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JPH10200059A - 強誘電体薄膜素子及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10200059A
JPH10200059A JP9002712A JP271297A JPH10200059A JP H10200059 A JPH10200059 A JP H10200059A JP 9002712 A JP9002712 A JP 9002712A JP 271297 A JP271297 A JP 271297A JP H10200059 A JPH10200059 A JP H10200059A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
ferroelectric
template layer
substrate
srbi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9002712A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Matsunaga
宏典 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP9002712A priority Critical patent/JPH10200059A/ja
Publication of JPH10200059A publication Critical patent/JPH10200059A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、SrBi2Ta29を初めとした
Bi系層状ベロプスカイト構造を有する酸化物強誘電体
の優れた強誘電特性を有効に引き出し、デバイス開発へ
の適用性を高めることができるc軸配向成分を多く含む
強誘電体多結晶薄膜を実現すると共に、それを再現性良
く比較的低温の結晶化温度で形成可能な強誘電体薄膜素
子及びその製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】 基板1上に強誘電体多結晶薄膜6を備え
た強誘電体薄膜素子において、強誘電体多結晶薄膜6を
所望の面方位に優先配向させるテンプレート層5を基板
1と強誘電体多結晶薄膜6との間に設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体不揮発性
メモリ素子、焦電赤外線センサ素子、圧電素子等に用い
られる強誘電体薄膜素子及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】強誘電体は、自発分極、高誘電率、電気
光学効果、圧電効果および焦電効果等の多くの機能をも
ち、コンデンサ、発振器、光変調器や赤外線センサを初
めとした多くのデバイス開発に用いられている。従来、
これらの応用にはバルク材料が用いられて来たが、最近
の薄膜形成技術の進展に伴い、その応用分野が急速に広
がっている。例えば、高誘電率特性をDRAM、MMI
C等の各種半導体素子のキャパシタに適用する事によ
り、素子の小型・高集積化が図られている。また、DR
AMのメモリキャパシタ部分やMOSトランジスタのゲ
ート絶縁膜に用いる事で、自発分極特性を利用した不揮
発性メモリの開発が行われている。
【0003】これらのデバイス開発には、残留自発分極
(Pr)が大きい、抗電界(Ec)が小さい、リーク電
流が低い、分極反転の繰り返し耐性が大きい等の優れた
特性を有する強誘電体材料が必要である。さらには、動
作電圧の低減と半導体微細加工プロセスに適合させる為
に、膜厚200nm以下の薄膜で上記の特性を実現する
ことが望まれる。
【0004】現在、強誘電体不揮発性メモリ等への応用
を目的として、PZT(PbZr1-xTix3)を初め
としたペロブスカイト構造を有する酸化物強誘電体材料
やBi4Ti312、SrBi2Ta29、SrBi2Nb
29を初めとしたBi系層伏ペロブスカイト構造を有す
る酸化物強誘電体材料の薄膜化が、スパッタ法、蒸着
法、ゾル−ゲル法、MOD法、MOCVD法等の各種薄
膜形成方法により試みられている。
【0005】これらの強誘電体材料の中で、分極反転耐
性に優れる点でSrBi2Ta29が注目されいる(NAT
URE,V0L374,p627,1995年参照)。従来、SrBi2Ta2
9は、MOD法により成膜されている。通常のMOD
