JP2006089830A - 低降伏比で靭性および溶接継手部靭性に優れた鋼板とその製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 C:0.02〜0.10%、N:0.002〜0.010%、Nb:0.003〜0.025%、Ti:0.005〜0.025%を含む鋼材からなる鋼板であって、該鋼板の縦断面に現われるミクロ組織は、フェライトとパーライト若しくはこれらとベイナイトからなり、フェライトはアスペクト比の相対的に長い伸長フェライトとアスペクト比の小さい等軸状フェライトが特定比率で混在すると共に、横断面内に、Ti窒化物とNb炭窒化物との複合析出物が100個/mm2以上分散している低降伏比で靭性および溶接継手部靭性に優れた鋼板を開示する。
Description
C :0.02〜0.10%、(質量%を意味する、以下、化学成分の場合は同じ)、
N :0.002〜0.010%、
Nb:0.003〜0.025%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含む鋼材からなる鋼板であって、該鋼板の縦断面に現われるミクロ組織は、フェライトとパーライト若しくはこれらとベイナイトからなり、フェライトは下記の2種類を含み、
1)板厚方向の厚みが5〜10μmで、アスペクト比が2以上である伸長フェライト が15面積%以上、
2)円相当径が5μm以下でアスペクト比が1.5以下である等軸状フェライトが1 0〜50面積%、
且つ、横断面内に、Ti窒化物とNb炭窒化物との複合析出物が100個/mm2以上分散しているところに特徴を有している。
Bは、BNの生成によってHAZ靭性に有害な固溶Nを固定する作用を発揮する。B含量の下限は特に規定しないが、こうした作用を積極的に活かそうとする場合は、0.0003%以上、好ましくは0.0005%以上含有させることが望ましい。但し、B含量が過剰になると大入熱溶接時のHAZ靭性を却って劣化させるので、0.005%以下、好ましくは0.004%以下に抑えるべきである。
Zrは、前記Tiと同様に窒化物を形成し、大入熱溶接時のHAZ靭性の向上に寄与する。Zr含量の下限は特に規定しないが、前記作用を積極的に期待する場合は、0.0003%以上、好ましくは0.0005%以上とすることが推奨される。但し、Zr含量が過剰になると清浄度の低下により靭性劣化を起こす原因になるので、0.05%以下、好ましくは0.005%以下に抑えるべきである。
Cuは、固溶強化および析出強化による強度向上に有効な元素であり、添加量の下限は特に定めないが、こうした作用を積極的に活用しようとする場合は、例えば、0.01%以上、好ましくは0.05%以上含有させるのがよい。しかし、Cu含量が多過ぎると熱間加工性が劣化し、鋼板が表面割れを起こし易くなるので、0.5%以下、好ましくは0.3%以下に抑えるのがよい。
各供試鋼板を圧延方向と平行方向に切断し、該切断面をバフ研磨した後、ナイタールによりエッチングしてから、光学顕微鏡を用いて断面ミクロ組織を倍率200倍で写真撮影する。そして、該ミクロ写真を画像解析することによって、フェライトとパーライトおよびベイナイトの面積率を求めると共に、フェライト中に占める「厚みが5〜10μmで、アスペクト比が2以上である伸長フェライト」と「円相当径が5μm以下でアスペクト比が1.5以下である等軸状フェライト」の面積率を求める。
制御圧延によって得た鋼板の深さt/4位置(tは鋼板の厚さ)における圧延方向に平行な断面を切り出して研磨し、この断面を、電解エッチングした後のTEM分析(視野数:20)によって、Ti窒化物、Nb炭窒化物およびそれらの複合析出物の個数を調べた。
大入熱(8kJ/mm)片面裏当て溶接を行ったときの熱サイクルを模擬したHAZ靭性評価法として、加熱温度:1400℃、800〜500℃の冷却時間(Tc):100秒の熱サイクルで各供試鋼板を熱処理した後、温度−60℃におけるシャルピー吸収エネルギー(Vノッチ)を測定した。なお試験片としては、サイズ10mm×10mm×55mmの棒状で、中央部片面に深さ;2mmのVノッチを形成したものを使用した。
C:0.05%、Si:0.15%、Mn:1.50%、P:0.009%、S:0.002%、Al:0.030%、Ti:0.014%、N:0.0045%を含有する鋼材(鋼種記号Z;残部はFeおよび不可避不純物)に、下記表1に示す量のNbを添加して溶製し鋳造した鋼材について、表1に示す如く種々の条件で制御圧延することによって所定の板厚の鋼板を得た。
下記表3に示す成分組成の鋼材を溶製・鋳造し、下記表4に示す種々の条件で所定の板厚まで制御圧延した。
Claims (9)
- C :0.02〜0.10%、(質量%を意味する、以下、化学成分の場合は同じ)
N :0.002〜0.010%、
Nb:0.003〜0.025%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含む鋼材からなる鋼板であって、該鋼板の縦断面に現われるミクロ組織は、フェライトとパーライト若しくはこれらとベイナイトからなり、フェライトは下記の2種類を含み、
1)板厚方向の厚みが5〜10μmで、アスペクト比が2以上である伸長フェライト が15面積%以上、
2)円相当径が5μm以下でアスペクト比が1.5以下である等軸状フェライトが1 0〜50面積%、
且つ、横断面内に、Ti窒化物とNb炭窒化物との複合析出物が100個/mm2以上分散していることを特徴とする、低降伏比で靭性および溶接継手部靭性に優れた鋼板。 - 鋼板内に、Ti窒化物と共にNb炭窒化物として複合析出しているNb量が0.003%以上である請求項1に記載の鋼板。
- 前記鋼材の化学成分が
Si:0.7%以下、
Mn:0.5〜1.8%、
Al:0.1%以下、
を満たすものである請求項1または2に記載の鋼板。 - 前記鋼材が、他の元素として
B:0.0003〜0.005%および/またはNi:0.01〜0.5%
を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板。 - 前記鋼材が、更に他の元素として
Zr:0.0003〜0.05%、
Ca:0.0005〜0.005%、
Mg:0.0005〜0.005%、
REM:0.0005〜0.01%
よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板。 - 前記鋼材が、更に他の元素として
Cu:0.01〜0.5%、
Cr:0.05〜0.5%、
Mo:0.01〜0.5%、
V:0.005〜0.1%
よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の鋼板。 - 前記請求項1〜6のいずれかに記載された化学成分の要件を満たす鋼材を熱間圧延する際に、800℃以上の温度域の圧下率を40%以上、800〜750℃の温度域の圧下率を20〜50%、750℃以下の温度域の圧下率を30%以上に制御し、得られる鋼板の縦断面に現われるミクロ組織を、フェライトとパーライト若しくはこれらとベイナイトからなり、上記フェライトが下記の2種類を含むものとすると共に、
1)板厚方向の厚みが5〜10μmで、アスペクト比が2以上である伸長フェライト が15面積%以上、
2)円相当径が5μm以下でアスペクト比が1.5以下である等軸状フェライトが1 0〜50面積%、
鋼板内にTi窒化物とNb炭窒化物との複合析出物を分散析出させることを特徴とする、低降伏比で靭性および溶接継手部靭性に優れた鋼板の製法。 - 上記熱間圧延の後、1〜50℃/secの速度で加速冷却する請求項7に記載の製法。
- 上記加速冷却の後、500℃以上Ac1変態点以下の温度で焼戻しを行う請求項8に記載の製法。
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