JP2002365317A - 電離箱用エレクトロメータ回路 - Google Patents
電離箱用エレクトロメータ回路Info
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- JP2002365317A JP2002365317A JP2001176033A JP2001176033A JP2002365317A JP 2002365317 A JP2002365317 A JP 2002365317A JP 2001176033 A JP2001176033 A JP 2001176033A JP 2001176033 A JP2001176033 A JP 2001176033A JP 2002365317 A JP2002365317 A JP 2002365317A
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- ionization chamber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 入力電流を積分して電圧出力する電離箱用エ
レクトロメータ回路において、蓄積電荷の放電経路に起
因した測定精度の低下を防止する。 【解決手段】 電離箱検出器20からの電流で充電され
た積分器24を放電する経路として、接点式の電磁リレ
ー26からなる第1放電経路と、電磁リレー28及びト
ランジスタスイッチ30の直列接続からなる第2放電経
路とを並列に設ける。第1放電経路はリーク電流を生じ
ない特性を有し、第2放電経路は半導体の高速な電子的
動作により、不感時間となる放電期間を無視し得る。充
電時間が長くリーク電流の影響が大きくなり得る低線量
率では、電磁リレー28をオフして、電磁リレー26の
動作により充放電を切り換える。一方、充電期間が短く
不感時間が短いスイッチの使用が適する高線量率では、
電磁リレー26をオフ、電磁リレー28をオンして、ト
ランジスタスイッチ30の動作により充放電を切り換え
る。
レクトロメータ回路において、蓄積電荷の放電経路に起
因した測定精度の低下を防止する。 【解決手段】 電離箱検出器20からの電流で充電され
た積分器24を放電する経路として、接点式の電磁リレ
ー26からなる第1放電経路と、電磁リレー28及びト
ランジスタスイッチ30の直列接続からなる第2放電経
路とを並列に設ける。第1放電経路はリーク電流を生じ
ない特性を有し、第2放電経路は半導体の高速な電子的
動作により、不感時間となる放電期間を無視し得る。充
電時間が長くリーク電流の影響が大きくなり得る低線量
率では、電磁リレー28をオフして、電磁リレー26の
動作により充放電を切り換える。一方、充電期間が短く
不感時間が短いスイッチの使用が適する高線量率では、
電磁リレー26をオフ、電磁リレー28をオンして、ト
ランジスタスイッチ30の動作により充放電を切り換え
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電離箱からの電流
信号を電圧信号に変換する電離箱用エレクトロメータ回
路に関し、低線量時から高線量時までの広範囲にわたる
計測精度の向上に関する。
信号を電圧信号に変換する電離箱用エレクトロメータ回
路に関し、低線量時から高線量時までの広範囲にわたる
計測精度の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線計測器の一つに電離箱がある。電
離箱は、放射線の電離作用により生成された気体のイオ
ンの量に基づいて、入射放射線の量を計測する。電離箱
内に封入された気体中に生じたイオンは電圧を印加され
た電極に収集され、それにより生じる電流からイオンの
量、ひいては入射放射線の量が計測される。
離箱は、放射線の電離作用により生成された気体のイオ
ンの量に基づいて、入射放射線の量を計測する。電離箱
内に封入された気体中に生じたイオンは電圧を印加され
た電極に収集され、それにより生じる電流からイオンの
量、ひいては入射放射線の量が計測される。
【0003】電離箱は、二次的な電離作用による電流増
幅を利用しないので、得られるイオン電流は非常に小さ
い。この微小電流を測定するためにエレクトロメータが
用いられる。
幅を利用しないので、得られるイオン電流は非常に小さ
い。この微小電流を測定するためにエレクトロメータが
用いられる。
【0004】図4は、従来の電離箱用エレクトロメータ
回路を示す回路構成図である。電離箱検出器2からエレ
クトロメータ回路3に入力された電流は積分器4にて蓄
積され、積分器4はその電流の積分値に応じた電圧を出
力する。図に示す積分器4は、演算増幅器6のフィード
バック回路にコンデンサ8を配置したものである。積分
器4への入力電流はコンデンサ8を充電し、コンデンサ
8の端子間電圧に応じた出力電圧が得られる。
回路を示す回路構成図である。電離箱検出器2からエレ
クトロメータ回路3に入力された電流は積分器4にて蓄
積され、積分器4はその電流の積分値に応じた電圧を出
力する。図に示す積分器4は、演算増幅器6のフィード
バック回路にコンデンサ8を配置したものである。積分
器4への入力電流はコンデンサ8を充電し、コンデンサ
8の端子間電圧に応じた出力電圧が得られる。
【0005】ここで充電が進むと、コンデンサ8は飽和
し、入力電流と出力電圧との間の線形性が失われる。そ
こで、スイッチ10でコンデンサ8を適時、放電させて
リセットし、積分器4の出力の線形性が保たれる範囲内
で積分が行われるように動作される。すなわち、スイッ
チ10をオン状態にするとコンデンサ8は一旦、放電さ
れ、スイッチ10をオフ状態とすると改めてコンデンサ
8の充電が開始される。
し、入力電流と出力電圧との間の線形性が失われる。そ
こで、スイッチ10でコンデンサ8を適時、放電させて
リセットし、積分器4の出力の線形性が保たれる範囲内
で積分が行われるように動作される。すなわち、スイッ
チ10をオン状態にするとコンデンサ8は一旦、放電さ
れ、スイッチ10をオフ状態とすると改めてコンデンサ
8の充電が開始される。
【0006】この積分器の充放電制御用のスイッチ10
には、メカニカルなリレーやトランジスタスイッチが用
いられる。
には、メカニカルなリレーやトランジスタスイッチが用
いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コンデンサを放電する
ためにスイッチがオン状態とされている期間τONは、電
離箱からの入力電流は積分されず、当該期間は放射線計
測に対する不感時間となる。接点が機械的に開閉される
接点式スイッチは動作速度が比較的遅いため、これを充
放電制御用のスイッチに用いると不感時間が長くなる。
図5は充放電制御用のスイッチに接点式スイッチを用い
た従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を
示す模式的なグラフである。図5(a)は電離箱検出器
への入射線量率が低い場合を示しており、同図(b)は
入射線量率が高い場合を示している。低線量率の場合に
は、コンデンサがリセットされるタイミングの間隔であ
