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JP2005206790A - 撥水撥油防汚処理剤とその製造方法 - Google Patents

撥水撥油防汚処理剤とその製造方法 Download PDF

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JP2005206790A JP2004265339A JP2004265339A JP2005206790A JP 2005206790 A JP2005206790 A JP 2005206790A JP 2004265339 A JP2004265339 A JP 2004265339A JP 2004265339 A JP2004265339 A JP 2004265339A JP 2005206790 A JP2005206790 A JP 2005206790A
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小川  一文
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Abstract

【課題】 従来のクロロシラン系の撥水撥油防汚化学吸着剤は、膜と基材表面との化学結合のみを用いるため、そのまま用いると、被膜の耐摩耗性や耐水性が乏しいという課題があった。また、製膜に基材表面の活性水素基とクロロシリル基の脱塩酸反応を用いているため塩酸が発生して、大気中で使用できないという課題があった。
【解決手段】 前記課題を解決するため、本発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質と非水系有機溶媒で構成する。また、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒と非水系有機溶媒で構成する。さらにまた、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒と非水系有機溶媒で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撥水撥油防汚処理剤とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、基材表面と化学結合した撥水撥油防汚膜の作製に用いる撥水撥油防汚処理剤とその製造方法に関するものである。
一般にフッ化炭素基含有クロロシラン系の吸着剤と非水系の有機溶媒よりなる化学吸着液を用い、液相で化学吸着して単分子膜状の撥水撥油防汚性化学吸着膜を形成できることはすでによく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような溶液中での化学吸着単分子膜の製造原理は、基材表面の水酸基などの活性水素とクロロシラン系の吸着剤のクロロシリル基との脱塩酸反応を用いて単分子膜を形成することにある。
特開平05−193056号 公報
しかしながら、従来のクロロシラン系の撥水撥油防汚化学吸着剤は、膜と基材表面との化学結合のみを用いるため、そのまま用いると、被膜の耐摩耗性や耐水性が乏しいという課題があった。
また、製膜に基材表面の活性水素基とクロロシリル基の脱塩酸反応を用いているため多量の塩酸が発生して、大気中で使用できないという大きな欠点があった。
本発明は、従来のようなクロロシラン系界面活性剤を用いても、耐摩耗性や耐水性に優れた撥水撥油防汚膜が形成可能な撥水撥油防汚処理剤とその製造方法を提供することを目的とする。
また、被膜形成時に塩酸ガスの発生が無いかあるいは極めて少なく、通常の空気雰囲気中での製膜が可能な撥水撥油防汚処理剤とその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、第1番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質と、非水系有機溶媒を含むことを特徴とする。
前記第1番目の発明の撥水撥油防汚処理剤を用いれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良でき、耐摩耗性や耐候性、すなわち耐久性に優れ、且つ水切り特性(離水性、あるいは滑水性ともいう。)に優れた撥水撥油防汚性被膜を作製できる。
フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質あるいはアルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜20:1にしておくこと、被膜の耐摩耗性と撥水撥油性を付与する上で都合がよい。
なお、このとき、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3または[CF3−(CF2−(CH−SiCl、[CF3−(CF2−(CH−SiCl(nは0又は16以下の整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)、またはアルコキシシリル基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)(OA)(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いると、被膜の耐摩耗性と撥水撥油性を付与する上でさらに都合がよい。
第2番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈することを特徴とする。
前記第2番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、クロロシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ上で都合がよい。
また、乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が5%以下の空気を用いると、クロロシリル基の反応を抑え安定に混合する上でさらに都合がよい。
第3番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質と、非水系有機溶媒を含むことを特徴とする。
前記第3番目の発明の撥水撥油防汚処理剤を用いれば、クロロシラン系の界面活性剤を用いた場合に比べ塩酸の発生がない、あるいは少ないので、空気中での使用が可能となる。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3または[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用いると作成した被膜の撥水撥油防汚効果を向上する上で都合がよい。
このとき、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を、あるいはシラノール縮合触媒の代わりにクロロシリル基を含む物質を用いるとポットライフの安定した撥水撥油防汚処理剤を提供する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
第4番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを特徴とする。
前記第4番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、アルコキシシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ上で都合がよい。
また、乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下の空気を用いると、アルコキシシリル基の反応を抑え安定に混合する上でさらに都合がよい。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
第5番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質と、非水系有機溶媒を含むことを特徴とする。
前記第5番目の発明の撥水撥油防汚処理剤を用いれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良でき、耐摩耗性や耐候性、すなわち耐久性に優れ、且つ水切り特性(離水性、あるいは滑水性ともいう。)に優れた撥水撥油防汚性被膜を作成できる。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3または[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いると、作成した被膜の撥水撥油防汚効果および耐摩耗性を向上する上で都合がよい。