法においては、薄膜の各構成元素を含む有機金属原料を
所定の膜組成になる様に混合し、濃度及び粘度を調整し
た原料溶液を用い、これを基板上に塗布成膜、乾燥し、
さらに有機成分の除去の為に仮焼成する工程を所定の膜
厚になるまで繰り返して非晶質膜を形成し、最後に本焼
成による結晶化を行う。
【0006】この様な非晶質状態から結晶成長する場
合、成長速度の異方性に起因して自発的に各結晶粒毎の
配向が揃い易い場合や、下地結晶基板の配向性を継承し
たエピタキシャル成長の様な場合を除いて、通常は無配
向の多結晶薄膜となり易い。強誘電体結晶の様な異方性
の強い材料の場合、その強誘電特性は特定の結晶軸方向
に存在する為、この様な無配向膜では材料自体の持つ特
性を十分に引き出せない。従って、各デバイスに適した
材料特性を有効に引き出す為には、強誘電体薄膜の結晶
配向を制御する何らかの方法が必要となる。
【0007】SrBi2Ta29の場合、c軸配向性の
強い薄膜における材料特性は、通常の無配向の薄膜のそ
れに比べて、分極反転耐性およびリーク電流特性に優れ
る事が報告されている(International Symposium on I
ntegrated Ferroelectrics、予稿集、29C、1996
年参照)。
【0008】また、SrBi2Ta29のMOD法によ
る成膜法においては、結晶化熱処理の温度は通常800
℃以上の高温を要する(第55回応用物理学会学術講演
会講演予稿集、20pM19、1994年参照)。この
為、デバイス開発に適用する場合、下地のシリコンや電
極材料との反応等により十分なデバイス特性が実現でき
ない等の問題が発生する。従って、結晶化温度はできる
だけ低い事が望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
技術では、SrBi2Ta29を初めとしたBi系層状
ベロプスカイト構造を有する酸化物強誘電体の優れた強
誘電特性を有効に引き出せていなかったり、結晶化温度
が高温であるために応用範囲が限定されるなどの問題を
有していた。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、SrBi2Ta29を初め
としたBi系層状ベロプスカイト構造を有する酸化物強
誘電体の優れた強誘電特性を有効に引き出し、デバイス
開発への適用性を高めることができるc軸配向成分を多
く含む強誘電体多結晶薄膜を実現すると共に、それを再
現性良く比較的低温の結晶化温度で形成可能な強誘電体
薄膜素子及びその製造方法を提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、基板上に強誘電体多結晶薄膜を備えた
強誘電体薄膜素子において、強誘電体多結晶薄膜を所望
の面方位に優先配向させるテンプレート層を基板と強誘
電体多結晶薄膜との間に設けて構成している。
【0012】さらに、本発明では、上記の強誘電体薄膜
素子において、基板上に下部電極を備え、その下部電極
上にテンプレート層が配置され、そのテンプレート層が
Bi 4Ti312から成り、強誘電体多結晶薄膜がSrB
2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)から成り、
テンプレート層の膜厚が強誘電体多結晶薄膜の膜厚より
も薄いこととしている。
【0013】さらに、本発明では、上記の強誘電体薄膜
素子において、テンプレート層及び強誘電体多結晶薄膜
のいずれもがc軸優先配向していることとしている。
【0014】また、本発明では、テンプレート層がBi
2SiO5から成りa軸優先配向しており、強誘電体多結
晶薄膜がSrBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦
1)から成りc軸優先配向していることとしている。
【0015】また、本発明では、基板上に強誘電体多結
晶薄膜を形成する強誘電体薄膜素子の製造方法におい
て、強誘電体多結晶薄膜を所望の面方位に優先配向させ
るテンプレート層を基板上に形成した後、テンプレート
層上に強誘電体薄膜を形成することにより、テンプレー
ト層と同じ面方位に優先配向した強誘電体多結晶薄膜を
形成することとしている。
【0016】さらに、本発明では、上記の強誘電体薄膜
素子の製造方法において、基板上に下部電極を形成し、
その下部電極上にc軸優先配向のBi4Ti312薄膜を
テンプレート層として形成した後、そのBi4Ti312
薄膜上にSrBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦
