108とパンチスルー・ストッパ層を離す例として、第1及び第2のパンチスルー・ストッパ層141,142を用いる方法であり、第2のパンチスルー・ストッパ層142を用いてショートチャネル効果を抑制することで、第2のパンチスルー・ストッパ層142がソース・ドレイン拡散層と大面積で接するのを防ぐ方法に関する。
本実施形態では、第3実施形態で用いた第1のパンチスルー・ストッパ層141を省略し、第2のパンチスルー・ストッパ層142のみでパンチスルー・ストッパ層が構成される。また、第1のパンチスルー・ストッパ層の代わりにpウェル層171がソース・ドレイン拡散層108と距離d3をおいて形成される。
このような構造にすると、ソース・ドレイン拡散層108とシリコン基板101間のリーク電流を低減できること、エピタキシャルSi層103の形成前に形成される第2のパンチスルー・ストッパ層142の面積を低減できるのでアンドープのエピタキシャルSi層103を安定して形成できる。
(第7実施形態)
図17は本発明の第7実施形態に係る半導体装置の製造工程途中における全体構成を示す図である。本実施形態の半導体装置の製造工程は図2〜図8とほぼ同じでありその詳細な説明は省略し、図7のA−A’断面図に対応する図を図17に示す。
本実施形態に係る半導体装置は、第1及び第2のパンチスルー・ストッパ層141,142によりパンチスルーを抑制する構造とする点では第3実施形態と同様であるが、両ストッパ層141,142ともにトランジスタ形成領域に任意の形状に選択的に形成する点が異なる。すなわち、第1と第2のパンチスルー・ストッパ層141,142をシリコン基板101の表面近傍とその表面に形成する。具体的には、第1のパンチスルー・ストッパ層141は第2のパンチスルー・ストッパ層142より深い領域にやや大きな面積を持ち、ソース・ドレイン拡散層108と距離d4をもって形成される。
このように、パンチスルー・ストッパとして2つのパンチスルー・ストッパ層141と142で構成することにより、ソース・ドレイン拡散層108とシリコン基板101の高濃度不純物層間の距離をパンチスルーを抑制しながら任意に設定できるので、リーク電流を低減できることと、エピタキシャルSi層103の形成前にシリコン基板101中に形成する高濃度不純物層の面積を低減できるので、アンドープのエピタキシャルSi層103を安定して形成できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本実施形態では全てnチャネルトランジスタの場合について説明したが、n型・p型の導電型を入れ替えることにより、pチャネルトランジスタにも同じように適用できる事は明らかである。また、nチャネルとpチャネルを同一のチップ内に形成する、いわゆるCMOSとして構成し、同じような特長を持った素子として動作させることもできる。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図及び断面図。 同実施形態に係るソース・ドレイン拡散層深さのRTA温度依存性を示す図。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 本発明の第3実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 同実施形態の変形例に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 本発明の第4実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 本発明の第5実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 同実施形態の変形例に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 本発明の第6実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 本発明の第7実施形態に係る半導体装置の全体構成を示す断面図。 従来の半導体装置の問題点を説明するための図。
符号の説明
101…p型シリコン基板、102…パンチスルー・ストッパ層、103,161…エピタキシャルSi層、104,121…酸化膜、105…絶縁膜、106…ゲート絶縁膜、107…ゲート電極、108…ソース・ドレイン拡散層、109…側壁膜、110,131…シリサイド膜、111…層間絶縁膜、112…コンタクトプラグ、113…配線、122…バッファ酸化膜、123…シリコン窒化膜、124…溝、125…コンタクトホール、141…第1のパンチスルー・ストッパ層、142…第2のパンチスルー・ストッパ層

Claims (26)

  1. 第1導電型の半導体基板の主平面上に形成された第1導電型の単結晶半導体層と、少なくとも前記単結晶半導体層に互いに離間して形成された第2導電型のソース領域及びドレイン領域と、このソース領域とドレイン領域との間に形成された第1導電型のチャネル領域と、このチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを含むトランジスタ構造を有し、このトランジスタ構造同士は互いに素子分離領域を挟んで形成されている半導体装置であって、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、第1導電型のパンチスルー・ストッパ層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記パンチスルー・ストッパ層よりも不純物濃度が低く、かつ前記ソース領域及びドレイン領域は素子分離領域上には延在せず、
    前記パンチスルー・ストッパ層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 第1導電型の半導体基板の主平面上に形成された第1導電型のエピタキシャル半導体層と、少なくとも前記エピタキシャル半導体層に互いに離間して形成された第2導電型のソース領域及びドレイン領域と、このソース領域とドレイン領域との間に形成された第1導電型のチャネル領域と、このチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを含むトランジスタ構造を有し、このトランジスタ構造同士は互いに素子分離領域を挟んで形成されている半導体装置であって、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、第1導電型のパンチスルー・ストッパ層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面における前記チャネル領域は前記パンチスルー・ストッパ層よりも不純物濃度が低く、かつ前記ソース領域及びドレイン領域は素子分離領域上には延在せず、
