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JP2006079782A - 再生装置、再生方法、記録媒体 - Google Patents

再生装置、再生方法、記録媒体 Download PDF

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JP2006079782A JP2004265443A JP2004265443A JP2006079782A JP 2006079782 A JP2006079782 A JP 2006079782A JP 2004265443 A JP2004265443 A JP 2004265443A JP 2004265443 A JP2004265443 A JP 2004265443A JP 2006079782 A JP2006079782 A JP 2006079782A
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Seiji Oubi
誠司 王尾
Yuuji Arataki
裕司 荒瀧
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Sony Corp
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Abstract

【課題】同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対して再生を行う際に、動作環境に応じて自動的に適切なコンテンツデータが選択され、ユーザーにとって適切な再生動作が行われるようにする。
【解決手段】
外部から再生装置に加わる振動や、電池残量などの再生動作環境に応じて、記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のコンテンツデータを選択して再生することで、状況に応じた動作上の優位性を得る。例えば電池残量が少ない場合や振動が多い状況では低ビットレートの符号化コンテンツを選択し、層でなければ高ビットレートの符号化コンテンツを選択して再生する。
【選択図】 図3

Description

本発明は光ディスク等の記録媒体、及びそれに対する再生装置及び再生方法に関するものである。
特許第3191856号公報 特開平8−287616号公報
光学的に情報の記録または再生が可能な光記録媒体として光ディスクが広く知られている。光ディスクに対しては、半導体レーザ等のレーザ光を光源として用い、レンズを介して微小に集光した光ビームを照射することで、情報の記録あるいは再生を行う。
このような光ディスクは、オーディオ・ビデオ等のコンテンツデータや、コンピュータユースのファイル、アプリケーションプログラム、その他各種のデータの記録再生に用いられている。
また、例えば楽曲等のオーディオデータを記録する光ディスクを用いたシステムにおいては、いわゆる据置型の再生装置や携帯用の再生装置が用いられ、ユーザーが音楽再生を楽しむことができるようにされている。
記録されるオーディオコンテンツデータとしては、各種ディスクシステムにおいて、それぞれ多様な符号化方式が採用され、符号化効率も向上されつつある。
例えばCD(Compact Disc)システムにおけるリニアPCM符号化(非圧縮)に加え、CD以降の各種ディスクシステムでは、ATRAC方式、MPEGオーディオ方式など、多様な圧縮符号化方式が採用され、また圧縮率の向上による高音質化が進められている。
また、サンプリング周波数や量子化ビット数、変調方式なども多様である。
即ち現状では、多様な符号化方式が存在し、それぞれのシステムにおいて転送ビットレートや再生音質の差異が生じている。
また、光ディスク、HDD、固体メモリなどの記録媒体の大容量化が進んでおり、また上記のように符号化効率が向上されていることなどから、1つの記録媒体に、同一のオーディオ・ビデオ等のコンテンツを複数の方式で符号化して記録することも可能になった。
1つの記録媒体に複数の符号化方式のデータを記録する例は、上記特許文献1,2などに記載されている。
例えばオーディオ再生用途の光ディスクシステムを考えると、一般に、符号化データのビットレートが高ければ再生信号の品質は高くなり、いわゆるハイファイ用途としてのオーディオシステムに適している。
逆にビットレートが低ければ再生信号品質は低くなるが、ディスクから読み出すデータ量が少ないことから、ディスクアクセス期間の減少やバッファメモリに格納できるデータの再生時間としての長さを長時間化できるため、低消費電力化や再生動作中の耐衝撃性に優れたものとなる。
ここで、例えばポータブルオーディオプレーヤや車載用プレーヤのように、再生装置における動作環境、即ち再生装置に加わる振動状況や、バッテリ残量などを強く考慮しなければならない機器を想定すると、オーディオコンテンツデータとしては、低ビットレートの符号化が適していると言える。
ところが、そのような再生装置でも、高音質化は求められるものであるため、その点でいえば高ビットレートの符号化が適している。
これを両立するには、同じ内容のコンテンツデータとして、高ビットレートの符号化コンテンツデータと、低ビットレートの符号化コンテンツデータを1枚のディスクに記録しておき、選択的に再生できるようにすることが考えられるが、すると、その再生データの選択のための適切な手法が求められることになる。
本発明はこのような観点において、同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対して再生を行う際に、動作環境に応じて自動的に適切なコンテンツデータが選択され、ユーザーにとって適切な再生動作が行われるようにすることを目的とするものである。また記録媒体として動作上有利な記録構成を提供する。
本発明の再生装置は、同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対して再生を行う再生装置において、上記記録媒体からコンテンツデータを読み出して再生出力する再生手段と、再生動作環境の状態を検出する検出手段と、上記記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータについて、上記検出手段の検出結果に応じて特定のビットレートのコンテンツデータを選択して、上記再生手段に再生させるように制御する制御手段と、を備える。
上記再生手段は、上記記録媒体からコンテンツデータを読み出す読出手段と、上記読出手段で読み出されたコンテンツデータを蓄積するバッファメモリ手段と、上記バッファメモリ手段から読み出されるコンテンツデータに対して所定の再生処理を行って再生出力する再生処理手段とを有する。
上記検出手段は、上記再生動作環境の状態として、再生装置の動作電源となる電池の残量を検出し、上記制御手段は、電池残量が所定レベル以下となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させるように制御する。
また上記検出手段は、上記再生動作環境の状態として、再生装置に加わる振動レベルを検出し、上記制御手段は、振動レベルが所定レベル以上となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させる。
上記制御手段は、再生動作を開始する際に、上記検出手段の検出結果に応じて、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択する。
また上記制御手段は、再生動作中における上記検出手段の検出結果に応じて、その後再生させるコンテンツデータとして、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択する。
本発明の再生方法は、同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対する再生方法であり、再生動作環境の状態を検出する検出ステップと、上記記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータについて、上記検出ステップでの検出結果に応じて特定のビットレートのコンテンツデータを選択して再生させるように制御する制御ステップと、上記制御ステップでの制御に従って、選択された特定のビットレートのコンテンツデータを上記記録媒体から読み出し、再生出力する再生ステップとを備える。
本発明の記録媒体は、同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体であって、該記録媒体の記録領域内で、各コンテンツデータは、ビットレート種別毎に物理的にまとめられて記録されている。
また同一内容で複数記録されているコンテンツデータに対応する付加データは、ビットレートの高い方のコンテンツデータに物理的に近接した領域に記録されている。
また、これらの記録構造をデータが書換不能な形態で記録されている再生専用の記録媒体において実現する。
即ち本発明は、個々の音声・映像等のコンテンツデータが、それぞれに対して複数の異なる符号化方式(サンプリング周波数・ビット数、圧縮・非圧縮、圧縮率等の相違)によって、異なるビットレートで符号化されたデータの組として記録されている記録媒体を想定し、その再生の際のコンテンツデータの選択手法を提供する。
即ち外部から加わる振動や、電池残量などの再生動作環境に応じて、記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のコンテンツデータを選択して再生することで、状況に応じた動作上の優位性を得る。
