JP2004027706A - 建設機械の油圧回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができ、しかも直進走行時の走行速度もアップできるようにする。
【解決手段】油圧ポンプ1,2の2つの第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプ3とを備えた3ポンプシステムの油圧回路装置において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側に走行合流制御弁37を接続しその下流側に同期分流弁38を接続する。走行合流制御弁37及び同期分流弁38の出力側を、合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rのフィーダライン28L,28Rに接続し、走行合流制御弁37をシャトル弁50L,50Rで検出した操作レバー装置25L,25Rのパイロット圧により切り換え操作する。
【選択図】 図1
【解決手段】油圧ポンプ1,2の2つの第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプ3とを備えた3ポンプシステムの油圧回路装置において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側に走行合流制御弁37を接続しその下流側に同期分流弁38を接続する。走行合流制御弁37及び同期分流弁38の出力側を、合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rのフィーダライン28L,28Rに接続し、走行合流制御弁37をシャトル弁50L,50Rで検出した操作レバー装置25L,25Rのパイロット圧により切り換え操作する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械の油圧回路装置に係わり、特に、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとを備え、第1油圧ポンプの吐出油により左右2つの走行モータを含む複数のアクチュエータを駆動し、第2油圧ポンプの吐出油により旋回モータ等の少なくとも1つのアクチュエータを駆動する建設機械の油圧回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の油圧回路装置には、第1油圧ポンプとして2つの油圧ポンプを備え、この2つの油圧ポンプの吐出油により左右2つの走行モータを含む複数のアクチュエータを駆動し、第2油圧ポンプの吐出油により旋回モータ等の少なくとも1つのアクチュエータを駆動する、いわゆる3ポンプシステムと呼ばれるものがあり、その一例が特開2000−220168号公報に記載されている。
【0003】
また、特開平10−331211号公報には、第2油圧ポンプをブレード等の追加アタッチメント用の補助油圧ポンプとして用い、この補助油圧ポンプに接続された追加アタッチメント(ブレード)用方向制御弁の下流に同期分流制御弁を設け、この同期分流弁を増速制御弁を介して左右の走行モータに接続した油圧回路装置が記載されている。この油圧回路装置によれば、ブレード操作をしていない場合には、アタッチメント用の補助油圧ポンプの吐出油は分流され、左右の走行モータに供給され、走行速度が増加するとともに、左右の走行モータに負荷の差ができた場合でも圧力変化によらず両方に同量の油が供給されるため、直進走行性が確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0005】
近年、油圧ショベルの走行速度のアップのニーズは年々増加し、少しでも走行速度をアップさせたいという要望がある。特開2000−220168号公報に記載されているような3ポンプシステムの油圧回路装置では、走行速度のアップのニーズには対応しておらず、走行速度をアップさせることはできない。特に、ピボットターン(片側の走行モータだけを駆動するステアリング動作)など、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作を行うときは、ポンプ吐出流量が極端に減少し、ステアリング動作をスムーズかつ素早く行うことができない。その理由は、建設機械の油圧回路装置では、一般に、油圧ポンプの制御に、油圧ポンプの吐出圧力が上昇するにしたがって油圧ポンプの吐出流量を減らし、油圧ポンプの吸収馬力が予め定めた最大馬力を超えないように制御することで、エンジンストール(エンスト)を防止する馬力制御と呼ばれる技術を採用しているからであり、そのような制御を行うもので片側の走行モータだけを早くするステアリング動作を行うと、その走行モータの駆動圧力がリリーフ設定圧付近まで上昇し、ポンプ吐出流量が著しく減少してしまう。
【0006】
特開平10−331211号公報に記載の油圧回路装置では、直進走行時にはアタッチメント用の補助油圧ポンプの吐出油を均等に分流して左右の走行モータに供給することで走行速度を増加させることができる。しかし、ピボットターンなどのステアリング動作では、上記のように油圧ポンプの馬力制御によりポンプ吐出流量が極端に減少するため、補助油圧ポンプの吐出油の半分が分流して供給されたとしても、走行モータへの供給流量は依然として十分でなく、やはりステアリング動作をスムーズに素早く行うことができない。
【0007】
本発明の第1の目的は、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる建設機械の油圧回路装置を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができ、しかも直進走行時の走行速度もアップすることができる建設機械の油圧回路装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータを含む複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する左右走行用の方向制御弁を含む複数の方向制御弁と、前記第2油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータ以外の少なくとも1つのアクチュエータと、前記第2油圧ポンプから前記少なくとも1つのアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する少なくとも1つの方向制御弁とを有する建設機械の油圧回路装置において、前記少なくとも1つの方向制御弁の下流側に位置し、第1位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの一方に供給し、第2位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの他方に供給する走行合流制御弁と、前記左右走行用の方向制御弁の一方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第1位置に切り換え、前記左右走行用の方向制御弁の他方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第2位置に切り換える操作制御手段とを備えるものとする。
【0010】
このように走行合流制御弁と操作制御手段を設けることにより、片側の走行用油圧モータだけを駆動して行うステアリング動作(ピボットターン)を意図して左右走行用の方向制御弁のいずれか一方を操作したときは、走行合流制御弁は操作制御手段により第1位置と第2位置のいずれか一方に切り換えられ、第2油圧ポンプの吐出油の全量が左右走行用の油圧モータのいずれか一方に供給される。このためステアリング動作に係わる片側の走行用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプの吐出圧が高圧となり、馬力制御によりポンプ吐出流量が極端に減少しても、その走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、ステアリング動作(ピボットターン)のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量を越えると、前記走行合流制御弁を前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える。
【0012】
これにより片側の走行用油圧モータだけを速くするステアリング動作の他の例として、走行しながら急なステアリングを切るステアリング動作(急な走行ステアリング動作)を意図して左右走行用の方向制御弁を同方向に操作量を大きく違えて操作したときも、その操作量の差が所定量を越えると、走行合流制御弁は操作制御手段により第1位置と第2位置のいずれか一方に切り換えられ、第2油圧ポンプの吐出油の全量が左右走行用の油圧モータのいずれか一方に供給されるため、ピボットターンの場合と同様、ステアリング動作に係わる片側の走行用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプの吐出流量が馬力制御により極端に減少しても、その走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、走行ステアリング動作のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0013】
(3)また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、上記(1)の建設機械の油圧回路装置において、前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する同期分流弁を更に備え、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持するものとする。
【0014】
これにより直進走行を意図して左右走行用の方向制御弁を同方向に同量操作したときは、操作制御手段は走行合流制御弁を第3位置に保持し、第2油圧ポンプの吐出油は同期分流弁に供給され、第2油圧ポンプの吐出油がほぼ等量に分流され左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給される。このため、左右走行用の油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の1/2づつを加算した油量が供給され、走行速度が増加し、上記(1)で述べたようにステアリング動作をスムーズに素早く行うことができるとともに、直進走行時の走行速度をアップすることができる。
【0015】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量以下のときは前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持し、その操作量の差が所定量を越えると前記走行合流制御弁を、前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える。
【0016】
