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JP2006182811A - シリカ系被膜形成用塗布液 - Google Patents

シリカ系被膜形成用塗布液 Download PDF

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JP2006182811A
JP2006182811A JP2004374933A JP2004374933A JP2006182811A JP 2006182811 A JP2006182811 A JP 2006182811A JP 2004374933 A JP2004374933 A JP 2004374933A JP 2004374933 A JP2004374933 A JP 2004374933A JP 2006182811 A JP2006182811 A JP 2006182811A
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Akira Takahama
昌 高濱
Yoshikane Sakamoto
好謙 坂本
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】 低誘電率な層間絶縁膜を得ることができるシリカ系被膜形成用塗布液を提供する。
【解決手段】 シロキサンポリマー、塩基性化合物および有機溶剤を含むことを特徴とし、該塩基性化合物が有機アンモニウム塩およびシラザンから選択される少なくとも1種であり、該塩基性化合物はシロキサンポリマーに対して0.2〜10質量%であり、該シロキサンポリマーは、式 R4−nSi(OR’)(式中、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を表し、Rのうち少なくとも1つはアルキル基またはフェニル基であり、R’はアルキル基またはフェニル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)で表されるシラン化合物から選択される少なくとも1種を加水分解反応させて得られる反応生成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリカ系被膜形成用塗布液に関する。
従来より、半導体素子や液晶素子の基板製造において使用される平坦化膜や層間絶縁膜として、SOG(スピンオングラス)法によるシリカ系被膜がよく用いられる。この手法は、アルコキシシランの加水分解物等を含む塗布液を、基材上にスピンコート法等により塗布した後、加熱処理することによりシリカ系被膜を形成する方法である。
かかるSOG法によりシリカ系被膜を形成するための塗布液(シリカ系被膜形成用塗布液)に関して種々の提案がなされている(例えば、下記特許文献1,2,3)。
特開2001−131479号公報 特開2001−115029号公報 特開2004−96076号公報
近年、半導体素子や液晶素子の分野においては、高集積化、高速化、多機能化等の要求に応えるために、層間絶縁膜にあっては、より低誘電率のものが要求されている。
しかしながら、従来の、アルコキシシランの加水分解物等を含む塗布液を塗布して成膜されたシリカ系被膜では、十分な低誘電率が得られないことがあった。
本発明は、上記の従来技術の問題点を克服し、課題を解決するためになされたものであって、従来のものよりもより低誘電率な層間絶縁膜を得ることができるシリカ系被膜形成用塗布液を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のシリカ系被膜形成用塗布液は、シロキサンポリマー、塩基性化合物および有機溶剤を含むことを特徴とする。
これにより、該塗布液を塗布した後の加熱処理時に、該塩基性化合物がシロキサンポリマー同士の縮重合を促進するため、形成されるシリカ系被膜中の有機成分が従来のものよりも多くなり低誘電率化を達成することができたものと推測される。
本発明によれば、塩基性化合物を含むことにより、成膜されるシリカ系被膜の誘電率を十分に低くすることができる。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液に含まれる塩基性化合物は、使用するシロキサンポリマーおよび有機溶剤との相溶性に問題がないものであれば特に限定されないが、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン等の有機アミン化合物、第四級アンモニウムヒドロキシド等の有機アンモニウム塩、シラザン等が挙げられる。
前記脂肪族アミンとしては、具体的にモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、tert−ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリtert−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリイソペンチルアミン、トリtert−ペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、具体的にベンジルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、具体的にピリジン、o−メチルピリジン、o−エチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、4−エチル−2−メチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、具体的に例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ジメチルジ(ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
シラザンとしては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
この中でも、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましいものとして挙げられる。
これらの塩基性化合物は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液において、前記塩基性化合物は、シロキサンポリマーに対して0.2〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%である。