るリセット周期τLが長く、コンデンサの充電期間に対
する不感時間τONの割合は相対的に小さくなる。よっ
て、この場合には接点式スイッチによる不感時間はそれ
ほど問題とならない。これに対し、高線量率の場合に
は、リセット周期τHが短くなる。不感時間τONは線量
率の高低に無関係であるので、高線量率の場合は、計測
時間に占める不感時間の割合が無視できない程、大きく
なるという問題があった。
ためにスイッチがオン状態とされている期間τONは、電
離箱からの入力電流は積分されず、当該期間は放射線計
測に対する不感時間となる。接点が機械的に開閉される
接点式スイッチは動作速度が比較的遅いため、これを充
放電制御用のスイッチに用いると不感時間が長くなる。
図5は充放電制御用のスイッチに接点式スイッチを用い
た従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を
示す模式的なグラフである。図5(a)は電離箱検出器
への入射線量率が低い場合を示しており、同図(b)は
入射線量率が高い場合を示している。低線量率の場合に
は、コンデンサがリセットされるタイミングの間隔であ
るリセット周期τLが長く、コンデンサの充電期間に対
する不感時間τONの割合は相対的に小さくなる。よっ
て、この場合には接点式スイッチによる不感時間はそれ
ほど問題とならない。これに対し、高線量率の場合に
は、リセット周期τHが短くなる。不感時間τONは線量
率の高低に無関係であるので、高線量率の場合は、計測
時間に占める不感時間の割合が無視できない程、大きく
なるという問題があった。
【0008】一方、トランジスタスイッチは動作速度が
速く、接点式スイッチに比べればその不感時間を無視す
ることができる。図6は充放電制御用のスイッチにトラ
ンジスタスイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路
の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図
6(a)は電離箱検出器への入射線量率が低い場合を示
しており、同図(b)は入射線量率が高い場合を示して
いる。図に示されるように、トランジスタスイッチを用
いた構成では、不感時間の問題は回避される。しかし、
トランジスタスイッチでは、オフ状態でのリーク電流が
問題となる。すなわち、スイッチをオフにしてもスイッ
チを流れる電流が完全には0とならず、積分器が入力電
流を積分している間にも放電が進み、これが放射線の測
定誤差要因となる。リーク電流による放電の影響は、電
離箱検出器からの入力電流が大きい高線量率の場合には
無視することができるが、入力電流が小さい低線量率の
場合には、入力電流に対するリーク電流の比が大きくな
り、測定誤差が大きくなるという問題があった。また、
トランジスタスイッチのリーク電流は温度により変動
し、このことが低線量率時の計測値の取り扱いを一層難
しくしていた。
速く、接点式スイッチに比べればその不感時間を無視す
ることができる。図6は充放電制御用のスイッチにトラ
ンジスタスイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路
の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図
6(a)は電離箱検出器への入射線量率が低い場合を示
しており、同図(b)は入射線量率が高い場合を示して
いる。図に示されるように、トランジスタスイッチを用
いた構成では、不感時間の問題は回避される。しかし、
トランジスタスイッチでは、オフ状態でのリーク電流が
問題となる。すなわち、スイッチをオフにしてもスイッ
チを流れる電流が完全には0とならず、積分器が入力電
流を積分している間にも放電が進み、これが放射線の測
定誤差要因となる。リーク電流による放電の影響は、電
離箱検出器からの入力電流が大きい高線量率の場合には
無視することができるが、入力電流が小さい低線量率の
場合には、入力電流に対するリーク電流の比が大きくな
り、測定誤差が大きくなるという問題があった。また、
トランジスタスイッチのリーク電流は温度により変動
し、このことが低線量率時の計測値の取り扱いを一層難
しくしていた。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、充放電制御用のスイッチに起因した不感時
間やリーク電流による測定精度の低下を防止し、高精度
の測定を可能とする電離箱用エレクトロメータ回路を提
供することを目的とする。
れたもので、充放電制御用のスイッチに起因した不感時
間やリーク電流による測定精度の低下を防止し、高精度
の測定を可能とする電離箱用エレクトロメータ回路を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電離箱用エ
レクトロメータ回路は、充放電制御手段が、それぞれ積
分器の放電経路に設けられた、動作特性が異なる複数種
類の放電経路スイッチと、電離箱からの入力電流のレベ
ルに応じて、前記放電経路スイッチのいずれかを選択し
て、充放電動作の制御に用いる充放電制御スイッチとす
る放電経路切換手段とを有するものである。
レクトロメータ回路は、充放電制御手段が、それぞれ積
分器の放電経路に設けられた、動作特性が異なる複数種
類の放電経路スイッチと、電離箱からの入力電流のレベ
ルに応じて、前記放電経路スイッチのいずれかを選択し
て、充放電動作の制御に用いる充放電制御スイッチとす
る放電経路切換手段とを有するものである。
【0011】本発明によれば、放電経路は必ずしも単一
の経路である必要はなく、複数の経路を含んでいてもよ
い。放電経路には動作特性が異なる複数種類の放電経路
スイッチが設けられる。積分器への入力電流は、電離箱
への入射放射線の線量率に応じて異なる。本発明では、
入力電流のレベルに応じて充放電制御スイッチが変更さ
れる。各入力電流レベルの充放電制御スイッチには、放
電経路スイッチの中から、対応する入力電流レベルに好
適な動作特性を有するものが選択される。そして、所定
の入力電流レベルでは、その入力電流レベルに対応する
充放電制御スイッチのオン/オフを切り換えることによ
って、積分器が充電されるか放電されるかが切り換えら
れる。放電経路切換手段は、充放電制御スイッチによる
充放電動作の制御を可能とするために、放電経路が複数
存在する場合において、それら放電経路のうち放電に利
用するものを特定する経路切換スイッチを備えることが
できる。放電経路切換手段は、入力電流レベルに応じて
一部の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとして選
択すると共に、当該充放電制御スイッチを経由しない放
電経路が遮断されるように他の放電経路スイッチ及び経
路切換スイッチのオン/オフ状態を制御する。入力電流
のレベルの判断は、別途設けられる入力電流レベル判定
回路によって行うように構成することもできるし、計測
者が計測対象に応じて判断してもよい。放電経路切換手
段は、入力電流レベル判定回路の判断結果を受けて自動
的に放電経路の切換動作を実行してもよいし、計測者の
操作によって放電経路の切り換えがなされるように構成