このとき、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を、あるいはシラノール縮合触媒の代わりにクロロシリル基を含む物質用いるとポットライフの安定した撥水撥油防汚処理剤を提供する上で都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜20:1にしておくと、作成した被膜の撥水撥油防汚効果および耐摩耗性をさらに向上する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
第6番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを特徴とする。
前記第6番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、アルコキシシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ上で都合がよい。
また、乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下の空気を用いると、アルコキシシリル基の反応を抑え安定に混合する上でさらに都合がよい。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに反応速度を速くできて撥水処理時間を短縮する上で都合がよい。
以上説明したように、第1番目および第2番目の発明の撥水撥油防汚処理剤およびその製造方法を用いれば、従来のようなクロロシラン系界面活性剤を用いても、耐摩耗性や耐水性に優れた撥水撥油防汚膜を形成できる効果がある。
また第3番目乃至第6番目の発明の撥水撥油防汚処理剤およびその製造方法を用いれば、被膜形成時に塩酸ガスの発生が無くあるいは少なく、通常の空気雰囲気中での製膜が可能となる効果がある。
本発明は、耐久性が高く且つ撥水撥油防汚機能が高い撥水撥油防汚処理膜を形成できる撥水撥油防汚処理剤およびその製造方法を提供するものである。
第1番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質と、と非水系有機溶媒を含む処理剤である。
前記第1番目の発明の撥水撥油防汚処理剤では、従来のクロロシリル基を主成分とする物質を含まない撥水撥油防汚処理剤で形成される被膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、耐摩耗性や耐候性、すなわち耐久性に優れ、且つ離水性(滑水性ともいう。)に優れた撥水撥油防汚性被膜を形成できる撥水撥油防汚処理剤を提供できる作用がある。
なお、このとき、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3あるいは[CF3−(CF2−(CH−SiCl、[CF3−(CF2−(CH−SiCl(nは0又は16以下の整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)またはアルコキシシリル基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)(OA)(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いると、耐摩耗性と撥水撥油性に優れた被膜を形成できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜20:1(より好ましくは、1:3〜3:1)にしておくこと、被膜に耐摩耗性と撥水撥油性を付与できる作用がある。
第2番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基と、クロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈すること含む。
前記第2番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、クロロシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる作用がある。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下(含水率は低いほどいいが、100ppm以下なら使用可能であり、50ppm以下なら、ポットライフをほぼ1週間確保できるのでより好ましい。)の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ作用がある。
また、乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が5%以下(35%の以下なら、ほぼ実用化できる処理剤の作成が可能だが、空気中の水分との反応を抑えるためには、5%以下が好ましい。)空気を用いると、クロロシリル基の反応を抑え安定に混合できる作用がある。
第3番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質、とシラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質と非水系有機溶媒を含む。
前記第3番目の発明の撥水撥油防汚処理剤によれば、クロロシラン系の界面活性剤を用いた場合に比べ塩酸の発生がない、あるいはほとんどないので、空気中での使用が可能な撥水撥油防汚処理剤を作成できる作用がある。
このとき、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を、あるいはシラノール縮合触媒の代わりにクロロシリル基を含む物質を用いるとポットライフの安定した撥水撥油防汚処理剤を提供できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3あるいは[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用いると、作成した被膜の撥水撥油防汚効果を向上できる作用がある。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると撥水処理時間を短縮できる作用がある。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると撥水処理時間をさらに短縮できる作用がある。
第4番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを含む。
前記第4番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、アルコキシシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる作用がある。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下(100ppm以下でよいが、50ppm以下にしておくと、ポットライフをおよそ1カ月間確保できる。)の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ作用がある。
また、混合雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下(60%の空気中でも実用上は問題ないが、35%以下で行う方が安定な処理剤を供給する上でより好ましい。)の空気を用いると、アルコキシシリル基の反応を抑え安定に混合できる作用がある。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると撥水処理時間を短縮できる作用がある。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると撥水処理時間を数分の一まで短縮できる作用がある。
第5番目の発明の撥水撥油防汚処理剤は、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質と非水系有機溶媒を含む。
前記第5番目の発明の撥水撥油防汚処理剤によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良でき、耐摩耗性や耐候性、すなわち耐久性に優れ、且つ水切り特性(離水性、あるいは滑水性ともいう。)に優れた撥水撥油防汚性被膜を作成できる作用がある。
