JP6267280B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、筒内圧センサで検出された筒内圧を用いて、気筒内に充填された筒内ガスのEGR率を推定する内燃機関の制御装置に関する。
従来のこの種の制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この制御装置では、膨張行程中の燃焼ガスの状態変化を断熱膨張とみなし、燃焼ガスの比熱比κexpが、ポリトロープ指数によって近似されるとして、κexp=−(lnP2−lnP1)/(lnV2−lnV1)によって算出される。P1、P2は、膨張行程中の2点で検出された筒内圧、V1、V2は2点の筒内容積V1、V2である。また、燃焼ガスの比熱比κexpとEGR率との間に、空燃比に依存しない一定の関係が成立するとして、この関係をあらかじめマップ化するとともに、上記のように算出された燃焼ガスの比熱比κexpに応じ、このマップを検索することによって、EGR率が推定される。
上述した従来の制御装置では、膨張行程中の燃焼ガスの状態変化に基づいて、燃焼ガスの比熱比が算出される。しかし、燃焼ガスの温度や圧力などの状態は、気筒内での燃焼状態によって変化するため、不安定であり、また、燃焼ガスの比熱比は、さらに温度の影響を受けることから、非常に不安定である。このため、膨張行程中の2点で検出された筒内圧に基づいて比熱比を算出する従来の手法では、比熱比を安定的に精度良く算出することは難しく、したがって、算出した比熱比に基づくEGR率の推定も精度良く行うことができない。
このため、燃焼ガスと比較して温度や圧力が安定している燃焼前の筒内ガスの比熱比に基づいて、EGR率を推定することが好ましい。しかし、筒内ガスの比熱比は、EGR率及び空燃比の両方の影響を受けるため、例えば実際の空燃比が想定している空燃比に対してずれている場合には、EGR率を精度良く推定することができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、筒内ガスの実際の空燃比が想定している空燃比に対してずれた場合でも、空燃比のずれの影響を適切に排除しながら、筒内ガスのEGR率を精度良く推定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、気筒3a内に充填された筒内ガスのEGR率R_EGRを推定する内燃機関の制御装置であって、気筒3a内の圧力を筒内圧PCYLとして検出する筒内圧センサ51と、筒内ガスの空燃比(実施形態における(以下、本項において同じ)当量比KACT)を検出する空燃比検出手段(LAFセンサ58)と、筒内ガス中に排気還流による外部EGRガスが存在していないという条件で、検出された筒内ガスの空燃比に応じ、筒内ガスの比熱比の特性に基づいて、圧縮行程中の所定の基準クランク角CA_REFにおいて発生する気筒3a内の圧力を、基準筒内圧P_REFとして算出する基準筒内圧算出手段(ECU2、図3のステップ6、図4)と、基準クランク角CA_REFにおいて筒内圧センサ51によって検出された検出筒内圧P_CPSと算出された基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPに基づき、筒内ガスのEGR率R_EGRを推定するEGR率推定手段(ECU2、図3のステップ10〜11)と、を備えることを特徴とする。
本発明の内燃機関の制御装置では、筒内圧センサによって筒内圧(気筒内の圧力)を検出するとともに、圧縮行程中の所定の基準クランク角において発生すると予測される筒内圧を、基準筒内圧として算出する。そして、基準クランク角において筒内圧センサによって検出された検出筒内圧と算出された基準筒内圧との圧力差に基づき、筒内ガスのEGR率R_EGRを推定する。
また、本発明によれば、筒内ガスの空燃比を検出するとともに、上記の基準筒内圧の算出を、筒内ガス中に排気還流による外部EGRガスが存在していないという条件で、検出された筒内ガスの空燃比に応じ、筒内ガスの比熱比の特性に基づいて行う。筒内ガスの空燃比が想定している空燃比に対してずれた場合には、燃料成分の割合の増減によって筒内ガスの比熱比が変化し、それに応じて圧縮行程中の筒内圧が変化する。例えば、空燃比がリッチ側にずれた場合には、燃料成分の割合の増加によって筒内ガスの比熱比が低下することで、筒内圧が減少し、空燃比がリーン側にずれた場合には、上記の逆になる。それに応じて検出筒内圧も変化するため、基準筒内圧との圧力差に基づくEGR率の推定の精度が低下してしまう。
