JP2011105107A - エアバッグ装置のガス分配構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを分配する機能を発揮しつつ、ガスの温度を下げて熱による影響を抑制する。
【解決手段】ガス分配構造は、インフレータ21のガス噴出部24から噴出されたガスGをインナチューブ40により軸線Lに沿う方向に指向させて、エアバッグの2つの膨張部に分配する。インナチューブ40として、長尺状の布帛を折り線45に沿って折り曲げることにより一対の折り片46を形成し、両折り片46を、折り線45に直交する一対の接合部53,55により相互に接合して、折り線45と対向する縁部57が開放されたものを形成する。ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータ21をインナチューブ40に内挿し、折り線45上の第1接合部53寄りの箇所にガス排出孔59を設ける。
【選択図】図7
【解決手段】ガス分配構造は、インフレータ21のガス噴出部24から噴出されたガスGをインナチューブ40により軸線Lに沿う方向に指向させて、エアバッグの2つの膨張部に分配する。インナチューブ40として、長尺状の布帛を折り線45に沿って折り曲げることにより一対の折り片46を形成し、両折り片46を、折り線45に直交する一対の接合部53,55により相互に接合して、折り線45と対向する縁部57が開放されたものを形成する。ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータ21をインナチューブ40に内挿し、折り線45上の第1接合部53寄りの箇所にガス排出孔59を設ける。
【選択図】図7
Description
本発明は、複数の膨張部を有するエアバッグを用いたエアバッグ装置に適用されて、インフレータから噴出されたガスを各膨張部に分配するエアバッグ装置のガス分配構造に関するものである。
車両に対し衝突等による衝撃が加わった場合に、その衝撃から乗員を保護する手段として、衝撃に応じインフレータから供給されるガスによってエアバッグを膨張させるようにした、いわゆるエアバッグ装置が有効である。また、インフレータの少なくとも軸線に沿う方向の異なる2箇所に膨張部を有するものをエアバッグとして用いたエアバッグ装置では、インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを各膨張部に適量ずつ供給することが重要である。そこで、エアバッグ内にインナチューブを配設するとともに、このインナチューブにインフレータを内挿したエアバッグ装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置では、エアバッグが上下方向に2つの膨張部に仕切られている。インナチューブとして、上下方向に延び、かつ上下両端が開放されたものが用いられ、上部開放端が上側の膨張部に位置し、かつ下部開放端が下側の膨張部に位置するように、インナチューブがエアバッグ内に配設されている。さらに、インナチューブには、下端部にガス噴出部を有するインフレータが内挿されている。このインフレータの内挿されたインナチューブは、リテーナ内に挿入され、同リテーナ及びエアバッグとともに、車室内の装着部(車両用シート)に固定されている。このサイドエアバッグ装置では、インフレータのガス噴出部から噴出されたガスは、インナチューブ内に供給される。このガスは、インナチューブ内を上方又は下方へ向けて流れ、同インナチューブの上部開放端から上側の膨張部に流入し、下部開放端から下側の膨張部に流入する。
ところで、インフレータのガス噴出部から噴出されたガスは、熱を帯びた粒子によって形成されている。このため、これらの粒子が塊となって、インナチューブやエアバッグにおけるガス噴出部の近傍部分に当たると、同部分に多量の熱が加わってダメージを与えるおそれがある。こうした熱による影響を小さくするうえでは、ガスの温度を下げることが有効である。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置では、ガス噴出部から噴出されたガスを上下方向に指向させて各膨張部に分配することはできるものの、ガスの温度を下げる効果はほとんど期待できない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを分配する機能を発揮しつつ、ガスの温度を下げて熱による影響を抑制することのできるエアバッグ装置のガス分配構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、長尺状のインフレータと、前記インフレータの少なくとも軸線に沿う方向の異なる2箇所に膨張部を有するエアバッグとを備えるエアバッグ装置に適用され、前記インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを、インナチューブにより前記軸線に沿う方向に指向させて前記各膨張部に分配するエアバッグ装置のガス分配構造であって、長尺状の布帛を、その長手方向に交差する折り線に沿って折り曲げることにより一対の折り片を形成し、前記両折り片を、前記布帛の前記折り線に交差する一方の縁部に沿って設けた第1接合部により相互に接合するとともに、前記布帛の前記折り線に交差する他方の縁部に沿って設けた第2接合部により相互に接合して、前記折り線と対向する縁部が開放されたインナチューブを形成し、前記ガス噴出部が、前記インナチューブの前記第2接合部側かつ前記折り線側に偏った箇所に位置するように、前記インフレータを前記インナチューブに内挿し、さらに、前記折り線上の前記第1接合部寄りの箇所にガス排出孔を設けたことを要旨とする。
上記の構成によれば、インナチューブ内のインフレータのガス噴出部から噴出されたガスの多くは、インナチューブ内において、インフレータの軸線に沿う方向と、同軸線に略直交する方向とに別れて流れる。軸線に沿う方向に流れるガスの多くは、インナチューブの折り線の近傍部分に衝突する。軸線に略直交する方向に流れるガスの一部は、インナチューブの第1接合部近傍部分、又は第2接合部近傍部分に衝突する。これらの衝突によって、ガスの流れ方向が変更される。この変更によりガスのエネルギーが消費され、その分、ガスの温度が下がる。
また、インナチューブ内において、ガス噴出部の近傍でガスの流れ方向が変更されることで、幾分かの乱流が発生する。この乱流によって、熱を帯び、かつガスを形成する粒子が拡散することで、ガス自体も拡散する。ガス噴出部の周囲の物体に対して熱を放出(伝播)しやすくなって、ガスの熱が下がる。
このようにしてガスの温度が下がることから、インナチューブやエアバッグにおいて、ガス噴出部の近傍部分がガスの熱による影響を受けにくくなる。
折り線の近傍部分との衝突により流れ方向を変更したガスは、その折り線に沿う方向へ流れる。このガスと、ガス噴出部から軸線に略直交する方向へ流れるガスとは、ともに第1接合部の近傍部分に衝突して、前記軸線に沿う方向に流れ方向を変更する。この軸線に沿う方向の一方へ流れるガスは、折り線上のガス排出孔を通ってインナチューブから出てエアバッグの一方の膨張部に供給される。また、軸線に沿う方向の他方へ流れるガスは、折り線と対向する縁部の開放部分を通ってインナチューブから出てエアバッグの他方の膨張部に供給される。