することもできる。なお、入力電流のレベルは例えば、
複数の電流レンジとして定義することができる。また、
一つの入力電流レベルに対し複数の充放電制御スイッチ
を定めることができる。放電経路スイッチの動作特性と
しては、例えば、スイッチング動作速度、リーク電流、
温度特性などがある。
の経路である必要はなく、複数の経路を含んでいてもよ
い。放電経路には動作特性が異なる複数種類の放電経路
スイッチが設けられる。積分器への入力電流は、電離箱
への入射放射線の線量率に応じて異なる。本発明では、
入力電流のレベルに応じて充放電制御スイッチが変更さ
れる。各入力電流レベルの充放電制御スイッチには、放
電経路スイッチの中から、対応する入力電流レベルに好
適な動作特性を有するものが選択される。そして、所定
の入力電流レベルでは、その入力電流レベルに対応する
充放電制御スイッチのオン/オフを切り換えることによ
って、積分器が充電されるか放電されるかが切り換えら
れる。放電経路切換手段は、充放電制御スイッチによる
充放電動作の制御を可能とするために、放電経路が複数
存在する場合において、それら放電経路のうち放電に利
用するものを特定する経路切換スイッチを備えることが
できる。放電経路切換手段は、入力電流レベルに応じて
一部の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとして選
択すると共に、当該充放電制御スイッチを経由しない放
電経路が遮断されるように他の放電経路スイッチ及び経
路切換スイッチのオン/オフ状態を制御する。入力電流
のレベルの判断は、別途設けられる入力電流レベル判定
回路によって行うように構成することもできるし、計測
者が計測対象に応じて判断してもよい。放電経路切換手
段は、入力電流レベル判定回路の判断結果を受けて自動
的に放電経路の切換動作を実行してもよいし、計測者の
操作によって放電経路の切り換えがなされるように構成
することもできる。なお、入力電流のレベルは例えば、
複数の電流レンジとして定義することができる。また、
一つの入力電流レベルに対し複数の充放電制御スイッチ
を定めることができる。放電経路スイッチの動作特性と
しては、例えば、スイッチング動作速度、リーク電流、
温度特性などがある。
【0012】他の本発明に係る電離箱用エレクトロメー
タ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接
点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチ
であり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放
電経路スイッチに並列配置され、電子的動作により前記
放電経路を断続する半導体スイッチであり、前記放電経
路切換手段が、前記第2の放電経路スイッチに直列接続
された接点式の経路切換スイッチを有する。
タ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接
点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチ
であり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放
電経路スイッチに並列配置され、電子的動作により前記
放電経路を断続する半導体スイッチであり、前記放電経
路切換手段が、前記第2の放電経路スイッチに直列接続
された接点式の経路切換スイッチを有する。
【0013】本発明によれば、放電経路スイッチとし
て、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少な
くとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチ
として選択され得る。接点式スイッチは動作速度が比較
的遅い反面、オフ時のリーク電流がないという動作特性
を有し、一方、半導体スイッチはオフ時にリーク電流を
生じ得るが動作速度が速いという動作特性を有する。本
発明では、これら2種類の放電経路スイッチは並列に配
置され、第1の放電経路スイッチが配置された第1の放
電経路と、第2の放電経路スイッチが配置された第2の
放電経路とが並列に存在する。接点式スイッチである第
1の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとし、この
スイッチにより積分器の充放電が制御されるようにする
には、第2の放電経路を遮断する必要がある。この第2
の放電経路の遮断を目的として、接点式の経路切換スイ
ッチが第2の放電経路スイッチに直列に設けられる。当
該経路切換スイッチをオフ状態とすることで、第2の放
電経路における第2の放電経路スイッチのリーク電流が
遮断される。一方、第2の放電経路スイッチを充放電制
御スイッチとする場合には、第1の放電経路スイッチで
ある接点式スイッチをオフ状態とする。
て、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少な
くとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチ
として選択され得る。接点式スイッチは動作速度が比較
的遅い反面、オフ時のリーク電流がないという動作特性
を有し、一方、半導体スイッチはオフ時にリーク電流を
生じ得るが動作速度が速いという動作特性を有する。本
発明では、これら2種類の放電経路スイッチは並列に配
置され、第1の放電経路スイッチが配置された第1の放
電経路と、第2の放電経路スイッチが配置された第2の
放電経路とが並列に存在する。接点式スイッチである第
1の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとし、この
スイッチにより積分器の充放電が制御されるようにする
には、第2の放電経路を遮断する必要がある。この第2
の放電経路の遮断を目的として、接点式の経路切換スイ
ッチが第2の放電経路スイッチに直列に設けられる。当
該経路切換スイッチをオフ状態とすることで、第2の放
電経路における第2の放電経路スイッチのリーク電流が
遮断される。一方、第2の放電経路スイッチを充放電制
御スイッチとする場合には、第1の放電経路スイッチで
ある接点式スイッチをオフ状態とする。
【0014】本発明の好適な態様は、前記放電経路切換
手段が、低入力電流時には、前記経路切換スイッチをオ
フ状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充
放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前
記経路切換スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放
電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択す
ることを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路であ
る。
