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JP2004111789A - 強誘電体キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体キャパシタ及びその製造方法 Download PDF

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JP2004111789A
JP2004111789A JP2002274772A JP2002274772A JP2004111789A JP 2004111789 A JP2004111789 A JP 2004111789A JP 2002274772 A JP2002274772 A JP 2002274772A JP 2002274772 A JP2002274772 A JP 2002274772A JP 2004111789 A JP2004111789 A JP 2004111789A
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thin film
sbt
ferroelectric capacitor
manufacturing
forming
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Application number
JP2002274772A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Nakayama
中山 徳行
Yuji Takatsuka
高塚 裕二
Shoji Takanashi
高梨 昌二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

【課題】強誘電体特性を利用した不揮発性メモリなどの各種デバイスに供される強誘電体薄膜がスパッタリング法によって容易に形成できる強誘電体キャパシタ及びその製造方法の提供。
【解決手段】半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる下部電極層(A)を形成する第1の工程、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)を形成する第2の工程、および電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる上部電極層(C)を形成する第3の工程を含む強誘電体キャパシタを製造する方法において、第2の工程では、酸素分圧を特定範囲に調整された希ガスと酸素からなる混合ガス中でスパッタリングすることによりアモルファス膜を形成させた後、引き続き、酸素雰囲気下、650℃以上の温度で熱処理することにより結晶化させることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法などによって提供。
【選択図】      なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体キャパシタ及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、強誘電体特性を利用した不揮発性メモリなどの各種デバイスに供される強誘電体薄膜をスパッタリング法によって容易に形成しうる製造方法及び強誘電体キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PZT(すなわちPbZrO−PbTiO系)などのPb系ペロブスカイト型酸化物、あるいはSBT(すなわちSrBiTa系)などのBi系層状ペロブスカイト型酸化物の強誘電体薄膜を不揮発性メモリに応用する研究、すなわちFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)の研究が盛んに行われている。
【0003】
SBTは、PZTと比較して、分極反転疲労特性に優れ、より低電圧で分極反転が可能という点で有用な材料である。
SBTの結晶は、a軸方向に強誘電性を示す(SrTa2−層と、強誘電性を示さない、すなわち常誘電性の(Bi2+層が交互に積層した、Bi層状ぺロブスカイト構造をとる。化学量論組成にあるSBTの残留分極値は、もともと非常に低く、ある程度の残留分極値を得るためには、化学量論組成のSBT(すなわち、SrBiTa)に対して、通常、Sr量を0.7〜0.9程度にまで不足させ、かつBi量を2.1〜2.3程度まで過剰にする必要があるとされ、さらに残留分極値を向上させる場合には、SBTの構成元素であるTaの一部をNbと置換し、SBTNすなわちSrBi(Ta,Nb)とする方法が有効とされている。
【0004】
しかし、通常のプロセスでは、SBTの結晶相を得るためには750℃以上の高温で熱処理する必要があるとされている。それ未満の温度では、前駆体である常誘電体のフルオライト相が形成され、強誘電性が得られない。このような高温での熱処理は、FeRAMの導電性プラグとキャパシタ電極間における材料元素間の相互拡散や、酸化によるコンタクト不良などの問題を引き起こすことが課題となっている。したがって、このような現象を回避するためには、700℃以下の熱処理でSBTの結晶相を得ることが望ましいとされている。
