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JP2007082649A - 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御プログラム - Google Patents

超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御プログラム Download PDF

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JP2007082649A JP2005273265A JP2005273265A JP2007082649A JP 2007082649 A JP2007082649 A JP 2007082649A JP 2005273265 A JP2005273265 A JP 2005273265A JP 2005273265 A JP2005273265 A JP 2005273265A JP 2007082649 A JP2007082649 A JP 2007082649A
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Abstract

【課題】 組織像についてはリアルタイム性を確保して映像化し、超音波造影剤については明瞭な3次元画像が得られる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 高音圧で破壊される超音波造影剤が被検体に注入された状態で、送受信部3は、2次元のスキャン面をスキャンする2Dスキャンと、3次元空間内をスキャンする3Dスキャンとを、交互に2次元アレイ超音波プローブ2に実行させる。2Dスキャンでは比較的低音圧の超音波を送受信し、3Dスキャンでは比較的高音圧の超音波を送受信する。2Dスキャンでは、リアルタイム性が良好で、Bモード断層像が動画として得られる。また、低音圧の超音波を送受信しているため、超音波造影剤は破壊されずに関心領域に浸透することができる。3Dスキャンでは、高音圧で超音波を送受信しているため、超音波造影剤は破壊され、高輝度の超音波造影剤の3次元画像が得られる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、2次元アレイ超音波プローブを備えて被検体内に超音波を送信し、被検体内からの反射波に基づいて被検体内の診断情報を得る超音波診断装置に関する。特に、超音波造影剤を使用したコントラストエコー法を行う超音波診断装置に関する。
従来から、いわゆる1次元超音波プローブを備えた超音波診断装置を用いて、超音波造影剤を使用したコントラストエコー法が行われている。コントラストエコー法は、気体を含む超音波造影剤では超音波の反射、散乱及び共鳴といった特性が生体組織と大きく異なることを利用して映像化する方法であり、超音波の照射により超音波造影剤から発生する高調波成分が生体組織と異なることなどを利用して映像化する手法である。
コントラストエコー法は、生体内の血液中に超音波造影剤を注入し、血液の流れに沿って生体内に浸透していく超音波造影剤を明瞭に映像化することにより、生体内の血液の状態(血液の流れや血液の量など)や、血液が浸透した組織そのものをより明瞭に可視化することを目的としている。
コントラストエコー法の具体的な映像化手法は様々なものが存在する。例えば、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードと、組織像を映像化するためのスキャンモードとで、送受信する超音波の音圧やフィルタの周波数帯域などを変えることにより、超音波造影剤と組織像とを明瞭に映像化する。
また、超音波造影剤の種類によっては、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードで超音波を超音波造影剤に照射した瞬間に超音波造影剤が破壊してしまうものがある。例えば、超音波造影剤(レボビスト)などは、比較的高音圧の超音波が照射されることで高帯域の超音波を発生するが、その瞬間に破壊されてしまう。
このように超音波造影剤が破壊されてしまうと、超音波造影剤が血液の流れに沿って生体内を浸透していく様子を観察することができない。そのため、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードで継続して超音波を照射せずに、一定の時間間隔をおいて超音波を照射する必要がある。この一定の時間間隔をおくことで、超音波が照射されない間に超音波造影剤が生体内を浸透していき、その後、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードで超音波を照射することにより、生体内を浸透した超音波造影剤を明瞭に映像化することが可能となる。そして、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードで超音波を照射する合間に、超音波の音圧やフィルタの周波数帯域などを変えてスキャンすることで、一定の時間間隔の合間に、組織像を映像化することが可能となる。
このように、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードと、組織像を映像化するためのスキャンモードとを交互に実施することにより、超音波造影剤が生体内を浸透していく様子を明瞭に映像化することが可能となるとともに、組織像については、いわゆるリアルタイムで画像を収集して表示することが可能となる。
また、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードでスキャンすると、超音波の音圧やフィルタの周波数帯域が異なるため、組織像を明瞭に映像化できない場合があるが、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードと、組織像を映像化するためのスキャンモードとを交互に実施することにより、組織像についても明瞭に映像化することができる。
一方、超音波振動子が2次元的に配列された、いわゆる2次元アレイ超音波プローブを用いることにより、空間的にスキャン(以下、ボリュームスキャンと称する場合もある)して3次元的な生体情報を収集することができる。この2次元アレイ超音波プローブを備えた超音波診断装置を用いて超音波造影剤を使用したコントラストエコー法を実施する試みがなされているが(例えば特許文献1)、未だコントラストエコー法は確立されていない。
2次元アレイ超音波プローブを用いてボリュームスキャンを行なうと、ボリュームデータが収集され、3次元画像の表示が可能となる。このボリュームスキャンは、2次元の平面からなるスキャン面をスキャンする場合と異なり、送受信される超音波の走査線数が格段と多くなるため、得られるデータ量も多くなる。そのため、ボリュームスキャンを行なうことにより、2次元のスキャン面をスキャンする場合と比べて、画像診断に有用な情報が多く得られる。
特開2000−333956号公報
しかしながら、ボリュームスキャンを行なう場合、平面へのスキャンと比べて走査線数が多数となるため、一定時間内に映像化可能な画像のフレーム数は減少する。従って、ボリュームスキャンを行なって3次元画像を生成する場合は、2次元のスキャン面をスキャンして2次元画像を生成する場合と比較してボリュームレートが低下してしまう。その結果、2次元画像を生成する場合と比べてリアルタイム性が劣化してしまい、3次元画像を動画として認識することができない。このように、リアルタイム性が悪く、動画として認識できないため、生成された3次元画像を見ながら関心領域内にある診断部位を探したり、画像収集のタイミングを図ったりすることが困難であった。
超音波の走査線密度を減少させれば、ボリュームレートが速くなってリアルタイム性が向上するが、走査線密度が減少することにより、詳細な画像が得られなくなる問題がある。
この発明は上記の問題を解決するものであり、組織像についてはリアルタイム性を確保して映像化し、超音波造影剤については明瞭な3次元画像が得られる超音波診断装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブと、組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信部と、前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成部と、前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御部と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項2に記載の発明は、超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブと、組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとの切り換え信号を、所定のシーケンシャルに従って出力するシーケンシャル制御部と、前記切り替え信号に従って、前記第1のスキャンモードと前記第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信部と、前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成部と、前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御部と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、前記第1のスキャンモードにおける超音波の送信音圧を、前記第2のスキャンモードにおける超音波の送信音圧よりも低音圧にして前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記表示制御部は、前記画像データに基づく画像と前記断層像とを同時に前記表示部に表示させることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、前記第1のスキャンモードでは、互いに直交する2つのスキャン面を交互に前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づいて前記超音波の送受信方向に略直交する平面に沿った画像データを生成し、前記表示制御部は、該平面に沿った画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を前記表示部に表示させることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の超音波診断装置であって、前記画像生成部は、前記送受信方向に沿って所定の厚みの範囲において、前記平面に沿った画像データを加算平均し、前記表示制御部は、前記加算平均された画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を前記表示部に表示させることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、所定の視線方向上における前記ボリュームデータの中からボクセル値が最大であるボクセルデータを投影して最大値投影画像データを生成することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、所定の視線方向上における前記ボリュームデータの中からボクセル値が最小であるボクセルデータを投影して最小値投影画像データを生成することを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、前記ボリュームデータを所定の切断平面で切断することによって切断面を生成し、前記切断面に沿った画像データを生成することを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記表示制御部は、前記断層像データに基づく断層像に、前記ボリュームデータに基づいて生成された画像の位置を示すマーカを重畳させて前記表示部に表示させることを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記表示制御部は、前記ボリュームデータに基づいて生成された画像に、前記断層像データに基づく断層像の位置を示すマーカを重畳させて前記表示部に表示させることを特徴とするものである。