折り線の近傍部分との衝突により流れ方向を変更したガスは、その折り線に沿う方向へ流れる。このガスと、ガス噴出部から軸線に略直交する方向へ流れるガスとは、ともに第1接合部の近傍部分に衝突して、前記軸線に沿う方向に流れ方向を変更する。この軸線に沿う方向の一方へ流れるガスは、折り線上のガス排出孔を通ってインナチューブから出てエアバッグの一方の膨張部に供給される。また、軸線に沿う方向の他方へ流れるガスは、折り線と対向する縁部の開放部分を通ってインナチューブから出てエアバッグの他方の膨張部に供給される。
なお、折り線がガス噴出部の近くに位置することから、この折り線の近傍部分に対しては、比較的高温のガスが衝突する。しかし、この折り線の近傍部分には、両折り片を接合させる接合部が存在しない。そのため、インナチューブの折り線の近傍部分は、縫合等による接合部分に比べ高い耐熱性を発揮し、温度が下がる前のガスの熱による影響を受けにくい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記インフレータは、前記軸線に沿う方向に延びて前記ガスを発生する本体部を備え、前記ガス噴出部は、前記本体部よりも細い円柱状をなし、かつ同本体部の前記折り線側の端部に設けられており、径方向外方へ前記ガスを噴出するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータでは、ガス噴出部から径方向外方へガスが噴出される。このガスの一部は、第1接合部に向けて流れるほか、第2接合部に向けて流れる。後者のガスは、第2接合部の近傍部分に衝突して、流れ方向を軸線に沿う方向へ変更する。この際、本体部はガス噴出部に対し、折り線から遠い側に位置し、しかもガス噴出部よりも太い。そのため、この本体部は、軸線に沿う方向へ流れ方向を変更したガスの障壁となる。従って、流れ方向を変更したガスの多くは、折り線に近づく側へ流れることとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記インフレータを覆い、かつ前記軸線に沿う方向についての少なくとも前記ガス噴出部側の端部が開放された筒状のリテーナが前記インナチューブ内に配設されており、前記リテーナの前記軸線に沿う方向について、前記ガス噴出部に対応する箇所であって、前記リテーナの周方向について、前記第1接合部に対向する箇所に窓部が形成され、前記第2接合部に対向する箇所に壁部が形成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータのガス噴出部から径方向外方へガスが噴出されると、そのガスの一部は、第1接合部に向けて流れるほか、第2接合部に向けて流れる。前者のガスは、窓部を通ってリテーナの外部へ流出する。後者のガスは、壁部に衝突して、流れ方向を軸線に沿う方向へ変更する。この際、本体部はガス噴出部に対し、折り線から遠い側に位置し、しかもガス噴出部よりも太い。そのため、この本体部は、軸線に沿う方向へ流れ方向を変更したガスの障壁となる。このガスは、ガス噴出部側の開放端を通ってリテーナの外部へ流出する。従って、ガス噴出部から径方向外方へ噴出したガスが、インナチューブの第2接合部の近傍部分に直接衝突することは起こりにくい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記インナチューブの少なくとも内表面には、耐熱性のコーティング層が形成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、耐熱性のコーティング層が形成されたインナチューブは、同コーティング層が形成されていないものよりも高い耐熱性を発揮する。そのため、ガス噴出部から噴出された高温のガスは、インナチューブ内の各部、すなわち、折り線の近傍部分や、第1接合部の近傍部分に衝突するが、それらの部分がガスの熱から受ける影響を、コーティング層によって一層小さくすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記布帛は織布により構成され、前記ガス排出孔は、前記布帛において同ガス排出孔の周りに縫製により設けられた環状の縫い部により囲まれていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インナチューブを構成する糸がガス排出孔の周縁でほつれても(ほどけても)、そのほつれの拡がる現象が、ガス排出孔の周囲の環状の縫い部によって阻止される。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記長尺状の布帛は、互いに独立し、かつそれぞれ前記ガス排出孔を有する複数枚の織布が重ね合わされることにより構成されており、前記複数枚の織布は、前記ガス排出孔の周囲において、環状結合部によりに結合されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、布帛を構成する複数枚の織布において、糸がガス排出孔の周縁でほつれても(ほどけても)、そのほつれの拡がる現象が、ガス排出孔の周囲において、複数枚の織布を環状に結合する環状結合部によって阻止される。
また、上記環状結合部により、ガス排出孔の近傍では、織布同士の相対移動が規制される。従って、この相対移動により、織布間でガス排出孔の位置がずれて、所定の織布のガス排出孔が他の織布によって塞がれる現象が起こりにくくなる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記環状結合部は、前記複数枚の織布を、前記ガス排出孔の周りで環状に縫合することにより形成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、複数枚の織布をガス排出孔の周りで環状に縫合する、すなわち、共縫いすることで、ガス排出孔の周りで複数枚の織布を結合する環状結合部を、簡単に形成することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の発明において、前記エアバッグは、車両用シートに着座した乗員と車両のボディサイド部との間で膨張するサイドエアバッグであり、前記一対の膨張部は、前記サイドエアバッグの上部及び下部に設けられており、前記インナチューブは、前記折り線が下側に位置し、かつ前記第1接合部が前側に位置するように前記エアバッグ内に配設され、さらに、前記インフレータは、前記軸線が略上下方向に延びるように前記インナチューブに内挿されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、側突等により車両に対し側方から衝撃が加わると、インフレータのガス噴出部からガスが噴出される。このガスは、インナチューブ内を通過する過程で上下方向に流れの向きを変えられる。上方に向きを変えられたガスは、インナチューブの上側の開放端を通って、エアバッグ上部の膨張部に供給される。下方に向きを変えられたガスは、インナチューブの下側のガス排出孔を通って、エアバッグ下部の膨張部に供給される。このように分配されて各膨張部に供給されたガスにより、車両のボディサイド部と車両用シートに着座した乗員との間でエアバッグの各膨張部が膨張展開し、ボディサイド部を通じて乗員へ伝わる車両側方からの衝撃が緩和される。
本発明のエアバッグ装置のガス分配構造によれば、インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを分配する機能を発揮しつつ、ガスの温度を下げて熱による影響を抑制することができる。
