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JP2004146167A - 挿入機構付きコネクタ - Google Patents

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JP2004146167A
JP2004146167A JP2002308945A JP2002308945A JP2004146167A JP 2004146167 A JP2004146167 A JP 2004146167A JP 2002308945 A JP2002308945 A JP 2002308945A JP 2002308945 A JP2002308945 A JP 2002308945A JP 2004146167 A JP2004146167 A JP 2004146167A
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connector
fulcrum
locking
connection
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JP2002308945A
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Hiroyuki Taguchi
田口 宏行
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JST Mfg Co Ltd
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JST Mfg Co Ltd
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Priority to US10/689,709 priority patent/US6893281B2/en
Priority to KR1020030073623A priority patent/KR100995462B1/ko
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  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)

Abstract

【課題】カード等の押込みが比較的容易で、シンプルにロックできる挿入機構及びこの挿入機構を有するコネクタ等を提供する。
【解決手段】カードが挿入される略矩形の挿入口15と、第1のカード挿入操作により挿入口15に挿入されたカード一端を係止する係止部と、挿入口15を規定する他の2つの辺(「右手辺」及び「左手辺」)のそれぞれ備えられた略楔状の2つの小片36と、第2のカード挿入操作の際に挿入口面に略平行な左右の各小片の第2の辺に前記カード50の係止辺の左右の辺(「第1の辺」)がそれぞれに接触して力を及ぼして前記挿入口15を押し広げることにより変形を受ける拡張変形部と、前記拡張変形部の復元力により前記カード50の上面の一部に当接するロック部と、を含むようにする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コネクタに関し、より詳しくは、コネクタの挿入機構(ロック機構を含んでよい)に関する。このコネクタは、特にカードエッジ型コネクタを含む。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2000−208183号公報によれば、カードエッジコネクタ100は、絶縁性のハウジング110と、複数のコンタクト200と、一対のラッチ部材300と、ラッチ部材に弾性的に接触する金属製の接地補助部材400とを具備する(図14参照)。ここで、ラッチ部材300は、子基板保持片を具備し、子基板の回転により一旦外側に移動してから元の位置に復帰し、子基板の浮き上がりを防止する(特許文献1)。また、例えば、特開平9−7692号公報によれば、エッジコネクタの係止部材は、傾斜部を具備しており、子基板をこの傾斜部に当接させて回動方向に押圧することにより可動部を移動させて子基板を保持する(特許文献2)。登録実用新案第3015081号公報によれば、電気コネクタにおいて、一対のラッチ片のそれぞれは、上部から下部に向かって基部から遠ざかるように傾斜したテーパ面と、上記テーパ面の下部に連続し、印刷回路基板状体に当接する当接面を有していた(実用新案文献1)。更に、登録実用新案第3040313号公報では、カードエッジコネクタは、スカート状の外面を具備し、カードの回動に従って、この外面のカム作用でラッチ片がカードの側縁から離れる方向に湾曲した後、カードの側縁が半円錐台形部を通過したところでラッチ片が弾性により復帰し、半円錐台形部の底部がカードの側縁に係止する(実用新案文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−208183号公報
【特許文献2】
特開平9−7692号公報
【実用新案文献1】
登録実用新案第3015081号公報
【実用新案文献3】
登録実用新案第3040313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のコネクタでは、カード挿入時にカードが当接・押圧することによりラッチ片を拡開するための傾斜部が、上部から下部に向かって基部から遠ざかるように傾斜しているため、十分な長さの傾斜部をとることが難しく、カードの保持力を十分に必要とするときには、強いカード押込み力が要求されることもあった。また、カードの抜け防止のロック機構の構造が複雑であった。更に、複雑な機構は、小型化が難しく、メモリカードの薄型化に対応するのが容易ではない。
【0005】
そこで、本発明においては、カード等の押込みが比較的容易で、シンプルにロックできる挿入機構及びこの挿入機構を有するコネクタ等を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、少なくとも一辺(「第1の辺」)を有するカード若しくはカード形状の接続物又は挿入接続物(以下総称的に「挿入接続物」)を、その一部(「支点部」)を該コネクタに挿入し該支点部を実質的な支点として、回動させることにより該挿入接続物を挿入するコネクタについて; 前記挿入接続物を挿入する挿入口と、挿入された前記支点部を回動可能に仮止めする係止部と、 該支点部を実質的支点として前記挿入接続物を回動させて挿入する際に該支点部から遠ざかる方向に接触する部位を変化させながら前記第1の辺をスライドする第2の辺と、このスライドに伴って前記挿入口の少なくとも一部を拡張させるように変形するものである拡張変形部と、前記挿入接続物が挿入されたときに前記挿入接続物をロックするロック部と、を含むことを特徴とするコネクタの挿入機構を提供する。
【0007】
より具体的には、以下のようなものを提供する。
【0008】