請求項13に記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、所定の時間間隔で、前記第1のスキャンモードと前記第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させることを特徴とするものである。
請求項14に記載の発明は、請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記シーケンシャル制御部は、所定の時間間隔で前記切り替え信号を出力することを特徴とするものである。
請求項15に記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、被検体の心臓の動きに同期させて前記第2のスキャンモードを実行させることを特徴とするものである。
請求項16に記載の発明は、請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記シーケンシャル制御部は、被検体の心臓の動きに同期させて前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とするものである。
請求項17に記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、ECG信号に基づくトリガ信号を受け、前記トリガ信号に従って前記第2のスキャンモードを行うことを特徴とするものである。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の超音波診断装置であって、前記送受信部は、前記トリガ信号を受けてから所定時間経過後に、前記第2のスキャンモードを行い、新たなトリガ信号を受けるたびに、前記所定時間の長さを長くして前記第2のスキャンモードを行うことを特徴とするものである。
請求項19に記載の発明は、請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記シーケンシャル制御部は、ECGトリガ信号に基づくトリガ信号を受けると前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とするものである。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の超音波診断装置であって、前記シーケンシャル制御部は、前記トリガ信号を受けてから所定時間経過後に、前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力し、新たなトリガ信号を受けるたびに、前記所定時間の長さを長くして前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とするものである。
請求項21に記載の発明は、超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブを備えた超音波診断装置に、組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信機能と、前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成機能と、前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする超音波診断装置の制御プログラムである。
この発明によると、超音波造影剤を映像化するためのスキャンモードでは3次元空間内をスキャンさせることで、超音波造影剤の明瞭な3次元画像が得られる。一方、組織像を映像化するためのスキャンモードでは2次元のスキャン面をスキャンすることで、リアルタイム性が確保されて組織像が動画として得られる。これにより、リアルタイム性が確保された組織像を観察することで、関心領域内への位置合わせなどが容易になるとともに、超音波造影剤が浸透した組織の明瞭な3次元画像を得ることが可能となる。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置について、図1から図13を参照しつつ説明する。
この実施形態に係る超音波診断装置1は、被検体に超音波造影剤を注入した状態で用いられてコントラストエコー法を実施する。特にこの実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波造影剤を映像化する場合はボリュームスキャン(3Dスキャン)を行い、被検体内の組織像を映像化する場合は2次元の平面からなる2次元スキャン面をスキャン(2Dスキャンと称する)する。そして、超音波診断装置1は、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとを交互に実施することにより、超音波造影剤については3次元画像として表示部に表示し、組織像については2次元の断層像として表示部に表示する。これにより、超音波造影剤が浸透した血管や組織などが立体的に明瞭に映像化され、それ以外の組織像についてはリアルタイム性が追求されて、操作者には動画として認識されることになる。
超音波造影剤を映像化する場合、その超音波造影剤の特性に合わせて超音波の送受信や信号処理などを行う必要がある。例えば、一般的な超音波造影剤として「レボビスト」を用いた場合について説明する。レボビストは、比較的高い音圧(高い強度)の超音波を受けると破壊される。そして、レボビストが破壊する時に高帯域の超音波を発生する。そのため、レボビストを使用する場合は比較的高音圧(高い強度)で超音波を送信し、受信信号の高調波成分に基づいて画像を生成することにより、超音波造影剤を明瞭に映像化することができる。これにより、超音波造影剤が浸透した血管や組織をより明瞭に映像化することができる。
しかしながら、高音圧の超音波を受けるとレボビストは破壊されてしまうため、高音圧の超音波を送信し続けると、血管や組織などにその後流入してくる超音波造影剤(レボビスト)が破壊され続ける。その結果、超音波造影剤(レボビスト)を関心領域に十分に行き渡らせることができないため、超音波造影剤(レボビスト)が浸透するはずの血管や組織などを明瞭に映像化することができない。従って、血管や組織などにその後流入してくる超音波造影剤(レボビスト)を破壊せずに、関心領域に十分に行き渡らせるために、高音圧の超音波の送信を一時的に停止する必要がある。このように高音圧の超音波の送受信を停止することにより、超音波造影剤(レボビスト)を関心領域に十分に行き渡らせることができる。
ところが、高音圧の超音波の送受信を停止している間は、超音波造影剤(レボビスト)の映像化のみならず、それ以外の組織の映像化も不可能になる。
そこで、この実施形態に係る超音波診断装置1は、高音圧の超音波の送受信を停止している間に、比較的低い音圧(低い強度)の超音波を送受信することにより、組織像を映像化する。その際、2Dスキャンを行なうことで、リアルタイム性を追求した2次元の断層像を得ることができる。
この実施形態では、上記の超音波造影剤(レボビスト)を用いて、超音波造影剤と組織像を映像化する。超音波造影剤を映像化するために、比較的高音圧の超音波を送受信する。その際、3Dスキャンを行ない、受信信号の高調波成分に基づいて超音波造影剤の3次元画像データを得る。一方、超音波造影剤を関心領域まで行き渡らせるために3Dスキャンを一時的に中止している間、比較的低音圧の超音波を送受信する。その際、2Dスキャンを行なうことで、組織像の2次元画像データとしてのBモード断層像データを得る。
以上のように3Dスキャンと2Dスキャンとを切り換えてスキャンすることにより、超音波造影剤が浸透した組織などの明瞭な3次元画像が得られ、また、組織像のBモード断層像が動画として得られることになる。つまり、3Dスキャンをすることで、超音波造影剤が浸透した組織などの3次元画像が得られ、2Dスキャンをすることで、リアルタイム性が向上され、組織像のBモード断層像が動画として得られる。
ちなみに、ボリュームスキャン(3Dスキャン)は、2Dスキャンと比べて走査線数が多く、1つの3次元スキャン領域のスキャンに多大の時間を要する。例えば、2Dスキャンを120本程度の走査線でスキャンし、50フレーム/s程度のフレームレートでスキャンすることができたとしても、3Dスキャンでは、走査線密度を少なくして60×20=1200本の走査線にしたとしても、レートは5ボリューム/sとなってしまう。従って、3Dスキャンの場合は、動画のリアルタイム性や時間分解能が著しく低下することになる。
この実施形態のように、高音圧の超音波で3Dスキャンを行なって超音波造影剤を映像化するスキャンモードの間に、低音圧の超音波で2Dスキャンを行なうことにより、リアルタイム性が良く、時間分解能が高いBモード断層像が得られる。
なお、この実施形態に係る超音波診断装置1は、Bモード断層像を表示するBモード、超音波ビーム方向の反射源の時間的位置変化を運動曲線として表示するMモード、血流情報を表示するドプラモード(パルスドプラ(PW)又は連続波ドプラ(CW))、血流情報を2次元的に表示するCFM(カラーフローマッピング)モードなどの既知のモードに応じて動作可能な装置である。
(構成)
以下、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成について図1を参照しつつ説明する。図1は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
2次元アレイ超音波プローブ2は、既知の2次元アレイ超音波プローブからなる。2次元アレイ超音波プローブ2は、超音波振動子がマトリックス(格子)状に配置され、走査(スキャン)することによって3次元的に超音波を送信し、プローブ表面から放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信することができる。また、2次元アレイ超音波プローブ2は、2次元のスキャン面内をスキャンして2次元データをエコー信号として受信することができ、そのスキャン面を傾斜してスキャンすることもできる。
ここで、2次元アレイ超音波プローブ2のスキャン可能な領域について、図2を参照しつつ説明する。図2は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置がスキャンする領域及びスキャン面を説明するための模式図である。
