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JP2005314712A - 金属微粒子生成用組成物および金属微粒子 - Google Patents

金属微粒子生成用組成物および金属微粒子 Download PDF

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JP2005314712A JP2004130750A JP2004130750A JP2005314712A JP 2005314712 A JP2005314712 A JP 2005314712A JP 2004130750 A JP2004130750 A JP 2004130750A JP 2004130750 A JP2004130750 A JP 2004130750A JP 2005314712 A JP2005314712 A JP 2005314712A
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Takeshi Fujiki
剛 藤木
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
Hironori Sakamoto
浩規 阪本
Masashi Tanaka
雅士 田中
Koyo Matsukawa
公洋 松川
Yukito Matsuura
幸仁 松浦
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Osaka Gas Co Ltd
Osaka City
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Osaka Gas Co Ltd
Osaka City
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Abstract

【課題】 高い還元性で、簡便にかつ効率よく安定性に優れた金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成可能な組成物を提供する。
【解決手段】 ポリシラン化合物と、還元により前記金属微粒子を生成可能な金属化合物(例えば、貴金属化合物)とで前記組成物を構成する。前記ポリシラン化合物は、ポリシランと、金属化合物及び/又は金属微粒子に対する親和性を有するユニットを含むビニル単量体との共重合体であってもよい。前記金属化合物の割合は、ポリシラン化合物100重量部に対して、例えば、1〜40重量部程度であってもよい。このような組成物に、活性エネルギー線を作用させてポリシラン化合物を分解させることにより、金属微粒子(特にナノ粒子)を生成できる。このような方法は種々の方法に応用でき、例えば、基板に、前記組成物を塗布し、露光して金属微粒子を生成させたのち、さらに、現像し、金属微粒子を含むパターンを形成することもできる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学用途(光導波路など)やバイオ用途などにおいて有用な金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成するための組成物、この組成物を用いて得られる金属微粒子およびその製造方法に関する。
金属ナノ粒子(金属微粒子)は、金属原子やバルクの金属とは異なり、量子サイズ効果や非線形光学特性などの特異な電子・光物性を示す[固体物理、第24巻、第10号(非特許文献1)]。そのため、これらの特異な現象を有する金属ナノ粒子は、例えば、光通信、光エレクトロニクス、光情報処理などの分野において、単電子トランジスタ、非線形光学素子、光導波路などへの応用が検討されている[Adv.Matter.第13巻、第19号、1501頁(非特許文献2)]。また、金属ナノ粒子は、表面増強ラマン散乱などの現象を誘起する。そのため、抗体、酵素、プロテインAなどのアフィニティリガンド(affinity ligand)に吸着させた金ナノ粒子は、バイオ分野(イムノアッセイなど)におけるセンサーなどとしても注目されている[表面、第34巻、第2号、32頁(非特許文献3)]。さらに、金属ナノ粒子は、長期に亘って良好な発色を示す発色材などへの利用も検討されている[工業材料、第52巻、第4号、第1頁(非特許文献4)]。
これまで、金属ナノ粒子は、粒子を安定化させるための官能基(保護基)を有する化合物の存在のもとに金属塩を溶液中で還元することにより、コロイド溶液として合成されている。例えば、金ナノ粒子は、チオール化合物を添加した塩化金(III)酸(HAuCl4)溶液を、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて還元することにより得ることができる[表面、第34巻、7号、56頁(非特許文献5)]。また、白金ナノ粒子は、長鎖アルキルアンモニウム塩化物存在下の塩化白金(IV)酸溶液に100Wの出力を有する高圧水銀ランプを24時間照射することにより作製できる[高分子論文集、第57巻、第6号、363頁(非特許文献6)]。銀ナノ粒子は、過塩素酸銀を、ポリリン酸ナトリウム存在下、水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより得ることができる[J.Am.Chem.Soc.第112巻、4657頁(非特許文献7)]。さらに、ロジウムナノ粒子は、塩化ロジウムおよびポリビニルアルコールを含む水溶液に、水酸化ナトリウムを加えて水酸化ロジウムに変えた後、水素還元することにより得ることができる[J.Colloid Science、第3巻、363頁(非特許文献8)]。
一方、金属ナノ粒子を各種デバイスに応用するには、金属ナノ粒子とバインダー樹脂と溶媒とを混合・分散して塗工液にした後、スピンコートなどの塗工方法により薄膜形成する必要がある。例えば、特開平5−224006号公報(特許文献1)では、ピロリドン基を有するポリマー(ポリビニルピロリドンなど)の存在下、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムなどを添加して、金属塩を還元することにより得られた安定化された金属超微粒子を、さらにこの粒子を安定化させる汎用ポリマー(アクリロニトリル−スチレン共重合体など)に分散させている。また、ロジウムナノ粒子をポリビニルアルコールに分散させた金属ナノ粒子組成物も報告されている[表面、第17巻、279頁(非特許文献9)]。
しかし、これらの方法では、還元剤の還元性能が充分でなく、高い還元性で金属ナノ粒子を効率よく生成させることが困難である。また、金属ナノ粒子の調製において、各成分(金属塩、還元剤、官能基(保護基)を有する化合物など)を段階的に添加する必要があり、調製工程が煩雑である。そのため、上記の方法では十分な量の金属ナノ粒子を短時間で効率的に得ることができず、実用的でないため、工業生産が困難である。さらに、これらの方法で得られた金属ナノ粒子(又は金属ナノ粒子を含む塗工液)は、長期に亘って使用又は保存すると、凝集などを生じる虞があり、安定性又は保存性が充分でない。また、これらの方法で得られる金属ナノ粒子(又は金属ナノ粒子を含む薄膜)は、基板(無機基板など)との密着性が不十分である場合が多く、パターニングが困難である。
さらに、金属ナノ粒子を各種デバイスに応用するには、機能を発現するためにパターンの形成が必要である場合が多い。パターンを形成するには、非感光性樹脂をバインダーに用いてナノ粒子含有薄膜を形成した後に、さらに別途レジストを形成するリソグラフィープロセスによる方法と、バインダー樹脂自体に感光性を持たせた感光性樹脂を用い、ナノ粒子含有薄膜を直接現像する方法の2通りがある。
しかし、前者の方法では、まず、金属ナノ粒子、樹脂および溶剤を配合する工程が必要であり、さらにレジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離するという複雑な工程が必要である。また、後者の方法では、リソグラフィーの工程は不要となるが、配合の工程は必要であり、またナノ粒子との相溶性や安定性、感光性を考慮して樹脂を選択する必要があり、汎用性に乏しいため、実用的でない。
特開平5−224006号公報(特許請求の範囲、実施例) 「固体物理、第24巻、第10号」 「Adv. Matter.第13巻、第19号、1501頁」 「表面、第34巻、第2号、32頁」 「工業材料、第52巻、第4号、第1頁」 「表面、第34巻、7号、56頁」 「高分子論文集、第57巻、第6号、363頁」 「J.Am.Chem.Soc.第112巻、4657頁」 「J.Colloid Science、第3巻、363頁」 「表面、第17巻、279頁」