本発明の再生装置、再生方法によれば、外部から再生装置に加わる振動や、電池残量などの再生動作環境に応じて、記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のコンテンツデータを選択して再生することで、自動的に状況に応じた動作上の優位性を得ることができ、ユーザーにとって好適な再生動作を提供できる。
例えば振動が大きい状態では、低ビットレートの符号化コンテンツデータを再生することで、音飛び等の防止効果を向上させることができる。
また振動が少ない状態では、高ビットレートの符号化コンテンツデータを再生することで、高品質な再生をユーザーに提供できる。
また電池残量が少ない状態では、低ビットレートの符号化コンテンツデータを再生することで省電力化し、再生可能時間をなるべく長くすることができる。
一方、電池残量が十分な状態であるなら、高ビットレートの符号化コンテンツデータを再生することで、高品質な再生をユーザーに提供できる。
本発明の記録媒体では、同一内容で異なるビットレート符号化されたコンテンツデータが記録されるが、各コンテンツデータは、ビットレート種別毎に物理的にまとめられることで、コンテンツデータの管理構造を簡易化できる。また同一内容で複数記録されているコンテンツデータに対応する付加データは、ビットレートの高い方のコンテンツデータに物理的に近接した領域に記録されていることでアクセス上、有利となる。
以下、本発明の実施の形態として、いわゆるUMD(Universal Media Disc)と呼ばれる光ディスクシステムを例に挙げ、次の順序で説明する。
1.ディスク外観。
2.UMDのコンテンツ管理構造。
3.再生装置の構成。
4.再生コンテンツ選択動作例I。
5.再生コンテンツ選択動作例II。
6.再生コンテンツ選択動作例III。
7.実施の形態の効果及び変形例。
1.ディスク外観。

まず実施の形態となるUMDとしてのディスク1の外観を図7、図8に示す。
ディスク1は図7に示すように、ディスクカートリッジ50に収納される形態を採っている。
ディスクカートリッジ50の内部には、図中の破線により示すようにディスク1が格納される。このディスク1は、直径が60mm程度とされ、例えば2層記録方式により1.6GB(ギガバイト)程度のデータ記憶容量を有するものとされている。
ディスクカートリッジ50は、その平面における片側半面が、図示するように内部に格納されるディスク1の円弧に沿った半円形状とされる。また、他方の片側半面は、その外形辺が図のように2つの角部が丸みを帯びた略コの字とされて、略方形状とされている。そして、図に示すX方向のサイズが約65mmとされ、Y方向のサイズが約64mmとされる。
ディスク1は、2つの記録層としてレイヤ0(Layer0),レイヤ1(Layer1)を有する構造とされる。ディスク1は例えば0.4mmの厚みのディスクの張り合わせ構造とされることで、0.8mm厚となる。
そして、再生装置のピックアップ3によってレーザ光が入射される側のディスク表面に近い方から、レイヤ0,レイヤ1が順に形成されている。
このような2層ディスクの再生時においては、図1で後述する再生装置の光ピックアップ3から出射するレーザ光をいずれかの記録層に絞り込み、その記録層からの反射光情報を読み出す。
図8(a)(b)はディスク1を収納したカートリッジ50を上面側及び底面側から見た斜視図である。
このカートリッジ50としての扁平なケース体の内部においてディスク1が回転可能に収納される。
カートリッジ50はアッパーシェル52とロアーシェル53とが上下で結合されて成る。
図8(b)のようにカートリッジ50の下面(ロアーシェル53)には中央開口が形成され、内部に収納されたディスク1の中心となる磁性金属材料から成るコア1aが表出する。このコア1aにおいてディスク1が再生装置内でチャッキングされ、後述するスピンドルモータ2により回転駆動される。
また、カートリッジ50にはシャッター54がスライド自在に取り付けられている。シャッター54は板状の金属材料によって各部が一体に形成されて成り、図8(b)に示すロアーシェル53側の略矩形状の開閉面部を開閉する。図8(b)はシャッタが開状態とされ、略矩形状の開閉面部からディスク1の記録面が表出している状態を示しているが、この状態において再生装置のピックアップから出力されたレーザ光が、ディスク1の記録面に照射されることになる。
2.UMDのコンテンツ管理構造。

続いて、本例のUMD方式のディスクにおけるコンテンツの管理構造、特にオーディオコンテンツの管理構造について図9〜図15で説明する。
なおここで説明するUMDオーディオフォーマットは、「OpenMG Mass Storage Audio Device Format 」に基づいたフォーマットである。
図9はオーディオコンテンツを管理するディレクトリ(UMDオーディオディレクトリ)の構造を示している。
UMDオーディオディレクトリ及びそれ以下に記録されたデータセットをUMDオーディオボリュームと呼ぶ。UMDオーディオボリュームはISO 9660 level2 ファイルシステム上に記録される。
そしてUMDオーディオボリュームは、ルートディレクトリに作成されるUMDオーディオディレクトリ、およびそれ以下に記録されるディレクトリ・ファイル群によって構成される。
このUMDオーディオディレクトリによっては、グループツリーリストファイル、グループツリーフリンジファイル、基本グループツリー管理ファイル、拡張グループツリー管理ファイル、グループフリンジファイル、コンテンツフリンジファイル、データキャッシュファイルが管理されると共に、コンテンツファイル格納ディレクトリ、画像ファイル格納ディレクトリが下層のディレクトリとして管理される。
またコンテンツファイル格納ディレクトリは、個々のコンテンツファイル(オーディオデータによるコンテンツファイル)を管理し、画像ファイル格納ディレクトリは個々の画像ファイルを管理する構造となる。
グループツリーリストファイルは、システム全体に関する情報を格納するデータファイルである。システム情報及びグループツリー一覧の情報を持つ。
基本グループツリー管理ファイルは、後述する基本グループツリーのグループツリー構造や、グループとトラックの再生順序データを持つ。トラックとは1つのコンテンツファイルに相当し、例えば楽曲等の単位のデータである。
拡張グループツリー管理ファイルは、拡張グループツリー毎に設けられ、グループツリー構造や、グループとトラックの再生順序データを持つ。拡張グループツリーとしては後述するインデックスツリーやプレイリストツリーがある。プレイリスト用に1個、用いることができる。
グループツリーフリンジファイルは、このコンテンツ管理システムで管理する全グループツリーに関するフリンジ情報を持つ。
フリンジ情報とは、コンテンツに付随又は対応する各種の付加的なデータであり、テキストデータ、静止画データ、スライドショーデータなどのことを言う。
グループフリンジファイルは各グループツリーに関するフリンジ情報をもつ。このグループフリンジファイルとしては、基本グループツリーの全グループに関するフリンジ情報を持つファイルや、各拡張グループツリー毎にその全グループに関するフリンジ情報を持つファイルがある。
コンテンツフリンジファイルは、このコンテンツ管理システムで管理する全コンテンツファイルに関するフリンジ情報を持つ。
コンテンツファイルは、オーディオデータを格納するファイル。コンテンツファイルナンバにより0001h から07D0hの2000個のファイルを管理することができる。
画像ファイルは、フリンジ情報として付加される画像ファイルである。
データキャッシュファイルは、グループツリー、グループ、トラックに付加されたデータの一覧表示を高速化するためにそれらのデータを集めて格納したファイルである。
以下、このようなUMDオーディオディレクトリによる管理の説明を行うが、用いる用語を説明しておく。
・チューン(Tune)
チューンは論理的な概念であり、「a song or piece of music 」を指す。通常は、このチューンが1つのトラックであるが、本例にかかるUMDオーディオシステムでは、あるチューンは1つ以上の符号化方式(サンプリング周波数、コーデック、ビットレート、チャンネル等が決められた符号化方式)によってエンコードされた1つ以上のトラックとして記録される。つまり、1つのチューンに対して符号化方式が異なる複数のトラック(コンテンツファイル)が存在することがある。実施の形態の再生装置は、後述するように、あるチューンに対応する複数のトラックの中から、ユーザの嗜好や動作環境に応じて最適な符号化方式をもつトラックを選んで再生することができる。
・アルバム(Album)
アルバムは論理的な概念であり、1つ以上のチューンがグルーピングされたものである。アルバムは基本グループツリーのアルバムグループによって表現される。アルバムは、そこに含まれるチューンの再生順序の情報も持つ。
・フリンジ情報(Fringe Data)
上述したが、付加的なデータであるフリンジ情報として、UMDディスクにはテキスト、静止画、スライドショー等を記録することができる。アルバムに関するデータは主としてグループフリンジファイルに記録される。チューンに関するデータは主としてそれぞれのコンテンツファイルに記録されるが、曲名の一覧に必要なデータは、コンテンツフリンジファイルやデータキャッシュファイルに集められている。
図9のようなUMDオーディオディレクトリにおける管理ファイル(マネジメントファイル)を図10に示した。即ち、上記図9におけるコンテンツファイル、画像ファイル以外の、以下のファイルがマネジメントファイルである。
・グループツリーリストファイル(Group Tree List File)。
・グループツリーフリンジファイル(Group Tree Fringe File)。