【0005】
SBT薄膜を室温で形成する方法には、ゾル・ゲル法、MOD(Metal Organic Decomposition)法、或いはスパッタリング法などがある。
【0006】
ゾル・ゲル法やMOD法は、薄膜の組成制御が容易であるため、多元素で構成されているSBT薄膜の形成には都合がよく、SBT薄膜の研究もしくは生産初期の段階では広く用いられてきた。したがって、SBTの結晶相を低温の熱処理で得るための研究は、ほとんどがゾル・ゲル法やMOD法で行われており、700℃以下の熱処理で結晶化に成功したという報告がいくつかある。
【0007】
例えば、MOD法による半導体記憶素子の製造方法には、結晶化のための熱処理を1Torr以上且つ10Torr以下の圧力、500℃以上且つ700℃以下の基板温度で行う方法が知られており(特許文献1参照。)、3Torrの酸素減圧雰囲気中において、基板温度600℃で30分間熱処理することが記載されている。
【0008】
しかし、ゾル・ゲル法やMOD法によるSBT薄膜の形成には、生産性や再現性の点で問題があるとされている。例えば、一般的なゾル・ゲル法やMOD法によるSBT薄膜形成の工程では、有機物溶液のスピンコーティング・乾燥・仮焼成を繰り返して、所望の膜厚のアモルファス膜を形成しなければならない。仮焼成までの工程を繰り返す理由は、膜厚を厚くし過ぎると乾燥の段階でクラックが入ってしまうため、1回の膜厚を50nm程度に抑える必要があるためである。したがって、実際の生産性を考慮した場合、ゾル・ゲル法やMOD法は必ずしも好ましい方法とは言えない。
【0009】
これに対して、スパッタリング法は、上記のような繰り返しの工程を必要とせず、任意の膜厚の薄膜を一度に形成することが可能である。そのため、半導体産業において生産性や再現性の面で既に実績が築かれている。ただし、SBTの成膜では構成元素間の蒸気圧が異なるため、組成制御がゾル・ゲル法やMOD法ほど容易ではない。そのため、スパッタリング法による研究報告は少なく、700℃以下の熱処理で結晶化に成功した例はさらに少ない。
【0010】
BiのターゲットとSBTのターゲットを用い、酸素が含まれないアルゴンガス中、スパッタリングでBiとSBTの薄膜を交互に形成した後、熱処理する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、800℃以上の温度で熱処理しているため、上記のような材料元素間の相互拡散や、酸化によるコンタクト不良などの問題があった。
【0011】
スパッタリング法による数少ない成功例の一つに、目標膜厚の半分のSBTN膜上に10nmのBi膜を形成した後、再び同じ膜厚のSBTN膜を形成し、熱処理過程でBiを拡散させる方法がある。Parkらは、この方法で、650〜700℃の温度でもSBTN膜を結晶化することが可能であるとしている(非特許文献1を参照)。
【0012】
しかし、このように10nmのBi膜を2層のSBTN膜間に挿入するには、SBTN膜とBi膜の成膜を繰り返し行う必要があるから、スパッタリング法の優れた生産性を損なうことになる。さらに、SBTN膜にBi膜がうまく拡散しなかった場合、残留したBiがリークの要因になる恐れもある。
【0013】
このようにスパッタリング法で形成されたSBT薄膜を700℃以下で熱処理すれば結晶化が可能であることは示されているが、実用的な方法は未だ見出されていないのが現状である。
【0014】
しかし、FeRAMの本格的な生産段階を迎えて、強誘電体薄膜の生産性や再現性が問われる一方、スパッタリング法による薄膜形成において組成制御が技術的に可能になってきたことなどの理由から、スパッタリング法によるSBT薄膜形成があらためて注目されてきており、特に、単純にスパッタリング法でSBT薄膜を成膜し、700℃以下の熱処理でSBTの結晶相を得ることができる方法が切望されていた。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−321809号公報(特許請求の範囲、実施例)
【特許文献2】
特開平8−22957号公報(特許請求の範囲)
【非特許文献1】
Park et al:J.Vac.Sci.Technol.A
18(1)、Jan/Feb 2000 p.17−22
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前述した従来技術の問題点に鑑み、強誘電体特性を利用した不揮発性メモリなどの各種デバイスに供されるSBT強誘電体薄膜を、スパッタリング法で容易に形成できる強誘電体キャパシタ及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、スパッタリング法により様々な成膜条件でSBT薄膜を形成し、その薄膜の状態と強誘電体薄膜へと結晶化させる熱処理過程に注目して鋭意研究を重ねた結果、酸素を添加した希ガス中でスパッタリングを行なえば、途中でBi膜を挿入することなく連続してアモルファスのSBT薄膜が成膜でき、熱処理温度が700℃以下であっても容易に高品質のSBT結晶相が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる下部電極層(A)を形成する第1の工程(以