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JP2004099838A - Building material for stainproof outer wall - Google Patents

Building material for stainproof outer wall Download PDF

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JP2004099838A
JP2004099838A JP2002267340A JP2002267340A JP2004099838A JP 2004099838 A JP2004099838 A JP 2004099838A JP 2002267340 A JP2002267340 A JP 2002267340A JP 2002267340 A JP2002267340 A JP 2002267340A JP 2004099838 A JP2004099838 A JP 2004099838A
Authority
JP
Japan
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group
carbon atoms
photocatalyst
formula
building material
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002267340A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Kazuya Ota
太田 一也
Akira Nakabayashi
中林 亮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2002267340A priority Critical patent/JP2004099838A/en
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a building material for outer wall having excellent stainproofing performance, concretely, a building material having a surface keeping photocatalytic activity and/or highly hydrophilic property over a long period, resistant to staining, easy to clean and producible without using a complicate procedure. <P>SOLUTION: The building material for a stainproof outer wall is provided with a coating film containing (A) a photocatalyst and (B) a binder component on the surface of a substrate. The concentration of the photocatalyst A in the coating layer increases from the face contacting with the surface of the substrate toward the other exposed face. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚性能に優れた外壁用建築材料に関するものである。具体的には、外壁用建築材料の表面が長期間にわたり光触媒活性及び/または高度に親水性である、汚れにくく、清掃しやすい外壁用建築材料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルなどの外壁は、空気中に含まれる煤塵や排気ガス、シーラントから溶出する汚れや、建造物の排気口から排出される汚染物質などにより汚れる。これらの汚れは、薄黒く、建造物の美観を損ねる。その汚れを落とすためには、清掃などが考えられるが、高層ビルなどでは、高所作業の上、危険かつ重労働を強いられる。そこで、降雨や水洗浄により洗浄可能な外壁用建築材料が望まれる。
【0003】
これら外壁の汚れの問題に対し、光触媒を利用した防汚性外壁用建築材料に関する種々の提案がなされている。
この方法は、光触媒作用を有する粒子が、その光触媒作用により有機物の分解による汚れ物質の除去効果と光照射下で外壁用建築材料の表面に対する水の接触角を低下させ、親水化にするものであり、親水化された外壁用建築材料の表面は、煤塵等の疎水性物質との親和性よりも水との親和性に優れるため、雨水等により前記汚れが洗い流される。従って、視覚的に目立った汚れが生じにくく、かつ汚れ付着量も少なくなる。この作用を利用した防汚建材が開発されている(特開平9−228602号公報、特開平10−44301号公報)。
【0004】
しかしながら、これらの防汚建材においては、無機基材の上に光触媒膜や光触媒粒子を担持して用いる場合は問題ないが、一部の有機基材を除き、一般に外壁用建築材料表面が意匠性皮膜等の有機基材で覆われている場合、その有機基材が光触媒有機物分解作用により劣化し、長期における美観維持が困難であった。特開平9−228602号公報などでは、光触媒層を無機基材表面に塗布した防汚建材を提案しているが、有機基材表面に塗布したものや耐久性について記述されていない。
【0005】
この様な課題に対し、例えば、光触媒層と外壁用建築材料表面有機基材との間に難分解性物質からなる層を介在させる方法が提案されている(国際公開第WO97/00134号パンフレット)。
しかしながら、この方法では、塗装工程が煩雑で作業性が悪いうえ、均質な接着層を得るのが非常に困難であり、有機基材の劣化を完全に防止するのが困難であるという欠点がある。また、この方法では光触媒層と難分解物質からなる層との間に明確な膜界面が存在するため、光触媒層の剥離等の問題も発生する。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−228602号公報
【特許文献2】
特開平10−44301号公報
【特許文献3】
特開平9−228602号公報
【特許文献4】