これにより上記(2)で述べたように急な走行ステアリング動作時にも、走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、走行ステアリング動作のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0017】
(5)上記(1)において、好ましくは、前記走行合流制御弁は、前記第1位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の一方の流入側に供給し、前記第2位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の他方の流入側に供給する。
【0018】
これにより第2の油圧ポンプの吐出油は第1の油圧ポンプの吐出油と合流して左右走行用の方向制御弁のそれぞれに流入するため、特別な方向制御弁を設けることなく、第2の油圧ポンプの吐出油の流れ(流れ方向及び流量)を制御することができる。
【0019】
(6)また、上記第2の目的を達成するために、上記(1)の建設機械の油圧回路装置において、前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の方向制御弁のそれぞれの流入側に供給する同期分流弁を更に備え、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の何れも操作されていないとき或いはその両方が操作されると、前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持するものとする。
【0020】
これにより上記(3)で述べたように左右走行用の油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の1/2づつを加算した油量が供給されるため、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができるだけでなく、直進走行時の走行速度をアップすることができる。
【0021】
また、第2の油圧ポンプの吐出油は第1の油圧ポンプの吐出油に合流して左右走行用の方向制御弁のそれぞれに流入するため、走行合流制御弁が中立位置としての第3位置にあるとき、同期分流弁で分流した第2の油圧ポンプの吐出油を左右走行用の方向制御弁によりタンクに還流することができる。
【0022】
(7)上記(1)において、好ましくは、前記左右走行用の方向制御弁を操作する左右走行用の操作装置を更に備え、前記操作制御手段は、前記左右走行用の操作装置の出力を前記走行合流制御弁の対応する駆動部に導く手段である。
【0023】
これにより操作制御手段は、左右走行用の方向制御弁の一方が操作されると走行合流制御弁を第1位置に切り換え、左右走行用の方向制御弁の他方が操作されると走行合流制御弁を第2位置に切り換えるものとなる。
【0024】
(8)上記(1)において、好ましくは、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を分流して記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持する。
【0025】
これにより上記(3)で述べたように直進走行時の走行速度もアップすることができるとともに、走行合流制御弁に分流機能を持たせたので、回路構成を簡素化することができる。
【0026】
(9)上記(1)において、好ましくは、前記少なくとも1つの方向制御弁と前記走行合流制御弁との間に設置され、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記走行合流制御弁に供給する第1位置と前記第2油圧ポンプの吐出油をタンクに還流する第2位置とを有する選択弁と、前記選択弁を前記第1位置と第2位置のいずれかに切り換える切り換え手段とを更に備えるものとする。
【0027】
これにより走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、切換手段を操作することで増速機能が解除され、走行操作性を更に向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路装置を示す図である。
【0030】
図1において、本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路装置は例えば油圧ショベルに搭載されるものであり、油圧ポンプ1,2の2つの第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプ3とを備えた3ポンプシステムとして構成されている。また、油圧回路装置はパイロットポンプ4を備え、第1油圧ポンプ1,2、第2油圧ポンプ3とパイロットポンプ4はエンジン5により回転駆動される。
【0031】
第1油圧ポンプ1,2及び第2油圧ポンプ3はそれぞれ可変容量型であり、第1油圧ポンプ1,2の容量(傾転)は第1レギュレータ6により制御され、第2油圧ポンプ3の容量は第2レギュレータ7により制御される。第1及び第2レギュレータ6,7は、それぞれ、第1油圧ポンプ1,2と第2油圧ポンプ3の馬力制御を行うレギュレータであり、第1レギュレータ6は、パイロットライン18,19を介して導かれた第1油圧ポンプ1,2の吐出圧とパイロットライン20aを介して導かれた第2油圧ポンプ3の吐出圧に基づいて、それらの吐出圧が上昇するにしたがって第1油圧ポンプ1,2の吐出流量が減少するようにそれらの容量(傾転)を制御し、第2レギュレータ7は、パイロットライン20bを介して導かれた第2油圧ポンプ3の吐出圧に基づいて、その吐出圧が上昇するにしたがって第2油圧ポンプ3の吐出流量が減少するようにその容量(傾転)を制御する。
【0032】
第1油圧ポンプ1,2の吐出ライン12,13はセンタバイパスライン15,16に接続され、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14はセンタバイパスライン17に接続され、センタバイパスライン15には方向制御弁20L,21が接続され、センタバイパスライン16には方向制御弁22,20Rが接続され、センタバイパスライン17には方向制御弁23が接続されている。
【0033】
方向制御弁20L,20Rは左右走行用であり、操作レバー装置25L,25Rの操作により生じるパイロット圧力により切り換え操作される。方向制御弁20L,20Rが切り換え操作されると油圧ポンプ1,2からの吐出油が左右走行用の油圧モータ、つまり左右走行モータ27L,27Rに供給される。左右走行モータ27L,27Rに供給される圧油の流れ方向と流量は方向制御弁20L,20Rの操作方向と操作量により制御される。
【0034】
方向制御弁21,22,23は油圧ショベルに備えられる左右走行モータ27L,27R以外のアクチュエータ用、例えば、ブームシリンダ、アームシリンダ、旋回モータ用であり、それぞれ、同様に図示しない操作レバー装置により生じるパイロット圧力により切り換え操作される。方向制御弁21,22,23が切り換え操作されると油圧ポンプ1,2,3からの吐出油がそれらのアクチュエータに供給される。アクチュエータに供給される圧油の流れ方向と流量は方向制御弁21,22,23の操作方向と操作量により制御される。
【0035】
操作レバー装置25L,25Rは、それぞれ、操作レバー30a,31aと、1対のパイロット弁(減圧弁)30b,30c,31b,31cを備えている。操作レバー30aが操作されると、その操作方向に応じてパイロット弁30b,30cの一方が作動し、パイロットポンプ4の吐出油を一次圧として操作レバー30aの操作量に応じた二次圧(パイロット圧力)を生成する。同様に、操作レバー31aが操作されると、その操作方向に応じてパイロット弁31b,31cの一方が作動し、パイロットポンプ4の吐出油を一次圧として操作レバー31aの操作量に応じた二次圧(パイロット圧力)を生成する。これらのパイロット圧力はパイロットライン32a,32b,33a,33bを介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの受圧部に導かれ、これら方向制御弁20L,20Rを切り換え操作する。
【0036】
第1油圧ポンプ1,2の吐出ライン12,13に接続されたセンタバイパスライン15,16において、方向制御弁20L,21の下流側及び方向制御弁22,20Rの下流側はタンク35に接続されている。
【0037】
第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17において、方向制御弁23の下流側には走行合流制御弁37が接続され、走行合流制御弁37の更に下流側には同期分流弁38が接続されている。
【0038】
走行合流制御弁37は図示中央と左右の3つの出力ポートを有し、中央の出力ポートは同期分流弁38に接続され、左右の出力ポートは第1,第2の2つの合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側であるそれぞれのフィーダライン28L,28Rに接続され、合流ライン40,41には逆流防止用のチェック弁42,43が設けられている。フィーダライン28L,28Rはそれぞれの方向制御弁20L,20Rの上流側でセンタバイパスライン15,16に接続されている。同期分流弁38は2つの出力ポートを有し、それぞれ、分流ライン45,46を介して逆流防止用のチェック弁42,43の上流側で合流ライン40,41に接続されている。
【0039】
走行合流制御弁37は、入力ポートを図示左側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第1合流ライン40に接続する第1位置と、入力ポートを図示右側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第2合流ライン41に接続する第2位置と、入力ポートを中央の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を同期分流弁38に接続する中立位置としての第3位置とを有し、第1位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を左走行用の方向制御弁20Lの流入側に供給し、第2位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を右走行用の方向制御弁20Rの流入側に供給し、第3位置(中立位置)にあるときは第2油圧ポンプの吐出油を同期分流弁38に供給する。
【0040】
同期分流弁38は、2つの出力ポート側の圧力(左右の走行モータ27L,27Rの負荷圧)に違いがあっても第2油圧ポンプ3の吐出油をほぼ等量に分流する圧力補償機能を有し、その分流された油量は分流ライン45,46、合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rのそれぞれの流入側に供給され、更に第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して左右の走行モータ27L,27Rに供給される。
【0041】