従って、本発明の目的は、簡便にかつ効率よく金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成可能な組成物(又は塗工液)、この組成物により得られた金属微粒子、およびこの金属微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、長期に亘って使用(又は保存)しても、金属微粒子の凝集などを著しく抑制又は防止でき、安定性(又は保存性)に優れた金属微粒子を生成可能な組成物(又はその塗膜)、この組成物により得られた金属微粒子、およびこの金属微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、別途レジストを必要とすることなく、高いパターン形成性で、簡便にかつ効率よく、金属微粒子を含むパターンをパターニング形成できる組成物(又はその塗膜)、およびこの組成物(又は塗膜)を用いて得られるパターン(ネガ型パターン)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリシラン化合物と金属化合物(金属塩など)とを含む組成物(又はその塗膜)に活性エネルギー線を作用させると、ポリシラン化合物が分解して前記金属化合物の還元剤として作用し、高い還元性で簡便にかつ効率よく金属微粒子(特に金属ナノ粒子)が生成すること、また、この方法により生成された金属微粒子が、長期に亘って使用しても凝集などを生じることなく長期安定性に優れていること、さらに、前記塗膜では、高いパターン形成性で、露光パターンに対応したパターニングを容易に形成できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の組成物は、金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成するための組成物であって、ポリシラン化合物と、還元により前記金属微粒子を生成可能な金属化合物とで構成されている。前記ポリシラン化合物は、ポリシラン(又はポリシランユニット)で構成されていればよく、例えば、ポリシランと、金属化合物に対する親和性を有するユニットを含むビニル単量体との共重合体であってもよい。このようなビニル単量体は、例えば、アミド基、アミノ基、窒素環基、アシル基、アルコキシ基、エーテル基、カルボキシル基、チオ基及びスルホン酸基から選択された少なくとも1種の基を有する単量体であってもよい。
前記金属化合物は、周期表第8〜11族金属(例えば、貴金属)で構成されていてもよい。具体的な金属化合物には、例えば、塩化貴金属酸(塩化金酸など)などが含まれる。前記金属化合物の割合は、前記ポリシラン化合物100重量部に対して、例えば、1〜400重量部程度であってもよい。前記組成物は、コーティング組成物(塗布液)として用いることもできる。コーティング組成物は、ポリシラン化合物と、金属化合物と、さらに溶媒とで構成してもよい。そのため、本発明には、前記組成物(又はコーティング組成物)を基板上に塗布して得られる塗膜なども含まれる。
前記金属微粒子は、通常、前記組成物に、活性エネルギー線を作用させることによりポリシラン化合物を分解させて生成(又は調製)できる。前記活性エネルギー線は、活性光線(特に紫外線)および熱線から選択された少なくとも1種であってもよい。このような金属微粒子の生成方法は、種々の用途に応用できる。例えば、基板(例えば、ガラス基板などの無機基板)に、前記組成物を塗布し、露光して金属微粒子を生成させたのち、さらに、現像し、金属微粒子を含むパターンを形成してもよい。
本発明には、前記生成方法により得られる金属微粒子(特にナノ粒子)、さらには前記パターン形成方法により得られるパターンも含まれる。
なお、本明細書において、「金属微粒子」とは、金属化合物の還元により生成した金属微粒子のみならず、金属微粒子表面又はその近傍に存在する成分(ポリシラン化合物の分解物など)などを含有する「金属微粒子成分」(又は金属コロイド)を含む意味に用いる。
本発明の組成物は、分解により高い還元性を有するラジカルを発生可能なポリシラン化合物で構成されているので、簡便にかつ効率よく金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成可能である。また、本発明の組成物は、ポリシラン化合物の分解物が金属微粒子の表面を保護して安定化するためか、長期に亘って使用(又は保存)しても、金属微粒子の凝集などを著しく抑制又は防止でき、安定性(又は保存性)に優れた金属微粒子を生成できる。そのため、本発明では、実用的で、かつ工業的に有利に金属微粒子を製造できる。さらに、本発明では、別途レジストを必要とすることなく、高いパターン形成性で、簡便にかつ効率よく、金属微粒子を含むパターンをパターニング形成可能である。
本発明の組成物(以下、ポリシラン組成物ということがある)は、ポリシラン化合物と、還元により前記金属微粒子を生成可能な金属化合物とで構成されている。すなわち、本発明の組成物において、前記金属化合物は、後述するように、前記ポリシラン化合物の分解物(ラジカル)により還元され、金属微粒子(又は金属微粒子成分)を生成可能である。
[ポリシラン化合物]
ポリシラン化合物は、少なくともポリシラン(又はポリシランユニット、ポリシラン単位)で構成されていればよく、例えば、(a)ポリシランユニットのみで構成された化合物(すなわち、ポリシラン)であってもよく、(b)ポリシランと、このポリシランに結合し、金属化合物及び/又は金属微粒子に対する親和性を有するユニットとで構成されたポリシラン化合物であってもよい。
(ポリシラン)
ポリシラン化合物を構成するポリシラン(ユニット)は、Si−Si結合を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、網目状などの種々のポリシラン(以下、単にポリシランということがある)であれば特に制限されない。通常、ポリシランは、下記式(1)〜(3)で表された構造単位のうち少なくとも1つの単位で構成されている場合が多い。
(式中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、又はシリル基を示し、m,n,pは正の整数を示す)
前記式(1)〜(3)において、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル基などのC1-14アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基)が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ基などのC1-14アルコキシ基(好ましくはC1-10アルコキシ基、さらに好ましくはC1-6アルコキシ基)が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル、アリル基などのC2-14アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、さらに好ましくはC2-6アルケニル基)が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC5-14シクロアルキル基(好ましくはC5-10シクロアルキル基、さらに好ましくはC5-8シクロアルキル基)が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロヘキシルオキシ基などのC5-14シクロアルキルオキシ基(好ましくはC5-10シクロアルキルオキシ基、さらに好ましくはC5-8シクロアルキルオキシ基)が挙げられる。シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5-14シクロアルケニル基(好ましくはC5-10シクロアルケニル基、さらに好ましくはC5-8シクロアルケニル基)が挙げられる。アリール基としては、フェニル、ナフチル基などのC6-20アリール基(好ましくはC6-15アリール基、さらに好ましくはC6-12アリール基)が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフチルオキシ基などのC6-20アリールオキシ基(好ましくはC6-15アリールオキシ基、さらに好ましくはC6-12アリールオキシ基)が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル基などのC6-20アリール−C1-4アルキル基(好ましくはC6-10アリール−C1-2アルキル基)が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ基などのC6-20アリール−C1-4アルキルオキシ基(好ましくはC6-10アリール−C1-2アルキルオキシ基)が挙げられる。シリル基としては、シリル基、ジシラニル基、トリシラニル基などのSi1-10シリル基(好ましくはSi1-6シリル基)が例示できる。
なお、これらの置換基(基R1、R2又はR3)は、さらに置換基[例えば、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子など)、アルキル基(例えば、メチル基などのC1-4アルキル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基など)など]を有していてもよい。
これらの置換基(基R1、R2又はR3)のうち、好ましい置換基には、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シリル基などが含まれる。
なお、前記式(1)において、R1とR2との組み合わせは、アリール基(フェニル基など)同士の組み合わせであってもよく、好ましい組み合わせは、例えば、(a1)C1-4アルキル基(特にメチル基)同士、(a2)C1-4アルキル基(特にメチル基)とアリール基(特にフェニル基)との組み合わせなどが例示でき、特にR1、R2のうち少なくとも一方がアリール基(特にフェニル基)である組み合わせ(例えば、前記(a2)の組み合わせなど)が好ましい。また、好ましいR3はC1-4アルキル基(特にメチル基などのC1-2アルキル基)又はアリール基(特にフェニル基)である。
また、R1、R2及びR3の種類は、構造単位の繰り返し数(m,n,pの数)によって異なっていてもよい。