これに対し、本発明によれば、上述したように、基準筒内圧の算出を、検出された筒内ガスの空燃比に応じ、筒内圧ガスの比熱比の特性に基づいて行うので、空燃比のずれによる筒内圧の変化分を、基準筒内圧に反映させることができる。その結果、検出筒内圧と基準筒内圧との圧力差には、空燃比のずれによる筒内圧の変化分は含まれず、EGR率による圧力差のみが反映される。したがって、この圧力差に基づき、空燃比のずれの影響を適切に排除しながら、筒内ガスのEGR率を精度良く推定することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、基準筒内圧算出手段は、筒内ガス中に外部EGRガスが存在せず且つ筒内ガスの空燃比が理論空燃比であるという条件で、基準クランク角CA_REFにおいて発生する気筒内の圧力を、基準筒内圧P_REFの基本値P_REF_Bとして算出する基本値算出手段(ECU2、図4のステップ23、図5)と、理論空燃比に対する筒内ガスの空燃比の乖離度合(当量比KACT−1)に基づいて、基準筒内圧P_REFの補正量(当量比補正量P_KACT)を算出する補正量算出手段(ECU2、図4のステップ25)と、を有し、基本値P_REF_Bを算出された補正量を用いて補正することによって、基準筒内圧P_REFを算出すること(図4のステップ26)を特徴とする。
この構成によれば、基準筒内圧の算出が次のようにして行われる。まず、基準筒内圧の基本値を算出する。この基本値は、外部EGRガスが存在せず且つ空燃比が理論空燃比であるという筒内ガスの条件で、基準クランク角において発生する筒内圧であり、すなわち、理論空燃比相当の基準筒内圧に相当する。次に、理論空燃比に対する筒内ガスの空燃比の乖離度合、すなわち理論空燃比に対する実際の空燃比のずれに基づいて、基準筒内圧の補正量を算出する。そして、算出した補正量を用いて基本値を補正することによって、基準筒内圧を算出する。以上により、理論空燃比に対する空燃比のずれによる筒内圧の変化の影響を適切に反映させながら、基準筒内圧を精度良く算出でき、したがって、検出筒内圧と基準筒内圧との圧力差に基づくEGR率の推定をさらに精度良く行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、空燃比検出手段は、筒内ガスの空燃比として当量比KACTを検出し、補正量算出手段は、検出された当量比と値1との差分(KACT−1)に補正係数(当量比補正係数KKA)を乗算することによって、補正量を算出し(図4のステップ25)、基準筒内圧算出手段は、基本値P_REF_Bに算出された補正量を加算することによって、基準筒内圧P_REFを算出すること(ステップ26)を特徴とする。
検出された筒内ガスの当量比と値1との差分(以下「当量比差分」という)は、理論空燃比に対する筒内ガスの実際の空燃比のずれ(乖離度合)を表す。また、後述するように、EGR率などが一定の条件では、圧縮行程における筒内圧は、筒内ガスの当量比に対して線形の関係にあり、当量比が高いほど減少する。したがって、このような当量比−筒内圧特性に基づき、例えば当量比に対する筒内圧の傾きを補正係数として用いた場合、当量比差分と補正係数との積(乗算値)は、空燃比のずれに伴う、基本値からの基準筒内圧のずれの大きさを表す。したがって、この当量比差分と補正係数との積を基準筒内圧の補正量として算出することによって、上述した当量比−筒内圧特性に基づき、基準筒内圧の補正量の算出を簡便に且つ精度良く行えるとともに、算出した補正量を基本値に加算することによって、基準筒内圧を精度良く算出することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、当量比が値1を含む所定の範囲にあるときに、補正量による基準筒内圧P_REFの補正を禁止する補正禁止手段(ECU2、図4のステップ24、27)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、当量比が値1を含む所定の範囲にあるときに、補正量による基準筒内圧の補正が禁止される。例えば、空燃比検出手段が排ガスの酸素濃度を介して空燃比を検出するように構成され、その検出タイミングの遅れにより、検出された空燃比が気筒内の筒内圧ガスの実際の空燃比に合致せず、理論空燃比に対して多少ずれる場合がある。そのような場合、検出された空燃比に応答して補正量を算出すると、補正量が無用に振動するおそれがある。これに対し、上記の構成によれば、補正量による補正を禁止することで、補正量の無用な振動を回避でき、補正量の算出と補正量に基づく基準筒内圧の補正及びEGR率の推定などを有効に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、本発明を適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3は、例えば4つの気筒3aを有するガソリンエンジンであり、車両(図示せず)に動力源として搭載されている。
