JP2005069130A - 可変圧縮比機構付き内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機関運転状態に応じて基本圧縮比を設定すると共に、実圧縮比を検出し(S1〜S3)、機関運転状態に応じて設定した基本点火時期を、圧縮比偏差ΔCR(実圧縮比−基本圧縮比)の正負に応じてΔCR>0のときは遅角用の補正係数αret、遅角補正量ΔADVを順次設定して点火時期を遅角補正し(S4〜S6、S8,S9、S11〜S13)、ΔCR<0のときは進角用の補正係数αadv、進角補正量ΔADVを順次設定して点火時期を進角補正する(S4〜S6、S8,S10〜S13)。
【選択図】 図3
Description
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、1つのマップを用いて簡易な演算によって応答性良く点火時期を制御できるようにした可変圧縮比機構付き内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。
図1は、実施形態における可変圧縮比機構付き内燃機関のシステム構成図である。
内燃機関1の吸気通路55のコンプレッサ53上流には、吸入空気量を検出するエアフロメータ2が配置され、コンプレッサ53の下流に介装されるインタークーラ3の下流側に、過給圧を検出する吸気圧センサ4が配置されている。
このターボ過給機51は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路55に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる排気バイパス弁56を備えている。
前記燃焼室内に形成された混合気は、点火栓17による火花点火によって着火燃焼し、燃焼排気は、前記タービン52に回転エネルギーを与えた後、触媒19で浄化され、マフラー20を介して排気中に放出される。
機関1のクランク軸31は、複数のジャーナル部32とクランクピン部33とカウンタウエィト部31aとを備えており、図示せぬシリンダブロックの主軸受に、ジャーナル部32が回転自在に支持されている。
上記ロアーリンク34は、略中央の連結孔に上記クランクピン部33が嵌合している。
アッパーリンク35は、下端側が連結ピン36によりロアーリンク34の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン37によりピストン38に回動可能に連結されている。
制御リンク40は、上端側が連結ピン41によりロアーリンク34の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸42を介して機関本体例えばシリンダブロックの適宜位置に回動可能に連結されている。
上記のような可変圧縮比機構100においては、上記制御軸42がアクチュエータ43によって回動されると、小径部42bに対して偏心している大径部42aの軸中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。
そして、上記制御リンク40の揺動支持位置が変化すると、ピストン38の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン38の位置が高くなったり低くなったりする。
これにより、機関圧縮比を吸気行程中においても変えることが可能となる。
図3は、点火時期制御の第1の実施形態におけるフローを示す。
ステップ(図ではSと記す。以下同様)1では、クランク角センサ5によって検出される機関回転速度Ne、燃料噴射量Tp等の運転状態検出値を読み込む。
ステップ3では、圧縮比センサ62により検出される実圧縮比CR(actual)を読み込む。
ステップ4では、機関回転速度Ne及び燃料噴射量Tp等の負荷に基づいて、図5に示すマップからの参照等により、基本点火時期ADV(base)を設定する。
ΔCR=CR(actual)−CR(base)
ステップ6では、前記圧縮比偏差ΔCRが0であるか否かを判定する。
ΔCR=0のときは、ステップ7へ進んで圧縮比偏差による点火時期の補正係数αを0に設定する。すなわち、実圧縮比が目標値に一致していれば、点火時期を補正する必要がないのでα=0とすることにより補正を停止する。
ΔCR>0のときは、実圧縮比が目標値より高くノッキング発生傾向が増大しているので、ステップ9へ進んでノッキングを抑制するべく、点火時期を遅角補正するための補正係数αretを設定する。
ΔCR<0のときは、実圧縮比が目標値より低くノッキング発生傾向が減少しているので、ステップ10へ進んで出力を増加するべく、点火時期を進角補正するための補正係数αadvを設定する。
ステップ11では、前記圧縮比偏差ΔCRと上記のように設定した点火時期補正係数αを用いて、点火時期補正量ΔADVを次式のように設定する。