・基本グループツリー管理ファイル(Basic Group Tree Management File )。
・基本グループツリー用のグループフリンジファイル(Group Fringe File/for Basic Group Tree)。
・インデックスツリー用の拡張グループツリー管理ファイル(Extended Group Tree Management File/for Index Tree)。
・インデックスツリー用のグループフリンジファイル(Group Fringe File/for Index Tree)。
・プレイリスト用の拡張グループツリー管理ファイル(Extended Group Tree Management File/for Playlist Tree)。
・プレイリスト用のグループフリンジファイル(Group Fringe File/for Playlist Tree)。
・コンテンツフリンジファイル(Content Fringe File)。
・データキャッシュファイル(Data Cache File/for thumbnail pictures)。
UMDディスクに対応する再生装置は、ディスクが装填された際には、これらのマネジメントファイルを読み出して、その内容に従った動作を行うことになる。
これらのマネジメントファイルは、UMDオーディオボリューム上では、図11に示される順に、アドレス(Logical Block Number)の小さいエリアから、互いに隣接して記録されることが推奨される。
即ち記録順として、図のように1〜14番目に各マネジメントファイルが配置される。
そのマネジメントファイルの後に、アルバムグループのための画像ファイルや、コンテンツファイル/関連ファイルが記録される。
但し、各ファイルがこの図11の順序で記録されることや、各ファイルが隣接するエリアに記録されることは必ずしも保証されるものではなく、そのような場合も再生装置は、ファイルの記録位置をファイルシステムから得、任意の位置に記録されたファイルが読めなければならないものとされる。
記録順として第16番目に示したコンテンツファイルと関連ファイル(Content Files and related files)は、以下の規則を順番に適用して得られる順序で記録されることが推奨されている。
1.コンテンツファイルを、ファイルナンバの昇順で整列する。
2.あるコンテンツファイルに関連付けられた静止画ファイル(Still Image Files)を、そのコンテンツファイルの直前に配置する。ただし、ひとつの静止画ファイルが複数のコンテンツファイルから関連付けられている場合には、高圧縮エンコード方式以外で記録されているコンテンツファイルの直前に配置されることが推奨される。
3.あるコンテンツファイルに関連付けられたスライドショウファイル(Slide Show File)を、そのコンテンツファイルの直前に配置する。コンテンツファイルが高圧縮エンコード方式で記録されている場合以外は、スライドショウファイルは、必ずコンテンツファイルに隣接する直前の領域に配置されなければならず、かつスライドショウファイルとコンテンツファイルが必ず同一の記録層に記録されなければならない。
図12にファイルの配置の例を示している。このUMDオーディオボリュームには、3つのチューンが、それぞれエンコードタイプA、Bとして2種類の符号化方式によりコンテンツファイルが記録されているものとしている。
エンコードタイプAは、例えばATRAC方式で圧縮符号化された方式であり、エンコードタイプBは、リニアPCM符号化(非圧縮)の方式などである。
コンテンツファイルM1A、M2A、M3AはエンコードタイプAのオーディオファイル、コンテンツファイルM1B、M2B、M3BはエンコードタイプBのオーディオファイルである。そしてコンテンツファイルM1AとM1Bは同一の曲、コンテンツファイルM2AとM2Bは同一の曲、コンテンツファイルM3AとM3Bは同一の曲としている。
図12に示すように、アドレスLBNの順番に、ファイルシステム、マネジメントファイル、アルバムグループのための画像ファイル、コンテンツファイル及び関連ファイルが記録される。
マネジメントファイルにおける各ファイルは図11の順番でグループツリーリストファイルからグループフリンジファイルまでが記録されている。
アルバムグループのための画像ファイルは例えばカバーアートやライナーノーツなどの静止画やテキスト情報であり、マネジメントファイルに続いて記録される。
各コンテンツファイル及び関連ファイルは、上記の規則1,2,3に従って記録される。
即ち、まず各コンテンツファイルがファイルナンバ順に記録される。即ちコンテンツファイルのファイルナンバ順がM1A、M2A、M3A、M1B、M2B、M3Bだとすると、図のように配置される。
また、或るコンテンツファイルに関連づけられた静止画ファイルは、そのコンテンツファイルの直前に配置するが、ひとつの静止画ファイルが複数のコンテンツファイルから関連付けられている場合には、高圧縮エンコード方式以外で記録されているコンテンツファイルの直前に配置される。
矢印で示すように、静止画ファイルI2−1、I2−2は、コンテンツファイルM2A、M2Bに関連するとする。
また静止画ファイルI3−1、I3−2は、コンテンツファイルM3A、M3Bに関連するとする。
この場合、エンコードタイプAは高圧縮エンコード方式であるため、静止画ファイルI2−1、I2−2はエンコードタイプBのコンテンツファイルM2Bの直前に記録される。
また、静止画ファイルI3−1、I3−2は同じくエンコードタイプBのコンテンツファイルM3Bの直前に記録される。
続いて基本グループツリーについて図13で説明する。
このUMDオーディオフォーマットでは、複数のコンテンツをグループとしてまとめて扱うことにより管理する。
基本グループツリーは、UMDオーディオボリューム内に記録された全てのトラック(コンテンツファイル)が登録されるもので、アルバム構成と、各アルバムの標準的な再生順序と、各アルバム内のチューンの標準的な再生順序とを定義するものである。
基本グループツリーのルートには、1個以上999個以下のアルバムグループだけが登録される。図13にはルートに「Cherry Blossom」というタイトルのアルバムがアルバムグループとして登録されている状態を示している。
なお、複数のアルバムの標準的な再生順序は、ルート下のアルバムグループの登録順序によって規定される。
また、この「Cherry Blossom」というアルバムには、4つのチューン(曲)として、
1) Spring has come
2) Under the cherry blossoms
3) Full blooming
4) Falling in the wind
という曲名の曲が含まれているとする。
これら4つのチューンが、それぞれ上述したエンコードタイプA及びBのコンテンツファイルとして記録されているとすると、アルバムグループのおいて、2つのエンコーディンググループが子グループとして管理される。
即ちエンコーディンググループEG−Aは、エンコードタイプA(例えばATRAC圧縮符号化方式)で符号化された上記4つのチューンのコンテンツファイル(トラック)M1A、M2A、M3A、M4Aを含むグループとされる。
またエンコーディンググループEG−Bは、エンコードタイプB(例えばリニアPCM符号化方式)で符号化された上記4つのチューンのコンテンツファイル(トラック)M1B、M2B、M3B、M4Bを含むグループとされる。
つまり基本グループツリーのルート下には1又は複数のアルバムグループが配置され、またアルバムグループには、1又は複数のエンコードグループが配置される構造をとる。そして複数のエンコーディンググループが形成される場合は、アルバムに含まれる曲(チューン)が、異なる符号化方式により複数個のコンテンツファイルとして記録されている場合となる。
1つのアルバムグループには、そのアルバムに対応する1又は複数のエンコーディンググループが含まれる。
複数のエンコーディンググループは、任意の順序で基本グループツリーに登録することができる。
1つのエンコーディンググループは、親のアルバムグループによって表現されるアルバムに含まれる全てのチューンに対応する、同一の符号化方式で記録されるコンテンツファイルのみを含む。
それぞれのエンコーディンググループには、その親のアルバムグループに含まれるすべてのチューンに対応する、1個以上999個以下の、同一符号化方式であるコンテンツファイルだけが登録される。それらのコンテンツファイルの登録順序は、対応するアルバムに含まれるチューンの標準的な再生順序に従う。
このような基本グループツリーは、上述した基本グループツリー管理ファイルにより構築・管理される。
また、この基本グループツリーに対応するフリンジ情報は、グループフリンジファイルに記録される。
次に図14でインデックスツリーを説明する。
インデックスツリーは拡張グループツリーの1つであり、このインデックスツリーには、特定の情報をキーとしてチューンを検索するための情報が記録される。
UMD方式のディスクに対応する再生装置は、このインデックスツリーの情報を利用してユーザに曲(チューン)の検索手段を提供することができる。
インデックスツリーのルートには、1個以上2000個以下のキーグループが登録される。
キーグループは、例えばアーティスト名別に作成される。例えば図14ではアルバム“Cherry Blossom”のアーティストである「Taro SUZUKI」のキーグループを示している。
