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JP2005022473A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

サイドエアバッグ装置 Download PDF

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JP2005022473A
JP2005022473A JP2003188577A JP2003188577A JP2005022473A JP 2005022473 A JP2005022473 A JP 2005022473A JP 2003188577 A JP2003188577 A JP 2003188577A JP 2003188577 A JP2003188577 A JP 2003188577A JP 2005022473 A JP2005022473 A JP 2005022473A
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Abstract

【課題】側突時においてエアバッグの展開膨張により、乗員の肩部及び腰部を車室内側へほぼ同時に移動させことができるサイドエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】サイドエアバッグ装置13を、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、フロントシート11に着座する乗員Pの側面ほぼ全体を覆うように展開するエアバッグ16と、そのエアバッグ16を展開膨張させるインフレータ15とから構成する。エアバッグ16内には、インフレータ15から供給されるガスを乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応する部分に重点的に導くためのインナチューブ21を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両側方からの衝突(以下、単に側突という)により車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、エアバッグがボディサイド部と車室内に配置されたシートとの間に展開膨張されるようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。特に、この発明は、エアバッグがシートに着座する乗員の側面ほぼ全体を覆うように、上下方向へ大きく展開膨張されるようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のサイドエアバッグ装置としては、例えば図9及び図10に示すような構成のものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来構成においては、車室内のシート31の背もたれ部31aにサイドエアバッグ装置32が装備されている。このサイドエアバッグ装置32のエアバッグ33内には、シーム34部が形成されている。シーム部34の下部後方に位置するように、エアバッグ33の内側にはインフレータ35が配設され、そのケースの下部外周にはガス噴出口35aが形成されている。
【0004】
そして、車両の側突によりボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、インフレータ35のガス噴出口35aから噴出されるガスがエアバッグ33内に供給される。この場合、図9に矢印で示すように、ガスがエアバッグ33内において、まず乗員Pの腰部Phと対応する下方部分に導入され、その後に胸郭部Pc及び肩部Psと対応する上方部分へと順に導入される。すなわち、エアバッグ33が乗員Pの腰部Phと対応する下方部分から、胸郭部Pc及び肩部Psと対応する上方部分にかけて順に展開膨張されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第WO 02/100690号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来構成においては、エアバッグ33の展開膨張が乗員Pの腰部Phと対応する下方部分から開始されるため、図10に矢印で示すように、その腰部Phと対応する下方部分の展開膨張時に、乗員Pの腰部Phが車室内側に押圧移動される。そして、その反動によって、乗員Pの肩部Ps及び胸郭部Pcが車室外側に傾斜して、車両のボディサイド部36と乗員Pとの空間が狭くなるおそれがある。このため、その後にエアバッグ33の肩部Ps及び胸郭部Pcと対応する上方部分が展開膨張される際に、車両側壁等と乗員Pの胸郭部Pcとの間における、エアバッグのエネルギー吸収ストローク(バッグの厚み)が減少することとなり、胸郭部Pcを保護する点で好ましくなかった。
【0007】
また、昨今の車両ではシートアレンジの多様性が望まれ、例えばシートの背もたれ部をその上下方向中間部の水平軸を中心にして前方に倒伏させて、背もたれ部の裏面をテーブルとして使用することができるシート等が装備されるようになってきている。しかしながら、前記の従来構成においては、ガスの流れを考慮すると、インフレータ35を、エアバッグ33の展開膨張状態で、背もたれ部の上下方向中間部を含む下方寄りの位置に配置せざるを得ない。このため、インフレータ35と前記水平軸や軸受とが干渉して、前記のようなシートに対応することができなかった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する着目点に基づいてなされたものである。その主たる目的は、側突時においてエアバッグの展開膨張により、乗員の肩部及び腰部を車室内側へほぼ同時に移動させて、より多くの保護ストロークを確保することができるとともに、胸郭部への負担を低減することができるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0009】
