JP2006152169A - 塗料組成物およびゴムシール部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分および熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含む。
【選択図】なし
Description
オイルフィルター用シール部材には、従来から耐熱性、耐油性に優れるアクリルゴムが使用されている。しかし、このアクリルゴムは、合成ゴムの中でも粘着性が高く、相手材であるエンジンブロックと固着しやすく、かつ、他の合成ゴムに比較し、機械的強度に劣るため、オイルフィルター交換時にエンジンブロックにシール部材の全部、あるいは一部が固着、残留するという問題がある。
すなわち、本発明の塗料組成物は、ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分および熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする。
また、本発明の他の塗料組成物は、シリコーン変性熱硬化性樹脂成分と、このシリコーン変性熱硬化性樹脂成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする。
また、本発明の他の塗料組成物は、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、シリコーン変性熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分、熱硬化性樹脂成分およびシリコーン変性熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする。
(1)アクリルポリオール
アクリディックA−801−P、A−811、A−817、A−823、A−837、A−848、A−814、A−810−45、44−127、52−614、57−773、A−829、55−129(以上、大日本インキ化学工業製)、アデカニューエースF15−20、F7−37、F18−62、F7−68、F13−35、Y52−13、L4−71、YG−108、YG−226、Y96−20、YG−240、F21−79、YT−650(以上、旭電化工業製)、UA−902、UA−905、UA−906(以上、武田薬品工業製)、デスモフェンA165BA/X、A365BA、A565X(以上、住化バイエルウレタン製)
(2)ポリエステルポリオール
バーノック11−408、D−210−80、D−161、J−517、D−128−60、13−438−60、D−131−60、D−142−60、D6−520、DE−140−70、D9−316、DT−1140−70、D6−439、D7−800、D−210−80、D−161(以上、大日本インキ化学工業製)、U−53、U−502、U−25(以上、武田薬品工業製)、ニッポラン1100、4009、4070(以上、日本ポリウレタン工業製)、デスモフェン670、1100、1300、181X(以上、住化バイエルウレタン製)
(3)ポリエーテルポリオール
アデカポリエーテルP−400、P−700、P−1000、P−2000、P−3000、BPX−33、BPX−55、T−400(以上、旭電化工業製)、E−550、E−551(以上、武田薬品工業製)、デスモフェン550U(以上、住化バイエルウレタン製)
(4)水酸基含有フッ素樹脂
ルミフロンLF−200、LF−400、LF−600(以上、旭硝子製)、セフラルコートA−600N、A−650X、A−402B(以上、セントラル硝子製)、フルオネートK−702、703、704、705(以上、大日本インキ化学工業製)、ゼッフルGK−510(ダイキン工業製)
(5)ポリテトラメチレンエーテルグリコール
PTMG1000、2000(以上、三菱化学製)、PTG−1000、2000(以上、保土ヶ谷化学工業製)
(6)ポリカーボネートジオール
ニッポラン981、980R(以上、日本ポリウレタン工業製)、プラクセルCD205、CD210(ダイセル化学工業製)
(7)ポリカプロラクトンジオール
プラクセル210N、220N(以上、ダイセル化学工業製)
(8)熱可塑性ウレタン樹脂
ニッポラン5033、5037、5109、5128、5196(以上、日本ポリウレタン工業製)
以下に具体例を例示する。
エピコート828、1001、871(以上、ジャパンエポキシレジン製)、EP−4901、EPU−1395、EPR−4026、EPR−1508(以上、旭電化工業製)、YR−450、YR−207(以上、東都化成製)