図2に示すように、2次元アレイ超音波プローブ2がスキャンできる3次元スキャン領域10は、3次元的な空間である。2次元アレイ超音波プローブ2は、3次元スキャン領域10内においては、2次元的な面内をスキャンすることもできる。つまり、2次元アレイ超音波プローブ2は、図2に示す2次元のスキャン面11などをスキャンして、2次元画像を得ることができる。なお、スキャン面11は2次元アレイ超音波プローブ2の直下にあるスキャン面である。
また、2次元アレイ超音波プローブ2は、スキャン面11を中心として、スキャン面を電子的に傾けることもできる。このように、2次元アレイ超音波プローブ2を用いると、超音波プローブを手で傾けなくても、2次元のスキャン面を電子的に傾けることが可能となる。
送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2にボリュームスキャン(3Dスキャン)又は2Dスキャンを実行させる。具体的には、送受信部3は、送信部31、受信部32及びプローブ内スキャン制御部33を備えて構成されている。送信部31は既知の送信部からなり、2次元アレイ超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させる。受信部32は既知の受信部からなり、2次元アレイ超音波プローブ2からの信号を受信する。
プローブ内スキャン制御部33は、制御部9から送られる、3Dスキャンと2Dスキャンの切り換え命令に従って、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンの切り替えを行なう。送信部31と受信部32は、そのスキャンの切り替えに従って、3Dスキャン又は2Dスキャンを2次元アレイ超音波プローブ2に実行させる。つまり、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に3次元スキャン領域10、又は、2次元の平面からなる2次元スキャン面11のいずれかをスキャンさせる。そのスキャンの切り替えは、制御部9からのスキャンの切り替え命令に従って行なわれることになる。
送信部31は、図示しないクロック発生回路、送信遅延回路、及びパルサ回路を備えている。クロック発生回路は、超音波信号の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。送信遅延回路は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施する回路である。パルサ回路は、各超音波振動子に対応した個別経路(チャンネル)の数分のパルサを内蔵し、遅延が掛けられた送信タイミングで駆動パルスを発生し、2次元アレイ超音波プローブ2の各超音波振動子に供給するようになっている。
受信部32は、図示しないプリアンプ回路、A/D変換回路、及び受信遅延・加算回路を備えている。プリアンプ回路は、2次元アレイ超音波プローブ2の各超音波振動子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換回路は、増幅されたエコー信号をA/D変換する。受信遅延・加算回路は、A/D変換後のエコー信号に対して受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、加算する。その加算により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。なお、受信部32によって加算処理された信号を「RFデータ(または、生データ)」と称する。受信部32から出力されたRFデータは、信号処理部4に出力される。
信号処理部4はいわゆるBモード処理部を含んで構成され、エコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。具体的には、信号処理部4は、フィルタ切替部41、高調波用フィルタ42、基本周波数用フィルタ43、及びラスタデータ生成部44を備えて構成されている。尚、この実施形態では、信号処理部4としてBモード処理部のみを説明しているが、Bモード処理部のみに限られない。信号処理部4は、エコーのドプラ情報の映像化を行うカラー処理部を含んで構成されても良い。
フィルタ切替部41は、制御部9から送られる、3Dスキャンと2Dスキャンの切り換え命令に従って、送受信部3から出力されるRFデータを高調波用フィルタ42又は基本周波数用フィルタ43のいずれかのフィルタに出力する。この実施形態では、超音波造影剤を映像化する場合は3Dスキャンが行なわれるため、フィルタ切替部41は、3Dスキャンを行なった場合に得られるRFデータを高調波用フィルタ42に出力する。また、組織像を映像化する場合は2Dスキャンが行なわれるため、フィルタ切替部41は、2Dスキャンを行なった場合に得られるRFデータを基本周波数用フィルタ43に出力する。
高調波用フィルタ42及び基本周波数用フィルタ43は、送受信部3から送られるRFデータに対してバンドパスフィルタ処理を行う。高調波用フィルタ42は、例えば、送信周波数(基本周波数)の2倍の周波数となる高調波成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。一方、基本周波数用フィルタ43は、送信周波数(基本周波数)の成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。
超音波造影剤からのエコー信号には、送信周波数(基本周波数)の2倍、3倍、・・・の周波数となる高調波成分が含まれている。また、生体組織からのエコー信号の周波数は、送信周波数と等しくなる。つまり、生体組織からのエコー信号には、基本周波数成分が多く含まれている。そこで、基本周波数の2倍の周波数のみを通過するバンドパスフィルタに通すと、生体組織からのエコー信号は大きな減衰を受ける。一方、超音波造影剤からのエコー信号は、基本周波数の2倍の高調波成分が含まれているため、そのバンドパスフィルタを通すことにより、2次高調波成分を取り出して、映像化することができる。
超音波造影剤を映像化するために3Dスキャンを行なう場合は、フィルタ切替部41は、その3Dスキャンにより得られたRFデータを高調波用フィルタ42に出力する。これにより、高調波成分を取り出すバンドパスフィルタを用いてフィルタ処理が行われ、高調波成分を取り出すことができる。一方、組織像を映像化するために2Dスキャンを行う場合は、フィルタ切替部41は、その2Dスキャンにより得られたRFデータを基本周波数用フィルタ42に出力する。これにより、基本周波数成分を取り出すバンドパスフィルタを用いてフィルタ処理が行われ、基本周波数成分を取り出すことができる。
ラスタデータ生成部44は、高調波用フィルタ42又は基本周波数用フィルタ43から出力された信号に基づいてBモード超音波ラスタデータ(信号処理後のデータ)を生成する。具体的には、ラスタデータ生成部44は、高調波用フィルタ42又は基本周波数用フィルタ43から出力された、フィルタ処理後の信号から包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。
また、信号処理部4は、既知のドプラモード処理部やCFM処理部を備えていても良い。ドプラモード処理部は、パルスドプラ法(PWドプラ法)又は連続波ドプラ法(CWドプラ法)により血流情報を生成する。ドプラモード処理部は、送受信部4から送られる信号に対して、所定の大きさを有する血流観測点内における受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらにFFT処理を施して、所定の大きさを有する血流観測点内の血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。また、CFM処理部は、動いている血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。血流情報には、速度、分散、パワーなどの情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。具体的には、CFM処理部は、位相検波回路、MTIフィルタ、自己相関器、及び流速・分散演算器から構成されている。このCFM処理部は、組織信号と血流信号とを分離するためのハイパスフィルタ処理(MTIフィルタ処理)が行われ、自己相関処理により血流の移動速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。その他、組織信号を低減及び削減するための非線形処理が行われる場合もある。
DSC5(デジタルスキャンコンバータ)は、信号処理部4から出力された走査線信号列で表される信号処理後のデータを読み込んで、空間情報に基づいた座標系のデータに変換する(スキャンコンバージョン処理)。つまり、超音波走査に同期した信号列をテレビ走査方式の表示部8で表示できるようにするために、標準のテレビ走査に同期して読み出すことにより走査方式を変換している。
3Dスキャンが実行された場合、DSC5は、信号処理部4から出力される信号処理後のデータに基づいてボクセルデータ(ボリュームデータ)を生成し、そのボクセルデータ(ボリュームデータ)を画像処理部6に出力する。また、DSC5は何も処理を行わず、画像処理部6が、信号処理後のラスタデータをボクセルデータに変換しても良い。また、2Dスキャンが実行された場合、DSC5は、信号処理部4から出力される信号処理後のデータに基づいてBモード断層像データを生成し、そのBモード断層像データを表示制御部7に出力する。
画像処理部6は、ボリュームスキャン(3Dスキャン)が行われた場合に、DSC5から出力されたボクセルデータ(ボリュームデータ)に対して画像処理を施す。例えば、画像処理部6は、ボクセルデータ(ボリュームデータ)に対してボリューム・レンダリング(Volume Rendering:以下、VR処理と称することがある)を施して3次元画像データを生成する。このボリューム・レンダリングは、超音波診断装置以外のX線CT装置やMRI装置などの医用画像診断装置においても広く用いられている3次元画像の表示手法である。
このボリューム・レンダリングは、ボクセルデータ(ボリュームデータ)に対して所定の視線方向(投影光線の投影方向)を決めて、任意の視線から光線追跡処理を行い、視線上のボクセル値(輝度値など)の積分値や重み付き累積加算値を投影面上の画像ピクセルに出力することによって、臓器などを立体的に抽出して3次元画像データを生成するものである。
また、画像処理部6は、ボリューム・レンダリングの他に、最大値/最小値投影画像処理やMPR画像処理などを施すことも可能である。
投影光線によって貫かれた各ボクセル値の中から最大値を計算し、得られた最大値をピクセルに格納することによって生成される画像を、最大値投影画像(MIP画像)と称する。また、各ボクセル値の中から最小値を計算し、得られた最小値をピクセルに格納することによって生成される画像を、最小値投影画像(MINIP画像)と称する。
また、ボクセルデータ(ボリュームデータ)を特定の平面(切断平面)で切断することによって得られる切断面により生成される任意断面の画像を、MPR(Multi Plane Reconstruction)画像と称する。
なお、画像処理部6における画像処理の内容は、操作者が任意に決定することができる。