以下、本発明のガス分配構造を、車両に設けられるサイドエアバッグ装置に適用した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1〜図3の少なくとも1つに示すように、車両10においてボディサイド部11の車内側(図2の右側、図3の上側)の近傍には車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両10の側部に配置された部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション(座部)13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾き調整機構(図示略)により傾斜角度を調整されるシートバック(背もたれ部)14とを備えている。シートバック14の車外側の側部には収納部15が設けられており(図3参照)、サイドエアバッグ装置17の主要部をなすエアバッグモジュールAMがこの収納部15に収納されている。収納部15の位置は、車両用シート12に着座した乗員Pの車外側近傍に設定されている。エアバッグモジュールAMは、図4に示すように、インフレータアセンブリ20、サイドエアバッグ30及びインナチューブ40を主要な構成部材として備えている。なお、図4は、サイドエアバッグ30がガスGを充填させることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールAMを、車外側布帛部32の多くの部分(中・下部)を破断した状態で示している。
次に、これらの構成部材の各々について説明する。ここで、本実施形態では、エアバッグモジュールAM及びその構成部材について「上下方向」、「前後方向」というときは、車両用シート12のシートバック14を基準としている。シートバック14の起立する方向を「上下方向」とし、この方向に対し車両10の略前後方向に直交する方向を「前後方向」としている。通常、シートバック14は傾斜した状態で使用されることから、「上下方向」は厳密には鉛直方向ではなく、多少傾斜している。同様に、「前後方向」は厳密には水平方向ではなく、多少傾斜している。
<インフレータアセンブリ20>
図5及び図7の少なくとも一方に示すように、インフレータアセンブリ20は、ガス発生器としてのインフレータ21と、そのインフレータ21を外側から覆うリテーナ22とを備えている。本実施形態では、インフレータ21として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ21は、本体部23と、その下端部に設けられたガス噴出部24とを備えている。本体部23は略上下方向に細長い略円柱状をなし、その内部には、膨張用のガスGを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。本体部23の上端部には、インフレータ21への指令信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。ガス噴出部24は、上記本体部23よりも小径の略円柱状をなし、本体部23と同軸線上に配置されている。ガス噴出部24は、その外周面に設けられた多数の噴孔25から、前記本体部23で発生されたガスGを径方向外方へ噴出する。
図5及び図7の少なくとも一方に示すように、インフレータアセンブリ20は、ガス発生器としてのインフレータ21と、そのインフレータ21を外側から覆うリテーナ22とを備えている。本実施形態では、インフレータ21として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ21は、本体部23と、その下端部に設けられたガス噴出部24とを備えている。本体部23は略上下方向に細長い略円柱状をなし、その内部には、膨張用のガスGを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。本体部23の上端部には、インフレータ21への指令信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。ガス噴出部24は、上記本体部23よりも小径の略円柱状をなし、本体部23と同軸線上に配置されている。ガス噴出部24は、その外周面に設けられた多数の噴孔25から、前記本体部23で発生されたガスGを径方向外方へ噴出する。
なお、インフレータ21としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ22は、ディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ21をサイドエアバッグ30及びインナチューブ40と一緒にシートバック14内のサイドフレーム部16(図5の二点鎖線参照)に締結する機能を有する部材である。リテーナ22の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略上下方向に細長い略筒状に形成されている。リテーナ22は、例えばこれが縮径するようにかしめられることにより、インフレータ21の本体部23に係止されている。リテーナ22の上下両端のうち少なくとも下端は開放端22Aとなっている。
リテーナ22において開放端22Aよりも上側、かつインフレータ21のガス噴出部24の前側近傍には、窓部26があけられている。そのため、ガス噴出部24から噴出されるガスGの多くは、上記開放端22A又は窓部26を通ってインフレータ21の外部、より具体的には略下方又は略前方へ噴出可能である。なお、リテーナ22の周方向について窓部26とは異なる箇所は、ガスGの通過を遮る壁部27となっている。この箇所には、ガス噴出部24の後ろ側近傍も含まれる。ここで、リテーナ22においてインフレータ21の軸線Lに直交する断面の周縁の長さを「周長」とすると、リテーナ22では、壁部27の周長L1が窓部26の周長L2よりも長く設定されている(図5参照)。
リテーナ22には、これを上記サイドフレーム部16に取付けるための係止部材として、複数本(本実施形態では2本)のボルト28が固定されている。表現を変えると、両ボルト28が、リテーナ22を介してインフレータ21に間接的に固定されている。
<サイドエアバッグ30>
図1〜図4の少なくとも1つに示すように、サイドエアバッグ30は、側突等により衝撃が車両10の外側方からボディサイド部11に加わったときに、インフレータ21からのガスGにより、自身の一部(後部)を収納部15内に残した状態で同収納部15から略前方へ向けて飛び出す。そして、サイドエアバッグ30は、車両用シート12及びボディサイド部11間の隙間G1で膨張展開することにより乗員Pを拘束して上記衝撃から保護するためのものである。
図1〜図4の少なくとも1つに示すように、サイドエアバッグ30は、側突等により衝撃が車両10の外側方からボディサイド部11に加わったときに、インフレータ21からのガスGにより、自身の一部(後部)を収納部15内に残した状態で同収納部15から略前方へ向けて飛び出す。そして、サイドエアバッグ30は、車両用シート12及びボディサイド部11間の隙間G1で膨張展開することにより乗員Pを拘束して上記衝撃から保護するためのものである。