0.2質量%より少ないと誘電率を下げる効果が低すぎ、10質量%以下にすることにより組成物のゲル化を防止することができる。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液に含まれるシロキサンポリマーは、SOG法によるシリカ系被膜の形成材料として知られているものを適宜用いることができる。好ましくは下記一般式(I)で表されるシラン化合物から選択される少なくとも1種を加水分解反応させて得られる反応生成物が用いられる。
4−nSi(OR’) …(I)
一般式(I)において、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を表し、R’はアルキル基またはフェニル基を表し、nは2〜4の整数を表す。Siに複数のRが結合している場合、該複数のRは同じであっても異なっていてもよい。またSiに結合している複数の(OR’)基は同じであっても異なっていてもよい。
Rとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基である。Rのうち少なくとも1つはアルキル基またはフェニル基である。
R’としてのアルキル基は好ましくは炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基である。R’としてのアルキル基は、特に加水分解速度の点から炭素数1または2が好ましい。
上記シラン化合物を加水分解反応させて得られる反応生成物には、低分子量の加水分解物、および加水分解反応と同時に分子間で脱水縮合反応を生じて生成された縮合物(シロキサンオリゴマー)が含まれ得る。本発明におけるシロキサンポリマーとは、かかる加水分解物または縮合物を含む場合、これらをも含む全体を指す。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液に含まれるシロキサンポリマーの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準、以下同様、)は、1000〜3000が好ましい。より好ましい範囲は1200〜2700であり、さらに好ましい範囲は1500〜2000である。該シロキサンポリマーのMwを上記範囲の下限値以上とすることにより良好な膜形成能が得られ、上記範囲の上限値以下とすることにより良好な埋め込み性および平坦性が得られる。
上記一般式(I)におけるnが4の場合のシラン化合物(i)は下記一般式(II)で表される。
Si(OR(OR(OR(OR …(II)
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
a、b、c及びdは、0≦a≦4、0≦b≦4、0≦c≦4、0≦d≦4であって、かつa+b+c+d=4の条件を満たす整数である。
一般式(I)におけるnが3の場合のシラン化合物(ii)は下記一般式(III)で表される。
Si(OR(OR(OR …(III)
式中、Rは上記Rと同じアルキル基、またはフェニル基を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
e、f、及びgは、0≦e≦3、0≦f≦3、0≦g≦3であって、かつ
e+f+g=3の条件を満たす整数である。
一般式(I)におけるnが2の場合のシラン化合物(iii)は下記一般式(IV)で表される。
10Si(OR11(OR12 …(IV)
式中、R及びR10は水素原子、上記Rと同じアルキル基、またはフェニル基を表す。ただし、R及びR10のうちの少なくとも1つは上記Rと同じアルキル基またはフェニル基を表す。R11、及びR12は、それぞれ独立に上記R’と同じアルキル基またはフェニル基を表す。
h及びiは、0≦h≦2、0≦i≦2であって、かつh+i=2の条件を満たす整数である。
シラン化合物(i)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げられ、中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
シラン化合物(ii)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシランなどが挙げられ、中でもメチルトリアルコキシシラン(特にメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン)が好ましい。
シラン化合物(iii)の具体例としては、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシランなどが挙げられ、中でもメチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
上記反応生成物を得るのに用いるシラン化合物は、上記シラン化合物(i)〜(iii)の中から適宜選択することができる。
より好ましい組み合わせはシラン化合物(i)とシラン化合物(ii)との組み合わせである。シラン化合物(i)とシラン化合物(ii)とを用いる場合、これらの使用割合はシラン化合物(i)が10〜60モル%で、シラン化合物(ii)が90〜40モル%の範囲内が好ましく、シラン化合物(i)が15〜50モル%で、シラン化合物(ii)が85〜50モル%の範囲内がより好ましい。またシラン化合物(ii)は、上記一般式(III)におけるRがアルキル基またはフェニル基、好ましくはアルキル基であるものがより好ましい。
上記反応生成物は、例えば、上記シラン化合物(i)〜(iii)の中から選ばれる1種以上を、酸触媒、水、有機溶剤の存在下で加水分解、縮合反応せしめる方法で調製することができる。
上記酸触媒は有機酸、無機酸のいずれも使用できる。
無機酸としては、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸などが使用でき、中でも、リン酸、硝酸が好適である。
上記有機酸としては、ギ酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、氷酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、n−酪酸などのカルボン酸及び硫黄含有酸残基をもつ有機酸が用いられる。上記硫黄含有酸残基をもつ有機酸としては、有機スルホン酸が挙げられ、それらのエステル化物としては有機硫酸エステル、有機亜硫酸エステルなどが挙げられる。これらの中で、特に有機スルホン酸、例えば、下記一般式(V)で表わされる化合物が好ましい。
13−X …(V)