手段が、低入力電流時には、前記経路切換スイッチをオ
フ状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充
放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前
記経路切換スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放
電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択す
ることを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路であ
る。
【0015】別の本発明に係る電離箱用エレクトロメー
タ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接
点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチ
であり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放
電経路スイッチに直列配置され、電子的動作により前記
放電経路を断続する半導体スイッチであることを特徴と
する。
タ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接
点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチ
であり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放
電経路スイッチに直列配置され、電子的動作により前記
放電経路を断続する半導体スイッチであることを特徴と
する。
【0016】本発明によれば、放電経路スイッチとし
て、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少な
くとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチ
として選択され得る。本発明では、これら2種類の放電
経路スイッチが一つの放電経路上に直列に配置される。
接点式スイッチである第1の放電経路スイッチを充放電
制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電
が制御されるようにするには、半導体スイッチである第
2の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第1の放
電経路スイッチにより放電経路が断続される。反対に、
半導体スイッチである第2の放電経路スイッチを充放電
制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電
が制御されるようにするには、接点式スイッチである第
1の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第2の放
電経路スイッチにより放電経路が断続される。
て、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少な
くとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチ
として選択され得る。本発明では、これら2種類の放電
経路スイッチが一つの放電経路上に直列に配置される。
接点式スイッチである第1の放電経路スイッチを充放電
制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電
が制御されるようにするには、半導体スイッチである第
2の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第1の放
電経路スイッチにより放電経路が断続される。反対に、
半導体スイッチである第2の放電経路スイッチを充放電
制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電
が制御されるようにするには、接点式スイッチである第
1の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第2の放
電経路スイッチにより放電経路が断続される。
【0017】本発明の好適な態様は、前記放電経路切換
手段が、低入力電流時には、前記第2の放電経路スイッ
チをオン状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを
前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時に
は、前記第1の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ
前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチ
として選択することを特徴とする電離箱用エレクトロメ
ータ回路である。
手段が、低入力電流時には、前記第2の放電経路スイッ
チをオン状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを
前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時に
は、前記第1の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ
前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチ
として選択することを特徴とする電離箱用エレクトロメ
ータ回路である。
【0018】以上の各本発明の好適な態様は、前記積分
器が、演算増幅器を用いて構成されることを特徴とする
電離箱用エレクトロメータ回路である。
器が、演算増幅器を用いて構成されることを特徴とする
電離箱用エレクトロメータ回路である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0020】[実施の形態1]図1は、本発明の第1の
実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路
構成図である。図には電離箱検出器20とこれに接続さ
れるエレクトロメータ回路22とが示されている。
実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路
構成図である。図には電離箱検出器20とこれに接続さ
れるエレクトロメータ回路22とが示されている。
【0021】電離箱検出器20は、入射する放射線の線
量率に応じた電流を出力する。エレクトロメータ回路2
2は、電離箱検出器20からの微小な入力電流を積分
し、その積分値に応じた電圧信号を出力する。出力され
た電圧信号は、後段の信号処理回路(図示せず)で、例
えば線量率といった放射線評価量を求めるために利用さ
れる。エレクトロメータ回路22は、後述するように、
電離箱検出器20に入射する放射線が低線量率であるか