1)から成る非晶質薄膜を形成し、その後SrBi
2(Ta1-x,Nbx29非晶質薄膜に結晶化熱処理を
施すことによりc軸優先配向の強誘電体多結晶薄膜を形
成することとしている。
【0017】また、本発明では、上記の強誘電体薄膜素
子の製造方法において、基板としてシリコン基板を用
い、MOCVD法によりBi有機金属原料ガスと酸素ガ
スとを加熱保持したシリコン基板の(100)面に供給
するすることによりa軸優先配向のBi2SiO5薄膜を
テンプレート層として形成し、そのBi2SiO5薄膜上
にSrBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)か
ら成る非晶質薄膜を形成し、その後SrBi2(T
1-x,Nbx29非晶質薄膜に結晶化熱処理を施すこ
ととしている。
【0018】次いで、上記のような本発明の作用につい
て説明する。上述したように、所望の結晶配向状態に類
似の原子配列を有する下地基板(テンプレート)を用意
できれば、エピタキシャル成長機構を利用する事で配向
膜を得ることは可能である。また、通常のエピタキシャ
ル成長の様に、結晶成長の核が予め存在する場合、完全
な非晶質状態からの結晶成長に比べて、低温での結晶成
長が可能である。従って、如何に有効なテンプレート層
を実現できるかが、上記課題を解決するための鍵とな
る。
【0019】本発明では、キャパシタを構成する下部電
極が下地の場合、またはシリコンウエハそのものの場合
のそれぞれに対して、c軸配向のSrBi2Ta29
膜形成の為に使用可能なテンプレート層を提供するもの
である。
【0020】このようなテンプレート層に望まれる条件
としては、目的とするSrBi2Ta29と類似の結晶
構造をなし、また原子配列状態が近似していることであ
る。そこで、本発明では、上記のように、下地電極上に
c軸配向のSrBi2Ta29を形成する場合には、類
似の結晶構造をなすBi4Ti312のc軸配向膜をテン
プレート層として用いる。また、シリコンウエハ上に直
接c軸配向のSrBi2Ta29を形成する場合には、
Bi2SiO5のa軸配向膜をテンプレート層として用い
る。
【0021】それぞれのテンプレート層とSrBi2
29との結晶格子の不整合の値は、次の様に見積もら
れる。
【0022】SrBi2Ta29(c面)/Bi4Ti3
12(c面):約1.9% SrBi2Ta29(c面)/Bi2SiO5(a面):
約2.4% この様に小さい格子不整合の値から、これらのテンプレ
ート層を用いる事で、十分にSrBi2Ta29のc軸
配向膜の実現は可能である。ここで、上記の見積もりに
は以下の格子定数を用いた。
【0023】SrBi2Ta29:a=0.55306
5nm,b=0.553445nm,c=2.4983
9nm(Acta Cryst.B48(1992)418参照) Bi4Ti312:a=0.54100nm,b=0.5
4489nm,c=3.2815nm(JCPDSカー
ド、35−795参照) Bi2SiO5:a=1.5217nm,b=0.547
7nm,c=0.5325nm(JCPDSカード、3
6−287参照) 本発明では、c軸配向のBi4Ti312薄膜およびa軸
配向のBi2SiO5薄膜は、MOCVD法によって作製
可能である。本発明に用いられる基板としては、Bi4
Ti312テンプレート層を作製する場合は、シリコン
基板表面にPt/TiやPt/Ta等の電極層をコーテ
ィングしたものを用いることが好ましい。また、Bi2
SiO5テンプレート層を作製する場合は、(100)
面のシリコン基板を用いることが好ましい。ここで、そ
のシリコン基板は、その表面にトランジスタ等の回路素
子が組み込まれていてもかまわない。
【0024】MOCVD法に用いる有機金属原料として
は、オルトトリビスマスBi(o−C773、トリフ
ェニルビスマスBi(C653、チタンイソプロポキ
サイドTi(i−OC774等が用いられる。これら
の有機金属原料を加熱気化し、Ar等のキャリアガスと
共に加熱保持した基板上に供給する。この際、反応ガス
としてO2ガスを同時に供給する。成膜パラメータとし
ては、原料の加熱温度、キャリアガス流量、O2ガス流
量、成膜圧力、基板温度等がある。
【0025】Pt電極上にBi4Ti312薄膜を作製す
る場合は、基板温度が500℃から650℃、成膜圧力
が10Torr以下が好ましい。一方、シリコン基板上
にBi2SiO5を形成する場合は、基板温度が600℃