KF−8012、X−22−163B、X−22−162C、X−22−160AS、KF−6002、KF−6003、X−22−170DX、X−22−173DX、X−22−174DX、X−24−8201、X−22−2426、X−22−2404、X−22−176DX(以上、信越化学工業製)、BY16−853C、BY16−752、BY16−750(以上、東レダウコーニングシリコーン製)、TSF4771、TSF4750(以上、東芝シリコーン製)、サイラプレーンFM−3321、FM−4421、FM−7725、FM−0421、FM−DA21、FM−DA26、FM−0721、FM−0725、TM−0701(以上、チッソ製)
(1)シリコーングラフトアクリル樹脂
X−22−8004、X−22−8053、X−22−8095X(以上、信越化学工業製)、サイマックUS−210、US−270(以上、東亞合成製)、ZX−036(以上、富士化成工業製)
(2)シリコーングラフトフッ素樹脂
ZX−007C(以上、富士化成工業製)
イソシアネート化合物としては、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(1,5−ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)等のポリイソシアネート成分のいずれか1種以上もしくはその変性体あるいは誘導体であるウレタンアダクトタイプ、ビュレットタイプ、ブロックイソシアネートタイプ等から1種以上を組み合わせ、使用することができる。また、硬化反応を制御するために有機錫化合物などウレタン樹脂に通常使用される触媒を添加することもできる。
本発明においてシリコーン微粒子は、低摩擦性、離型性、耐寒性、応力緩和によるヒビ割れ防止効果があると考えられる。
例えば、水酸基を有するポリオールと水酸基を有するシリコーンオイル、イソシアネート化合物を混合使用する場合、水酸基を有するシリコーングラフトアクリル樹脂とイソシアネート化合物を混合使用する場合は、水酸基(−OH)とイソシアネート基(−NCO)との当量比で1.0:0.8〜1.5の範囲が好ましく、1.0:0.95〜1.2の範囲が特に好ましい。上記当量比が1.0:0.8未満の場合、耐薬品性の低下を生ずることがあり、1.0:1.5をこえると被膜のゴムシール部材への追従性が低下することがある。エポキシ樹脂と硬化剤を混合使用する場合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の当量比が1.0±0.1程度であることが好ましい。
被膜を形成する被着体としてのゴムシール部材の材質としては、天然ゴム、合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしは、クロロプレンゴム、アクリルゴム、NBR、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等の熱加硫ゴムやオレフィン系、スチレン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性のエラストマー等が挙げられるが、アクリルゴム、NBR、フッ素ゴムが特に好ましい。
また、被膜の厚さは、3〜50μmが好ましく、5〜30μmが特に好ましい。
各実施例および比較例で使用した材料は以下の通りである。なお、表1および表2において、例えば、熱硬化性樹脂1は下記「熱硬化性樹脂:」の欄の「1.ポリエステルポリオール樹脂」を表す。
(A)樹脂成分
熱硬化性樹脂:
1.ポリエステルポリオール樹脂(住化バイエルウレタン製、デスモフェン670BA)
2.アクリルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業製、アクリディックA−811)
3.ポリテトラメチレンエーテルグリコール樹脂(三菱化学製、PTMG1000)
4.水酸基含有フッ素樹脂(旭硝子製、ルミフロンLF−601)
5.水酸基含有フッ素樹脂(ダイキン工業製、ゼッフルGK−510)
6.ゴム変性エポキシ樹脂(旭電化工業製、アデカレジンEPR−21)
シリコーン成分:
1.片末端変性シリコーンオイル(信越化学工業製、X−22−176DX)
2.片末端変性シリコーンオイル(チッソ製、サイラプレーンFM−0421)
3.片末端変性シリコーンオイル(チッソ製、サイラプレーンFM−DA26)
4.片末端変性シリコーンオイル(信越化学工業製、X−22−173DX)
シリコーン変性熱硬化性樹脂:
1.シリコーングラフトフッ素樹脂(富士化成工業製、ZX−007C)
2.シリコーングラフトアクリル樹脂(富士化成工業製、ZX−036)
3.シリコーングラフトアクリル樹脂(東亞合成製、サイマックUS−210)
(B)硬化剤
1.ヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製、コロネートHK)
2.ウレタンアダクトイソシアネート(大日本インキ化学工業製、DN−955)
3.ゴム変性ポリアミドアミン(旭電化工業製、アデカハードナーEH3995)
(C)樹脂微粒子成分
フッ素樹脂微粒子
1.ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(住友スリーエム製、ダイニオンTF−9207)