    前記パンチスルー・ストッパ層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 前記ソース領域及びドレイン領域上にはシリサイド膜が形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲート電極は、不純物がドープされた多結晶Si膜と、この多結晶Si膜上に形成されたメタル膜又はシリサイド膜の積層構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  5. 第1導電型の半導体基板の少なくとも一部に第1導電型の高濃度不純物層を形成する工程と、前記半導体基板の主平面上にエピタキシャル成長により第1導電型の半導体層を形成する工程と、前記半導体層及び前記半導体基板を選択的に除去して溝を形成し、該溝に素子分離絶縁膜を埋め込み形成する工程と、前記半導体層上に選択的にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマスクに第2導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを含み、前記高濃度不純物層の形成後の工程は、700℃以下の条件で行い、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記ゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、前記高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記溝を形成した後前記素子分離絶縁膜を埋め込み形成する前に、該溝平面を覆うように700℃以下の条件でラジカル酸化を用いて酸化膜を形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 第1導電型の半導体基板の少なくとも一部に第1導電型の高濃度不純物層を形成し、
    前記半導体基板の主平面上にエピタキシャル成長により前記高濃度不純物層に接して第1導電型のエピタキシャルSi層を形成し、
    前記エピタキシャルSi層及び前記半導体基板を選択的に除去して溝を形成し、該溝に素子分離絶縁膜を埋め込み形成し、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に、第2導電型のソース領域及びこのソース領域と前記エピタキシャルSi層を挟んだ領域に第2導電型のドレイン領域を形成し、
    前記半導体基板の主表面に対する前記ソース領域及び前記ドレイン領域の下面の少なくとも一部の高さは、前記半導体基板の主表面に対する前記エピタキシャルSi層の下面と前記高濃度不純物層の上面との境界面の高さよりも深く形成されており、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記チャネル領域上のゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、前記高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 第1導電型の半導体基板の少なくとも一部に第1導電型の高濃度不純物層を形成し、
    前記半導体基板の主平面上にエピタキシャル成長により前記高濃度不純物層に接して第1導電型のエピタキシャル層Si層を形成し、
    前記エピタキシャルSi層及び前記半導体基板を選択的に除去して溝を形成し、該溝に素子分離絶縁膜を埋め込み形成し、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に、第2導電型のソース領域及びこのソース領域と前記エピタキシャルSi層を挟んだ領域に第2導電型のドレイン領域を形成し、
    前記ソース領域は第1のソース領域と、前記半導体基板の主表面に対する第1のドレイン領域の下面の高さよりも下面が浅い第2のソース領域を有し、
    前記ドレイン領域は第1のドレイン領域と、前記半導体基板の主表面に対する第1のドレイン領域の下面の高さよりも下面が浅い第2のドレイン領域を有し、
    前記半導体基板の主平面に対する第1のソース領域及び第1のドレイン領域の下面の高さが前記半導体基板の主表面に対する前記エピタキシャルSi層の下面と前記高濃度不純物層の上面との境界面の高さよりも深く、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記チャネル領域上のゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、前記高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記高濃度不純物層を形成した後は、700℃以下の条件で行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ソース及びドレイン領域を形成した後に、ソース及びドレイン領域に貫通するコンタクトを形成し、
    さらに前記高濃度不純物層を形成した後であって前記コンタクトを形成するまでの工程は、700℃以下の条件で行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記高濃度不純物層を形成した後の工程を700℃以下の条件で行い、この700℃以下の条件で行う工程には酸化膜を形成する工程を含み、この酸化膜を形成する工程の少なくとも一部にラジカル酸化を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記高濃度不純物層を形成した後の工程を700℃以下の条件で行い、この700℃以下の条件で行う工程には不純物を注入するイオン注入工程を含み、このイオン注入工程の少なくとも一部にクライオイオン注入法を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記高濃度不純物層を形成した後の工程を700℃以下の条件で行い、この700℃以下の条件で行う工程にはチャネル領域に不純物を注入するイオン注入工程を含み、このイオン注入工程は、クライオイオン注入法を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  14. さらに、前記ソース領域及びドレイン領域にシリサイド膜を形成することを特徴とする特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  15. さらに、前記ソース領域及びドレイン領域表面にシリサイド膜を形成し、前記シリサイド膜は、Pd2Siであることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  16. さらに、