国際公開第WO97/00134号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、煩雑な工程を必要とせずに、光触媒による外壁用建築材料への優れた防汚効果が付与でき、外壁用建築材料が有機基材の場合や、皮膜等の有機基材で覆われている場合でも、光触媒作用による分解が防止された防汚性外壁用建築材料を提供する事を目的とする。
具体的には、有機基材と光触媒層との間の界面劣化や皮膜自体の光触媒による劣化を生じることが無く、光照射により長期にわたり、その表面が光触媒活性及び/または親水性を発現する防汚性に優れた外壁用建築材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.基材表面に光触媒(A)及びバインダー成分(B)を含む皮膜を備えた外壁用建築材料であって、該皮膜中における光触媒(A)の濃度が、該皮膜の基材表面に接する面から他方の露出面に向かって高くなることを特徴とする防汚性外壁用建築材料。
2.該皮膜が、光触媒(A)及びバインダー成分(B)を含む光触媒組成物(C)から形成されることを特徴とする発明1に記載の防汚性外壁用建築材料。
【0009】
3.該光触媒(A)が、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びフッ化メチレン(―CF−)単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の変性剤化合物(b)で変性された変性光触媒(A1)であることを特徴とする発明1または2に記載の防汚性外壁用建築材料。
Si−         (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す)
−(RSiO)−       (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0010】
【化4】

Figure 2004099838
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0011】
4.該バインダー成分(B)が、下記式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)を含有することを特徴とする発明1〜3のいずれかに記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−p−q−r)/2     (4)
(式中、各Rはフェニル基を表し、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。
そしてp、q及びrは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、及び0<(p+q+r)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。)
【0012】
5.該フェニル基含有シリコーン(BP)が、下記式(5)で表される、アルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)であることを特徴とする発明4に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−s−t)/2     (5)
(式中、Rはフェニル基を表し、Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。s及びtは、0<s<4、0≦t<4、そして0<(s+t)<4である。)
6.該バインダー成分(B)が、下記式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)を更に含有することを特徴とする発明4に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−u−v)/2       (6)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表しす。そしてu及びvは、0<u<4、0≦v<4、そして0<(u+v)<4である。)
【0013】
7.該バインダー成分(B)が、式(5)で表される、アルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)と式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)を含有することを特徴とする発明1〜3のいずれかに記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−s−t)/2     (5)
(式中、Rはフェニル基を表し、Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。s及びtは、0<s<4、0≦t<4、そして0<(s+t)<4である。)
SiO(4−u−v)/2       (6)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。u及びvは、0<u<4、0≦v<4、そして0<(u+v)<4である。)
【0014】
8.該アルキル基含有シリコーン(BA)が、式(7)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位(D)と式(8)で表されるジオキシオルガノシラン単位(T)を有することを特徴とする発明6または7に記載の防汚性外壁用建築材料。
−(R SiO)−       (7)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。
【0015】
【化5】
Figure 2004099838
(式中、Rは式(7)で定義した通りである。)
【0016】
9. 該フェニル基含有シリコーン(BP)と該アルキル基含有シリコーン(BA)について相分離構造を有する皮膜であることを特徴とする発明6〜8のいずれかに記載の防汚性外壁用建築材料。
10. 光触媒(A)が該アルキル基含有シリコーン(BA)相に存在することを特徴とする発明9に記載の防汚性外壁用建築材料。
11.該変性光触媒(A1)の数平均粒子径が400nm以下であることを特徴とする発明3に記載の防汚性外壁用建築材料。
12.該変性剤化合物(b)が、式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)であることを特徴とする発明3に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−x−y)/2 (9)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。x及びyは、0<x<4、0<y<4であり、そして(x+y)≦4である。)