操作レバー装置25L用のパイロットライン32a,32bにはパイロットライン32a,32bに導かれたパイロット圧力を検出するためのシャトル弁50Lが接続され、シャトル弁50Lで検出されたパイロット圧力は信号ライン53Lを介して走行合流制御弁37の一方のスプール端部に設けられた受圧部51Lに導かれる。同様に、操作レバー装置25R用のパイロットライン33a,33bにはパイロットライン33a,33bに導かれたパイロット圧力を検出するためのシャトル弁50Rが接続され、シャトル弁50Rで検出されたパイロット圧力は信号ライン53Rを介して走行合流制御弁37の他方のスプール端部に設けられた受圧部51Rに導かれる。
【0042】
走行合流制御弁37のスプール端部には上記の受圧部51L,51Rとプリセットバネ52L,52Rとが設けられ、受圧部51Lに導かれたパイロット圧力と受圧部51Rに導かれたパイロット圧力との差圧がプリセットバネ52L,52Rの設定圧を越えると、走行合流制御弁37を第1位置及び第2位置のうちパイロット圧力が高い方の側の受圧部に対応する位置に切り換え、それ以外のときは走行合流制御弁37を中立の第3位置に保持する。
【0043】
図2に、操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを操作したときのレバー操作量Stとそのときパイロット弁30b又は30c,31b又は31cが発生するパイロット圧力Piとの関係及びそのパイロット圧力Piとプリセットバネ52L,52Rの設定値(圧力換算値)Psとの関係を示す。
【0044】
レバー操作量Stが増大するにしたがってパイロット圧力Piは連続的に上昇し、レバー操作量StがフルストロークStfullの70%程度のストロークStmに達すると、パイロット圧力Piは27Kg/cm2の圧力まで上昇し、レバー操作量StがStmを越えると、パイロット圧力Piは非連続的に一気に最高圧力の40Kg/cm2まで上昇し、その後パイロット圧力Piは最高圧力の40Kg/cm2に維持される。プリセットバネ52L,52Rの設定値Psは圧力換算値で27Kg/cm2程度の値に設定されている。
【0045】
以上において、シャトル弁50L,50R、受圧部51L,51R、プリセットバネ52L,52R、信号ライン53L,53Rは、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの一方が操作されると走行合流制御弁37を第1位置に切り換え、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの他方が操作されると走行合流制御弁37を第2位置に切り換える操作制御手段を構成するとともに、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量を越えると、走行合流制御弁37を第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える操作制御手段を構成する。
【0046】
次に、以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
【0047】
1.非走行操作
左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを操作しない場合は、走行合流制御弁37は図示の中立位置(第3位置)にあり、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続している。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、センタバイパスライン17、走行合流制御弁37、同期分流弁38、分流ライン45,46、合流ライン40,41、フィーダライン28L,28R、センタバイパスライン15,16を介してタンク35に戻される。
【0048】
方向制御弁23を操作するとセンタバイパスライン17が絞られ、従来通り油圧ポンプ3の吐出油は方向制御弁23を介して図示しないアクチュエータに供給される。
【0049】
2.直進走行
直進走行を意図して左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に同量操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力は等しくその差は設定値Ps(27Kg/cm2)より小さいため、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなる。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が分流ライン45,46、合流ライン40,41を介してフィーダポート28L,28Rに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して方向制御弁9L,9Rを介して走行モータ4a,4bに供給される。このため、走行モータ4a,4bを駆動する油量は第1油圧ポンプ1,2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の油量の1/2づつが加算された油量となるので、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで直進走行する場合に比べ走行速度を増加させることができる。
【0050】
3.緩やかな走行ステアリング動作
走行ステアリング動作を意図して左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に操作量を違えて操作した場合、その操作量の差が小さく、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差が設定値Ps(27Kg/cm2)より小さい場合を考える。このようなレバー操作時には、直進走行の場合と同様、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなるため、第2油圧ポンプ3の吐出油は同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して走行モータ4a,4bに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで走行ステアリング動作を行う場合に比べステアリング時の走行速度を増加させることができる。
【0051】
4.急な走行ステアリング動作
上記の走行ステアリング動作で、操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に操作量を大きく違えて操作し、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差が設定値Ps(27Kg/cm2)を越えた場合は、走行合流制御弁37は第1位置及び第2位置のうちパイロット圧力が高い方の側の受圧部に対応する位置に切り換えられる。例えば、操作レバー装置25Lのレバー操作量が操作レバー装置25Rのレバー操作量より大きく、受圧部51Lに導かれるパイロット圧力が受圧部51Rに導かれるパイロット圧力より高いときは、走行合流制御弁37は第1位置に切り換えられ、逆の場合は、走行合流制御弁37は第2位置に切り換えられる。その結果、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が、合流ライン40又は41を介してフィーダポート28L又は28Rに供給され、第1油圧ポンプ1又は2の吐出油に合流して方向制御弁20L又は20Rを介して走行モータ27L又は27Rに供給される。このため、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータを駆動する油量は第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量となる。
【0052】
ここで、急な走行ステアリング動作を行う場合は、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータの駆動圧力が特に高くなり、第1レギュレータ6の馬力制御により第1油圧ポンプ1,2の吐出流量は著しく減少する。このため、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで走行ステアリング動作を行う場合は、走行モータ27L,27Rの駆動速度が遅くなり、ステアリング動作が緩慢となる。第2油圧ポンプ3の吐出油を同期分流弁38により相等しく分流して供給する場合は、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけでステアリング動作を行う場合に比べてステアリング動作は速くなるが、ステアリング動作のターン半径は変わらないため、依然としてステアリング動作が緩慢であると感じられてしまう。
【0053】
本実施の形態では、操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータに第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量が供給されるので、ステアリング動作のターン半径を小さくでき、スムーズで素早い走行ステアリング動作を行うことができる。
【0054】
4.ピボットターン
左右走行モータ27L,27Rの片側だけを駆動して行うステアリング動作(ピボットターン)を意図して操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aの一方をフル操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差は設定値Ps(27Kg/cm2)より大きくなるため、走行合流制御弁37は第1位置及び第2位置のうち操作レバー30a又は31aを操作した側(パイロット圧力が高い方の側)の受圧部に対応する位置に切り換えられる。例えば、操作レバー装置25Lの操作レバー30aをフル操作したときは、走行合流制御弁37は第1位置に切り換えられ、操作レバー装置25Rの操作レバー31aをフル操作したときは、走行合流制御弁37は第2位置に切り換えられる。その結果、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が、合流ライン40又は41を介してフィーダポート28L又は28Rに供給され、第1油圧ポンプ1又は2の吐出油に合流して方向制御弁20L又は20Rを介して走行モータ27L又は27Rに供給される。このため、操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータを駆動する油量は第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量となる。
【0055】
ここで、このような片側ステアリング動作(ピボットターン)を行う場合も、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータの駆動圧力が極端に高くなり、第1レギュレータ6の馬力制御により第1油圧ポンプ1,2の吐出流量は著しく減少する。このため、第1油圧ポンプ1又は2の吐出流量だけで片側ステアリング動作(ピボットターン)を行う場合は、走行モータ27L又は27Rの駆動速度が遅くなり、ステアリング動作のターン速度が遅くなる。第2油圧ポンプ3の吐出油を同期分流弁38により相等しく分流して供給する場合は、第1油圧ポンプ1又は2の吐出流量だけで片側ステアリング動作を行う場合に比べてターン速度は速くなるが、依然としてターン速度が遅いと感じられてしまうことがある。