サイドエアバッグ30は、単一の布帛を、その中央部分で二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成されている。ここでは、サイドエアバッグ30の上記の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを車内側布帛部31といい、車外側に位置するものを車外側布帛部32というものとする。両布帛部31,32は、それらの後縁部で相互に繋がっている。
上記布帛としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
車内側及び車外側の両布帛部31,32の上記結合は、それらの周縁に沿って設けられた周縁結合部33においてなされている。本実施形態では、周縁結合部33は、両布帛部31,32の周縁部を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この縫糸による周縁結合部33は、太い破線によって表現されることで、通常の破線(隠れ線)と区別されている(図4の上部参照)。また、縫糸による周縁結合部33の断面を示す場合、すなわち、両布帛部31,32の内部構造を示すために、周縁結合部33を通る面を断面とする場合には、同周縁結合部33での縫糸を、点を一定間隔おきに並べてなる線種(破線の一種)によって表現している(図4の中・下部参照)。これらの表現態様は、後述するインナチューブ40の第1接合部53及び第2接合部55についても同様である。
車内側及び車外側の両布帛部31,32の上記結合は、それらの周縁に沿って設けられた周縁結合部33においてなされている。本実施形態では、周縁結合部33は、両布帛部31,32の周縁部を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この縫糸による周縁結合部33は、太い破線によって表現されることで、通常の破線(隠れ線)と区別されている(図4の上部参照)。また、縫糸による周縁結合部33の断面を示す場合、すなわち、両布帛部31,32の内部構造を示すために、周縁結合部33を通る面を断面とする場合には、同周縁結合部33での縫糸を、点を一定間隔おきに並べてなる線種(破線の一種)によって表現している(図4の中・下部参照)。これらの表現態様は、後述するインナチューブ40の第1接合部53及び第2接合部55についても同様である。
なお、サイドエアバッグ30は、互いに同一形状をなす一対の布帛を車幅方向に重ね合わせ、それらの周縁部同士を結合させることにより形成されたものであってもよい。また、周縁結合部33は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。後述するインナチューブ40の第1接合部53、第2接合部55及び環状結合部61についても同様である。
上記サイドエアバッグ30は、頭部保護膨張部34、腰部保護膨張部35、中間膨張部36及び非膨張部37を備えている。頭部保護膨張部34は、乗員Pの頭部PHの側方近傍で膨張してその頭部PHを衝撃から保護する箇所である。腰部保護膨張部35は、乗員Pの腰部PPの側方近傍で膨張し、その腰部PPを衝撃から保護する箇所である。中間膨張部36は、インナチューブ40及びインフレータアセンブリ20が配設されるとともに、インフレータ21から噴出されてインナチューブ40によって分配されたガスGを頭部保護膨張部34及び腰部保護膨張部35に導く箇所である。中間膨張部36は、略上下方向に延びて頭部保護膨張部34及び腰部保護膨張部35に繋がっている。非膨張部37は、ガスGによる膨張が行われない箇所であり、頭部保護膨張部34、腰部保護膨張部35及び中間膨張部36によって囲まれている。この非膨張部37は、車内側布帛部31の一部及び車外側布帛部32の一部によって構成されている。
<インナチューブ40>
インナチューブ40は、インフレータ21のガス噴出部24から噴出されたガスGを、インフレータ21の軸線Lに沿う方向に指向させて、頭部保護膨張部34及び腰部保護膨張部35に分配することを主な目的として用いられており、上記中間膨張部36内に配置されている。
インナチューブ40は、インフレータ21のガス噴出部24から噴出されたガスGを、インフレータ21の軸線Lに沿う方向に指向させて、頭部保護膨張部34及び腰部保護膨張部35に分配することを主な目的として用いられており、上記中間膨張部36内に配置されている。
図6〜図8の少なくとも1つに示すように、インナチューブ40は、長尺状の布帛41を用いて形成されている。この布帛41は、互いに同一形状の複数枚(本実施形態では3枚)の織布42によって構成されている。各織布42としては、サイドエアバッグ30と同様、強度が高く、かつ可撓性を有していて折り畳むことのできるものが用いられている。各織布42の内外両表面には、クロロプレン、シリコーン等のエラストマーからなる耐熱性のコーティング層43が形成されている。こうした織布42は、一般に「コーティング布」と呼ばれているものである。
上記長尺状の各織布42は互いに厚み方向に重ね合わされている。これらの織布42が重ね合わされて層状にされたものは、各織布42の長手方向の中央部において、同長手方向に直交する折り線45に沿って2つに折り曲げられていて、この折り曲げにより、織布42毎に、互いに同一形状の一対の折り片が形成されている。織布42毎の両折り片を互いに区別するために、車内側に位置するものを第1折り片46といい、車外側に位置するものを第2折り片47というものとする。織布42毎の第1折り片46及び第2折り片47は、折り線45部分では、縫合等の接合手段によることなく相互に繋がっている。
上記織布42毎の折り曲げにより、インナチューブ40は、織布42毎の第1折り片46の集まりである第1折り片群51(図7参照)と、織布42毎の第2折り片47の集まりである第2折り片群52(図6参照)とが重なりあった複数層(6層)の積層体となっている。
第1折り片群51及び第2折り片群52は、複数(本実施形態では3つ)の第1接合部53によって相互に接合されている。各第1接合部53は、第1折り片群51及び第2折り片群52において、折り線45に直交する一方(前方)の縁部54に沿って設けられている。本実施形態では、第1接合部53は、第1折り片群51及び第2折り片群52を、縁部54に沿って縫糸で直線状に共縫いすることによって形成されている。
また、第1折り片群51及び第2折り片群52は、複数(本実施形態では3つ)の第2接合部55によって相互に接合されている。各第2接合部55は、第1折り片群51及び第2折り片群52において、前記折り線45に直交する他方(後方)の縁部56に沿って設けられている。本実施形態では、第2接合部55は、第1折り片群51及び第2折り片群52を、縁部56に沿って縫糸で直線状に共縫いすることによって形成されている。
第1接合部53及び第2接合部55の間隔は、インナチューブ40が膨張したときに、膨張状態の中間膨張部36と略同じ径の円筒状となるように設定されている。
第1折り片群51及び第2折り片群52は、前記折り線45と対向する縁部57において相互に接合されておらず、開放されている。この開放部分を、ここでは上部開放端49というものとする。また、上部開放端49では、隣合う第1折り片46同士が縁部57に沿う方向に相互に接合されていないし、隣合う第2折り片47同士も同方向に相互に接合されていない。
第1折り片群51及び第2折り片群52は、前記折り線45と対向する縁部57において相互に接合されておらず、開放されている。この開放部分を、ここでは上部開放端49というものとする。また、上部開放端49では、隣合う第1折り片46同士が縁部57に沿う方向に相互に接合されていないし、隣合う第2折り片47同士も同方向に相互に接合されていない。