このとき、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を用いると、塩酸の発生が無くポットライフの安定した撥水撥油防汚処理剤を提供できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3あるいは[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いると、作成した被膜の撥水撥油防汚効果および耐摩耗性を向上できる作用がある。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜20:1(より好ましくは、1:3〜3:1)にしておくと、作成した被膜の撥水撥油防汚効果および耐摩耗性をさらに向上できる作用がある。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると撥水処理時間を短縮できる作用がある。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると撥水処理時間をさらに短縮できる作用がある。
第6番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法は、乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒あるいはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを含む。
前記第6番目の発明の撥水撥油防汚処理剤の製造方法によれば、撥水撥油防汚処理剤の製造時、アルコキシシリル基と水分との反応を抑え安定に混合できる作用がある。
このとき、非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下(100ppm以下でよいが、50ppm以下にしておくと、ポットライフを1カ月以上保てる。)の有機溶媒を用いると、処理剤を安定に保つ作用がある。
また、混合雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下(60%の空気中でも実用上は問題ないが、35%以下で行う方が安定な処理剤を供給する上でより好ましい。)の空気を用いると、アルコキシシリル基の反応を抑え安定に混合できる作用がある。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると撥水処理時間を短縮できる作用がある。
さらにまた、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると撥水処理時間を数分の一まで短縮できる作用がある。
以下、本発明の実施の形態である撥水撥油防汚処理剤の製造方法およびそれを用いた撥水撥油防汚処理膜の作成について詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、第1番目の発明の撥水撥油防汚処理剤についてその製造方法(第2番目の発明)と共に使用例を実施の形態として説明する。
例えば、湿度5%以下の乾燥雰囲気中(35%以下でも良いが、5%以下がより好ましい。)でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質として、CF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは正数)と、クロロシリル基を主成分とする物質として、ClSi(OSiClCl(mは0または整数)を、含水率が50ppm程度の水をほとんど含まないヘキサデカン(含水率は100ppm以下でよい。)にそれぞれ0.01mol/Lの濃度(0.1mol/L以下の濃度が好ましい。)になるように溶解して(この場合、前者と後者の分子組成比1:1になる)撥水撥油防汚処理剤(以下、複合膜形成溶液という。)を作成する。
次に、磁器製の食器、例えば皿をよく洗浄し、乾燥後、表面に前記複合膜形成溶液を塗布し1、2時間反応させる。
このとき、磁器製の皿(陶器製の皿でも同じ)表面は水酸基すなわち活性水素を多数含み、且つ吸着水で被われているので、前記磁器製の皿表面で二つの物質のSiCl3基と前記水酸基や吸着水とが脱塩酸反応して、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質が混合反応した状態で−SiO−結合を介して前記磁器製の皿表面に結合する。
すなわち、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質は、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1に変化して前記−SiO−結合を介して、磁器製の皿3表面やシロキサン基を主成分とする物質2と結合し、一方、クロロシリル基を主成分とする物質は、シロキサン基を主成分とする物質2に変化して前前記−SiO−結合介して、磁器製の皿3表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と結合する。
その後、表面の余分な複合膜形成溶液を洗浄除去すると、数ナノメートル厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基4を多数含む複合膜5(可視光に対する透過率は、99%以上)を前記磁器製の皿3表面に形成できる。(図1(a))
その後、前記複合膜が形成されたそれぞれの磁器製の皿を300〜450℃、30〜120分程度の条件で加熱処理を行うと、膜中に残っていた水酸基4が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜6に変化する。その結果、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる耐摩耗性で且つ耐候性が高い撥水撥油性の複合膜7となり、高耐久性撥水撥油防汚性磁器製の皿を製造できる(図1(b))。
このときの撥水撥油防汚性の磁器製の皿の水滴接触角は、物質1と物質2の組成に依存するので、1:10乃至1:0の範囲で組成を変えれば、水滴接触角は100±10度程度に制御できる。また、0.02mol/Lの水滴に対する転落角は35度以下に制御できる。さらに、臨界表面エネルギーは、20乃至6mN/mに制御できる。
なお、複合膜形成溶液の溶媒を蒸発させて被膜を形成する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発除去できるので都合がよいが、取扱いの上では50〜150℃程度がよい。
一方、非水系の有機溶媒で洗浄する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、高いほど安定しているが、取扱いの上では150〜350℃程度がよい。
また、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子組成比を変えて、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、好ましくは1:10〜20:1(より好ましくは1:3〜3:1)にしておくと、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜の場合に比べて大幅に耐摩耗性を向上できる。
参考として、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質がCF3−(CF2−(CH−SiClであり、クロロシリル基を主成分とする物質がSiClであり、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質が100%の被膜(実施例2)と、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の組成が2:1の場合の被膜(実施例1)の耐摩耗試験における接触角変化の結果を図2に比較して示す。
一方、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質1とクロロシリル基を主成分とする物質2の分子組成比を1:10〜10:1(より好ましくは1:1〜6:1。なお、離水性を考慮する必要がない場合には、1:10〜1:0で良い。)にしておくと、水に対する接触角を95±10度(1:1〜6:1の場合は、100±4度、臨界表面エネルギーは14乃至8mN/m)に制御でき、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜(接触角は約110度)の場合に比べて大幅に水切り性能(水滴離水性能)を向上(水滴転落角度を小さく)できる。
