JP2003253214A - コーティング組成物およびワイパーブレード - Google Patents
コーティング組成物およびワイパーブレードInfo
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Abstract
成物を提供する。 【解決手段】熱硬化性あるいは加硫性を有する樹脂材料
あるいはエラストマー材料と、シリコーンオイルと、層
状格子構造材料、とを含有するコーティング用組成物を
提供する。この組成物によれば、樹脂あるいはエラスト
マーとシリコーンオイルからなるマトリックス4中に層
状格子構造材料6が分散され、水の付着の有無に係わら
ず、良好な潤滑性能を発揮する。
Description
を問わず安定した低摩擦係数が得られるコーティング組
成物、及び、車両の窓ガラスなどに付着した雨滴を除去
するワイパーブレードに関する。
年、固体潤滑剤をバインダーによって定着させる乾性潤
滑剤を使用することにより、油系潤滑剤特有の性能低下
に対し、改善が試みられている。この乾性潤滑剤は、例
えば、車両用のワイパーブレードの摺動面などにおいて
使用されることが多い。乾性潤滑剤においては、水が摺
動面に付着した場合、水の流動性により疑似湿式潤滑の
状況を呈し、乾性潤滑剤の性能と相まって、摩擦抵抗が
より低減される場合がある。しかしながら、水の高い表
面張力と経時揮発性により、水は摺動面に長期滞留する
ことがないため、摺動面を均一に湿潤状態にすることが
難しい。このため、ワイパーブレードの滑り特性が安定
せず、滑っては付着し、付着しては滑るといった反復し
た状態、いわゆるスティックスリップ現象が引き起こさ
れる。このスティックスリップ現象は、摺動部材の円滑
な作動状態を阻害する。しかも、ワイパーブレードなど
の長尺の摺動部材においては、その形状と作動形態ゆえ
にスティックスリップ現象による摩擦振動(いわゆる、
「ビビリ現象」)を引き起こしやすく、異音の発生を伴
うといった問題の要因となることも知られている。
水処理剤によりガラス表面に撥水処理被膜を形成するこ
とにより雨滴をガラス面から排除して、ワイパーを使用
しないですむようにする方法がある。しかしながら、こ
れら撥水処理被膜は、通常、水の接触角で90°を超え
る撥水性を有するものの、一般的な自動車のフロントガ
ラスの傾斜角度では、停止状態はおろか、時速40km
/h程度まで加速されない限り、完全に雨滴をはじくこ
とができない。この場合、やむを得ずワイパーブレード
を作動させても、一般的にゴムなどの疎水表面を有する
ワイパーブレードと撥水処理ガラスの両者が水の付着を
許さないため、結果として、ワイパーブレードとガラス
面の摩擦抵抗が大きくなり、撥水処理を施すことが、逆
に「ビビリ現象」を誘発してしまっている。
付与することで、安定した円滑作動を確保しようとする
試みがなされてきている。ワイパーブレード表面にフッ
化ビニリデン、塩化ビニルなどの被膜を形成する方法
(特開平5−97015号公報)、同じく表面にテフロ
ン(登録商標)樹脂あるいはナイロン樹脂などの被膜を
形成する方法(特許第3196401号公報)では、撥
水処理ガラス上において、円滑作動が損なわれ、しか
も、撥水処理被膜への攻撃性も否めなかった。耐摩耗
性、滑り性を向上させたシリコーンゴムでワイパーブレ
ードを成形する方法(特許第3205577号公報、特
開2000−160018号公報、特開2000−16
0019号公報、特開2000−248183号公報
等)は、ガラス面を拭き取るリップ部のエッジ先端の微
細な摩耗が発生しやすく、拭き取り耐久性、滑り耐久性
とも得られていない。さらに、シリコーンゴムでワイパ
ーブレードを成形し、その表面に有機樹脂被膜からなる
摺動層を設ける方法(特開平8−118417号公報、
特開平10−138879号公報)では、摺動層がゴム
弾性を有さない有機樹脂被膜で形成されているため、ゴ
ムとの追従性、密着性が悪いため、被膜が脱落しやすか
った。さらに、シリコーンゴムでワイパーブレードの先
端部を成形し、その表面に摺動被覆層としてシリコーン
ゴムその他充填剤からなる層を設けたワイパーブレード
(特開平11−321573号公報、特開2001−5
5119号公報)では、初期の滑り性は向上しているも
のの、エッジ部の摩耗が激しく、拭き取りあるいは滑り
耐久性に乏しく、円滑な作動と良好な視界の長期に渡る
確保は実現されていない。このように、従来試みられて
いる方法は、いずれも、滑り性を始めとして、拭き取り
性、耐久性を確保するに至っていない。
従来の問題点に鑑みて、摺動界面の水の存在如何にかか
わらず、摺動部材の円滑作動をもたらすコーティング組
成物を提供することを目的とする。また、摺動界面の水
の存在状態に関わらず、当該表面における滑り性が確保
されたワイパーブレードを提供することを、その目的と
する。
クスリップ現象に起因する問題は、乾燥状態と水分が付
着したウエット状態が混在しやすくなる摺動部品、つま
り、屋外に曝されるか、屋内にあっても水の侵入する可
能性のある摺動部品に発生することに着目した。さら
に、この問題が、疎水表面を有するプラスチック部品、
樹脂コーティング部品、ゴム部品に発現しやすく、特
に、ゴム部品に顕著に発現することにも着目した。以上
のことから、本発明者らは、摺動面において、水が付着
することによって摩擦抵抗が相対的に小さい部分と、水
の付着がなく摩擦抵抗が相対的に大きい部分とが混在
し、これらの領域間で摩擦抵抗が大きく異なっているこ
とを見出した。さらに、摺動部材にあっては、ゴムは元
来粘着性で摩擦係数が高く、且つ疎水性であるため、動
き始める際には粘着して滑りにくく、滑り始めると水に
より摩擦抵抗が低減され滑りだすものの、その疎水性か
ら表面の水を排除しやすく、再び粘着するという、不安
定な摩擦状態を形成すること、さらに、撥水処理を施し
た表面に対して摺動するゴム部品においては、このよう
な摩擦状態の不安定さがあることが顕著であった。以上
の認識に基づき、本発明者らは、所定のコーティング組
成物によれば、上記した課題を解決できること、および
水の付着の有無にかかわらず低摩擦係数とするか、およ
び/または、水付着の有無による動摩擦係数の変化を小
さくすることにより、上記した課題を解決できることを
見出し、本発明を完成した。本発明によれば、以下の手
段が提供される。
脂材料あるいはエラストマー材料と、シリコーンオイル
と、層状格子構造材料、とを含有するコーティング用組
成物。 (2)さらに、シリコーンパウダーを含有する、(1)
記載の組成物。 (3)さらに、親水性有機パウダーを含有する、(1)
または(2)に記載の組成物。 (4)前記層状格子構造材料が黒鉛及び/又は二硫化モ
リブデンである、(1)〜(3)のいずれかに記載の組
成物。 (5)前記エラストマー材料は、液状シリコーンゴム材
料である、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。 (6)前記親水性有機パウダーがナイロン樹脂パウダー
