JP2005240029A - ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 - Google Patents
ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法に関するものである。
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性に優れ又卓越した電気特性、機械特性等を有するポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が用いられている。一方、プロセスの簡略化するため、それらポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂に感光性ジアゾキノン化合物と組み合わせたポジ型感光性樹脂も使用されている(例えば、特許文献1参照)。近年、半導体素子の小型化、高集積化による多層配線化、チップサイズパッケージ(CSP)、ウエハーレベルパッケージ(WLP)への移行等により、チップに対するダメージを低減するため、低応力性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が必要とされている。これらポジ型感光性樹脂を実際のプロセスに用いる場合、問題となるのは露光特性であり、その中でも特に重要なのは露光時間である。つまり、スループット向上のため、短時間で露光できるポジ型感光性樹脂が望まれている。
特公平1−46862号公報
本発明は、低応力性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂又はポリイミド樹脂又はその共重合樹脂を提供することを目的とするポリアミド樹脂とそれらを用いた露光特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子を提供するものである。
このような目的は、下記[1]〜[10]に記載の本発明により達成される。
[1] 一般式(1)で示される構造を有するポリアミド樹脂であって、一般式(1)中のYが下記式(2)で示される構造のいずれかを含むことを特徴とするポリアミド樹脂。
[1] 一般式(1)で示される構造を有するポリアミド樹脂であって、一般式(1)中のYが下記式(2)で示される構造のいずれかを含むことを特徴とするポリアミド樹脂。
[2] 一般式(1)中のYが、Yの総量に対して式(2)で示される構造のいずれかを0.1モル%〜70モル%含むものである第[1]項記載のポリアミド樹脂。
[3] 第[1]又は[2]項記載のポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含んでなるポジ型感光性樹脂組成物。
[3] 第[1]又は[2]項記載のポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含んでなるポジ型感光性樹脂組成物。
[4] ポジ型感光性樹脂組成物が更にフェノール性水酸基を有する化合物(C)を含んでなるものである第[3]項記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5] フェノール性水酸基を有する化合物(C)が一般式(3)で示される構造である第[4]項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5] フェノール性水酸基を有する化合物(C)が一般式(3)で示される構造である第[4]項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[6] 第[3]〜[5]項のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、概組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、概組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
[7] 第[1]〜[5]項のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
[8] 第[1]〜[5]項のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
[9] 第[1]〜[5]項のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を加熱後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上でパターン加工して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
[10] 第[1]〜[5]項のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を加熱後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上にパターン加工して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
本発明に従うと、低応力性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリイミド樹脂、その共重合である樹脂を提供することを目的とするポリアミド樹脂とそれらを用いた露光特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置及び表示素子を得ることができる。
本発明のポリアミド樹脂は、一般式(1)で示される構造を有するポリアミド樹脂であって、一般式(1)中のXは、2〜4価の有機基を表し、またR1は、水酸基又はO−R3であり、mは0〜2の整数である。各々のR1は同一でも異なっていても良い。一般式(1)中のYは、2〜6価の有機基を表し、R2は水酸基、カルボキシル基、O−R3又はCOO−R3であり、nは0〜4の整数である。各々のR2は同一でも異なっていても良い。ここでR3は炭素数1〜15の有機基である。但し、R1として水酸基がない場合は、R2は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。又R2としてカルボキシル基がない場合は、R1は少なくとも1つは水酸基でなければならない。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物とYの構造を有する、テトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R3、Yの置換基としてのO−R3、COO−R3は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基であるR3で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R3の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
このポリアミド樹脂を約250〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド樹脂、又はポリベンゾオキサゾール樹脂、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
又本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(1)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物とYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、
より選ばれるものであり、又2種類以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
本発明は一般式(1)のYが式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含んでなるポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴としている。さらに、一般式(1)のYの総量のうち、0.1モル%以上70モル%以下が式(2)で示される構造であることが好ましい。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)は、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。例えば、下記のものが挙げられる。
これらの内で、特に好ましいのは、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルである。それらについては例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは2種以上用いても良い。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)の添加量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜50重量部である。1重量部を下回ると良好なパターンが得られず、50重量部を越えると感度が大幅に低下する。
更に本発明では、高感度で更に、現像時に現像残り(スカム)無く高解像度でパターニングできるようにフェノール性水酸基を有する化合物(C)を併用することが好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては一般式(3)で示されるものである。一般式(3)の具体的な構造としては下記のもの等を挙げることができるがこれらに限定されない。
これらの中で好ましくは
から選ばれるものである。
本発明のポリアミド樹脂は溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要によりレベリング剤、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびそれらの各反応物等の添加剤を添加することができる。