また、この発明のその上の目的は、ガス発生源を含む装置全体をシートの背もたれ部に対して、乗員の肩部と対応する付近の高い位置に搭載することができて、多様なシートに容易に対応することができるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、ボディサイド部と車室内に配置されたシートとの間で、シートに着座する乗員の側面ほぼ全体を覆うように展開するエアバッグと、そのエアバッグを展開膨張させるガス発生源とを備えるサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグ内には、乗員の肩部及び腰部と対応する部分に重点的にガスを導くためのインナチューブを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、側突時において車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、ガス発生源から発生するガスがインナチューブを介して、エアバッグ内で乗員の肩部及び腰部と対応する部分に重点的に導入される。これにより、エアバッグが乗員の肩部及び腰部と対応する部分にてほぼ同時に展開膨張され、この展開膨張により、外部からの衝撃に対して抗堪性を有する乗員の肩部及び腰部をほぼ同時に押して、乗員の体全体を傾斜することなく車室内側に移動させることができる。よって、より多くの保護ストロークを確保することができるとともに、乗員の胸郭部への負担を低減することができて、胸郭部を含む乗員の身体全体を保護しながら衝撃を効果的に吸収することができる。また、インフレータからのガスが、インナチューブ内を高圧した後に乗員の腰部及び肩部側に供給されるため、インフレータは、インナチューブ内にガスを供給できる位置に配置されていれば、その上下位置は制約されない。よって、インフレータを任意の上下位置に配置できて、サイドエアバッグ装置のレイアウトの自在性が向上し、多様な形式のシートに対応することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記インフレータをインナチューブ内に設けたことを特徴とするものである。
従って、請求項2に記載の発明においては、インフレータの上下位置をインナチューブ内で自在に設定できるとともに、インナチューブがインフレータを覆う補強布の機能を兼備することになるため、部品点数の増加を抑えて、構成を簡単にすることが可能になる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記インナチューブには、乗員の肩部または腰部の少なくとも一方と対応する部分まで延長する延長部を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、エアバッグ内でインナチューブの延長部が延長展開されることにより、乗員の肩部及び腰部と対応するエアバッグの部分を確実に膨張させることができて、前記請求項1に記載の効果を一層高めることがてきる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記ガス発生源をエアバッグの外側に設けたことを特徴とするものである。
【0016】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、ガス発生源の配置位置を任意に設定変更することができて、設計の自由度を高めることができる。また、ガス発生源をエアバッグの内側に配置した場合とは異なり、エアバッグの外周にガス発生源からのコードの取出口を形成して、綴じ縫い等を施す必要がなく、エアバッグの縫製を簡略化することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記ガス発生源をエアバッグの展開膨張位置に対して車両の上方側に偏倚して配設したことを特徴とするものである。
【0018】
従って、この請求項5に記載の発明によれば、ガス発生源を含む装置全体をシートの背もたれ部に対して、乗員の肩部と対応する付近の高い位置に搭載することができて、多様なシートに容易に対応することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図4には、車室内に配置された左側のフロントシート11が示され、このフロントシート11は腰掛け部11aと背もたれ部11bとを備えている。ボディサイド部の一部を構成するドア12と対応するように、フロントシート11の背もたれ部11bの左側内部にはサイドエアバッグ装置13がケース14内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート11のみが図示されているが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なエアバッグ装置が内装されている。
【0021】
前記サイドエアバッグ装置13は、ケース14内に固定されたガス発生源としてのインフレータ15と、そのインフレータ15を被覆するように装着された袋状のエアバッグ16とを備えている。インフレータ15のケースの内部にはエアバッグ16を展開膨張させるための図示しないガス発生体が収容され、インフレータ15のケースの下部にはガスを噴出させるためのガス噴出部としてのガス噴出孔15aが形成されている。
【0022】
前記インフレータ15には、ボディサイド部に対する衝撃を検出するための図示しないセンサが同じく図示しない制御装置を介して電気的に接続されている。そして、ボディサイド部に対する他の車両の側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、前記センサからの検出信号に基づいて、前記制御装置を介してインフレータ15に駆動電流が出力される。この駆動電流に基づいて、インフレータ15内のガス発生体からガスが発生され、そのガスがガス噴出孔15aからエアバッグ16内に噴出供給されるようになっている。
【0023】