なお、第1折り片群51及び第2折り片群52は、前記折り線45の近傍で、同折り線45に沿う方向には相互に接合されていない。また、折り線45の近傍で、その折り線45に沿う方向には、隣合う第1折り片46同士が相互に接合されていないし、隣合う第2折り片47同士が相互に接合されていない。
織布42毎の折り線45上の第1接合部53寄りの箇所には、第1折り片46及び第2折り片47に跨った状態でガス排出孔59が設けられている。インナチューブ40では、その内部空間(第1折り片群51と第2折り片群52との間の空間)と外部とが、織布42毎のガス排出孔59によって連通されている。
複数枚の織布42は、各ガス排出孔59の周囲に設けられた共通の環状結合部61によって結合されている。この環状結合部61は、複数枚の織布42を、各ガス排出孔59の周りで環状に縫合(共縫い)することによって形成されている。なお、この環状結合部61は、第1折り片群51と第2折り片群52とを結合するものではない。
さらに、第1折り片群51の第2接合部55寄りの箇所であって、同第2接合部55の長手方向に沿う2箇所には、リテーナ22のボルト28よりもやや大径のボルト挿通孔62があけられている。
なお、図5では、インナチューブ40の図示が割愛されている。
上記のようにしてインナチューブ40が構成されている。そして、ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータアセンブリ20の多くの部分が、インナチューブ40の上記上部開放端49を通じてインナチューブ40に内挿されている。インフレータアセンブリ20の上端部は、上部開放端49よりも上側に位置し、インナチューブ40から露出している。
上記のようにしてインナチューブ40が構成されている。そして、ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータアセンブリ20の多くの部分が、インナチューブ40の上記上部開放端49を通じてインナチューブ40に内挿されている。インフレータアセンブリ20の上端部は、上部開放端49よりも上側に位置し、インナチューブ40から露出している。
さらに、リテーナ22の2本のボルト28が、第1折り片群51の対応するボルト挿通孔62と、サイドエアバッグ30の車内側布帛部31とにそれぞれ挿通されている。こうした挿通により、インフレータアセンブリ20及びインナチューブ40が、サイドエアバッグ30に対し位置決めされた状態で係止されている。このようにサイドエアバッグ30に係止されたインフレータアセンブリ20及びインナチューブ40の組合わせにより、ガス分配構造が構成されている。
ところで、サイドエアバッグ30、インフレータアセンブリ20及びインナチューブ40を主要な構成部材として有する上記エアバッグモジュールAMは、展開状態のサイドエアバッグ30(図4参照)がインナチューブ40を伴って折り畳まれることにより、コンパクトな収納用形態にされている。これは、エアバッグモジュールAMをシートバック14における限られた大きさの収納部15に収納しやすくするためである。
上記収納用形態にされたエアバッグモジュールAMは、インフレータアセンブリ20及びインナチューブ40を後側に位置させ、かつサイドエアバッグ30の多くを前側に位置させた状態で、シートバック14の収納部15に収容されている。そして、上述したように、リテーナ22から延びてインナチューブ40及びサイドエアバッグ30に挿通されたボルト28が、サイドフレーム部16に挿通され、ナット29によって締付けられている(図5参照)。この締付けにより、インフレータアセンブリ20及びインナチューブ40がサイドエアバッグ30と一緒にサイドフレーム部16に固定されている。なお、インフレータアセンブリ20は、上述したボルト28及びナット29とは異なる部材によって車両10(サイドフレーム部16)に固定されてもよい。
図1に示すように、サイドエアバッグ装置17は、上述したエアバッグモジュールAMのほかに衝撃センサ71及び制御装置72を備えている。衝撃センサ71は加速度センサ等からなり、車両10のボディサイド部11(図2及び図3参照)等に設けられており、同ボディサイド部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置72は、衝撃センサ71の検出信号に基づきインフレータ21の作動を制御する。
上記のようにして、ガス分配構造を有するサイドエアバッグ装置17が構成されている。このサイドエアバッグ装置17では、車両10のボディサイド部11に対し、側突等により所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からインフレータ21に対し、これを作動させるための指令信号が出力される。この指令信号に応じて、本体部23では、ガス発生剤が高温高圧のガスGを発生し、これをガス噴出部24の複数の噴孔25から径方向外方の略全方向へ噴出する(図5参照)。ここで、前述したように、壁部27の周長L1が窓部26の周長L2よりも長いことから、壁部27に向かうガスGの量は、窓部26に向かうガスGの量よりも多い。
図7に示すように、インフレータ21に被せられた筒状のリテーナ22では、主に窓部26と下側の開放端22Aとが、ガス噴出部24からのガスGの通過を許容し、壁部27がガスGの通過を遮る。
本実施形態では、窓部26がリテーナ22の略前部にのみ設けられていることから、一部のガス噴出部24から略前方へ噴出したガスGは、窓部26を通り抜ける。このガスGの量は、上記周長の関係(L1>L2)から、壁部27に衝突するガスGの量よりも少ない。窓部26を通り抜けたガスGは、インナチューブ40における第1接合部53の近傍部分に衝突して、同第1接合部53に沿った方向(略上下方向)に流れ方向を変える。
また、ガス噴出部24から略後方等、略前方以外の方向へ噴出したガスGは壁部27に衝突する。この衝突するガスGの量は、上記周長の関係(L1>L2)から、窓部26を通り抜けるガスGの量よりも多い。さらに、壁部27とインフレータ21との間の隙間は、ガスGの通路となり得る。そのため、ガス噴出部24から略後方等へ噴出されて壁部27に衝突したガスGは、その流れ方向をインフレータ21の軸線Lに沿う2方向(略上方及び略下方)へ変えようとする。
この際、本体部23はガス噴出部24に対し、折り線45から遠い側(略上側)に位置し、しかもガス噴出部24よりも太い(大径である)。本体部23と壁部27との間の隙間が、ガス噴出部24と壁部27との間の隙間よりも小さい。これらの本体部23及び隙間は、軸線Lに沿う方向へ流れ方向を変更したガスGの障壁となる。従って、ガスGは本体部23と壁部27との間の狭い隙間へ入り込みにくく、多くは軸線Lに沿って略下方へ流れることとなる。
よって、上記のように壁部27に当って流れの向きを変えられたガスGは、リテーナ22の下側の開放端22Aを通り、略下方へ向けて流れる。従って、ガス噴出部24から径方向外方へ噴出したガスGがインナチューブ40の第2接合部55の近傍部分に直接衝突することは起こりにくい。
また、上記周長の関係(L1>L2)から、開放端22Aを通って略下方へ流れるガスGの量は、窓部26を通り抜けて略前方へ流れるガスGの量よりも多い。開放端22Aを通り、略下方へ向けて流れる上記ガスGは、インナチューブ40の折り線45の近傍部分に衝突する。上記衝突に伴うガスGの流れ方向の変更によりガスGのエネルギーが消費され、その分、ガスGの温度が下がる。