高線量率であるかに応じて、好適な測定が行われるよう
に動作モードを切り換えられる特徴を有する。
量率に応じた電流を出力する。エレクトロメータ回路2
2は、電離箱検出器20からの微小な入力電流を積分
し、その積分値に応じた電圧信号を出力する。出力され
た電圧信号は、後段の信号処理回路(図示せず)で、例
えば線量率といった放射線評価量を求めるために利用さ
れる。エレクトロメータ回路22は、後述するように、
電離箱検出器20に入射する放射線が低線量率であるか
高線量率であるかに応じて、好適な測定が行われるよう
に動作モードを切り換えられる特徴を有する。
【0022】エレクトロメータ回路22は、積分器2
4、電磁リレー26,28、トランジスタスイッチ3
0、制御部32を含んで構成される。
4、電磁リレー26,28、トランジスタスイッチ3
0、制御部32を含んで構成される。
【0023】積分器24の基本構成は、オペアンプ40
を用いた差動増幅回路であって、そのフィードバック回
路にコンデンサ42を配置したものである。電離箱検出
器20からの入力電流はコンデンサ42に蓄積される。
積分器24は、コンデンサ42に蓄積された電荷量、す
なわち入力電流の積分値に応じた電圧を出力端34に出
力する。このオペアンプ40を用いた積分器24の構成
は、増幅された電圧信号が出力として得られる点で、電
離箱検出器20からの微小電流の計測に好都合である。
を用いた差動増幅回路であって、そのフィードバック回
路にコンデンサ42を配置したものである。電離箱検出
器20からの入力電流はコンデンサ42に蓄積される。
積分器24は、コンデンサ42に蓄積された電荷量、す
なわち入力電流の積分値に応じた電圧を出力端34に出
力する。このオペアンプ40を用いた積分器24の構成
は、増幅された電圧信号が出力として得られる点で、電
離箱検出器20からの微小電流の計測に好都合である。
【0024】電磁リレー26は、積分器24の入力端と
出力端との間に接続され、コンデンサ42に蓄積された
電荷を放電する第1の放電経路を構成する。
出力端との間に接続され、コンデンサ42に蓄積された
電荷を放電する第1の放電経路を構成する。
【0025】トランジスタスイッチ30と電磁リレー2
8とは互いに直列に接続され、これらは電磁リレー26
と並列に積分器24の入力端と出力端との間に接続され
る。このトランジスタスイッチ30と電磁リレー28と
の直列接続からなる経路は、コンデンサ42に蓄積され
た電荷を放電する第2の放電経路を構成する。
8とは互いに直列に接続され、これらは電磁リレー26
と並列に積分器24の入力端と出力端との間に接続され
る。このトランジスタスイッチ30と電磁リレー28と
の直列接続からなる経路は、コンデンサ42に蓄積され
た電荷を放電する第2の放電経路を構成する。
【0026】制御部32は、電磁リレー26,28及び
トランジスタスイッチ30に対し電気信号を与え、これ
らのオン/オフ動作を制御する。具体的には、制御部3
2には、外部からのモード切換制御信号50が入力さ
れ、そのモード切換制御信号50に応じて、低線量率の
計測に適した低線量率動作モードと高線量率の計測に適
した高線量率動作モードとのいずれかにエレクトロメー
タ回路22の動作モードが切り換わる。
トランジスタスイッチ30に対し電気信号を与え、これ
らのオン/オフ動作を制御する。具体的には、制御部3
2には、外部からのモード切換制御信号50が入力さ
れ、そのモード切換制御信号50に応じて、低線量率の
計測に適した低線量率動作モードと高線量率の計測に適
した高線量率動作モードとのいずれかにエレクトロメー
タ回路22の動作モードが切り換わる。
【0027】ここで、モード切換制御信号50は、例え
ば、計測者がモード選択スイッチを切り換えて所望の動
作モードを選択することによって生成される。また、出
力端34からの出力信号に基づいて、いずれの動作モー
ドが適切かを判断する判定回路を設け、適切な動作モー
ドへの切り換えが自動的に行われる構成も可能である。
ば、計測者がモード選択スイッチを切り換えて所望の動
作モードを選択することによって生成される。また、出
力端34からの出力信号に基づいて、いずれの動作モー
ドが適切かを判断する判定回路を設け、適切な動作モー
ドへの切り換えが自動的に行われる構成も可能である。
【0028】図2は、本エレクトロメータ回路の出力電
圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図2(a)
は低線量率動作モードを示しており、同図(b)は高線
量率動作モードを示している。
圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図2(a)
は低線量率動作モードを示しており、同図(b)は高線
量率動作モードを示している。
【0029】まず、図1及び図2(a)を参照しなが
ら、エレクトロメータ回路22の低線量率動作モードを
説明する。制御部32は、低線量率動作モードを指示さ
れると、電磁リレー28をオフ状態とする。トランジス
タスイッチ30はオフ状態としてもリーク電流が流れ得
るが、電磁リレー28をオフ状態とすることで、トラン
ジスタスイッチ30を含む第2の放電経路が確実に遮断
される。この状態で、制御部32は電磁リレー26をオ
ン/オフさせて第1の放電経路を周期的に断続させ、コ
ンデンサ42の充放電を制御する。
ら、エレクトロメータ回路22の低線量率動作モードを
説明する。制御部32は、低線量率動作モードを指示さ
れると、電磁リレー28をオフ状態とする。トランジス
タスイッチ30はオフ状態としてもリーク電流が流れ得
るが、電磁リレー28をオフ状態とすることで、トラン
ジスタスイッチ30を含む第2の放電経路が確実に遮断
される。この状態で、制御部32は電磁リレー26をオ
ン/オフさせて第1の放電経路を周期的に断続させ、コ
ンデンサ42の充放電を制御する。
【0030】電磁リレー26がオンされると、それまで
コンデンサ42に蓄積された電荷が第1の放電経路を介
して放電され、エレクトロメータ回路22からの出力電
圧V OUTは0となる(t=tE1)。この放電は基本的に
瞬時に行われること、及び電磁リレー26がオン状態の
間は放射線計測に対する不感時間となることから、電磁
リレー26のオン期間τONは極力短くなるように制御さ
れる。しかし、電磁リレー26は接点式スイッチであ
り、動作速度が比較的遅いため、時刻tE1にて一旦オン
されてから次に時刻tS1にてオフ状態となるまでには所
定のオン期間τONが必要となる。電磁リレー26がオフ
状態となると、電離箱検出器20からの入力電流による
コンデンサ42の充電が開始される(t=tS1)。すな
わち、オフ期間はコンデンサ42の充電期間となる。こ
の充電期間τOFFは、例えば入力電流の積分値と出力電
圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内に設定される。充
電期間τOFFが経過すると、電磁リレー26が再びオン
されてコンデンサ42が放電され、これにより出力電圧
VOUTが0にリセットされる(t=tE2)。制御部32
は、動作モードが低線量率動作モードに設定されている