である、(3)に記載の組成物。 (7)前記シリコーンパウダーが、メチルシリコーンゴ
ム粒子である、(2)に記載の組成物。 (8)熱硬化性あるいは加硫性を有する樹脂材料あるい
はエラストマー材料100重量部と、シリコーンオイル
1〜10重量部と、シリコーンパウダー1〜20重量部
と、親水性有機パウダー10〜100重量部と、層状格
子構造材料を、前記シリコーンパウダーと前記親水性有
機パウダーとの総量で40〜250重量部、とを含有す
る、コーティング用組成物。 (9)被膜化された状態において、水が付着していない
疎水表面における当該被膜の動摩擦係数と水が付着した
前記疎水表面における当該被膜の動摩擦係数との差が、
水が付着していない表面における当該被膜の動摩擦係数
に対し±15%以内である、コーティング組成物。 (10)被膜化された状態において、水が付着していな
い疎水表面における当該被膜の動摩擦係数に対する、当
該動摩擦係数と水が付着した前記疎水表面における当該
被膜の動摩擦係数との差が±15%以内である、ワイパ
ーブレード用コーティング組成物。 (11)水が付着していない撥水処理被膜における動摩
擦係数に対する、当該動摩擦係数と水が付着した前記撥
水処理被膜における動摩擦係数との差が±15%以内で
ある、ワイパーブレード用コーティング被膜。 (12)(11)記載の被膜を摺動面に備える、ワイパ
ーブレード。 (13)ワイパーブレードであって、エチレンプロピレ
ンゴム、天然ゴム、及び熱可塑性エラストマーからなる
群から選ばれた1種あるいは2種以上の材料を主成分と
するリップ部に、(1)〜(10)のいずれかに記載の
組成物による被膜を備える、ワイパーブレード。 (14)(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物を含
有し、硬化性および/または加硫性を維持している膜状
体。
動する表面における水の付着の有無にかかわらず低い摩
擦係数となっているか、および/または、水の付着状態
による動摩擦係数の差が小さくなっている被膜を得るこ
とができる。このため、この被膜を付与した摺動部材
は、被摺動面の表面状態を問わず、円滑に作動すること
ができる。すなわち、本発明の組成物および被膜は、水
が付着しない表面における動摩擦係数をより低く抑えら
れるか、および/または、水が付着した表面における動
摩擦係数が極端に低下するのが抑えられることにより、
上記した摩擦特性が達成され、これにより、水の存在す
る状態と存在しない状態での双方での被膜での円滑作動
(摺動)を達成することができたものである。この結
果、特に車両用ワイパーブレードなどの摺動材分野にお
ける課題であった、「ビビリ現象」の抑制を始めとし
て、拭き取り性耐久性、撥水処理被膜の低攻撃性と長寿
命化などを初めて達成することができたのである。
弾性材料部品に適用することによって、例えば、水の接
触角が70°を越えるような疎水性表面を有する自動車
のボデー塗装表面、親水性であるガラスや撥水処理被膜
を有する撥水性のガラス表面の他、との摺動を円滑に
し、スティックスリップによる諸問題を解決することが
できる。また、これらの組成物による被膜をワイパーブ
レードに適用した場合、親水性であるガラス表面や、撥
水剤や油膜により撥水あるいは疎水化された表面のいず
れに対しても、円滑な摺動を得ることができる。この結
果、被摺動表面の親水性・撥水性に関わらず、円滑な滑
り性能を有し、「ビビリ現象」を発生させないワイパー
ブレードを得ることができる。また、かかる組成物によ
る被膜を上記材質を主成分とするワイパーブレード基材
の表面に付与することにより、特に、ふき取り耐久性に
優れたワイパーブレードを提供することができる。
提供するものであって、熱硬化性あるいは加硫性を有す
る樹脂材料あるいはエラストマー材料と、シリコーン系
オイルと、層状格子構造物質とを含有する組成物を提供
する。すなわち、本組成物は、熱硬化性あるいは加硫性
組成物である。同時に、本発明は、被膜化された状態に
おいて、疎水表面に対し、水が付着していない場合と付
着した場合の当該被膜の動摩擦係数の差が、水が付着し
ていない場合の当該被膜の動摩擦係数に対して±15%
以内である、コーティング組成物を提供する。これらの
組成物は、いずれも、摺動部材の摺動面に付与されるコ
ーティング用として好ましく、特に、ワイパーブレード
の摺動面に付与されるものとして好ましい。
性の高分子材料(以下、両者を併せてバインダーとい
う)を含有することができる。バインダーは、未硬化・
未加硫の状態での形態を問わないが、好ましくは常温付
近で流動性を有している、すなわち、液状体であること
が好ましい。バインダーが液状であることにより、後述
するシリコーンオイルが配合されやすくなり、良好な分
散均一性を得られるようになる。従来、シリコーンオイ
ルは樹脂あるいはゴムに配合する場合、均一に配合され
にくく、その結果強度低下を生じていたが、液状のバイ
ンダーを用いることにより、分散均一性が向上するの
で、この結果、被膜に十分な強度を確保することができ
るようになる。
態においては、ゴムを被覆後、ゴムの撓みに追従する必
要があるため、柔軟性により優れるものが好ましい。特
にワイパーブレードの様な繰り返しゴムが変形する様な
部品の場合、追従性、柔軟性は重要となり、また、柔軟
性が高いほど拭き取り性が得やすくなる。したがって、
バインダーは、適度な柔軟性ないしは可撓性を保持する
樹脂硬化体かあるいはエラストマーを得ることができる
高分子材料であることが好ましい。
樹脂、中でも、水酸基を有するポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール等のポリオール類、ポリカプロラクトン
ジオール、ポリカーボネートジオール等のジオール類な
どを用いるウレタン樹脂を挙げることができる。好まし
くは、液状のポリオール類および/またはジオール類を
用いる。ゴムへの追従性を確保する観点からは、ポリエ
ステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオー
ルを使用するか、もしくはこれらにポリテトラメチレン
エーテルグリコールをブレンドして使用することが好ま
しい。硬化物において適度な弾性が得られるとともに、
耐摩耗性も向上するからである。ウレタン樹脂の場合、
水酸基含有化合物としては、これらの1種あるいは2種
以上を高分子材料として用い、さらに、別途硬化剤とし
てポリイソシアネートを用いる。
化合物としては、TDI(トリレンジイソシアネー
ト)、MDI(芳香族ジイソシアネート)、NDI
(1,5−ナフタレンジイソシアネート)、TODI
(トリジンイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレン
ジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシア
ネート)等のポリイソシアネート成分のいずれか1種以
上もしくはその変性体あるいは誘導体であるウレタンア
