JP2007183118A - 放射線モニタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線を検出して電離電流を出力する放射線検出器1、前記電離電流を入力して電荷として蓄積する充電動作と前記蓄積した電荷を放電する放電動作とを繰り返すとともに前記電離電流により蓄積される電荷について所定の電荷蓄積量毎に計数用信号を生成する積分器21およびコンパレータ22ならびに電磁リレー23からなる信号生成手段を備え、前記信号生成手段により生成された計数用信号を計数した計数値と前記放電動作による欠測時間を除いて求めた実測定時間に基づき放射線量を演算して出力し表示部4に表示する測定部3を設けた。
【選択図】図1
Description
放射線レベルをワイドレンジにわたり高精度で測定するために、微小電流領域では、測定誤差の主要因である充電時の電流リークに配慮して電荷積分コンデンサを放電するスイッチに高絶縁のリレー接点を使用し、高電流領域では、測定誤差の主要因であるスイッチの動作時間により発生する欠測時間に配慮して高速で動作する半導体スイッチを使用し、リレー接点と半導体スイッチを並列または直列に接続し、周波数に応じてスイッチを切り換える技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような半導体スイッチを用いなくても前述した測定誤差の解消ができれば、高電流領域での測定誤差の問題と微小電流領域での測定誤差の問題の解決を併せて行うことが可能となる。
この発明による実施の形態1を図1から図3までに基づいて説明する。図1は実施の形態1における放射線モニタの構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1におけるエレクトロメータの動作を説明する線図である。図3は実施の形態1における測定部の演算手順を示すフローチャートである。
エレクトロメータ2は、積分器21とコンパレータ22と電磁リレー23から構成され、積分器21は演算増幅器211と電荷積分コンデンサ212から構成され、電磁リレー23は電磁コイル231と接点232で構成される。
コンパレータ22は、演算増幅器211の出力電圧Vが動作電圧Vsに到達したら短時間反転してワンショットパルスPs(図2のb)を出力する。このワンショットパルスPsで電磁リレー23の電磁コイル231が動作し、接点232が閉時間t1だけ開から閉に反転し(図2のc)、電荷積分コンデンサ212に蓄積された電荷を放電させて再び充電させる。したがって、コンパレータ22から出力されるワンショットパルスPsの周波数は、積分器21に入力される電離電流に比例する。
電荷積分コンデンサ212が充放電を繰り返すため、演算増幅器211の出力電圧Vは繰り返し鋸波形となる。電荷積分コンデンサ212の充電が進み過ぎると演算増幅器211の出力電圧は飽和し、電離電流入力と出力電圧の直線性が失われるため、直線性が保たれる範囲内で電荷積分コンデンサ212の放電を行うように、コンパレータ22の動作電圧Vsが設定される。
接点232は、高絶縁でリーク電流が少ないという長所がある反面、動作時間が比較的長いという欠点がある。閉時間t1は放電時間t2より長くなり、閉時間t1だけ欠測が生じる。
この発明による実施の形態2を図4および図5について説明する。図4は実施の形態2における放射線モニタの構成を示すブロック図である。図5は実施の形態2におけるエレクトロメータの動作を説明する線図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成は、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態2におけるエレクトロメータ2の動作を説明する図5において、多段波高弁別器24は、複数の個別弁別レベルL1,L2,L3,L4,L5…Lnを有し(図5のa)、演算増幅器21の出力が電荷蓄積を開始する電圧レベルL0から等間隔で順番に設けられた複数の個別弁別レベルL1,L2,L3,L4,L5…Lnに順次到達する毎にワンショットパルスPsを出力し(図5のb)、最後の個別弁別レベルLnに到達したらワンショットパルスPsを出力するとともに電荷積分コンデンサ22に蓄積した電荷を放電して再び電荷を蓄積する動作を繰り返す(図5のc)。
そして、ワンショットパルスPsの計数値Nと測定時間Tとによって計数率を求め、放射能濃度または線量率Rを出力する。
例えば、電離箱から出力される電離電流が10−14Aで、電荷積分コンデンサ212の容量が10pFで、多段波高弁別器24の放電弁別電圧が1Vの場合、電磁リレー23の接点232の閉時間t1がワンショットパルスPsの周期tfに対して無視できる程度に小さい場合、
1パルス当たりの蓄積電荷量=コンデンサ容量×放電弁別電圧
=10×10−12F×1V=1×10−11クーロン
出力パルス周波数=電離電流÷1パルス当たりの蓄積電荷量
=10−14A÷1×10−11クーロン=0.001s−1
となり、測定時間10000秒で得られる計数は10カウントで、この時の分解能は10%である。個別弁別電圧レベルL1,L2,L3,L4,L5…Lnを例えば10mVの間隔で設けることにより、100秒の測定時間で上記と同等の分解能が得られる。また、測定時間を10000秒とすると、分解能は0.1%になる。
すなわち、多段波高弁別器24における個別弁別電圧レベルL1,L2,L3,L4,L5…Lnで生成されるワンショットパルスPsの計数値Nにより放射線量に相当する計数率nを求める場合、計数値Nと測定時間Tから欠測時間t1を除いた実測定時間Trとによって計数率nを求め、計数率n=N÷Trとすることで、欠測時間t1の影響を排除し、放射線量に相当する計数率nを正確に求めることができる。なお、この時のTrは、Tr=T−N÷(個別弁別レベルの段数)×t1となる。