    ゲート電極を形成し、
    このゲート電極表面にシリサイド膜を形成することを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  17. さらに、
    ゲート電極を形成し、このゲート電極表面にシリサイド膜を形成し、このシリサイド膜は、Pd2Siであることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記高濃度不純物層は、イオン注入により形成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記イオン注入の後に700℃以上の温度で加熱処理を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の少なくとも一部に形成された第1導電型の高濃度不純物層と、
    前記半導体基板の主平面上に、前記高濃度不純物層に接して形成された第1導電型のエピタキシャルSi層と、
    前記エピタキシャルSi層から前記半導体基板の所定の高さまで選択的に形成された溝部と、
    前記溝部に形成された素子分離絶縁膜と、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に形成された第2導電型のソース領域と、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に形成され、前記ソース領域と前記エピタキシャルSi層を挟んだ領域に形成された第2導電型のドレイン領域とを具備し、
    前記半導体基板の主表面に対する前記ソース領域及び前記ドレイン領域の下面の高さの少なくとも一部は、前記半導体基板の主表面に対する前記エピタキシャルSi層の下面と前記高濃度不純物層の上面との境界面の高さよりも深く、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記チャネル領域上のゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、前記高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置。
  21. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体の少なくとも一部に形成された第1導電型の高濃度不純物層と、
    前記半導体基板の主平面上に、前記高濃度不純物層に接して形成された第1導電型のエピタキシャルSi層と、
    前記エピタキシャルSi層から前記半導体基板の所定の高さまで選択的に形成された溝部と、
    前記溝部に形成された素子分離絶縁膜と、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に形成され、第1及び第2のソース領域を有する第2導電型のソース領域と、
    前記素子分離絶縁膜の形成されていない領域に形成され、前記ソース領域と前記エピタキシャルSi層を挟んだ領域に形成され、第1及び第2のドレイン領域を有する第2導電型のドレイン領域とを具備し、
    前記半導体基板の主表面に対する第1のソース領域の下面の高さは、前記半導体基板の主表面に対する第2のソース領域の下面の高さよりも深く、
    前記半導体基板の主表面に対する第1のドレイン領域の下面の高さは、前記半導体基板の主表面に対する第2のドレイン領域の下面の高さよりも深く、
    前記半導体基板の主表面に対する第1のソース領域及び第1のドレイン領域の下面の高さが前記半導体基板の主表面に対する前記エピタキシャルSi層の下面と前記高濃度不純物層の上面との境界面の高さよりも深く、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の下に、前記高濃度不純物層を形成し、前記チャネル領域上のゲート絶縁膜との界面近傍における前記チャネル領域は前記高濃度不純物層よりも不純物濃度が低く、前記高濃度不純物層は、第1の高濃度不純物層と第2の高濃度不純物層から構成され、前記第1の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と隔離されて形成され、前記第2の高濃度不純物層は前記ソース領域及び前記ドレイン領域と一部重なりかつ少なくとも前記チャネル領域の下部に選択的に形成され、前記第1の高濃度不純物層と前記第2の高濃度不純物層とは接している
    ことを特徴とする半導体装置。
  22. 前記エピタキシャルSi層、ソース及びドレイン領域上に形成された層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に形成され、前記ソース及びドレイン領域に貫通するコンタクトとをさらに備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置。
  23. 前記ソース領域及びドレイン領域表面に形成されたシリサイド膜をさらに備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置。
  24. 前記ソース領域及びドレイン領域表面に形成され、Pd2Siからなるシリサイド膜をさらに備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置。
  25. 前記エピタキシャルSi層上に選択的に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    このゲート電極表面に形成されたシリサイド膜と
    をさらに備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置。
  26. 前記エピタキシャルSi層上に選択的に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    このゲート電極表面に形成され、Pd2Siからなるシリサイド膜と
    をさらに備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の半導体装置。
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