間、このような電磁リレー26のオン/オフ動作を繰り
返す。この間、電磁リレー28はオフ状態に維持された
ままである。
コンデンサ42に蓄積された電荷が第1の放電経路を介
して放電され、エレクトロメータ回路22からの出力電
圧V OUTは0となる(t=tE1)。この放電は基本的に
瞬時に行われること、及び電磁リレー26がオン状態の
間は放射線計測に対する不感時間となることから、電磁
リレー26のオン期間τONは極力短くなるように制御さ
れる。しかし、電磁リレー26は接点式スイッチであ
り、動作速度が比較的遅いため、時刻tE1にて一旦オン
されてから次に時刻tS1にてオフ状態となるまでには所
定のオン期間τONが必要となる。電磁リレー26がオフ
状態となると、電離箱検出器20からの入力電流による
コンデンサ42の充電が開始される(t=tS1)。すな
わち、オフ期間はコンデンサ42の充電期間となる。こ
の充電期間τOFFは、例えば入力電流の積分値と出力電
圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内に設定される。充
電期間τOFFが経過すると、電磁リレー26が再びオン
されてコンデンサ42が放電され、これにより出力電圧
VOUTが0にリセットされる(t=tE2)。制御部32
は、動作モードが低線量率動作モードに設定されている
間、このような電磁リレー26のオン/オフ動作を繰り
返す。この間、電磁リレー28はオフ状態に維持された
ままである。
【0031】バックグラウンド測定時等の低線量率時に
は、積分器24への入力電流は低電流となり、充電期間
が比較的長くなる。そのため、コンデンサ42からの電
荷リークが単位時間当たりにわずかであっても、充電期
間に失われる電荷量が多くなり、放射線の計測誤差が大
きくなる。オフ状態でもリーク電流を流し得るトランジ
スタスイッチ30は、この点で低線量率動作モードでの
コンデンサ42の充放電制御には適さない。これに対
し、電磁リレー26は、リーク電流が極めて小さく、低
線量率動作モードに好適である。なお、上述したよう
に、電磁リレー26は不感時間を生じるが、低線量率動
作モードでは充電期間が一般に不感時間に比べて遙かに
長く設定されるので、不感時間の影響は小さい。よっ
て、不感時間があっても、低線量率動作モードでは電磁
リレー26を使用することができる。
は、積分器24への入力電流は低電流となり、充電期間
が比較的長くなる。そのため、コンデンサ42からの電
荷リークが単位時間当たりにわずかであっても、充電期
間に失われる電荷量が多くなり、放射線の計測誤差が大
きくなる。オフ状態でもリーク電流を流し得るトランジ
スタスイッチ30は、この点で低線量率動作モードでの
コンデンサ42の充放電制御には適さない。これに対
し、電磁リレー26は、リーク電流が極めて小さく、低
線量率動作モードに好適である。なお、上述したよう
に、電磁リレー26は不感時間を生じるが、低線量率動
作モードでは充電期間が一般に不感時間に比べて遙かに
長く設定されるので、不感時間の影響は小さい。よっ
て、不感時間があっても、低線量率動作モードでは電磁
リレー26を使用することができる。
【0032】次に、図1及び図2(b)を参照しなが
ら、エレクトロメータ回路22の高線量率動作モードを
説明する。制御部32は、高線量率動作モードを指示さ
れると、電磁リレー26をオフ状態にすると共に電磁リ
レー28をオン状態にする。電磁リレー26をオフ状態
とすることで、第1の放電経路が遮断される。この状態
で、制御部32はトランジスタスイッチ30をオン/オ
フさせて第2の放電経路を間欠的に断続させ、コンデン
サ42の充放電を制御する。
ら、エレクトロメータ回路22の高線量率動作モードを
説明する。制御部32は、高線量率動作モードを指示さ
れると、電磁リレー26をオフ状態にすると共に電磁リ
レー28をオン状態にする。電磁リレー26をオフ状態
とすることで、第1の放電経路が遮断される。この状態
で、制御部32はトランジスタスイッチ30をオン/オ
フさせて第2の放電経路を間欠的に断続させ、コンデン
サ42の充放電を制御する。
【0033】トランジスタスイッチ30がオンされる
と、それまでコンデンサ42に蓄積された電荷が第2の
放電経路を介して放電され、エレクトロメータ回路22
からの出力電圧VOUTは0にリセットされる(t=
tR1)。トランジスタスイッチ30の動作速度は接点式
スイッチに比して桁違いに速いので、トランジスタスイ
ッチ30のオン期間は電磁リレー26のオン期間τONに
比べれば無視できるほど短くすることができる。すなわ
ち、不感時間をほとんど生じずに、再びトランジスタス
イッチ30をオフ状態にして次の充電期間τ'OFFを開始
することができる。なお、充電期間τ'OFFは、低線量率
動作モードでの充電期間τOFFと同様、例えば入力電流
の積分値と出力電圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内
に設定される。充電期間τ'OFFが経過すると、トランジ
スタスイッチ30が再びオンされてコンデンサ42が放
電され、出力電圧VOUTがリセットされる(t=
tR2)。制御部32は、動作モードが高線量率動作モー
ドに設定されている間、このようなトランジスタスイッ
チ30のオン/オフ動作を繰り返す。この間、電磁リレ
ー26はオフ状態、また電磁リレー28はオン状態にそ
れぞれ維持されたままである。
と、それまでコンデンサ42に蓄積された電荷が第2の
放電経路を介して放電され、エレクトロメータ回路22
からの出力電圧VOUTは0にリセットされる(t=
tR1)。トランジスタスイッチ30の動作速度は接点式
スイッチに比して桁違いに速いので、トランジスタスイ
ッチ30のオン期間は電磁リレー26のオン期間τONに
比べれば無視できるほど短くすることができる。すなわ
ち、不感時間をほとんど生じずに、再びトランジスタス
イッチ30をオフ状態にして次の充電期間τ'OFFを開始
することができる。なお、充電期間τ'OFFは、低線量率
動作モードでの充電期間τOFFと同様、例えば入力電流
の積分値と出力電圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内
に設定される。充電期間τ'OFFが経過すると、トランジ
スタスイッチ30が再びオンされてコンデンサ42が放
電され、出力電圧VOUTがリセットされる(t=
tR2)。制御部32は、動作モードが高線量率動作モー
ドに設定されている間、このようなトランジスタスイッ
チ30のオン/オフ動作を繰り返す。この間、電磁リレ
ー26はオフ状態、また電磁リレー28はオン状態にそ
れぞれ維持されたままである。
【0034】高線量率時、すなわち高入力電流時には、
充電期間が低線量率に比べて短くなる。そのため、高線
量率での測定においてコンデンサ42の放電時の不感時
間が低線量率動作モードにおける不感時間と同じであれ
ば、計測期間に占める不感時間の割合は大きくなり、放
射線の計測誤差が大きくなる。動作速度の遅い電磁リレ
ー26は、この点で高線量率動作モードでのコンデンサ
42の充放電制御に適さない。これに対し、トランジス
タスイッチ30は、非常に高速に動作可能でほとんど不