エンジン3の各気筒3aには、燃料噴射弁4及び点火プラグ5が、気筒3aの燃焼室(図示せず)に臨むように設けられている。燃料噴射弁4は、燃焼室内に燃料を直接、噴射する直噴タイプのものである。燃料噴射弁4による燃料噴射量及び点火プラグ5の点火時期IGLOGは、電子制御ユニット(以下「ECU」という)2からの制御信号によって制御される(図2参照)。
なお、実施形態において「筒内ガス」は、気筒3a内に充填され、燃焼に供されるガス全般を指し、後述する外部EGRや内部EGRが実行されていない場合には、燃料と空気との混合気に相当し、実行されている場合には、外部EGRガスや内部EGRガスをさらに含むものである。
また、各気筒3aには、その内部の圧力(筒内圧)を検出する筒内圧センサ51が設けられている。本実施形態では、筒内圧センサ51は、燃料噴射弁4と一体型のものであり、図示しないが、燃焼室に臨み、筒内圧をピックアップする圧力検出素子や、圧力検出素子からの信号を増幅し、出力する増幅回路などが、燃料噴射弁4に一体に組み付けられている。筒内圧センサ51で検出された筒内圧PCYLを表す検出信号は、ECU2に入力される。
また、エンジン3は、可変吸気位相機構11、可変排気位相機構12、ターボチャージャ13及びEGR装置14などを備えている。
可変吸気位相機構11は、エンジン3のクランクシャフトに対する吸気弁(いずれも図示せず)の相対的な位相(以下「吸気位相」という)CAINを無段階に変更するものであり、吸気位相制御モータ11a(図2参照)などを備えている。吸気位相制御モータ11aは、ECU2からの制御信号に応じて、クランクシャフトに対して吸気カムシャフト(図示せず)を回転させ、両者の相対角度を変化させることによって、吸気位相CAINを無段階に変更する。
同様に、可変排気位相機構12は、クランクシャフトに対する排気弁(図示せず)の相対的な位相(以下「排気位相」という)CAEXを無段階に変更するものであり、排気位相制御モータ12a(図2参照)などを備えている。排気位相制御モータ12aは、ECU2からの制御信号に応じて、クランクシャフトに対して排気カムシャフト(図示せず)を回転させ、両者の相対角度を変化させることによって、排気位相CAEXを無段階に変更する。
これらの可変吸気位相機構11及び可変排気位相機構12は、吸気位相CAINと排気位相CAEXの変更によって、吸気弁及び排気弁の開閉弁タイミングをそれぞれ制御するとともに、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップによる内部EGRを制御するのに用いられる。
ターボチャージャ13は、吸気通路6に設けられたコンプレッサ21と、排気通路7に設けられ、シャフト22を介してコンプレッサ21に一体に連結されたタービン23を備えている。排気通路7を流れる排ガスによってタービン23が駆動され、それと一体にコンプレッサ21が回転することによって、吸気が過給される。
吸気通路6には、上流側から順に、吸気絞り弁25、上記ターボチャージャ13のコンプレッサ21、過給によって昇温した吸気を冷却するためのインタークーラ26、及びスロットル弁27が設けられている。吸気絞り弁25は、その下流側に外部EGRガスを導入するための負圧を発生させるものであり、その開度は、ECU2からの制御信号に応じ、LPアクチュエータ25aを介して制御される。
スロットル弁27は、吸気通路6の吸気マニホルド6aよりも上流側に配置されている。スロットル弁27の開度は、ECU2からの制御信号に応じ、THアクチュエータ27aを介して制御され、それにより、気筒3aに吸入される筒内ガス量が制御される。
排気通路7のタービン23よりも下流側には、三元触媒28が設けられている。三元触媒28は、活性状態において、排ガス中のHCやCOを酸化するとともに、NOxを還元することによって、排ガスを浄化する。
EGR装置14は、気筒3aから排気通路7に排出された排ガスの一部を、EGR通路41を介し、外部EGRガスとして吸気通路6に還流させるものである。図1に示すように、EGR通路41は、排気通路7のタービン23及び三元触媒28よりも下流側と、吸気通路6のコンプレッサ21と吸気絞り弁25との間に接続されている。この構成により、外部EGRガスは、排ガスがタービン23に対して仕事を行った後の状態で取り出されるため、比較的低圧になる。すなわち、EGR装置14は、いわゆる低圧EGR装置として構成されている。
EGR通路41の途中には、EGR弁42と、外部EGRガスを冷却するためのEGRクーラ43が設けられている。EGR弁42の開度は、ECU2からの制御信号に応じ、EGRアクチュエータ42aを介して制御され、それにより、外部EGRガス量が制御される。
また、エンジン3には、その運転状態を検出するために、前述した筒内圧センサ51に加えて、以下のような各種のセンサが設けられており、それらの検出信号はECU2に入力される(図2参照)。