【0056】
本実施の形態では、操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータに第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量を加算した油量が供給されるので、片側ステアリング動作(ピボットターン)のターン速度を更に速くでき、スムーズで素早い片側ステアリング動作(ピボットターン)を行うことができる。
【0057】
5.スピンターン
左右走行モータ27L,27Rを逆方向に駆動して行うステアリング動作(スピンターン)を意図して操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを逆方向にフル操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差は設定値Ps(27Kg/cm2)より小さいため、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなる。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が分流ライン45,46、合流ライン40,41を介してフィーダポート28L,28Rに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して方向制御弁20L,20Rを介して走行モータ27L,27Rに供給される。このため、走行モータ27L,27Rを駆動する油量は第1油圧ポンプ1,2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の油量の1/2づつが加算された油量となるので、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで逆駆動のステアリング動作(スピンターン)を行う場合に比べ、ターン速度を速くでき、スムーズで素早いステアリング動作(スピンターン)を行うことができる。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、直進走行時の走行速度及び緩やかな走行ステアリング動作時の走行速度を増加させることができるとともに、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作(急な走行ステアリング動作及びピボットターン)時のターン速度や、スピンターン時のターン速度を速くすることができ、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0059】
本発明の第2の実施の形態を図3により説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。本実施の形態は分流機能を走行合流制御弁に持たせたものである。
【0060】
図3において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側には走行合流制御弁37Aが接続され、走行合流制御弁37Aの下流側には同期分流弁は設けられていない。
【0061】
走行合流制御弁37Aは図示左右の2つの出力ポートを有し、これらは第1,第2の2つの合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側であるそれぞれのフィーダライン28L,28Rに接続されている。
【0062】
また、走行合流制御弁37Aは、入力ポートを図示左側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第1合流ライン40に接続する第1位置と、入力ポートを図示右側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第2合流ライン41に接続する第2位置と、入力ポートを図示左右の出力ポートに同じ開度の分流絞り60L,60Rを介して接続する中立位置としての第3位置とを有し、第1位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を左走行用の方向制御弁20Lの流入側に供給し、第2位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を右走行用の方向制御弁20Rの流入側に供給し、第3位置(中立位置)にあるときは第2油圧ポンプの吐出油を分流絞り60L,60Rにより等量に分流し左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側に供給する。
【0063】
以上のように構成した本実施の形態の動作は第1の実施の形態とほぼ同様であり、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態によれば、分流機能を走行合流制御弁に内蔵させたので、部品点数を減らし、回路構成を簡素化することができる。
【0064】
本発明の第3の実施の形態を図4により説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。本実施の形態は走行及びステアリング動作の増速機能を作業状況或いはオペレータの好みにより選択できるようにしたものである。
【0065】
図4において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側には選択弁70が接続され、選択弁70の下流側に走行合流制御弁37と同期分流弁38が接続されている。
【0066】
選択弁70は、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)とを連通させる図示右側の第1位置と、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)の連通を遮断し、方向制御弁23側(上流側)をタンクに連通させる図示左側の第2位置とを有している。
【0067】
選択弁70はソレノイド71を有する電磁切換弁であり、モードスイッチ72から指令信号がソレノイド71に与えられると第1位置から第2位置に切り換えられる。
【0068】
以上のように構成した本実施の形態においては、モードスイッチ72がOFFのときは、選択弁70は図示の第1位置にあり、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)とを連通させるため、第1の実施の形態と同様の走行速度をアップできかつステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0069】
モードスイッチ72をONすると選択弁70は第2位置に切り換えられ、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)の連通を遮断し、方向制御弁23側(上流側)をタンクに連通させるため、第2油圧ポンプ3の吐出油は選択弁70よりタンクに還流し、走行合流制御弁37及び同期分流弁38による増速機能が解除される。
【0070】
従って、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、例えば、走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、モードスイッチ72をONすることで増速機能が解除され、走行操作性を更に向上することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0072】
また、本発明によれば、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができ、しかも直進走行時の走行速度もアップすることができる。
【0073】
また、本発明によれば、簡素化した回路構成で直進走行時の走行速度もアップすることができる。
【0074】
更に、本発明によれば、走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、増速機能を解除することができ、走行操作性を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【図2】操作レバー装置のレバー操作したときのレバー操作量とそのときパイロット弁が発生するパイロット圧力との関係及びそのパイロット圧力と走行合流制御弁のプリセットバネの設定値(圧力換算値)との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)
3 油圧ポンプ(第2油圧ポンプ)
4 パイロットポンプ
5 エンジン
6 第1レギュレータ
7 第2レギュレータ
12,13,14 吐出ライン
15,16,17 センタバイパスライン
20L,20R 左右走行用の方向制御弁
21,22,23 方向制御弁
25L,25R 左右走行用の操作レバー装置
27L,27R 左右走行モータ
28L,28R フィーダライン(方向制御弁の流入側)
30a,31a 操作レバー
30b,30c,31b,31c パイロット弁(減圧弁)
35 タンク
37 走行合流制御弁
38 同期分流弁
40,41 合流ライン
42,43 チェック弁
45,46 分流ライン
50L,50R シャトル弁
51L,51R 受圧部
52L,52R プリセットバネ
37A 走行合流制御弁
60L,50R 分流絞り
70 選択弁
71 ソレノイド
72 モードスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械の油圧回路装置に係わり、特に、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとを備え、第1油圧ポンプの吐出油により左右2つの走行モータを含む複数のアクチュエータを駆動し、第2油圧ポンプの吐出油により旋回モータ等の少なくとも1つのアクチュエータを駆動する建設機械の油圧回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の油圧回路装置には、第1油圧ポンプとして2つの油圧ポンプを備え、この2つの油圧ポンプの吐出油により左右2つの走行モータを含む複数のアクチュエータを駆動し、第2油圧ポンプの吐出油により旋回モータ等の少なくとも1つのアクチュエータを駆動する、いわゆる3ポンプシステムと呼ばれるものがあり、その一例が特開2000−220168号公報に記載されている。
【0003】
また、特開平10−331211号公報には、第2油圧ポンプをブレード等の追加アタッチメント用の補助油圧ポンプとして用い、この補助油圧ポンプに接続された追加アタッチメント(ブレード)用方向制御弁の下流に同期分流制御弁を設け、この同期分流弁を増速制御弁を介して左右の走行モータに接続した油圧回路装置が記載されている。この油圧回路装置によれば、ブレード操作をしていない場合には、アタッチメント用の補助油圧ポンプの吐出油は分流され、左右の走行モータに供給され、走行速度が増加するとともに、左右の走行モータに負荷の差ができた場合でも圧力変化によらず両方に同量の油が供給されるため、直進走行性が確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0005】