表示制御部7は、DSC6から出力されるBモード断層像データを受けて、そのBモード断層像データに基づくBモード断層像を表示部8に表示させる。また、表示制御部7は、画像処理部6から出力される3次元画像データやMPR画像データなどを受けて、それらのデータに基づく3次元画像やMPR画像などを表示部8に表示させる。また、表示制御部7は、2Dスキャンで得られたBモード断層像と、3Dスキャンで得られた3次元画像などとを同時に表示部8に表示させる。これにより、リアルタイム性が追求された、組織像を表すBモード断層像と、超音波造影剤が表された3次元画像などとが、表示部8に表示されることになる。
表示部8はCRTや液晶ディスプレイなどのモニタからなり、そのモニタ画面上にBモード断層像、3次元画像、又はMPR画像などが表示される。
制御部9は、超音波診断装置1の各部に接続され、超音波診断装置1の各部を制御する。この実施形態においては、制御部9は、所定のシーケンシャルに従ってスキャンの切り替え命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この制御部9がこの発明の「シーケンシャル制御部」に相当する。
制御部9にはタイマー91が接続されている。このタイマー91は、例えば、スキャンの切り替え命令を出力するタイミングを計る場合に用いられる。このタイマー91で所定時間を計測し、制御部9は所定時間ごとにスキャンの切り替え命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
また、スキャンの切り換え命令を出力するタイミングとして、心電波形を用いることもできる。この場合、超音波診断装置1の外部に、心電計(図示しない)を設置しておく。この心電計は、被検体の心電波形(ECG信号)を取得する。心電計には、R波を検出した際にトリガ信号(ECGトリガ信号と称する)を発生する信号発生器が備えられており、その信号発生器にて発生させられたECGトリガ信号は超音波診断装置1内の制御部9に出力される。なお、心電計を超音波診断装置1の内部に設置しても構わない。
制御部9は、心電計(図示しない)からECGトリガ信号を受けると、プローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41にスキャンの切り替え命令を出力する。この実施形態においては、制御部9はECGトリガ信号を受けると、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。プローブ内スキャン制御部33は、そのスキャン切り替え命令に従って、2Dスキャンを3Dスキャンに切り換える。また、フィルタ切替部41は、そのスキャン切り替え命令に従って、送受信部3から出力されるRFデータを、高調波用フィルタ42に出力する。このように、心電波形に基づくECGトリガ信号に従ってスキャンを切り換えても良い。
制御部9にはROM又はRAMなどのメモリからなる記憶装置(図示しない)が接続されている。その記憶装置には、超音波診断装置1の各部を制御するための制御プログラムが記憶されている。制御部9は例えばCPUで構成され、記憶装置に記憶されている制御プログラムを実行することにより、超音波診断装置1の各部を制御して、送受信部3の機能、信号処理部4の機能、DSC5の機能、画像処理部6の機能、及び表示制御部7の機能を実行させる。
また、超音波診断装置1には操作部(図示しない)が設置されている。操作部は、超音波の送受信条件などに関する各種設定などを行うための入力装置である。この操作部で入力された情報又は命令は制御部9に出力され、制御部9はその命令に従って処理を行う。例えば、操作者が操作部を用いて、ボクセルデータ(ボリュームデータ)に対する投影光線の投影方向(視線方向)を指定する。具体的には操作部は、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、マウス、キーボード又はTCS(Touch Command Screen)などで構成されている。
(作用)
次に、この発明の実施形態に係る超音波診断装置1の作用について説明する。この実施形態に係る超音波診断装置1は、以下の第1の動作、第2の動作、第3の動作及び第4の動作を実行する。
(第1の動作)
まず、この発明の実施形態に係る超音波診断装置1の第1の動作について、図3を参照しつつ説明する。図3は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第1の動作を順番に示すフローチャートである。
この第1の動作では、制御部9は、予め設定された時間間隔で、スキャンの切り替え命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この時間間隔は、操作者によって予め決定されて、制御部9に接続されている記憶装置(図示しない)に予め記憶させておく。そして、制御部9から時間計測開始の命令を受けると、タイマー91が時間を計測し、予め設定された時間が経過すると、制御部9は、スキャンの切り替え命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。なお、その時間間隔は、操作者によって任意の時間間隔に変更することが可能である。
まず、被検体に超音波造影剤(レボビスト)を注入する。制御部9は、2Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。さらに、制御部9は、タイマー91をリセットし、時間計測開始の命令をタイマー91に出力する。これにより、タイマー91は、2Dスキャンが開始されてからの時間を計測し始める。
プローブ内スキャン制御部33が制御部9から2Dスキャンの実施命令を受けると、送信部31及び受信部32はその2Dスキャン実施命令に従って、2次元アレイ超音波プローブ2に2次元の平面からなる2次元スキャン面をスキャンさせる(ステップS01)。例えば、図2に示す、2次元アレイ超音波プローブ2の直下にある2次元スキャン面11をスキャンさせる。このとき、送信部31は、比較的低音圧の超音波を2次元アレイ超音波プローブ2に送信させる。比較的低音圧の超音波を送信することにより、超音波造影剤(レボビスト)は破壊されずに血管内や組織などに浸透していくことができる。
受信部32は、2次元アレイ超音波プローブ2から出力されたエコー信号を増幅、A/D変換、及び、遅延・加算処理を行ってRFデータを生成し、信号処理部4のフィルタ切替部41に出力する。
フィルタ切替部41は受信部32からRFデータを受けると、制御部9からの2Dスキャン実施命令に従って、そのRFデータを基本周波数用フィルタ43に出力する。基本周波数用フィルタ43は、RFデータに対してバンドパスフィルタ処理を行い、基本周波数成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。ラスタデータ生成部44は、基本周波数用フィルタ43から出力されたデータに基づいてBモード超音波ラスタデータを生成し、DSC5に出力する。DSC5は、そのBモード超音波ラスタデータに対してスキャンコンバージョン処理を施して、テレビ走査方式の表示部8に表示できるBモード断層像データを生成する。表示制御部7は、DSC5からBモード断層像データを受けると、表示部8のモニタ画面上にBモード断層像を表示させる。
そして、制御部9からスキャンの切り替え命令が出力されるまで、送受信部3は2Dスキャンを継続し、信号処理部4はBモード超音波ラスタデータを生成し、DSC5はBモード断層像データを生成する。そして、表示制御部7は、2次元画像としてのBモード断層像を表示部8に表示させる。2Dスキャンはフレームレートが速いため、表示部8に表示されるBモード断層像は動画として表示される。これにより、リアルタイム性が追求されたBモード断層像が表示されることになる。
そして、タイマー91が2Dスキャン開始からの時間を計測し、予め設定された時間が経過すると(ステップS02、Yes)、制御部9は、スキャンの切り換え命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この場合、先に2Dスキャンが行なわれていたため、制御部9は、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
プローブ内スキャン制御部33が制御部9から3Dスキャンの実施命令を受けると、送信部31及び受信部32はその3Dスキャンの実施命令に従って、2次元アレイ超音波プローブ2に3次元空間をスキャンさせる(ステップS03)。例えば、図2に示す、3次元スキャン領域10をスキャンさせる。このとき、送信部31は、比較的高音圧の超音波を2次元アレイ超音波プローブ2に送信させる。比較的高音圧の超音波を送信することにより、超音波造影剤(レボビスト)が破壊されて、高帯域の超音波が発生することになる。
そして、受信部32は、2次元アレイ超音波プローブ2から出力されたエコー信号に対して遅延・加算処理などを施してRFデータを生成し、信号処理部4のフィルタ切替部41に出力する。
フィルタ切替部41は受信部32からRFデータを受けると、制御部9からの3Dスキャン実施命令に従って、そのRFデータを高調波用フィルタ42に出力する。高調波用フィルタ42は、RFデータに対してバンドパスフィルタ処理を行い、高調波成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。ラスタデータ生成部44は、高調波用フィルタ42から出力されたデータに基づいてBモード超音波ラスタデータを生成し、DSC5に出力する。DSC5は、そのBモード超音波ラスタデータに基づいてボクセルデータ(ボリュームデータ)を生成し、そのボクセルデータ(ボリュームデータ)を画像処理部6に出力する。
画像処理部6は、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリング処理や、MPR処理などを施すことにより、3次元画像データやMPR画像データなどを生成する。表示制御部7は、画像処理部6から出力される3次元画像データなどを受けると、3次元画像などを表示部8に表示させる。この3次元画像は、超音波造影剤(レボビスト)で発生した高調波成分に基づいて作成されているため、超音波造影剤(レボビスト)が3次元的に映像化されている。これにより、超音波造影剤(レボビスト)が浸透している血管や組織などを3次元的に明瞭に映像化することが可能となる。
そして、タイマー91が予め設定された時間を計測すると、制御部9は3Dスキャンを中止して2Dスキャンを実行させるために、スキャン切替命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。今度は、2Dスキャンの実施命令を出力する。これにより、3Dスキャンが中止され(ステップS04)、再び2Dスキャンが実施される(ステップS01)。
このように、一定時間ごとに3Dスキャンと2Dスキャンとを切り換えてスキャンすることで、超音波造影剤の3次元画像が得られ、さらに、組織像を2次元の動画として得ることが可能となる。
なお、設定された時間が経過しなくても、1回のボリュームスキャンが終了した場合に、制御部9が、2Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力しても良い。この場合、制御部9に、3Dスキャンの回数をカウントするカウンタ(図示しない)を設ける。そのカウンタが1回のボリュームスキャンをカウントすると、制御部9がスキャン切替命令(2Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