感時間を生じないので、高線量率動作モードに好適であ
る。なお、上述したように、トランジスタスイッチ30
は充電期間においても微小なリーク電流によるコンデン
サ42の放電を生じるが、高線量率動作モードでは高入
力電流時であるので、このリーク電流の影響は小さい。
よって、リーク電流があっても、高線量率動作モードで
はトランジスタスイッチ30を使用することができる。
充電期間が低線量率に比べて短くなる。そのため、高線
量率での測定においてコンデンサ42の放電時の不感時
間が低線量率動作モードにおける不感時間と同じであれ
ば、計測期間に占める不感時間の割合は大きくなり、放
射線の計測誤差が大きくなる。動作速度の遅い電磁リレ
ー26は、この点で高線量率動作モードでのコンデンサ
42の充放電制御に適さない。これに対し、トランジス
タスイッチ30は、非常に高速に動作可能でほとんど不
感時間を生じないので、高線量率動作モードに好適であ
る。なお、上述したように、トランジスタスイッチ30
は充電期間においても微小なリーク電流によるコンデン
サ42の放電を生じるが、高線量率動作モードでは高入
力電流時であるので、このリーク電流の影響は小さい。
よって、リーク電流があっても、高線量率動作モードで
はトランジスタスイッチ30を使用することができる。
【0035】[実施の形態2]図3は、本発明の第2の
実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路
構成図である。図3において、上記第1の実施形態と同
様の構成要素には、同一の符号を付し、説明を簡素化す
る。図3には電離箱検出器20とこれに接続されるエレ
クトロメータ回路100とが示されている。
実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路
構成図である。図3において、上記第1の実施形態と同
様の構成要素には、同一の符号を付し、説明を簡素化す
る。図3には電離箱検出器20とこれに接続されるエレ
クトロメータ回路100とが示されている。
【0036】エレクトロメータ回路100は、上記第1
の実施形態のエレクトロメータ回路22と同様、電離箱
検出器20に入射する放射線が低線量率であるか高線量
率であるかに応じて、好適な測定が行われるように動作
モードを切り換えられる特徴を有する。
の実施形態のエレクトロメータ回路22と同様、電離箱
検出器20に入射する放射線が低線量率であるか高線量
率であるかに応じて、好適な測定が行われるように動作
モードを切り換えられる特徴を有する。
【0037】エレクトロメータ回路100の放電経路
は、電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30の直
列接続から構成される点が上記第1の実施形態と異なっ
ている。それに伴い、これらスイッチを制御する制御部
102の動作も上記第1の実施形態の制御部32と相違
する。
は、電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30の直
列接続から構成される点が上記第1の実施形態と異なっ
ている。それに伴い、これらスイッチを制御する制御部
102の動作も上記第1の実施形態の制御部32と相違
する。
【0038】制御部102は、外部からのモード切換制
御信号50を入力され、そのモード切換制御信号50に
応じて電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30の
オン/オフ動作を制御し、エレクトロメータ回路100
の動作モードを低線量率動作モードと高線量率動作モー
ドとのいずれかに切り換える。
御信号50を入力され、そのモード切換制御信号50に
応じて電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30の
オン/オフ動作を制御し、エレクトロメータ回路100
の動作モードを低線量率動作モードと高線量率動作モー
ドとのいずれかに切り換える。
【0039】本エレクトロメータ回路の各動作モードで
の出力電圧の時間変化は基本的に図2と同じである。制
御部102は、低線量率動作モードを指示されると、ト
ランジスタスイッチ30をオン状態とする。この状態
で、制御部102は電磁リレー26をオン/オフさせ、
これにより放電経路は周期的に断続され、コンデンサ4
2の充放電が制御される。
の出力電圧の時間変化は基本的に図2と同じである。制
御部102は、低線量率動作モードを指示されると、ト
ランジスタスイッチ30をオン状態とする。この状態
で、制御部102は電磁リレー26をオン/オフさせ、
これにより放電経路は周期的に断続され、コンデンサ4
2の充放電が制御される。
【0040】制御部102は、高線量率動作モードを指
示されると、電磁リレー26をオン状態にする。この状
態で、制御部102はトランジスタスイッチ30をオン
/オフさせ、これにより放電経路は周期的に断続され、
コンデンサ42の充放電が制御される。
示されると、電磁リレー26をオン状態にする。この状
態で、制御部102はトランジスタスイッチ30をオン
/オフさせ、これにより放電経路は周期的に断続され、
コンデンサ42の充放電が制御される。
【0041】
【発明の効果】本発明の電離箱用エレクトロメータ回路
によれば、積分器の充放電を制御し得る複数の放電経路
が、動作特性の異なるスイッチを用いて設けられる。そ
して、電離箱からの入力電流のレベルに応じて、放電経
路が選択される。これにより、広範囲の線量率にわたっ
て、高精度の測定が可能となる。
によれば、積分器の充放電を制御し得る複数の放電経路
が、動作特性の異なるスイッチを用いて設けられる。そ
して、電離箱からの入力電流のレベルに応じて、放電経
路が選択される。これにより、広範囲の線量率にわたっ
て、高精度の測定が可能となる。
【図1】 本発明の第1の実施形態である電離箱エレク
トロメータ回路を示す回路構成図である。
トロメータ回路を示す回路構成図である。
【図2】 本エレクトロメータ回路の出力電圧の時間変
化を示す模式的なグラフである。
化を示す模式的なグラフである。
【図3】 本発明の第2の実施形態である電離箱エレク
トロメータ回路を示す回路構成図である。
トロメータ回路を示す回路構成図である。
【図4】 従来の電離箱用エレクトロメータ回路を示す
回路構成図である。
回路構成図である。
【図5】 充放電制御用のスイッチに接点式スイッチを
用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変
化を示す模式的なグラフである。
用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変
化を示す模式的なグラフである。
【図6】 充放電制御用のスイッチにトランジスタスイ
ッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の
時間変化を示す模式的なグラフである。
ッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の
時間変化を示す模式的なグラフである。