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要によりレベリング剤、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびそれらの各反応物等の添加剤を添加することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜50μmになるよう塗布する。膜厚が下限値を下回ると、半導体素子の表面保護膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行い、オキサゾール環及び/又はイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。
本発明による感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜、表示装置用途としても有用である。
半導体用としての具体的用途の例としては、半導体素子上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによるパッシベーション膜、また半導体素子上に形成されたパッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによるバッファコート膜、半導体素子上に形成された回路上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによる層間絶縁膜などを挙げることができる。
その中で、本発明の感光性樹脂組成物を半導体装置に用いた応用例の1つとして、バンプを有する半導体装置への応用について図面を用いて説明する。図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。図1に示すように、シリコンウェハー1には入出力用のAlパッド2上にパッシベーション膜3が形成され、そのパッシベーション膜3にビアホールが形成されている。更に、この上にポジ型感光性樹脂(バッファコート膜)4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成され、その金属膜5はハンダバンプ9の周辺をエッチングして、各パッド間を絶縁する。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ9が形成されている。
表示体装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラーフィルター平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
《実施例1》
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸3.31g(0.0128モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸3.31g(0.0128モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
[樹脂組成物の作製]
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、γ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、γ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
[現像性評価]
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパNSR―4425iを用いて、露光量を200mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に80秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パターンを観察したところ、露光量480mJ/cm2で、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[物性評価]
このポジ型感光性樹脂組成物を硬化後5μmになるように6インチシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、次にクリーンオーブンを用いて酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+320℃/30分で硬化を行った。次に表面粗さ計を用いて、ウエハーの裏面を100mmスキャンさせたときの反りを測定したところ、反り量は35μmであった。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパNSR―4425iを用いて、露光量を200mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に80秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パターンを観察したところ、露光量480mJ/cm2で、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[物性評価]
このポジ型感光性樹脂組成物を硬化後5μmになるように6インチシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、次にクリーンオーブンを用いて酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+320℃/30分で硬化を行った。次に表面粗さ計を用いて、ウエハーの裏面を100mmスキャンさせたときの反りを測定したところ、反り量は35μmであった。
《実施例2》
[ポリアミド樹脂の合成]
実施例1のポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸3.31g(0.0128モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)のところをジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モル2.48g(0.0096モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)1.65g(0.0064モル)に変えた以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂の合成(A−2)を行った。
[ポリアミド樹脂の合成]
実施例1のポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸3.31g(0.0128モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)のところをジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モル2.48g(0.0096モル)、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)1.65g(0.0064モル)に変えた以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂の合成(A−2)を行った。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
得られたポリアミド樹脂(A−2)を用いて、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し評価を行ったところ、反りは、32μmであった。また、現像性についても、現像時間80秒で露光量500mJ/cm2、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
得られたポリアミド樹脂(A−2)を用いて、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し評価を行ったところ、反りは、32μmであった。また、現像性についても、現像時間80秒で露光量500mJ/cm2、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《実施例3》
[ポリアミド樹脂の合成]
実施例1においてのポリアミド樹脂の合成において、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)を下記構造のジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸(D−2)0.83g(0.0032モル)に変えた以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂(A−3)の合成を行った。
[ポリアミド樹脂の合成]
実施例1においてのポリアミド樹脂の合成において、下記構造のジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸(D−1)0.83g(0.0032モル)を下記構造のジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸(D−2)0.83g(0.0032モル)に変えた以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂(A−3)の合成を行った。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
合成したポリアミド樹脂(A−3)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−2)1.5g、γ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−3)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−2)1.5g、γ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして評価を行ったところ、反りは、37μmであった。また、現像性についても、現像時間80秒で露光量520mJ/cm2、8μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《実施例4》