クランク角センサ52は、クランクシャフトの回転に伴い、所定のクランク角度ごとに、パルス信号であるCRK信号及びTDC信号を出力する。CRK信号は、所定のクランク角度(例えば0.5度)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、TDC信号は、いずれかの気筒3aにおいて、エンジン3のピストン(図示せず)が吸気行程の開始時の上死点(吸気TDC)付近の所定のクランク角度位置にあることを表す信号であり、本実施形態のようにエンジン3が4気筒の場合には、クランク角度180度ごとに出力される。ECU2は、TDC信号及びCRK信号に応じて、気筒3aごとに、TDC信号の出力タイミングを基準とするクランク角CAを算出するとともに、算出したクランク角CAに対して、所定のクランク角度(例えば30度)ごとにクランク角ステージFISTG(=0〜23)を算出し、割り当てる。
また、可変吸気位相機構11を取り付けた吸気カムシャフト、及び可変排気位相機構12を取り付けた排気カムシャフトには、吸気位相センサ53及び排気位相センサ54がそれぞれ設けられている。吸気位相センサ53は、吸気カムシャフトの回転に伴い、所定のカム角度(例えば0.5度)ごとに、パルス信号であるCAMIN信号を出力する。ECU2は、このCAMIN信号とCRK信号に基づき、吸気位相CAINを算出する。同様に、排気位相センサ54は、排気カムシャフトの回転に伴い、所定のカム角度(例えば0.5度)ごとに、CAMEX信号を出力する。ECU2は、このCAMEX信号とCRK信号に基づき、排気位相CAEXを算出する。
また、吸気通路6には、吸気絞り弁25の上流側にエアフローセンサ55が設けられ、スロットル弁27の下流側の吸気チャンバ6bに、吸気圧センサ56及び吸気温センサ57が設けられている。エアフローセンサ55は、気筒3aに吸入される空気(新気)の量(吸入空気量)GAIRを検出し、吸気圧センサ56は、吸気圧PBAを絶対圧として検出し、吸気温センサ57は、気筒3aに吸入される、外部EGRガスを含む吸気の温度(吸気温)TAを検出する。
排気通路7のタービン23と三元触媒28との間には、LAFセンサ58が設けられている。LAFセンサ58は、理論空燃比を含む広い空燃比領域において、三元触媒28に流入する排ガス中の酸素濃度を連続的に検出し、その検出信号を出力する。ECU2は、この検出信号に基づき、筒内ガスの空燃比として当量比KACTを算出する。
さらに、水温センサ59は、エンジン3を冷却する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号を出力し、アクセル開度センサ60は、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号を出力する。
ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサの検出信号などに応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射量や点火プラグ5の点火時期IGLOGの制御などを含むエンジン制御全般を実行する。また、ECU2は、本実施形態では特に、筒内圧センサ51で検出された筒内圧PCYLを用いて、筒内ガスのEGR率R_EGRを推定する推定処理を実行する。
本実施形態では、ECU2が、基準筒内圧算出手段、EGR率推定手段、基本値算出手段、補正量算出手段、及び補正禁止手段に相当する。
図3は、ECU2で実行される、EGR率R_EGRの推定処理を示す。なお、EGR率R_EGRは、筒内ガスの総量に対するEGRガス量の比率として定義される。この推定処理は、本出願人による出願(特願2015−241446号)において詳しく開示したものと基本的に同じであるとともに、その中の基準筒内圧の算出に特徴を有するものである。
本処理は、気筒3aごとに、前述したクランク角ステージFISTGの切替周期と同じ周期(例えばクランク角度30度ごと)で、繰り返し実行される。なお、筒内圧センサ51で検出された筒内圧PCYLに直接、関連する処理は、本処理とは別個に、CRK信号の発生周期と同じ周期(例えばクランク角度0.5度ごと)で実行され、例えば、検出された筒内圧PCYLがクランク角CAに対応して記憶される。
図3の推定処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、クランク角ステージFISTGが、吸気行程の開始時の上死点(吸気TDC)に相当する第1所定値STG1に等しいか否かを判別する。この判別結果がYESで、当該気筒3aが吸気行程に移行した直後に相当するときには、吸気関連パラメータを取得する(ステップ2)。具体的には、吸気関連パラメータとして、検出された吸気温TA及びエンジン水温TWと、算出された吸気位相CAIN及び排気位相CAEXを読み出すとともに、ECU2のRAMの所定領域に記憶し、本処理を終了する。