ダクトタイプ、ビュレットタイプ、ブロックイソシアネ
ートタイプ等から1種あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。また、硬化反応を制御するため
に有機錫など一般的なウレタン樹脂に使用される触媒を
添加することもできる。なお、組成物をワイパーブレー
ドのリップ表面に塗着させる場合、バインダーが後硬化
になるため、組成物の硬化温度をワイパーブレード側の
材料の耐熱温度以下に調整することが好ましい。
料としては、シリコーンゴム材料を挙げることができ
る。シリコーンゴムは、温度による硬度変化が少なく、
安定的な特性を発揮しうるという優位性において、本組
成物のバインダーとして好ましい。より好ましくは、常
温で液状の状態を呈するシリコーンゴム材料である。組
成物をワイパーブレードのリップ表面に塗着させる場
合、シリコーンゴムが後硬化になるが、液状のシリコー
ンゴム材料であれば、低温硬化が可能であり、ブレード
基材の耐熱温度を超えない範囲で硬化を達成することが
できる。シリコーンゴムは、縮合反応や付加反応、UV
硬化、電子線硬化等の手法により硬化させることができ
るが、付加反応の場合、白金化合物を触媒として用いる
ため、被毒物質により硬化不良を起こすことがあり、ワ
イパーブレード表面に適用する場合、その材質である合
成ゴム中に被毒物質が存在するケースが多々あるため、
縮合反応を用いる縮合型が好ましい。いずれにせよ、適
正な硬化反応を経て、シリコーンゴムの特性を有するの
なら、縮合反応、付加反応などその他反応形態を問わな
いで使用することができる。
を添加しない状態で、JIS Aのゴム硬度で70°以
下であることが好ましく、ワイパーブレードに適用する
場合は、10〜65°が特に好ましい。ゴム硬度が70
°を超えるか、あるいは被着体であるワイパーブレード
自身のゴム硬度を越えてしまった場合、特にダストを咬
むような場合に被膜の欠落が激しくなり滑り耐久性の低
下とワイパーブレードの場合、拭き取り耐久性の低下の
要因となる。一方、ゴム硬度が10°未満の場合、被膜
自身の耐摩耗性が乏しいため、特にワイパーブレードに
適用した場合、硬い場合と同様、滑り耐久性及び拭き取
り耐久性の低下の要因となる。また、ワイパーブレード
は、主として屋外で使用されるため、耐候性に優れた硬
化体を得ることのできる高分子材料であることが好まし
い。かかる観点からも、シリコーンゴム(特に液状)を
バインダーとして用いることが好ましい。
ことができる。本発明で使用するシリコーンオイルとし
ては、一般的にストレートシリコーンオイルと呼ばれる
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーン
オイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルや、ア
ミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノ
ール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノー
ル変性、片末端反応性、アミノ基やアルコキシル基、エ
ポキシ基、ポリエーテル基等を2種以上併せ持つ異種官
能基変性といった反応性変性シリコーンオイル、メチル
スチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変
性、アルコール変性、フッ素変性(フルオロシリコーン
オイル)等の非反応性変性シリコーンオイルや、ジメチ
ルシリコーンオイルにメチルリシノレートなどの油性向
上剤を配合したものが挙げられる。本発明では、シリコ
ーンオイルは、接触移動面上に潤滑性を付与し、特に、
水が付着していないドライ状態での動摩擦係数を低減す
る役割を担っている。
ートシリコーンオイル、中でもジメチルシリコーンオイ
ルやメチルフェニルシリコーンオイル、変性シリコーン
オイルの中ではアルキル変性シリコーンオイル、フロロ
シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルにメチル
リシノレートなどの油性向上剤を配合したものを使用す
ることが好ましい。ストレートシリコーンオイルは、温
度による粘度変化が小さく、ワイパーブレードの使用環
境の様に気候の変化による雰囲気温度の変化がある場
合、粘度の温度依存性が小さいために、気候環境を問わ
ず潤滑効果を発揮するという特徴と、ワイパーブレード
等の材料である合成ゴムを使用した部品や、プラスチッ
ク部品の潤滑について極めて効果的であるというメリッ
トを有している。
することができる。撥水性を付与する効果は、シリコー
ンオイルがワイパーブレードからガラス面に転移するこ
とにより発現する。特に撥水処理ガラスにおいては、ガ
ラス面に水が付着していない状態が形成されやすいた
め、更に転移しやすくなっている。このため、撥水処理
被膜上の撥水性を維持することができる。
コーンオイルを除き、潤滑性付与効果の耐久性において
大きな要因となる。フルオロシリコーンオイルは一般的
なシリコーンオイルに比較し、境界潤滑性が高く、本発
明において好適であり、粘度は高い方が滑り耐久性を得
やすいが、低粘度であっても一般的なシリコーンオイル
に比較し、高い滑り耐久性を維持することができる。一
方、フルオロシリコーンオイルを除くシリコーンオイル
(典型的には、ジメチルシリコーンオイルやアルキル変
性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルにメチ
ルリシノレートなどの油性向上剤を配合したものなど)
については、粘度が200cs以上が好ましく、500
cs以上が特に好ましい。粘度が200cs未満である
と、被膜の摺動に伴う剪断により、接触界面から除去さ
れやすくなる傾向が大きくなるからである。200cs
以上であると、好ましい円滑作動性を容易に得ることが
できる。500cs以上であれば、円滑作動性を長期に
わたって維持することができる。ワイパーブレードに適
用する場合は500〜100000csが好ましい。粘
度が500cs未満の場合、ワイパー作動の様な繰り返
し摺動により、剪断を受け、摺動界面(ワイパーブレー
ド表面といったゴム部品の表面、あるいはガラス面など
の相手材表面)から取り除かれてしまい、潤滑耐久性が
十分に確保できなくなることがある。一方、粘度が10
0000csを超えると、潤滑特性は満足されるが、ワ
イパーブレードに適用した場合、摺動相手材であるガラ
ス表面に移行したときに、ガラス面の「ギラツキ現象」
を誘発し光の反射などにより視界不良の原因になる傾向
が大きくなるためである。より好ましくは、1000〜
50000csである。なお、シリコーンオイルの粘度
JIS Z 8803によるウッベローデ粘度計などに
よって求めることができる。
成分(硬化剤などを含む)100重量部に対し、0.5
〜15重量部が好ましい。0.5重量部未満では、効果
が発現されにくいか、もしくは、滑り耐久性が乏しくな
