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JP2007095841A - 化学的機械的研磨方法 - Google Patents

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JP2007095841A JP2005280811A JP2005280811A JP2007095841A JP 2007095841 A JP2007095841 A JP 2007095841A JP 2005280811 A JP2005280811 A JP 2005280811A JP 2005280811 A JP2005280811 A JP 2005280811A JP 2007095841 A JP2007095841 A JP 2007095841A
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Tetsuya Kamimura
上村  哲也
Shinichi Sugiyama
慎一 杉山
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

【課題】 ディッシングが少なく非常に良好な面内均一性を達成でき、半導体デバイスの化学的機械的平坦化に有用な化学的機械的研磨方法を提供する。
【解決手段】 研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウエハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法であって、該研磨液が下記一般式(I)で表される化合物を含有し、且つ、該研磨パッド面内の最高温度と最低温度の差を15℃以下とすることを特徴とする化学的機械的研磨方法である。下記一般式(I)中、R1は、単結合、又はアルキレン基を表す。R2及びR3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。R4は、水素原子、又はアルキル基を表す。R5は、水酸基又はアミノ基を置換した有機基を表す。但し、R1が単結合のとき、R4は水素原子ではない。
Figure 2007095841

【選択図】 なし

Description

本発明は、化学機械用研磨液およびこれを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は半導体デバイスの製造における配線パターン上での金属層の化学機械研磨の際に必要となる高平坦性、低ディッシングを達成出来る化学機械用研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の術が用いられてきている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む金属用研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などが発生することがある。
このような従来の固体砥粒における問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られるものの、従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、十分な研磨速度が得難いという問題点を有している。
一方、更なる高性能化を目指し、配線用の金属として配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子マイギュレート耐性などの向上が必要となり、それに伴って高純度銅に銀などの第3成分を微量添加した銅合金を用いることも検討されはじめてきている。同時に、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
また、最近は生産性向上のため、LSI製造時のウエハ径を大型化しており、現在は直径200mm以上が汎用されており、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めてきた。このような大型化に伴い、ウエハ中心部と周辺部とでの研磨速度の差が大きくなり、面内均一性に対する改善要求が強くなってきている。
銅及び銅合金に対して機械的研磨手段をもたない化学研磨方法としては、溶解作用のみによる化学研磨方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、ディッシングなどの発生による問題が発生しやすく平坦性の確保が課題となっている。
また、銅配線使用時には、銅イオンが絶縁材料への拡散することを防止する目的で、配線部と絶縁層の間にバリア層と呼ばれる拡散防止層が一般に設けられ、これにはTaN,TaSiN,Ta,TiN、Ti、Nb、W,WN,Co,Zr,ZrNおよびCuTa合金から選ばれる1層または2層以上から作られている。しかしながら,これらバリア材料自体が導電性の性質を持っているため,リーク電流などのエラー発生を防ぐために絶縁層上のバリア材料は完全に除去されなければならず,この除去加工は金属配線材のバルク研磨と同様な方法によって達成されている(バリアCMP)。銅のバルク研磨で特に幅広な金属配線部にディッシングが発生しやすいため,最終的な平坦化を達成するためには配線部とバリア部で研磨除去する量を調節できることが望ましい。このためバリア研磨用の研磨液には最適な銅/バリアメタルの研磨選択性を有することが望まれている。また,各レベルの配線層で配線ピッチや配線密度が異なるため,上記研磨選択性を適宜調整できることが更には望ましい。
特開2001−127019号公報 特開昭49−122432号公報
本発明は、LSIの生産性を高めるためにより迅速なCMPを進めるにおいては、このような銅金属及び銅合金を原料とする配線をディッシングが少なく高い平坦性で研磨するという前記した背景に基づいて行なわれたものである。
したがって本発明の目的は、ディッシングが少なく非常に良好な面内均一性を達成でき、半導体デバイスの化学的機械的平坦化に有用な化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、研磨の進行とともに、研磨ウエハ表面と研磨クロス表面の接触部における温度が変化することに着目し、特定アミノ酸を含む研磨液を用いることで研磨パッド面内の最高温度と最低温度の差を15℃以下に制御することで前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の発明は以下の通りである。