前記ステップ1の判別結果がNOのときには、クランク角ステージFISTGが、圧縮行程の開始時の下死点(圧縮BDC)に相当する第2所定値STG2に等しいか否かを判別する(ステップ3)。この判別結果がYESで、当該気筒3aが圧縮行程に移行した直後に相当するときには、圧縮関連パラメータを取得する(ステップ4)。具体的には、圧縮関連パラメータとして、検出された吸気圧PBA及び筒内圧PCYLを読み出し、それぞれ圧縮開始時吸気圧PBAC及び圧縮開始時筒内圧PCYLCとして取得するとともに、検出されたエンジン回転数NEとその時点で設定されている点火時期IGLOGを読み出し、ECU2のRAMの所定領域に記憶する。
次に、基準クランク角CA_REFを設定する(ステップ5)。この基準クランク角CA_REFは、筒内ガスの燃焼が開始される直前のタイミングを予測し、クランク角で表したものである。この設定処理では、前記ステップ4で取得した圧縮開始時吸気圧PBAC及びエンジン回転数NEに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、遅角補正量ΔC_CAを算出するとともに、この遅角補正量ΔC_CAを前記ステップ4で取得した点火時期IGLOGから減算することによって、基準クランク角CA_REFが設定される。
上記ステップ5に続くステップ6では、基準筒内圧P_REFを算出する。この基準筒内圧P_REFは、上記の基準クランク角CA_REFにおいて発生すると予測される筒内圧であり、図4に示すサブルーチンによって算出される。
本処理では、まずステップ21において、前記ステップ2で取得した吸気位相CAINから、吸気弁の閉弁タイミング(以下「吸気閉弁タイミング」という)IVCを算出する。この吸気閉弁タイミングIVCは、圧縮行程中に設定される場合には、圧縮開始時のクランク角に相当する。次に、ステップ2で取得された吸気温TA、吸気位相CAIN及び排気位相CAEXに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、圧縮開始時における気筒3a内の温度である初期筒内温度T_STRTを算出する(ステップ22)。
次に、ステップ5で設定された基準クランク角CA_REFと、吸気閉弁タイミングIVC、初期筒内温度T_STRT及び圧縮開始時吸気圧PBACに応じ、図5に示す基準筒内圧マップを検索することによって、基準筒内圧の基本値P_REF_Bを算出する(ステップ23)。この基準筒内圧マップは、筒内ガス中に外部EGRガスが存在せず且つ筒内ガスの空燃比が理論空燃比であるという条件で、上記の4つの入力パラメータの様々な条件に対し、筒内ガスの比熱比の温度特性などに基づいて、基準筒内圧をあらかじめ算出し、その基本値としてマップ化したものである。
次のステップ24〜27では、上記の基本値P_REF_Bの補正処理を行う。この補正処理は、LAFセンサ58で検出された筒内ガスの当量比KACTに応じて、基本値P_REF_Bを補正し、基準筒内圧P_REFを算出するものである。図8は、この補正の前提になっている当量比−筒内圧特性を示しており、具体的には、筒内ガス中に外部EGRガスが存在せず、かつ上述した基準クランク角CA_REFを含む基準筒内圧マップの4つの入力パラメータが同一の条件において、筒内ガスの当量比KACTと、基準クランク角CA_REFにおいて発生する筒内圧PCYLとの関係を表したものである。
同図に示すように、筒内圧PCYLは、当量比KACTが大きいほど、筒内ガスの燃料成分の割合が増加し、筒内ガスの比熱比が低下するため、より減少する。また、筒内圧PCYLは、当量比KACTに対して線形の関係にあり、その傾きはKKA(負値)で表される。さらに、前述した基準筒内圧P_REFの基本値P_REF_Bは、筒内ガスの空燃比が理論空燃比であることを条件として算出されるため、図8における当量比KACT=1のときの筒内圧PCYLは、基本値P_REF_Bに相当する。
ステップ24〜27の補正処理は、以上のような当量比−筒内圧特性に基づき、基本値P_REF_Bを当量比KACTに応じて補正することによって、基準筒内圧P_REFを図8の特性線上の当量比KACTに応じた値(例えば同図のP_REF)に設定するものである。
まず、ステップ24では、筒内ガスの当量比KACTと値1との差分(以下、適宜「当量比差分」という)の絶対値|KACT−1|が、所定のしきい値THRESHよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、当量比差分(KACT−1)に当量比補正係数KKAを乗算することによって、基準筒内圧の当量比補正量P_KACTを算出する(ステップ25)。この当量比補正係数KKAは、図8の特性線の傾きに相当し、負値で表される。