具体的なポリシラン(ユニット)には、例えば、(i)前記式(1)で表される直鎖状又は環状ポリシラン、(ii)前記式(2)で表される分岐鎖状ポリシラン(ポリシリン)又は前記式(3)で表される分岐鎖状ポリシラン、(iii)前記式(1)〜(3)で表される構造単位の組み合わせ(例えば、前記式(1)と式(2)との組み合わせ、前記式(1)と式(3)との組み合わせ、前記式(1)と式(2)と式(3)との組み合わせなど)で構成されたポリシランなどが挙げられる。ポリシランは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記構造単位を有するポリシランにおいて、m,n,pの値は、それぞれ、例えば、2〜10000、好ましくは3〜1000、さらに好ましくは3〜500(例えば、3〜100)程度であってもよい。なお、前記式(1)で表される環状ポリシランでは、mの値が12以下(例えば、3〜12、好ましくは4〜12、さらに好ましくは5〜10程度)程度であってもよい。また、前記式(2)又は(3)で表される構造単位を有するポリシランにおいて、n又はpは、前記範囲(特に2〜100、好ましくは2〜50程度)から適当に選択できる。さらに、m+n+pの値は、例えば、2〜10000、好ましくは3〜1000(例えば、5〜1000)、さらに好ましくは5〜500(例えば、5〜100)程度である。また、前記ポリシランは、共重合体であってもよい。
前記式(1)〜(3)で表される構造単位の末端基は、前記置換基R1、R2又はR3で構成してもよく、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)や、前記置換基R1、R2又はR3などで置換されたシリル基などで構成してもよい。
好ましいポリシランは、前記式(1)において、置換基R1、R2のうち少なくとも一方がアリール基(特にフェニル基)である直鎖状又は環状ポリシラン(例えば、ポリメチルフェニルシランなど)である。直鎖状ポリシラン(ユニット)では、末端基を前記不活性基(トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など)などで構成してもよい。
なお、ポリシランとしては、例えば、その化学構造、製造方法が開示されている特開平4−218561号公報などに記載されているものを使用してもよく、市販品を用いてもよい。
(ポリシラン化合物(b))
親和性を有するユニットを含むポリシラン化合物(b)は、前記のように、ポリシラン(ポリシランユニット)と、このポリシランに結合し、前記金属化合物(又は金属化合物を構成する金属原子)及び/又は金属微粒子(詳細には前記金属化合物が還元されて生成した金属微粒子)に対する親和性を有するユニット(以下、親和性ユニットということがある)とで構成されている。
このような親和性ユニット(又は重合体ユニット)を有するポリシラン化合物を使用すると、金属微粒子の生成効率や安定性を高めることができる。詳細には、前記組成物において、ポリシラン化合物が金属化合物に対して親和性を有していると、金属化合物に対してポリシラン化合物を効率よく近接させることができ、金属化合物に対するポリシラン化合物の分解物の還元作用(還元効率)をより一層向上でき、ナノメータ(nm)サイズの金属微粒子を効率よく生成できる。また、ポリシラン化合物が金属微粒子に対して親和性を有していると、前記親和性ユニット(およびポリシランの分解物)が、光還元により生成した金属微粒子の近傍に直ちに存在して、金属微粒子を安定化(又は保護)する(すなわち、遊離の金属微粒子が存在しない)ためか、金属微粒子の凝集を効率よく抑制でき、長期保存性を一層向上させる。さらに、ポリシランの分解物も金属微粒子の外側を被覆することも予想され、保存性を高める要因の一つになるものと考えられる。ポリシラン化合物(b)は、金属化合物及び金属微粒子のうち少なくとも一方に対する親和性を有していればよいが、通常、少なくとも金属微粒子に対する親和性を有している場合が多い。
親和性ユニットは、金属化合物(又は金属化合物を構成する金属原子)や金属微粒子(又は金属原子)に対する親和性基(又は錯塩形成性基)で構成できる。このような親和性基としては、例えば、窒素原子含有基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)などのアミノ基、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基など)など]、酸素原子含有基[エーテル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1-6アルコキシ基、好ましくはC1-4アルコキシ基、特にC1-2アルコキシ基)、ホルミル基、ケトン基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子含有基[チオ基(−S−)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1-4アルキルチオ基など)、スルホ基など]、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子など)などが例示できる。親和性基は、塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)を形成していてもよい。親和性ユニットは、これらの親和性基を単独で又は2種以上組み合わせて含んでいてもよい。なお、親和性ユニットは、親和性基で構成されていればよく、親和性基であってもよく、親和性基を含む基であってもよい。
親和性ユニットは、前述のように、ポリシランに結合(又は導入)されていればよい。具体的なポリシラン化合物(b)としては、例えば、(b1)ポリシラン[又はその構成モノマー(シラン化合物など)]と、前記親和性ユニットを含むビニル単量体との共重合体(ポリシラン共重合体)、(b2)ポリシランを構成するケイ素原子に、直接的に又は側鎖(前記基R1、R2、R3など)を介して、前記親和性ユニット(又は親和性ユニットを含む基)が結合したポリシランなどが挙げられる。好ましいポリシラン化合物(b)は、ポリシランに対する導入が比較的容易であるなどの観点から、ポリシラン共重合体(b1)である。しかも、前記ビニル単量体は、合成が比較的容易であり、しかも通常、市販されている場合が多く、商品化するのに好都合である。
ポリシラン共重合体(b1)において、ビニル単量体は、前記金属化合物の種類や、前記金属微粒子(又は金属化合物)に対する親和性などに応じて適宜選択できる。このようなビニル単量体としては、ポリシランとの共重合体を形成でき、前記親和性ユニットを有している限り特に限定されないが、例えば、窒素原子含有単量体、酸素原子含有単量体、硫黄原子含有単量体などが例示できる。好ましいビニル単量体には、アミド基、アミノ基(又は置換アミノ基)、窒素環基、アシル基、アルコキシ基、エーテル基(環状エーテル基など)、カルボキシル基、チオ基及びスルホン酸基から選択された少なくとも1種の基(親和性基)を有する単量体などが挙げられる。
なお、親和性基又は親和性ユニットを有する(メタ)アクリル系単量体は、(1)比較的容易に共重合比を制御できる(例えば、紫外光の照射量により共重合比を制御できる)、(2)高収率で得られる、(3)金属微粒子(金属コロイド)を効果的な保護できるなどの点において優れているので好適に用いることができる。
以下に、代表的なビニル単量体(窒素原子含有単量体、酸素原子含有単量体、硫黄原子含有単量体)を例示する。
窒素原子含有単量体には、アミド基含有単量体、アミノ基(又は置換アミノ基)含有単量体、窒素環基含有単量体などが含まれる。
アミド基含有単量体としては、(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド[例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノ又はジC1-4アルキル(メタ)アクリルアミド]、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノ又はジC1-4アルキルアミノC1-4アルキル(メタ)アクリルアミドなど]などが挙げられる。(メタ)アクリルアミド系単量体[特に、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジC1-4アルキル(メタ)アクリルアミド]は、ポリシランとの反応性が高い。また、N,N−ジC1-4アルキル(メタ)アクリルアミド[特に、N,N-ジメチルアクリルアミド]を用いると、粒径がナノメータサイズ(例えば、10nm以下)の分散性に優れた金属微粒子(例えば、金ナノ粒子)を効率よく生成できる。
アミノ基(又は置換アミノ基)含有単量体としては、アミノ基含有(メタ)アクリル系単量体、例えば、アミノアルキル(メタ)アクリレート[例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレートなどのN−モノ又はジC1-4アルキルアミノC1-4アルキル(メタ)アクリレートなど];(メタ)アクリロイルモルホリンなどが例示できる。
窒素環基含有単量体としては、ピリジン基を有するビニルモノマー(2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジンなど)、カルバゾール基を有するビニルモノマー(N−ビニルカルバゾール)などの環状アミノ基含有単量体などが例示できる。ピリジン基を有するビニルモノマーは、金属原子、特に金原子に効果的に吸着し、生成した金ナノ粒子を安定化するので用いるのが好ましい。2−ビニルピリジンおよび4−ビニルピリジンは市販されており、ポリシランとの共重合体を安価に提供することが可能である。特に、4−ビニルピリジンは、田中らがLangmuir、19巻、3103頁(2003年)に記載しているように、ポリマーシート上に均一に分散することが可能であり好適に使用できる。また、カルバゾール基を有するビニルモノマーは、第三級アミノ基を有し、金属微粒子(金属ナノ粒子)を有効に保護できる。特に、N−ビニルカルバゾールは市販されており、しかも光伝導性を有しているので、金属微粒子(金属ナノ粒子)に新たな光機能性を付与することも可能できる。
酸素原子含有単量体としては、アシル基含有単量体、アルコキシ基含有単量体、エーテル基含有単量体(環状エーテル基含有単量体など)、カルボキシル基含有単量体などが例示できる。