(1)少なくとも一辺(「第1の辺」)を有する挿入接続物を挿入して接続するコネクタであって、該挿入接続物の一部(「支点部」)を該コネクタに挿入し該支点部を実質的な支点として該挿入接続物を回動させることにより該挿入接続物を挿入するコネクタについて; 前記挿入接続物を挿入する挿入口と; 挿入された前記支点部を回動可能に仮止めする係止部と; 該支点部を実質的支点として前記挿入接続物を回動させて挿入する際に、その接触する箇所を該支点部から遠ざかる方向に変化させながら前記第1の辺をスライドする第2の辺と; 該第2の辺のスライドに伴って前記挿入口の少なくとも一部を拡張させるように変形するものである拡張変形部と; 前記挿入接続物が挿入されたときに前記挿入接続物をロックするロック部と;を含むコネクタの挿入機構。
【0009】
ここで、挿入接続物は、後に説明するカード状挿入物(メモリカード等を含む)を含んでよい。第1の辺は、直線であることを必ずしも要しないが、直線的であることがより好ましく、また、連続的であることがより好ましい。この第1の辺は、挿入接続物を規定するものであってもよく、また、挿入接続物の内部若しくは外部に位置するものであってもよい。規定するとは、この挿入接続物の形状の少なくとも一部を画定することを含んでよい。挿入接合物は、例えば、円形、球形、立方体、直方体、その他の多面体等、如何なる平面的若しくは立体的形態若しくは形状を有するものを含んでよいが、カード状の形状がより好ましい。この挿入接合物は、コネクタの接続対象であることが好ましい。ここで、コネクタは、電気的なコネクタを含んでよく、光等の電磁気的なコネクタや、その他のコネクタを含んでもよい。支点部は、上記挿入接続物の一部であり、上記挿入接続物の一部を規定してもよく、例えば、上記挿入接続物の先端部分であってもよい。支点部には凸部、凹部、その他の如何なる形状をも含むことができる。特に、コネクタとの仮止めをするための係合部を含むことがより好ましい。コネクタへの挿入は、上記挿入接続物が平面的である場合では、その平面とコネクタとの間に所定の角度を持って挿入されるものであってもよい。この所定の角度が、0度より大きく90度より小さいものであることが、より好ましい。実質的な支点部とは、その部分を回動運動の略中心又はその近傍とすることであってよく、回動運動の中心から一時的に又は常時ずれていてもよい。この支点部が、実質的な支点となるようにコネクタと係合してもよい。この係合は、後に説明する仮止めに含まれてよい。係合は、単なる当接することを含み、凸、凹、その他の形状をした係合部材の組合わせにより行われてもよい。係合は、以下に述べる回動を許容するように行われるのが好ましい。
【0010】
上記支点部の挿入は、以下に述べる挿入口より行われるのが好ましいが、挿入口以外から行われることを妨げるものではなく、挿入口が分割されており、1又はそれ以上の分割部分に挿入されてもよい。挿入口は、挿入口を規定する1以上の辺により挿入口面が規定されてよい。この挿入口面は、平面及び/又は曲面を含んでよく、平面を含むことがより好ましい。挿入は、完全に挿入されること及び/又は部分的に挿入されることを含んでよい。回動は、係止部にその動きが制限される上記支点部を略中心にするように行われてよく、このとき、てこの原理を用いることができるように、係止部及び/又はその近傍(上記支点部近傍)に同回動させるための力を支える回動支持部材が配置されることがより好ましい。回動は、上記支点部から十分離れた部位から力を加えて行うことがより好ましい。即ち、上記挿入接続物においては、支点部より離れた部位から、係止部を含むコネクタにおいては、係止部から離れた部位から行うことが好ましい。上記支点部を回動可能に仮止めすることは、ある程度支点部の動き(移動を含んでよい)の自由度を制限しつつ、容易に回動をさせることができることを含んでよい。この仮止めには、機械的な仮止めや、電気的、磁気的な仮止めを含んでよく、接着等の化学的・物理的な仮止めを含んでよい。
【0011】
上記接触する箇所とは、第2の辺が上記第1の辺と接触する部位のことでよく、第2の辺に含まれる場所を意味することができる。第1の辺との接触は、直接又は間接を問わないが、機械的な力が伝わる接触であることが好ましい。第1の辺と第2の辺が接触している接触面は、いずれか若しくは両者の辺及びその近傍のの詳細形状により規定されてよい。接触面の形状は、球形等の立体的形状を含んで円形、楕円形等を含んでよい。「接触する箇所を該支点部から遠ざかる方向に変化させながら」とは、該接触面がその場所を第2の辺に沿って移動していくことを意味してよく、特に、該支点部から離れる(距離が遠くなる)ように移動することを意味してよい。第1の辺をスライドする(滑る)ということは、第2の辺と接触する第1の辺部位(又は箇所)が、移動することを意味してよい。例えば、第2の辺の箇所Aが、第1の辺の箇所Pに接触している場合、第1の辺上の箇所Pから隣の箇所Qに、箇所Aが連続して接触していくことを意味することができるが、同一箇所同士(箇所A及び箇所P)でスライドすることを含んでよい。尚、「接触する箇所を該支点部から遠ざかる方向に変化させながら」スライドするため、原則として、第1及び第2の辺の接触箇所は、お互いに接触箇所を変えながら見かけ上のスライドをしてよい。このスライドには、実際には相互にすべりの生じないものを含んでよい。また、第1の辺上で接触箇所(第1の辺上に沿って長く延びるものではなく、第1の辺の長さに比較して十分短い。)も、該支点部から遠ざかるように第1の辺上を移動してよい。ここで、該支点部は、その性質上、上記係止部の近傍に位置するため、上記第1の辺上で接触箇所は、上記係止部から遠ざかるように第1の辺上を移動するといってよい。従って、第1の辺及び第2の辺は、平行ではないが、両者のなす角は、比較的小さいものであってよい。
【0012】
また、第1の辺及び第2の辺は、それぞれ、係止部及び支点部から遠ざかるように延びるものでよく、また、上記支点部についての回動の支店軸から略垂直方向に両辺が延びていることがより好ましい。いずれの辺も、直線及び/又は曲線を含んでよいが、直線的であることがより好ましく、また、連続的であることがより好ましい。第2の辺のスライドにより、接触箇所が第1及び第2の辺に沿って支点部及び係止部から遠ざかる向きに動いていくことにより、挿入接続物の支点部に近い部分から順次挿入口内に挿入されてよい。
【0013】
挿入口の少なくとも一部を拡張させるとは、挿入口の挿入面積が増加する場合を含んでよく、また、増加しない場合であっても挿入口の形状変更により上記挿入接続物が容易に挿入可能になることを含んでよい。また、上記挿入接続物が挿入されるメイン挿入口の挿入面積だけでなく、分割された挿入口において同様なことが生じる場合を含んでよい。第2辺のスライドに伴うということは、第2辺のスライドを原因とする場合を含んでよく、また、所定の原因により第2辺のスライド及び上記拡張が生じる場合を含んでよい。この所定の原因は、上記挿入接続物の順次挿入を含んでよい。拡張させるような変形は、順次挿入の挿入方向に対して略垂直の方向に生じてよく、或いは、挿入口面に略平行な方向に生じてよい。この変形は、復元力が発生するその他の変形を含んでよいが、弾性変形を含むことが好ましい。