下、第1の工程と略称することもある)、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)を形成する第2の工程(以下、第2の工程と略称することもある)、および電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる上部電極層(C)を形成する第3の工程(以下、第3の工程と略称することもある)を含む強誘電体キャパシタを製造する方法において、第2の工程では、酸素分圧が2.0×10−3〜1.0×10−2Paに調整された希ガスと酸素からなる混合ガス中でスパッタリングすることによりアモルファス膜を形成させた後、引き続き、酸素雰囲気下、650℃以上の温度で熱処理することにより結晶化させることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、第1の工程の前に、半導体基板上に密着層を形成する工程を行うことを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、第2の工程における酸素分圧が、2.5×10−3〜9.8×10−3Paであることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0021】
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、第2の工程における熱処理が、650〜700℃の温度で行われることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0022】
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)が、SrBiTa系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜(式中、a、bは原子比で、0.6≦a<1.1、2.0<b≦2.4を満たす)であることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0023】
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)の膜厚が、300nm以下であることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法が提供される。
【0024】
一方、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの製造方法により得られてなる強誘電体キャパシタが提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の強誘電体キャパシタの製造方法、この方法で得られる強誘電体キャパシタについて詳細に説明する。
【0026】
1.強誘電体キャパシタの製造方法
本発明の強誘電体キャパシタの製造方法は、半導体基板上に下部電極層(A)を形成する工程、その上にBi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)を形成する工程、さらに上部電極層(C)を形成する工程を含む強誘電体キャパシタを製造する方法であり、酸素分圧が特定範囲に調整された希ガス中でスパッタリングしてアモルファス膜を形成した後、酸素雰囲気下、特定温度で熱処理することで上記薄膜層(B)を製造することを特徴としている。
以下、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)がSBT薄膜である場合を中心に、本発明の強誘電体キャパシタの製造方法を説明する。
【0027】
(1)下部電極の形成
本発明の第1の工程では、半導体基板に下部電極を形成する。半導体基板は、特に限定されないが、Si、Ge、ならびにGaAsなどが採用され、特にSi単結晶が好ましい。半導体基板には通常、熱酸化などによりSiO膜(厚さ10〜1000nm)が形成されている。
【0028】
下部電極層(A)は、電気伝導性の金属、即ちPt、Au、Ir、Ru、Re、若しくはOsから選択される1種以上、またはIrO、RuO、若しくはSrRuOなどの電気伝導性酸化物からなる層であり、特にPtが好ましい。この層は、スパッタリング法などにより膜厚が50〜200nmとなるように形成される。
【0029】
スパッタリング法には、アルゴンプラズマを高周波で発生させる高周波スパッタリング法(RFスパッタリング)、直流電力で発生させる直流スパッタリング法(DCスパッタリング)があるが、いずれも高効率化のため、ターゲットの裏側にマグネットを配置してアルゴンプラズマをターゲット直上に集中させ、アルゴンイオンの衝突効率を上げて、低いガス圧で成膜可能としたマグネトロンスパッタ法が付加されている。
【0030】
基板上への密着層の形成は任意であるが、密着層を形成しておくことが望ましい。密着層が形成されることで、半導体基板と下部電極層との接着性を改善することができる。
【0031】
密着層の材料は、特に限定されないが、金属薄膜、特にTi、Taなどの薄膜が好ましい。該金属薄膜は、金属ターゲットを用いたスパッタリング法などにより、厚さ10〜200nm程度に形成することができる。密着層を形成するのに、特に好ましい方法は、Tiターゲットを用いたマグネトロンスパッタ法である。なお、密着性が低下しないのであれば、熱処理によって形成した金属薄膜を酸化させて酸化物薄膜としてもよい