アシル基含有単量体としては、アシル基含有(メタ)アクリル系単量体、例えば、アシルアセトキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどの(C2-4アシルアセチルオキシ)C2-4アルキル(メタ)アクリレートなど]などのアシルアセト基(2−アシルアセト基)基含有(メタ)アクリル系単量体などが例示できる。アセトアセトキシ基などの金属原子の配位子となりうる官能基は、金属微粒子(金属ナノ粒子)を化学的に安定化するので有効である。特に、2−(アセトアセトキシ)アルキルメタクリレートは、金属原子に効果的に配位し、金属微粒子(金属ナノ粒子)を高収率で生成できる。また、2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレートは安価な値段で市販されているので工業化又は産業化しやすい。
アルコキシ基含有単量体には、金属アルコキシド含有単量体、アルコキシスチレン(例えば、4−メトキシスチレンなどのC1-4アルコキシスチレンなど)などが含まれる。金属アルコキシド含有単量体としては、(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するジアルコキシシラン(例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシC2-4アルキルC1-4アルキルジC1-4アルコキシシランなど)、(メタ)アクリロイル基を有するトリアルコキシシラン[例えば、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシC2-4アルキルトリC1-4アルコキシシラン;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの(メタ)アクリロイルオキシC2-4アルキルトリ(C1-4アルコキシC2-4アルコキシ)シラン;N−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどの[(メタ)アクリロイルオキシC2-4アルキル]アミノC2-4アルキルトリアルコキシシランなど]などが挙げられる。
金属アルコキシドを含有する(メタ)アクリルモノマーは、金属微粒子(金属ナノ粒子)の表面を金属酸化物で被覆することにより金属微粒子を安定化できる。また、(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン類(例えば、メタクリロキシアルキルアルコキシシラン類)は、光重合によりポリシランとのブロック共重合体を効率よく合成できる。例えば、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランは市販されている。とりわけ3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランは、金属微粒子の保存安定性が高く、工業化又は産業化に有利である。また、アルコキシスチレンは、酸素分子に存在する孤立電子対が、金属微粒子(金属ナノ粒子)に配位するため、金属微粒子を効率よく安定化することができる。また、アルコキシスチレン(4−アルコキシスチレンなど)は溶媒に可溶であるため好適に用いることができ、特に4−メトキシスチレンは市販されているので工業化又は産業化しやすい。
エーテル基含有単量体としては、環状エーテル基含有単量体(例えば、3−ビニルベンジルテトラヒドロフルフリルエーテルなどのC4-8環状エーテル基を有するビニルモノマーなど)などが例示できる。このようなエーテル基含有単量体は、アルコキシスチレンなどと同様に酸素分子に存在する孤立電子対が金属微粒子(金属ナノ粒子)に配位可能であるため、金属微粒子を効率よく安定化できる。特に、3−ビニルベンジルテトラヒドロフルフリルエーテルは市販されており好適に用いることができる。
カルボキシル基含有単量体としては、重合性不飽和カルボン酸(又はその塩)、例えば、アルケンカルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ブテン酸などのC3-6アルケンカルボン酸など)、ビニル基含有芳香族カルボン酸(例えば、4-ビニル安息香酸などのビニルC6-10芳香族カルボン酸など)又はその塩(4-ビニル安息香酸ナトリウムなどのアルカリ又はアルカリ土類金属塩など)などが例示できる。このようなカルボキシル基含有単量体は、金属原子を効果的に吸着できる。また、ビニル安息香酸又はビニル安息香酸塩を含有するビニルモノマーは、パターニングの際の現像性を効率よく向上できる。特に、4−ビニル安息香酸もしくは4−ビニル安息香酸ナトリウムは市販されており、ポリシランとの共重合体を安価に提供できる。また、ポリアクリル酸(又はその塩)は、S. JolyらがLangmuir、16巻、1354頁(2000年)に記載のように、銀ナノ粒子を効果的に捕捉しポリマーフィルム上に銀ナノ粒子の積層膜を形成可能である。そのため、ポリアクリル酸単位を有するポリシラン化合物を使用すると、電子デバイスなどに利用可能な金属微粒子を好適に得ることができる。
また、酸素原子含有単量体は、ヒドロシル基含有単量体又は加水分解によりヒドロキシル基を生成する単量体などであってもよい。例えば、前記ポリシラン共重合体(b1)は、ポリビニルアルコールとポリシランとのブロック共重合体(詳細には、酢酸ビニルとポリシランとのブロック共重合体のケン化物)などであってもよい。このようなビニルアルコール単位もまた、金属微粒子(金属ナノ粒子)を効率よく安定化できる。
硫黄原子含有単量体としては、チオ基含有単量体{アルキルチオアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(メチルチオ)エチル(メタ)アクリレートなどの(C1-4アルキルチオ)C1-4アルキル(メタ)アクリレート]などのチオ基含有(メタ)アクリル系単量体など}、スルホン酸基含有単量体(例えば、スチレンスルホン酸(4−スチレンスルホン酸など)などのC6-10芳香族ビニルスルホン酸など)又はその塩(スチレンスルホン酸ナトリウムなどのアルカリ又はアルカリ土類金属塩など)などが例示できる。硫黄原子は金属原子との化学吸着を通じて金属ナノ粒子の凝集を抑制効率よく抑制できる。また、硫黄原子を含有する(メタ)アクリルモノマー(特に、2−(アルキルチオ)アルキル(メタ)アクリレート)はポリシランとの反応性が高く、ポリシランとの共重合体を容易に合成できる。特に、2−(アルキルチオ)アルキル(メタ)アクリレートは安価な値段で市販されているので産業化しやすい。また、スルホン酸又はスルホン酸塩を有するビニルモノマーは、金属原子を効果的に吸着できる。特に、スチレンスルホン酸又はスチレンスルホン酸ナトリウムは、金属イオン、特に銀イオンを効果的に捕捉し、しかも安価に入手することができる。
ビニル単量体は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
ポリシラン共重合体(b1)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、くし型コポリマーなどであってもよいが、通常、ブロック共重合体[すなわち、ポリシラン(ポリシランブロック)と、ビニル単量体ブロックとで構成されたポリシランブロック共重合体]である場合が多い。ブロック共重合体の構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。
ポリシラン共重合体(特に、ポリシランブロック重合体)において、ポリシラン(又はポリシランユニット)の割合は、ポリシラン共重合体の構成モノマー[ポリシランを構成するモノマー(又はポリシランを構成するケイ素原子)およびビニル単量体]全体に対して、例えば、5〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜80モル%(例えば、30〜80モル%)程度であってもよい。
ポリシラン化合物(ポリシラン、ポリシラン共重合体など)の数平均分子量は、例えば、1000〜100000、好ましくは2000〜50000、さらに好ましくは3000〜30000程度であってもよい。また、ポリシラン共重合体(ポリシランブロック共重合体など)において、前記ポリシラン(ポリシランブロックなど)の数平均分子量は、例えば、300〜50000、好ましくは500〜40000、さらに好ましくは1000〜30000程度であってもよい。
前記ポリシラン化合物は、種々の方法を用いて調製できる。ポリシランユニットのみで構成されたポリシラン化合物(a)(すなわち、ポリシラン)は、それぞれの構造単位(前記式(1)〜(3)で表される単位など)を有するモノマーを原料とする種々の調製方法、例えば、マグネシウムを還元剤としてハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「マグネシウム還元法」、例えば、国際公開番号WO98/29476号公報など);アルカリ金属の存在下でハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(例えば、「キッピング法」J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,23,3423(1990));電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1161(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,897(1992));金属触媒の存在下でヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4−334551号公報);ビフェニルなどで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Macromolecules,23,4494(1990));環状シラン類の開環重合による方法により調製できる。