この発明による実施の形態3を図6および図7について説明する。図6は実施の形態3における放射線モニタの構成を示すブロック図である。図7は実施の形態3における放射線モニタの切換動作を説明するための線図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成は、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
測定部3は、コンパレータ22から出力されるワンショットパルスPsと多段波高弁別器24からそれぞれ出力されるワンショットパルスPsについて、その両方を入力し、それぞれのワンショットパルスPsを測定して計数率nを求め、電離電流が増加してコンパレータ22の出力に基づく計数率nが所定の値R1を超えたら、その後に続く演算に用いる計数率nを、コンパレータ24の出力に基づく計数率からコンパレータ22の出力に基づく計数率nに切り換える。
図7はこの切換動作を説明する線図である。多段波高弁別器24の出力に基づく計数率nによる出力増加時の出力特性が特性線AUで示され、計数率nが所定の値R1を超えると、特性線BUに示されるコンパレータ22の出力に基づく出力特性となる。
電離電流の増加で計数率の切り換えを行った後、電離電流が低下し、コンパレータ22の出力に基づく計数率nから多段波高弁別器24の出力に基づく計数率nに復帰させるときは、特性線BDに示されるコンパレータ22の出力に基づく出力特性が前記所定値R1よりも小さな所定値R2で切換えられ、特性線ADに示される多段波高弁別器24の出力に基づく出力特性となる。
このように、ヒステリシス効果を持たせて前記切換値R1よりも低い所定の値R2で切り換えを行うことにより、切換動作時におけるハンチング動作を確実に防ぐことができる。
上記切換値R1と切換値R2は、多段波高弁別器24の出力のワンショットパルスPsの周波数が増加し、パルス同士がつながって見かけ上の計数率が低下する窒息現象の影響が現れない数値領域で選定される。
すなわち、多段波高弁別器24における個別弁別電圧レベルL1,L2,L3,L4,L5…Lnで生成されるワンショットパルスPsの計数値Nにより放射線量に相当する計数率nを求める場合、計数値Nと測定時間Tから欠測時間t1を除いた実測定時間Trとによって計数率nを求め、計数率n=N÷Trとすることで、欠測時間t1の影響を排除し、放射線量に相当する計数率nを正確に求めることができる。
また、コンパレータ22から出力されるワンショットパルスPsの計数値Nにより放射線量に相当する計数率nを求める場合、計数値Nと測定時間Tから欠測時間N×t1を除いた実測定時間Trとによって計数率nを求め、計数率n=N÷Trとすることで、欠測時間t1の影響を排除し、放射線量に相当する計数率nを正確に求めることができる。
Claims (5)
- 放射線を検出して電離電流を出力する放射線検出手段、前記電離電流を入力して電荷として蓄積する動作と前記蓄積した電荷を放電する動作とを繰り返すとともに前記電離電流による電荷を積分し所定の積分量毎に計数用信号を生成する信号生成手段を備え、前記信号生成手段により生成された計数用信号を計数した計数値と前記放電動作による欠測時間を除いて求めた実測定時間に基づき放射線量を演算して出力する放射線量出力手段を設けたことを特徴とする放射線モニタ。
- 放射線を検出して電離電流を出力する放射線検出手段、前記電離電流を入力して電荷として蓄積し前記電荷の積分値に応じた電圧の所定値への到達に応じて計数用信号を生成するとともに前記蓄積した電荷を放電して再び電荷を蓄積する動作を繰り返す信号生成手段を備え、前記計数用信号を計数した計数値と前記計数用信号毎の各欠測時間を集計した欠測時間を除いて求めた実測定時間とに基づき放射線量を演算して出力する放射線量出力手段を設けたことを特徴とする放射線モニタ。
- 放射線を検出して電離電流を出力する放射線検出手段、前記電離電流を入力して電荷として蓄積し、前記電荷の積分値に対応した電圧値が、電荷蓄積開始の電圧レベルから等間隔で順番に設けられた複数の弁別レベルに順次到達する毎に計数用信号を出力し、最後の弁別レベルへの到達に応じて計数用信号を出力するとともに、前記蓄積した電荷を放電して再び電荷を蓄積する動作を繰り返す信号生成手段を備え、前記計数用信号を計数した計数値に基づき放射線量を演算して出力する放射線量出力手段を設けたことを特徴とする放射線モニタ。
- 放射線を検出して電離電流を出力する放射線検出手段、前記電離電流を入力して電荷として蓄積し、前記電荷の積分値に対応した電圧値が、電荷蓄積開始の電圧レベルから等間隔で順番に設けられた複数の弁別レベルに順次到達する毎に計数用信号を生成する第1の信号生成手段、前記電荷の積分値に応じた電圧値が、前記第1の信号生成手段の最後の弁別レベルへの到達に応じて計数用信号を生成するとともに前記蓄積した電荷を放電して再び電荷を蓄積する動作を繰り返す第2の信号生成手段を備え、前記第1および第2の信号生成手段により生成された前記計数用信号をそれぞれ計数して、それらの計数値に基づき放射線量をそれぞれ演算し、前記第1および第2の信号生成手段により生成された前記計数用信号の計数値により演算された各々の放射線量を比較して所定の切換基準に基づき前記第1および第2の信号生成手段による放射線量測定結果を切り換えて出力する放射線量出力手段を設けたことを特徴とする放射線モニタ。
- 前記放射線量出力手段は、前記信号生成手段により生成された計数用信号を計数した計数値と前記放電動作による欠測時間を除いて求めた実測定時間に基づき放射線量を演算するようにしたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の放射線モニタ。
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