キーグループには、そのキーグループに該当するチューンのコンテンツファイルが登録される。従って、「Taro SUZUKI」のキーグループには、上記したアルバム“Cherry Blossom”の収録曲4曲のコンテンツファイルであるM1A、M2A、M3A、M4Aが所定の順序で登録される。即ちチューンのタイトルに基づいてM4A,M3A,M1A,M2Aというように昇順に登録されている。
このインデックスツリーは拡張グループツリー管理ファイルで構築され、管理される。
またインデックスツリーに対するフリンジ情報は、グループフリンジファイルに記録される。
次に図15でプレイリストツリーを説明する。
プレイリストツリーは、拡張グループツリーの1つであり、UMDオーディオボリューム内に1個記録することができる。
プレイリストツリーのルートには、1個以上999個以下のプレイリストグループが登録される。
登録されたプレイリストグループは、それぞれが独立したプレイリストとして扱われる。各プレイリストグループには、コンテンツファイルを任意の順序で任意の回数登録させることができる。
例えば図示するように、プレイリストグループ“My Selection”には、上述したアルバムに収録される2つのチューン「Spring has come」「Under the cherry blossoms」としてのコンテンツファイルM1A、M2Aが、M1A、M2A、M1Aの順序で登録されている。
またプレイリストグループ“Karaoke”には、上記アルバムの4つの曲のカラオケとしてのコンテンツファイルM5A、M6A、M7A、M8Aが登録されている。
再生装置は、このプレイリストグループに基づいて再生することで、基本グループツリーによるアルバムの標準的な曲順或いは選曲とは異なる状態で再生が行われる。
プレイリストツリーは、拡張グループツリー管理ファイルで構築され、管理される。
またプレイリストツリーに対応するフリンジ情報はグループフリンジファイルに記録される。
以上、本例のUMD方式のディスクのコンテンツ管理構造を説明したが、この管理構造では以下の特徴を有する。
まず、同一内容(同一チューン)の複数のコンテンツファイルが、異なるビットレートで符号化されたデータとして、エンコーディンググループ毎に管理されて記録されている。そして図12に示したように、ディスク上の物理的な位置として、コンテンツファイルはエンコードタイプ毎にまとめられる。
通常の再生では、或るエンコードタイプ(エンコーディンググループ)が選択されて、そのエンコーディンググループの各トラックが順次再生されると考えられるため、エンコーディンググループ単位でコンテンツファイルがまとめられることが、管理上及びアクセス上、好適となる。
また図12においてエンコードタイプB側に静止画ファイルが記録されているように、コンテンツファイルに対する付加データ、即ちあるコンテンツファイルに関連付けられた静止画ファイル(Still Image Files)等は、その静止画ファイルが複数のコンテンツファイルから関連付けられている場合には、高圧縮エンコード方式以外で記録されているコンテンツファイル、つまりビットレートの高い方のコンテンツデータに物理的に近接した領域に記録される。これによりアクセス上の優位性がもたらされる。
即ち図12の例に沿っていえば、エンコードタイプA(ATRAC圧縮符号化)は低ビットレートで、エンコードタイプB(リニアPCM符号化)は高ビットレートであり、データ読出に要する時間はエンコードタイプAのコンテンツファイルの方が短い。
エンコードタイプAのコンテンツファイルに対応して静止画ファイルを読み出す場合は、時間的な余裕が生ずるため、静止画ファイルが物理的に離れていても不都合はない。ところがエンコードタイプBのコンテンツファイルの読出は、比較的時間がかかるため、それに対応して静止画ファイルを読み出す場合もなるべくアクセス負担がないほうが良い。すると、ビットレートの高い方のコンテンツデータに物理的に近接した領域(特には図12の例のようにコンテンツファイルの直前位置)に記録されれば、ビットレートの高いコンテンツファイルの読出時に、連続的な読出動作で静止画ファイルを読み出すことができることになる。これによってアクセス動作上で有利となる。
なお、このようなデータ配置は、データがエンボスピット等の書換不能な形態で記録されるROMタイプ(再生専用)ディスクであれば、そのマスタリング時に設定すればよい。
一方、ライトワンスディスクやリライタブルディスクを想定した場合は、可能な限り、このようなデータ配置が推奨されることが好ましい。
3.再生装置の構成。

以上のようなコンテンツ管理構造を有するUMDフォーマットのディスク1に対する再生装置の構成を図1で説明する。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、再生動作時においてスピンドルモータ2によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そしてピックアップ(光学ヘッド)3によってディスク1に例えばエンボスピット形態で記録されているデータの読み出しが行なわれることになる。
なお、ここでは一例として、ディスク1はエンボスピット形態でデータ記録が行われた再生専用ディスク(ROMタイプディスク)を想定しているが、例えば色素変化ピット形態でピットマークが形成されるライトワンスタイプのディスクや、或いは相変化ピット形態や磁界ピット形態などでピットマークが形成される書換可能型ディスクも考えられる。それらの記録可能型のディスクに対する再生装置とすることも考えられる。
ピックアップ3内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持する二軸機構などが形成される。
またピックアップ3全体はスライド駆動部4によりディスク半径方向に移動可能とされている。
ディスク1からの反射光情報はフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ8に供給される。
RFアンプ8には、ピックアップ3内の複数のフォトディテクタからの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
RFアンプ8から出力される再生RF信号は符号化データデコーダ11へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボ制御部10へ供給される。
RFアンプ8で得られた再生RF信号は符号化データデコーダ11において、2値化、PLLクロック生成、記録フォーマットに対するデコード処理、エラー訂正処理等が行われる。これらの処理によりディスク1からの符号化データが得られる。例えばATRAC方式やMPEGオーディオ方式等の圧縮符号化データや、リニアPCM符号化データの段階までデコードされる。
また符号化データデコーダ11では、RF信号に対するデコード並びにエラー訂正により得られた情報の中から、サブコード情報やアドレス情報を抽出し、これらの情報をコントローラ12に供給する。
符号化データデコーダ11で得られる符号化データはバッファメモリ13に蓄積され、また所定タイミングで読み出されて圧縮デコーダ14に供給される。
圧縮デコーダ14は、バッファメモリ13から連続的に読み出されてくる符号化データに対してATRAC方式等のデコード処理を行い、リニアPCMデータの段階までデコードを行う。そしてリニアPCMデータはD/A変換器15でアナログオーディオ信号に変換され、オーディオ出力処理部17で所要のアナログ信号処理が行われて出力される。例えばスピーカ部、ヘッドホン部に供給されて再生音声として出力されたり、或いはライン出力等として外部機器に伝送される。
なお、ディスク1からのバッファメモリ13は、デコードやエラー訂正処理等のためのバッファリングのみでなく、いわゆるショックプルーフ機能を実現するためのものでもある。
即ち、光ディスク1から情報を読み出して符号化データをバッファメモリ13に格納する処理は、高速レートで間欠的に行う。一方、バッファメモリ13からは、オーディオ再生出力に応じた所定のレート、つまりデータのビットレートに比例した量の符号化データ単位で連続的にデータを読み出し、圧縮デコーダ14以降に供給することで、連続的な再生音声が得られる。
もし装置に外乱振動が加わり、光ピックアップ3による情報読出が一時的に不能となっても、その間は、バッファメモリ13からバッファリングされた符号化データを連続的に読み出していることで、再生出力される音声はとぎれないことになる。
即ちコントローラ12が、バッファメモリ13に蓄積されたデータの量を監視し、常に一定以上のデータが蓄積されるよう、ディスク1からのデータ読み取り動作を制御することで、振動状況が悪化しても音切れが生じないようにすることができる。
ところで近年ではメモリの大容量化が進んでおり、例えばビットレートが64Kbpsの低ビットレートのコンテンツ再生であれば、数10分程度の再生時間のデータをバッファリングすることも可能となっている。その場合、かなり激しい振動が与えられても、まず音切れが無いようにすることができる。
コントローラ12は、例えばマイクロコンピュータで形成され、装置全体の制御を行う。
即ち、上記再生処理のために符号化データデコーダ11の動作制御、バッファメモリ13の書込/読出制御、圧縮デコーダ14の動作制御を行うとともに、サーボ制御部10を指示して、ディスク1からのデータ読出を実行させる。
また操作部18からのユーザー操作に応じて所定の制御を行う。
またコントローラ12は、表示部19に所定の情報、例えば動作状態、時間情報、トラックナンバ、モード状態、ディスクから読み出したフリンジ情報に基づく表示、ユーザーに対するメッセージなどを表示させる。