【0014】
上記ロック部は、上記挿入接続物及び/又はその付属物に係合し、挿入された後の上記挿入接続物を保持する部材を含んでよく、隆起部、平坦部、凹部等を例としてあげることができる。ロック部は、上記挿入接続物のロックを解除することができるリバーシブルタイプのものがより好ましい。
【0015】
(2)前記第2の辺が角部を含むものであり、少なくともその一部は、該角部が面取り及び/又はアール加工を施されているものであることを特徴とする上記(1)に記載のコネクタの挿入機構。
【0016】
前記第2の辺は、挿入口の内側に位置することができ、また、挿入口面内に位置することができる。また、挿入口を規定する1の辺を含むことができるが、この場合の挿入口は、上記挿入接続物を何の抵抗も無く挿入できるいわゆるばか穴ではないことが好ましい。第2の辺は、挿入に伴って第1の辺との接触が生じ、機械的な力を及ぼし得るからである。従って、第2の辺は、挿入口を規定する部材の角部(エッジ部等を含んでよい)であってもよく、また、独立した部材の角部であってもよい。更に、第2の辺を傾斜面としてもよい。この第2の辺の詳細形状は、角部の面取りやアール仕上げの形状を含んでよく、その他の角部の処理形状を含んでよく、また、通常の面取りより大きな傾斜面を含んでよい。例えば、挿入口を規定する1の辺に沿って形成される挿入口面に略平行な三角形板(この1の辺は従って挿入口を規定する辺を兼ねる。)のもう1つの辺が、第2の辺に相当する場合、第2の辺は、角部だけでなく板厚方向に延びる傾斜させた傾斜面を含むようにすることができる。また、第2の辺の処理には、板厚の全てではなく一部にこのような傾斜面を設けることを含んでよい。
【0017】
(3)前記第1の辺は前記支点部より遠ざかる向きに延びるものであり、かつ、前記第2の辺は係止部から遠ざかる向きに延びるものであるが、前記第なしており、上述のスライドをするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタの挿入機構。
【0018】
第1の辺と第2の辺とがなす所定の角は、コネクタの形状や大きさ、挿入に必要な力等の接続設計仕様等により、様々に規定でき、挿入に必要な力を小さくするためには、より鋭角的であることが好ましい。特に、この所定の角は、0度より大きく90度より小さいが、より好ましくは、約45度以下、更により好ましくは、約30度以下である。また、比較的小型のメモリカードでは、約10度以下が好ましいが、ラッチ機構が十分機能するようなストロークを生み出すような角度であることが好ましい。
【0019】
(4)前記挿入接続物を挿入する際に、前記第1の辺が、前記支点部近傍では前記挿入口の内側に挿入されており、前記支点部から十分離れたところでは、前記挿入口の外側に位置する状態を少なくとも一時的にとることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
【0020】
ここで、上記第1の辺は、上記支点部近傍から遠ざかる方向に延びており、支点部を挿入口に挿入する第1の挿入動作において、第1の辺の支点部近傍の部位は挿入口の内側(コネクタ側若しくはコネクタ内側)に位置し、第1の辺の支点部から十分離れた部位は、挿入口の外側に位置している。挿入接続部を回動する第2の挿入動作において、挿入口の外側に位置していた上述の第1の辺の支点部から十分離れた部位は、支点部に近い方から、順次挿入口の内側に挿入されることとなる。このとき、第1の辺と第2の辺の接触部位の位置は、挿入口の内側と外側の境界であることを含んでよい。この場合、第1の辺において接触部位から支点部側が挿入口の内側にあり、その反対側(遠ざかる側)が挿入口の外側にあることとなる。
【0021】
(5)前記第2の辺は、前記挿入口を規定する平面に含まれているものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
【0022】
挿入口を規定する平面とは、挿入口を規定する各挿入口の辺を略含む平面(「挿入口面」)のことを意味してよい。このとき、挿入口は、平面的である。従って、第2の辺がこの挿入口面に含まれるとは、第2の辺が挿入口の内側(コネクタ側又はコネクタ内側)及び外側の境界面上に略位置していることを意味してよい。また、第2の辺は、挿入口の1の辺に対して所定の角(90度より小さい)をなしているが、挿入口面上において、挿入口の辺に囲まれる領域(「挿入口面領域」)の中に位置する方がより好ましいが、外に位置していても、また、内と外にまたがっていてもよい。内にあった場合、上記第1の辺との接触により第2の辺に力が伝えられ、これにより挿入口の少なくとも一部を拡張するように拡張変形部を変形する機構を比較的容易に作成できると考えられるからである。
【0023】
(6)少なくとも1つの辺(「第1の辺」)を持つカード状挿入物(「カード物」)を挿入して接続を行うコネクタについて; 該カード物を挿入する挿入口と; 該挿入口を規定する面(「挿入口面」)に略平行な面上にあって挿入口の1つの辺(「第1の挿入口辺」)に対して0度より大きく90度より小さい所定の角度を有する第2の辺と; 前記カード物を挿入する際に前記第1の辺及び該第2の辺が互いに接触する位置を変えつつスライドすることにより前記挿入口の少なくとも一部を拡大するように変形する拡張変形部と; 前記カード物が挿入されると前記拡張変形部の変形の少なくとも一部が元に戻り、その戻る動きに連動して前記カード物をロックするロック部と;を含むコネクタの挿入機構。
【0024】
上記カード物は、所定の厚みを有する平板状の形状をするものを含んでよく、メモリカード、PCカード、SIMM、基板等を含んでよい。カード物は、円形、矩形、その他の形状の平板形態をしていてよく、カード物の外壁には突起部、凹部、開口部(又は穴)等があってもよい。カード物は、上述の挿入接続物と同様に、カード物の一端(平面図においていずれかの端)をまず挿入口に挿入し、前記一端を実質的な支点として他の一端を押すことにより、カード物を回動させて挿入口に挿入してもよく、或いは、カード物を挿入口面に略平行にして挿入口に重なるように置き、カード物の一端から押込んでいってもよい。この場合、第2の辺は、上記挿入口面領域の内に位置することがより好ましい。このような場合、カード物のこの一端は、第2の辺が所定の角をなす挿入口の1の辺のいずれかの端又はその近傍に位置し、第2の辺がかかる挿入口の1の辺から挿入口面領域から内に向かって延びる側の逆側に位置することが好ましい。このようにすれば、第2の辺が挿入口面領域を延びない場所から前記一端の挿入が始まり、挿入口が実質的に広い領域から挿入を開始することが可能であるからである。
【0025】
(7)前記第2の辺の少なくとも一部は、その角部が面取り及び/又はアール加工を施されているものであることを特徴とする請求項6に記載のコネクタの挿入機構。
【0026】