【0032】
Ti薄膜による密着層は通常、酸素親和性が高い状態にある。そのため密着層を形成後、引き続き、酸素雰囲気下、500℃以上の温度で予備熱処理することが望ましい。この予備熱処理により該密着層の酸素親和性が低減でき、後で形成されるSBT強誘電体薄膜中にフルオライト相又はパイロクロア相が実質的に存在せず、高い残留分極値をもつSBT薄膜を得ることも可能となる。予備熱処理は、酸素雰囲気下、800℃以上の温度で行なうことが好ましい。
【0033】
(2)強誘電体薄膜の形成
次に、第2の工程で、下部電極(A)の上にSBT薄膜(B)がスパッタリングにより形成される。スパッタリング装置は、特に限定されず公知の装置が使用できるが、特にRFマグネトロンスパッタリング装置を使用することが好ましい。
【0034】
ターゲットとしては、例えば、Sr0.5〜0.9Bi2.0〜2.6Ta1.8〜2.2ターゲットが使用される。従来の方法では、二枚のターゲットを使用しなければならなかったが、本発明ではターゲットは一枚で済み、しかも連続的にスパッタリングできるという特徴を有している。
【0035】
スパッタガスは、従来は希ガスのみであったが、本発明ではアルゴン、クリプトンなどの希ガスと酸素から成る混合ガスを使用する必要がある。混合ガスの圧力は、0.5〜5Pa、好ましくは0.8〜3Paの範囲で適宜決定される。酸素分圧は、2.0×10−3〜1.0×10−2Paでなければならず、2.5×10−3〜9.8×10−3Paの範囲にある混合ガスが好ましい。
【0036】
酸素分圧が2.0×10−3Pa未満では、形成されたSBT薄膜を、その後、熱処理してもSBT強誘電体相への結晶化が起こらず、強誘電性が得られない。また、酸素分圧が1.0×10−2Paを超えると、形成されたSBT薄膜を熱処理すればSBT強誘電体相への結晶化が起こるものの、強誘電体特性評価における(印加電界に対して)リーク電流が大きくなり、結果として強誘電性が得られない。
【0037】
スパッタリング装置の成膜室の温度は、室温〜300℃とすることが好ましい。300℃を超えると、Biの著しい揮発の問題があり好ましくない。ターゲットの直径1インチ当りのプラズマを発生させる電力は15〜200W、スパッタリングの所要時間は、SBT薄膜の厚さによって適宜決定されるが、例えば20分以下が好ましい。
【0038】
スパッタリング法によってSBT薄膜が形成されるが、アモルファス膜であるため、引き続いて、650℃以上の温度、好ましくは650〜750℃の温度、さらに好ましくは650〜700℃の温度で熱処理を行う。本発明のSBT強誘電体キャパシタの製造方法では、このように該酸化物薄膜を従来よりも低い温度で熱処理することに特徴がある。
【0039】
この工程によって、アモルファス膜が結晶化し、Bi系層状ペロブスカイト型SBT強誘電体薄膜となる。
【0040】
熱処理温度が650℃未満であると、SBTの結晶化が起こらず、前駆体である常誘電体のフルオライト相が形成され、強誘電性が得られない。一方、750℃を超えて熱処理を行うと、前述したように、FeRAMの導電性プラグとキャパシタ電極間における材料元素間の相互拡散や、酸化によるコンタクト不良などの問題を引き起こす恐れがでてくる。なお、このような問題を回避することができれば、750℃を超える温度でも、SBTに結晶化し強誘電性を得ることができる。
【0041】
熱処理は、酸素雰囲気下で行うのが好ましく、特に酸素分圧0.2MPa以上とすることが好ましい。熱処理時間は、他の条件にもよるが、1〜60分、好ましくは1〜30分とすればよい。
【0042】
(3)上部電極の形成
第3の工程では、SBT強誘電体薄膜の上に上部電極を形成する。上部電極層(C)は、下部電極層(A)と同様に、電気伝導性の金属、即ちPt、Au、Ir、Ru、Re、若しくはOsから選択される1種以上、またはIrO、RuO、若しくはSrRuOなどの電気伝導性酸化物からなる層であり、特にPtが好ましい。この層も、スパッタリング法などにより、膜厚が50〜200nmとなるように形成される。上部電極層を形成後、エッチング加工してキャパシタ構造が形成される。
【0043】
以上の工程を経ることによって、SBT強誘電体キャパシタの製造工程が完結するが、必要により、SBT強誘電体薄膜の再熱処理工程を付加できる。再熱処理は、酸素雰囲気下、400〜750℃、好ましくは500〜700℃の温度で行う。SBT強誘電体薄膜の上には上部電極が形成されているため、材料元素間の相互拡散や、酸化によるコンタクト不良などが生じないように、500〜700℃で行うことが好ましい。また、酸素分圧は、特に0.2MPa以上が好ましい。
【0044】
2.強誘電体キャパシタ
このようにして製造されるSBT強誘電体キャパシタは、半導体基板上に、少なくとも下部電極層(A)、SBT強誘電体薄膜層(B)、上部電極層(C)を積層してなるものであり、これ以外に密着層、層間絶縁層、保護膜などを適宜設けることができる。
【0045】