【0017】
13.該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)が、式(10)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(12)で表されるHシリコーンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする発明12に記載の防汚性外壁用建築材料。
【0018】
【化6】
Figure 2004099838
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、フェニル基、又は式(13)で表されるシロキシ基を表す。
−O−(R SiO)−SiR  ・・・(13)
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、又はフェニル基を表す。また、mは整数であり、0≦m≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −H ・・・(11)
(式中、Rは式(10)で定義した通りである。nは整数であり、0≦n≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(R SiO1/2 ・・・(12)
(式中、Rは式(10)で定義した通りである。aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、(a+b)≦10000であり、そしてcは0又は2である。但し、(a+b)が2以上の整数であり且つc=0の場合、式(12)の該Hシリコーンは環状シリコーンであり、c=2の場合、式(12)の該Hシリコーンは鎖状シリコーンである。)
【0019】
14. 該皮膜中のバインダー成分(B)が、相分離構造を形成していることを特徴とする発明1記載の防汚性外壁用建築材料。
15. 該皮膜に含まれる光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより光触媒活性及び/又は親水性を示すことを特徴とする発明1に記載の防汚性外壁用建築材料。
16. 該皮膜に含まれる光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより、該光触媒(A)粒子の近傍に存在する珪素原子に結合した有機基の少なくとも一部が水酸基及び/又はシロキサン結合に置換されてなることを特徴とする発明3、4、6、7のいずれかに記載の防汚性外壁用建築材料。
17. 光触媒(A)とバインダー成分(B)を含む光触媒組成物(C)であって、発明1に記載の皮膜を形成することを特徴とする外壁用建築材料用光触媒被覆組成物。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防汚性外壁用建築材料は、基材表面に光触媒(A)及びバインダー成分(B)を含む皮膜を備えた外壁用建築材料であって、該皮膜中における光触媒(A)の濃度が、該皮膜の基材表面に接する面から他方の露出面に向かって高くなることを特徴とする。
【0021】
この際、全皮膜中の光触媒含有量(濃度)100に対し、露出面と接する表面側近傍の相対濃度が120以上であることが光触媒能力や親水化能力の向上効果を発現し、防汚効果が大きくなるために好ましい。該表面側近傍の相対濃度はより好ましくは150以上、さらに好ましくは200以上であることがよい。また、基材表面に接する面近傍の相対濃度が50以下であると界面劣化防止効果の点で好ましい。該基材表面に接する面近傍の相対濃度はより好ましくは10以下、さらに好ましくは0であると良い。
【0022】
また、本発明における皮膜中における光触媒(A)の濃度は、該基材表面に接する面から他方の露出面に向かって徐々に高くなっても良いし、単に該基材表面に接する面での光触媒濃度が低く、他方の露出面における光触媒濃度が高く、その間の変化が不連続であっても良い。
さらに、本発明の皮膜中において、保護層の上に光触媒層を塗布する場合に生じる様な明確な膜界面が存在しない方が好ましい。すなわち、保護層の上に光触媒層を塗布する場合に生じる様な明確な膜界面が存在しない場合、光触媒は強固に皮膜中に固定化され、光触媒の剥離等の問題が発生しなくなる。
【0023】
本発明における外壁用建築材料の基材としては、既存の外壁用建築材料に使用されるものでよく、特に限定されるものではない。例えば、コンクリート、石材、結晶化ガラス、ガラスブロック、レンガ、施釉タイル、無釉タイル、軽量気泡コンクリート板、石綿セメントケイ酸カルシウム板、プレキャスト鉄筋コンクリート板、石綿スレート板、パルプセメント板、石膏ボード板などの無機基材、アルミニウム、ステンレス、鉄鋼等の各種金属もしくは陽極酸化処理等の表面処理を施した各種金属基材、セラミックス、合成樹脂などが利用できる。また任意の基材の表面に形成される有機被膜の材質としては、ABS樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体(SAN)、酢酸繊維素、酪酢酸繊維素、クレゾール樹脂、硝酸繊維素、カゼイン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、三フッ化エチレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン、フッ素樹脂、アクリルシリコーン樹脂などにより構成される樹脂材料や皮膜などが挙げられる。また、木材や紙、さらにはゴム材料などを用いることもできる。また、基材の形態も形材、パネル、シート、フィルムなど各種形状の成形物などの製品、部品や枠材、パネル材、シリコーンシーラント材からなる建材ユニット(例えばカーテンウォール)、サイディング材、屋根材、タイル材などの目地にシリコーンシーラント材を用いる部材であってよく、特定のものに限定されない。
【0024】
本発明において、光触媒(A)とは、伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質をいう。このとき、伝導帯に生成した電子の還元力および/または価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。この光触媒によって促進される化学反応の例としては、種々の有機物の酸化分解反応を挙げることができる。従って、この光触媒を外壁用建築材料の表面に固定化させれば、外壁用建築材料に付着した種々の有機物(汚染物質)を、光エネルギーを利用して酸化分解することができ、さらに外壁用建築材料の表面を親水性に保つことが可能となる。