参考として、各種実験で得た水滴に対する接触角(他の物質を用いて得たデータも含めている。)と転落角の関係を図3に示す。なお、この結果は、水滴接触角を90±10度あるいは130度以上に制御すると、洗浄時の水切り特性能を向上できることを示している。
なお、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質として、一般には、以下のような物質が挙げられる。
CF3−(CF2n−(R)m−SiXpCl3-p
(但し、nは0または16以下の整数、Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシル基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2)
さらに、具体的には、以下に示す(1)-(10)が挙げられる。
(1) CF3CH2O(CH215SiCl3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215SiCl3
(3) CF3(CH26Si(CH32(CH29 SiCl3
(4) CF3COO(CH215SiCl3
(5)CF3(CF27−(CH22−SiCl3
(6)CF3(CF2−(CH22−SiCl3
(7) CF3(CF2−(CH22−SiCl3
(8) CF3(CF27−C64−SiCl3
(9)[CF3(CF2(CH22SiCl
(10)[CF3(CF2(CH22SiCl
また、クロロシリル基を主成分とする物質として、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、またはCl3Si(−OSiCl2−Cl(但し、mは整数)で表される化合物を用いることが可能である。
さらに、非水系溶媒としては、水を含まない炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であるが、特に沸点が50〜300℃のものが使用に適している。
具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、ノナン、工業ガソリン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等を挙げることができる。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
なお、クロロシリル基を主成分とする物質を含めた場合、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシシリル基を主成分とする物質のみで作成した被膜に比べて、膜中のフッ化炭素基と炭化水素基とシシリル基を主成分とする物質の吸着密度を2〜3倍向上できる。
また、このとき、クロロシリル基を主成分とする物質の代わりに、アルコキシシリル基を主成分とする物質、例えば(AO)Si(OSi(OA)(OA)(mは0または整数、Aはアルキル基)で表される物質を用いても同様の結果が得られる。具体的には、Si(OCHやSi(OC、SiH(OCH3、SiH2(OCH2、または(CHO)3Si(−OSi(OCH2−OCH(但し、mは整数)や、SiH(OC3、SiH2(OC2、または(CO)3Si(−OSi(OC2−OC(但し、mは整数)が使用可能である。
このとき、アルコキシ基を主成分とする物質は、当然脱塩酸反応はしないが、フッ化炭素基およびクロロシリル基を含む化学吸着剤が反応して発生する塩酸が触媒となり、基材表面とシロキサン結合を形成する。
なお、クロロシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質を混合して用いても良いことは言うまでもない。
(実施の形態2)
次に、第3および5番目の発明の撥水撥油防汚処理剤についてそれぞれの製造方法(第4および6番目の発明)と共に使用例を実施の形態として説明する。
例えば、相対湿度35%の乾燥雰囲気中(60%の雰囲気中でも調合自体は問題なしが、湿度が高いほど、処理剤のポットライフが短くなる。35%以下なら、通常ポットライフを1ヶ月以上保てるので好ましい。)フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは正数、Aはアルキル基)と、アルコキシシリル基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)あるいはクロロシリル基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を含水率が100ppm以下の非水系の有機溶媒(50ppm以下にしておくと、ポットライフを1ヶ月以上確保できて好ましい。)、例えば、ヘキサデカンにそれぞれ0.01mol/Lの濃度(0.1mol/L以下が好ましい。)になるように溶解し(この場合、前者と後者の分子組成比1:1になる)、さらに、有機物のシラノール縮合触媒から1種類(例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を選び0.001乃至0.3mol/Lの濃度(0.01乃至0.03mol/Lが好ましい。)になるように添加して複合膜形成溶液を作成する(第5および6番目の発明)。
次に、窯業製品である磁器製の皿をよく洗浄し、乾燥後、空気中で表面に前記複合膜形成溶液を塗布し1、2時間反応させる。
このとき、磁器製の皿の表面は水酸基すなわち活性水素を多数含み(ガラス製の製品でも同じ)、且つ吸着水で被われているので、前記磁器製の皿表面で二つの物質の−Si(OA)3基と前記水酸基や吸着水とがシラノール触媒を介して脱アルコール反応して、実施の形態1と同様に、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と、シロキサン基を主成分とする物質2が混合した状態で−SiO−結合を介して前記磁器製の皿の表面に結合する。
すなわち、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質は、シラノール縮合触媒やケチミン化合物等の存在下で、脱アルコール反応によりフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1に変化して、前記−SiO−結合を介して磁器製の皿3表面やシロキサン基を主成分とする物質2と結合し、一方、アルコキシシリル基を主成分とする物質は、触媒の存在下で、脱アルコール反応によりシロキサン基を主成分とする物質2に変化して前記−SiO−結合介して、磁器製の皿3表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と結合する。一方、クロロシリル基を主成分とする物質は脱塩酸反応して、前記−SiO−結合介して、磁器製の皿3表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と結合する。
その後、表面の余分な複合膜形成溶液を洗浄除去すると、数ナノメートル厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基4を多数含む複合膜5(可視光に対する透過率は、99%以上)を前記磁器製の皿3表面に形成できる。(図1(a)と同様)
その後、前記複合膜が形成されたそれぞれの磁器製の皿を不活性ガス雰囲気下で300〜450℃、30〜120分程度の条件で加熱処理を行うと、膜中に残っていた水酸基4が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜6に変化する。その結果、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる耐摩耗性で且つ耐候性が高い撥水撥油性の複合膜7となり、実施例1と同様に高耐久な防汚性の磁器製の皿を製造できる(図1(b)と同様)。
このときの防汚性磁器製の皿の水滴接触角は、物質1と物質2の組成に依存するので、組成を1:10〜1:0の範囲で変えれば、水滴接触角は100±10度の範囲で制御可能である。また、0.02mol/Lの水滴に対する転落角は35度以下に制御でき、洗浄時の水切りが良くなる。さらに、臨界表面エネルギーは、20乃至6mN/mに制御できる。
なお、複合膜形成溶液の溶媒を蒸発させて被膜を形成する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発除去できるので都合がよいが、取扱いの上では50〜150℃程度がよい。
一方、非水系の有機溶媒で洗浄する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、高いほど安定しているが、取扱いの上では150〜350℃程度がよい。