(式中、R13は、置換基を有していてもよい炭化水素基、Xはスルホン酸基である。)
上記一般式(V)において、R13としての炭化水素基は、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、この炭化水素基は飽和のものでも、不飽和のものでもよいし、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよい。
13の炭化水素基が環状の場合、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基などの芳香族炭化水素基がよく、中でもフェニル基が好ましい。この芳香族炭化水素基における芳香環には置換基として炭素数1〜20の炭化水素基が1個又は複数個結合していてもよい。該芳香環上の置換基としての炭化水素基は飽和のものでも、不飽和のものでもよいし、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよい。
また、R13としての炭化水素基は1個又は複数個の置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えばフッ素原子等のハロゲン原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基などが挙げられる。
上記一般式(V)で表わされる有機スルホン酸としては、レジストパターン下部の形状改善効果の点から、特にノナフルオロブタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸又はこれらの混合物などが好ましい。
上記酸触媒は、水の存在下でシラン化合物を加水分解するときの触媒として作用するが、使用する酸触媒の量は、加水分解反応の反応系中の濃度が1〜1000ppm、特に5〜800ppmの範囲になるように調製するのがよい。
水の添加量は、これによってシロキサンポリマーの加水分解率が変わるので、得ようとする加水分解率に応じて決められる。
本明細書におけるシロキサンポリマーの加水分解率とは、該シロキサンポリマーを合成するための加水分解反応の反応系中に存在する、シラン化合物中のアルコキシ基の数(モル数)に対する水分子の数(モル数)の割合(単位:%)である。
本発明において、シロキサンポリマーの加水分解率は50〜200%が好ましく、より好ましい範囲は75〜180%である。該加水分解率を上記範囲の下限値以上とすることによりシリカ系被膜における良好な膜質が安定して得られる。上記範囲の上限値以下とすることによりシリカ系被膜形成用塗布液の保存安定性が良好となる。
加水分解反応の反応系における有機溶剤は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノールのような一価アルコール、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネートのようなアルキルカルボン酸エステル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類あるいはこれらのモノアセテート類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトンのようなケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルのような多価アルコールの水酸基をすべてアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類などが挙げられる。
上記有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような反応系で加水分解反応させることによりシロキサンポリマーが得られる。該加水分解反応は、通常5〜100時間程度で完了するが、反応時間を短縮させるには、80℃を超えない温度範囲で加熱するのがよい。
反応終了後、合成されたシロキサンポリマーと、反応に用いた有機溶剤を含む反応溶液が得られる。該反応溶液は、前述の塩基性化合物を添加・溶解させる等により、本発明のシリカ系被膜形成用塗布液とすることができるが、好ましい固形分濃度に調整する場合には、さらに希釈溶剤を加えて希釈したものをシリカ系被膜形成用塗布液とする。
該希釈溶剤としては、シロキサンポリマーを合成するための加水分解反応の反応系に用いる有機溶剤と同様のものを用いることができる。
また、固形分濃度が低い場合には、濃縮して固形分濃度を調整してもよい。
また、本発明のシリカ系被膜形成用塗布液のSiO換算濃度は特に限定されないが、1〜30質量%程度が好ましく、5〜25質量%程度がより好ましい。
上記反応溶液を含むシリカ系被膜形成用塗布液中には、シラン化合物の加水分解反応により生成するアルコールが含まれるが、アルコールが過剰に混入した場合には減圧蒸留で除去すればよい。減圧蒸留は真空度39.9×10〜39.9×10Pa、好ましくは66.5×10〜26.6×10Pa、温度20〜50℃で2〜6時間の範囲内で行うのがよい。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液は、平坦化膜や層間絶縁膜としてのシリカ系被膜を形成するのに好適に用いられる。本発明のシリカ系被膜形成用塗布液を用いてシリカ系被膜を形成する方法としては、該塗布液を基体上に塗布し、焼成する方法が挙げられる。
例えば、まず基体上にシリカ系被膜形成用塗布液を所定の膜厚となるように、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して塗膜を形成する。塗膜の厚さは適用する基体の種類により適宜選択される。
次いでホットプレート上でベークする。このときのベーク温度は、例えば80〜500℃程度であり、より好ましくは80〜300℃程度である。通常、このベークに要する時間は、10〜360秒、好ましくは90〜210秒である。ベーク処理はベーク温度を変えつつ複数段階で行ってもよい。
この後、高温で焼成することによりシリカ系被膜が得られる。焼成温度は、通常、350℃以上で行われ、350〜450℃程度が好ましい。
本発明のシリカ系被膜形成用塗布液は、誘電率が十分に低いシリカ系被膜を形成することができる。
(実施例1)
20%TMAH 170mg、IPA 8.5g、アセトン 4.2gを混合撹拌し、混合物Aとした。
別の容器で、CHSi(OCH3:Si(OCH4=1:1(モル比)をIPA:アセトン=2:1の混合溶媒中で加水分解縮合させた溶液(SiO換算固形分値7%)47.1gに60%硝酸 28μLを加え撹拌した。そこに前述の混合物Aを撹拌しながら加えた。その後、さらに3時間撹拌して、シリカ系被膜形成用塗布液を得た。