したがって、算出された当量比補正量P_KACT(=(KACT−1)・KKA)は、当量比KACTに応じた基準筒内圧P_REFと基本値P_REF_Bとの差に相当し、筒内ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ側のときには負値になり、リーン側のときには正値になる(図8参照)。以上の関係から、次のステップ26では、基本値P_REF_Bに当量比補正量P_KACTを加算することによって、当量比KACTに応じた基準筒内圧P_REFを算出する。
一方、前記ステップ24の判別結果がNOで、|KACT−1|≦THRESHが成立し、当量比KACTが値1を中心とする所定の範囲にあるときには、当量比補正量P_KACTの算出を禁止するものとし、ステップ27において、基準筒内圧P_REFを基本値P_REF_Bに設定する。
前記ステップ26又は27に続くステップ28では、エンジン回転数NE及びエンジン水温TWに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、伝熱補正係数K_HTを算出する。この伝熱補正係数K_HTは、気筒3a内と外部との間で授受される熱の影響を補償するためのものである。次に、ステップ26又は27で算出された基準筒内圧P_REFに伝熱補正係数K_HTを乗算することによって、最終的な基準筒内圧P_REFを算出し(ステップ29)、図4の処理を終了する。
図3に戻り、上記ステップ6の基準筒内圧P_REFの算出処理に続くステップ7では、EGR係数C_EGRを算出し、図3の処理を終了する。このEGR係数C_EGRは、圧力差ΔP(後述する検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの差)とEGR率R_EGRとの間に、図6に示すような線形(比例)の関係が認められることから、その傾き(=R_EGR/ΔP)をEGR係数C_EGRと定義したものである。また、この傾きは、吸気条件及び圧縮条件に応じて変化するという特性を有するため、本ステップ7において算出される。
この算出処理では、図7に示すように、図5の基準筒内圧マップの場合と同じ4つの入力パラメータ(基準クランク角CA_REF、吸気閉弁タイミングIVC、初期筒内温度T_STRT及び圧縮開始時吸気圧PBAC)に応じ、EGR係数マップを検索することによって、EGR係数C_EGRが算出される。このEGR係数マップは、これらの4つの入力パラメータの様々な条件に対してEGR係数C_EGRをあらかじめ算出し、マップ化したものである。
前記ステップ3の判別結果がNOのときには、クランク角ステージFISTGが、圧縮行程の終了時の上死点(圧縮TDC)に相当する第3所定値STG3に等しいか否かを判別する(ステップ8)。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ8の判別結果がYESで、当該気筒3aが圧縮行程が終了した直後に相当するときには、ステップ5で設定した基準クランク角CA_REFにおいて検出された筒内圧PCYLを、RAMから読み出し、基準クランク角CA_REFにおける検出筒内圧P_CPSとして取得する(ステップ9)。
次に、検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの差(=P_CPS−P_REF)を、圧力差ΔPとして算出する(ステップ10)。そして、この圧力差ΔPにステップ7で算出したEGR係数C_EGRを乗算することによって、筒内ガスのEGR率R_EGRを算出し(ステップ11)、本処理を終了する。
次に、図9を参照しながら、上述したEGR率の推定処理によって得られる動作例を、比較例とともに説明する。図9は、EGR率R_EGR(例えば10%)を含むエンジン3の運転条件が一定の状態で、(a)に示すように、当量比KACTが理論空燃比に相当する値1.0からリッチ側に、t1〜t2の間で一時的にずれた例である。
この場合、基準筒内圧P_REFの基本値P_REF_Bは、筒内ガスの空燃比が理論空燃比であることを条件として算出されるため、同図(b)に示すように、当量比KACTにかかわらず、一定になる。一方、当量比KACTがリッチ側にずれると、筒内ガスの比熱比が低下し、筒内圧PCYLが低下するため、検出筒内圧P_CPSは低下する。
以上の関係から、基本値P_REF_Bを補正せずにそのまま基準筒内圧P_REFとして用いた場合には、当量比KACTがリッチ側にずれるのに応じて、検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPは、より小さくなる((b)の破線)。その結果、圧力差ΔPに基づいて算出されるEGR率R_EGRが、実際の値(=10%)よりも小さい側に大きくずれてしまい((c)の破線)、EGR率R_EGRを精度良く算出することができない。