また、インナチューブ40内において、ガス噴出部24の近傍(折り線45の近傍部分やガス噴出部24の前方近傍部分)でガスGの流れ方向が変更されることで、幾分かの乱流が発生する。この乱流によって、熱を帯び、かつガスGを形成する粒子が拡散することで、ガスG自体も拡散する。ガス噴出部24の周囲の物体(インナチューブ40、サイドエアバッグ30等)に対して熱を放出(伝播)しやすくなって、ガスGの熱が下がる。
このようにしてガスGの温度が下がることから、インナチューブ40やサイドエアバッグ30において、ガス噴出部24の近傍部分(図7において網点で示す領域Z1)がガスGの熱による影響を受けにくくなる。
折り線45の近傍部分との衝突により流れ方向を変更したガスGは、その折り線45に沿って略前方へ流れる。このガスGと、ガス噴出部24から窓部26を通って略前方へ流れるガスGとは、ともに第1接合部53の近傍部分に衝突して、前記軸線Lに沿う方向(略上下方向)に流れ方向を変更する。この軸線Lに沿う方向の一方(略下方)へ流れるガスGは、ガス排出孔59を通ってインナチューブ40よりも下側の腰部保護膨張部35に供給される。また、軸線Lに沿う方向の他方(略上方)へ流れるガスGは、上部開放端49を通ってインナチューブ40よりも上側の頭部保護膨張部34に供給される。
なお、折り線45がガス噴出部24の近くにあることから、この折り線45の近傍部分に対しては、比較的高温のガスGが衝突することとなる。しかし、この折り線45の近傍部分には、第1折り片46及び第2折り片47を接合させる接合部が存在しない。そのため、インナチューブ40のこの折り線45の近傍部分は、縫合等による接合部分に比べ高い耐熱性を発揮し、温度が下がる前のガスGの熱による影響を受けにくい。
また、耐熱性のコーティング層43が形成されたインナチューブ40は、同コーティング層43が形成されていないものよりも高い耐熱性を発揮する。そのため、ガス噴出部24から噴出された高温のガスGは、上述したようにインナチューブ40内の各部、すなわち、折り線45の近傍部分や、第1接合部53の近傍部分等に衝突するが、衝突した箇所を含めインナチューブ40の全体は、コーティング層43によって熱から保護される。
上記のようにして、インフレータ21から噴出されたガスGが、インナチューブ40の各ガス排出孔59を通って腰部保護膨張部35に供給されるとともに、インナチューブ40の上部開放端49を通って頭部保護膨張部34に供給される。これらの供給により、折り畳まれていたインナチューブ40及びサイドエアバッグ30がともに折り状態を解消(展開)しながら膨張する。
そして、サイドエアバッグ30は、一部(インフレータアセンブリ20の近傍部分)をシートバック14の収納部15に残した状態で、同シートバック14から飛び出す。その後も供給されるガスGにより、頭部保護膨張部34が乗員Pの頭部PHの側方近傍で膨張展開して側突による衝撃から頭部PHを保護し、腰部保護膨張部35が乗員Pの腰部PPの側方近傍で膨張展開し、側突による衝撃から腰部PPを保護する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)布帛41を折り線45に沿って折り曲げて形成した第1折り片46及び第2折り片47を、折り線45に直交する縁部54,56に沿って設けた第1接合部53及び第2接合部55により相互に接合し、折り線45と対向する縁部57が開放されたインナチューブ40を形成する。ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータアセンブリ20をインナチューブ40に内挿する。そして、折り線45上の第1接合部53寄りの箇所にガス排出孔59を設けている(図6及び図7)。
(1)布帛41を折り線45に沿って折り曲げて形成した第1折り片46及び第2折り片47を、折り線45に直交する縁部54,56に沿って設けた第1接合部53及び第2接合部55により相互に接合し、折り線45と対向する縁部57が開放されたインナチューブ40を形成する。ガス噴出部24が、インナチューブ40の第2接合部55側かつ折り線45側に偏った箇所に位置するように、インフレータアセンブリ20をインナチューブ40に内挿する。そして、折り線45上の第1接合部53寄りの箇所にガス排出孔59を設けている(図6及び図7)。
このため、ガス噴出部24からインナチューブ40に噴出されたガスGを、上部開放端49を通じて頭部保護膨張部34に分配して供給するとともに、ガス排出孔59を通じて腰部保護膨張部35に分配して供給することができる。また、インナチューブ40の各部との衝突による流れ方向の変更や、乱流による拡散等でガスGの温度を下げて、熱による影響を抑制することができる。
また、インナチューブ40におけるガス噴出部24の近傍部分を、折り線45に沿って折り曲げているため、同近傍部分の耐熱性を高め、ガスGの熱による影響を受けにくくすることができる。
(2)インフレータ21として、軸線Lに沿う方向に延びてガスGを発生する本体部23と、本体部23よりも細い円柱状をなし、かつ同本体部23の下端部に設けられて、径方向外方へガスGを噴出するガス噴出部24とを備えるものを用いている(図7)。
このため、ガス噴出部24から噴出されたガスGの一部を、軸線Lに沿って折り線45側(略下側)へ流れさせることができ、上記(1)の効果をより確実なものとすることができる。
(3)略上下方向に延びるインフレータ21を覆い、かつ少なくとも下端部が開放された筒状のリテーナ22をインナチューブ40内に配設する。リテーナ22のガス噴出部24に対応する箇所であって、同リテーナ22の周方向についての前側部分に窓部26を形成し、それ以外の箇所(後ろ側部分を含む)に壁部27を形成している(図7)。
このため、ガス噴出部24から噴出されたガスGの一部を、窓部26を通じて略前方へ向けて流れさせることができる。また、ガス噴出部24から噴出されたガスGの一部を、インナチューブ40の第2接合部55の近傍部分に直接衝突させることなく、軸線Lに沿わせて折り線45側へ流れさせることができる。
(4)インナチューブ40の布帛41を構成する複数枚の織布42として、内外両表面にコーティング層43が形成されたものを用いている(図6)。そのため、インナチューブ40内の各部がガスGの熱から受ける影響を一層小さくすることができる。
(5)複数枚の織布42を、それぞれのガス排出孔59の周囲において、環状結合部61によって接合している(図7)。そのため、各織布42の糸がガス排出孔59の周縁でほつれても、そのほつれが拡がるのを環状結合部61によって阻止することができる。
また、環状結合部61により、ガス排出孔59の近傍での織布42同士の相対移動を規制することができる。従って、相対移動により、織布42間でガス排出孔59の位置がずれて、所定の織布42のガス排出孔59が他の織布42によって塞がれる現象を抑制することができる。
(6)複数枚の織布42を、ガス排出孔59の周りで環状に縫合(共縫い)することにより上記環状結合部61を形成している(図7)。そのため、上記(5)の環状結合部61を簡単に形成することができる。