程度、成膜圧力が5Torr程度が好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】 〔第1の実施形態〕以下、本発明の第1の実施形態につ
いて、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明
の第1の実施形態の強誘電体薄膜素子の概略構造を示す
断面図である。図1において、1はシリコン基板、2は
SiO2層、3はTi接着層、4はPt電極層、5はc
軸優先配向のBi4Ti312テンプレート層、6はc軸
優先配向のSrBi2Ta29強誘電体多結晶薄膜であ
る。なお、本実施形態では強誘電体薄膜素子の基本構成
について説明するが、実際には、Pt電極層4を下部電
極とし、SrBi2Ta29強誘電体多結晶薄膜6上に
上部電極を形成したキャパシタ構造にするなどして、電
子デバイスとして用いられるものである。
【0027】次いで、上記の誘電体薄膜素子の作製につ
いて説明する。基板として、シリコンウエハ表面を熱酸
化することにより膜厚200nmのSiO2層2を形成
した後、膜厚30nmのTi層3、続いて膜厚200n
mのPt電極層4を形成したものを用いた。ここで、T
i層3はSiO2層2とPt電極層3との接着層として
用いている。Ti、Ptは通常のスパッタ法で形成し
た。なお、本実施形態では、基板にシリコンウエハを用
いたが、GaAs基板等の半導体基板やその表面に回路
素子が形成されて、その上部がSiO2やSiNX等の層
間絶縁層で覆われているものを用いても良い。
【0028】次に、MOCVD法によりPt電極層4上
に、テンプレート層5としてBi4Ti312薄膜を以下
の様にして形成した。Bi原料としてオルトトリルビス
マスBi(o−C773、Ti原料としてチタンイソ
プロポキサイドTi(i−OC374を用いた。Bi
原料を160℃、Ti原料を50℃にそれぞれ加熱、気
化し、キャリアガスであるArと反応ガスであるO2
共に成膜室内に導入し、加熱保持された基板表面に供給
した。この際のBi原料のキャリアガス流量は200s
ccm、Ti原料に対しては50sccm、O2ガスは
1000sccmとした。成膜室内の原料ガス供給ノズ
ルと基板との間の距離は約8cm、基板温度は600
℃、成膜圧力は5Torrとした。なお、ここで用いた
成膜条件は、成膜室内の圧力が高すぎると気相反応が起
こり易いこと、またノズルと基板との間の距離が近すぎ
るとノズル温度が高くなり、ノズル内で反応が起こるこ
とを考慮して設定した。
【0029】上記の条件において、成膜時間10分で膜
厚約10nmのBi4Ti312が得られた。その配向性
は、図2のX線回折パターンからc軸に優先配向してい
る事がわかる。なお、図2において、(006)、(0
08)、及び(0012)はBi4Ti312のc軸配向を
示すピークであり、(117)はBi4Ti312の(1
17)配向を示すピークであり、Pt(111)はPt
電極層4によるピークである。
【0030】次に、このBi4Ti312テンプレート層
5上にSrBi2Ta29薄膜をMOD法により形成し
た。ここで、塗布用の原料溶液は、出発原料としてタン
タルエトキシドTa(OC255、ビスマス2エチル
へキサネートBi(C715COO)2、ストロンチウム
2エチルヘキサネートSr(C715C00)2、および
溶媒としてキシレンを用いて、所定の組成となる様に混
合、合成した。この原料溶液を用い、上記のc軸優先配
向のBi4Ti312膜(テンプレート層5)上に、スピ
ンコート法による塗布と大気中250℃×5分の乾燥と
を3回繰り返した後、酸素気流中700℃×30分の結
晶化の為の熱処理を施した。これにより、膜厚200n
mのSrBi2Ta29強誘電体多結晶薄膜6を形成し
た。比較の為に、比較例として、Bi4Ti312テンプ
レート層5のないPt/Ti電極上にも、本実施形態と
同様の工程で、SrBi2Ta29薄膜を形成した。
【0031】得られたこれらの薄膜のX線回折パターン
を図3(本実施形態)及び図4(比較例)に示す。Bi
4Ti312テンプレート層5を用いた図3(本実施形
態)については、明らかにSrBi2Ta29のc軸優
先配向性が見られる。一方、テンプレート層5を用いな
い図4(比較例)は、無配向のパターンであり、かつ反
射強度も小さく十分な結晶化がなされていないことがわ
かる。なお、図3及び図4において、(006)、(0
08)、及び(0010)はSrBi2Ta29のc軸配
向を示すピークであり、(115)はSrBi2Ta2
9の(115)配向を示すピークであり、Pt(11
1)及びPtはPt電極層4によるピークである。