近年、油圧ショベルの走行速度のアップのニーズは年々増加し、少しでも走行速度をアップさせたいという要望がある。特開2000−220168号公報に記載されているような3ポンプシステムの油圧回路装置では、走行速度のアップのニーズには対応しておらず、走行速度をアップさせることはできない。特に、ピボットターン(片側の走行モータだけを駆動するステアリング動作)など、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作を行うときは、ポンプ吐出流量が極端に減少し、ステアリング動作をスムーズかつ素早く行うことができない。その理由は、建設機械の油圧回路装置では、一般に、油圧ポンプの制御に、油圧ポンプの吐出圧力が上昇するにしたがって油圧ポンプの吐出流量を減らし、油圧ポンプの吸収馬力が予め定めた最大馬力を超えないように制御することで、エンジンストール(エンスト)を防止する馬力制御と呼ばれる技術を採用しているからであり、そのような制御を行うもので片側の走行モータだけを早くするステアリング動作を行うと、その走行モータの駆動圧力がリリーフ設定圧付近まで上昇し、ポンプ吐出流量が著しく減少してしまう。
【0006】
特開平10−331211号公報に記載の油圧回路装置では、直進走行時にはアタッチメント用の補助油圧ポンプの吐出油を均等に分流して左右の走行モータに供給することで走行速度を増加させることができる。しかし、ピボットターンなどのステアリング動作では、上記のように油圧ポンプの馬力制御によりポンプ吐出流量が極端に減少するため、補助油圧ポンプの吐出油の半分が分流して供給されたとしても、走行モータへの供給流量は依然として十分でなく、やはりステアリング動作をスムーズに素早く行うことができない。
【0007】
本発明の第1の目的は、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる建設機械の油圧回路装置を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができ、しかも直進走行時の走行速度もアップすることができる建設機械の油圧回路装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータを含む複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する左右走行用の方向制御弁を含む複数の方向制御弁と、前記第2油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータ以外の少なくとも1つのアクチュエータと、前記第2油圧ポンプから前記少なくとも1つのアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する少なくとも1つの方向制御弁とを有する建設機械の油圧回路装置において、前記少なくとも1つの方向制御弁の下流側に位置し、第1位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの一方に供給し、第2位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの他方に供給する走行合流制御弁と、前記左右走行用の方向制御弁の一方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第1位置に切り換え、前記左右走行用の方向制御弁の他方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第2位置に切り換える操作制御手段とを備えるものとする。
【0010】
このように走行合流制御弁と操作制御手段を設けることにより、片側の走行用油圧モータだけを駆動して行うステアリング動作(ピボットターン)を意図して左右走行用の方向制御弁のいずれか一方を操作したときは、走行合流制御弁は操作制御手段により第1位置と第2位置のいずれか一方に切り換えられ、第2油圧ポンプの吐出油の全量が左右走行用の油圧モータのいずれか一方に供給される。このためステアリング動作に係わる片側の走行用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプの吐出圧が高圧となり、馬力制御によりポンプ吐出流量が極端に減少しても、その走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、ステアリング動作(ピボットターン)のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量を越えると、前記走行合流制御弁を前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える。
【0012】
これにより片側の走行用油圧モータだけを速くするステアリング動作の他の例として、走行しながら急なステアリングを切るステアリング動作(急な走行ステアリング動作)を意図して左右走行用の方向制御弁を同方向に操作量を大きく違えて操作したときも、その操作量の差が所定量を越えると、走行合流制御弁は操作制御手段により第1位置と第2位置のいずれか一方に切り換えられ、第2油圧ポンプの吐出油の全量が左右走行用の油圧モータのいずれか一方に供給されるため、ピボットターンの場合と同様、ステアリング動作に係わる片側の走行用油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプの吐出流量が馬力制御により極端に減少しても、その走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、走行ステアリング動作のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0013】
(3)また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、上記(1)の建設機械の油圧回路装置において、前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する同期分流弁を更に備え、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持するものとする。
【0014】
これにより直進走行を意図して左右走行用の方向制御弁を同方向に同量操作したときは、操作制御手段は走行合流制御弁を第3位置に保持し、第2油圧ポンプの吐出油は同期分流弁に供給され、第2油圧ポンプの吐出油がほぼ等量に分流され左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給される。このため、左右走行用の油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の1/2づつを加算した油量が供給され、走行速度が増加し、上記(1)で述べたようにステアリング動作をスムーズに素早く行うことができるとともに、直進走行時の走行速度をアップすることができる。
【0015】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量以下のときは前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持し、その操作量の差が所定量を越えると前記走行合流制御弁を、前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える。
【0016】
これにより上記(2)で述べたように急な走行ステアリング動作時にも、走行用油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の全量を加算した油量が供給されるため、走行ステアリング動作のターン速度が速くなり、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0017】
(5)上記(1)において、好ましくは、前記走行合流制御弁は、前記第1位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の一方の流入側に供給し、前記第2位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の他方の流入側に供給する。
【0018】
これにより第2の油圧ポンプの吐出油は第1の油圧ポンプの吐出油と合流して左右走行用の方向制御弁のそれぞれに流入するため、特別な方向制御弁を設けることなく、第2の油圧ポンプの吐出油の流れ(流れ方向及び流量)を制御することができる。
【0019】
(6)また、上記第2の目的を達成するために、上記(1)の建設機械の油圧回路装置において、前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の方向制御弁のそれぞれの流入側に供給する同期分流弁を更に備え、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の何れも操作されていないとき或いはその両方が操作されると、前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持するものとする。
【0020】
これにより上記(3)で述べたように左右走行用の油圧モータには第1油圧ポンプの吐出油に第2油圧ポンプの吐出油の1/2づつを加算した油量が供給されるため、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができるだけでなく、直進走行時の走行速度をアップすることができる。
【0021】
また、第2の油圧ポンプの吐出油は第1の油圧ポンプの吐出油に合流して左右走行用の方向制御弁のそれぞれに流入するため、走行合流制御弁が中立位置としての第3位置にあるとき、同期分流弁で分流した第2の油圧ポンプの吐出油を左右走行用の方向制御弁によりタンクに還流することができる。
【0022】
(7)上記(1)において、好ましくは、前記左右走行用の方向制御弁を操作する左右走行用の操作装置を更に備え、前記操作制御手段は、前記左右走行用の操作装置の出力を前記走行合流制御弁の対応する駆動部に導く手段である。
【0023】
これにより操作制御手段は、左右走行用の方向制御弁の一方が操作されると走行合流制御弁を第1位置に切り換え、左右走行用の方向制御弁の他方が操作されると走行合流制御弁を第2位置に切り換えるものとなる。
【0024】
(8)上記(1)において、好ましくは、前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を分流して記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する中立位置としての第3位置を更に有し、前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持する。
【0025】
これにより上記(3)で述べたように直進走行時の走行速度もアップすることができるとともに、走行合流制御弁に分流機能を持たせたので、回路構成を簡素化することができる。
【0026】