<1> 研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウエハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法であって、
該研磨液が下記一般式(I)で表される化合物を含有し、且つ、該研磨パッド面内の最高温度と最低温度の差を15℃以下とすることを特徴とする化学的機械的研磨方法。
Figure 2007095841
一般式(I)中、R1は、単結合、又はアルキレン基を表す。
2及びR3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。
4は、水素原子、又はアルキル基を表す。R5は、水酸基又はアミノ基を置換した有機基を表す。但し、R1が単結合のとき、R4は水素原子ではない。
<2> 前記研磨液が、さらに、複素環化合物と平均粒径10〜60nmの研磨粒子を含むことを特徴とする<1>記載の化学的機械的研磨方法。なお、本発明における平均粒径とは、動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を指すものとする。
<3> 前記研磨粒子がシリカ、セリア、アルミナ、及びチタニアから選択される少なくとも一種であることを特徴とする<2>記載の化学的機械的研磨方法。
<4> 前記研磨粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする<3>記載の化学的機械的研磨方法。
<5> 前記研磨粒子の含有量が0.01〜3%であることを特徴とする<3>記載の化学的機械的研磨方法。
<6> 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が0.0005〜5mol/Lであることを特徴とする<1>記載の化学的機械的研磨方法。
<7> 前記複素環化合物の含有量が0.0001〜1mol/Lであることを特徴とする<2>記載の化学的機械的研磨方法。
<8> 前記複素環化合物が、テトラゾール、トリアゾール及びこれらの誘導体から選択される1種以上であることを特徴とする<2>記載の化学的機械的研磨方法。
<9> 前記研磨液が、酸化剤を含むことを特徴とする<1>記載の化学的機械的研磨方法。
本発明者は、研磨中の研磨体の温度差が大きくなるにつれ、被研磨体の温度差も大きくなり結果として面内均一性やディッシングが悪くなることを今回見出した。すなわち研磨中の温度差を小さくすることでディッシングが少なく、高平坦性の研磨を達成出来る。その観点から加工研磨中の研磨体での温度差が0〜15℃であることが好ましく、より好ましくは研磨体での温度差が0〜10℃、更に好ましくは研磨体での温度差が0〜5℃であることが好ましい。なお、本発明における研磨中の研磨体の温度差とはNEC三栄社製のサーモグラフィーを用いてCMPパッドの温度を測定し、測定された最高温度と最高温度観測時のパッド面内最低温度の差を研磨中の温度差とした。
本発明によれば、特に、半導体装置の被加工膜等の化学機械研磨において、配線部の金属層を研磨する際に、ディッシングが少なく非常に良好な面内均一性を達成できる化学的機械的研磨方法を提供することができる。
本発明は、一般式(I)で表されるアミノ酸を含む特定の研磨液を用いることで研磨パッド面内の最高温度と最低温度の差を15℃以下に制御することを特徴とする。
以下、本発明にかかわる具体的態様について説明する。
(金属用研磨液)
本発明の研磨方法に用いる研磨液は、構成成分として少なくとも、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。またさらに、好ましくは複素環化合物の少なくとも1種と砥粒、酸化剤を含有する。本発明にかかわる研磨液は、さらに他の成分を含有しても良く、好ましい成分として、有機酸、無機酸、界面活性剤、水溶性ポリマー、及び添加剤を挙げることができる。研磨液が含有する上記成分は1種でも2種以上併用してもよい。
以下に示すような金属用研磨材を用いること、特に下記一般式(I)で表される化合物を含有する研磨液を供給しながら研磨することで、研磨中の研磨体における温度差を0〜15℃に制御することができる。温度差は、より好ましくは0〜10℃の範囲であり、更に好ましくは0〜5℃の範囲である。以下の特定化合物の含有量を指定範囲内に抑えること、また、研磨液の供給量をCu単位面積あたり0.14ml/(cm2・min)以上とすることで、研磨体の温度上昇を抑制し、この温度差が好ましい範囲に維持される。なお、本発明における研磨中の温度差は、NEC三栄社製のサーモグラフィーを用いてCMPパッドの温度を非接触で研磨中連続的に測定し、測定された最高温度と最高温度観測時のパッド面内最低温度の差を研磨中の温度差としている。
以下、各構成成分について説明する。
〔一般式(I)で表される化合物〕
Figure 2007095841
一般式(I)中、R1は、単結合、又はアルキレン基を表す。
2及びR3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。
4は、水素原子、又はアルキル基を表す。R5は、水酸基又はアミノ基を置換した有機基を表す。但し、R1が単結合のとき、R4は水素原子ではない。
なお、本明細書における化合物中の置換基(原子団)表記に於いて、置換及び無置換を記していない場合は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
一般式(I)におけるR1としてのアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチレン基、エチレン基を挙げることができる。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
2及びR3がアルキル基を表す場合、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、プロピル基などを挙げることができる。
2及びR3としてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。R2及びR3としてのアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基を挙げることができる。R2及びR3としてのアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基を挙げることができる。