【0032】以上の結果から、c軸配向Bi4Ti312
テンプレート層5の挿入がSrBi2Ta29強誘電体
多結晶薄膜6のc軸優先配向を実現するのに極めて有効
である事、および結晶性向上すなわち結晶化温度の低減
をも可能にしていることが分かった。
【0033】〔第2の実施形態〕以下、本発明の第2の
実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。図
5は、本発明の第2の実施形態の強誘電体薄膜素子の概
略構造を示す断面図である。図5において、11はシリ
コン基板、15はa軸優先配向のBi2SiO5テンプレ
ート層、16はc軸優先配向のSrBi2Ta29強誘
電体多結晶薄膜である。なお、本実施形態では強誘電体
薄膜素子の基本構成について説明するが、実際には、シ
リコン基板11を下部電極とし、SrBi2Ta29
誘電体多結晶薄膜16上に上部電極を形成したキャパシ
タ構造にするなどして、電子デバイスとして用いられる
ものである。
【0034】次いで、上記の強誘電体薄膜素子の作製に
ついて説明する。基板として(100)面の低抵抗シリ
コンウエハを用いた。シリコン基板表面の酸化膜をHF
水溶液により除去、純水洗浄した後、成膜室内の基板ホ
ルダ上にセットし、速やかに成膜室内を1×10-7To
rrまで真空排気した。その後、Bi原料としてオルト
トリルビスマスBi(o−C773を160℃に加
熱、気化し、キャリアガスAr(流量200sccm)
を用いて、反応ガスO2(流量400sccm)と共に
基板表面((100)面)に20分間供給した。ここ
で、成膜室内の圧力は5Torr、基板温度は600℃
とした。
【0035】取り出した基板表面は、青い干渉色を示
し、図6に示すX線回折パターンが得られた。この回折
パターンは、Bi2SiO5のa紬配向の反射ピークのみ
を示しており、この結果からシリコン表面において、供
給されたBiおよびOと基板シリコンとが反応する事
で、Bi2SiO5が形成されたものと思われる。この結
果は、シリコンとBi2SiO5のa面との格子不整合の
大きさが−0.5%と極めて小さい事からも妥当と思わ
れる。なお、図6において、(200)、(400)、
及び(600)はBi2SiO5のa軸配向を示すピーク
である。
【0036】続いて、このa軸配向のBi2SiO5テン
プレート層15の上に、上記第1の実施形態と同様の方
法により、SrBi2Ta29薄膜をMOD法により形
成した。得られた薄膜のX線回折パクーンを図7に示
す。明らかにSrBi2Ta29の強いc軸優先配向性
が見られる事が分かる。なお、図7において、(00
6)、(008)、及び(0010)はSrBi2Ta2
9のc軸配向を示すピークであり、○印を付した反射
(200)及び(400)はいずれもBi2SiO5テン
プレート層15によるBi2SiO5のa軸配向のピーク
である。
【0037】上記第1及び第2の実施形態では、SrB
2Ta29強誘電体多結晶薄膜の例を示したが、同じ
結晶構造を有するSrBi2Nb29強誘電体多結晶薄
膜および、それらの混晶であるSrBi2(Ta1-xNb
x)O9(0≦x≦1)においても、同様の結果が得られ
た。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
強誘電体不揮発性メモリ用材料として期待されるSrB
2Ta29、SrBi2Nb29、SrBi2(Ta1-x
Nbx)O9(0≦x≦1)のc軸配向膜を再現性良く、
かつ低温で形成できる。このことから、上記材料のc軸
配向膜が持つ優れた特性、すなわち分極反転耐性、リー
ク電流特性を有効に引き出す事が可能となり、デバイス
の特性、信頼性向上が可能となる。また、上記材料をシ
リコン基板上に直接形成できることから、MOSトラン
ジスタのゲート絶縁膜に適用する事でトランジスタ自体
にメモリ効果をもたせるデバイスへの適用も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の強誘電体薄膜素子の
概略構造を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態のBi4Ti312テンプレート
層のX回折パターンを示す図である。
【図3】第1の実施形態のSrBi2Ta29強誘電体
多結晶薄膜のX回折パターンを示す図である。
【図4】比較例のSrBi2Ta29薄膜のX回折パタ
ーンを示す図である。
【図5】第2の実施形態の強誘電体薄膜素子の概略構造