【0025】
本発明において光触媒活性とは、光照射によって酸化、還元反応を起こすことを言う。材料表面の、光照射時における色素等の有機物の分解性を測定することにより表面が光触媒活性であるか否かを判定できる。光触媒活性を有する表面は、優れた汚染有機物質の分解活性や耐汚染性を発現する。
また、本発明において親水性とは、好ましくは20℃での水の接触角が60゜以下である場合を言うが、特に水の接触角が20゜以下の親水性を有する表面は、降雨等の水による自己浄化能(セルフクリーニング)による耐汚染性を発現するので好ましい。さらに優れた耐汚染性発現の点からは表面の水の接触角は10゜以下であることが好ましく、更に好ましくは5゜以下である。
【0026】
本発明において、外壁用建築材料の表面を光触媒活性及び/又は親水性にするのに有用に使用できる光触媒(A)としては、例えばTiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、KTaSi、WO、SnO、Bi、BiVO、NiO、CuO、SiC、MoS、InPb、RuO、CeO、Ta等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等参照)や、窒素ドープ酸化チタン(特開平13−278625号公報、特開平13−278627号公報、特開平13−335321号公報、特開平14−029750号公報、特開平13−207082号公報等参照)や、酸素欠陥型の酸化チタン(特開平13−212457号公報参照)の如き、可視光応答型酸化チタン光触媒も好適に使用することができる。また、TaON、LaTiON、CaNbON、LaTaON、CaTaON等のオキシナイトライド化合物やSmTi等のオキシサルファイド化合物は可視光による光触媒活性が大きく、好適に使用することができる。
【0027】
更に、これらの光触媒に、Pt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又はこれらの酸化物を添加あるいは固定化したものや、多孔質リン酸カルシウム等で被覆された光触媒(特開平10−244166号公報参照)等を使用することもできる。
上記光触媒(A)の結晶粒子径(1次粒子径)は1〜400nmであることが好ましく、より好ましくは1〜50nmの光触媒が好適に選択される。
【0028】
これらの光触媒のうち、酸化チタンは無毒であり、化学的安定性にも優れると共に、光照射により、酸化チタン自体の親水性が非常に高まるため好ましい。
該酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうち、いずれの結晶形を使用してもよい。また、可視光応答性である上記窒素ドープ酸化チタンや酸素欠陥型の酸化チタンも、該酸化チタンとして好適に使用できる。
本発明の光触媒(A)として、該光触媒(A)を、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理した変性光触媒(A1)を用いることが好ましい。
【0029】
本発明において光触媒(A)の変性とは、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を、光触媒(A)粒子の表面に固定化することを意味する。上記の変性剤化合物の光触媒粒子の表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力(物理吸着)やクーロン力または化学結合によるものと考えられる。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物と光触媒との相互作用が強く、変性剤化合物が光触媒粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
【0030】
本発明の光触媒(A)を変性光触媒(A1)とすることにより、本発明の、外壁用建築材料の基材表面に、上記光触媒(A)を含む皮膜を形成する場合に、該皮膜中における光触媒(A)の濃度が、該皮膜の基材表面に接する面から他方の露出面に向かって高くなる構造の形成が、特に後述するバインダー成分(B)と組み合わせた場合に容易になるため、非常に好ましい。
本発明においては、変性に用いる光触媒(A)の性状が、変性光触媒(A1)の分散安定性、成膜性、及び種々の機能の発現にとって重要な因子となる。すなわち、本発明の変性に使用される光触媒(A)としては、1次粒子と2次粒子との混合物の数平均分散粒子径が400nm以下の光触媒が変性後の光触媒の表面特性を有効に利用できるために好ましい。特に数平均分散粒子径が100nm以下の光触媒を使用した場合、生成する変性光触媒(A1)と後述するバインダー成分(B)を含む光触媒組成物(C)から形成された本発明の皮膜では、変性光触媒(A1)を効率的に該皮膜の表面(露出面)に存在させることができるため非常に好ましい。より好ましくは80nm以下3nm以上、さらに好ましくは50nm以下3nm以上の光触媒(A)が好適に選択される。
【0031】
これらの光触媒(A)としては、以下の理由から、光触媒粉体ではなく光触媒ゾルを使用することが好ましい。一般に微細な粒子からなる粉体は、単結晶粒子(一次粒子)が強力に凝集した二次粒子を形成するため、無駄にする表面特性が多いが、一次粒子にまで分散させるのは非常に困難である。これに対して、光触媒ゾルの場合、光触媒粒子は溶解せずに一次粒子に近い形で存在しているため表面特性を有効に利用でき、それから生成する変性光触媒は分散安定性、成膜性等に優れるばかりか、種々の機能を有効に発現するので好ましく使用することができる。ここで、本発明に用いる光触媒ゾルとは、光触媒粒子が水及び/又は有機溶媒中に0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%で一次粒子及び/または二次粒子として分散されたものである。
【0032】
ここで、上記光触媒ゾルに使用される上記有機溶媒としては、例えばエチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0033】