る。15重量部を超えると、被膜の強度低下を生むこと
があるからである。滑り特性と被膜強度のバランスか
ら、1〜10重量部がより好ましく、2〜8重量部がさ
らに好ましい。
格子構造材料としては、特に限定しないで、剪断劈開性
を備える材料を使用することができる。好ましくは、水
と親和性のある材料を用いる。例えば、このような材料
として、黒鉛、二硫化モリブデン、マイカ等を挙げるこ
とができる。これらの層状格子構造材料は、1種あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発
明においては、層状格子構造材料は、その剪断劈開性に
より水の付着の有無を問わずに潤滑性能を発揮する。ま
た、水との親和性を有する場合には、水の付着時におい
て高い潤滑性能を発揮する。層状格子構造材料の添加量
はバインダー成分(典型的にはシリコーンゴム)100
重量部に対し、総量で50〜300重量部が好ましい。
また、後述する、シリコーンパウダーおよび親水性有機
パウダーを使用する場合には、シリコーンパウダー1〜
20重量部および親水性有機パウダー10〜100との
総量で40〜300重量部とすることが好ましい。50
重量部未満であると動摩擦係数の低減効果が少なくな
り、300重量部を超えると塗膜強度が低下することが
あるからである。より好ましくは、40〜250重量部
である。
鉛と人造黒鉛があるが、天然黒鉛、中でも鱗状黒鉛が好
ましい。更に平均粒径で2〜40μmが好ましく、2〜
20μmが特に好ましい。2μm未満の場合、相手材へ
のアブレッシブ性が増し、良好な潤滑耐久性が得られな
くなる。また、ワイパーブレードに適用した場合、特に
ガラス面の撥水膜を攻撃するため、ガラス撥水耐久性が
低下することになる。40μmを越えると拭き取り性が
低下することがある。また、天然グラファイトは黄鉄
鉱、石英、方解石などを、人造黒鉛は酸化鉄などを不純
物として含有しており、この不純物が撥水処理ガラスへ
のアブレッシブ摩耗を引き起こすことがあるため、炭素
分が97%以上のものを使用することが好ましく、99
%以上のものが更に好ましい。層状格子状材料として黒
鉛単独での添加量はバインダー(典型的にはシリコーン
ゴム)100重量部に対し、50〜300重量部が好ま
しく、100〜250重量部が特に好ましい。
であり、モリブデン原子の両側を硫黄原子が挟み込んだ
構造であり、モリブデン原子と硫黄原子の結合が強固な
のに対し、硫黄原子同士の引力が弱いために、この部分
の剪断により優れた潤滑性能を発揮すると考えられてい
る。斜方晶形の合成のものもあるが、六方晶形が好まし
い。平均粒径では0.1〜10μmの範囲が好ましい
が、粒径が小さいほど被膜の高い補強効果が得られるた
め、平均粒径で5μm以下が更に好ましい。層状格子状
材料として二硫化モリブデン単独で使用する場合、添加
量はバインダー成分(典型的にはシリコーンゴム)10
0重量部に対し、20〜200重量部が好ましく、50
〜150重量部が特に好ましい。
と、膨潤性あるいは非膨潤性のフッ素雲母と呼ばれる合
成雲母があり、その中でも空気中の水分を吸着して膨潤
し、劈開する特性を有する膨潤性のフッ素雲母が好まし
い。マイカの種類を問わず、平均粒径で1〜25μmが
好ましく、その中でも1〜5μmが好ましい。これは平
均粒径が大きくなればなるほど拭き取り性能が低下する
ためである。層状格子状材料としてマイカ単独での添加
量はバインダー成分(典型的にはシリコーンゴム)10
0重量部に対し、20〜100重量部が好ましく、40
〜80重量部が特に好ましい。
硬化あるいは加硫により、水付着時と水の非付着時の双
方において良好な潤滑性能を発揮する被膜を得ることが
できる。水付着時には、主として層状格子構造材料によ
り、また、水の非付着時には主としてシリコーンオイル
によって潤滑性能が付与されている。また、本組成物に
おいては、シリコーンオイルと層状格子構造材料とがバ
インダー内に均一に分散され保持されていると思われ
る。特に、バインダーが常温で液状である場合には、よ
り好ましい分散・保持状態となっていると推測される。
図1に本発明の組成物によって得られる被膜2の模式図
を示す。このように、被膜化された場合、シリコーンオ
イルは、熱硬化あるいは加硫されたバインダーとともに
マトリックス4を構成し、このマトリックス4中に層状
格子構造材料6が均一に分散保持される。すなわち、被
膜表面及び内部において、層状格子構造材料6とシリコ
ーンオイルを含有するマトリックス4とが均一に分布す
る状態とが形成されている。したがって、当初の被膜表
面において、水の付着の有無に係わらず良好な潤滑性能
を有しているとともに、被膜が経時的に磨耗しても、新
たに露出される表面には、層状格子構造材料6とマトリ
ックス4とが均一に分布されているため、安定して良好
な潤滑性能を発揮することができる。特に、常温で液状
のバインダー(好ましくはシリコーンゴム材料)を含有
する組成物を用いた場合には、マトリックス4に対する
シリコーンオイルの保持性と分散性が良好であり、水非
付着時あるいは疎水(撥水)表面における潤滑性能及び
その耐久性が向上する。
コーンオイル、層状格子構造材料の他、以下の成分を含
有することができる。本発明の組成物は、シリコーンパ
ウダーを含むことができる。シリコーンパウダーは、そ
れ自体が有する潤滑性と被膜内に配向したシリコーンオ
イルを担持し適度にブリードさせることから滑り耐久性
を高める効果を有している。本発明においては、疎水、
撥水表面に対し、水の付着有無を問わず動摩擦係数を下
げる効果がある。但し、必要量を超える配合は、撥水表
面の水の付着時に水に不均一に濡れやすくなるため、不
安定な挙動を示す場合がある。シリコーンパウダーとし
ては、直鎖状のジメチルポリシロキサンを架橋した構造
を持つメチルシリコーンゴム粒子、シロキサン結合が
(CH3SiO3/2)nで表される三次元網目状に架橋し
た構造をもつポリメチルシルセスキオキサンの粒子、球
状のアモルファスシリカ表面をシリコーン処理した合成
シリカ粉末である疎水化シリカパウダー、球状シリコー
ンゴムパウダー表面をシリコーンレジンで被覆したシリ
コーン複合パウダー等が挙げられる。粒子形状として、
球状、不定形状など、特に限定することなく使用するこ
とができる。その中でもメチルシリコーンゴム粉末ある
いはポリメチルシルセスキオキサンの粉末、シリコーン
複合パウダーが好ましく、特にメチルシリコーンゴム粉
末が好ましい。メチルシリコーンゴム粉末は架橋度が低
いため、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子やシリコ
ーン複合パウダーの表面に比較し、塗料化した場合、有
機溶剤に膨潤する傾向があり、バインダーとの接着性が
得られやすい。また、柔軟性に富むため、摺動時の被膜
の変形に追従しやすく、ワイパーブレードに適用した場
合水滴のふき取り性も良好となる。
0.1〜20ミクロンが好ましく、0.5〜10ミクロ