(9)上記(1)において、好ましくは、前記少なくとも1つの方向制御弁と前記走行合流制御弁との間に設置され、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記走行合流制御弁に供給する第1位置と前記第2油圧ポンプの吐出油をタンクに還流する第2位置とを有する選択弁と、前記選択弁を前記第1位置と第2位置のいずれかに切り換える切り換え手段とを更に備えるものとする。
【0027】
これにより走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、切換手段を操作することで増速機能が解除され、走行操作性を更に向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路装置を示す図である。
【0030】
図1において、本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路装置は例えば油圧ショベルに搭載されるものであり、油圧ポンプ1,2の2つの第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプ3とを備えた3ポンプシステムとして構成されている。また、油圧回路装置はパイロットポンプ4を備え、第1油圧ポンプ1,2、第2油圧ポンプ3とパイロットポンプ4はエンジン5により回転駆動される。
【0031】
第1油圧ポンプ1,2及び第2油圧ポンプ3はそれぞれ可変容量型であり、第1油圧ポンプ1,2の容量(傾転)は第1レギュレータ6により制御され、第2油圧ポンプ3の容量は第2レギュレータ7により制御される。第1及び第2レギュレータ6,7は、それぞれ、第1油圧ポンプ1,2と第2油圧ポンプ3の馬力制御を行うレギュレータであり、第1レギュレータ6は、パイロットライン18,19を介して導かれた第1油圧ポンプ1,2の吐出圧とパイロットライン20aを介して導かれた第2油圧ポンプ3の吐出圧に基づいて、それらの吐出圧が上昇するにしたがって第1油圧ポンプ1,2の吐出流量が減少するようにそれらの容量(傾転)を制御し、第2レギュレータ7は、パイロットライン20bを介して導かれた第2油圧ポンプ3の吐出圧に基づいて、その吐出圧が上昇するにしたがって第2油圧ポンプ3の吐出流量が減少するようにその容量(傾転)を制御する。
【0032】
第1油圧ポンプ1,2の吐出ライン12,13はセンタバイパスライン15,16に接続され、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14はセンタバイパスライン17に接続され、センタバイパスライン15には方向制御弁20L,21が接続され、センタバイパスライン16には方向制御弁22,20Rが接続され、センタバイパスライン17には方向制御弁23が接続されている。
【0033】
方向制御弁20L,20Rは左右走行用であり、操作レバー装置25L,25Rの操作により生じるパイロット圧力により切り換え操作される。方向制御弁20L,20Rが切り換え操作されると油圧ポンプ1,2からの吐出油が左右走行用の油圧モータ、つまり左右走行モータ27L,27Rに供給される。左右走行モータ27L,27Rに供給される圧油の流れ方向と流量は方向制御弁20L,20Rの操作方向と操作量により制御される。
【0034】
方向制御弁21,22,23は油圧ショベルに備えられる左右走行モータ27L,27R以外のアクチュエータ用、例えば、ブームシリンダ、アームシリンダ、旋回モータ用であり、それぞれ、同様に図示しない操作レバー装置により生じるパイロット圧力により切り換え操作される。方向制御弁21,22,23が切り換え操作されると油圧ポンプ1,2,3からの吐出油がそれらのアクチュエータに供給される。アクチュエータに供給される圧油の流れ方向と流量は方向制御弁21,22,23の操作方向と操作量により制御される。
【0035】
操作レバー装置25L,25Rは、それぞれ、操作レバー30a,31aと、1対のパイロット弁(減圧弁)30b,30c,31b,31cを備えている。操作レバー30aが操作されると、その操作方向に応じてパイロット弁30b,30cの一方が作動し、パイロットポンプ4の吐出油を一次圧として操作レバー30aの操作量に応じた二次圧(パイロット圧力)を生成する。同様に、操作レバー31aが操作されると、その操作方向に応じてパイロット弁31b,31cの一方が作動し、パイロットポンプ4の吐出油を一次圧として操作レバー31aの操作量に応じた二次圧(パイロット圧力)を生成する。これらのパイロット圧力はパイロットライン32a,32b,33a,33bを介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの受圧部に導かれ、これら方向制御弁20L,20Rを切り換え操作する。
【0036】
第1油圧ポンプ1,2の吐出ライン12,13に接続されたセンタバイパスライン15,16において、方向制御弁20L,21の下流側及び方向制御弁22,20Rの下流側はタンク35に接続されている。
【0037】
第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17において、方向制御弁23の下流側には走行合流制御弁37が接続され、走行合流制御弁37の更に下流側には同期分流弁38が接続されている。
【0038】
走行合流制御弁37は図示中央と左右の3つの出力ポートを有し、中央の出力ポートは同期分流弁38に接続され、左右の出力ポートは第1,第2の2つの合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側であるそれぞれのフィーダライン28L,28Rに接続され、合流ライン40,41には逆流防止用のチェック弁42,43が設けられている。フィーダライン28L,28Rはそれぞれの方向制御弁20L,20Rの上流側でセンタバイパスライン15,16に接続されている。同期分流弁38は2つの出力ポートを有し、それぞれ、分流ライン45,46を介して逆流防止用のチェック弁42,43の上流側で合流ライン40,41に接続されている。
【0039】
走行合流制御弁37は、入力ポートを図示左側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第1合流ライン40に接続する第1位置と、入力ポートを図示右側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第2合流ライン41に接続する第2位置と、入力ポートを中央の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を同期分流弁38に接続する中立位置としての第3位置とを有し、第1位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を左走行用の方向制御弁20Lの流入側に供給し、第2位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を右走行用の方向制御弁20Rの流入側に供給し、第3位置(中立位置)にあるときは第2油圧ポンプの吐出油を同期分流弁38に供給する。
【0040】
同期分流弁38は、2つの出力ポート側の圧力(左右の走行モータ27L,27Rの負荷圧)に違いがあっても第2油圧ポンプ3の吐出油をほぼ等量に分流する圧力補償機能を有し、その分流された油量は分流ライン45,46、合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rのそれぞれの流入側に供給され、更に第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して左右の走行モータ27L,27Rに供給される。
【0041】
操作レバー装置25L用のパイロットライン32a,32bにはパイロットライン32a,32bに導かれたパイロット圧力を検出するためのシャトル弁50Lが接続され、シャトル弁50Lで検出されたパイロット圧力は信号ライン53Lを介して走行合流制御弁37の一方のスプール端部に設けられた受圧部51Lに導かれる。同様に、操作レバー装置25R用のパイロットライン33a,33bにはパイロットライン33a,33bに導かれたパイロット圧力を検出するためのシャトル弁50Rが接続され、シャトル弁50Rで検出されたパイロット圧力は信号ライン53Rを介して走行合流制御弁37の他方のスプール端部に設けられた受圧部51Rに導かれる。
【0042】
走行合流制御弁37のスプール端部には上記の受圧部51L,51Rとプリセットバネ52L,52Rとが設けられ、受圧部51Lに導かれたパイロット圧力と受圧部51Rに導かれたパイロット圧力との差圧がプリセットバネ52L,52Rの設定圧を越えると、走行合流制御弁37を第1位置及び第2位置のうちパイロット圧力が高い方の側の受圧部に対応する位置に切り換え、それ以外のときは走行合流制御弁37を中立の第3位置に保持する。
【0043】
図2に、操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを操作したときのレバー操作量Stとそのときパイロット弁30b又は30c,31b又は31cが発生するパイロット圧力Piとの関係及びそのパイロット圧力Piとプリセットバネ52L,52Rの設定値(圧力換算値)Psとの関係を示す。
【0044】
レバー操作量Stが増大するにしたがってパイロット圧力Piは連続的に上昇し、レバー操作量StがフルストロークStfullの70%程度のストロークStmに達すると、パイロット圧力Piは27Kg/cm2の圧力まで上昇し、レバー操作量StがStmを越えると、パイロット圧力Piは非連続的に一気に最高圧力の40Kg/cm2まで上昇し、その後パイロット圧力Piは最高圧力の40Kg/cm2に維持される。プリセットバネ52L,52Rの設定値Psは圧力換算値で27Kg/cm2程度の値に設定されている。
【0045】
以上において、シャトル弁50L,50R、受圧部51L,51R、プリセットバネ52L,52R、信号ライン53L,53Rは、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの一方が操作されると走行合流制御弁37を第1位置に切り換え、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの他方が操作されると走行合流制御弁37を第2位置に切り換える操作制御手段を構成するとともに、左右走行用の方向制御弁20L,20Rの両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量を越えると、走行合流制御弁37を第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換える操作制御手段を構成する。
【0046】
次に、以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
【0047】
1.非走行操作
左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを操作しない場合は、走行合流制御弁37は図示の中立位置(第3位置)にあり、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続している。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、センタバイパスライン17、走行合流制御弁37、同期分流弁38、分流ライン45,46、合流ライン40,41、フィーダライン28L,28R、センタバイパスライン15,16を介してタンク35に戻される。