図3及び図4に示すように、前記エアバッグ16は、織布等からなる一対の基布16a,16bをそれらの周縁において全体として袋状をなすように縫着することによって形成され、通常は折り畳み状態でケース14内に収容されている。16cは、逢着部の縫い目(シーム)を示す。そして、インフレータ15が作動されてガスが発生されたとき、図1〜図4に示すように、エアバッグ16がドア12とフロントシート11との間に向かって展開膨張され、フロントシート11に着座する乗員Pの胴体の側面を、肩部Psから腰部Phにかけてほぼ全体的に覆うようになっている。
【0024】
前記エアバッグ16の上下方向のほぼ中央には、前記両基布16a,16bを互いに縫着接合した側面形ほぼ横U字状のシーム部17が形成されている。そして、このシーム部17により、エアバッグ16の内部に上部区画室18及び下部区画室19が形成されるとともに、上下両区画室18,19間において車両前方に向かって開口する中間区画室20が形成されている。17aは、シーム部17の縫い目(シーム)を示す。
【0025】
前記エアバッグ16の内部後縁には織布等からなるインナチューブ21が車両の上下方向へ延びるように収容配置され、そのインナチューブ21の外周前面の上部及び下部には一対のガス供給口21a,21bが形成されている。図4に示すように、このインナチューブ21は、その基端周縁をエアバッグ16の周縁の縫着に際して前記縫い目16cによって同時に縫い込むことにより、エアバッグ16内に固定されている。また、このインナチューブ21内には、前記インフレータ15が車両の上方側に偏倚して位置するように配置されている。
【0026】
そして、車両の側突時に、インフレータ15のガス噴出孔15aから噴出されるガスが、インナチューブ21内に噴出された後、そのインナチューブ21のガス供給口21a,21bからエアバッグ16の上部区画室18及び下部区画室19内にほぼ同時に導入される。その後に、上部区画室18及び下部区画室19内のガスが、シーム部17の両端縁を迂回するようにして中間区画室20内に導入される。従って、図3から明らかなように、上部区画室18及び下部区画室19がほぼ同時に膨張されて、乗員Pの肩部Ps及び腰部Phに対応配置され、その後に、中間区画室20が膨張されて乗員Pの胸郭部Pcに対応配置されるようになっている。この場合、エアバッグ16に形成された横U字状のシーム部17によって、図3に示すように、中間区画室20の厚さが、上部区画室18及び下部区画室19の厚さよりも薄くなるように規制される。これにより、中間区画室20と乗員Pの胸郭部Pcとの間に空間Sが形成されるようになっている。
【0027】
図2及び図3に示すように、前記エアバッグ16の中間区画室20と対応する位置で、インフレータ15からのガスがほぼ最後に到達する部分には、外部に向かって開口するベント孔22が形成されている。この場合、中間区画室20の厚さが、上部区画室18及び下部区画室19の厚さよりも薄いため、ベント孔22がボディサイド部としてのドア12の内側面から十分に離隔した所定の間隔Dをおいて配置される。そして、中間区画室20内のガスがベント孔22から外部に排出されて、中間区画室20の内圧が他の区画室18,19の内圧よりも低い状態に調整されるようになっている。
【0028】
この場合、各区画室18〜20の内圧が例えば以下の範囲内となるように、インフレータ15からのガス圧やベント孔の大きさ等の各種条件が設定されている。すなわち、上下の区画室18,19の内圧が150〜200キロパスカル(kPa)、中間区画室20の内圧が50〜100キロパスカル(kPa)となるように、前記各種条件が設定される。この場合、中間区画室20の内圧は、上下の区画室18,19のうちの内圧の低いほうの区画室18,19の2分の1以下となるのが望ましく、上下の区画室18,19の内圧が等しい場合は、その内圧の2分の1以下となるのが望ましい。なお、前記各区画室18〜20の内圧の値は、エアバッグ16に衝突等の外部荷重が作用していない条件下において、いわゆる静展開の条件下において設定される値を指す。
【0029】
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による側突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、図示しないセンサがそれを検出し、その検出に基づいてインフレータ15からガス発生される。すると、図1及び図2に矢印で示すように、インナチューブ21内の圧力が高まり、そのガスがインフレータ15のガス噴出孔15aからインナチューブ21内に噴出供給される。そして、そのガスが上下一対のガス供給口21a,21bからエアバッグ16の上部区画室18及び下部区画室19に対して重点的にかつほぼ同時に導入された後、中間区画室20に導入される。これによって、図4に示すように、乗員Pの肩部Psに対応する上部区画室18と腰部Phに対応する下部区画室19とがほぼ同時に膨張され、その後に胸郭部Pcに対応する中間区画室20が膨張される。
【0030】
この場合、図3に示すように、中間区画室20の厚さが上部区画室18及び下部区画室19の厚さよりも薄くなる。このため、中間区画室20と乗員Pの胸郭部Pcとの間には空間Sが形成され、この状態で上部区画室18及び下部区画室19により、乗員Pの肩部Ps及び腰部Phが車室内側へ押される。このため、乗員Pが傾斜することなく、車室内側に車室中央側に向かって移動される。よって、ボディサイド部が車室内側に大きく変形侵入した場合でも、その変形侵入に先だって乗員Pがボディサイド部から離隔されて、乗員Pを保護することができるとともに、胸郭部Pcに対する衝撃が抑制されて、胸郭部Pcを有効に保護することができる。