ΔADV=α×ΔCR
ここで、点火時期補正量ΔADVは、進角量として設定される。ΔCR>0である遅角補正時は、正のΔCRに負の補正係数αretを乗じてΔADVが負の値となって、遅角補正が行われ、ΔCR<0である進角補正時は、負のΔCRに負の補正係数αadvを乗じてΔADVが正の値となって、進角補正が行われる。
ADV=ADV(base)+ΔADV
ステップ13では、上記点火時期ADVに点火信号を出力して点火するように制御する。
図8は、スロットル開度をステップ的に増大させた加速時の各種状態の変化を示し、スロットル開度の増大に応じて基本圧縮比CR(base)がHighから低圧縮比Lowにステップ的に減少し、圧縮比偏差ΔCRはステップ的に増大した後、徐々に減少し、点火時期補正量ΔADVは、圧縮比偏差ΔCRの変化に応じてステップ的に遅角補正された後、徐々に遅角補正量が減少する。
図9は、点火時期制御の第2の実施形態におけるフローを示す。
第1の実施形態では、ステップ9,10で点火時期補正量αret,αadvとして固定値を設定したが、本実施形態では、ステップ8でΔCR>0であると判定されて遅角補正するときは、ステップ21へ進んで機関回転速度Ne及び燃料噴射量Tp(機関負荷)に基づいて図10の遅角補正用マップから遅角補正用の補正係数αretを参照する。図10では、高回転・高負荷域ほど負の補正係数αret(絶対値)を大きい値に設定してある。そして、このように機関運転状態に応じて可変に求められた点火時期補正係数αretをステップ9で設定する。
このようにすれば、高回転・高負荷域ほどノッキング発生傾向が大きいので、圧縮比偏差ΔCRが同一であっても、遅角補正係数αret(絶対値)は大きくし、進角補正係数αadv(絶対値)は0または小さくすることによって、ノッキングを十分回避でき、低回転・低負荷域では、遅角補正係数αret(絶対値)を小さくし、進角補正係数αadv(絶対値)を大きくすることによって、十分に出力を確保することができる。
5…クランク角センサ
7…水温センサ
10…スロットル開度センサ
11…機関コントロールモジュール
16…燃料噴射弁
34…ロアーリンク
35…アッパーリンク
40…制御リンク
42…制御軸
43…アクチュエータ
61…圧縮比センサ
100…可変圧縮比機構
Claims (7)
- 可変圧縮比機構を備える火花点火式内燃機関において、
機関運転状態に基づいて基本圧縮比を設定すると共に実圧縮比を検出し、
機関運転状態と前記基本圧縮比とに基づいて基本点火時期を設定し、
前記実圧縮比と前記基本圧縮比との隔たりに基づいて前記基本点火時期を補正し、補正した点火時期に制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記点火時期の補正は、前記実圧縮比が基本圧縮比よりも高いときは点火時期を遅角補正し、機関の圧縮比が基本圧縮比よりも低いときは点火時期を進角補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火時期の補正は、前記実圧縮比と基本圧縮比の隔たりに対する点火時期補正の程度が、点火時期を遅角補正するときは、点火時期を進角補正するときに比較して大きいことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火時期の補正は、前記基本圧縮比が機関の最大圧縮比である場合は、点火時期を進角補正する制御だけを行い、設定された基本圧縮比が機関の最低圧縮比である場合は、点火時期を遅角補正する制御だけを行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火時期の補正は、点火時期の補正の程度が機関の運転条件に応じて設定され、この設定値に基づいて行われることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火時期の補正の程度を補正係数として設定し、実圧縮比が基本圧縮比よりも高いときと、低いときとで、同一の機関運転条件に対してそれぞれ別の補正係数を設定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
- 上記可変圧縮比機構は、ピストンにピストンピンを介して連結された第1リンクと、この第1リンクに揺動可能に連結されるとともにクランクシャフトのクランクピン部に回転可能に連結された第2リンクと、上記第2リンクに揺動可能に連結されるとともに機関本体に揺動可能に支持された第3リンクと、を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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