【0048】
方向制御弁23を操作するとセンタバイパスライン17が絞られ、従来通り油圧ポンプ3の吐出油は方向制御弁23を介して図示しないアクチュエータに供給される。
【0049】
2.直進走行
直進走行を意図して左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に同量操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力は等しくその差は設定値Ps(27Kg/cm2)より小さいため、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなる。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が分流ライン45,46、合流ライン40,41を介してフィーダポート28L,28Rに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して方向制御弁9L,9Rを介して走行モータ4a,4bに供給される。このため、走行モータ4a,4bを駆動する油量は第1油圧ポンプ1,2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の油量の1/2づつが加算された油量となるので、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで直進走行する場合に比べ走行速度を増加させることができる。
【0050】
3.緩やかな走行ステアリング動作
走行ステアリング動作を意図して左右走行用の操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に操作量を違えて操作した場合、その操作量の差が小さく、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差が設定値Ps(27Kg/cm2)より小さい場合を考える。このようなレバー操作時には、直進走行の場合と同様、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなるため、第2油圧ポンプ3の吐出油は同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して走行モータ4a,4bに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで走行ステアリング動作を行う場合に比べステアリング時の走行速度を増加させることができる。
【0051】
4.急な走行ステアリング動作
上記の走行ステアリング動作で、操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを同方向に操作量を大きく違えて操作し、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差が設定値Ps(27Kg/cm2)を越えた場合は、走行合流制御弁37は第1位置及び第2位置のうちパイロット圧力が高い方の側の受圧部に対応する位置に切り換えられる。例えば、操作レバー装置25Lのレバー操作量が操作レバー装置25Rのレバー操作量より大きく、受圧部51Lに導かれるパイロット圧力が受圧部51Rに導かれるパイロット圧力より高いときは、走行合流制御弁37は第1位置に切り換えられ、逆の場合は、走行合流制御弁37は第2位置に切り換えられる。その結果、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が、合流ライン40又は41を介してフィーダポート28L又は28Rに供給され、第1油圧ポンプ1又は2の吐出油に合流して方向制御弁20L又は20Rを介して走行モータ27L又は27Rに供給される。このため、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータを駆動する油量は第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量となる。
【0052】
ここで、急な走行ステアリング動作を行う場合は、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータの駆動圧力が特に高くなり、第1レギュレータ6の馬力制御により第1油圧ポンプ1,2の吐出流量は著しく減少する。このため、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで走行ステアリング動作を行う場合は、走行モータ27L,27Rの駆動速度が遅くなり、ステアリング動作が緩慢となる。第2油圧ポンプ3の吐出油を同期分流弁38により相等しく分流して供給する場合は、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけでステアリング動作を行う場合に比べてステアリング動作は速くなるが、ステアリング動作のターン半径は変わらないため、依然としてステアリング動作が緩慢であると感じられてしまう。
【0053】
本実施の形態では、操作レバー30a,31aの操作量が大なる側に対応する走行モータに第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量が供給されるので、ステアリング動作のターン半径を小さくでき、スムーズで素早い走行ステアリング動作を行うことができる。
【0054】
4.ピボットターン
左右走行モータ27L,27Rの片側だけを駆動して行うステアリング動作(ピボットターン)を意図して操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aの一方をフル操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差は設定値Ps(27Kg/cm2)より大きくなるため、走行合流制御弁37は第1位置及び第2位置のうち操作レバー30a又は31aを操作した側(パイロット圧力が高い方の側)の受圧部に対応する位置に切り換えられる。例えば、操作レバー装置25Lの操作レバー30aをフル操作したときは、走行合流制御弁37は第1位置に切り換えられ、操作レバー装置25Rの操作レバー31aをフル操作したときは、走行合流制御弁37は第2位置に切り換えられる。その結果、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が、合流ライン40又は41を介してフィーダポート28L又は28Rに供給され、第1油圧ポンプ1又は2の吐出油に合流して方向制御弁20L又は20Rを介して走行モータ27L又は27Rに供給される。このため、操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータを駆動する油量は第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量が加算された油量となる。
【0055】
ここで、このような片側ステアリング動作(ピボットターン)を行う場合も、走行モータ27L,27Rのうち操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータの駆動圧力が極端に高くなり、第1レギュレータ6の馬力制御により第1油圧ポンプ1,2の吐出流量は著しく減少する。このため、第1油圧ポンプ1又は2の吐出流量だけで片側ステアリング動作(ピボットターン)を行う場合は、走行モータ27L又は27Rの駆動速度が遅くなり、ステアリング動作のターン速度が遅くなる。第2油圧ポンプ3の吐出油を同期分流弁38により相等しく分流して供給する場合は、第1油圧ポンプ1又は2の吐出流量だけで片側ステアリング動作を行う場合に比べてターン速度は速くなるが、依然としてターン速度が遅いと感じられてしまうことがある。
【0056】
本実施の形態では、操作レバー30a又は31aを操作した側に対応する走行モータに第1油圧ポンプ1又は2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の全量を加算した油量が供給されるので、片側ステアリング動作(ピボットターン)のターン速度を更に速くでき、スムーズで素早い片側ステアリング動作(ピボットターン)を行うことができる。
【0057】
5.スピンターン
左右走行モータ27L,27Rを逆方向に駆動して行うステアリング動作(スピンターン)を意図して操作レバー装置25L,25Rの操作レバー30a,31aを逆方向にフル操作すると、受圧部51L,51Rに導かれるパイロット圧力の差は設定値Ps(27Kg/cm2)より小さいため、走行合流制御弁37は中立の第3位置に保持され、センタバイパスライン17は同期分流弁38に接続されたままとなる。このため、方向制御弁23を操作しないときは、第2油圧ポンプ3の吐出油は、同期分流弁38により相等しく分流され、その分流された圧油が分流ライン45,46、合流ライン40,41を介してフィーダポート28L,28Rに供給され、第1油圧ポンプ1,2の吐出油に合流して方向制御弁20L,20Rを介して走行モータ27L,27Rに供給される。このため、走行モータ27L,27Rを駆動する油量は第1油圧ポンプ1,2の吐出油の油量に第2油圧ポンプ3の吐出油の油量の1/2づつが加算された油量となるので、第1油圧ポンプ1,2の吐出流量だけで逆駆動のステアリング動作(スピンターン)を行う場合に比べ、ターン速度を速くでき、スムーズで素早いステアリング動作(スピンターン)を行うことができる。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、直進走行時の走行速度及び緩やかな走行ステアリング動作時の走行速度を増加させることができるとともに、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作(急な走行ステアリング動作及びピボットターン)時のターン速度や、スピンターン時のターン速度を速くすることができ、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0059】
本発明の第2の実施の形態を図3により説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。本実施の形態は分流機能を走行合流制御弁に持たせたものである。
【0060】
図3において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側には走行合流制御弁37Aが接続され、走行合流制御弁37Aの下流側には同期分流弁は設けられていない。
【0061】
走行合流制御弁37Aは図示左右の2つの出力ポートを有し、これらは第1,第2の2つの合流ライン40,41を介して左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側であるそれぞれのフィーダライン28L,28Rに接続されている。
【0062】