サーボ制御部10は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により形成され、RFアンプ8からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEや、再生信号処理部9もしくはコントローラ12からのスピンドルエラー信号SPE等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、フォーカス/トラッキング駆動回路6に供給する。フォーカス/トラッキング駆動回路6は、ピックアップ3における二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ3、RFアンプ8、サーボ制御部10、フォーカス/トラッキング駆動回路6、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
サーボ制御部10はさらに、スピンドルモータ駆動回路7に対してスピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータ駆動回路7はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ2に印加し、スピンドルモータ2の回転を実行させる。またサーボ制御部10はコントローラ12からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ駆動回路7によるスピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
またサーボ制御部10は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスライドエラー信号や、コントローラ12からのアクセス実行制御などに基づいてスライドドライブ信号を生成し、スライド駆動回路5に供給する。スライド駆動回路5はスライドドライブ信号に応じてスライド駆動部4を駆動する。スライド駆動部4には図示しないが、ピックアップ3を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スライド駆動回路5がスライドドライブ信号に応じてスライド駆動部4を駆動することで、ピックアップ3の所要のスライド移動が行なわれる。
電源部20は、バッテリー20aを電源として、各部に必要な動作電源電圧V1,V2・・・を生成し、供給する。
電源部20に対する電源オン/オフ制御はコントローラ12によって行われる。またコントローラ12はバッテリー20aの残量検出を行うことができるようにされている。例えばバッテリー20aの電圧状態をA/D変換して入力することで、バッテリー20aの残量を監視できる。
またコントローラ12には、当該再生装置に加えられた振動状況を示す振動情報Ssが入力されることで、再生環境として振動が大きいか否かを判別できるようにされている。
振動情報Ssは、例えば振動センサ21が設けられ、その振動センサ21が振動レベルに応じたセンス信号として発生させてコントローラ12に供給する。
或いは振動センサ21が設けられなくても、サーボ制御部10、又はフォーカス/トラッキング駆動回路6が振動情報Ssを生成し、コントローラ12に供給することもできる。
サーボ制御部10は、例えばトラッキング、フォーカスのサーボエラー信号の振幅に基づいて、或いはサーボ外れの頻度に基づいて振動情報Ssを生成する。振動が大きいほどサーボエラー信号の振幅は大きくなるため振動情報Ssを生成することができる。また振動が大きい状況であるほどサーボ外れが発生する頻度が高まるため、その頻度に応じた値を振動情報Ssとしてもよい。
また、振動によって対物レンズ移動が大きくなることから、二軸機構の逆起電力(フォーカスコイル・トラッキングコイルに発生する電力)を用いて、フォーカス/トラッキング駆動回路6が振動情報Ssを生成することもできる。
4.再生コンテンツ選択動作例I。

本例の再生装置は、上述したUMD方式のディスク1からオーディオコンテンツを再生するが、上述したようにUMD方式のディスク1にはオーディオコンテンツとしての楽曲(チューン)が、複数の異なる符号化方式(サンプリング周波数・ビット数、圧縮・非圧縮、圧縮率等の相違)で複数のコンテンツファイルとして記録されている。
例えば符号化方式が異なる2つコンテンツファイルが存在するということは、1つの楽曲について、高ビットレートのコンテンツファイルと低ビットレートのコンテンツファイルが存在することになる。
例えば図2に、ディスク1に5つの楽曲(チューン)がそれぞれ2つの符号化方式で記録されている例を示している。
即ち上述した基本グループツリーにおける2つのエンコーディンググループとしてグループEG−x、EG−yが構築されており、グループEG−xに登録されるファイルとして、例えばリニアPCM符号化によるビットレート1.4MbpsのコンテンツファイルM1x〜M5xが存在し、またグループEG−yに登録されるファイルとして、例えばATRAC方式圧縮符号化によるビットレート64KbpsのコンテンツファイルM1y〜M5yが存在するとする。
コンテンツファイルM1xとM1yは同一の楽曲である。同様にコンテンツファイルM2xとM2y、M3xとM3y、M4xとM4y、M5xとM5yは、それぞれ同一の楽曲である。
なお、2つのエンコーディンググループにおけるコンテンツファイルの符号化方式は一例にすぎない。例えば、共にATRAC方式であるが、圧縮率が異なる符号化データとされるものでもよい。
或る楽曲を再生する際に、その楽曲に対応する複数(例えば2つ)のコンテンツファイルのどれを再生するかは、通常は、ユーザーの選択操作(モード設定等)によるものとなる。例えば高ビットレートのエンコーディンググループEG−xが選択されているモードであれば、コントローラ12はコンテンツファイルM1x〜M5xが再生されるように制御する。
高ビットレートのコンテンツファイルは、低ビットレートのコンテンツファイルよりも高音質なオーディオ再生を行うことができるため、その点では高ビットレートのコンテンツファイルの再生がユーザーにとって好適である。
ここで本例の再生装置がポータブル型であり、外部からの振動が増加した場合を考える。このとき再生装置(コントローラ12)は、振動情報Ssによって再生装置が携帯されている状況を推定することができる。このような状態では、しばしばディスク1からのデータ読み出しが中断されてしまい、バッファメモリ13に蓄積されていた符号化データが底を付き、いわゆる「音飛び」が発生する可能性が高まる。
そこで、コントローラ12は、自動的に、読み出すコンテンツファイルを低ビットレートのエンコーディンググループEG−yに登録されたコンテンツファイルに切り替えるようにする。低ビットレートの場合、バッファメモリ13からデータを取り出す量が少なくなるため、ディスク1から正常に読め出せた信号が少なくても長時間再生音を出し続けることができ、音飛びの発生の可能性を大きく低減できる。
また、上記のようにバッテリー20aを電源としていることを考えると、バッテリー20aの残容量も再生動作環境としての大きな要因となる。
高ビットレートのコンテンツファイルは、低ビットレートのコンテンツファイルよりも、ディスク1から読み出さなければならないデータ量が多くなる。つまりディスク1やピックアップ3を駆動する時間が長くなる。一方、低ビットレートのコンテンツファイルについては、少ないデータ量をディスク1から読み出せばよいため、例えばバッファメモリ13に短時間で十分なデータ量をバッファリングすることができ、その分、ディスク1やピックアップ3を実際に駆動する時間は短くてすみ、ディスク1からの読出の休止時間が長くなる。
つまり低ビットレートのコンテンツファイルの再生の方が、消費電力が少なく、電池寿命を長くすることができる。
そこでコントローラ12は、例えば電池残量が少ないことを検知した場合は、より長時間再生を実行できるようにするため、自動的に低ビットレートのコンテンツファイルの再生に切り換えることが好適となる。
つまり本実施の形態の再生装置は、外部から加わる振動や、電池残量などの再生動作環境に応じて、ディスク1に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のコンテンツデータを選択して再生することで、状況に応じた動作上の優位性を得るものである。
このような動作を実現する具体的な処理例を、再生コンテンツ選択動作例I、II、IIIとして説明する。
まず図3により再生コンテンツ選択動作例Iを説明する。
図3はディスク1が装填された状態で、例えばユーザーが再生操作を行った場合や、或いはディスク1の装填とともにコントローラ12が自動的に再生を開始するようなプログラムが設定されている場合のコントローラ12の処理を示している。
ユーザー操作又はプログラムにより、ステップF101で再生開始要求が発生したら、コントローラ12は処理をステップF102に進め、電源部20におけるバッテリー20aの残量(電圧レベル)を確認する。
ここで、もしバッテリー20aが或る程度消耗しており、電池残量(電圧レベル)が所定レベル以下であった場合は、ステップF105に進んで、低ビットレートのコンテンツ再生制御を行う。即ち図2のグループEG−yとしてのコンテンツファイルの再生を行うこととし、サーボ制御部10を指示して光ディスク1からグループEG−yのコンテンツファイルの読出動作を実行させ、また符号化データデコーダ11、バッファメモリ13、圧縮デコーダ14に対して低ビットレートのコンテンツ再生処理を実行させる。
一方、電池残量がまだ十分なレベルであったとしたら、ステップF103で振動状況を確認する。即ち振動情報Ssを確認し、動作環境として振動が大きい環境であるか否かを判別する。
振動が大きくない状況であったら、コントローラ12はステップF105として上記同様に低ビットレートのコンテンツ再生制御を行う。