2及びR3としてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、例えばフェニル基を挙げることができる。
これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。R2及びR3としての各官能基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、芳香環(好ましくは炭素数3〜15)などを挙げることができる。
4及びR5としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。R4及びR5としての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、アミノ基を挙げることができる。
一般式(I)において、R4及びR5のいずれか一方は水素原子でないことが好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007095841
一般式(I)で表される化合物は、公知の方法により合成できるが、市販のものを用いてもよい。一般式(I)で表される化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、好ましくは0.0005〜5mol、より好ましくは0.01〜0.5molである。
(複素環化合物)
本発明に用いる金属用研磨液には、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として複素環化合物を含有することが好ましい。
「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。
複素環を有する化合物に含まれるヘテロ原子の数は限定されるものではないが、2個以下が好ましい。特に、2個以下の窒素原子を含有する複素環化合物を用いると本発明にかかわる顕著な効果が得られ、好ましい。
また、複素環は単環であっても縮合環を有する多環であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5である。縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2または3である。
これらの複素環として具体的に、以下のものが挙げられる。
ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環等が挙げられる。
複素環が有しうる置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。さらに、複数の置換基のうち2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などを形成することもできる。
本発明で好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、イミダゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、ベンズチアゾール、2,2’ビピリジル、1,10フェナントロリン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール等である。
本発明で特に好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
すなわち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールである。
本発明で用いる複素環化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いる複素環化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明で用いる複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の金属用研磨液。以降の「研磨に使用する際の金属用研磨液」も同意である。)の1L中、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。
〔研磨粒子〕
被研磨面の研磨後の面内均一性を改良するといった観点から、研磨粒子(砥粒)を含有することが好ましい。本発明における研磨液に含まれる研磨粒子の 平均粒径は10〜60nmが好ましい。より好ましくは10〜45nm以下が好ましい。
なお、本発明における研磨粒子の平均粒径は、動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を表す。動的光散乱法により粒度分布を求める測定装置としては、例えば、堀場製作所(株)製、LB−500(商品名)等が挙げられる。
研磨粒子は研磨液に必ず含まれ、添加する場合の研磨液に対する濃度はスラリー中に0.01〜3質量%含まれていることが好ましく、0.01〜1質量%含まれていることがより好ましい。
本発明に係る金属用研磨液に使用しうる研磨粒子としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ),アルミナ,セリア,チタニア,ジルコニア,マンガン,クロム,鉄,スズ,タンタルなどの酸化物や窒化物およびこれらの複合粒子などを使用することができる。また用途によって,ダイヤモンドなどの硬質粒子を使用する場合もある。また,スチレン,アクリル,メタクリル,メタクリレート,エチレン,プロピレン,ビニルピロリドン,ウレタン,PVC,PVA(PVF),フェノール,エポキシ,シリコーンなどの有機樹脂からなる粒子や有機樹脂を含む粒子の使用も有効である。
なかでも、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ),アルミナ,セリア,チタニア,ジルコニアが好ましいものとして挙げられ、より好ましくはコロイダルシリカを挙げることができる。
これらの粒子は良く知られている製造法によって得ることができる。例えば金属酸化物の粒子は,金属アルコキシドを出発物質として,これの加水分解法によってコロイダル粒子が得られており,また金属の塩化物を酸水素火炎中へ導入し,これによって脱塩素化された金属を酸化させる反応によってヒュームド粒子を得ることができる。更には目的物質に含まれる金属あるいは合金を粉砕して粉体とし,これらを、支燃性ガスを含む酸素火炎中に投入して粉塵爆発を起こし,真球状の酸化物粒子を得る方法も実用化されている。