また、走行合流制御弁37Aは、入力ポートを図示左側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第1合流ライン40に接続する第1位置と、入力ポートを図示右側の出力ポートに接続しセンタバイパスライン17を第2合流ライン41に接続する第2位置と、入力ポートを図示左右の出力ポートに同じ開度の分流絞り60L,60Rを介して接続する中立位置としての第3位置とを有し、第1位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を左走行用の方向制御弁20Lの流入側に供給し、第2位置に切り換えられると第2油圧ポンプ3の吐出油を右走行用の方向制御弁20Rの流入側に供給し、第3位置(中立位置)にあるときは第2油圧ポンプの吐出油を分流絞り60L,60Rにより等量に分流し左右走行用の方向制御弁20L,20Rの流入側に供給する。
【0063】
以上のように構成した本実施の形態の動作は第1の実施の形態とほぼ同様であり、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態によれば、分流機能を走行合流制御弁に内蔵させたので、部品点数を減らし、回路構成を簡素化することができる。
【0064】
本発明の第3の実施の形態を図4により説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。本実施の形態は走行及びステアリング動作の増速機能を作業状況或いはオペレータの好みにより選択できるようにしたものである。
【0065】
図4において、第2油圧ポンプ3の吐出ライン14に接続されたセンタバイパスライン17の方向制御弁23の下流側には選択弁70が接続され、選択弁70の下流側に走行合流制御弁37と同期分流弁38が接続されている。
【0066】
選択弁70は、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)とを連通させる図示右側の第1位置と、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)の連通を遮断し、方向制御弁23側(上流側)をタンクに連通させる図示左側の第2位置とを有している。
【0067】
選択弁70はソレノイド71を有する電磁切換弁であり、モードスイッチ72から指令信号がソレノイド71に与えられると第1位置から第2位置に切り換えられる。
【0068】
以上のように構成した本実施の形態においては、モードスイッチ72がOFFのときは、選択弁70は図示の第1位置にあり、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)とを連通させるため、第1の実施の形態と同様の走行速度をアップできかつステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0069】
モードスイッチ72をONすると選択弁70は第2位置に切り換えられ、センタバイパスライン17の方向制御弁23側(上流側)と走行合流制御弁37側(下流側)の連通を遮断し、方向制御弁23側(上流側)をタンクに連通させるため、第2油圧ポンプ3の吐出油は選択弁70よりタンクに還流し、走行合流制御弁37及び同期分流弁38による増速機能が解除される。
【0070】
従って、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、例えば、走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、モードスイッチ72をONすることで増速機能が解除され、走行操作性を更に向上することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、片側の走行モータだけを速くするステアリング動作をスムーズに素早く行うことができる。
【0072】
また、本発明によれば、ステアリング動作をスムーズに素早く行うことができ、しかも直進走行時の走行速度もアップすることができる。
【0073】
また、本発明によれば、簡素化した回路構成で直進走行時の走行速度もアップすることができる。
【0074】
更に、本発明によれば、走行クレーン作業等、低速で油圧ショベルを動かして作業を行う必要があるとき、或いはオペレータが低速で油圧ショベルを動かすことを望む場合は、増速機能を解除することができ、走行操作性を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【図2】操作レバー装置のレバー操作したときのレバー操作量とそのときパイロット弁が発生するパイロット圧力との関係及びそのパイロット圧力と走行合流制御弁のプリセットバネの設定値(圧力換算値)との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わる建設機械の油圧回路装置を示す図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)
3 油圧ポンプ(第2油圧ポンプ)
4 パイロットポンプ
5 エンジン
6 第1レギュレータ
7 第2レギュレータ
12,13,14 吐出ライン
15,16,17 センタバイパスライン
20L,20R 左右走行用の方向制御弁
21,22,23 方向制御弁
25L,25R 左右走行用の操作レバー装置
27L,27R 左右走行モータ
28L,28R フィーダライン(方向制御弁の流入側)
30a,31a 操作レバー
30b,30c,31b,31c パイロット弁(減圧弁)
35 タンク
37 走行合流制御弁
38 同期分流弁
40,41 合流ライン
42,43 チェック弁
45,46 分流ライン
50L,50R シャトル弁
51L,51R 受圧部
52L,52R プリセットバネ
37A 走行合流制御弁
60L,50R 分流絞り
70 選択弁
71 ソレノイド
72 モードスイッチ
Claims (9)
- 第1油圧ポンプと、
第2油圧ポンプと、
前記第1油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータを含む複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する左右走行用の方向制御弁を含む複数の方向制御弁と、
前記第2油圧ポンプの吐出油により駆動される左右走行用の油圧モータ以外の少なくとも1つのアクチュエータと、
前記第2油圧ポンプから前記少なくとも1つのアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する少なくとも1つの方向制御弁とを有する建設機械の油圧回路装置において、
前記少なくとも1つの方向制御弁の下流側に位置し、第1位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの一方に供給し、第2位置にあるときには前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の油圧モータの他方に供給する走行合流制御弁と、
前記左右走行用の方向制御弁の一方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第1位置に切り換え、前記左右走行用の方向制御弁の他方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第2位置に切り換える操作制御手段とを備えることを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量を越えると、前記走行合流制御弁を前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換えることを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する同期分流弁を更に備え、
前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持することを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項3記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されたとき、その操作量の差が所定量以下のときは前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持し、その操作量の差が所定量を越えると前記走行合流制御弁を、前記第1位置及び第2位置のうち操作量が大きい側の方向制御弁に対応する位置に切り換えることを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記走行合流制御弁は、前記第1位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の一方の流入側に供給し、前記第2位置に切り換えられると前記第2油圧ポンプの吐出油を前記左右走行用の方向制御弁の他方の流入側に供給することを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記走行合流制御弁の下流側に位置し、前記第2油圧ポンプの吐出油をほぼ等量に分流し前記左右走行用の方向制御弁のそれぞれの流入側に供給する同期分流弁を更に備え、
前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記同期分流弁に供給する中立位置としての第3位置を更に有し、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の何れも操作されていないとき或いはその両方が操作されると、前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持することを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記左右走行用の方向制御弁を操作する左右走行用の操作装置を更に備え、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の操作装置の出力を前記走行合流制御弁の対応する駆動部に導く手段であることを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記走行合流制御弁は、前記第2油圧ポンプの吐出油を分流して記左右走行用の油圧モータのそれぞれに供給する中立位置としての第3位置を更に有し、
前記操作制御手段は、前記左右走行用の方向制御弁の両方が操作されると前記走行合流制御弁を前記第3位置に保持することを特徴とする建設機械の油圧回路装置。 - 請求項1記載の建設機械の油圧回路装置において、
前記少なくとも1つの方向制御弁と前記走行合流制御弁との間に設置され、前記第2油圧ポンプの吐出油を前記走行合流制御弁に供給する第1位置と前記第2油圧ポンプの吐出油をタンクに還流する第2位置とを有する選択弁と、
前記選択弁を前記第1位置と第2位置のいずれかに切り換える切り換え手段とを更に備えることを特徴とする建設機械の油圧回路装置。
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