ステップF103で振動が大きい状況であると判断した場合は、ステップF104に進んで、高ビットレートのコンテンツ再生制御を行う。即ち図2のグループEG−xとしてのコンテンツファイルの再生を行うこととし、サーボ制御部10を指示して光ディスク1からグループEG−xのコンテンツファイルの読出動作を実行させ、また符号化データデコーダ11、バッファメモリ13、圧縮デコーダ14に対して高ビットレートのコンテンツ再生処理を実行させる。
このような処理を行うことにより、再生開始時点で電池残量が十分であり、かつ振動の少ない状況である場合は、高ビットレートのコンテンツファイルが再生されることになり、ユーザーに対して高音質な再生を提供することになる。
一方、電池残量が十分でない場合は、低ビットレートのコンテンツ再生が行われることで、消費電力が節約され、なるべく長時間再生を続けることができるようになる。
また、振動が大きい状況、例えば再生装置が携帯型でありユーザが再生装置を携帯して音楽を聴いている場合や、或いは車載用再生装置で振動の大きい運転中での再生であった場合などは、低ビットレートのコンテンツ再生が行われることで、バッファメモリ13によるショックプルーフ機能が強化され、再生音声の音切れを発生しにくくできる。
なお、この処理では、再生開始時点でエンコーディンググループEG−x、EG−yを選択してしまうが、その選択は再生が終了されるまで継続されても良いし、後述する処理例II、IIIのように、再生途中で再生するエンコーディンググループを切り換えるようにしてもよい。
ところで、コントローラ12による振動状況検出のための振動情報Ssは、振動センサ21が搭載されていれば常に発生されるが、振動センサ21が搭載されないでサーボ制御部10により振動情報Ssを発生させる場合は、再生開始前においてサーボ動作を実行させる状況が必要である。但し、例えばディスク装填後などは、ディスク1から管理情報を読み込む動作が行われ、当然サーボ動作が行われるため、その際に振動情報Ssを発生させるようにすればよい。
またフォーカス/トラッキング駆動回路6により振動情報Ssを発生させる場合は、再生開始前においてサーボ動作をオフとし、対物レンズをフリーにして二軸機構のコイル逆起電力を得るようにすればよい。
5.再生コンテンツ選択動作例II。

図4で再生コンテンツ選択動作例IIを説明する。これは、再生中に、トラック(コンテンツファイル)が切り替わるタイミングで、状況に応じて高ビットレートのコンテンツファイル再生と低ビットレートのコンテンツファイル再生を選択する処理例である。
図4においては、或るコンテンツファイルの再生中の状態をステップF200又はF300として示している。ステップF200はエンコーディンググループEG−xに登録された高ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を再生している状態、ステップF300はエンコーディンググループEG−yに登録された低ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を再生している状態である。
まずステップF200で高ビットレートのコンテンツファイルを再生している状態からの処理を説明する。
ステップF200での再生中は、ステップF201として、現在再生中のトラックの再生出力(演奏)が終了するまで所定時間という段階に達したか否かを監視している(例えばトラック終了まで30秒以下などの時点をトラック終了間際とする)。
現在再生中のトラックの再生が終了間際となったら、コントローラ12は処理をステップF201からF202に進め、バッテリー20aの残量を確認する。そしてバッテリー20aの残量が所定レベル未満であったらステップF205に進む。
バッテリー20aの残量が所定レベル以上であって、まだ十分な残量があると判断した場合は、ステップF203に進み、振動情報Ssによりその時点での振動状況を判別する。
ステップF203で振動が小さいと判断された場合、つまりバッテリー20aの残量が十分でかつ振動も少ない再生環境であると判断した場合は、ステップF204で、次の曲(チューン)についても、高ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を再生するものとして、高ビットレートのコンテンツファイル再生処理を継続するものとする。
一方、バッテリー20aの残量や振動状況の判別によってステップF205に進んだ場合は、次の曲(チューン)については、低ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を選択して再生するものとし、次のチューンにかかる低ビットレートのコンテンツファイルのバッファリングを開始する。例えばそれまで図2のコンテンツファイルM1xの再生を行っていたとすると、次の曲として低ビットレートのコンテンツファイルM2yを選択し、そのコンテンツファイルM2yについて、ディスク1からの読出とバッファメモリ13へのバッファリングを開始させる。なお、この時点では、まだバッファメモリ13からはコンテンツファイルM1xの符号化データの読出が継続されており、コンテンツファイルM1xの再生音声が出力されている。
コントローラ12は、ステップF206で、現在のトラック、例えば高ビットレートのコンテンツファイルM1xの符号化データのバッファメモリ13からの読出/再生出力が終了するタイミングを監視しており、現在の曲のバッファ読出/再生が終了すると、ステップF207で、次のトラックの再生出力を開始させる。即ち、バッファメモリ13から低ビットレートのコンテンツファイルM2yの符号化データの読出を開始させ、再生出力させる。そしてステップF300の低ビットレートのコンテンツファイルの再生状態に移行する。
ステップF300で低ビットレートのコンテンツファイルを再生している状態からの処理は次のようになる。
ステップF300での再生中も、コントローラ12はステップF301として、現在再生中のトラックの再生出力(演奏)が終了するまで所定時間という段階に達したか否かを監視している。なお、この場合、所定時間を例えばトラック終了まで30秒以下など、ステップF201と同様の基準としても良いが、もし次の再生を高ビットレートのコンテンツファイルに切り換える場合は、高ビットレートのコンテンツファイルのデータバッファリングは、低ビットレートのコンテンツファイルよりも時間がかかることを考えて、余裕をもたせ、例えばトラック終了間際と判断する上記所定時間を例えばトラック終了まで1分以下などのように、異なる基準としても良い。
現在再生中のトラックの再生が終了間際となったら、コントローラ12は処理をステップF301からF302に進め、バッテリー20aの残量を確認する。そしてバッテリー20aの残量が所定レベル未満であったらステップF304に進み、次の曲(チューン)についても、低ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を再生するものとして、低ビットレートのコンテンツファイル再生処理を継続する。
またステップF302でバッテリー20aの残量が所定レベル以上であって、まだ十分な残量があると判断した場合は、ステップF303に進み、振動情報Ssによりその時点での振動状況を判別する。
ステップF303で振動が大きい判断された場合も、ステップF304に進み、次の曲(チューン)についても、低ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を再生するものとして、低ビットレートのコンテンツファイル再生処理を継続する。
ステップF303で振動が小さい判断された場合、つまりバッテリー20aの残量が十分でかつ振動も少ない再生環境になっていると判断した場合は、ステップF305に進み、次の曲(チューン)については、高ビットレートのコンテンツファイル(トラック)を選択して再生するものとする。このため次のチューンにかかる高ビットレートのコンテンツファイルのバッファリングを開始する。例えばそれまで図2のコンテンツファイルM2yの再生を行っていたとすると、次の曲として高ビットレートのコンテンツファイルM3xを選択し、そのコンテンツファイルM3xについて、ディスク1からの読出とバッファメモリ13へのバッファリングを開始させる。なお、この時点では、まだバッファメモリ13からはコンテンツファイルM2yの符号化データの読出が継続されており、コンテンツファイルM2yの再生音声が出力されている。
コントローラ12は、ステップF306で、現在のトラック、例えば低ビットレートのコンテンツファイルM2yの符号化データのバッファメモリ13からの読出/再生出力が終了するタイミングを監視しており、現在の曲のバッファ読出/再生が終了すると、ステップF307で、次のトラックの再生出力を開始させる。即ち、バッファメモリ13から高ビットレートのコンテンツファイルM3xの符号化データの読出を開始させ、再生出力させる。そしてステップF200の高ビットレートのコンテンツファイルの再生状態に移行する。
以上の処理が行われることにより、トラック(楽曲)毎に、そのときの状況に応じて高ビットレート/低ビットレートが選択される。
例えば振動状況は再生中も常に変動するため、振動が大きいときは低ビットレートのコンテンツファイルが再生され、振動が小さいときは高ビットレートのコンテンツファイルを再生することで、なるべく高音質の再生を行いながら振動状況が悪化した場合のみ低ビットレートのコンテンツファイルを再生して音切れを防止するという動作が可能となる。
またバッテリー20aの残量も、再生継続中に低下していくため、再生中にある時点で残量が少ないと判断されたら、それ以降は低ビットレートのコンテンツファイルが選択されることで、なるべく電池をもたせることが可能となる。