これに対し、実施形態の推定処理では、基本値P_REF_Bを筒内ガスの当量比KACTに応じて補正することによって、基準筒内圧P_REFを算出するので、算出された基準筒内圧P_REFには、当量比KACTのずれに応じた筒内圧の低下分があらかじめ反映され、基準筒内圧P_REFはより小さな値に補正される((b)の実線)。その結果、検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPが、当量比KACTのずれが発生していない他の期間と同等の大きな値に保たれることによって、EGR率R_EGRを精度良く算出することができる((c)の実線)。
次に、図10を参照しながら、推定されたEGR率R_EGRを用いたエンジン制御の例として、点火時期の制御処理について説明する。本処理は、TDC信号の発生に同期して、気筒3aごとに実行される。本処理では、まずステップ41において、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、基本点火時期IG_BASEを算出する。上記の要求トルクTRQCMDは、アクセル開度AP及びエンジン回転数NEに基づいて算出される。
次に、EGR率R_EGRに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、EGR補正量ΔIGEGRを算出する(ステップ42)。次に、エンジン水温TWやエンジン回転数NEなどに応じて、EGR率R_EGR以外の要因による補正量ΔIGTTLを算出する(ステップ43)。最後に、基本点火時期IG_BASEに、EGR補正量ΔIGEGR及び補正量ΔIGTTLを加算することによって、点火時期IGLOGを算出し(ステップ44)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、圧縮行程中の基準クランク角CA_REFにおいて発生すると予測される筒内圧を、基準筒内圧P_REFとして算出するとともに、基準クランク角CA_REFにおいて検出された検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPに基づき、筒内ガスのEGR率R_EGRを推定する。
また、基準筒内圧P_REFの算出を、検出された当量比KACTに応じ、筒内圧ガスの比熱比の特性に基づいて行うので、空燃比のずれによる筒内圧の変化分を、基準筒内圧P_REFに反映させることができる。その結果、検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPには、空燃比のずれによる筒内圧の変化分が含まれず、EGR率による圧力差のみが反映されるので、この圧力差ΔPに基づき、空燃比のずれの影響を適切に排除しながら、筒内ガスのEGR率R_EGRを精度良く推定することができる。
また、筒内ガス中に外部EGRガスが存在せず且つ筒内ガスの空燃比が理論空燃比であるという条件で、基準筒内圧P_REFの基本値P_REF_Bを算出し(図4のステップ23)、図8に示すような当量比−筒内圧特性に基づき、理論空燃比に対する筒内ガスの乖離度合を表す当量比差分(KACT−1)に当量比補正係数KKAを乗算することによって、当量比補正量P_KACTを算出し(ステップ25)とともに、この当量比補正量P_KACTを基本値P_REF_Bに加算することによって、基準筒内圧P_REFを算出する(ステップ26)。
以上により、図8に示す当量比−筒内圧特性を利用し、空燃比のずれによる筒内圧の変化の影響を適切に反映させながら、当量比補正量P_KACT及び基準筒内圧P_REFを簡便に且つ精度良く算出でき、したがって、検出筒内圧P_CPSと基準筒内圧P_REFとの圧力差ΔPに基づくEGR率R_EGRの推定を、さらに精度良く行うことができる。
さらに、当量比差分の絶対値|KACT−1|が所定のしきい値THRESH以下のときに、当量比補正量P_KACTによる基準筒内圧P_REFの補正を禁止するので、理論空燃比に対する空燃比のずれが比較的小さい場合の当量比補正量P_KACTの無用な振動を回避でき、当量比補正量P_KACTの算出とそれに基づく基準筒内圧P_REFの補正及びEGR率R_EGRの推定などを有効に行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、基準筒内圧マップを用いて、理論空燃比に相当する基本値P_REF_Bを算出し、この基本値P_REF_Bを筒内ガスの当量比KACTに応じて補正することによって、基準筒内圧P_REFを算出している。本発明は、このような補正による手法に限らず、他の手法によっても実施できる。例えば、基準筒内圧マップの入力パラメータに当量比KACTなどを加えるとともに、それに応じた基準筒内圧マップをあらかじめ作成することによって、当量比KACTに応じた基準筒内圧P_REFを、基準筒内圧マップから直接、求めるようにしてもよい。