(8)前記第2の辺は、前記挿入口面上において前記第1の挿入口辺から前記挿入口の内側に向かう方向に沿って延びるものであり、前記第1の辺は、前記カード物を規定する1の辺であることを特徴とする請求項6又は7に記載のコネクタの挿入機構。
【0027】
カード物を規定する1の辺とは、カード物の外形を形作る辺の内の1つの辺のことであってよい。
【0028】
(9)前記挿入口は、前記挿入接続物若しくは前記カード物の平面形状と略同一形状をした略矩形(正方形を含む)形状であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
【0029】
カード物と挿入口が略同一形状をしている場合には、例えば、第2の辺が挿入口の1の辺から所定の角をなして挿入口面領域内に延びるときに、第1の辺をカード物の外形を規定する辺の内の1つとすれば、カード物の挿入が第1及び第2の辺の接触を生ぜしめて、第1の辺が第2の辺を挿入口面領域内から押し出すように力が働き、結果として挿入口を拡張することができる。この押し出しにより、拡張変形部が変形されることとなる。
【0030】
(10)前記拡張変形部は、前記挿入口への挿入方向に対して略垂直な方向に変形することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
【0031】
ここでいう挿入方向は、挿入口面に対して略垂直な方向であってよく、従って、挿入方向に対して略垂直な方向とは、挿入口面に略平行な方向となり得る。このように略垂直な方向に変形することにより、効果的に挿入口の少なくとも一部を拡張することができ、挿入接続物の挿入を容易に行うことができ得る。
【0032】
(11)前記ロック部は、前記第2の辺を含むものであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
【0033】
上記挿入接続物を一旦挿入口内に挿入した後に、いわゆるラッチ機構のようなもので、ロックをかけることができ、このとき用いられるのがロック部である。ロック部は、第2の辺を含む部分に形成させてよく、このように形成させた場合、ロック機構がシンプルになりやすいと考えられ、より好ましい。例えば、ラッチ機構により、ロック部の当接面に上記挿入接続物の一部が当接しロックされる場合、この当接面が第2の辺の近傍(例えば、ロック部の表と裏にそれぞれ第2の辺と当接面とを配置)にあると、第2の辺と当接面が一緒に動くことになるため、機構が簡単になると考えられる。
【0034】
(12)カードエッジ型コネクタの挿入機構において; カードが挿入されるカード平面形状に類似した略矩形の挿入口と; 第1のカード挿入操作により挿入口に挿入されたカード一端を係止する該カード一端に対応する前記矩形の挿入口を規定する1の辺(「係止辺」)に略平行に延びる係止部と; 前記係止辺に略垂直な前記矩形の挿入口を規定する他の2つの辺(「右手辺」及び「左手辺」)のそれぞれに、挿入口を略含むことができる平面(「挿入口面」)に略平行である平面形状が略楔状の2つの小片を、楔形状の長辺の一辺がそれぞれに右手辺及び左手辺を共通させるように備え、各小片は前記楔形状の長辺の他の一辺(「第2の辺」)を右手辺又は左手辺から所定の角度をもって挿入口の内に向かうように前記係止辺から遠ざかるように延ばしているところのこれらの小片と; 前記カードの係止部により係止されたカードの一端を実質的な回動の中心軸となるように前記カードを回動させて、前記カードを挿入させる(「第2のカード挿入操作」)際に、左右の各小片の第2の辺に前記カードの係止辺に略垂直な左右の各辺(「第1の辺」)がそれぞれに接触して力を及ぼして前記挿入口内向きに延びる前記第2の辺を挿入口の外向きに押し広げ、これにより前記第2の辺と連動する右手辺及び左手辺を前記カード挿入口が拡張するように左右に広げる際に変形を受ける拡張変形部と; 前記第2のカード挿入操作後、前記拡張変形部の変形に対する復元力によりその変形の少なくとも一部が復元したときに前記カードの上面の一部に当接するロック部と; を含むカードエッジ型コネクタの挿入機構。
【0035】
ここで、カードは所定の厚みを有する平面形状(カードの平面図における形状を含んでよい)が矩形(正方形を含む)となる形態を有するものでよい。また、カード平面形状に類似した矩形の挿入口は、カード平面形状と形状及びそのサイズが略同じであり、一部を除いてカード平面形状がそのまますっぽり入るようないわゆる隙間嵌めとなるような形状をしていてよい。ここで一部を除くのは、後に述べる小片の第2の辺とカードの第1の辺との接触及び挿入口拡張機構を働かせるためである。また、上記係止部は、上記係止辺に配置されていてもよく、上記カード一端を第1の挿入操作の進行をとめる停止部、回動の軸としての上記カード一端の回転等の滑りを受けるベアリング部、第2の挿入操作の際に反作用で上記カード一端が係止部から出ないようにする飛び出防止部、又は、これらの組合わせを含んでよい。平面形状が略楔形状となる上記小片は、板材からなる平面状の三角形小片を含んでよい。小片の上記第2の辺は、小片の第2の辺に沿う角部を含んでよく、この角部には、面取り若しくはアール加工を施してあることがより好ましい。また、上記第2の辺は、上記小片の上記角部を含む小片の厚み方向に下に延び左右に広がる面を含むことができる。この面は、かかる小片の第2の辺側の端面とみることもできる。上記角部の場合と類似し、この面は上から下に向かって上記挿入口内向きに傾斜していることがより好ましいが、この面は、平面及び/又は曲面を含むことができる。上記拡張変形部は、上記右手辺又は左手辺を含む右又は左のアーム部材を含んでもよい。このような構成では、上記右又は左の小片がそれぞれ右又は左のアーム部材に結合していてよく、小片の第2の辺と上記第1の辺との接触により、第2の辺・小片・アーム部が連動して右又は左に動くことなり、挿入機構をシンプルなものとすることができる。例えば、このような構成を含む挿入機構では、上記第2の挿入操作によりカードが挿入されると、アーム部の変形の少なくとも一部が復元し、小片を挿入口内に移動させ、小片の下側面がカード上面の一部と当接し、カードの抜けを防止することができる。このような小片を上記ロック部が含んでよい。また、挿入口の係止辺、右手辺、左手辺以外の辺であるトップ辺の位置に、カードがトップ辺方向へ抜けるのを防止するためのトップ・ロック部を備えてもよい。このトップ・ロック部は、カードのトップ側(支点部の反対側)の端面に当接して、カードの抜けを防止することができる。かかるトップ・ロック部は、例えば、上記右又は左のアーム部先端に設けることができる。より具体的には、アーム部の先端を上記トップ辺の少なくとも一部を規定するように、いわゆる内向きに曲げることによりトップ・ロック部を構成してもよい。
【0036】
(13)上記(1)から(12)のいずれかの挿入機構を少なくとも1つ含むコネクタ。
【0037】
(14)上記(13)のコネクタと、該コネクタに接続される前記接続挿入物若しくは前記カード物と、を含むコネクタ接続物。
【0038】