なお、前記式(1)で表されるポリシランのうち、環状ポリシランは、例えば、直鎖状ポリシランの合成過程で一部を環化させることにより得てもよい。また、環状ポリシランは、前記ポリシランの分子内環化反応、例えば、ポリシランの末端同士が自己縮合する分子内縮合反応(分子内脱ハロゲン反応など)による方法などにより得てもよい。さらに、末端基を封鎖したポリシランは、例えば、前記の方法でポリシランを調製したポリシランと、対応する封鎖剤(ハロシラン類、シリルトリフラート類、シラン類などのシリル化合物)とを反応させることにより調製できる。
また、親和性ユニットを含むポリシラン化合物(b)の調製方法は、特に限定されず、種々の合成化学的手法を用いて調製できる。例えば、ポリシラン共重合体(b1)(ポリシランブロック共重合体)は、ポリシラン(例えば、前記方法などにより調製したポリシラン)を、ビニル単量体の光ラジカル重合開始剤として利用することにより、ポリシランとビニル単量体[(メタ)アクリル系モノマーなど]とのブロック共重合体を合成する方法(例えば、Polymer 第43巻、1549頁に記載の方法など)などを利用してもよい。特に、(メタ)アクリルモノマーは、ポリシランとのブロック共重合体を光重合により容易に合成することができる。このような方法は、簡便であり、経済的な観点から好適に利用できる。
さらに、親和性ユニットが結合したポリシラン(b2)は、前記ポリシランの調製方法において、ケイ素原子に結合した親水性ユニットを有するモノマー(シラン化合物)を予め使用する方法、ポリシランの反応性置換基(ヒドロキシル基など)と結合形成可能な官能基および前記親和性ユニットを有する化合物と、ポリシランとを慣用の方法を用いて反応(化学結合)させる方法などにより調製してもよい。
[金属化合物]
金属化合物は、還元により前記金属微粒子(又は金属微粒子を構成する金属)を生成可能な化合物(すなわち、金属原子の酸化数が正である金属化合物)であれば特に限定されず、通常、金属塩である場合が多い。
このような金属化合物(又は金属塩)としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物(金属塩化物など)、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、塩酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などが例示できる。金属塩の形態は、単塩、複塩、又は錯塩(電解質錯体又は非電解質錯体、通常、電解質錯体)であってもよく、多量体(例えば、2量体)などであってもよい。また、金属化合物(金属塩)は、例えば、酸成分[塩化水素(HCl)など]、塩基成分(アンモニアなど)、水(H2O)などを含有する化合物(例えば、含ハロゲン化水素化合物、含水物、水和物など)であってもよい。金属化合物は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、金属化合物は、金属微粒子を生成可能であれば特に限定されず、金属(又は金属原子)で構成できる。本発明において、金属化合物は、周期表第8〜11族金属(すなわち、鉄、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金など)で好適に構成でき、特に、貴金属(銀、金、白金、ルテニウムなど)で構成してもよい。金属化合物は、これらの金属原子を単独で又は2種以上含んでいてもよい。
具体的な金属化合物としては、周期表第8〜11族金属化合物(又は金属塩)、例えば、周期表第8〜11族金属酸塩{無機酸塩[例えば、硝酸銀(AgNO3)などの貴金属硝酸塩などの貴金属無機酸塩]、有機酸塩[例えば、酢酸パラジウム(Pd(CH3CO22など)、酢酸ルテニウム([Rh(CH3CO222など)などの貴金属酢酸塩などの貴金属有機酸塩]など}、周期第8〜11族金属ハロゲン化物{貴金属ハロゲン化物[例えば、塩化金(AuCl3)、塩化白金(PtCl2、PtCl4など)、塩化パラジウム(PdCl2など)などの貴金属塩化物など]、酸成分含有金属(周期第8〜11族金属など)ハロゲン化物[例えば、塩化金酸(HAuCl4など)、塩化白金酸(H2PtCl6など)などの塩化貴金属酸などの塩化水素含有貴金属ハロゲン化物]、これらの水和物など}などが例示できる。
以下に、周期表第11族金属のうち、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウムについて、代表的な金属化合物を例示する。
金化合物としては、金ハロゲン化物(AuCl、AuCl3、AuBr3、AuI、AuI3など)、ハロゲン化金酸又はその塩(HAuCl4、HAuCl4・4H2O、NaAuCl4・4H2O、KAuCl4・4H2Oなど)、水酸化金(AuOH)、シアン化金(AuCN)、酸化金(Au23など)、硫化金(Au2S、Au23(III)など)などの無機塩が挙げられる。HAuCl4・4H2Oは、テトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒に可溶であり、好適に使用してもよい。
銀化合物としては、無機塩[例えば、AgF、AgCl、AgI、AgBrなどの銀ハロゲン化物、Ag2Oなどの酸化銀、Ag2SO4、AgS、AgCN、AgClO4、Ag3PO4、AgSCN、AgNO3、Ag2SO3、Ag2CO3、Ag2CrO4、Ag2Se、AgReO4、AgBF4、AgW416、Ag3AsO4、AgSbF6、AgPF6、AgHF2、AgIO3、AgBrO3、AgOCN、AgMnO4、AgVO3などの無機酸塩など]、有機塩(又は錯体)[例えば、C65CO2Ag、C611(CH23CO2Ag、CH3CH(OH)CO2Ag、トリフルオロ酢酸銀(CF3CO2Ag)、C25CO2Ag、C37CO2Ag、AgO2CCH2C(OH)(CO2Ag)CH2CO2Agなどのカルボン酸塩、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀(CF3SO3Ag)などのスルホン酸塩、(CH3COCH=C(O−)CH3)Ag、(C252NCS2Agなど]などが挙げられる。なお、硝酸銀(AgNO3)は、安価で入手でき、好適に用いることができる。
銅化合物としては、無機塩[例えば、Cu2O、CuO、Cu(OH)2、CuF2、CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuIなどの銅ハロゲン化物、CuCO3、CuCN、Cu(NO32、Cu(ClO42、Cu227、Cu2Se、CuSe、CuSeO3、CuSO4、Cu2S、CuS、Cu(BF42、Cu2HgI4、CuSCN、(CF3CO22Cu、(CF3SO32Cu、CuWO4、Cu2(OH)PO4などの無機酸塩など]、有機塩(又は錯体)[例えば、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、[C611(CH23CO22Cu、[CH3(CH23CH(C25)CO22Cu、(HCO22Cu、[HOCH2[CH(OH)]4CO22Cuなどのカルボン酸塩、(CH3COCH=C(O−)CH3)Cu、CH3(CH23SCu、(CH3O)2Cuなど]などが挙げられる。なお、酢酸銅は、テトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒に可溶であり、好適に用いることができる。
白金化合物としては、無機塩[例えば、PtO2、PtCl2、PtCl4、PtBr2、PtBr4、PtI2、PtI5などの白金ハロゲン化物、HPtCl6・2H2Oなどのハロゲン化白金酸、PtS2、Pt(CN)2など]、有機塩(又は錯体)[例えば、(CH3COCH=C(O−)CH3)Pt、(C65CN)2PtCl2など]などが挙げられる。なお、HPtCl6・2H2Oは、テトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒に可溶であり、好適に用いることができる。
パラジウム化合物としては、無機塩[例えば、PdO、PdCl2、PdBr2、PdI2、などのハロゲン化パラジウム、PdCN2、Pd(NO32、PdS、PdSO4、K2Pd(S232・H2O、塩化パラジウム酸など]、有機塩(又は錯体)[例えば、Pd(CH3CO2)、プロピオン酸パラジウム(II)、(CF3CO22Pdなどのカルボン酸塩、(CH3COCH=C(O−)CH3)Pd、(C65CN)2PdCl2など]などが例示できる。なお、Pd(CH3CO22は、テトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒に可溶であり、好適に用いることができる。
ロジウム化合物としては、無機塩[例えば、Rh23、RhO3、RhCl3、RhBr3、RhI3などのロジウムハロゲン化物、RhPO4、Rh2SO4など]、有機塩(又は錯体)[例えば、Rh(CH3CO22、(CF3CO22Rh、{[CH3(CH26CO22Rh}2、[(CF3CF2CF2CO22Rh]2、{[(CH33CCO22Rh}2などのカルボン酸塩、(CH3COCH=C(O−)CH3)Rhなど]などが挙げられる。なお、Rh(CH3CO22は、テトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒に可溶であり、好適に用いることができる。