ンが特に好ましい。20ミクロンを越えると、被膜内で
の接着性の低下が、パウダーの脱落の要因となり、被膜
の耐摩耗性の低下を生じ、また、ワイパーブレードに適
用した場合、ワイパーブレードに要求される拭き取り性
能を低下させる。添加量はバインダー成分100重量部
に対し、0.5〜50重量部が好ましい。0.5重量部
未満であるとシリコーンオイル等のオイル分の担持効果
が低くなり、オイル分がブリードし易く、耐久性が低下
する傾向となり、50重量部を超えると被膜強度が低下
するからである。滑り耐久性の観点から、より好ましく
は、1〜20重量部である。シリコーンパウダーは、配
合されなくても有る程度の水付着時の摩擦係数の安定化
が図れるため、必ずしも本組成物の構成成分とする必要
はないが、摩擦係数をより安定化させ、且つ、シリコー
ンオイルの効果を長期に渡り発揮させうる効果があるた
め、組成物中に含めることが好ましい。
ーン株式会社製トレフィルF−200、F−201、F
−202、F−203、F−250、F−300、F−
300、F−301、F−400、F−100、F−1
01、R−901、R−902、E−500、E−50
1、E−600、E−601、E−602、E−60
3、ジーイー東芝シリコーン株式会社製トスパール10
5、120、130、145、240、信越化学工業製
KMP597、598、594、595、590、10
5、110、X−52−854、X−52−821、X
−52−830、X−52−831、X−52−103
2、X−52−1033、X−52−1034、X−5
2−1039K、X−52−1039Gなどが挙げられ
る。
ウダーとしては、ナイロン樹脂パウダー、高分子量酸化
ポリエチレン、アルギン酸カルシウム、酢酸セルロー
ス、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸
メチル、架橋ポリスチレン、ポリビニルブチラールなど
が挙げられ、粉体であるいは溶かして使用することがで
きる。これらの親水性有機パウダーは、1種あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができる。添加量は
バインダー成分(典型的にはシリコーンゴム)100重
量部に対し、1〜100重量部が好ましい。より好まし
くは、10〜100重量部である。親水性有機パウダー
は、その他配合材料に比較し、動摩擦係数を多少上昇傾
向にする特性があるが、水の付着有無による動摩擦係数
の変化をより低減する特性がある。親水性有機パウダー
は、配合されなくても有る程度の水付着時の摩擦係数の
安定化が図れるため、必ずしも本組成物の構成成分とす
る必要はないが、接触界面に水が少ない場合あるいは水
の存在状態が不均一の場合に、接触界面における水を安
定的に吸着しうる点において組成物中に含めることが好
ましい。
球状のものいずれも問わないが、平均粒径で1〜20μ
m好ましく、1〜10μm程度が特に好ましい。異形の
ものは成形体の粉砕により容易に得ることができ、真球
状のものは市販で容易に入手することができる。具体的
には、東レ株式会社製SP−500、SP−500D、
SP−1000等が挙げられる。添加量はバインダー成
分(典型的にはシリコーンゴム)100重量部に対し、
1〜100重量部が好ましく、10〜100重量部が特
に好ましい。高分子量酸化ポリエチレンは、従来公知の
方法で製造できるが、親水性であることが知られてい
る。平均粒径で20μm以下が好ましく、0.5〜5μ
mが特に好ましい。
るにもかかわらず、吸湿時の寸法変化が少なく、ワイパ
ーブレードの拭き取り性を低下させない理由から好適で
あり、平均粒径で0.1〜20μmが好ましく、1〜1
0μmが特に好ましい。具体的には日清紡績株式会社製
フラビカファインS、SF−D、SF−W等が挙げられ
る。SF−Wは水分散タイプであるため、使用時には水
分を揮発させて使用する。添加量はバインダー(シリコ
ーンゴム)成分100重量部に対し、1〜100重量部
が好ましく、5〜50重量部が特に好ましい。酢酸セル
ロースは、水分を吸着しやすく、また、物理的強度が高
いため、ワイパーブレードの拭き取り性を低下させない
理由から好適である。平均粒径は1〜20μmが好まし
く、1〜10μm程度が特に好ましい。具体的にはチッ
ソ株式会社製セルフローC−25、TA―25等が挙げ
られる。添加量はバインダー(典型的にはシリコーンゴ
ム)100重量部に対し、5〜100重量部が好まし
く、20〜50重量部が特に好ましい。
径で5〜30ミクロンが好ましく、具体的には真球状の
積水化成品工業株式会社製テクポリマーAXが挙げられ
る。添加量はバインダー成分(典型的にはシリコーンゴ
ム)100重量部に対し、5〜100重量部が好まし
く、20〜50重量部が特に好ましい。ポリメタクリル
酸メチルや架橋ポリスチレンの球状微粒子は、多孔質で
あることで水分を吸着しやすく、また、物理的強度が高
いため、ワイパーブレードの拭き取り性を低下させない
理由から好適である。平均粒径は1〜20μmが好まし
く、1〜10μm程度が特に好ましい。具体的には積水
化成品工業株式会社製テクポリマーMBP、SBP等が
挙げられる。添加量はバインダー成分(典型的にはシリ
コーンゴム)100重量部に対し、5〜100重量部が
好ましく、20〜50重量部が特に好ましい。
粉砕して使用するか、溶媒に溶解して使用することがで
きる。粉砕する場合は平均粒径1〜10μm程度が好ま
しい。具体的には積水化学工業株式会社製エスレックB
シリーズが挙げられる。添加量はバインダー成分(典型
的にはシリコーンゴム)100重量部に対し、5〜10
0重量部が好ましく、20〜50重量部が特に好まし
い。
し、被膜の強度を補強することもできる。補強剤は、無
機系、有機系を問わないで使用することができる。無機
系の補強剤としては、カーボンブラックや、シリカ、酸
化チタン、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、酸化亜
鉛などの金属酸化物、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、タルク、ウォラストナイト、
チタン酸カリウムウィスカー、硫酸バリウム、塩基性硫
酸マグネシウム、マグネシウムオキシサルフェートウィ
スカー、セピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミニ
ウムウィスカーなどが挙げられ、特に酸化チタン、酸化
鉄、シリカ、タルクが好ましく、更に酸化チタンは50
0nm以下の微粒子タイプが好ましい。
ウダー、フェノール樹脂パウダー、ウレタン樹脂パウダ
ーなどが挙げられ、ウレタン樹脂パウダーが好ましい。
これら補強剤は、ゴム、塗料、フィルム関連で使用され
ているもので、別段特殊なものではない。補強剤の平均
粒径は0.01〜10μmが好ましく、細かいものの方
が補強効果が高く好ましい。10μmを越えると被膜内
での接着性が低下し、被膜から脱落するなど、期待され