を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態のBi2SiO5テンプレート層
のX回折パターンを示す図である。
【図7】第2の実施形態のSrBi2Ta29強誘電体
多結晶薄膜のX回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
1,11 シリコン基板 2 SiO2層 3 Ti接着層 4 Pt電極層 5 Bi4Ti312テンプレート層 6,16 SrBi2Ta29強誘電体多結晶薄膜 15 Bi2SiO5テンプレート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/8242 H01L 27/10 651 21/8247 29/78 371 29/788 41/18 101Z 29/792 37/02 41/18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に強誘電体多結晶薄膜を備えた強
    誘電体薄膜素子において、 前記強誘電体多結晶薄膜を所望の面方位に優先配向させ
    るテンプレート層を前記基板と前記強誘電体多結晶薄膜
    との間に設けたことを特徴とする強誘電体薄膜素子。
  2. 【請求項2】 前記基板上に電極層を備え、該電極層上
    に前記テンプレート層が配置され、該テンプレート層が
    Bi4Ti312から成り、前記強誘電体多結晶薄膜がS
    rBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)から成
    り、前記テンプレート層の膜厚が前記強誘電体多結晶薄
    膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の
    強誘電体薄膜素子。
  3. 【請求項3】 前記テンプレート層及び前記強誘電体多
    結晶薄膜のいずれもがc軸優先配向していることを特徴
    とする請求項2に記載の強誘電体薄膜素子。
  4. 【請求項4】 前記テンプレート層がBi2SiO5から
    成りa軸優先配向しており、前記強誘電体多結晶薄膜が
    SrBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)から
    成りc軸優先配向していることを特徴とする請求項1に
    記載の強誘電体薄膜素子。
  5. 【請求項5】 基板上に強誘電体多結晶薄膜を形成する
    強誘電体薄膜素子の製造方法において、 前記強誘電体多結晶薄膜を所望の面方位に優先配向させ
    るテンプレート層を前記基板上に形成した後、前記テン
    プレート層上に前記強誘電体薄膜を形成することによ
    り、前記テンプレート層と同じ面方位に優先配向した強
    誘電体多結晶薄膜を形成することを特徴とする強誘電体
    薄膜素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板上に電極層を形成し、該電極層
    上にc軸優先配向のBi4Ti312薄膜を前記テンプレ
    ート層として形成した後、該Bi4Ti312薄膜上にS
    rBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)から成
    る非晶質薄膜を形成し、その後該SrBi2(Ta1-x
    Nbx29非晶質薄膜に結晶化熱処理を施すことによ
    りc軸優先配向の強誘電体多結晶薄膜を形成することを
    特徴とする請求項7に記載の強誘電体薄膜素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記基板としてシリコン基板を用い、M
    OCVD法によりBi有機金属原料ガスと酸素ガスとを
    加熱保持した前記シリコン基板の(100)面に供給す
    るすることによりa軸優先配向のBi2SiO5薄膜を前
    記テンプレート層として形成し、該Bi2SiO5薄膜上
    にSrBi2(Ta1-x,Nbx29(0≦x≦1)か
    ら成る非晶質薄膜を形成し、その後該SrBi2(Ta
    1-x,Nbx29非晶質薄膜に結晶化熱処理を施すこと
    によりc軸優先配向の強誘電体多結晶薄膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の強誘電体薄膜素子の製
    造方法。
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