これらの金属化合物のうち、特に、塩化金属酸{式:ACln・[HCl]m(式中、Aは金属原子、m、nは正の整数)で表される塩化水素含有金属塩化物}などの酸成分含有金属化合物(金属塩化物などの金属ハロゲン化物、特に貴金属塩化物)は、還元されやすい金属化合物であるため、ポリシラン化合物の高い還元作用と相まって、金属微粒子の生成速度を一層高め、安定性(経時安定性)の高い金属微粒子を生成できる。
本発明の組成物において、金属化合物の割合は、ポリシラン化合物の分解能や分子量などにもよるが、前記ポリシラン化合物100重量部に対して、例えば、0.5〜500重量部、好ましくは1〜400重量部、さらに好ましくは2〜200重量部(例えば、5〜150重量部)程度であってもよい。
本発明の組成物は、コーティング組成物(塗布液)として用いることもできる。コーティング組成物は、前記ポリシラン化合物および前記金属化合物で構成すればよく、無溶剤型コーティング組成物(コーティング剤)であってもよく、溶媒を含むコーティング組成物(コーティング剤)であってもよい。好ましいコーティング組成物は、溶媒を含む組成物(又は塗工液)である。溶媒としては、通常、ポリシラン化合物および金属化合物を溶解又は分散可能(特に溶解可能)な溶媒を使用できる。このような溶媒としては、ポリシラン化合物および金属化合物の種類に応じて適宜選択でき、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルキルアルコール類など)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類など)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトンなどのジアルキルケトン類など)、グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、ブトキシカルビトールアセテートなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトールなど)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルムなど)、アセタール類(アセタール、メチラールなど)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
溶媒の割合は、前記ポリシラン誘導体100重量部に対して、例えば、溶媒10〜50000重量部、好ましくは30〜10000重量部、さらに好ましくは50〜5000重量部程度であってもよい。
なお、溶媒を含む場合、前記組成物又は塗工液は、溶液の形態であってもよく、分散液の形態であってもよい。
また、本発明の組成物は、シランカップリング剤、界面活性剤(シリコーン系又はフッ素系界面活性剤など)などを含んでいてもよい。このような添加剤を添加すると、後述するように、本発明の組成物を基板(ガラス基板など)に塗布する用途に使用する場合などにおいて、基板に対する密着性を効率よく向上させたり、塗布液の溶媒の蒸発むらを低減し、塗膜の平滑・平坦性を効率よく向上させることができる。
さらに、本発明の組成物は、増感剤、レベリング剤などの成分を含んでいてもよい。増感剤としては、シリコーン樹脂、ラジカル発生剤(光ラジカル発生剤)[過酸化物(過酸化水素(過酸化水素水)、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物など)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジブチルスルフィドなどの有機硫黄化合物、ハロゲンラジカルを発生可能なラジカル発生剤(2,4,6−トリス(トリハロメチル)−1,3,5−トリアジン、など]、酸化剤(アミンオキシド、ホスフィンオキシドなど)、アセトフェノン系化合物(ジエトキシアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系化合物(ベンゾフェノンなど)、ベンゾイン系化合物(ベンゾインエチルエーテルなど)、ベンジル系化合物(ベンジルなど)、アントラキノン系化合物(アントラキノンなど)などが例示できる。増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、ポリシランの増感剤として、特開平8−262728号公報や特許第3274918号公報に記載の増感剤(光ラジカル発生剤、酸化剤など)を好適に使用してもよい。このような成分を添加することにより、ポリシラン化合物の分解感度(分解性)をより一層高めることができる。増感剤(又はレベリング剤)の割合は、前記ポリシラン化合物100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度であってもよい。
なお、本発明の組成物(ポリシラン組成物)は、用途(例えば、後述するように感光性樹脂組成物としての用途など)に応じて、適宜種々の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(抗酸化剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、可塑剤、界面活性剤、溶解促進剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、ゲル化剤などが例示できる。添加剤(シランカップリング剤、増感剤、安定剤など)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、本発明の組成物は、金属微粒子の生成やポリシラン化合物の還元性能を低下させない範囲であれば、他の還元剤(水素化ホウ素ナトリウムなどの慣用の還元剤など)、金属化合物(又は金属微粒子)に対する親和性を有する化合物(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの樹脂など)などを含んでいてもよい。本発明の組成物では、ポリシラン化合物が優れた還元能を有しているとともに、金属化合物(および生成した金属微粒子)に対する親和性を有しているため、このような還元剤や親和性を有する化合物を含まなくても、効率よく金属微粒子を生成可能である。
本発明の組成物の形態は、特に限定されず、例えば、粉粒状(又は粉粒状混合物)などであってもよく、前記のように、コーティング組成物(塗布液)の形態であってもよい。前記組成物(コーティング組成物)は、基板(後述する基板など)上に塗布することにより、塗膜を得ることができる。
なお、本発明の組成物は、慣用の方法、例えば、前記ポリシラン化合物と、前記金属化合物と、必要に応じて他の成分(溶媒、増感剤など)とを混合することにより調製できる。例えば、本発明の組成物は、ポリシラン化合物と前記金属化合物と[必要に応じて他の成分(増感剤など)と]を、溶媒に混合(溶解又は分散)させることにより調製してもよい。
[金属微粒子およびその製造方法]
本発明の組成物は、前記のように、金属微粒子(又は金属コロイド)の生成に好適に用いることができる。すなわち、本発明では、前記組成物の前記ポリシラン化合物を分解させて[詳細には、分解によりラジカル(シリルラジカル)を発生させて]、金属微粒子(前記金属化合物に対応する金属微粒子)を生成することができる。なお、生成した金属微粒子は、溶媒との混合物であってもよく、この混合物の形態は、例えば、溶媒(前記例示の溶媒など)に溶解した溶液、又は溶媒(前記例示の溶媒など)に分散した分散液などであってもよい。
ポリシラン化合物の分解により、金属微粒子が生成する原理は以下のようであると考えられる。ポリシラン化合物を構成するポリシランは、その主鎖にσ共役による非局在化した電子を有するので、活性エネルギー線の照射などにより分解してラジカル(シリルラジカル)を発生し、この活性種(ラジカル)が還元作用を示す。すなわち、この活性種の「光還元性」を利用することにより、比較的短時間で金属化合物を還元して金属微粒子が生成する。
このような金属微粒子を生成する方法において、ポリシラン化合物を分解させる方法としては、ポリシラン化合物が分解してラジカルを発生する限り特に限定されないが、通常、前記組成物に活性エネルギー線を作用させる(又は照射する)ことにより分解させることができる。
活性エネルギー線としては、ポリシラン(化合物)を励起して分解するのに十分なエネルギーを有するものであれば特に限定されず、例えば、活性光線(又は光線)、熱線(赤外線又は熱エネルギー)などが挙げられる。活性光線(又は光源)としては、例えば、可視光線、紫外線(近紫外線、遠紫外線、真空紫外線など)、X線などが例示できる。これらの活性光線のうち、紫外線が好ましい。活性光線は、単一波長であっても、複合波長であってもよく、混合波長であってもよい。
作用させる(又は照射する)活性光線の光源としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ(低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなど)、重水素ランプ、UVランプ、レーザー{例えば、ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマーレーザー[例えば、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、KrCl(222nm)、ArF(193nm)、ArCl(172nm)、F2(157nm)など]など}などが例示できる。
なお、照射(又は露光)エネルギーは、特に制限されないが、通常、1mJ/cm2〜100J/cm2、好ましくは10mJ/cm2〜10J/cm2程度であってもよい。また、露光時間は、0.005秒〜10分程度の範囲から選択でき、例えば、0.01秒〜1分、好ましくは0.1〜30秒、さらに好ましくは1〜20秒程度の範囲から選択できる。