もちろん、ここで、アルコキシシリル基を主成分とする物質あるいはクロロシリル基を主成分とする物質を添加せずに、すなわちフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質100%とシラノール触媒と非水系の有機溶媒のみで処理液(第3および4の発明)を作成し、被膜を形成しても防汚機能を付与できる。
しかしながら、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質あるいはクロロシリル基を主成分とする物質の分子組成比を変えて、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、好ましくは1:10〜20:1(より好ましくは1:3〜3:1)にしておくと、膜中のフッ化炭素基と炭化水素基とシシリル基を主成分とする物質の吸着密度を2〜3倍向上でき、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%、すなわちアルコキシシリル基を主成分とする物質を添加しないで作成した被膜の場合に比べて、大幅に耐摩耗性を向上できる。
また、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質1とアルコキシシリル基を主成分とする物質2あるいはクロロシリル基主成分とする物質の分子組成比を1:10〜10:1(より好ましくは1:3〜3:1。離水性を考慮しなければ、1:10〜20:1でも良い。)にしておくと、水に対する接触角を95±10度(1:1〜6:1の場合は、100±4度、臨界表面エネルギーは14乃至8mN/m)に制御でき、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜(接触角は約110乃至113度、臨界表面エネルギーは6mN/m)の場合に比べて大幅に水滴離水性能を向上(水滴転落角度を小さく)できる。すなわち、水洗時の水切りを改良できる。
なお、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基のみを主成分とする物質として、一般には、以下のような物質が挙げられる。
CF3−(CF2n−(R)mSiXp(OA)3-p
(但し、nは0または16以下の整数、Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシ基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2、Aは、CH、C、C等のアルキル基)
さらに、具体的には、以下に示す物質(1)-(18)が挙げられる。
(1) CF3CH2O(CH215Si(OCH3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215Si(OCH3
(3) CF3(CH26Si(CH32(CH29 Si(OCH3
(4) CF3COO(CH215Si(OCH3
(5) CF3(CF27(CH22Si(OCH3
(6) CF3(CF2(CH22Si(OCH3
(7) CF3(CF2764Si(OCH3
(8) CF3CH2O(CH215Si(OC3
(9) CF3(CH22Si(CH32(CH215Si(OC3
(10) CF3(CH26Si(CH32(CH29 Si(OC3
(11) CF3COO(CH215Si(OC3
(12) CF3(CF27(CH22Si(OC3
(13) CF3(CF25(CH22Si(OCH3
(14) CF3(CF2764Si(OC3
(15)[CF3(CF2(CH22Si(OCH
(16)[CF3(CF2(CH22SiOCH
(17)[CF3(CF2(CH22Si(OC
(18)[CF3(CF2(CH22SiOC
また、アルコキシシリル基を主成分とする物質として、Si(OA)、SiH(OA)3、SiH2(OA)2、または(AO)3Si(OSi(OA)2OA(但し、mは整数、Aは、CH、C、C等のアルキル基)で表される化合物が挙げられる。
さらに、具体的には、以下に示す物質(1)-(8)が挙げられる。
(1)Si(OCH
(2)SiH(OCH3
(3)SiH2(OCH2
(4)(CHO)3Si(OSi(OCH2OCH
(5)Si(OC3
(6)SiH(OC3
(7)SiH2(OC2
(8)(HO)3Si(OSi(OC2OC
さらにまた、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能である。
また、前記シラノール縮合触媒の代わりに、クロロシリル基を含む物質、例えば、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、またはCl−(SiCl2O)−SiCl3(但しmは整数)で表される化合物が利用できる。
あるいは
CF3−(CF2n−(R)mSiXpCl3-p
(但し、nは0または16以下の整数、Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシ基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2)も利用できる。
具体的には、以下に示す(1)-(10)が挙げられる。
(1) CF3CH2O(CH215SiCl3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215SiCl3
(3)CF3(CH26Si(CH32(CH29 SiCl3
(4) CF3COO(CH215SiCl3
(5) CF3(CF27−(CH22−SiCl3
(6) CF3(CF2−(CH22−SiCl3
(7) CF3(CF2−(CH22−SiCl3
(8) CF3(CF27−C64−SiCl3
(9)[CF3(CF2−(CH222−SiCl
(10)[CF3(CF2−(CH22−SiCl
なお、これら化合物を用いた場合には、使用時雰囲気中の水分とこれら化合物が加水分解して塩酸が発生し、この塩酸が触媒となり前述のシラノール縮合触媒と同様の働きをする。
また、表面に活性水素を持っていない基材、例えばポリ塩化ビニルやポリフッ化エチレン樹脂の場合でも、コロナ処理や、酸素を含むプラズマ処理で樹脂表面に水酸基を付与すれば、同様の処理が可能となる。
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも反応時間を半分(30分)程度まで短縮できる。
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、反応時間をさらに数倍早く(5〜10分に)でき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
さらに、非水系溶媒としては、含水率が100ppm以下の水をほとんど含まない炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であるが、特に沸点が50〜300℃のものが使用に適している。
具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、ノナン、工業ガソリン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等を挙げることができる。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、以下の実施例においては、とくに記載していない限り分子組成比はモル比を意味する。
なお、本願発明の処理剤で処理が可能なものは、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
一般に、表面が水に濡れる材料(表面は塗料などで塗装されていても良い。)、例えば、金属、セラミックス、木材、紙、石材、コンクリート、繊維、毛皮、または皮革などからなる材料に適用できる。一方、表面が水に濡れない材料、例えば、プラスチック類等は、表面をプラズマ処理、あるいはコロナ処理して、親水性に加工すれば適用できる。
さらに具体的には、
(a)刃物の例
包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジューサーの刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキスの刃、缶切りの刃、または手術用メス等。
(b)針の例
鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注射針、手術用針、安全ピン等。