以上のように、ボリュームスキャン(3Dスキャン)を比較的高音圧の超音波で行うことで、超音波造影剤の明瞭な3次元画像が得られる。さらに、ボリュームスキャン(3Dスキャン)を行う間に、2Dスキャンを比較的低音圧の超音波で行うことで、リアルタイム性が向上し、組織像が動画として得られる。超音波造影剤(レボビスト)は、ボリュームスキャン(3Dスキャン)を行うことで破壊されるが、3Dスキャンを一時的に中止することで、超音波造影剤(レボビスト)を関心領域まで浸透させることができ、超音波造影剤(レボビスト)が浸透していく様子を3次元画像として表示し、観察することができる。そして、3Dスキャンを一時的に中止している間に、比較的低音圧の超音波で2Dスキャンを行なうことで、組織像が動画として得られる。つまり、比較的低音圧の超音波で2Dスキャンを行なっている間に、超音波造影剤(レボビスト)を関心領域まで浸透させることが可能となる。
また、比較的低音圧で2Dスキャンを行なう場合に、いわゆるバイプレーンスキャンを実施しても良い。このバイプレーンスキャンは、互いに直交する2次元スキャン面を交互にスキャンすることで、互いに直交するBモード断層像を得るスキャンである。このバイプレーンスキャンについて図4及び図5を参照しつつ説明する。図4は、バイプレーンスキャンにおけるスキャン面を説明するための模式図である。図5は、スキャンを行なうことで得られた画像を示す図である。
ここで、バイプレーンスキャンを行なう場合のスキャン面について図4を参照しつつ説明する。図4に示すように、送受信部3は2次元アレイ超音波プローブ2にスキャン面11aとスキャン面11bとを交互にスキャンさせる。スキャン面11aとスキャン面11bとは互いに直交する面である。これにより、スキャン面11aにおけるBモード断層像データとスキャン面11bにおけるBモード断層像データとが得られる。
送受信部3は、制御部9から2Dスキャンの実施命令を受けると、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的低音圧の超音波でバイプレーンスキャンを実行させて、互いに直交するスキャン面のBモード断層像データを収集し、Bモード断層像を表示部8のモニタ画面8a上に表示する。例えば、図4に示すように、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に2次元のスキャン面11aとスキャン面11bとをスキャンさせる。このスキャンの結果、DSC5にて、スキャン面11aのBモード断層像データと、スキャン面11bのBモード断層像データが生成される。
表示制御部7は、例えば、図5に示す表示部8のモニタ画面8a上に、収集されたBモード断層像12aと、Bモード断層像12aに直交するBモード断層像12bとを表示させる。Bモード断層像12aは、図4に示すスキャン面11aをスキャンすることにより得られた2次元画像であり、Bモード断層像12bは、図4に示すスキャン面11bをスキャンすることにより得られた2次元画像である。
そして、上述したように予め設定された時間が経過すると、制御部9は、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。これにより、比較的高音圧の超音波で3Dスキャンが実施されて超音波造影剤の3次元画像が得られる。
このように、2Dスキャンを行なう場合に、バイプレーンスキャンを行なって互いに直交するBモード断層像を表示することにより、組織像を立体的に把握することができ、超音波造影剤を浸透させる関心領域の位置を的確に把握することが可能となる。
また、超音波造影剤(レボビスト)を映像化する場合、画像処理部6にてボリューム・レンダリングを行って3次元画像データを生成する代わりに、MPR処理を行って任意断面の画像データ(MPR画像データ)を生成しても良い。具体的には、画像処理部6が、3Dスキャンで得られたボクセルデータ(ボリュームデータ)に対してMPR処理を行って、任意断面のMPR画像データを生成する。
上述したように3Dスキャンが行なわれると、DSC5にてボクセルデータ(ボリュームデータ)が生成され、そのボクセルデータがDSC5から画像処理部6に出力される。画像処理部6は、そのボクセルデータに対して、操作者によって指定された特定の平面を切断し、その切断面の画像データ(MPR画像データ)を生成する。切断面は、操作部(図示しない)を用いて操作者によって指定される。この切断面は、任意に指定することが可能である。このようにして生成されたMPR画像データは、画像処理部6から表示制御部7に出力される。表示制御部7は、超音波造影剤が表されたMPR画像と、2Dスキャンを行なって得られたBモード断層像とを、表示部8に同時に表示させる。
また、画像処理部6は、MPR画像の厚み方向にある複数のMPR画像を加算し、さらに平均することで新たな画像(以下、「厚み付きMPR画像」と称する)を生成しても良い。つまり、指定された切断面の厚み方向に、指定された幅の範囲内にある画素値を加算して平均することで、厚み付きMPR画像を生成する。なお、切断面の他、厚み方向の幅も操作者によって指定され、その幅も任意に指定することができる。
また、超音波造影剤を映像化する場合、画像処理部6にてボリューム・レンダリングを行って3次元画像データを生成する代わりに、2次元アレイ超音波プローブ2の直下にある2次元スキャン面11に直交する2次元の平面の画像データ(以下、「C面画像データ」と称する場合がある)を生成して表示しても良い。ここで、2次元スキャン面11に直交する2次元の平面について、図6を参照しつつ説明する。図6は、3次元スキャン領域におけるC面の位置を説明するための模式図である。
図6に示すように、2次元アレイ超音波プローブ2の直下にある2次元スキャン面11に直交する2次元の平面を、C面とする。このC面は、超音波の送受信方向にほぼ直交する。ここでは、1例として3つのC面を設定し、2次元アレイ超音波プローブ2から近い順番に、C面13a、C面13b、C面13cとする。このC面の指定は、操作部(図示しない)を用いて操作者によって指定される。例えば、2次元アレイ超音波プローブ2からの距離を指定することで、C面の位置が指定される。
上述したように3Dスキャンが行なわれると、DSC5からボクセルデータ(ボリュームデータ)が生成され、そのボクセルデータがDSC5から画像処理部6に出力される。画像処理部6は、そのボクセルデータに対して、操作者によって指定されたC面を切断し、そのC面の画像データ(C面画像データ)を生成する。例えば、操作者によってC面13a、C面13b、及びC面13cが指定された場合は、画像処理部6は、ボクセルデータに基づいてそれらC面に沿う画像データ(C面画像データ)を生成する。
このようにして生成されたC面画像データは、画像処理部6から表示制御部7に出力される。表示制御部7は、超音波造影剤を表すC面画像と、2Dスキャンを行なって得られたBモード断層像とを、表示部8に同時に表示させる。
また、画像処理部6は、C面の厚み方向にある複数のC面画像を加算し、さらに平均することで新たな画像(以下、「厚み付きC面画像」と称する)を生成しても良い。この加算平均処理について図7を参照しつつ説明する。図7は、3次元スキャン領域におけるC面の位置と、厚み方向にあるC面画像の加算平均処理を説明するための模式図である。
例えば、C面13bを中心とした厚み付きC面画像を生成する場合について説明する。図7に示すように、C面13bが操作者によって指定され、さらに、そのC面13bを中心として、厚み方向に所定の幅が操作者に指定されると、画像処理部6は、指定されたC面13bの厚み方向に、指定された幅の範囲内にある画素値を加算して平均することで、C面13bを中心とした厚み付きC面画像を生成する。
以上のようにして生成された超音波造影剤を表すC面画像と、2Dスキャンで得られたBモード画像の表示例を図8に示す。図8は、Bモード断層等とC面画像の表示例を示す図である。
図8に示すように、表示制御部7はC面画像として、C面13aにおけるC面画像14a、C面13bにおけるC面画像14b、及びC面13cにおけるC面画像14cを表示部8のモニタ画面8a上に表示させる。こられC面画像は、超音波造影剤を映像化した画像である。
さらに、表示制御部7はBモード画像をC面画像と同時に表示部8のモニタ画面8a上に表示させる。また、上述したように2Dスキャンとしてバイプレーンスキャンが実施された場合は、表示制御部7は、互いに直交するBモード断層像12aとBモード断層像12bを表示部8に表示させる。Bモード断層像は2Dスキャンすることで得られた画像であるため、操作者は動画として認識することができる。
また、表示制御部7は、Bモード断層像12a及び12b上にC面画像14a、14b及び14cの位置、つまり、C面13a、13b及び13cの位置を示すマーカを表示させることもできる。操作部(図示しない)を用いてC面の位置(2次元アレイ超音波プローブ2からの距離)が指定されると、C面の位置を示す情報が表示制御部7に出力される。表示制御部7は、そのC面の位置を示す情報を受けると、Bモード断層像上にC面の位置を示すマーカを重畳させて表示部8に表示させる。図8に示すように、例えばC面13cの位置を示すため、表示制御部7は、Bモード断層像12a上にC面13cの位置を示すマーカ15を表示させ、Bモード断層像12b上にC面13cの位置を示すマーカ16を表示させる。C面13a及びC面13bについてもC面13cと同様に、Bモード断層像12a及びBモード断層像12b上に、それらの位置を示すマーカを表示させる。
同様に、表示制御部7は、C面画像14a、14b及び14c上にBモード断層像12a及び12bの位置、つまり、2次元スキャン面11a及び11bの位置を示すマーカを表示させることもできる。図8に示すように、例えば、Bモード断層像12aの位置、つまり、2次元スキャン面11aの位置を示すため、表示制御部7は、C面画像14a、14b及び14c上に2次元スキャン面11aの位置を示すマーカ17を表示させる。また、Bモード断層像12bの位置、つまり、2次元スキャン面11bの位置を示すため、表示制御部7は、C面画像14a、14b及び14c上に2次元スキャン面11bの位置を示すマーカ18を表示させる。2次元スキャン面11a及び11bは互いに直交しているため、マーカ17及び18も互いに直交して表示される。
また、厚み付きC面画像データが生成された場合は、表示制御部7は、C面13aを中心とした厚み付きC面画像、C面13bを中心とした厚み付きC面画像、及びC面13cを中心とした厚み付きC面画像を表示部8に表示させる。
さらに、表示制御部7は、Bモード断層像12a及び12b上にC面13a、13b及び13cの位置を示すマーカ15及び16などを表示させるとともに、厚みの幅を示すマーカも同時に表示させても良い。図8に示すように、表示制御部7は、Bモード断層像12b上にC面13cを示すマーカ16を表示させるとともに、C面13cを中心とした厚み方向の幅を示すマーカ16a及び16bを表示させる。C面13a及びC面13bについてもC面13cと同様に、Bモード断層像12a及びBモード断層像12b上に、厚み方向の幅を示すマーカを表示させる。
以上のように、C面画像の位置を示すマーカ、又はBモード断層像の位置を示すマーカを表示することで、深さ方向のC面画像の位置を容易に把握することが可能となる。C面画像とBモード断層像とを両方表示することで、超音波造影剤が注入されている部位の位置を容易に把握することが可能となる。