また、熱線を作用させる場合、前記組成物に作用させる温度(加熱温度)は、例えば、30〜200℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは40〜100℃程度であってもよい。
活性エネルギー線は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。特に、活性光線(特に、紫外線)と熱線とを組み合わせることにより、より一層金属微粒子の生成速度や硬化速度を効率よく高めることができる。活性光線と熱線とを組み合わせる方法としては、例えば、前記組成物を加熱するとともに活性光線を照射する方法、活性光線を照射したのち加熱する方法などが挙げられる。
このような方法により得られる金属微粒子(金属微粒子を含む溶液又は分散液)は、ポリシラン化合物がラジカル生成した後の分解物が金属微粒子表面に存在している(又は金属微粒子を表面保護している)ためか、安定性又は保存性が高い。特に、ポリシラン化合物が、前記親和性基(又は親和性ユニット)を有するポリシラン化合物(前記ポリシラン共重合体など)である場合には、金属微粒子が、ポリシランの分解物のみならず、親和性基により安定化又は保護されているためか、金属微粒子の凝集を高いレベルで抑制でき、金属微粒子の安定性(長期安定性、環境安定性)又は保存性(又は長期保存性)が極めて高い。
本発明の金属微粒子の粒径(平均粒径)は、ポリシラン化合物の種類(前記親和性ユニットの種類やその有無など)に応じて、数nm(例えば、1nm)〜数μm(例えば、5μm)の範囲で適宜調整でき、例えば、1〜3000nm、好ましくは1〜2000nm、さらに好ましくは1〜1500nm程度であってもよい。特に、本発明では、ナノ粒子(金属ナノ粒子)、例えば、粒径(又は平均粒径)が、1〜1000nm(例えば、1〜800nm)、好ましくは1〜500nm(例えば、1〜300nm)、さらに好ましくは1〜200nm(例えば、1〜150nm)、特に1〜50nm(例えば、1〜30nm)程度の金属微粒子であっても効率よく生成(調製)できる。
本発明の方法(金属微粒子の生成方法)は、種々の用途に応用できる。例えば、本発明の組成物を、感光性樹脂組成物(ネガ型感光性樹脂組成物)として利用してもよい。
具体的には、基板に、前記組成物(例えば、ポリシラン化合物、金属化合物および溶媒で構成された塗布液)を塗布し、露光して金属微粒子を生成させたのち、さらに、現像し、金属微粒子を含むパターン(ネガ型パターン)を形成してもよい。すなわち、このようなパターン形成方法では、現像液に対して溶解性の金属化合物が、露光(還元)により現像液に対して非溶解性に変化する。詳細には、基板に前記組成物を塗布して塗膜とした後に、露光(光照射)を行うと、光照射により金属微粒子の生成と光架橋による硬化とが同時に又は連続的に起こり、この後に現像を行うと、未露光部は溶解除去され、金属微粒子(ナノ粒子)を含有するネガ型パターンが形成される。
基板としては、特に限定されず、例えば、シリコンウェーハー、アルミニウムなどの金属、プラスチック、ガラス、セラミックスなどが例示できる。なお、基板は、表面処理(シランカップリング剤などによる表面処理、アンカーコート剤などによるコーティング処理など)されていてもよい。本発明の組成物(感光性組成物)は、ポリシラン化合物(および金属化合物)で構成されているためか、基板(例えば、ガラス基板などの無機基板)に対する密着性が高く、簡便にかつ効率よくパターン形成できる。
前記感光性樹脂組成物は、塗布方法にもよるが、例えば、少なくともポリシラン化合物、金属化合物および溶媒で構成してもよい。感光性樹脂組成物において、溶媒は、前記例示の溶媒であればよく、特に、組成物中に含まれる各成分を良好に溶解または均一分散することが可能であり、蒸発むらなどがない平滑かつ平坦な塗膜を形成可能であり、さらには良好な保存安定性を与えることが可能であることが好ましい。このような溶媒としては、例えば、エーテル類、アセタール類、ケトン類、エステル類などが例示できる。感光性樹脂組成物において、固形分(ポリシラン化合物および金属化合物など)濃度は、固形分(ポリシラン化合物および金属化合物など)を溶解可能であれば特に限定されず、塗布方法や塗膜の厚さなどに応じて適宜調整できる。なお、感光性樹脂組成物は、成膜性を高めるため、必要に応じて、感光性樹脂組成物において用いられる慣用の樹脂[感光性樹脂(ネガ型感光性樹脂)、バインダー樹脂など]を含有していてもよい。
前記組成物を基板に塗布する方法は、膜形成が可能であれば特に限定されず、慣用の塗布法、例えば、スピンコーティング法(回転塗布法)、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、キャスト法などが利用できる。塗布装置としては、上記塗布方法に対応する装置、例えば、スピンコーター、スリットコーター、ロールコーター、バーコーターなどを使用できる。なお、塗布後、必要であれば、基板を乾燥させてもよく、ホットプレートなどを用いて基板をプリベークしてもよい。
前記組成物を塗布して得られた塗膜において、塗膜の厚みは、特に制限されず、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.01〜20μm、さらに好ましくは0.01〜5μm程度であってもよい。
露光は、前記のように、活性光線(例えば、紫外線)を照射することにより行うことができ、露光(照射)エネルギーは、前記と同様の範囲から適宜選択できる。本発明では、ポリシラン化合物の分解性(又は還元性又は感光性)が高いため、比較的短時間(例えば、1〜20秒程度)の露光時間であっても、高いパターン形成性で、簡便にかつ効率よくパターンを形成できる。露光は、マスクを介して又はマスクを介さずに行ってもよい。マスクは、通常の光リソグラフィーに用いられるマスクであれば特に限定されず使用可能であるが、紫外線による露光であればクロムマスクが有効であり、真空紫外域の光源を用いる場合にはモリブデンなどで構成された反射型ミラーを用いたマスクなどを好適に使用してもよい。マスクを使用しない場合、レーザーや電子線の直描装置などにより、露光(活性エネルギー線照射)し、基板に直接的にパターンを照射(又はパターンを形成)してもよい。なお、露光後、必要に応じて、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク,PEB)してもよい。加熱(PEB)の温度は、50〜150℃、好ましくは60〜150℃(例えば、60〜140℃)、さらに好ましくは70〜150℃(例えば、70〜130℃)程度であってもよい。
露光後、活性光線の未照射部を現像液を用いて除去することにより、前記金属微粒子(金属ナノ粒子)のネガ型パターン形状物が得られる。現像に用いる現像液(又は現像剤)は、前記感光性樹脂組成物の種類(ポリシラン化合物の種類など)に応じて、適宜選択できる。現像剤としては、未露光部分を溶解可能であれば特に限定されず、例えば、(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類、セロソルブアセテート類などが例示でき、単独で又は二種以上混合して使用できる。現像法も特に制限されず、例えば、パドル(メニスカス)法、ディップ法、スプレー法などが利用できる。このような一連のプロセスにより、露光部分の硬化および未露光部分の現像液に対する溶解が起こり、金属微粒子(組成物)のネガ型パターンが作製される。なお、現像後、硬化を完全に進行させるため、必要に応じて熱処理(加熱処理)を行ってもよい。
本発明の組成物は、金属微粒子(特に金属ナノ粒子)を生成するのに有用である。特に、汎用の還元剤や保護基を有する有機化合物などを必要とせず、しかも、活性エネルギー線を作用させるなどの簡便な方法により金属微粒子を生成できるので、金属微粒子の調製プロセスが簡便で、産業上有用である。そのため、本発明の方法に得られた金属微粒子(およびそのネガ型パターン)は、光学分野(例えば、量子エレクトロニクス分野における単電子トランジスタ、光情報処理分野における非線形光学素子)、発色剤(発色材)(例えば、塗料インクやディスプレイ用カラーフィルタなどの発色材など)、バイオ分野(臨床検査・生化学試料計測分野における免疫検査物の吸着坦持体など)などに好適に利用できる。特に、本発明の方法により得られたパターン(ネガ型パターン)は、基板に対する密着性が高いだけでなく、透明性および導電性が高く、光デバイス(電極、回路など)などに好適に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
Wurtzカップリング反応(R.D.Miller and J.Michi, Chem.Rev., 89,1359(1989)に記載の方法)により合成したポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)(数平均分子量Mn=2.6x104、分子量分布Mw/Mn=2.8)20mgおよび塩化金酸(HAuCl4)2mgを、テトラヒドロフラン(THF)2mLに溶解した。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2で照射すると、多数の黒い沈殿物である金ナノ粒子(粒径は、数百nm程度)が生成した。
(実施例2)
Polymer 第43巻、1549頁に記載の方法で、PMPSとN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)とのブロック共重合体[P(MPS−co−DMAA)](数平均分子量Mn=1.7x104、分子量分布Mw/Mn=1.8、メチルフェニルシラン(MPS)のユニット数=108、DMAAのユニット数=135)を合成した。硝酸銀(AgNO3)5mgをイソプロピルアルコール(IPA)1mLに入れ、50℃で攪拌して溶解した。このAgNO3/IPA溶液を50℃に加熱しながら、前記P(MPS−co−DMAA)20mgを含むTHF1mLの溶液を滴下した。このTHF溶液を添加すると、AgNO3/IPA溶液は、すぐに淡い黄色から茶褐色に変色し、50℃での加熱を継続すると約30分後に鶯色に変色した。得られた溶液の紫外−可視吸収スペクトルを測定したところ、400nm近傍に銀ナノ粒子によるプラズモン吸収が確認された。