(15)上記(13)のコネクタを用いて接続するコネクタ接続方法において; 該コネクタに接続される前記接続挿入物若しくは前記カード物の一部を前記挿入口に挿入し(「第1の挿入操作」); 前記接続挿入物若しくは前記カード物のその他の部分を順次挿入口内に挿入する(第2の挿入操作」)ことを特徴とするコネクタ接続方法。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明するが、具体的な形態を示してわかりやすく説明するものであって、本発明が以下の実施の形態により限定されず、そのように解釈されるものでもない。
【0040】
図1は、本発明の1つの実施例であるカードエッジ型コネクタ10を示したものである。このカードエッジ型コネクタ10は、平面形状が略矩形の平面的基板11、この基板11の3つの辺位置に略垂直に上向きに立上り略コの字形状(若しくはコップ断面形状)の枠を形成する部材であって、コップ断面形状の底部に相当する係止部材12、この係止部材12の左端から手前に延びる左手部材16、係止部材12の右端に平面視で略三角状をするコーナー部13、このコーナー部13から手前に延びる右手部材14より主に構成せられている。これらの部材の上端により規定できる平面が、挿入口面に相当し、後に述べるもう1つの辺(カップ形状の蓋部分が相当)の仮想的な上端と上述の3つの部材の上端の内側(囲まれた領域の内側)に規定される平面領域が挿入口面領域に相当し、それが本実施例の挿入口15とされる。
【0041】
基材11には、手前・奥方向の略中央に7個の略同形状の開口部19が、略等間隔に左右方向に並んで配置されている。その更に手前側には、6個の略同形状の開口部19が、やはり左右方向に並んで配置されているが、これらの開口部19は、左側及び右側に3個ずつ集まって2個のグループを形成するように配置されている。これらの開口部19は、いずれも基材11の厚み方向に貫通する開口であるが、この開口の中に、凸形状の接触部18aを含むコンタクト18が配置されている。コンタクト18は、図2の破線で示されるように基板11の厚みの中に埋め込まれた延長部18cを経由して接続端子部18bへと接続されている。接触部18aは、接続対象のカード(メモリカード等)が挿入されたとき、該カードのコンタクト(図示せず)に所定の接触圧をもって接触できるように、延長部18cで基板11に保持されると共に、延長部18cから開口部19に延びる部分はやや上向きに傾斜し、所定の弾性力を発生可能なものとされている。基材11の奥側は、上記係止部材12につながっている。この基材11と係止部材12の境界には、基材側に3個の細長い開口部22が配置されている。係止部材12の上端には、第1の挿入操作によって挿入されたカードの一端(支点部)が、第2の挿入操作である回動によりコネクタ10の挿入口面より上側に飛び出すのを防止する細長い矩形状板片である飛び出し防止部材20が配置されている。
【0042】
左手部材16は、略四角柱形状の部材を基材11の左手辺上に横倒したようにして形成されているが、手前側に延びる該左手部材16は、その手前部分において挿入口15側に左右方向略半分の厚みを削り込み、略垂直な2つの壁(挿入口15内側向き側面及び手前向き端面)を形成し、手前向き端面からは、略垂直に立った細長帯形状の左手辺アーム部30bが手前方向に延びている。この左手アーム部は、該左手部材16に埋め込まれていたアーム埋込部材から延びる拡張変形部32b、側帯部34b、先端曲げ部(トップ・ロック部に相当)38bから主に構成される。側帯部34bから先端曲げ部38bにかけて帯形状の略中央部に長手方向に延びる補強帯40bが配置されている。補強帯40bはプレス時にディンプルを形成することにより強度アップを図っている。ここで、上記側帯部34bの上端は、上述の左手辺に相当し、挿入口15の一辺を規定する。この側帯部34bの上端から略直角に曲がり、略水平(挿入口面に略平行)に挿入口15の内向きに延びる楔形状をした小片36bが配置されている。小片36bの楔形状の2つの長辺の1つは、側帯部34bの上端に重なり、他の1つは、コネクタの奥側から手前にくるに従って挿入口内に向かうように所定の角度をもって延びており、奥側に楔の先端部が向くように配置されている。ここで、本実施例における所定の角度は、約10度である。
【0043】
右手部材14は左右が逆転するが、上述の左手部材16の場合と略同様である。即ち、略四角柱形状の部材を基材11の右手辺上に横倒したようにして形成されているが、手前側に延びる該右手部材14は、その手前部分において挿入口13側に左右方向略半分の厚みを削り込み、略垂直な2つの壁(挿入口15内側向き側面及び手前向き端面)を形成し、手前向き端面からは、略垂直に立った細長帯形状の右手辺アーム部30aが手前方向に延びている。この右手アーム部は、該右手部材14に埋め込まれていたアーム埋込部材から延びる拡張変形部32a、側帯部34a、先端曲げ部(トップ・ロック部に相当)38aから主に構成される。側帯部34aから先端曲げ部38aにかけて帯形状の略中央部に長手方向に延びる補強帯40aが配置されている。ここで、上記側帯部34aの上端は、上述の左手辺に相当し、挿入口15の一辺を規定する。この側帯部34aの上端から略直角に曲がり、略水平(挿入口面に略平行)に挿入口15の内向きに延びる楔形状をした小片36aが配置されている。小片36aの楔形状の2つの長辺の1つは、側帯部34aの上端に重なり、他の1つは、コネクタの奥側から手前にくるに従って挿入口内に向かうように所定の角度をもって延びており、奥側に楔の先端部が向くように配置されている。ここで、本実施例の所定の角度は、約10度である。左側の小片36bにおける所定の角度と同じであるが、これらの角は必ずしも同一である必要はない。但し、カード挿入時の応力バランスを考慮すれば、左右同一がより好ましいと考えられる。尚、種々の事情により、挿入時の応力バランスがうまく取れない場合は、逆にこの角度を調整して、バランスをとることも可能である。
【0044】
図2(A)は、図1のコネクタの平面図である。矩形の基板の周りに左手部材16、係止部材12、コーナー部13、右手部材14、更に、右手アーム部30a、先端曲げ部38a、仮想トップ辺、先端曲げ部38b、左手アーム部30bが、略矩形の挿入口面領域又は挿入口15を規定している。開口部19に片持ち梁で突き出ているコンタクト18の基板11の厚み方向に埋め込まれている様子が、破線で示してある。更に、これらの開口部19の左右方向の外側には、平板状の別の埋め込み部材31a、bが配置され、該コネクタ10の奥−手前方向に所定の幅をもって細長く延びており、基材11の手前側及び奥側から、その先端を飛び出させている。該コネクタ10は、左右対称であるため以下右側の埋め込み部材31aを中心に説明する。基材11の奥−手前方向の略中央で埋め込み部材31aが右側(外側)に延びており、右手辺で略垂直に曲げられて立ち上がる側板を有している。この側板は、右側辺のアーム部30aの埋め込み延長部、及び、拡張変形部32a、側帯部34a、先端曲げ部(トップ・ロック部に相当)38aからなるアーム部30を形成している。