該光触媒ゾルとして酸化チタンのゾルを例にとると、例えば実質的に水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解膠された酸化チタンヒドロゾル等を挙げることができる。(ここで、実質的に水を分散媒とするとは、分散媒中に水が80質量%程度以上含有されていることを意味する。)かかるゾルの調整は公知であり、容易に製造できる(特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照)。例えば、硫酸チタンや四塩化チタンの水溶液を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の下に解膠させ水熱処理等を行うことにより酸化チタンヒドロゾルが得られる。また、酸化チタンヒドロゾルとしては、酸化チタン粒子を酸やアルカリの作用の下で解膠させたものや、酸やアルカリを使用せず、必要に応じてポリアクリル酸ソーダなどの分散安定剤を使用し、強力なせん断力の下で水中に分散させたゾルも用いることができる。さらに、pHが中性付近の水溶液中においても分散安定性に優れる、粒子表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタンゾルも特開平10−67516号公報で提案された方法によって容易に得ることができる。
【0034】
上述した酸化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販されている。(例えば、石原産業株式会社製「STS−02」、田中転写株式会社製「TO−240」等)
上記酸化チタンヒドロゾル中の酸化チタンは好ましくは50質量%以下、好ましくは30質量%以下である。さらに好ましくは30質量%以下0.1質量%以上である。
【0035】
このようなヒドロゾルの粘度(20℃)は比較的低い。本発明においては、ヒドロゾルの粘度は、0.5mPa・s〜2000mPa・s程度の範囲にあるのが好ましい。より好ましくは1mPa・s〜1000mPa・s、さらに好ましくは1mPa・s〜500mPa・sである。
また、例えば酸化セリウムゾル(特開平8−59235号公報参照)やTi、Nb、Ta、Vよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物のゾル(特開平9−25123号公報、特開平9−67124号公報、特開平9−227122号公報、特開平9−227123号公報、特開平10−259023号公報等参照)等、様々な光触媒ゾルの製造方法についても酸化チタンゾルと同様に知られている。
【0036】
また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に光触媒粒子が分散された光触媒オルガノゾルは、例えば上記光触媒ヒドロゾルをポリエチレングリコール類の如き相間移動活性を有する化合物(異なる第1の相と第2相との界面に第3の相を形成し、第1の相、第2の相、第3の相を相互に溶解及び/又は可溶化する化合物)で処理し有機溶媒で希釈したり(特開平10−167727号公報)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤で水に不溶性の有機溶剤中に分散移行させてゾルを調整する方法(特開昭58−29863号公報)やブチルセロソルブ等の水より高沸点のアルコール類を上記光触媒ヒドロゾルに添加した後、水を(減圧)蒸留等によって除去する方法等により得ることができる。また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が分散された酸化チタンオルガノゾルは市販されている(例えば、テイカ株式会社製「TKS−251」)。ここで、実質的に有機溶媒を分散媒とするとは、分散媒中に有機溶媒が80質量%程度以上含有されていることを意味する。
【0037】
本発明において、変性光触媒(A1)を得るのに用いられる少なくとも1種の変性剤化合物(b)は、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びフッ化メチレン(―CF−)単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる。
Si−         (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す)
−(RSiO)−       (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0038】
【化7】
Figure 2004099838
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
【0039】
上述した構造単位を有する変性剤化合物(b)で光触媒粒子表面が変性処理された変性光触媒(A1)は、その粒子表面の表面エネルギーが非常に小さくなる。
本発明において、光触媒(A)の変性剤化合物(b)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、前述した光触媒(A)と、同じく前述した変性剤化合物(b)を好ましくは質量比(A)/(b)=1/99〜99.9/0.1、より好ましくは(A)/(b)=10/90〜99/1の割合で混合し、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜80℃にて加熱したり、(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。
【0040】
ここで上記変性処理を行う場合、使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0041】
本発明の変性光触媒(A1)を得るのに使用される上記変性剤化合物(b)としては、例えばSi−H基、加水分解性シリル基(アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基等)、エポキシ基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基等の光触媒粒子(a)と反応性を有するケイ素化合物やフルオロアルキル化合物、フルオロオレフィン重合体等を挙げることができる。
【0042】
また、上記変性剤化合物(b)の他の例としては、例えばポリオキシアルキレン基等の光触媒粒子(a)とファン・デル・ワールス力、クーロン力等により相互作用する構造を有するケイ素化合物等やフルオロアルキル化合物、フルオロオレフィン重合体等を挙げることができる。
本発明において、上記変性剤化合物(b)として、組成式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)を用いると、非常に効率よく光触媒粒子表面を変性することができるため好ましい。