得られたシリカ系被膜形成用塗布液をスピンコートによりシリコンウエハ上に塗布し、80−150−200℃のホットプレートで各1分間ずつ加熱した。さらに350℃で焼成し、シリカ系被膜を形成した。
その誘電率を測定したところ3.7であった。
(実施例2)
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)330mg、IPA8.2g、アセトン4.1gを混合撹拌し、混合物Bとした。
別の容器でCHSi(OCH3:Si(OCH4=1:1をIPA:アセトン=2:1の混合溶媒中で加水分解縮合させた溶液(SiO換算固形分値7%)47.1gに60%硝酸160μLを加え撹拌した。そこに前述の混合物Bを撹拌しながら加えた。その後、さらに3時間撹拌し、シリカ系被膜形成用塗布液を得た。
得られたシリカ系被膜形成用塗布液をスピンコートによりシリコンウエハ上に塗布し、80−150−200℃のホットプレートで各1分間ずつ加熱した。さらに350℃で焼成し、シリカ系被膜を形成した。
誘電率を測定したところ4.7であった。
(実施例3)
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)66mg、IPA8.5g、アセトン4.2gを混合撹拌し、混合物Cとした。
別の容器でCHSi(OCH3:Si(OCH4=1:1をIPA:アセトン=2:1の混合溶媒中で加水分解縮合させた溶液(SiO換算固形分値7%)47.1gに60%硝酸32μLを加え撹拌した。そこに前述の混合物Cを撹拌しながら加えた。その後、さらに3時間撹拌し、シリカ系被膜形成用塗布液を得た。
得られたシリカ系被膜形成用塗布液をスピンコートによりシリコンウエハ上に塗布し、80−150−200℃のホットプレートで各1分間ずつ加熱した。さらに350℃で焼成し、シリカ系被膜を形成した。
誘電率を測定したところ5.2であった。
(実施例4)
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)33mg、IPA8.6g、アセトン4.3gを混合撹拌し、混合物Dとした。
別の容器でCHSi(OCH3:Si(OCH4=1:1をIPA:アセトン=2:1の混合溶媒中で加水分解縮合させた溶液(SiO2換算固形分値7%)47.1gに60%硝酸 16μLを加え撹拌した。そこに前述の混合物Dを撹拌しながら加えた。その後、さらに3時間撹拌し、シリカ系被膜形成用塗布液を得た。
得られたシリカ系被膜形成用塗布液をスピンコートによりシリコンウエハ上に塗布し、80−150−200℃のホットプレートで各1分間ずつ加熱した。さらに350℃で焼成し、シリカ系被膜を形成した。
誘電率を測定したところ5.5であった。
(比較例1)
CHSi(OCH3:Si(OCH4=1:1をIPA:アセトン=2:1の混合溶媒中で加水分解縮合させた溶液(SiO2換算固形分値7%)をスピンコートのよりシリコンウウエハに塗布し、80−150−200℃のホットプレートで各1分間ずつ加熱した。さらに350℃で焼成し、シリカ系被膜を形成した。
誘電率を測定したところ5.7であった。
Figure 2006182811
〔温脱離ガス分析(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)〕
前記実施例1及び比較例1の各々のシリカ系被膜形成用塗布液により形成されたシリカ系被膜中の有機成分をTDSにより検出、比較した。
その結果を図1および図2に示す。図1は実施例1の塗布液により形成されたシリカ系被膜のTDS分析結果を示すものであり、図2は比較例1の塗布液により形成されたシリカ系被膜のTDS分析結果を示すものである。
図1および図2に示されるように、実施例1の塗布液により形成されたシリカ系被膜は、比較例1の塗布液による被膜よりも、M/z 28(C2H4等に基づく), 44(C3H8等に基づく)の脱ガスが増加し、また、M/z 17(OHに基づく), M/z18(H2Oに基づく)の脱ガスが減少していた。
実施例1のシリカ系被膜形成用塗布液により形成されたシリカ系被膜のTDSの結果を示す図である。 比較例1のシリカ系被膜形成用塗布液により形成されたシリカ系被膜のTDSの結果を示す図である。

Claims (8)

  1. シロキサンポリマー、塩基性化合物および有機溶剤を含むことを特徴とするシリカ系被膜形成用塗布液。
  2. 前記塩基性化合物が、有機アンモニウム塩およびシラザンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  3. 前記塩基性化合物は、シロキサンポリマーに対して0.2〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  4. 上記シロキサンポリマーは、下記一般式(I)
    4−nSi(OR’) …(I)
    (式中、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を表し、Rのうち少なくとも1つはアルキル基またはフェニル基であり、R’はアルキル基またはフェニル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
    で表されるシラン化合物から選択される少なくとも1種を加水分解反応させて得られる反応生成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  5. 上記シロキサンポリマーは、RSi(OR’)とSi(OR’)との混合物の加水分解物および/またはそれらの部分縮合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  6. RSi(OR’):Si(OR’)=40:60〜90:10(モル比)であることを特徴とする請求項4記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  7. 上記シロキサンポリマーは、質量平均分子量が1000〜3000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
  8. 上記シロキサンポリマーは、加水分解率が50〜200%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリカ系被膜形成用塗布液。
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