この平板状の埋め込み部材31aは、基材11の肉厚内で、垂直に立上がる係止部材12が基材11とつながる基材の奥端辺近傍において所定の幅をもって同奥端辺に沿って左へ延びている。この左に延びた部分は、平面視において飛び出し防止部材20と左右方向に重なる位置で、基材11の奥側に飛び出す固定用に用いることができるハンダ付け部21が平面視略矩形で形成される。このハンダ付け部21は、基板(図示せず)にコネクタ10を固定しやすいように基材11の下側(図2(B))にステップダウンして該基板に沿って延びている。上記左に延びた部分は、このハンダ付け部21の逆側(手前側)に延び、係止部材12の肉厚内のやや手前側において略垂直に立上がるように曲げられて上に延び、係止部材12を突き抜け、突き抜けたところで、略直角に手前側に曲げられ、略矩形の防止部材20へとつながっている。図中3組並んで配置されている防止部材20及びハンダ付け部21は、左右方向の位置関係を除き、略同一の形状を有している。また、左側の埋め込み部材31bについても、右側と同様な構造をしている。コーナー部13は、挿入口15の平面形状を左右非対称とし、カードの左右を取り違えた挿入を未然に防止できるようになっている。また、楔形状の左右の小片36a、bは、その楔形状の先端部がコネクタの奥側若しくは係止部材側に向いており、挿入口15が実質係止部材側に左右の巾が少し広くできている。また、左右の小片36a、bは、その奥手前方向において半分より手前側にバランスよく配置されている。
【0045】
図2(B)は、図1のコネクタの正面図である。左手部材16及び右手部材14の間に、底面に基材11が配置され、コンタクト18の凸状の接触部18aがカード挿入空間45に飛び出すように配置されている。左右の先端曲げ部材38a、bは、カード挿入空間45の高さよりもやや低い高さを有している。
【0046】
図3は、図1のカードエッジ型コネクタ10にカード50を挿入する様子を示している。第1の挿入操作で挿入されるカード50の一端51は、係止部24に挿入される。このとき、飛び出し防止部材20により、挿入が妨害されないように、カード50は、挿入口15の挿入面に対して所定の角(例えば、10〜30度)でカードを突き刺すように係止部24に挿入する。カード50は所定の厚みを持ち、実質的に矩形形状を有しているが、上記一端50の右手側の角部は大きく面取り状態となっており、取られた面53が、コーナー部13にフィットするようにカード50は挿入される。第2の挿入操作は、カード50のトップ端面54に近いカード上面を矢印C方向に押すことにより、行うことができる。即ち、上記一端51が飛び出し防止部材20により拘束され、これを実質的な支点とした回動が行われることになるからである。カード50の左右側面52a、bは、左手部材16及び右手部材14の内側(挿入口内)に、無理なく挿入されることとなるが、カード50の下面の左右エッジ部53a、b(それぞれ、第1の辺に相当)は、それぞれ左右の楔形状小片36a、bとの干渉が生じることとなる。カード50のトップ端面54の左手側54b及び右手側54aは、カード挿入後は、左右の先端曲げ部の内側面39a、bに当接する位置にくるため、カードのトップ辺方向の抜けを防止することができる。
【0047】
図4は、左手部材16にある左アーム部30bを部分的に拡大したものである。ここでは、その見易さから、左側のアーム部30bを例に説明するが、右側のアーム部30aでも、左右を取り替えれば基本的に同じである。拡張変形部32bは、左手部材16に埋め込まれた延長部から、削り込まれた手前向き端面の左右方向略中央部において手前側に延びており、くの字に屈曲した後、まっすぐな側帯部34bへとつながっている。側帯部34bの内側面は、挿入口の左手側辺を規定するが、カード50の側面52bは側帯部34bの内側面を無理なく通過できる。
【0048】
しかし、内側に出っ張った小片36bは、挿入口15を実質的に狭くしているため、カード50の下面の左右エッジ部53b(第1の辺に相当)と接触することとなる。小片36bは、楔形状の先端から、手前側に広がるように(若しくは挿入口の内向きに)延びる辺又は角部42b(第2の辺に相当)を有しており、この角部42bから下方へいくに従って挿入口内側に向かう斜面43b(第2の辺に相当)を有している。角部42bは、このように辺方向に延びているため、小片36bが配置されているところでは、奥側の方で挿入口15の巾が広く、上述の干渉若しくは接触は、その程度がより少ないこととなる。また、カード50は、その一端51を挿入口15に挿入してから、第2の挿入操作を行うため、第1の挿入操作後は、上述のエッジ部53a、b(第1の辺に相当)は共に、支点部51に近い側で、挿入口面の下側(カード挿入空間45)にあり、トップ端面54に近い側で、挿入口面の上側にあることとなる。即ち、上記エッジ部53a、bは、その右手又は左手辺方向において、挿入口面の下側から上側へ(カード挿入空間45内から外へ)と変化しているため、エッジ部53a、bのどこかで挿入口面を横切ることとなり、その位置が、上記角部42b又は斜面43b(いずれも、第2の辺に相当)と接触する接触面近傍であり得る。
【0049】
図5は、上述の接触機構をより詳しく、右手辺アーム部30aにおいて示している。上述と同様、その見易さから、右側のアーム部30aを例に説明するが、左手辺アーム部30bでも、左右を取り替えれば基本的に同じである。実線で示されたカード50は、第1の挿入操作が終了した後の状態を示し、破線のカード50は、それから第2の挿入操作を少し行い、矢印P方向(下方向)に少し押した状態を示している。実線のカード50では、右の側面52aの下端であるエッジ部53aが、楔形の小片36aの第2の辺に相当する角部42a及び/又は斜面43a(図4参照。右の小片36aに適用するときは、符号をaに変更。)に接触部46で接触することとなる。このとき上記角部42a及び/又は斜面43aの辺長さ方向前面で接触するようにはなり難い。第1の辺及び第2の辺に相当する辺が共に略直線であり、これらが0より大きい角度をなしているからである。破線のカード50まで、矢印P方向に少し押すと、カード50は、支点部を実質的な支点としてこれまで述べてきた回動をすることとなり、エッジ部53aは、楔形の小片36aの第2の辺に相当する角部42a及び/又は斜面43aに接触部48で接触することとなる。このとき、接触部46は、接触部ではない。既に、エッジ部53aの相当箇所が、挿入口面の下側に移動してしまっているからである。この第2の挿入操作の過程で、接触部は46から48へと連続的に移動し、順次エッジ部53aの接触部であった相当箇所が、挿入口面の下側に移動してしまい、角部42a及び/又は斜面43aに接触できなくなってしまう。
【0050】