SiO(4−x−y)/2 (9)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。x及びyは、0<x<4、0<y<4であり、そして(x+y)≦4である。)
【0043】
本発明において、光触媒(A)の上記組成式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、光触媒(a)と該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)を好ましくは質量比(A)/(b1)=1/99〜99.9/0.1、より好ましくは(A)/(b1)=10/90〜99/1の割合で好ましくは0〜200℃にて混合することにより実施できる。この変性の操作により混合液からは水素ガスが発生すると共に、光触媒(A)として光触媒ゾルを用いた場合、その平均分散粒子径の増加が観察される。また、例えば光触媒(A)として酸化チタンを用いた場合、上記変性の操作により、Ti−OH基の減少がIRスペクトルにおける3630〜3640cm−1の吸収の減少として観測される。
【0044】
これらのことより、変性剤化合物(b)として上記式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)を選択した場合は、本発明の変性光触媒(A1)は、Si−H基含有ケイ素化合物(b1)と光触媒(A)との単なる混合物ではなく、両者の間には化学反応に伴う何らかの相互作用を生じていることが予測できるため非常に好ましい。実際、この様にして得られた変性光触媒(A1)は、有機溶媒に対する分散安定性や化学的安定性、耐久性等等において非常に優れたものとなっている。
【0045】
本発明において、光触媒(A)の上記式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)による変性処理は、Si−H基に対する脱水素縮合触媒を使用して好ましくは0〜150℃で実施することもできる。
この場合、あらかじめ光還元法等の方法で脱水素縮合触媒を光触媒(A)に固定し、上記Si−H基含有ケイ素化合物(b1)で変性処理しても良いし、脱水素縮合触媒の存在下に上記Si−H基含有化合物ケイ素(b1)で光触媒(A)を変性処理しても良い。
【0046】
ここでSi−H基に対する脱水素縮合触媒とは、Si−H基と光触媒表面に存在する水酸基(酸化チタンの場合はTi−OH基)やチオール基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素基、さらには水等との脱水素縮合反応を加速する物質を意味し、該脱水素縮合触媒を使用することにより温和な条件で光触媒表面を変性することが可能となる。
該脱水素縮合触媒としては、例えば白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の単体及びその化合物や、銀、鉄、銅、コバルト、ニッケル、錫等の単体及びその化合物が挙げられる。これらの中で白金族触媒が好ましく、白金の単体及びその化合物が特に好ましい。
ここで、上記白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体等を使用することができる。
【0047】
本発明の上記式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物において、Si−H基は光触媒を穏和な条件で選択性良く変性するために好ましい官能基である。これに対し、加水分解性基は、同様に光触媒の変性に利用することもできるが、副反応を抑制し、得られる変性光触媒の安定性を向上するためには、その含有量は少ない方が好ましい。
本発明に好適に使用できる上記式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)としては、例えば式(10)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(12)で表されるHシリコーンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の、加水分解性シリル基を有さないS−H基含有化合物を挙げることができる。
【0048】
【化8】
Figure 2004099838
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、フェニル基、又は式(13)で表されるシロキシ基を表す。
−O−(R SiO)−SiR  ・・・(13)
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、又はフェニル基を表す。また、mは整数であり、0≦m≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −H ・・・(11)
(式中、Rは式(10)で定義した通りである。nは整数であり、0≦n≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(R SiO1/2 ・・・(12)
(式中、Rは式(10)で定義した通りである。aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、(a+b)≦10000であり、そしてcは0又は2である。但し、(a+b)が2以上の整数であり且つc=0の場合、式(12)の該Hシリコーンは環状シリコーンであり、c=2の場合、式(12)の該Hシリコーンは鎖状シリコーンである。)
【0049】
本発明において、上記式(10)で表されるモノSi−H基含有化合物の具体例としては、例えばビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)エチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)i−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ブチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)シクロヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)フェニルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)エチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、トリス(トリエチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,6,6−ノナメチルテトラシロキサン、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、メチルジエチルシラン、トリエチルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、t−ブチルジメチルシラン、ジ−t−ブチルメチルシラン、n−オクタデシルジメチルシラン、トリ−n−プロピルシラン、トリ−i−プロピルシラン、トリ−i−ブチルシラン、トリ−n−ヘキシルシラン、トリフェニルシラン、アリルジメチルシラン、1−アリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、クロロメチルジメチルシラン、7−オクテニルジメチルシラン等を挙げることができる。