前記窒化物は,例えば前記酸化物をカーボンなどの還元剤と共に窒素雰囲気中で昇温させることによって得ることができる。
〔酸化剤〕
本発明に係る金属用研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N’−ニ酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
なかでも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、過硫酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
酸化剤の中でも過酸化水素、過硫酸塩、並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)の錯体が最も好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1Lあたり、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
(一般式(I)で表される化合物とは異なる有機酸)
本発明に係る金属用研磨液は、前記一般式(I)で表される化合物とは別の有機酸を含有することもできる。
有機酸としては、水溶性のものが望ましく、アミノ酸やそれ以外の酸である。
アミノ酸としては、以下の群から選ばれたものがより適している。
グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸等が挙げられる。
アミノ酸以外の有機酸としては、以下の群から選ばれたものがより適している。
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩が挙げられる。
これらの中でも、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン等が実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好適である。
本発明にかかわる金属用研磨液は、さらに他の成分を含有してもよく、例えば、界面活性剤、親溶性ポリマー、及び、その他の添加剤を挙げることができる。
(界面活性剤/親水性ポリマー)
本発明にかかわる研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。
界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられ、両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができ、非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、上記のものは、酸もしくはそのアンモニウム塩の方が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染がなく望ましい。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
これらの界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
(pH調整剤)
本発明にかかわる金属用研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
研磨に使用する際の金属用研磨液のpHは3〜12が好ましく、より好ましくは4〜9であり、特に5〜8が好ましい。この範囲において本発明にかかわる金属液は特に優れた効果を発揮する。
(キレート剤)
本発明にかかわる金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有していてもよい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じてこれらを2種以上併用しても良い。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
なお、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での溶媒に対する溶解度が5%未満の物の配合量は、室温での溶媒に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。この添加量が2倍以上では濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止するのが困難となる。
次に、研磨される半導体集積回路ウエハについて説明する。
[配線金属原材料]
本発明においては、研磨する対象は、例えばLSI等の半導体における、銅金属及び/又は銅合金からなる配線が好ましく、特には銅合金が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明にかかわる研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔バリア金属〕
本発明においては、半導体の銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
〔研磨方法〕
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明にかかわる研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足す
るためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明にかかわる研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した研磨液を調製することができる。
濃縮された研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
濃縮された研磨液を水または水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法である。または、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法がある。
本発明にかかわる別の研磨方法は、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また本発明においては、上述したように研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