6.再生コンテンツ選択動作例III。

次に図5、図6で再生コンテンツ選択動作例IIIを説明する。これは、再生中において、上記のようなトラック(コンテンツファイル)の境界に関わらず、再生状況が変化して時点で高ビットレートのコンテンツファイル再生と低ビットレートのコンテンツファイル再生を切り換えていく処理例である。即ち例えば曲の途中であっても切換を行う例である。
図5は再生開始時からのコントローラ12の処理を示している。
再生を開始する際に、まずコントローラ12は、最初に再生するチューンに対応する低ビットレートのコンテンツファイル(例えば図2のM1y)についてディスク1からの読出を実行させ、データ量Q1だけ符号化データをバッファメモリ13に蓄積させる。この様子を図6(a)に示す。例えばコントローラ12はバッファメモリ13においてデータ量Q1の領域を確保し、矢印Wとして示すように、この領域に低ビットレートのコンテンツファイルM1yの符号化データDTyを蓄積させる。
データ量Xだけのバッファリングを完了したら、次にコントローラ12はステップF402で、同じく再生する最初のチューンに対応する高ビットレートのコンテンツファイル(M1x)についてディスク1からの読出を開始させ、またバッファメモリ13からの読出及び再生出力を開始させる。即ち図6(b)の矢印Wのように、コンテンツファイルM1xの符号化データDTxのバッファリングを開始するとともに、矢印Rとして示すように、蓄積された符号化データDTxを連続的に読み出す動作を開始させる。従って、高ビットレートのコンテンツファイルM1xの再生出力が開始されることになる。
以降は、図6(c)に示すように、ステップF401で符号化データDTyを格納した領域を除く領域を用いて、符号化データDTxの書込及び読出を継続する。矢印Wとして示す符号化データDTxの書込は、高速に、かつ蓄積量に応じて間欠的に行われ、一方、矢印Rで示す符号化データDTxの読出は、所定レートで連続的に行われて、圧縮デコーダ14以降の処理で再生出力される。
このように高ビットレートのコンテンツファイルのバッファリング及び再生出力を行っている期間は、コントローラ12はステップF403,F404,F405の監視処理を実行する。
ステップF405では、バッファメモリ13に蓄積された低ビットレートの符号化データDTyについての監視処理である。
ステップF401で蓄積したデータ量Q1の符号化データDTyは、再生している符号化データDTxのトラック先頭部分と同じ音声内容のデータである。そしてこの符号化データDTyは、再生環境に応じて低ビットレート再生に切り換えるときに用いるデータとして、予め確保したものである。切り換えるときに用いるデータとして有効なデータは、切換時点まで再生出力されていた音声の続きとなる音声に相当するデータである。
つまり高ビットレートのコンテンツ再生が進むとともに、当初確保したデータDTyは、その先頭のデータから順次使用できないものとなる。このため、高ビットレートのコンテンツ再生が進行することに応じて、バッファメモリ13に確保したデータDTyも随時更新していかなければならない。
そこでコントローラ12はステップF405で、使用可能なデータDTyの残量が或る所定量Q2(図6(b))以下となったか否か監視している。例えばコントローラ12は、逐次、その時点の高ビットレートのコンテンツの再生進行時間を、低ビットレートのデータ量に換算し、それをデータ量Q1から減算すれば、使用可能なデータDTyの残量を算出できる。従ってその算出した残量と予め設定した所定量Q2とを比較することで、ステップF405の処理を行うことができる。
もし使用可能なデータDTyが所定量Q2以下となっていたら、ステップF406に進んで、低ビットレートのコンテンツの続きのデータDTyについてディスク1から読み出し、バッファリングを行うように制御する。即ち高ビットレートのコンテンツファイルのデータDTxのバッファリングを中断させて、低ビットレートのコンテンツファイルのデータDTyのバッファリングを行う。なお、このときバッファメモリ13からの読出は、引き続き高ビットレートのデータDTxについて行われている。
そしてステップF406での低ビットレートのデータDTyについて、データ量Q1だけのバッファリングを終えたら、ステップF407で高ビットレートのコンテンツファイルの続きのデータからバッファリングを再開する。もちろんこのときも、バッファメモリ13からの高ビットレートのデータDTxの読出/再生出力は継続されている。
つまりステップF405、F406、F407の処理によっては、高ビットレートのコンテンツ再生中において、もし低ビットレートへの切換が行われる場合に使用される、例えば曲の続きの低ビットレートのデータDTyが、或る程度必要な量だけ常時バッファリングされている状態をつくりだすものとなる。
ステップF403では、バッテリー20aの残量が所定レベル以上であるか否かを監視している。
バッテリー20aの残量が所定レベル未満であれば、ステップF408に進み、以降、低ビットレートのコンテンツ再生に切り換える。即ち、バッテリー20aの残量が少ないと判断された時点から、その時点にバッファメモリ13においてデータDTyとして蓄積されている低ビットレートのコンテンツファイルの続きのデータのバッファリングを開始させる。また同時に、その時点でバッファメモリ13から読み出されていた高ビットレートのデータDTxの続きの音声に相当するデータとしてデータDTyを起点として、バッファメモリ13からのデータDTyの読出を開始する。つまりこの時点から低ビットレートのデータDTyが再生音声として出力される。
以降は、図6(d)のように、バッファメモリ13の全領域をデータDTyのバッファ領域として使用し、低ビットレートのコンテンツファイルの再生出力を行う。
このようにステップF408で低ビットレートのコンテンツファイルの再生に切り換えた場合は、電池の消耗が切換原因であったことから、以降、再生が終了されるまで、低ビットレートのコンテンツファイルの再生を行うものとなる。
ステップF405では、コントローラ12は振動情報Ssにより振動状況を監視している。このステップF405で振動が大きいと判断された場合は、コントローラ12は処理をステップF409に進め、低ビットレートのコンテンツ再生に切り換える。即ち、振動が大きいと判断された時点から、その時点にバッファメモリ13においてデータDTyとして蓄積されている低ビットレートのコンテンツファイルの続きのデータのバッファリングを開始させる。また同時に、その時点でバッファメモリ13から読み出されていた高ビットレートのデータDTxの続きの音声に相当するデータとしてのデータDTyを起点として、バッファメモリ13からデータDTyの読出を開始する。従ってこの時点から低ビットレートのデータDTyが再生音声として出力される。バッファメモリ13においては、以降、図6(d)のように、全領域がデータDTyのバッファ領域として使用されて、低ビットレートのコンテンツファイルの再生出力が行われる。
このようにステップF409で低ビットレートのコンテンツファイルに切換た後は、コントローラ12はステップF410で引き続き振動情報Ssにより振動が収まって安定したかどうかを監視している。
もし振動が収まったら、ステップF411に進み、その時点以降にバッファメモリ13はから読み出すものとされていた低ビットレートのデータDTyを、バッファメモリ13においてデータ量Q1だけ確保した上で、その時点からの続きの音声内容となる部分から高ビットレートのデータDTxのバッファリングを開始する。そしてステップF412で、バッファメモリ13から読み出すデータをデータDTxに切り換え、即ち高ビットレートのコンテンツ再生が行われるようにして、ステップF403,F404,F405の監視処理に戻る。
この場合のバッファメモリ13の様子を図6(e)(f)(g)に示す。
例えば図6(e)の矢印Rのように或るポイントのデータDTyを読み出した時点でステップF410で振動が安定したと判別されたとする。
すると、ステップF411では、図6(f)のように、矢印R以降のデータDTyとしてデータ量Q1を確保し、そのデータ量を確保した領域以降において、矢印Wに示すポイントから高ビットレートのデータDTxのバッファリングを開始する。そして、高ビットレートのデータDTxのバッファリングを開始した後、ステップF412の処理として、バッファメモリ13からの読出を高ビットレートのデータDTxに切り換える。以降、図6(g)のようにデータDTyを確保した領域以外が用いられて、高ビットレートのコンテンツファイルのデータDTxのバッファリング及びバッファメモリ13からの読出/再生出力が行われる。
つまり、低ビットレートのコンテンツ再生中に振動が安定したら、高ビットレートのコンテンツ再生に切り換えるとともに、その際には、さらにその後低ビットレートのコンテンツ再生に切り換えられる場合に必要なデータ量Q1のデータDTyが確保されるようにするものである。
このように振動が安定して低ビットレートのコンテンツ再生から高ビットレートのコンテンツ再生に戻された以降も、上記同様の処理が行われ、従って状況によっては、再び低ビットレートのコンテンツ再生に切り換えられることもある。
この図5のような処理を行うことで、再生中に、再生位置に関わらず、そのときの状況に応じて高ビットレート/低ビットレートが選択される。
これにより、バッテリー20aの残量が十分で且つ振動が少ないときは高ビットレートのコンテンツ再生により、ユーザーに高音質な音楽が提供され、一方、振動が大きくなったら、その振動が大きい期間は低ビットレートのコンテンツ再生に切り換えられることで、ショックプルーフ機能が強化される。またバッテリー20aの残量が少なくなったと判断されたら、それ以降は低ビットレートのコンテンツファイルが選択されることで、なるべく電池を長くもたせ、再生を長く継続できるようになる。