【0050】
これらのモノSi−H基含有化合物の中で、光触媒の変性処理時におけるSi−H基の反応性(脱水素縮合反応)の良さや表面エネルギーの低さから、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサン等の分子中にシロキシ基を有し、フェニル基を有さない下式(14)で表されるものが好ましい。
【0051】
【化9】
Figure 2004099838
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルケニル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、もしくは式(13b)で表されるシロキシ基から選ばれた1種以上からなる基であり、かつRの中の少なくとも1つは式(13b)で表されるシロキシ基である。
−O−(RSiO)−SiR ・・・(13b)
(式中、R’はそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基を表す。また、mは整数であり、0≦m≦1000である。))
【0052】
本発明において、上記式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物の具体例としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジメチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジエチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジフェニルシロキサン類や、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチル−ジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニル−トリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニル−テトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリフェニルメチルシロキサン類や、ジメチルシラン、エチルメチルシラン、ジエチルシラン、フェニルメチルシラン、ジフェニルシラン、シクロヘキシルメチルシラン、t−ブチルメチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、n−オクタデシルメチルシラン、アリルメチルシラン等を例示することができる。
【0053】
これらの中で、光触媒の変性処理時におけるSi−H基の反応性(脱水素縮合反応)の良さや表面エネルギーの低さから、数平均分子量が好ましくは10000以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下のH末端ポリジアルキルシロキサン(式(15))が両末端Si−H基含有化合物として好適に使用できる。
H−(R SiO)−SiR −H  ・・・(15)
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基を表す。dは整数であり、0≦d≦1000である。)
本発明に用いる上記式(12)で表されるHシリコーンとしては、光触媒の変性処理時における分散安定性(光触媒粒子の凝集の防止)の点より、数平均分子量が好ましくは5000以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下のHシリコーンが好適に使用できる。
【0054】
また、本発明の変性光触媒(A1)の好ましい形態は、変性光触媒の一次粒子と二次粒子との混合物の数平均分散粒子径が400nm以下、さらに好ましくは1nm以上100nm以下、特に好ましくは5nm以上80nm以下である。ゾルの状態であることが好ましい。
また、特に数平均分散粒子径が100nm以下の変性光触媒ゾルを本発明の光触媒組成物(C)に用いると、変性光触媒粒子の濃度が基材表面と接する界面近傍では小さく、皮膜の表面近傍では大きく分布するような表面方向に異方分布した皮膜を形成するのに有利となり、光触媒作用による基材表面との界面劣化が無く、光触媒活性が大きい皮膜を形成するため非常に好ましい。この様な変性光触媒ゾルは、上記変性剤化合物(b)で変性処理をする光触媒として前述した光触媒ゾルを用いることにより得ることができる。
【0055】
なお、従来、二酸化チタンなどで単に粒径として表示されている数値は、多くの場合一次粒子径(結晶子径)であり、凝集による二次粒子径を考慮した数値ではない。
本発明の皮膜を形成する光触媒組成物(C)は、光触媒(A)(好ましくは変性光触媒(A1))とバインダー成分(B)を含むことを特徴とし、その質量比(A1)/(B)は0.1/99.9〜90/10であることが好ましく、(A1)/(B)が1/99〜50/50で含むことがより好ましい。
【0056】
本発明の変性光触媒(A1)は、表面エネルギーの非常に小さい構造(式(1)〜(3)及びフッ化メチレン単位から選ばれた少なくとも1種の構造)を有する変性剤化合物(b)で変性処理されているため、皮膜を形成する際、空気と接する側の皮膜表面に移動しやすい性質を持っている。
ここで、本発明のバインダー成分(B)として、光触媒(A)、特に該変性光触媒(A1)より表面エネルギーが高いバインダー樹脂(B’)を用いることにより、変性光触媒(A1)の上記性質を助長するため、本発明の光触媒組成物(C)は、光触媒(A)、特に変性光触媒(A1)の分布について大きな自己傾斜性を有することが可能となる。ここで自己傾斜性とは、光触媒組成物(C)から皮膜を形成する際、その形成過程において光触媒(A)、特に変性光触媒(A1)が、皮膜や接する界面の性状(特に親水/疎水性)に対応して、光触媒(A)、特に変性光触媒(A1)の濃度勾配を有する構造を自律的に形成することを意味する。