本発明の強誘電体キャパシタは、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)が、SrBiTa系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜であることを特徴としている。SrBiTa系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜のa、bは、原子比で、0.6≦a<1.1、2.0<b≦2.4の範囲にある。
【0046】
Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)の膜厚は、特に限定されるものではないが、300nm以下、特に200nm以下であることが好ましい。300nmを超えると、分極反転させるためにかなり大きな印加電圧が必要となり好ましくない。また、膜厚が薄すぎるとリークが大きくなり強誘電性が得られないので50nm以下では好ましくない。
【0047】
以上、強誘電体キャパシタとしてSBT薄膜を用いた場合について、本発明による製造方法を説明したが、本発明はSBT薄膜に限定されず、Taの一部をNbで置換したSBTN薄膜すなわちSrBi(Ta,Nb)はもちろんのこと、SrBiNb、SrBiTi15、SrBi(Ti,Zr)15や、同じくBi系層状ぺロブスカイト型酸化物であるBiTi12、またはBiの一部を置換した(Bi,La)Ti12にも適用できる。
【0048】
【実施例】
次に、実施例、比較例によって本発明の強誘電体キャパシタの製造方法を示すが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0049】
(実施例1)
本発明の強誘電体キャパシタの製造方法によって、SBT強誘電体キャパシタを以下の方法で作製した。
予め、熱酸化によって膜厚500nmのSiOを形成したSiO/Siウェハー上に、膜厚50nmのTi薄膜からなる密着層、および膜厚100nmのPt薄膜からなる下部電極層を順に形成し、次にSBT強誘電体薄膜層を形成した。
SBT強誘電体薄膜層の形成は次のように行った。
はじめに、φ6インチのSr0.74Bi2.36Ta2.00ターゲットを使用し、RFマグネトロンスパッタリングによって、出力200W、アルゴンと酸素の混合ガス圧1.2Pa、酸素分圧4.9×10−3Paの条件にて室温でアモルファス膜を形成した。
次に、このアモルファス膜をSBTに結晶化させるため、700℃で30分間、大気中にて熱処理した。
続いて、SBT薄膜上に、Pt薄膜からなる上部電極層を形成した。最後に、結晶化と同じ700℃、30分間、大気中の条件にて再熱処理を行った。
得られたSBT強誘電体薄膜の組成をICP発光分光分析法によって分析したところ、Sr/Bi/Ta=0.91/2.29/2.00であった。
このSBT強誘電体キャパシタの強誘電体特性を、強誘電体テスタ装置(独aixACCT社製)を用いて、周波数100Hz、印加電圧5Vの条件で評価し、有効な酸素分圧範囲を調べた。図1に結果を示す。
また、SBT薄膜キャパシタのXRDパターンを調べ、酸素分圧とSBTの結晶化挙動の関係、ならびに強誘電性との対応を検討した。結果を図3に示す。
この方法でSBT結晶相が得られ、作製されたSBT薄膜キャパシタは、良好な角形性のヒステリシスループが得られた。
【0050】
(実施例2〜4)
スパッタリングの酸素分圧を、2.5×10−3Pa、7.3×10−3Pa、9.8×10−3Paに変えた以外は、実施例1と全く同じ方法でSBT強誘電体キャパシタを作製した。
実施例1と同様にしてSBT強誘電体キャパシタの強誘電体特性を評価し、有効な酸素分圧範囲を調べた。図1に結果を示す。
また、同様にSBT薄膜キャパシタのXRDパターンを調べ、酸素分圧とSBTの結晶化挙動の関係、ならびに強誘電性との対応を検討した。結果を図3に示す。
2.5×10−3〜9.8×10−3Paの酸素分圧範囲で作製されたSBT薄膜キャパシタは、良好な角形性のヒステリシスループが得られ、残留分極値2Pr=11.48〜15.37μC/cmを示した。また、SBT結晶相が得られたことが判る。
【0051】
(実施例5〜7)
結晶化熱処理および再熱処理条件を、670℃、30分間、660℃、30分間、650℃、60分間に変えた以外は、実施例1と全く同じ方法でSBT強誘電体キャパシタを作製した。
次に、SBT薄膜キャパシタの強誘電体特性を、前記測定方法と同様にして、周波数100Hz、印加電圧5Vの条件で評価し、SBTへの結晶化可能な範囲を調べた。図2に結果を示す。
さらに、SBT薄膜キャパシタのXRDパターンを調べ、熱処理温度とSBTの結晶化挙動の関係、ならびに強誘電性との対応を検討した。結果を図4に示す。
熱処理温度範囲(650〜700℃)で作製されたSBT薄膜キャパシタでは、良好な角形性のヒステリシスループが得られており、残留分極値2Pr=10.47〜13.07μC/cmを示した。また、SBT結晶相が得られたことが判る。
【0052】
(比較例1、2)
スパッタリングの酸素分圧を、1.8×10−3Pa、1.2×10−2Paに変えた以外は、実施例1と全く同じ方法でSBT強誘電体キャパシタを作製した。
実施例1と同様にしてSBT強誘電体キャパシタの強誘電体特性を評価し、有効な酸素分圧範囲を調べた。図1に結果を示す。
また、SBT薄膜キャパシタのXRDパターンを調べ、酸素分圧とSBTの結晶化挙動の関係、ならびに強誘電性との対応を検討した。結果を図3に示す。