上述のような第2の挿入操作の過程で、接触部が係止部24から遠ざかるように動いていくため、第1及び第2の辺が相互にスライドしているようにも見えるが、実質相互のスライド(滑り)がないこともあり得る。また、このような動きだけでなく、後に述べるメカニズムでアーム部30aは、矢印Q方向(右方向)に曲げられることとなる。マクロ的には、トップ辺に向かうに従って小片36a、bは、その角部等42a、b、43a、bが内側に延びおり、挿入口の巾を狭くしているため、カード50の両エッジ部53a、bが上述の第2の挿入操作で割り込まれていくとアーム部30a、bが左右に広がらざるおえないことが理解できる。
【0051】
図6は、上述の拡張メカニズムを説明するために考えられた接触部の模式図である。ここでは、基本的に右側でも左側でも同様なことが生じているために、この図では左側の小片36bなどを表しているが、右左の符号であるa、bを使わず表現する。略水平に突き出されている小片36の角部42は、アール加工で丸くされており、それに続く、端面は、挿入口の内向きに傾斜する斜面43となっている。これらの角部42及び斜面43は、第2の辺に相当し、いずれも第1の辺に相当するエッジ部53と接触し得る。この図では、斜面の略中央にエッジ部53が接触し、更に、第2の挿入操作により下向き(P方向)に力Fがかかっている様子が示されている。エッジ部53の角は、通常の機械加工の例に従って、所定の半径Rによるアール加工がなされているが、なされていなくても実際いくらかの丸みが生じるものである。このエッジ部53からかかる力Fは、斜面43に対して平行に働く力F1と垂直に働く力F2とに分解できる。斜面に平行な力F1は、小片36の動きに関係しないと考えられるため、斜面に垂直に働く力F2について、小片36について更に検討をすると(図7)、垂直に働く力F21と水平に働く力F22に分解することができる。このうち、垂直に働く力F21は、小片36を支える側帯部34により抗されるが、水平に働く力F22は、側帯部34や拡張変形部32の薄い厚み方向に働くため、抗しきれず小片36は外側に押し出されるようになると考えられる。
【0052】
以上の第2の挿入操作におけるメカニズムを図8及び9によりより詳しく説明する。図8は、第2の挿入操作でエッジ部53が小片36の高さ方向においてどのように接触をしていくかを示すものである。図9は、図8に対応して、平面図で、上記接触部がどのように移動しているかを示すものである。図9において、カード50のエッジ部53は、図中、上側をトップ端として鉛直に延びている。一方、楔形状の小片36は、上記エッジ部53に略平行な側辺から所定の角δ(ここでは、上述のように約10度)をなした角部42と斜面43が、エッジ部53に交差するように位置している。このとき、図中B部及びC部では、エッジ部53が斜面43において接触していると考えられる。D部は、既に挿入口面の下側に移動しており(図8)、A部は、未だ、小片36のはるか上方にある。上述のように、エッジ部53が、挿入口面の下側から上側にまたがって延びている様子が表されている。即ち、エッジ部53と一度は接触したD部は、挿入が更に進むと、挿入口面の下側に移動し、かつ、小片36が挿入口を拡張するように押し出されることにより、エッジ部53との接触を解かれる。すると、それまで、小片36に位置していた接触部Bが下に下りてきてエッジ部53と接触を始める。それと同時に、楔形状の小片のより広い側が接触するため、小片36が挿入口の外向きに更に押し出されることとなる。このように、順次挿入を続けることによりエッジ部53が全て挿入口面の下側に移動して、更に、カード50の上面が小片36の下面より下側に移動して、カード50の挿入が完了する。これと同時に、広げられていたアーム部30は、拡張変形部32の弾性復元力で戻り小片36の下面がカード50の上面の一部と当接できる位置にまで戻り、カード50のロックを行う。この小片36が、上述のロック部に相当する。
【0053】
図8は、上記所定の角δと、斜面43の斜度θを適当に選択すれば、斜面に略平行な、破線で描かれた仮想線に従って、上述のエッジ部53の隔離・接触・別離の連続工程が生じ得ることを示したものである。一般にδを小さくすれば、小片36押しのけ効率(挿入量あたりの押しのけ巾)が低くなるが、挿入力は小さくなり、挿入が容易に行えるようになる。尚、ここでは、説明の容易さ等から、小片36の角部42及び斜面43とエッジ部53を組合わせたが、逆に小片36にエッジ部を作り、カードに角部や斜面を作っても同様なことがいえる。また、両者に角部及び斜面を作っても同様なことがいえることとなる。一方、両者が略完全な角を形成する場合は、ならし作業等である程度角を丸めておくことがより好ましい。尚、本実施例においては、の斜度θは、約30度である。
【0054】
以上のような挿入機構においては、小片36において垂直に過大な力がかかりやすいと考えられる。そこで、その対策として、図10から12に示すような曲げ部補強構造を追加して行うことができる。図10は、側帯部34’から小片36’へと曲げる曲げ部に切り欠き部60を作り、断面3角形となるようなスジカイ62を施したものである。図11は、側帯部34’’から小片36’’へと曲げる曲げ部に補強用のビード64を溶接により付けたものである。図12は、側帯部34’’’から小片36’’’へと曲げる曲げ部に補強用のリブ部68を溶接部70により付けたものである。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコネクタでは、カード挿入口を拡大するために、カード挿入時にカードが当接・押圧する斜めの辺をカード挿入口面に対して略平行に配置するようにしたため、カード挿入が容易に行われるだけでなく、挿入機構がシンプルになるという効果がある。また、カードの薄型化に対応するコネクタの薄型化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例であるカードエッジ型コネクタを示した斜視図である。
【図2】図1のカードエッジ型コネクタの平面図(A)及び正面図(B)である。
【図3】図1のカードエッジ型コネクタにカードを挿入する状態を示す斜視図である。
【図4】図1のカードエッジ型コネクタの左側アーム部を拡大して示した斜視図である。
【図5】図1のカードエッジ型コネクタの右側アーム部を拡大し、カードが挿入されていく様子を示した斜視図である。
【図6】図1のカードエッジ型コネクタに挿入されるカードの辺と、コネクタの小片の端面が接触する様子を示す模式図である。
【図7】図1のカードエッジ型コネクタの小に働くと考えられる力を示す模式図である。
【図8】図1のカードエッジ型コネクタに挿入されるカードの辺と、コネクタの小片の端面が位置を変えつつ接触する様子と考えられる概念図である。
【図9】図1のカードエッジ型コネクタに挿入されるカードの辺と、コネクタの小片の端面が位置を変えつつ接触する様子を平面で示す模式図である。
【図10】本発明の実施例であるカードエッジ型コネクタに用いられ得る小片の1つの構造を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例であるカードエッジ型コネクタに用いられ得る小片のもう1つの構造を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例であるカードエッジ型コネクタに用いられ得る小片のもう1つの構造を示す斜視図である。