(実施例3)
実施例2で得られたポリシラン共重合体[P(MPS−co−DMAA)]20mgおよび塩化金酸(HAuCl4)2mgを、THF2mLに溶解し、2時間攪拌した。THF溶液の色は、このような攪拌によっても、黄色から変化せず、実施例1のような部分的な金ナノ粒子の凝集(又は生成)は抑制されていた。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2で照射すると、溶液の色が黄色から赤色に変化した。得られた溶液の紫外−可視吸収スペクトルを測定したところ、525nm近傍に金ナノ粒子によるプラズモン吸収が確認された。図1に、得られた金ナノ粒子(金ナノ粒子を含むTHF溶液)の紫外−可視吸収スペクトルを示す。このように、実施例3では、PMPSを用いた場合に比べて、金ナノ粒子の凝集は抑制されていた。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)の画像および光散乱測定の結果から、生成した金ナノ粒子の粒径は約5nmであることが確認された。図2に、得られた金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像(写真)を示す。さらに、得られた金ナノ粒子を3ヶ月間保存したが、金ナノ粒子の極度な凝集は起こらなかった。
(実施例4)
Polymer 第43巻、1549頁に記載の方法で合成したPMPSと2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート(AAEM)とのブロック共重合体[P(MPS−co−AAEM)](数平均分子量Mn=2.1x104、分子量分布Mw/Mn=2.2、メチルフェニルシラン(MPS)のユニット数=172、AAEMのユニット数=64)20mgおよび塩化金酸(HAuCl4)2mgを、THF2mLに溶解し、2時間攪拌した。THF溶液の色は、このような攪拌によっても、実施例1のような金の凝集は抑制されており、黄色から変化しなかった。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2で照射すると、溶液の色が黄色から赤色に変化した。得られた溶液の紫外−可視吸収スペクトルを測定したところ、530nmに金ナノ粒子のプラズモンによる吸収が観測された。また、透過型電子顕微鏡(TEM)および光散乱測定の結果から、生成した金ナノ粒子の粒径は、約10nmであることが確認された。
(実施例5)
Polymer 第43巻、1549頁に記載の方法で合成したPMPSと2−(メチルチオ)エチルメタクルレート(MTEM)とのブロック共重合体[P(MPS−co−MTEM)](数平均分子量Mn=8.3x103、分子量分布Mw/Mn=1.6、メチルフェニルシラン(MPS)のユニット数=63、MTEMのユニット数=21)20mgと塩化金酸(HAuCl4)2mgをTHF2mLに溶解し、2時間攪拌した。THF溶液の色は、このような攪拌によっても、実施例1のような金の凝集は抑制されており、黄色から変化しなかった。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2照射すると、溶液の色が黄色から赤橙色に変化した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)および光散乱測定の結果から、生成した金ナノ粒子の粒径は、約100nmであることが確認された。
(実施例6)
実施例2で得られたポリシラン共重合体であるP(MPS−co−DMAA)および塩化白金酸(H2PtCl6)2mgをTHF2mLに溶解し、2時間攪拌した。THF溶液の色は、このような攪拌によっても、実施例1のような白金の凝集は抑制されており、黄色から変化しなかった。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2で照射すると、溶液の色が黄色から黄土色に変化した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)の結果から生成した白金ナノ粒子の粒径は100〜200nmであることが確認された。
(実施例7)
実施例3で得られたP(MPS−co−DMAA)および塩化金酸(HAuCl4)を含むTHF溶液を、ガラス基板に、2000回転、30秒の条件で回転塗布した。このTHF溶液を塗布した基板に、100μmの櫛型パターンを有するクロムマスクを通して、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)用いて、140mW/cm2、7秒の条件で露光した。そして、この基板を、120℃で30分間加熱した後に、IPA/メチルイソブチルケトン(MIBK)混合溶液(IPA/MIBK(体積比)=2/1)で現像することにより、金ナノ粒子を含有する100μmの櫛型パターンを得た。図3に、得られた櫛形パターンの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
(実施例8)
Polymer 第43巻、1549頁に記載の方法で合成したPMPSと2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート(AAEM)とのブロック共重合体(P(MPS−co−AAEM))(数平均分子量Mn=2.1x104、分子量分布Mw/Mn=2.2、メチルフェニルシラン(MPS)のユニット数=172、AAEMのユニット数=64)20mgと酢酸パラジウム[Pd(CH3CO22]2mgをTHF2mlに溶解し1時間攪拌した。攪拌により、THF溶液の色は茶褐色からこげ茶色に変色した。このTHF溶液に、高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「ウシオSP−V」)を用いて、紫外線をエネルギー1J/cm2で照射してポリシランを分解させて、パラジウムナノ粒子を得た。透過型電子顕微鏡(TEM)の結果から生成したパラジウムナノ粒子の粒径は約5nmであることが確認された。また、前記THF溶液をガラス基板にスピンコートした。続いて、紫外光(300mJ/cm2)を100μmのL&S(ラインアンドスペース)を有するクロムマスクを通して照射した後、ヘキサンで現像を行うと、100μmのL&Sのネガ型のパラジウムパターンが形成された。
(実施例9)
酢酸パラジウムを、酢酸ロジウム[Rh(CH3CO22]に代える以外は実施例8と同様にして、ロジウムナノ粒子を得た。透過型電子顕微鏡(TEM)の結果から生成したロジウムナノ粒子の粒径は約10nmであることが確認された。
(実施例10)
P(MPS−co−AAEM)を、PMPSと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとのブロック共重合体(数平均分子量Mn=1.5x104、メチルフェニルシラン(MPS)のユニット数=140、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランのユニット数=30)に代える以外は、実施例3と同様にして金ナノ粒子を得た。透過型電子顕微鏡(TEM)の結果から生成した金ナノ粒子の粒径は約50nmであることが確認された。
図1は、実施例3で得られた金ナノ粒子を含むTHF溶液の紫外−可視吸収スペクトルである。 図2は、実施例3で得られた金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図3は、実施例7で得られた櫛形パターンの透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。

Claims (13)

  1. 金属微粒子を生成するための組成物であって、ポリシラン化合物と、還元により前記金属微粒子を生成可能な金属化合物とで構成された組成物。
  2. ポリシラン化合物が、ポリシランと、金属化合物及び/又は金属微粒子に対する親和性を有するユニットを含むビニル単量体との共重合体である請求項1記載の組成物。
  3. ビニル単量体が、アミド基、アミノ基、窒素環基、アシル基、アルコキシ基、エーテル基、カルボキシル基、チオ基及びスルホン酸基から選択された少なくとも1種の基を有する単量体である請求項2記載の組成物。
  4. 金属化合物が、周期表第8〜11族金属で構成されている請求項1記載の組成物。
  5. 金属化合物が、塩化貴金属酸である請求項1記載の組成物。
  6. 金属化合物の割合が、ポリシラン化合物100重量部に対して、1〜400重量部である請求項1記載の組成物。
  7. 請求項1記載の組成物を基板上に塗布して得られる塗膜。
  8. 請求項1記載の組成物に、活性エネルギー線を作用させることによりポリシラン化合物を分解させて、金属微粒子を生成する方法。
  9. 活性エネルギー線が、紫外線および熱線から選択された少なくとも1種である請求項8記載の方法。
  10. 基板に、請求項1記載の組成物を塗布し、露光して金属微粒子を生成させたのち、さらに、現像し、金属微粒子を含むパターンを形成する請求項8記載の方法。
  11. 請求項8記載の方法により得られる金属微粒子。
  12. ナノ粒子である請求項11記載の金属微粒子。
  13. 請求項10記載の方法により得られるパターン。
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