7.実施の形態の効果及び変形例。

以上、実施の形態を説明してきたが、本実施の形態によれば、再生装置の再生環境(外乱振動やバッテリー残量)に応じてビットレートの異なるデータを再生することにより、なるべく高音質な音楽をユーザーに提供しつつ、振動に対する音飛びの発生を軽減できたり、電池寿命を延長すること可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態の例に関わらず、多様な変形例が考えられる。
例えばバッテリー残量を切換の要因の1つとしたが、使用する電源により再生するコンテンツファイルの選択を行っても良い。即ち、外部の商用AC電源と、内蔵バッテリを併用できる再生装置において、外部AC電源が接続されている状態では高ビットレートのコンテンツ再生を行い、外部AC電源が接続されずに内蔵バッテリを電源として使用する場合は低ビットレートのコンテンツ再生を行うというような処理も可能である。
また、上記例は2つのエンコーディンググループ、つまり1つの曲(チューン)について2種類のビットレートのコンテンツファイルが存在する場合で述べたが、1つの曲(チューン)について3つ以上の異なる符号化方式(ビットレート)のコンテンツファイルが記録される場合もある。そのような場合に、振動状況や電池残量の状態に応じて、段階的に再生するコンテンツファイルを切り換えていっても良い。
また或いは、このように3以上のビットレートが存在する場合において、最も高いビットレートのコンテンツ再生中に、振動や電源の状況の悪化に応じて、最も低いビットレートのコンテンツ再生に切換、状況の好転に応じて1段階ずつビットレートの高いコンテンツファイルに切り換えていくような選択手法も考えられる。
また上記図3,図4,図5の処理例では、どれも振動状況と電源状況の両方により再生するコンテンツファイルの選択/切換を行うようにしているが、どちらか一方のみにより選択を行う例も考えられる。
例えば電源状況はコンテンツ選択の基準として用いず、振動状況だけをみて再生するコンテンツファイルの選択を行う処理や、逆に振動状況はコンテンツ選択の基準として用いず、電源状況だけをみて再生するコンテンツファイルの選択を行う処理も、本発明に含まれる。
また、図3,図4,図5の処理は、それぞれ組み合わせることもできる。例えば再生開始時は図3の処理を行い、再生開始後は図4の処理を行う処理などである。
また実施の形態では光ディスクを例に説明したが、これはハードディスク等、他のディスクメディアにおいても同等の効果が期待できる。また、固体メモリ等のメディアを用いたシステムにおいても、バッテリー残量に応じたコンテンツファイルの選択処理を行うことにより、消費電力の軽減という効果を得ることができる。
更に、楽曲等のオーディオデータコンテンツの例で説明したが、異なるビットレートで符号化された同一内容の映像コンテンツの再生についても、本発明は適用できる。
本発明の実施の形態の再生装置のブロック図である。 実施の形態のディスクのコンテンツ記録状態の説明図である。 実施の形態の再生開始時のコンテンツ選択処理のフローチャートである。 実施の形態の再生中のトラック単位のコンテンツ選択処理のフローチャートである。 実施の形態の再生中のコンテンツ選択処理のフローチャートである。 実施の形態の再生中のコンテンツ選択処理のためのバッファメモリ動作の説明図である。 実施の形態のディスクの外観の説明図である。 実施の形態のディスクの斜視図である。 実施の形態のディスクのディレクトリ構造の説明図である。 実施の形態のディスクのマネジメントファイルの説明図である。 実施の形態のディスクのファイル記録順序の説明図である。 実施の形態のディスクのファイル記録例の説明図である。 実施の形態のディスクの基本グループツリーの説明図である。 実施の形態のディスクの拡張グループツリーの説明図である。 実施の形態のディスクの拡張グループツリーの説明図である。
符号の説明
1 ディスク、3 ピックアップ、6 フォーカス/トラッキング駆動回路、8 RFアンプ、10 サーボ制御部、11 符号化データデコーダ、12 コントローラ、13 バッファメモリ、14 圧縮デコーダ、15 D/A変換器、17 オーディオ出力処理部、18 操作部、19 表示部、20 電源部、21 振動センサ

Claims (14)

  1. 同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対して再生を行う再生装置において、
    上記記録媒体からコンテンツデータを読み出して再生出力する再生手段と、
    再生動作環境の状態を検出する検出手段と、
    上記記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータについて、上記検出手段の検出結果に応じて特定のビットレートのコンテンツデータを選択して、上記再生手段に再生させるように制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする再生装置。
  2. 上記再生手段は、
    上記記録媒体からコンテンツデータを読み出す読出手段と、
    上記読出手段で読み出されたコンテンツデータを蓄積するバッファメモリ手段と、
    上記バッファメモリ手段から読み出されるコンテンツデータに対して所定の再生処理を
    行って再生出力する再生処理手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記検出手段は、上記再生動作環境の状態として、再生装置の動作電源となる電池の残量を検出し、
    上記制御手段は、電池残量が所定レベル以下となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  4. 上記検出手段は、上記再生動作環境の状態として、再生装置に加わる振動レベルを検出し、
    上記制御手段は、振動レベルが所定レベル以上となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  5. 上記制御手段は、再生動作を開始する際に、上記検出手段の検出結果に応じて、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  6. 上記制御手段は、再生動作中における上記検出手段の検出結果に応じて、その後再生させるコンテンツデータとして、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  7. 同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体に対する再生方法として、
    再生動作環境の状態を検出する検出ステップと、
    上記記録媒体に記録された異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータについて、上記検出ステップでの検出結果に応じて特定のビットレートのコンテンツデータを選択して再生させるように制御する制御ステップと、
    上記制御ステップでの制御に従って、選択された特定のビットレートのコンテンツデータを上記記録媒体から読み出し、再生出力する再生ステップと、
    を備えたことを特徴とする再生方法。
  8. 上記検出ステップでは、上記再生動作環境の状態として、再生装置の動作電源となる電池の残量を検出し、
    上記制御ステップでは、電池残量が所定レベル以下となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させるように制御することを特徴とする請求項7に記載の再生方法。
  9. 上記検出ステップでは、上記再生動作環境の状態として、再生装置に加わる振動レベルを検出し、
    上記制御ステップでは、振動レベルが所定レベル以上となっていた場合には、異なるビットレートで同一内容の複数のコンテンツデータのうちで、ビットレートが低いコンテンツデータを選択して再生させるように制御することを特徴とする請求項7に記載の再生方法。
  10. 上記制御ステップは、再生動作を開始する際において、上記検出手段の検出結果に応じて、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択するために行われることを特徴とする請求項7に記載の再生方法。
  11. 上記制御ステップは、再生動作中における上記検出手段の検出結果に応じて、その後再生させるコンテンツデータとして、同一内容の複数のコンテンツデータのうちで特定のビットレートのコンテンツデータを選択するために行われることを特徴とする請求項7に記載の再生方法。
  12. 同一内容のコンテンツデータが、異なるビットレートで符号化されたデータとして複数記録されている記録媒体であって、
    該記録媒体の記録領域内で、各コンテンツデータは、ビットレート種別毎に物理的にまとめられて記録されていることを特徴とする記録媒体。
  13. コンテンツデータ内容に対応する付加データが記録されると共に、
    同一内容で複数記録されているコンテンツデータに対応する付加データは、ビットレートの高い方のコンテンツデータに物理的に近接した領域に記録されていることを特徴とする請求項12に記載の記録媒体。
  14. データが書換不能な形態で記録されている再生専用の記録媒体であることを特徴とする請求項12に記載の記録媒体。
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