【図13】従来のカードエッジ型のコネクタを示す平面図である。
【符号の説明】
10 コネクタ
12 係止部材
14 右手部材
16 左手部材
18 コンタクト
19 開口部
20 飛び出し防止部材
22 開口部
24 係止部
30 アーム部
32 拡張変形部
34 側帯部
36 小片
38 先端曲げ部
42 角部
43 斜面
45 カード挿入空間
46、48 接触部
50 カード
52 側面
53 エッジ部

Claims (15)

  1. 少なくとも一辺(「第1の辺」)を有する挿入接続物を挿入して接続するコネクタであって、該挿入接続物の一部(「支点部」)を該コネクタに挿入し該支点部を実質的な支点として該挿入接続物を回動させることにより該挿入接続物を挿入するコネクタにおいて、
    前記挿入接続物を挿入する挿入口と、
    挿入された前記支点部を回動可能に仮止めする係止部と、
    該支点部を実質的支点として前記挿入接続物を回動させて挿入する際に、その接触する箇所を該支点部から遠ざかる方向に変化させながら前記第1の辺をスライドする第2の辺と、
    該第2の辺のスライドに伴って前記挿入口の少なくとも一部を拡張させるように変形するものである拡張変形部と、
    前記挿入接続物が挿入されたときに前記挿入接続物をロックするロック部と、を含むコネクタの挿入機構。
  2. 前記第2の辺が角部を含むものであり、少なくともその一部は、該角部が面取り及び/又はアール加工を施されているものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタの挿入機構。
  3. 前記第1の辺は前記支点部より遠ざかる向きに延びるものであり、かつ、前記第2の辺は係止部から遠ざかる向きに延びるものであるが、前記第1の辺と前記第2の辺は0度より大きく90度より小さい所定の角度をなしており、上述のスライドをするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタの挿入機構。
  4. 前記挿入接続物を挿入する際に、前記第1の辺が、前記支点部近傍では前記挿入口の内側に挿入されており、前記支点部から十分離れたところでは、前記挿入口の外側に位置する状態を少なくとも一時的にとることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
  5. 前記第2の辺は、前記挿入口を規定する平面に含まれているものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
  6. 少なくとも1つの辺(「第1の辺」)を持つカード状挿入物(「カード物」)を挿入して接続を行うコネクタについて、
    該カード物を挿入する挿入口と、
    該挿入口を規定する面(「挿入口面」)に略平行な面上にあって挿入口の1つの辺(「第1の挿入口辺」)に対して0度より大きく90度より小さい所定の角度を有する第2の辺と、
    前記カード物を挿入する際に前記第1の辺及び該第2の辺が互いに接触する位置を変えつつスライドすることにより前記挿入口の少なくとも一部を拡大するように変形する拡張変形部と、
    前記カード物が挿入されると前記拡張変形部の変形の少なくとも一部が元に戻り、その戻る動きに連動して前記カード物をロックするロック部と、を含むコネクタの挿入機構。
  7. 前記第2の辺の少なくとも一部は、その角部が面取り及び/又はアール加工を施されているものであることを特徴とする請求項6に記載のコネクタの挿入機構。
  8. 前記第2の辺は、前記挿入口面上において前記第1の挿入口辺から前記挿入口の内側に向かう方向に沿って延びるものであり、前記第1の辺は、前記カード物を規定する1の辺であることを特徴とする請求項6又は7に記載のコネクタの挿入機構。
  9. 前記挿入口は、前記挿入接続物若しくは前記カード物の平面形状と略同一形状をした略矩形(正方形を含む)形状であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
  10. 前記拡張変形部は、前記挿入口への挿入方向に対して略垂直な方向に変形することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
  11. 前記ロック部は、前記第2の辺を含むものであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のコネクタの挿入機構。
  12. カードエッジ型コネクタの挿入機構において、
    カードが挿入されるカード平面形状に類似した略矩形の挿入口と、
    第1のカード挿入操作により挿入口に挿入されたカード一端を係止する該カード一端に対応する前記矩形の挿入口を規定する1の辺(「係止辺」)に略平行に延びる係止部と、
    前記係止辺に略垂直な前記矩形の挿入口を規定する他の2つの辺(「右手辺」及び「左手辺」)のそれぞれに、挿入口を略含むことができる平面(「挿入口面」)に略平行である平面形状が略楔状の2つの小片を、楔形状の長辺の一辺がそれぞれに右手辺及び左手辺を共通させるように備え、各小片は前記楔形状の長辺の他の一辺(「第2の辺」)を右手辺又は左手辺から所定の角度をもって挿入口の内に向かうように前記係止辺から遠ざかるように延ばしているところのこれらの小片と、
    前記カードの係止部により係止されたカードの一端を実質的な回動の中心軸となるように前記カードを回動させて、前記カードを挿入させる(「第2のカード挿入操作」)際に、左右の各小片の第2の辺に前記カードの係止辺に略垂直な左右の各辺(「第1の辺」)がそれぞれに接触して力を及ぼして前記挿入口内向きに延びる前記第2の辺を挿入口の外向きに押し広げ、これにより前記第2の辺と連動する右手辺及び左手辺を前記カード挿入口が拡張するように左右に広げる際に変形を受ける拡張変形部と、
    前記第2のカード挿入操作後、前記拡張変形部の変形に対する復元力によりその変形の少なくとも一部が復元したときに前記カードの上面の一部に当接するロック部と、を含むカードエッジ型コネクタの挿入機構。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の挿入機構を少なくとも1つ含むコネクタ。
  14. 請求項13に記載のコネクタと、該コネクタに接続される前記接続挿入物若しくは前記カード物と、を含むコネクタ接続物。
  15. 請求項13に記載のコネクタを用いて接続するコネクタ接続方法において、
    該コネクタに接続される前記接続挿入物若しくは前記カード物の一部を前記挿入口に挿入し(「第1の挿入操作」)、
    前記接続挿入物若しくは前記カード物のその他の部分を順次挿入口内に挿入する(「第2の挿入操作」)ことを特徴とするコネクタ接続方法。
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