また、超音波造影剤を映像化する場合、画像処理部6にてボリューム・レンダリングを行って3次元画像を生成する代わりに、MIP画像又はMINIP画像を生成しても良い。具体的には、画像処理部6が、3Dスキャンで得られたボクセルデータ(ボリュームデータ)に対して最大値/最小値投影処理を行って、MIP画像データ又はMINIP画像データを生成する。
上述したように3Dスキャンが行なわれると、DSC5にてボクセルデータ(ボリュームデータ)が生成され、そのボクセルデータがDSC5から画像処理部6に出力される。画像処理部6は、そのボクセルデータについて、投影光線によって貫かれる(視線方向上の)各ボクセル値の中から最大値又は最小値を計算し、得られた最大値又は最小値をピクセルに格納することで最大値(最小値)投影画像データを生成する。このようにして生成されたMIP画像データ又はMINIP画像データは、画像処理部6から表示制御部7に出力される。表示制御部7は、MIP画像又はMINIP画像と、2Dスキャンを行なって得られたBモード断層像とを、表示部8に同時に表示させる。
なお、最大値又は最小値投影処理を行う場合、操作部(図示しない)によって操作者が投影方向(視線方向)とボクセルの範囲を指定することで、投影方向(視線方向)などが設定される。
(第2の動作)
次に、この発明の実施形態に係る超音波診断装置1の第2の動作について、図9及び図10を参照しつつ説明する。図9は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第2の動作を順番に示すフローチャートである。図10は、ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り替えのタイミングを説明するための図である。
この第2の動作では、超音波診断装置1は、心電計(図示しない)から出力されるECGトリガ信号に従って3Dスキャンと2Dスキャンとを切り換えてスキャンを行なう。つまり、ECG信号に同期させてスキャンを切り換えてスキャンを行なうことにより、毎回のスキャンで同じ時相における超音波造影剤の画像を得ることができる。
また、この第2の動作においても第1の動作と同様に、比較的高音圧の超音波を受けると破壊される超音波造影剤(レボビスト)を使用する。
まず、被検体に超音波造影剤(レボビスト)を注入する。制御部9は、2Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。プローブ内スキャン制御部33が制御部9から2Dスキャンの実施命令を受けると、送信部31及び受信部32は、その2Dスキャン実施命令に従って、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的低音圧の超音波で2次元スキャン面をスキャンさせる(ステップS10)。
受信部32は、2次元アレイ超音波プローブ2から出力されたエコー信号を遅延・加算処理などを施すことによりRFデータを生成し、信号処理部4のフィルタ切替部41に出力する。
フィルタ切替部41は、受信部32からRFデータを受けると、制御部9から出力された2Dスキャン実施命令に従って、そのRFデータを基本周波数用フィルタ43に出力する。基本周波数用フィルタ43は、基本周波数成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。ラスタデータ生成部44は、基本周波数フィルタ43から出力されたデータに基づいてBモード超音波ラスタデータを生成し、DSC5に出力する。DSC5は、そのBモード超音波ラスタデータに対してスキャンコンバージョン処理を施して、Bモード断層像データを生成する。表示制御部7は、そのBモード断層像データに基づくBモード断層像を表示部8に表示させる。
そして、制御部9からスキャンの切り替え命令が出力されるまで、送受信部3は2Dスキャンを継続する。2Dスキャンはフレームレートが速いため、表示部8には、Bモード断層像が動画として表示される。
そして、心電計(図示しない)が被検体の心電信号(ECG信号)を収集し、図10に示すようにR波が検出されると、心電計に設置されている信号発生器(図示しない)がECGトリガ信号を発生して、そのECGトリガ信号を制御部9に出力する。
制御部9は、心電計からECGトリガ信号を受信すると(ステップS11)、スキャン変更命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この場合、先に2Dスキャンが行なわれているため、制御部9は、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
プローブ内スキャン制御部33が制御部9から3Dスキャンの実施命令を受けると、送信部31及び受信部32は、その3Dスキャンの実施命令に従って、2次元アレイ超音波プローブ2に3次元空間をスキャンさせる(ステップS12)。このとき、送信部31は、比較的高音圧の超音波を2次元アレイ超音波プローブ2に送信させる。比較的高音圧の超音波を送信することにより、超音波造影剤(レボビスト)が破壊されて、高帯域の超音波が発生する。そして、受信部32は、2次元アレイ超音波プローブ2から出力されたエコー信号に対して遅延・加算処理などを施してRFデータを生成し、信号処理部4のフィルタ切替部41に出力する。
フィルタ切替部41は受信部32からRFデータを受けると、制御部9からの3Dスキャン実施命令に従って、そのRFデータを高調波用フィルタ42に出力する。高調波用フィルタ42は、RFデータに対してバンドパスフィルタ処理を行い、高調波成分を取り出してラスタデータ生成部44に出力する。ラスタデータ生成部44は、高調波用フィルタ42から出力されたデータに基づいてBモード超音波ラスタデータを生成し、DSC5に出力する。DSC5は、そのBモード超音波ラスタデータに基づいてボクセルデータ(ボリュームデータ)を生成し、そのボクセルデータ(ボリュームデータ)を画像処理部6に出力する。
画像処理部6は、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリング処理や、MPR処理などを施すことにより、3次元画像データやMPR画像データなどを生成する。表示制御部7は、画像処理部6から出力される3次元画像データなどを受けると、3次元画像などを表示部8に表示させる。この3次元画像は、超音波造影剤(レボビスト)で発生した高調波成分に基づいて作成されているため、超音波造影剤(レボビスト)が3次元的に映像化されている。これにより、超音波造影剤(レボビスト)が浸透している血管や組織などを3次元的に明瞭に映像化することが可能となる。
そして、タイマー91が予め設定された時間を計測すると、制御部9は3Dスキュンを中止して2Dスキャンを実行させるために、スキャン切替命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。今度は、2Dスキャンの実施命令を出力する。これにより、3Dスキャンが中止され(ステップS13)、再び2Dスキャンが行なわれる(ステップS10)。
第1の動作と同様に、設定された時間が経過しなくても、1回のボリュームスキャンが終了した場合に、制御部9が、スキャン切替命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力しても良い。この場合、カウンタを備えて3Dスキャンの回数をカウントし、そのカウンタが1回のボリュームスキャンをカウントすると、制御部9がスキャン切替命令を出力する。
制御部9が再びECGトリガ信号を受けると(ステップS11)、3Dスキャンを実行して超音波造影剤を映像化する(ステップS12)。図10に示すように、R波が検出されてECGトリガ信号が制御部9に出力されるたびに、3Dスキャンを行ない、その3Dスキャンの間に2Dスキャンを実行する。
以上のように、ECGトリガ信号に従って3Dスキャンを実行することで、同じ時相における超音波造影剤の3次元画像が得られる。つまり、超音波造影剤(レボビスト)が浸透した血管又は組織などの同じ時相の3次元画像が得られる。そして、3Dスキャンの間に2Dスキャンを行なうことで、組織像を2次元の動画として得ることができ、さらに、その2Dスキャンを行なっている間に超音波造影剤(レボビスト)を関心領域まで浸透させることが可能となる。これにより、超音波造影剤が浸透していく様子を3次元画像として表示し、観察することが可能となる。
なお、この第2の動作においても、第1の動作と同様に、2Dスキャンとしてバイプレーンスキャンを実施して、互いに直交するBモード断層像を表示部8に表示しても良い。また、3Dスキャンを行なうことでボクセルデータ(ボリュームデータ)が得られた場合、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリングを行って3次元画像を生成する代わりに、C面像、MIP画像又はMINIP画像などを生成して表示部8に表示しても良い。
(第3の動作)
次に、この発明の実施形態に係る超音波診断装置1の第3の動作について、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第3の動作を順番に示すフローチャートである。図12は、ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り換えのタイミングを説明するための図である。
この第3の動作では、超音波診断装置1は、心電計(図示しない)から出力されるECGトリガ信号に従って3Dスキャンと2Dスキャンとを切り換えてスキャンを行なう。また、前回行った3Dスキャンのタイミングと、今回行なう3Dスキャンのタイミングを所定の時間だけずらして3Dスキャンを行なう。これにより、毎回、異なる時相における超音波造影剤の3次元画像を得ることができる。
また、この第3の動作においても第1の動作と同様に、比較的高音圧の超音波を受けると破壊される超音波造影剤(レボビスト)を使用する。
まず、被検体に超音波造影剤(レボビスト)を注入する。制御部9は、2Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。これにより、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的低音圧の超音波で2次元スキャン面をスキャンさせる(ステップS20)。
上述した第1の動作及び第2の動作と同様に、2Dスキャンを行なった場合、RFデータは基本周波数用フィルタ43にてフィルタ処理が施され、その後、ラスタデータ生成部44にてBモード超音波ラスタデータが生成され、DSC5にてBモード断層像データが生成され、Bモード断層像が表示部8に表示される。そして、制御部9からスキャンの切り替え命令が出力されるまで、送受信部3は2Dスキャンを継続する。これにより、表示部8には、Bモード断層像が動画として表示される。
そして、心電計(図示しない)が被検体の心電波形(ECG信号)を収集し、図12に示すようにR波が検出されると、ECGトリガ信号が制御部9に出力される。ここで、最初に出力されたECGトリガ信号を、便宜的にECGトリガ信号Iとする。