(c)窯業製品の例
陶磁器製、ガラス製、セラミックス製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗面器、ほうろう製鍋、各種コンクリート製品。
(d)鏡の例
手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡等。
(e)成形用部材の例
プレス成形用金型、注型成形用金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダイ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カレンダー加工用ロールなど。
(f)装飾品の例
腕時計、メガネフレームや真珠、真珠、ルビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤモンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジスト、カメオ、オパール、水晶、ガラス等の宝石、さらに白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あるいはそれらの合金やステンレス製の指輪、腕輪、ブローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス等の貴金属装飾製品等。
(g)食品成形用型の例
ケーキ焼成用型、クッキー焼成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿等。
(h)調理器具の例
鍋、釜、やかん、ポット、フライパン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼きプレート等。
(i)紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、高級パンフレット紙
(j)樹脂の例
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェンレンオキサイド等
(k)家庭電化製品の例
テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。
(l)スポーツ用品の例
スキー、釣竿、棒高跳び用のポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボード、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、釣り浮き等。
(m)乗り物部品に適用する例
(1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネル、内装部品、オートバイのプロテクター、(2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンドル(3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジンカバー、(4)フェノール樹脂:ブレーキ(5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャブレター部品(6) ポリアミド:ラジエータファン(7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、リレーハウジング(8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロントフェンダ(9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム(10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカバー、センターマーク(11)ポリプロピレン:バンパー(12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホイールキャップ(13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストルメントパネル、ファン(14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒーターハウジング、計器板
(n)事務用品の例
万年筆、ボールペン、シャ−プペンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、電話台、物差し、製図用具等。
(o)建材の例
屋根材、外壁材、内装材。屋根材として窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コンクリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料など。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。
(p)石材の例
花コウ岩、大理石、みかげ石等。たとえば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。
(q)楽器および音響機器の例
打楽器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器などの楽器、およびマイクロホン、スピーカなどの音響機器等。具体的には、ドラム、シンバル、バイオリン、チェロ、ギター、琴、ピアノ、フルート、クラリネット、尺八、ホルンなどの打楽器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器などの楽器、およびマイクロホン、スピーカ、イヤホーンなどの音響機器。
(r)その他
魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子またはスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電圧性絶縁碍子等からなる基材に適用できる。
乾燥雰囲気中(湿度35%以下なら良いが、5%以下がより好ましい。これ以上になると、処理剤の保管時、被膜形成物質が加水分解して処理液が少し白濁した。)でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3と、クロロシリル基を主成分とする物質としてSiClとを、含水率がおよそ50ppmの5%クロロホルム含有ジメチルシリコーン溶液(100ppm以下なら安定しているが、50ppm以下がより好ましい。)に、それぞれ0.02mol/Lと0.01MOL/Lの濃度(2:1)になるように溶解して、複合膜形成溶液を作成した。
次に、磁器製の皿をよく洗浄し、乾燥後、乾燥雰囲気中(湿度35%以下が良い。これ以上になると、被膜形成物質が加水分解して被膜が白濁した。)で表面に前記複合膜形成溶液を塗布し、室温で1〜2時間放置反応した。
このとき、ガラス基板表面は水酸基すなわち活性水素を多数含み、且つ吸着水で被われているので、前記磁器製の皿表面で二つの物質の≡SiCl基と前記水酸基や吸着水とが脱塩酸反応して、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質が混合した状態で前記磁器製の皿表面に結合した。
フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質は、前記シリル基を介して、磁器製の皿表面やシロキサン基を主成分とする物質と結合し、シロキサン基を主成分とする物質は、シロキサン基を介して、磁器製の皿表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質と結合した。
その後、表面の余分な複合膜形成溶液をエタノールで洗浄除去すると、略5nm程度の厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜が前記磁器製の皿表面に形成できた。
なお、洗浄せずに前記非水系有機溶媒を蒸発させる(この場合、60乃至100℃で磁器製の皿を加熱すると、溶媒の蒸発を早めることが可能であり、蒸発時間を短縮できた。)と、略30nm厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜を、前記磁器製の皿表面に形成できた。また、ふき取った場合には、略10nm厚みとなった。