【0031】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このサイドエアバッグ装置13においては、エアバッグ16内にインナチューブ21が設けられている。そして、車両の側突に伴いボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、インフレータ15から発生するガスがインナチューブ21を介して、エアバッグ16内で乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応する部分に同時にかつ重点的に導入されるようになっている。このため、乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応するエアバッグ16の部分を中間区画室20に先だってほぼ同時に展開膨張させることができる。従って、この展開膨張により、外部からの衝撃に対して抗堪性を有する乗員Pの肩部Ps及び腰部Phをほぼ同時に押して、乗員Pを傾斜することなく車室内側に移動させることができる。よって、乗員の体全体を効果的に保護することができる。
【0032】
(2) このサイドエアバッグ装置13においては、前記インフレータ15がインナチューブ21内に設けられているため、そのインナチューブ21がインフレータ15を覆う補強布の機能を兼備することが可能となる。従って、インナチューブ21を設けていても、部品点数が増えるのを抑制でき、構成を簡単にすることができる。さらに、インナチューブ21のガス供給口21a,21bからのガスは、インナチューブ21内の圧力が高まった後にエアバッグ16内に供給される。従って、インフレータ15は、インナチューブ21内において上下位置を変更しても、その機能はほとんど変化しない。このため、第1実施形態のように、インフレータ15を上方側に偏倚して配置したように、インフレータ15の上下位置を任意に調節でき、インフレータ15を含むサイドエアバッグ装置13のレイアウト設計の自在度が向上する。
【0033】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0034】
さて、この第2実施形態においては、図5に示すように、エアバッグ16内のインナチューブ21の上下両端が開口されて、それらの開口部がガス供給口21a,21bとなっている。そして、同図に矢印で示すように、インフレータ15のガス噴出孔15aから噴出されるガスが、インナチューブ21内に供給された後、これらのガス供給口21a,21bからエアバッグ16の上部区画室18及び下部区画室19内にほぼ同時で重点的に導入されるようになっている。なお、前記ガス供給口21a,21bは、ガスが前方に向かって供給されるように前下がりの斜状になっているのが好ましい。
【0035】
従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(3) このサイドエアバッグ装置13においては、インナチューブ用の布を円筒状にして縫製するのみでよく、インナチューブ21の上下両端部を縫着封鎖したり、インナチューブ21の外周前面に上下一対のガス供給口21a,21b形成したりする必要がない。よって、インナチューブ21の構造が簡単で、しかも、その縫製を簡略化することができる。
【0036】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0037】
さて、この第3実施形態においては、図6に示すように、インフレータ15がエアバッグ16の外側に位置した状態でケース14内に配設され、その上端側にガス噴出孔15aが設けられている。また、インナチューブ21の外周上端の後部には下向きの連結筒部24が形成され、エアバッグ16に設けられた挿通孔25を介して、エアバッグ16の外部に突出されている。そして、このインナチューブ21の連結筒部24にその下部側からインフレータ15の上端部が嵌入されて、ガス噴出孔15aから噴出されるガスがインナチューブ21内に供給されるようになっている。
【0038】
従って、この第3実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4) このサイドエアバッグ装置13においては、インフレータ15がエアバッグ16の外側に配設されているため、インフレータ15の配置位置を任意に設定変更することができて、サイドエアバッグ装置13のレイアウト設計の自由度を高めることができる。また、インフレータ15をエアバッグ16の内側に配置した場合とは異なり、エアバッグ16の外周にインフレータ15からの電気コードの取出口を形成して、綴じ縫い等を施す必要がなく、エアバッグ16の縫製を簡略化することができる。
【0039】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0040】
さて、この第4実施形態においては、図7に示すように、エアバッグ16内のシーム部17が省略されている。また、インナチューブ21の外周前面の上下両端には、延長部26,27が乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応する部分まで延長するように形成され、それらの先端にはガス供給口26a,27aがエアバッグ16の中間部側に向かって開口するように形成されている。そして、インフレータ15のガス噴出孔15aからインナチューブ21内にガスが噴出供給されるとき、インナチューブ21の延長部26,27がエアバッグ16内において乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応する部分まで延長展開される。その後、各延長部26,27内のガスがガス供給口26a,27aからエアバッグ16の中間部に導入されて、乗員Pの胸郭部Pcと対応する部分が膨張されるようになっている。
【0041】
従って、この第4実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5) このサイドエアバッグ装置13においては、エアバッグ16内でインナチューブ21の延長部26,27と、インナチューブ21外の中間部とがインナチューブ21の側壁により明確に区画されている。このため、乗員Pの肩部Ps及び腰部Phと対応するエアバッグ16の部分を中間部に先立ってほぼ同時で確実に膨張させることができるばかりでなく、インフレータ15のガス噴出初期におけるインナチューブ21とその外部との間の圧力差を大きくすることができる。よって、前記第1実施形態における(1)に記載の効果を一層高めることが可能となる。