制御部9が、心電計からECGトリガ信号Iを受信すると(ステップS21)、スキャン変更命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この場合、制御部9は3Dスキャン実施命令を出力する。これにより、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的高音圧の超音波で3次元スキャン領域10をスキャンさせる(ステップS22)。
上述した第1の動作及び第2の動作と同様に、3Dスキャンを行なった場合、RFデータは高調波用フィルタ42にてフィルタ処理が施され、その後、ラスタデータ生成部44にてBモード超音波ラスタデータが生成され、DSC5にてボクセルデータ(ボリュームデータ)が生成され、そのボクセルデータ(ボリュームデータ)は画像処理部6に出力される。画像処理部6は、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリング処理などを施すことにより、3次元画像データやMPR画像データなどを生成する。これにより、表示部8には、超音波造影剤を表す3次元画像などが表示される。
そして、タイマー91が予め設定された時間を計測すると、制御部9は3Dスキャンを中止して2Dスキャンを実行させるために、スキャン切替命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。今度は、2Dスキャンの実施命令を出力する。これにより、3Dスキャンが中止され(ステップS23)、2Dスキャンが実行されて(ステップS23)、Bモード断層像が動画として表示部8に表示される。
なお、第1の動作と同様に、設定された時間が経過する前であっても、1回のボリュームスキャンを行なった後、制御部9が2Dスキャン実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力しても良い。この場合、カウンタにより3Dスキャンの回数をカウントし、そのカウンタが1回のボリュームスキャンをカウントすると、制御部9がスキャン切替命令(2Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
そして、心電計により次のR波が検出されると、再びECGトリガ信号が制御部9に出力される。ここで、2番目に出力されたECGトリガ信号を、便宜的にECGトリガ信号Iとする。
制御部9がECGトリガ信号Iを受信すると(ステップ24)、制御部9は直ちにスキャンの切り換え命令を出力せずに、2Dスキャンを送受信部3に継続させる。制御部9は、ECGトリガ信号Iを受信すると、タイマー91をリセットし、タイマー91に時間を計測させる。そして、タイマー91が、制御部9がECGトリガ信号Iを受信してからの時間を計測し、予め設定された時間δtが経過すると、制御部9はスキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。時間δtは、操作者によって予め決定され、制御部9に接続されている記憶装置(図示しない)に予め記憶させておく。前回、ECGトリガ信号Iを受けて直ちにスキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)を出力しているため、今回は、時間δtだけ時相をずらして(遅らせて)3Dスキャンを行なう。
制御部9から3Dスキャンの実施命令が出力されると、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的高音圧の超音波で3次元スキャン領域10をスキャンさせる(ステップS25)。
上述した第1の動作及び第2の動作と同様に、3Dスキャンを行なった場合、画像処理部6にて3次元画像データなどが生成され、表示部8に超音波造影剤を表す3次元画像などが表示される。
このとき表示される3次元画像は、R波が検出されてから時間δtが経過した時にスキャンされて得られた画像である。従って、ECGトリガ信号Iに従ってスキャンすることで得られた3次元画像と、時間δtが経過した時にスキャンされて得られた3次元画像とでは、収集された時相が異なり、時間δtだけずれている(遅れている)。このように、前回の時相と異なる時相で3Dスキャンを行なうことで、異なる時相の3次元画像を表示して、観察することが可能となる。
そして、タイマー91が予め設定された時間を計測すると、制御部9は、スキャン切替命令(2Dスキャンの実施命令)を送受信部3などに出力する。なお、カウンタにより1回のボリュームスキャンがカウントされた場合に、制御部9が2Dスキャン実施命令を送受信部3などに出力しても良い。これにより、2Dスキャンが実行されて(ステップS23)、Bモード断層像が動画として表示部8に表示される。
そして、心電計により次のR波が検出されると、再びECGトリガ信号が制御部9に出力される。ここで、3番目に出力されたECGトリガ信号を、便宜的にECGトリガ信号Iとする。
制御部9がECGトリガ信号Iを受信すると(ステップS24)、直ちにスキャンの切り換え命令を出力せずに、2Dスキャンを送受信部3に継続させる。そして、タイマー91が、制御部9がECGトリガ信号Iを受信してから時間を計測し、時間(2δt)経過すると、制御部9はスキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
前回、ECGトリガ信号Iを受けてから時間δtが経過したときにスキャン変更命令を出力しているため、今回は、さらに時間δtだけ時相を遅らせて3Dスキャンを行なう(ステップS25)。つまり、ECGトリガ信号Iを受けてから時間(2δt)が経過すると、制御部9はスキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
以上のように、制御部9は、心電計からECGトリガ信号を受けるたびに、時間δtづつ時間を遅らせてスキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)を送受信部3などに出力する。つまり、制御部9は新たなECGトリガ信号を受けるたびに、スキャン変更命令(3Dスキャンの実施命令)を出力するタイミングを遅らせる。これにより、3Dスキャンを行なう時相が時間δtづつ遅れることになるため、毎回、異なる時相の3次元画像を得ることができる。そして、ステップS23からステップS25を繰り返し実施する。
なお、この第3の動作においても、第1の動作と同様に、2Dスキャンとしてバイプレーンスキャンを実施して、互いに直交するBモード断層像を表示部8に表示しても良い。また、3Dスキャンを行なうことでボクセルデータ(ボリュームデータ)が得られた場合、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリングを行って3次元画像を生成する代わりに、C面像、MIP画像又はMINIP画像などを生成して表示部8に表示しても良い。
なお、上記第2の動作及び第3の動作においては、1心拍中に1回の3Dスキャンを行なったが、2以上の心拍中に1回の3Dスキャンを行っても良い。例えば、超音波造影剤(レボビスト)の浸透状態に合わせて3Dスキャンの実行回数を調整すれば良い。超音波造影剤(レボビスト)が浸透し難い場合は、複数の心拍中に1回の割合で3Dスキャンを行なうことで、超音波造影剤(レボビスト)を破壊せずに関心領域まで浸透させることができる。
(第4の動作)
次に、この発明の実施形態に係る超音波診断装置1の第4の動作について、図13を参照しつつ説明する。図13は、ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り替えのタイミングを説明するための図である。
この第4の動作では、上記の第1から第3の動作で用いた超音波造影剤(レボビス)と異なり、低MI(Mechanical Index)の超音波造影剤を用いる。この低MIの超音波造影剤は、高音圧の超音波が照射されなくても高い造影効果が得られ、高輝度の画像が得られる。従って、この第4の動作では、上述した第1から第3の動作と異なり、比較的低音圧の超音波によりスキャンを行なう。その結果、超音波造影剤は超音波を受けても破壊されないため、1心拍中に複数回、3Dスキャンを実施することが可能となる。
また、この第4の動作では、超音波診断装置1は第2の動作及び第3の動作と同様に、心電計(図示しない)から出力されるECGトリガ信号に従って3Dスキャンと2Dスキャンとを切り換えてスキャンを行なう。
まず、被検体に低MIの超音波造影剤を注入する。制御部9は、2Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。プローブ内スキャン制御部33は、制御部9からの2Dスキャンの実施命令を受けると、送信部31及び受信部32は、その2Dスキャン実施命令に従って、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的低音圧の超音波で2次元スキャン面をスキャンさせる。そして、上記の第1から第3の動作と同様に、組織像のBモード断層像を表示部8に表示させる。制御部9からスキャンの切り替え命令が出力されるまで、送受信部3は2Dスキャンを継続する。これにより、表示部8には、Bモード断層像が動画として表示される。
そして、心電計(図示しない)によりR波が検出され、ECGトリガ信号が制御部9に出力されると、制御部9は、スキャン変更命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。この場合、先に2Dスキャンが行なわれているため、制御部9は、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。これにより、送受信部3は、2次元アレイ超音波プローブ2に比較的低音圧の超音波で3次元スキャン領域10をスキャンさせる。
上述した第1から第3の動作と同様に、3Dスキャンを行なうことで、画像処理部6にて3次元画像データなどが生成され、表示部8には低MIの超音波造影剤を表す3次元画像などが表示される。
そして、タイマー91が予め設定された時間を計測すると、制御部9は、スキャン切替命令(2Dスキャンの実施命令)を送受信部3などに出力する。これにより、2Dスキャンが実行されて、Bモード断層像が動画として表示部8に表示される。なお、カウンタが1回のボリュームスキャンをカウントした場合に、制御部9が2Dスキャン実施命令を送受信部3などに出力しても良い。
そして、2Dスキャンを行なっているときに、タイマー91が時間を計測し、予め設定された時間が経過すると、制御部9は、スキャン切替命令(3Dスキャンの実施命令)をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力する。
低MIの超音波造影剤は超音波が照射されても破壊されないため、3Dスキャンの時間間隔を短くしても、超音波造影剤を関心領域まで浸透させることが可能となる。従って、第1から第3の動作で行ったスキャンと異なり、1心拍中に複数回、3Dスキャンを行うことができる。このように1心拍中に複数回、3Dスキャンを行なっても、超音波造影剤は破壊されないため、関心領域まで浸透させることができる。そして、1心拍中で複数回、3Dスキャンを行なうことで、超音波造影剤が血管を浸透していく様子を3次元画像で観察することが可能となる。また、3Dスキャンの間に2Dスキャンを行なうことで、組織像を動画として表示部8に表示させることができる。