1.8×10−3Paの酸素分圧範囲で作製されたSBT薄膜キャパシタは、強誘電性を示さなかった。また、酸素分圧範囲1.2×10−2Paで作製されたSBT薄膜キャパシタは、ヒステリシスを示したものの、分極量を示す縦軸方向にループが膨らんでいることから、リークが大きいことが示された。
比較例1で作製されたSBT薄膜キャパシタでは、SBTに結晶化しておらず、前駆体であるフルオライト相のままであった。また、比較例2で作製されたSBT薄膜キャパシタでは、SBT結晶相は得られていたがリークが大きく強誘電性が得られなかった。
また、比較例1で作製されたSBT薄膜キャパシタでは、SBT結晶相が得られないため強誘電性を示さず、1.2×10−2Paもの高い酸素分圧で作製されたSBT薄膜キャパシタでは、SBT結晶相が得られるもののリークが大きくなることが判る。
【0053】
(比較例3)
結晶化熱処理および再熱処理条件を、640℃、60分間に変えた以外は、実施例1と全く同じ方法でSBT強誘電体キャパシタを作製した。
次に、SBT薄膜キャパシタの強誘電体特性を、前記測定方法と同様にして、周波数100Hz、印加電圧5Vの条件で評価し、SBTへの結晶化可能な範囲を調べた。図2に結果を示す。
さらに、SBT薄膜キャパシタのXRDパターンを調べ、熱処理温度とSBTの結晶化挙動の関係、ならびに強誘電性との対応を検討した。結果を図4に示す。
熱処理温度640℃で作製されたSBT薄膜キャパシタは、強誘電性を示さなかった。この熱処理温度ではSBTに結晶化せず、前駆体であるフルオライト相のままであった。
【0054】
以上、酸素分圧が2.0×10−3〜1.0×10−2Paに調整された希ガスと酸素からなる混合ガス中でスパッタリングし、熱処理温度範囲650〜700℃で処理すれば、SBT結晶相が得られ、良好な角形性のヒステリシスが得られるのに対し(実施例1〜7)、この範囲を外れた酸素分圧、熱処理温度では、SBT結晶相が得られないため強誘電性を示さない(比較例1〜3)ことが明らかである。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、SBT強誘電体薄膜を再現性良く製造することが可能であるだけでなく、FeRAMの材料元素間の相互拡散や、酸化によるコンタクト不良などの問題を引き起こすことなく、熱処理温度でSBTを結晶化することが可能である。また、得られた強誘電体キャパシタは、不揮発性メモリなどの各種デバイスへ広範に応用できるから、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4、比較例1、2のP−Eヒステリシスループである。
【図2】実施例5〜7、比較例3のP−Eヒステリシスループである。
【図3】実施例1〜4、比較例1、2のX線回折パターンである。
【図4】実施例5〜7、比較例3のX線回折パターンである。

Claims (7)

  1. 半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる下部電極層(A)を形成する第1の工程、Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)を形成する第2の工程、および電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜からなる上部電極層(C)を形成する第3の工程を含む強誘電体キャパシタを製造する方法において、
    第2の工程では、酸素分圧が2.0×10−3〜1.0×10−2Paに調整された希ガスと酸素からなる混合ガス中でスパッタリングすることによりアモルファス膜を形成させた後、引き続き、酸素雰囲気下、650℃以上の温度で熱処理することにより結晶化させることを特徴とする強誘電体キャパシタの製造方法。
  2. 第1の工程の前に、半導体基板上に密着層を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  3. 第2の工程における酸素分圧が、2.5×10−3〜9.8×10−3Paであることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  4. 第2の工程における熱処理が、650〜700℃の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  5. Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)が、SrBiTa系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜(式中、a、bは原子比で、0.6≦a<1.1、2.0<b≦2.4を満たす)であることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  6. Bi系層状ペロブスカイト型酸化物薄膜層(B)の膜厚が、300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られてなる強誘電体キャパシタ。
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