その後、複合膜が形成されたそれぞれの磁器製の皿を、さらに不活性ガスである窒素ガス中で400℃30分程度の加熱処理を行うと、被膜内の−SiCl3基が吸着水と反応して生成された≡SiOH基の大部分が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜に変化して、耐摩耗性で且つ耐水性の高いフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる撥水撥油性の複合膜となり、高耐久性で且つ水切り特性に優れた防汚性の磁器製の皿を製造できた。
なお、このとき、複合膜の光透過率は、洗浄の有無基関わらず、波長400〜700nmの光に対して98%以上であったので、下地の色調や光沢は、被膜形成前と全く変わりがなかった。また、防汚性磁器製の皿の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略104度(臨界表面エネルギーは12mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コート並み以上の撥油性が付与できた。
また、0.02mol/Lの水滴の転落角は略30度であった。この数値は、食器を立て掛けると水滴がほぼ全て流れ落ちるレベルであり、水切り特性は抜群であった。さらに、摩耗試験では、加重500g/4cmの条件下で、水に対する接触角は、往復6000回のこすりに対して95度以上を維持できた。この条件は、布巾で表面を数十万回拭う条件に相当する。
さらにまた、クロロシリル基を主成分とする物質であるSiClの代わりにアルコキシシリル基を主成分とする物質であるSi(OCを用いた場合にも、ほぼ同様の性能の被膜を形成できた(Si(OCHを用いても同様であった。)。
実施例1において、クロロシリル基を主成分とする物質SiClを除き同様の条件で撥水撥油防汚磁器製の皿を試作した。基本性能である水に対する接触角を測定すると、112度であった。
また、水滴の転落角は、0.02mol/Lの水滴で、当初略50度であった。さらに、摩耗試験を行った。加重500g/4cmの条件下での耐摩耗性評価結果を、実施例1と共に図2に示す。
実用性を考慮した上で離水性能が最も好都合な接触角95度で見ると、往復2800回までしか耐えられなかった。また、図から明らかなように、接触角が95度となる点(図3参照)で比較すると、実施例1の防汚性磁器皿に比べ1/2以下の耐摩耗性しか得られなかった。
以上の実験より、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質100%で作製した場合、水に対する接触角は110度以上と極めて高いので、良好な防汚機能を窯業製品に付与できた。また、ある程度の耐久性もあった。
しかしながら、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜を形成した場合に比べて、耐久性に劣ることが確認できた。また、撥水性が高い、水滴転落角が高くなり、水切りが悪くなった。
まず、湿度35%の空気中(窒素ガス中、または湿度60%以下の空気中でも良いが、35%以下がより好ましい。これ以上になると、処理剤の保管時、被膜形成物質が加水分解して処理液が少し白濁した。)で、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質として、例えば、CF3(CF27(CH22Si(Si(OC253)を59.7重量%、アルコキシシリル基を主成分とする物質としてSi(OC25を40重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫オキサイド)を0.3重量%となるようそれぞれ秤量調整し、含水率が50ppm(100ppm以下なら問題はなかったが、ポットライフを長く保つためには50ppm以下が望ましい。)のシリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に総量が0.2重量%程度の濃度(好ましくい濃度は、0.05〜1%程度)になるように溶かして複合膜形成溶液とした。
なお、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシシリル基を主成分とする物質の分子組成比を、好ましくは1:10〜20:1(より好ましくは1:3〜3:1)にしておくと、撥水性及び耐久性が安定した被膜が得られた。
次に、よく洗浄して乾燥した磁器製の皿を用意し、この複合膜形成溶液を、普通の空気中で(相対湿度57%、別の実験では70%でも問題なかった。)で前記磁器製の皿表面に塗布し、1時間程度かけて溶媒を蒸発させながら反応させた。このとき、磁器製の皿表面は水酸基が多数含まれているので、前記フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質の≡Si(OC25)基と前記磁器製の皿表面の水酸基や吸着水がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱C25OH)反応し、さらに、磁器製の皿表面の未反応のフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質も空気中の水分と脱アルコール反応して、磁器製の皿表面全面に亘り表面と化学結合して、略40nm厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜を前記磁器製の皿表面に形成できた。
一方、表面の余分な複合膜形成溶液をエタノールで洗浄除去(第5番目の発明)すると、略5nm程度の厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜が前記磁器製の皿表面に形成できた。また、ふき取った場合には、略15nm厚みとなった。
その後、複合膜が形成されたそれぞれの磁器製の皿を不活性ガスである窒素ガス中で400℃30分程度の加熱処理を行うと、−Si(OC25)基が吸着水と反応して生成された≡SiOH基の大部分が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜に変化して、耐摩耗性、且つ離水性(滑水性ともいう)に優れたフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる防汚性の複合膜となり、実施例1とほぼ同様の物性を有する高耐久性且つ水切り特性に優れた防汚性の磁器製の皿を製造できた。
一方、シラノール触媒であるジブチル錫オキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を30分程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3とシラノール触媒であるジブチル錫アセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を5〜10分程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらにまた、シラノール触媒の代わりに、クロロシリル基を主成分とする物質、例えば、SiClを用いた場合にも、多少の塩酸の発生を伴ったが、ほぼ同様の性能の被膜を形成できた。
なお、上述のケチミン化合物の代わりに、有機酸、またはアルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物をそれぞれ単独で同じ濃度で用いた場合、ケチミン化合物を用いた場合とほぼ同様で必要反応時間は、30分程度であった。
一方、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物にシラノール縮合触媒を加え混合比1:1で((ここでは、ジャパンエポキシレジン社のH3とジブチル錫アセチルアセトネートを1:1で混合して用いた。なお、混合比は、1:9〜9:1で効果が顕著であった。)用いると、反応時間をさらに数倍早くでき、製膜時間を5〜10分まで短縮できた。
ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認できた。
実施例3において、アルコキシシリル基を主成分とする物質Si(OC25を除き同様の条件で撥水撥油防汚磁器製の皿を試作した。基本性能である水に対する接触角を測定すると、111度であった。また、水切り特性能や高耐久性は、実施例3に比べてやや劣るが、その他の物性値は、実施例2とほぼ同等であり、実用に供し得る防汚性の磁器製の皿を製造できた。
また、シラノール触媒の代わりに、ケチミン化合物やクロロシリル基を主成分とする物質を用いた場合にも、ほぼ同様の性能の被膜を形成できた。
なお、ここで、シラノール触媒やケチミン化合物等やクロロシリル基を主成分とする物質を混合して用いてもよいことは言うまでもない。