そして、制御部9が、次のECGトリガ信号を受けると、3Dスキャンの実施命令をプローブ内スキャン制御部33及びフィルタ切替部41に出力し、3Dスキャンを実施する。以後、上記のスキャンを繰り返して実施する。
なお、この第4の動作においても、第1の動作と同様に、2Dスキャンとしてバイプレーンスキャンを実施して、互いに直交するBモード断層像を表示部8に表示しても良い。また、3Dスキャンを行なうことでボクセルデータ(ボリュームデータ)が得られた場合、そのボクセルデータに対してボリューム・レンダリングを行って3次元画像を生成する代わりに、C面像、MIP画像又はMINIP画像などを生成して表示部8に表示しても良い。
また、上記第2から第4の動作では、ECGトリガ信号に従って3Dスキャンの実施のタイミングを計っていたが、2Dスキャンを行なうことで得られるBモード断層像の形状変化に従って3Dスキャンの実施のタイミングを計ることもできる。
例えば、心臓を撮像している場合、2Dスキャンを行なうことで、心臓のBモード断層像を動画として表示部8に表示することができる。画像処理部6は、順次収集されるBモード断層像データを受けて、Bモード断層像の形状の変化から心臓の動きの1周期を求める。そして、制御部9は、1周期ごとに3Dスキャン実施命令を送受信部3等に出力する。このように、ECG信号によらなくても、Bモード断層等の形状変化からも心臓の動作周期を求めることができ、心臓の動きに同期させて超音波造影剤の3次元画像などを収集することが可能となる。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置がスキャンする領域及びスキャン面を説明するための模式図である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第1の動作を順番に示すフローチャートである。 バイプレーンスキャンにおけるスキャン面を説明するための模式図である。 スキャンを行なうことで得られた画像を示す図である。 3次元スキャン領域におけるC面の位置を説明するための模式図である。 3次元スキャン領域におけるC面の位置と、厚み方向にあるC面画像の加算平均処理を説明するための模式図である。 Bモード断層像とC面画像の表示例を示す図である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第2の動作を順番に示すフローチャートである。 ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り替えのタイミングを説明するための図である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置の第3の動作を順番に示すフローチャートである。 ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り替えタイミングを説明するための図である。 ECGトリガ信号に従った、ボリュームスキャン(3Dスキャン)と2Dスキャンとの切り替えタイミングを説明するための図である。
符号の説明
1 超音波診断装置
2 2次元アレイ超音波プローブ
3 送受信部
4 信号処理部
5 DSC
6 画像処理部
7 表示制御部
8 表示部
9 制御部
31 送信部
32 受信部
33 プローブ内スキャン制御部
41 フィルタ切替部
42 高調波用フィルタ
43 基本周波数用フィルタ
44 ラスタデータ生成部
91 タイマー

Claims (21)

  1. 超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブと、
    組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信部と、
    前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成部と、
    前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御部と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブと、
    組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとの切り換え信号を、所定のシーケンシャルに従って出力するシーケンシャル制御部と、
    前記切り替え信号に従って、前記第1のスキャンモードと前記第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信部と、
    前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成部と、
    前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御部と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 前記送受信部は、前記第1のスキャンモードにおける超音波の送信音圧を、前記第2のスキャンモードにおける超音波の送信音圧よりも低音圧にして前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置。
  4. 前記表示制御部は、前記画像データに基づく画像と前記断層像とを同時に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記送受信部は、前記第1のスキャンモードでは、互いに直交する2つのスキャン面を交互に前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波診断装置。
  6. 前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づいて前記超音波の送受信方向に略直交する平面に沿った画像データを生成し、
    前記表示制御部は、該平面に沿った画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 前記画像生成部は、前記送受信方向に沿って所定の厚みの範囲において、前記平面に沿った画像データを加算平均し、
    前記表示制御部は、前記加算平均された画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、所定の視線方向上における前記ボリュームデータの中からボクセル値が最大であるボクセルデータを投影して最大値投影画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  9. 前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、所定の視線方向上における前記ボリュームデータの中からボクセル値が最小であるボクセルデータを投影して最小値投影画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  10. 前記画像生成部は、前記ボリュームデータに基づく画像データとして、前記ボリュームデータを所定の切断平面で切断することによって切断面を生成し、前記切断面に沿った画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項5に記載の超音波診断装置。
  11. 前記表示制御部は、前記断層像データに基づく断層像に、前記ボリュームデータに基づいて生成された画像の位置を示すマーカを重畳させて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の超音波診断装置。
  12. 前記表示制御部は、前記ボリュームデータに基づいて生成された画像に、前記断層像データに基づく断層像の位置を示すマーカを重畳させて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の超音波診断装置。
  13. 前記送受信部は、所定の時間間隔で、前記第1のスキャンモードと前記第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  14. 前記シーケンシャル制御部は、所定の時間間隔で前記切り替え信号を出力することを特徴とする請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  15. 前記送受信部は、被検体の心臓の動きに同期させて前記第2のスキャンモードを実行させることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  16. 前記シーケンシャル制御部は、被検体の心臓の動きに同期させて前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とする請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  17. 前記送受信部は、ECG信号に基づくトリガ信号を受け、前記トリガ信号に従って前記第2のスキャンモードを行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  18. 前記送受信部は、前記トリガ信号を受けてから所定時間経過後に、前記第2のスキャンモードを行い、新たなトリガ信号を受けるたびに、前記所定時間の長さを長くして前記第2のスキャンモードを行うことを特徴とする請求項17に記載の超音波診断装置。
  19. 前記シーケンシャル制御部は、ECGトリガ信号に基づくトリガ信号を受けると前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とする請求項2から請求項12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  20. 前記シーケンシャル制御部は、前記トリガ信号を受けてから所定時間経過後に、前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力し、新たなトリガ信号を受けるたびに、前記所定時間の長さを長くして前記第1のスキャンモードから前記第2のスキャンモードへの切り替え信号を出力することを特徴とする請求項19に記載の超音波診断装置。
  21. 超音波振動子が2次元的に配列された2次元アレイ超音波プローブを備えた超音波診断装置に、
    組織像を映像化するための第1のスキャンモードと、超音波造影剤を映像化するための第2のスキャンモードとを交互に前記2次元アレイ超音波プローブに実行させ、前記第1のスキャンモードでは2次元の平面からなるスキャン面を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせ、前記第2のスキャンモードでは3次元空間内を前記2次元アレイ超音波プローブにスキャンさせる送受信機能と、
    前記3次元空間内をスキャンした結果得られたボリュームデータに基づいて画像データを生成し、前記スキャン面をスキャンすることにより得られたデータに基づいて2次元の断層像データを生成する画像生成機能と、
    前記画像データに基づく画像及び前記断層像データに基づく断層像を表示部に表示させる表示制御機能と、
    を実行させることを特徴とする超音波診断装置の制御プログラム。

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