20 電離箱検出器、22,100 エレクトロメータ
回路、24 積分器、26,28 電磁リレー、30
トランジスタスイッチ、32,102 制御部、40
オペアンプ、42 コンデンサ、50 モード切換制御
信号。
回路、24 積分器、26,28 電磁リレー、30
トランジスタスイッチ、32,102 制御部、40
オペアンプ、42 コンデンサ、50 モード切換制御
信号。
Claims (6)
- 【請求項1】 電離箱からの入力電流を蓄積し、当該入
力電流の積分値に応じた電圧を出力する積分器と、前記
積分器の放電経路に設けられた充放電制御スイッチの動
作により当該積分器の充放電動作を制御する充放電制御
手段とを備える電離箱用エレクトロメータ回路におい
て、 前記充放電制御手段は、 それぞれ前記放電経路に設けられた、動作特性が異なる
複数種類の放電経路スイッチと、 前記入力電流のレベルに応じて、前記放電経路スイッチ
のいずれかを選択して前記充放電制御スイッチとする放
電経路切換手段と、 を有することを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回
路。 - 【請求項2】 請求項1記載の電離箱用エレクトロメー
タにおいて、 第1の前記放電経路スイッチは、接点の開閉により前記
放電経路を断続する接点式スイッチであり、 第2の前記放電経路スイッチは、前記第1の放電経路ス
イッチに並列配置され、電子的動作により前記放電経路
を断続する半導体スイッチであり、 前記放電経路切換手段は、前記第2の放電経路スイッチ
に直列接続された接点式の経路切換スイッチを有するこ
と、 を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。 - 【請求項3】 請求項2記載の電離箱用エレクトロメー
タにおいて、 前記放電経路切換手段は、 低入力電流時には、前記経路切換スイッチをオフ状態と
し、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放電制御
スイッチとして選択し、 高入力電流時には、前記経路切換スイッチをオン状態と
し、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御
スイッチとして選択すること、 を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。 - 【請求項4】 請求項1記載の電離箱用エレクトロメー
タにおいて、 第1の前記放電経路スイッチは、接点の開閉により前記
放電経路を断続する接点式スイッチであり、 第2の前記放電経路スイッチは、前記第1の放電経路ス
イッチに直列配置され、電子的動作により前記放電経路
を断続する半導体スイッチであること、 を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。 - 【請求項5】 請求項4記載の電離箱用エレクトロメー
タにおいて、 前記放電経路切換手段は、 低入力電流時には、前記第2の放電経路スイッチをオン
状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放
電制御スイッチとして選択し、 高入力電流時には、前記第1の放電経路スイッチをオン
状態とし、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放
電制御スイッチとして選択すること、 を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
の電離箱用エレクトロメータにおいて、 前記積分器は、演算増幅器を用いて構成されることを特
徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001176033A JP2002365317A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 電離箱用エレクトロメータ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001176033A JP2002365317A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 電離箱用エレクトロメータ回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002365317A true JP2002365317A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19017078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001176033A Pending JP2002365317A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 電離箱用エレクトロメータ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002365317A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007183118A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Mitsubishi Electric Corp | 放射線モニタ |
JP2010008176A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Shimadzu Corp | X線分析装置 |
JP2014112052A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Mitsubishi Electric Corp | 放射線モニタ |
-
2001
- 2001-06-11 JP JP2001176033A patent/JP2002365317A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007183118A (ja) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | Mitsubishi Electric Corp | 放射線モニタ |
JP4731330B2 (ja) * | 2006-01-05 | 2011-07-20 | 三菱電機株式会社 | 放射線モニタ |
JP2010008176A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Shimadzu Corp | X線分析装置 |
JP2014112052A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Mitsubishi Electric Corp | 放射線モニタ |
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