る補強効果が乏しくなる。添加量はバインダー(典型的
にはシリコーンゴム)100重量部に対し、1〜40重
量部が好ましく、5〜25重量部が特に好ましく、10
〜20重量部が更に好ましい。
全般に渡り、適用可能であり、具体的には、天然ゴム、
ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒ
ドリンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム、各種熱可塑性エラストマー等を被
着体として使用することができる。また、プラスチック
であっても前記ゴム成分が配合されたブレンド、アロイ
材料にも使用することができる。また、プラスチックで
あってもゴムに近い硬さや、撓み性能を有する材料にも
使用することができる。ゴムの硬さは問わない。また、
これらゴム材料と本コーティング組成物との良好な接着
性を確保するため、シランカップリング剤やプライマー
など適宜選定することができる。
ブレードゴムの材質は特に問わないが、従来使用されて
いる合成ゴムの中でも耐摩耗性、圧縮永久ひずみ性に優
れ、且つ耐候性に優れる天然ゴム、エチレンプロピレン
ゴム、熱可塑性エラストマーを使用することにより、よ
り高い拭き取り耐久性を得ることができる。ワイパーブ
レードの材質とする天然ゴムは、ゴム硬度55〜65°
が好ましい。また、ゴムの持つ粘着性を抑制し、且つ、
被膜の接着性を高める作用のある塩素処理が施されてい
ることが好ましい。エチレンプロピレンゴムは、ゴム硬
度55〜70°が好ましい。熱可塑性エラストマーは、
耐摩耗性、耐寒性に優れたスチレン系、オレフィン系、
ポリアミド系が好ましい。なお、これらのエラストマー
には、老化防止剤、可塑剤などの添加剤を付与すること
ができる。また、前記ゴム材料をベースとしたブレンド
材料やアロイ材料も使用できる。また、これらワイパー
ブレードゴムと本コーティング組成物との良好な接着性
を確保するため、シランカップリング剤やプライマーな
ど適宜選定することができる。
被膜化することができる。成形されたワイパーブレード
の所定の部位に対して、塗料化(分散・流動化したもの
であればよい。)された本組成物を塗装あるいは付着さ
せ、加熱などの硬化促進工程により組成物を被膜化する
ことができる。また、ワイパーブレードの熱硬化工程に
おいて、同時に組成物の熱硬化が可能である場合には、
あらかじめ、キャスティングなどの公知の方法によりフ
ィルム化した本組成物の未硬化被膜(熱硬化性あるいは
加硫性を維持した膜状体)を、ワイパーブレードの熱硬
化と同時に接着させることができる。
る。被膜12は、ワイパーブレード10のリップ部14
の接触摺動部位に形成されていればよい。例えば、被膜
12は、、図2に示すように、リップ部14の側面16
と底面18との双方に形成されていもよいし、図3に示
すように、リップ部14の側面16にのみ形成されてい
てもよい。被膜の膜厚は3〜100μmが好ましく、5
〜30μmが特に好ましい。3μm以下の場合、配合さ
れる材料を保持しきれなくなり、耐摩耗性が低下するこ
とがあり、100μmを越えた場合、拭き取り性が低下
することがある。
摺動面に水が介在するか否かを問わず、特定の動摩擦特
性を有することができる。すなわち、本被膜にあって
は、疎水表面に対して水が付着していない状態と付着し
た状態との動摩擦係数の差が、水が付着していない場合
の動摩擦係数に対し±15%以内とすることができる。
±15%を超えた場合、摩擦振動が発生しやすくなり、
不安定な摩擦挙動を示すようになるからである。被膜
が、当該動摩擦特性を有することにより、当該被膜の接
触界面における水の存在状態にかかわらず安定した滑り
特性を発揮することができる。より好ましくは、±10
%以内であり、さらに好ましくは、±8%以内である。
また、好ましくは、いずれも場合においても、水非付着
時の動摩擦係数は水付着時の動摩擦係数よりも小さい。
ここで、本明細書において、疎水表面とは、水の接触角
が60°以上である表面をいい、好ましくは70°以上
の表面であり、更には90°以上の表面(この場合、特
に撥水表面ということができる。)である。撥水表面
は、各種の撥水処理被膜を施した表面を含む。典型的に
は、撥水処理被膜は、車両などのガラス表面に施され
る。また、本明細書においては、親水表面とは、水の接
触角が60°未満である表面をいい、好ましくは、30
°以下の表面である。なお、水の接触角は、JIS R
3257(1999)6.静滴法にしたがって測定する
ことができる。
は、特に限定しないで、商業的に入手できる材料あるい
は製品により得ることのできるものであれば本動摩擦特
性を特定するための被膜として用いることができる。一
般的には、撥水処理被膜は、フッ素系樹脂やシリコーン
系樹脂、ガラスへの処理剤としては低分子量のシリコー
ンオイルの他変性シリコーンオイルなどのシリコーンオ
イル、ガラスとの結合力を高めるため、ポリシロキサン
に酸触媒を添加したもの、いわゆるシリコーン系ガラス
撥水剤や、フルオロアルキルシランに強酸及び/又は強
アルカリ触媒を添加したもの、いわゆるフッ素系ガラス
撥水剤が挙げられる。本発明において動摩擦特性を特定
するための撥水処理被膜としては、フルオロアルキルシ
ランに強酸及び/又は強アルカリ触媒を添加したものを
用いることが好ましい。また、撥水処理被膜は、それ自
体撥水表面を構成する。したがって、上述のとおり、接
触角が90°以上であることが好ましい。
種方法にて測定することができるが、いずれも、水の有
無以外は同一条件で実施するようにする。動摩擦係数の
測定にあたっては、水の供給、排除が繰り返し発生し、
水が界面にある状態と無い状態が発生しやすい往復動摩
擦摩耗試験機を用いることが好ましい。一法として、往
復動摩擦摩耗試験機新東科学株式会社製HEIDONタ
イプ14を用いた試験方法を以下に説明する。本組成物
をエチレンプロピレンゴムボール(ゴム硬度:JIS
A 65°、φ12mm)にコーティングして試験試料
(試験被膜)とする。膜厚は、少なくとも15μmと
し、好ましくは18μm〜22μmとする。試験試料
を、ボール圧子を取り付け可能な治具に固定、装着す
る。相手側試験片としては、例えば、撥水処理(フッ素
系撥水剤:ソフト99コーポレーション製「超ガラコ」
を使用、接触角101〜103°)済みのガラスを使用
することができる。試験条件は、特に限定しないが、好
ましくは、荷重500gf、速度6000mm/min
とする。また、ストロークの範囲は、50〜100mm
とすることが好ましく、より好ましくは、80〜100
mmである。例えば、約90mmとすることができる。
動面に目視で水が存在しない状態である。乾いた布で摺
動面を摩擦したり、熱や風などによって水を蒸発させた
りすることにより、容易に形成することができる。水が
付着した状態とは、摺動界面に目視で水が存在する状態
である。例えば、往復動磨耗摩擦試験機による測定にお
いて、ストローク範囲にわたって、ストリーク状に水を