【0042】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0043】
さて、この第5実施形態においては、図8に示すように、エアバッグ16に横方向へ延びるシーム部28が形成され、このシーム部28によって、エアバッグ16内に下部区画室19が形成されている。また、インナチューブ21の外周前面の上端には、延長部26が乗員Pの肩部Psと対応する部分まで延長するように形成され、その先端にはガス供給口26aがエアバッグ16の中間部側に向かって開口するように形成されている。インナチューブ21の下端には、ガス供給口21bが形成されている。
【0044】
そして、インフレータ15のガス噴出孔15aからインナチューブ21内にガスが噴出供給されるとき、そのガスがインナチューブ21の下端のガス供給口21bから下部区画室19内に導入されて、乗員Pの腰部Phと対応するエアバッグ16の部分が膨張される。それとほぼ同時に、インナチューブ21の延長部26がエアバッグ16内において乗員Pの肩部Psと対応する部分まで延長展開される。その後、延長部26内のガス及び下部区画室19内のガスがガス供給口26aからエアバッグ16の中間部に導入されて、乗員Pの胸郭部Pcと対応する部分が膨張されるようになっている。
【0045】
従って、この第5実施形態によれば、前記各実施形態における(1)、(2)及び(5)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0046】
・ 前記各実施形態において、エアバッグ16を、一対の基布16a,16bの縫着によることなく、例えば袋織りした1枚の織布で形成すること。
・ 前記第1実施形態等におけるベント孔22を省略すること。この場合には、エアバッグ16内のガスは、基布16a,16bの織り目から抜ける。
【0047】
・ 前記各実施形態において、インナチューブ21を端縁にて筒状に縫着することなく、例えば袋織りした1枚の織布で形成すること。
・ 前記各実施形態において、エアバッグ16及びインナチューブ21を、織布とは異なった例えば不織布、合成樹脂シート等の他の材料を用いて形成すること。
【0048】
・ 図6に2点鎖線で示すように、インナチューブ21の後部の連結筒部24を上向きに設け、インフレータ15をそのガス噴出孔15aを下にして連結筒部24に上部側から挿入すること。このように構成すれば、前記インフレータ15がエアバッグ16の展開膨張位置に対して車両の上方側に偏倚して配設される。このため、インフレータ15を含むサイドエアバッグ装置13の全体をフロントシート11の背もたれ部11bに対して、乗員Pの肩部Psと対応する付近の高い位置に搭載することができる。よって、例えばシートの背もたれ部をその上下中間部に設けた水平軸(図示しない)において前方に倒伏させて、テーブルとして使用することができるテーブルシートを装備する等、シート構成の多様性に容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図2】図1のサイドエアバッグ装置の部分拡大断面図。
【図3】図2の3−3線における部分断面図。
【図4】図2の4−4線における部分拡大断面図。
【図5】第2実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図6】第3実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図7】第4実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図8】第5実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図9】従来のサイドエアバッグ装置を示す側断面図。
【図10】図9のサイドエアバッグ装置の部分正面図。
【符号の説明】
11…フロントシート、11b…背もたれ部、12…車両のボディサイド部を構成するドア、13…サイドエアバッグ装置、15…ガス発生源としてのインフレータ、15a…ガス噴出孔、16…エアバッグ、18…上部区画室、19…下部区画室、20…中間区画室、21…インナチューブ、21a,21b…ガス供給口、24…連結筒部、26,27…延長部、P…乗員、Ps…肩部、Pc…胸郭部、Ph…腰部。

Claims (5)

  1. 車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、ボディサイド部と車室内に配置されたシートとの間で、シートに着座する乗員の側面ほぼ全体を覆うように展開するエアバッグと、そのエアバッグを展開膨張させるガス発生源とを備えるサイドエアバッグ装置において、
    前記エアバッグ内には、乗員の肩部及び腰部と対応する部分に重点的にガスを導くためのインナチューブを設けたことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. インフレータをインナチューブ内に設けたことを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記インナチューブには、乗員の肩部または腰部の少なくとも一方と対応する部分まで延長する延長部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記ガス発生源をエアバッグの外側に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記ガス発生源をエアバッグの展開膨張位置に対して車両の上方側に偏倚して配設したことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
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