また、実施形態では、筒内ガスの空燃比を表すパラメータとして、当量比KACTを用いているが、検出された空燃比をそのまま用い、理論空燃比に対する空燃比の乖離度合に応じて、基準筒内圧P_REFの補正量を算出してもよい。また、実施形態では、当量比補正量P_KACTによる補正を禁止する当量比KACTの範囲を、値1を中心としてリッチ側及びリーン側に対称に設定しているが、これを非対称に設定してもよい。
さらに、実施形態では、推定したEGR率R_EGRに応じて、点火時期制御を実行しているが、これに代えて又はこれとともに、他のエンジン制御、例えばEGR弁42を介したEGR制御、スロットル弁27を介した吸入空気量制御や、燃料噴射弁4を介した燃料噴射制御などを実行してもよい。
また、EGR装置14は、低圧EGR装置で構成されているが、これに代えて又はこれとともに、高圧EGR装置を用いてもよく、その場合にも本発明を同様に適用できる。さらに、筒内圧センサ51は、燃料噴射弁4と一体型のものであるが、燃料噴射弁4と分離して配置される別体型のものでもよいことは、もちろんである。
さらに、実施形態では、エンジン3は車両用のエンジンであるが、本発明は、他の用途のエンジン、例えばクランクシャフトを鉛直方向に配置した船外機用のエンジンなどにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することができる。
2 ECU(基準筒内圧算出手段、EGR率推定手段、基本値算出手段、補正量算出手 段、補正禁止手段)
3 内燃機関
3a 気筒
51 筒内圧センサ
58 LAFセンサ(空燃比検出手段)
R_EGR 筒内ガスのEGR率
PCYL 筒内圧
KACT 当量比(筒内ガスの空燃比)
CA_REF 基準クランク角
P_REF 基準筒内圧
P_CPS 検出筒内圧
ΔP 検出筒内圧と基準筒内圧との圧力差
P_REF_B 基準筒内圧の基本値
P_KACT 当量比補正量(基準筒内圧の補正量)
KACT−1 当量比差分(検出された当量比と値1との差分)
KKA 当量比補正係数(補正係数)
THRESH しきい値(所定の範囲)
3 内燃機関
3a 気筒
51 筒内圧センサ
58 LAFセンサ(空燃比検出手段)
R_EGR 筒内ガスのEGR率
PCYL 筒内圧
KACT 当量比(筒内ガスの空燃比)
CA_REF 基準クランク角
P_REF 基準筒内圧
P_CPS 検出筒内圧
ΔP 検出筒内圧と基準筒内圧との圧力差
P_REF_B 基準筒内圧の基本値
P_KACT 当量比補正量(基準筒内圧の補正量)
KACT−1 当量比差分(検出された当量比と値1との差分)
KKA 当量比補正係数(補正係数)
THRESH しきい値(所定の範囲)
Claims (4)
- 気筒内に充填された筒内ガスのEGR率を推定する内燃機関の制御装置であって、
前記気筒内の圧力を筒内圧として検出する筒内圧センサと、
筒内ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
筒内ガス中に排気還流による外部EGRガスが存在していないという条件で、前記検出された筒内ガスの空燃比に応じ、筒内ガスの比熱比の特性に基づいて、圧縮行程中の所定の基準クランク角において発生する気筒内の圧力を、基準筒内圧として算出する基準筒内圧算出手段と、
前記基準クランク角において前記筒内圧センサによって検出された検出筒内圧と前記算出された基準筒内圧との圧力差に基づき、筒内ガスのEGR率を推定するEGR率推定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記基準筒内圧算出手段は、
筒内ガス中に外部EGRガスが存在せず且つ筒内ガスの空燃比が理論空燃比であるという条件で、基準クランク角において発生する気筒内の圧力を、前記基準筒内圧の基本値として算出する基本値算出手段と、
理論空燃比に対する前記筒内ガスの空燃比の乖離度合に基づいて、前記基準筒内圧の補正量を算出する補正量算出手段と、を有し、
前記基本値を前記算出された補正量を用いて補正することによって、前記基準筒内圧を算出することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記空燃比検出手段は、筒内ガスの空燃比として当量比を検出し、
前記補正量算出手段は、前記検出された当量比と値1との差分に補正係数を乗算することによって、前記補正量を算出し、
前記基準筒内圧算出手段は、前記基本値に前記算出された補正量を加算することによって、前記基準筒内圧を算出することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記当量比が値1を含む所定の範囲にあるときに、前記補正量による前記基準筒内圧の補正を禁止する補正禁止手段をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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