供給して水が存在する(付着した)状態を形成すること
ができる。具体的には、ストローク範囲が90mmの場
合、約3ccの水をストローク範囲にわたりストリーク
状におおよそ均一に供給することにより、水が付着した
状態を形成することができる。
撥水あるいは疎水表面において水の付着の有無を問わず
に円滑な摺動性を得ることができる。すなわち、水が付
着していない摺動面でも、水が付着した摺動面の双方に
おいて好ましい摺動性を得ることができるとともに、水
が付着していない領域と水が付着している領域とを同時
に接触しながら摺動する場合にも、良好な摺動性を得る
ことができる。特に撥水処理されたガラス表面を摺動す
る摺動部材であるワイパーブレードの摺動面にかかる被
膜が形成されることにより、ビビリ現象の抑制、拭き取
り耐久性の向上、撥水処理被膜の摩耗抑制などを達成す
ることができる。
い疎水表面(例えば、ガラスなどの親水表面に形成され
た油膜)にも、撥水処理被膜に対するのと同様の効果を
発揮することができる。さらに、本被膜は、水が付着し
やすい親水表面における水による潤滑作用を妨げること
がない。このため、本被膜を付与した摺動部材は、親水
表面においても、滑り特性に何ら問題はなく、円滑に作
動することができる。
硬化性あるいは加硫性バインダー中に、層状格子構造材
料とを含有する組成物、さらに、必要に応じてシリコー
ンパウダーおよび/または親水性有機パウダーとを含有
する組成物によれば、この被膜によって接触する界面の
水の存在状態にかかわらず円滑な摺動を確保することが
できる。この結果、疎水表面か親水表面かを問わず、し
かも、摺動表面の水の付着有無を問わず低摩擦係数を有
し、しかも水の付着状態が異なる条件下における動摩擦
係数の差を小さくしうる被膜を提供することができる。
着によるスティックスリップや、異音の発生などを抑制
することができる。このため、本組成物が適用されたワ
イパーブレードは、ガラスが親水性と撥水性(疎水性)
のどちらの表面状態であっても、良好な潤滑特性を有す
ることができる。この結果、本ワイパーブレードは摺動
面が如何なる水の存在状態にかかわらず、また、撥水処
理被膜の有無によらず、良好な摺動性能と「ビビリ現
象」の抑制を達成することができ、かつ、この特性がワ
イパーブレードのリップ部先端の摩耗を抑制し、良好な
拭き取り性を確保することができる。さらに、ワイパー
ブレードの摺動面接触部位と撥水処理膜の摩耗を抑制
し、両者の耐久性能を向上させることができる。加え
て、ワイパーブレードのリップ部などの被摺動面接触部
位の基材として上記したエラストマー材料を用い、その
表面に本発明の被膜を備えたワイパーブレードは、良好
な摩擦特性とともに、基材の柔軟性、可撓性、弾性によ
って被膜と摺動面との良好な圧接状態を確保することが
でき、好ましい拭き取り性を発揮する。また、基材の耐
久性によりこれらの好ましい初期状態を長期にわたって
維持できるようになっている。
る。 (実施例1)表1に示すように、未加硫の液状シリコー
ン(ポリアルキルシロキサンとポリアルキル水素シロキ
サンの混合物)をメチルエチルケトンとトルエンの混合
溶剤に溶解した溶液であるXS56−A3075(GE
東芝シリコーン製)を306.7重量部(不揮発分換算
92重量部)に天然鱗状黒鉛であるACP−1000
(日本黒鉛工業製)160重量部、ジメチルシリコーン
オイル(粘度10000cs)のSH200(東レ・ダ
ウコーニング製)4.5重量部を分散混合し、更に硬化
触媒である有機錫化合物の溶液であるYC6831(G
E東芝シリコーン製)30.7重量部(不揮発分換算8
重量部)を混合した混合物を調製した。この場合シリコ
ーンゴム成分となるのは液状シリコーンと硬化触媒の不
揮発分の合計100重量部である。更にこの混合物にゴ
ムに対する接着付与剤としてXC9603(GE東芝シ
リコーン製)307重量部(不揮発分換算43重量部)
を混合、調製した混合物を作製した。
ル(硬度 JIS A 65°、φ12mm)に膜厚20
ミクロンとなる様にコーティング、80℃で30分の硬
化処理を行った後、撥水処理したガラス板(フッ素系撥
水剤:ソフト99コーポレーション製「超ガラコ」を使
用、接触角101〜103°)に対する動摩擦係数を、
新東科学株式会社製HEIDONタイプ14を用い試験
した。試験は、ガラス面に水のある場合と無い場合で行
い、試験条件は荷重500gf、速度6000mm/m
in、ストローク90mmであった。結果を表1に示
す。なお、水が付着した状態は、試験直前に、前記スト
ローク長さに渡ってストリーク状に全量で約3cc滴下
することにより形成した。
いない場合(ドライ時)が0.335、水が付着してい
る場合(ウェット時)が0.360であり、ドライ時の
動摩擦係数に比較し、ウェット時の動摩擦係数の変化率
は7.46%((ドライ時動摩擦係数−ウェット時動摩
擦係数)/ドライ時動摩擦係数×100)であった。こ
の試験により、撥水表面に対しては、水が付着した場合
の動摩擦係数が水が無い場合の動摩擦係数を多少超えた
数値となることが確認され、水付着の有無による動摩擦
係数のそれぞれの差が小さくなることにより、水の影響
を受けず、安定した摺動特性が得られることがわかっ
た。
合物の組成を表1に基づいて変更し、組成物を調製し、
試験試料を作製して試験した結果は表1の通りである。
この場合も実施例1同様の接着向上剤を使用した。
るディスモフェン670BA(水酸基価112、不揮発
分80%、住友バイエルウレタン製)を66.5重量部
(不揮発分換算53.2重量部)とポリテトラメチレン
エーテルグリコールであるPTMG1000(水酸基価
112、三菱化学製)13.3重量部をメチルエチルケ
トンとトルエンの混合溶剤に溶解し、その中に天然鱗状
黒鉛であるACP−1000(日本黒鉛工業製)160
重量部、メチルシリコーンゴム微粒子であるKMP−5
94(信越化学製)7重量部と、ナイロン樹脂パウダー
SP−500(東レ株式会社製)40重量部、ジメチル
シリコーンオイル(粘度10000cs)のSH200
(東レ・ダウコーニング製)4.5重量部を分散混合
し、更に硬化剤であるポリイソシアネートのコロネート
HK(NCO含有率20%、日本ポリウレタン工業製)
を33.5重量部を混合した混合物を調製した。この場
合ウレタン樹脂成分となるのはポリエステルポリオール
とポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリイソシ
アネートの不揮発分合計100重量部である。この混合
物をあらかじめプライマー(ケムロック459X:ロー
ド・ファー・イースト・インコーポレイテッド製)を7
ミクロン処理したエチレンプロピレンゴムボール(硬度
JIS A 65°、φ12mm)に膜厚が20ミクロン
となる様にコーティング、120℃で30分の硬化処理
を行った後、実施例1同様に動摩擦係数を測定した結果
は表1の通りであった。
を変え試験した結果は表2の通りであった。なお、比較
例1〜4のプライマーは実施例のバインダーそれぞれに