シリコーン微粒子
1.シリコーンゴムパウダー(信越化学工業製、KMP−594)
2.アクリル・シリコーン共重合体微粒子(日信化学工業製、シャリーヌR170S)
比較例に用いた成分
シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン、SR−2306)
二硫化モリブデン(ダイゾー製、M−5)
黒鉛(富士黒鉛工業製、BF−3A)
シランカップリング剤(信越化学工業製、KBM803)
ポリエステルポリオール樹脂(住化バイエルウレタン製、デスモフェン670BA)を62.3重量部、および片末端変性シリコーンオイル(信越化学工業製、X−22−176DX)2.9重量部を有機溶媒(トルエン/メチルエチルケトン=1/1)で希釈し、その中にポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(住友スリーエム製、ダイニオンTF−9207)50.0重量部およびシリコーンゴムパウダー(信越化学工業製、KMP−594)30.0重量部を均一になるように分散した後、硬化触媒としてジブチル錫0.12重量部とヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製、コロネートHK)34.8重量部とを加え、均一に攪拌して塗料組成物を得た。この塗料組成物の固形分(測定条件:105℃×2時間)は、25重量%であった。
試験片の作製
調製された塗料組成物をアクリルゴムあるいはフッ素ゴムの試験片(70×35×2mm、硬度Hs65°)にエアスプレーで塗膜厚が10μmになる様にコーティングし、80℃×30時間の硬化条件で焼付処理を行ない、その後室温で2日間放置した。
摩擦摩耗試験
上記の試験片を使用し、摩擦摩耗試験機 HEIDON TYPE14(新東科学(株)製)を用い、動摩擦係数を測定する。試験条件は、荷重100gf、速度10mm/sec、相手材はSUJ−2(φ3/8インチ)とした。
試験片の被膜面とSPCC−SB(相手材)を2MPaで圧着し、恒温層に所定の温度×時間、雰囲気下で放置後、25℃に冷却し、固着状態を確認した。温度条件は150℃(アクリルゴムの試験片を使用)、180℃(フッ素ゴムの試験片を使用)でそれぞれ72時間とした。雰囲気は乾燥状態と油(エンジンオイル5W−30 ダイハツ工業(株)純正)浸漬状態とした。固着状態の判断基準は、試験片と相手材を引き離す際に、外的な力を必要としないものを◎、外的な力をほとんど必要とせず容易に引き離せる状態を○、少々固着しているがある程度容易に引き離せる状態を△、引き離しが容易ではないか、または、引き離し後に相手材に被膜の一部が移着しているものを×と判定した。評価結果を表1に示す。
表1に示す組成に従って、熱硬化性樹脂、シリコーン変性熱硬化性樹脂、シリコーン成分、硬化剤、フッ素樹脂微粉末、シリコーン樹脂微粉末を配合し、実施例1に準じて塗料組成物を得た。硬化条件は、それぞれの最適硬化条件で行ない、実施例1と同一の評価をした。結果を表1に示す。
表2の組成に従い、実施例1の溶媒を用いて、実施例1の方法に準じて塗料組成物を調製し、実施例1と同一の評価を行ない、結果を表2に示す。なお、比較例1、3、4はフッ素樹脂同様固体潤滑剤として知られる二硫化モリブデン、黒鉛を配合した。
Claims (4)
- ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、該樹脂塗料は、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分および熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする塗料組成物。
- ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、該樹脂塗料は、シリコーン変性熱硬化性樹脂成分と、このシリコーン変性熱硬化性樹脂成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする塗料組成物。
- ゴム弾性体の表面に塗布される塗料組成物であって、該樹脂塗料は、シリコーン成分と、熱硬化性樹脂成分と、シリコーン変性熱硬化性樹脂成分と、これらシリコーン成分、熱硬化性樹脂成分およびシリコーン変性熱硬化性樹脂成分から選ばれた少なくとも1つの成分と反応し得る官能基を有する硬化剤と、フッ素樹脂微粒子およびシリコーン微粒子から選ばれた少なくとも1つの微粒子とを含むことを特徴とする塗料組成物。
- 表面被膜を有するゴムシール部材であって、前記表面被膜は請求項1、請求項2または請求項3記載の塗料組成物より形成される被膜であることを特徴とするゴムシール部材。
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