(7)インナチューブ40による腰部保護膨張部35及び頭部保護膨張部34へのガスGの分配量については、ガス排出孔59の孔径を変更することで簡単に調整することができる。ガス排出孔59の孔径を大きくするに従い、同ガス排出孔59を通じて腰部保護膨張部35に供給されるガスGの量を多くすることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<サイドエアバッグ30について>
・両布帛部31,32の一方のみによって非膨張部37を形成してもよい。
<サイドエアバッグ30について>
・両布帛部31,32の一方のみによって非膨張部37を形成してもよい。
・図4において、頭部保護膨張部34、腰部保護膨張部35及び中間膨張部36によって囲まれた箇所を空間によって構成し、ここを非膨張部37としてもよい。この場合には、非膨張部37に両布帛部31,32が存在しない。このことから、サイドエアバッグ30を折り畳んで収納用形態としたときには、その非膨張部37を膨張部に変更した場合はもちろんのこと、非膨張部37を両布帛部31,32によって構成した場合よりも、サイドエアバッグ30の体積が小さくなる。このため、エアバッグモジュールAMを収納部15に収納しやすくなるメリットがある。
・頭部保護膨張部34及び腰部保護膨張部35は、サイドエアバッグ30に設けられたテザー、シーム等の仕切り部を介して互いに隣り合うものであってもよい。
テザーは、サイドエアバッグ30の両布帛部31,32間に配置され、かつ自身の側縁部にて対応する布帛部31,32に接合される帯状の布からなり、両布帛部31,32を所定の間隔を隔てた状態で連結する際に用いられる。
テザーは、サイドエアバッグ30の両布帛部31,32間に配置され、かつ自身の側縁部にて対応する布帛部31,32に接合される帯状の布からなり、両布帛部31,32を所定の間隔を隔てた状態で連結する際に用いられる。
シームは、縫糸等による接合部分であり、両布帛部31,32を縫糸によって縫合等することによって、両布帛部31,32を互いに接触させた状態で連結する際に用いられる。
<インナチューブ40について>
・図9に示すように、布帛41として、長尺状をなす1枚の織布42によって形成したものを用いてもよい。この場合にも前記実施形態と同様、ガス排出孔59の周縁に何らかの処理を施さないと、織布42の糸がガス排出孔59の周縁でほつれる(ほどける)おそれがある。そこで、布帛41においてガス排出孔59を、その周りに縫製により設けられた環状の縫い部66により囲むことが有効である。このようにすると、インナチューブ40を構成する糸がガス排出孔59の周縁でほつれても(ほどけても)、そのほつれの拡がる現象を縫い部66によって阻止することができる。
・図9に示すように、布帛41として、長尺状をなす1枚の織布42によって形成したものを用いてもよい。この場合にも前記実施形態と同様、ガス排出孔59の周縁に何らかの処理を施さないと、織布42の糸がガス排出孔59の周縁でほつれる(ほどける)おそれがある。そこで、布帛41においてガス排出孔59を、その周りに縫製により設けられた環状の縫い部66により囲むことが有効である。このようにすると、インナチューブ40を構成する糸がガス排出孔59の周縁でほつれても(ほどけても)、そのほつれの拡がる現象を縫い部66によって阻止することができる。
・第1接合部53及び第2接合部55の少なくとも一方は、隣合う織布42を接着剤で接着することによって形成されたものであってもよい。
・折り線45は、布帛41の長手方向に直交するものに限らず、斜めに交差するものであってもよい。
・折り線45は、布帛41の長手方向に直交するものに限らず、斜めに交差するものであってもよい。
・折り線45は、布帛41の長手方向の中央部から偏倚した箇所に設定されてもよい。この場合、布帛41を折り線45に沿って折り曲げることにより形成される第1折り片46と第2折り片47とは、長さが異なることとなる。
・第1接合部53及び第2接合部55の少なくとも一方を、前記実施形態とは異なる数設けてもよい。図9は、第1接合部53及び第2接合部55をそれぞれ2つずつ設けた例を示している。
<コーティング層43について>
・インナチューブ40においてガスGに直接晒される箇所は内表面である。そのため、コーティング層43を形成する場合には、インナチューブ40の少なくとも内表面をコーティング層43の形成対象面とすることが重要である。インナチューブ40の上記内表面以外の箇所については、ガスGによる熱害の程度に応じて、コーティング層43を割愛することが可能である。
・インナチューブ40においてガスGに直接晒される箇所は内表面である。そのため、コーティング層43を形成する場合には、インナチューブ40の少なくとも内表面をコーティング層43の形成対象面とすることが重要である。インナチューブ40の上記内表面以外の箇所については、ガスGによる熱害の程度に応じて、コーティング層43を割愛することが可能である。
例えば、インナチューブ40の布帛41が1枚の織布42によって構成されている場合(図9参照)には、その織布42の外表面のコーティング層43を割愛してもよい。
インナチューブ40の布帛41が複数枚の織布42によって構成されている場合(図7参照)には、最も内側に位置する織布42の内表面についてコーティング層43を形成し、その織布42の外表面や、それ以外の織布42の内表面及び外表面についてはコーティング層43を割愛してもよい。
インナチューブ40の布帛41が複数枚の織布42によって構成されている場合(図7参照)には、最も内側に位置する織布42の内表面についてコーティング層43を形成し、その織布42の外表面や、それ以外の織布42の内表面及び外表面についてはコーティング層43を割愛してもよい。
・インナチューブ40の布帛41の織布42として、内表面及び外表面のいずれにもコーティング層43が形成されていない、いわゆるノンコート布が用いられてもよい。
<インフレータアセンブリ20について>
・インフレータアセンブリ20は、インフレータ21とリテーナ22とが一体になったものであってもよい。
<インフレータアセンブリ20について>
・インフレータアセンブリ20は、インフレータ21とリテーナ22とが一体になったものであってもよい。
・インフレータアセンブリ20は、リテーナ22を用いず、インフレータ21にボルト28を直接固定したものであってもよい。
・リテーナ22の両端部のうち、インフレータ21の長さ方向についてガス噴出部24が設けられた側とは反対側の端部(上端部)については、閉塞されてもよい。
・リテーナ22の両端部のうち、インフレータ21の長さ方向についてガス噴出部24が設けられた側とは反対側の端部(上端部)については、閉塞されてもよい。
・インフレータアセンブリ20は、インフレータ21の少なくともガス噴出部24がインナチューブ40内に配置されるものであればよい。従って、インフレータアセンブリ20は、その一部(上端部)が上記実施形態のようにインナチューブ40から露出するものであってもよいし、図示はしないが、全体がインナチューブ40内に配置されるものであってもよい。
<エアバッグモジュールAMの収納部15について>
・エアバッグモジュールAMの収納部15を、車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に設けてもよい。
・エアバッグモジュールAMの収納部15を、車両用シート12のシートバック14に代えてボディサイド部11に設けてもよい。
<その他>