相当するものを使用し、比較例5は天然ゴムボール(J
IS A 65°、塩素処理品、φ12mm)にプライマ
ーを使用せずコーティングし、試験を行った。
ロピレンゴムボールへのコーティングが無い場合の試験
結果は表2の通りであった。
ール(JIS A 65°、塩素処理品、φ12mm)
にコーティングをせずに試験した結果は表2の通りであ
った。
と、比較例1、3、4、5の組成物をそれぞれ違う材質
により成形されたワイパーブレードにコーティングし、
実車作動耐久試験を行った。コーティングの条件は動摩
擦係数測定用のゴムボールサンプルと同様であり、ま
た、この際使用したワイパーブレード材質は以下の通り
であった。 エチレンプロピレンゴム(ゴム硬度JIS A 63
°) 天然ゴム(ゴム硬度JIS A 60°、塩素処理品) オレフィン系熱可塑エラストマー(ゴム硬度JIS A
63°) シリコーンゴム(ゴム硬度JIS A 60°) この際、接着性を高めるための接着向上剤あるいはプラ
イマー処理等を適宜使用した。作製されたコーティング
済みワイパーを長手方向の長さが525mmになる様に
切断し、ワイパーアーム圧700gfの自動車に取り付
け、初期の拭き性、ビビリ性を確認、10万回、20万
回耐久後の拭き性、ビビリ性を評価、更に耐久後のガラ
スの撥水状態を評価する。この際の試験条件は、JIS
D 5710、7.4項「耐久試験」に則り、水の供
給は連続散水とし、シャワーノズルを使用する。なお、
試験車両のガラスはフッ素系撥水剤(ソフト99コーポ
レーション製超ガラコ)を塗布した撥水処理ガラスと油
膜を十分に落としたノーマルガラスの2通りで試験し
た。試験した結果は表3の通りであった。
能なワイパーブレードを用い、前述の実車作動耐久試験
を行った結果は表4の通りであった。詳細内容は以下の
通りである。 比較例8:市販の天然ゴム製ワイパーブレード 比較例9:市販のナイロンコーティングを施した天然ゴ
ム製ワイパーブレード 比較例10:市販のグラファイトの配合されたシリコー
ンコーティングを施したシリコーンゴム製ワイパーブレ
ード 比較例11:市販のウレタン樹脂系潤滑コーティングを
施したエチレンプロピレンゴム製ワイパーブレード 比較例12:市販のウレタン樹脂系潤滑コーティングを
施した天然ゴム製ワイパーブレード
成物は、水が付着する可能性のあるゴム部品にコーティ
ングすることにより、ゴムの粘着性を改善し、表面に低
摩擦係数を付与するだけではなく、相手材の表面が撥水
性であっても、水が付着の有無にかかわらず、安定した
動摩擦係数を有することにより、スティックスリップ現
象や異音の発生を抑制する効果がある。また、このコー
ティング組成物が少なくともリップ部に適用されたワイ
パーブレードは、摺動する相手であるガラスの撥水性、
親水性を問わず、このコーティング組成物の効果によ
り、水が付着するしないにかかわらず、安定した円滑作
動を実現し、「ビビリ現象」を抑制する効果がある。ま
た、撥水ガラスに対しては、その撥水膜をより長寿命化
する効果がある。さらに、ゴムの中でも耐摩耗性、圧縮
永久ひずみ性に優れる天然ゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、熱可塑性エラストマーでワイパーブレードの少なく
ともリップ部を成形することにより、「ビビリ」現象抑
制効果と合わせ、良好な拭き取り耐久性を実現するとい
う効果がある。これらワイパーブレードへの効果は、ガ
ラス面に撥水処理が施されている如何を問わず、発現す
るため、ドライバーへの良好な視界を確保し、不快感を
与えないという効果がある。
如何にかかわらず、摺動部材の円滑作動をもたらすコー
ティング組成物を提供することができる。また、ガラス
面の水の存在状態に関わらず、当該表面における滑り性
が確保されたワイパーブレードを提供することができ
る。
を構成する)の一形態の断面構造を示す図である。
る)の他の形態の断面構造を示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】熱硬化性あるいは加硫性を有する樹脂材料
あるいはエラストマー材料と、 シリコーンオイルと、 層状格子構造材料、とを含有するコーティング用組成
物。 - 【請求項2】さらに、シリコーンパウダーを含有する、
請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】さらに、親水性有機パウダーを含有する、
請求項1又は2に記載の組成物。 - 【請求項4】前記層状格子構造材料が黒鉛及び/又は二
硫化モリブデンである、請求項1〜3のいずれかに記載
の組成物。 - 【請求項5】前記エラストマー材料は、液状シリコーン
ゴム材料である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成
物。 - 【請求項6】前記親水性有機パウダーがナイロン樹脂パ
ウダーである、請求項3に記載の組成物。 - 【請求項7】前記シリコーンパウダーが、メチルシリコ
ーンゴム粒子である、請求項2に記載の組成物。 - 【請求項8】熱硬化性あるいは加硫性を有する樹脂材料
あるいはエラストマー材料100重量部と、 シリコーンオイル1〜10重量部と、 シリコーンパウダー1〜20重量部と、親水性有機パウ
ダー10〜100重量部と、層状格子構造材料を前記シ
リコーンパウダーと前記親水性有機パウダーとの総量で
40〜250重量部、とを含有する、コーティング用組
成物。 - 【請求項9】被膜化された状態において、 水が付着していない疎水表面における当該被膜の動摩擦
係数と水が付着した前記疎水表面における当該被膜の動
摩擦係数との差が、水が付着していない表面における当
該被膜の動摩擦係数に対し±15%以内である、コーテ
ィング組成物。 - 【請求項10】被膜化された状態において、 水が付着していない疎水表面における当該被膜の動摩擦
係数に対する、当該動摩擦係数と水が付着した前記疎水
表面における当該被膜の動摩擦係数との差が±15%以
内である、ワイパーブレード用コーティング組成物。 - 【請求項11】水が付着していない撥水処理被膜におけ
る動摩擦係数に対する、当該動摩擦係数と水が付着した
前記撥水処理被膜における動摩擦係数との差が±15%
以内である、ワイパーブレード用コーティング被膜。 - 【請求項12】請求項11に記載の被膜を摺動面に備え
る、ワイパーブレード。 - 【請求項13】ワイパーブレードであって、 エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、及び熱可塑性エラ
ストマーからなる群から選ばれた1種あるいは2種以上
の材料を主成分とするリップ部に、請求項1〜10のい
ずれかに記載の組成物による被膜を備える、ワイパーブ
レード。 - 【請求項14】請求項1〜8のいずれかに記載の組成物
を含有し、硬化性および/または加硫性を維持している
膜状体。
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