〔パッド〕
研磨用のパッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明にかかわる研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明にかかわる効果を発揮する。
以下実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
下記に示す研磨液を調製し、研磨試験を行い、評価した。
(研磨液の調製)
過酸化水素(酸化剤) 5g/L
A−1(有機酸、和光純薬工業(株)製) 6g/L
1H−テトラゾール(芳香環化合物) 0.5g/L
コロイダルシリカ(砥粒) 10g/L
純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 6.8
(評価方法)
研磨装置として含まれていることが荏原製作所製装置「F−REX300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながらパターン形成された各ウエハに設けられた膜を研磨し、その時の段差を測定した。
基盤:フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりシリコン酸化膜をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成、さらに、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウエハを使用した
テ−ブル回転数:50rpm
ヘッド回転数:50rpm
研磨圧力:168hPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 品番IC−1400
スラリー供給速度:200ml/分
<1.面内均一性評価>
研磨特性評価として面内均一性を用いる。これはウエハ内における研磨速度のばらつきを表し、以下の式で定義される。
面内均一性=100×(研磨速度の標準偏差/研磨速度の平均値)
ここで研磨速度とは研磨前後の膜厚を電気抵抗から換算し、以下の式から導かれる。
研磨速度(Å/分)=〔(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ)/研磨時間〕で測定した。
<2.ディッシング評価>
パターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、該時間の50%に相当する時間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン100μm、スペース100μm)のディッシングを触針式段差計で測定した。
<3.研磨温度及び温度分布評価>
NEC三栄社製のサーモグラフィーを用いてCMPパッドの温度を測定した。サーモグラフィーではパッド全面の温度が測定できる。温度は研磨中連続して行い、研磨開始から終了までにそこで表示される最も高温となった時のパッド温度を最高温度とし、該最高温度観測時に観測される最も低いパッド部の温度を最低温度とした。そして測定された最高温度と最高温度観測時の面内最低温度の差(温度分布)を求めた。
<実施例2〜28及び比較例1〜7>
実施例1と同様にして、表2に記載の化合物を使用して、実施例2〜28及び比較例1〜7の研磨液を調製し、研磨試験を行い、実施例1と同様に評価した。結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 2007095841
Figure 2007095841
表1及び表2の結果によれば、一般式(1)で表される化合物とトリアゾール、テトラゾールを添加した実施例1〜28の研磨液を用いた場合には、研磨パッド面内の温度差が本発明の範囲内にあり、高平坦性且つ低ディッシングを達成していることがわかる。一方、グリシンとテラゾールを用いた比較例1〜7では、研磨パッド面内の温度差が大きく、平坦性が実施例にくらべて低く、ディッシングも大きくなっていることがわかる。

Claims (9)

  1. 研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウエハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法であって、
    該研磨液が下記一般式(I)で表される化合物を含有し、且つ、該研磨パッド面内の最高温度と最低温度の差を15℃以下とすることを特徴とする化学的機械的研磨方法。
    Figure 2007095841
    一般式(I)中、R1は、単結合、又はアルキレン基を表す。
    2及びR3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。
    4は、水素原子、又はアルキル基を表す。R5は、水酸基又はアミノ基を置換した有機基を表す。但し、R1が単結合のとき、R4は水素原子ではない。
  2. 前記研磨液が、さらに、複素環化合物と平均粒径10〜60nmの研磨粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の化学的機械的研磨方法。
  3. 前記研磨粒子がシリカ、セリア、アルミナ、及びチタニアから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項2記載の化学的機械的研磨方法。
  4. 前記研磨粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項3記載の化学的機械的研磨方法。
  5. 前記研磨粒子の含有量が0.01〜3質量%であることを特徴とする請求項3記載の化学的機械的研磨方法。
  6. 前記一般式(I)で表される化合物の含有量が0.0005〜5mol/Lであることを特徴とする請求項1記載の化学的機械的研磨方法。
  7. 前記複素環化合物の含有量が0.0001〜1mol/Lであることを特徴とする請求項2記載の化学的機械的研磨方法。
  8. 前記複素環化合物が、テトラゾール、トリアゾール及びこれらの誘導体から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2記載の化学的機械的研磨方法。
  9. 前記研磨液が、酸化剤を含むことを特徴とする請求項1記載の化学的機械的研磨方法。
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