・本発明は、前後方向に一対の膨張部が設けられたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置17にも適用可能である。この場合の膨張部の保護対象となる乗員の部位としては、例えば、上半身の前部及び後部が挙げられる。また、長尺状のインフレータ21は、略水平状態で配置されることとなる。
・本発明は、前後方向に一対の膨張部が設けられたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置17にも適用可能である。この場合の膨張部の保護対象となる乗員の部位としては、例えば、上半身の前部及び後部が挙げられる。また、長尺状のインフレータ21は、略水平状態で配置されることとなる。
・上下方向に一対の膨張部が設けられたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置17の場合、膨張部が保護する対象となる乗員Pの部位としては、腰部PP、腹部、胸部、肩部、頭部PH等がある。また、これらの部位は隣合うものであってもよいし、離れているものであってもよい。
・本発明が適用されるエアバッグは、インフレータ21の少なくとも軸線Lに沿う方向の異なる2箇所に膨張部を有するものであるが、両膨張部間に3つ目の膨張部を有するものであってもよい。
上記サイドエアバッグ30としては、例えば、前記実施形態の腰部保護膨張部35と頭部保護膨張部34と間に、3つ目の膨張部を有するものが挙げられる。この場合には、インフレータ21のガス噴出部24から噴出されてインナチューブ40に供給されたガスGを、3つ目の膨張部に供給するために、図9及び図10に示すように、第1接合部53の近傍に第2ガス排出孔65を新たに設けてもよい。
図9は、第2ガス排出孔65を、第2折り片47において第1接合部53から若干離れた箇所に設けた例を示している。この第2ガス排出孔65は、第2折り片47に代えて、又は加えて第1折り片46に設けられてもよい。
また、図10は、第2ガス排出孔65を第1接合部53上に設けた例を示している。この場合、第2ガス排出孔65を設ける箇所では両折り片46,47を第1接合部53によって接合しない。第1接合部53が分断された箇所を設け、ここを第2ガス排出孔65とする。
なお、上記いずれの例でも、第2ガス排出孔65を、軸線Lに沿う方向について、ガス噴出部24よりも上部開放端49側へ偏倚した箇所に設ける。
・本発明は、サイドエアバッグ装置17に限らず、他のエアバッグ装置、例えば車両用シート12に着座した乗員Pの頭部PHと、車両10の車室内の側部との間でエアバッグをカーテン状に膨張させることにより同頭部PHを保護する頭部保護用エアバッグ装置(カーテンシールドエアバッグ装置)にも適用可能である。この場合には、インフレータ21がエアバッグに内蔵されることが前提となる。
・本発明は、サイドエアバッグ装置17に限らず、他のエアバッグ装置、例えば車両用シート12に着座した乗員Pの頭部PHと、車両10の車室内の側部との間でエアバッグをカーテン状に膨張させることにより同頭部PHを保護する頭部保護用エアバッグ装置(カーテンシールドエアバッグ装置)にも適用可能である。この場合には、インフレータ21がエアバッグに内蔵されることが前提となる。
10…車両、11…ボディサイド部、12…車両用シート、17…サイドエアバッグ装置、21…インフレータ、22…リテーナ、23…本体部、24…ガス噴出部、26…窓部、27…壁部、30…サイドエアバッグ(エアバッグ)、34…頭部保護膨張部(膨張部)、35…腰部保護膨張部(膨張部)、40…インナチューブ、41…布帛、42…織布、43…コーティング層、45…折り線、46…第1折り片(折り片)、47…第2折り片(折り片)、53…第1接合部、54…一方の縁部、55…第2接合部、56…他方の縁部、57…折り線に対向する縁部、59…ガス排出孔、61…環状結合部、66…縫い部、G…ガス、L…インフレータの軸線、P…乗員。
Claims (8)
- 長尺状のインフレータと、前記インフレータの少なくとも軸線に沿う方向の異なる2箇所に膨張部を有するエアバッグとを備えるエアバッグ装置に適用され、前記インフレータのガス噴出部から噴出されたガスを、インナチューブにより前記軸線に沿う方向に指向させて前記各膨張部に分配するエアバッグ装置のガス分配構造であって、
長尺状の布帛を、その長手方向に交差する折り線に沿って折り曲げることにより一対の折り片を形成し、
前記両折り片を、前記布帛の前記折り線に交差する一方の縁部に沿って設けた第1接合部により相互に接合するとともに、前記布帛の前記折り線に交差する他方の縁部に沿って設けた第2接合部により相互に接合して、前記折り線と対向する縁部が開放された前記インナチューブを形成し、
前記ガス噴出部が、前記インナチューブの前記第2接合部側かつ前記折り線側に偏った箇所に位置するように、前記インフレータを前記インナチューブに内挿し、さらに、前記折り線上の前記第1接合部寄りの箇所にガス排出孔を設けたことを特徴とするエアバッグ装置のガス分配構造。 - 前記インフレータは、前記軸線に沿う方向に延びて前記ガスを発生する本体部を備え、
前記ガス噴出部は、前記本体部よりも細い円柱状をなし、かつ同本体部の前記折り線側の端部に設けられており、径方向外方へ前記ガスを噴出するものである請求項1に記載のエアバッグ装置のガス分配構造。 - 前記インフレータを覆い、かつ前記軸線に沿う方向についての少なくとも前記ガス噴出部側の端部が開放された筒状のリテーナが前記インナチューブ内に配設されており、
前記リテーナの前記軸線に沿う方向について、前記ガス噴出部に対応する箇所であって、前記リテーナの周方向について、前記第1接合部に対向する箇所に窓部が形成され、前記第2接合部に対向する箇所に壁部が形成されている請求項2に記載のエアバッグ装置のガス分配構造。 - 前記インナチューブの少なくとも内表面には、耐熱性のコーティング層が形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のエアバッグ装置のガス分配構造。
- 前記布帛は織布により構成され、
前記ガス排出孔は、前記布帛において同ガス排出孔の周りに縫製により設けられた環状の縫い部により囲まれている請求項1〜4のいずれか1つに記載のエアバッグ装置のガス分配構造。 - 前記長尺状の布帛は、互いに独立し、かつそれぞれ前記ガス排出孔を有する複数枚の織布が重ね合わされることにより構成されており、
前記複数枚の織布は、前記ガス排出孔の周囲において、環状結合部によりに結合されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のエアバッグ装置のガス分配構造。 - 前記環状結合部は、前記複数枚の織布を、前記ガス排出孔の周りで環状に縫合することにより形成されている請求項6に記載のエアバッグ装置のガス分配構造。
- 前記エアバッグは、車両用シートに着座した乗員と車両のボディサイド部との間で膨張するサイドエアバッグであり、
前記一対の膨張部は、前記サイドエアバッグの上部及び下部に設けられており、
前記インナチューブは、前記折り線が下側に位置し、かつ前記第1接合部が前側に位置するように前記エアバッグ内に配設され、
さらに、前記インフレータは、前記軸線が略上下方向に延びるように前記インナチューブに内挿されている請求項1〜7のいずれか1つに記載のエアバッグ装置のガス分配構造。
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