本発明の撥水撥油防汚処理剤を用いた撥水撥油防汚性磁器製の皿の製造工程を示したものであり、(a)は実施例1における複合被膜形成後の磁器製の皿表面、(b)は実施例1における焼成後の複合膜が形成された防汚性の磁器製皿の表面をそれぞれ分子レベルまで拡大した断面概念図。 本発明の撥水撥油防汚処理剤の効果を証明するために、実施例1と実施例2で製作した防汚性の磁器製皿の耐摩耗性試験結果を比較して示した図。 本発明を撥水撥油防汚処理剤の効果確認するに当たり、実験で得たデータをプロットしたものであり、水に対する接触角と転落角の関係を示した図。
符号の説明
1 フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質
2 シロキサン基を主成分とする物質2
3 磁器製の皿
4 水酸基
5 水酸基4を多数含む複合膜
6 網目状のシリカ膜
7 防汚性の複合膜

Claims (23)

  1. 少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質と、非水系有機溶媒を含むことを特徴とする撥水撥油防汚処理剤。
  2. フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3または[CF3−(CF2−(CH−SiCl、[CF3−(CF2−(CH−SiCl(nは0又は16以下の整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)またはアルコキシシリル基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)(OA)(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いることを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  3. フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を1:10〜20:1にしておくことを特徴とする請求項1および2に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  4. 乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質と、クロロシリル基を主成分とする物質またはアルコキシシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈することを特徴とする撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  5. 非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いることを特徴とする請求項4に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  6. 乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が5%以下の空気を用いることを特徴とする請求項4および5に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  7. 少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質と非水系有機溶媒を含むことを特徴とする撥水撥油防汚処理剤。
  8. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3または[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用いることを特徴とする請求項7に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  9. シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を用いることを特徴とする請求項7および8に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  10. 乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを特徴とする撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  11. 非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いることを特徴とする請求項10に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  12. 乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下の空気を用いることを特徴とする請求項10および11に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  13. 少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質と、シラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質と、非水系有機溶媒を含むことを特徴とする撥水撥油防汚処理剤。
  14. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3または[CF3−(CF2−(CH−Si(OA)、[CF3−(CF2−(CH−SiOA(nは0又は16以下の整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用いることを特徴とする請求項13に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  15. シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類を用いることを特徴とする請求項13および14に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  16. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜20:1にしておくことを特徴とする請求項13〜15に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  17. 乾燥雰囲気中で、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒またはクロロシリル基を含む物質とを非水系有機溶媒で混合希釈ことを特徴とする撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  18. 非水系有機溶媒として、含水率が50ppm以下の有機溶媒を用いることを特徴とする請求項17に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  19. 乾燥雰囲気として、窒素ガスまたは湿度が35%以下の空気を用いることを特徴とする請求項17および18に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  20. シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項7、8、9、13、14、15,および16に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  21. シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とすることを請求項7、8、9、13、14、15,および16に記載の撥水撥油防汚処理剤。
  22. シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項10、11、12、17、18、および19に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
  23. シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項10、11、12、17、18、および19に記載の撥水撥油防汚処理剤の製造方法。
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