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例1で得られたポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―1)1.5gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは36μm、露光量420mJ/cm2、現像時間50秒で、3μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例1で得られたポリアミド樹脂(A−1)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―1)1.5gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは36μm、露光量420mJ/cm2、現像時間50秒で、3μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《実施例5》
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例2で得られたポリアミド樹脂(A−2)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―2)0.5gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは34μm、露光量390mJ/cm2、現像時間45秒で、4μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例2で得られたポリアミド樹脂(A−2)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―2)0.5gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは34μm、露光量390mJ/cm2、現像時間45秒で、4μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《実施例6》
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例3で得られたポリアミド樹脂(A−3)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−2)1.5g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―3)1.0gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは38μm、露光量420mJ/cm2、現像時間45秒で、3μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
実施例3で得られたポリアミド樹脂(A−3)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−2)1.5g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―3)1.0gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは38μm、露光量420mJ/cm2、現像時間45秒で、3μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《比較例1》
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸4.10g(0.016モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−4)を得た。
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸4.10g(0.016モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン57.0gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン7gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−4)を得た。
[樹脂組成物の作製]
合成したポリアミド樹脂(A−4)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2gをN―メチルー2−ピロリドン50gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−4)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2gをN―メチルー2−ピロリドン50gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
[現像性及び物性評価]
次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは、45μm、露光量600mJ/cm2、現像時間80秒で、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは、45μm、露光量600mJ/cm2、現像時間80秒で、7μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
《比較例2》
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
比較例1で合成したポリアミド樹脂(A−4)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―2)0.5gをN―メチルー2−ピロリドン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは47μm、露光量520mJ/cm2、現像時間50秒で、4μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
[樹脂組成物の作製、現像性及び物性評価]
比較例1で合成したポリアミド樹脂(A−4)10g、下記構造を有する感光性ジアゾキノン(B−1)2g、フェノール性水酸基を有する化合物(C―2)0.5gをN―メチルー2−ピロリドン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。次に実施例1と同様に評価を行った所、反りは47μm、露光量520mJ/cm2、現像時間50秒で、4μmのパターンまで良好に開口していることが確認できた。
本発明は、低応力性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂又はポリイミド樹脂又はその共重合樹脂を提供することを目的とするポリアミド樹脂とそれらを用いた露光特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物であって、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜及び表示素子の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。
1 シリコンウエハ
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ
Claims (10)
- 一般式(1)中のYが、Yの総量に対して式(2)で示される構造のいずれかを0.1モル%〜70モル%含むものである請求項1記載のポリアミド樹脂。
- 請求項1又は2記載のポリアミド樹脂(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含んでなるポジ型感光性樹脂組成物。
- ポジ型感光性樹脂組成物が更にフェノール性水酸基を有する化合物(C)を含んでなるものである請求項3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、概組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、概組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を加熱後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上でパターン加工して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂又はポジ型感光性樹脂組成物を加熱後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上にパターン加工して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019082A JP2005240029A (ja) | 2004-01-27 | 2005-01-27 | ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004019009 | 2004-01-27 | ||
JP2005019082A JP2005240029A (ja) | 2004-01-27 | 2005-01-27 | ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005240029A true JP2005240029A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35022082
Family Applications (1)
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JP2005019082A Pending JP2005240029A (ja) | 2004-01-27 | 2005-01-27 | ポリアミド樹脂及びそのポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005240029A (ja) |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005019082A patent/JP2005240029A/ja active Pending
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