【0057】
本発明のバインダー成分(B)としては、光触媒(A)(好ましくは変性光触媒(A1))より、表面エネルギーが2mN/m以上、好ましくは5mN/m以上大きい樹脂を選択すると、上記自己傾斜性が大きくなり非常に好ましい。
ここで、上記表面エネルギーや表面エネルギーの相対差は、例えばPolymer Handbook(米国 A Wiley−interscience publication 出版)等を参照したり、以下の方法で測定したりすることにより求めることができる。
すなわち、上記光触媒組成物(C)を構成する光触媒(A)、特に変性光触媒(A1)及びバインダー成分(B)から各々それらの皮膜を有する基材を調整し、脱イオン水を滴下して20℃における接触角(θ)を測定し、下記のSellとNeumannの実験式により、各々の表面エネルギーを求めることができる。
【0058】
【数1】
Figure 2004099838
[式中、γsは脱イオン水の接触角を測定した皮膜の表面エネルギー(mN/m)を表し、γlは水の表面エネルギー{72.8mN/m(20℃)}を表わす。]
【0059】
本発明の光触媒組成物(C)において、バインダー成分(B)に使用できる化合物としては、上記条件を満たす表面エネルギーを有すればよく特に制限されないが、各種単量体、合成樹脂及び天然樹脂等が挙げられ、また被膜や成形体の形成後に、乾燥、加熱、吸湿、光照射等により硬化するものも挙げることができる。また、その形態については、無溶媒の状態(ペレット、粉体、液体等)であっても溶媒に溶解あるいは分散した形態であっても良く、特に制限はない。
【0060】
上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂等)の使用が可能であり、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等を挙げることができる。
【0061】
また、上記天然高分子としては、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂やでんぷん等を挙げることができる。
本発明において、光触媒組成物(C)に使用するバインダー成分(B)としては、下記式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)が、本発明の変性光触媒(A1)より表面エネルギーが高く、その骨格を成すシロキサン結合(−O−Si−)は光触媒作用による酸化分解がおこらないため、最も好適に使用できる。
SiO(4−p−q−r)/2     (4)
(式中、各Rはフェニル基を表し、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。そしてp、q及びrは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、及び0<(p+q+r)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。)
上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーン(BP)としては、例えば一般式(16)、(17)、(18)及び(19)で表されるシロキサン結合の少なくとも1種の構造を含むシリコーンを挙げることができる。
【0062】
【化10】
Figure 2004099838
−(R SiO)−    ・・・(17)
【0063】
【化11】
Figure 2004099838
(式中、Rはそれぞれ独立に、フェニル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基を表す。)
【0064】
【化12】
Figure 2004099838
【0065】
上述した構造を含むシリコーンは、例えば一般式RSiX(式中、Rは、フェニル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基を表す。各Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる一つの反応性基を表す。以下同様。)で表される3官能シラン誘導体及び/又は一般式R SiXで表される2官能シラン誘導体及び/又は一般式SiXで表される4官能シラン誘導体を部分的に加水分解・縮重合させ、必要により一般式R SiXで表される1官能シラン誘導体及び/又はアルコール類によって末端停止させることにより調製できる。この様にして得られるシラン誘導体モノマーの部分縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは100〜100,000、より好ましくは400〜50,000である。
【0066】
これらの中で、上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーンとして、上記式(16)で表されるラダー構造を10モル%以上、好ましくは40モル%以上含むものを選択すると、本発明の光触媒組成物(C)から形成される光触媒含有皮膜は、硬度、耐熱性、耐候性、耐汚染性、耐薬品性等の点で非常に優れたものとなるため好ましい。特に、上記ラダー構造としてフェニルラダー構造〔式(16)におけるRが全てフェニル基のもの〕を有するものは上述した光触媒含有皮膜の物性が非常に向上するため好ましい。この様なラダー構造は、例えば赤外線吸収スペクトルにおける1040cm−1と1160cm−1付近の2本のシロキサン結合に由来する吸収の存在により同定する事ができる。
(J.F.Brown.Jr.,etal.:J.Am.Chem.Soc.,82,6194(1960)参照。)
本発明に用いる上記式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)は、Ph−Si結合(Ph:フェニル基)を有することが好ましい。
【0067】
すなわち、本発明の光触媒組成物(C)において、表面エネルギーの非常に小さい構造(式(1)〜(3))を有する変性剤化合物(b)で変性処理されている変性光触媒(A1)のバインダーとして、該変性光触媒(A1)より表面エネルギーが高いフェニル基含有シリコーン(BP)を含むバインダー成分(B)を用いることにより、本発明の光触媒組成物(C)は、変性光触媒(A1)の分布について高い自己傾斜性を有することが可能となる。
【0068】
この様な表面エネルギーの高いフェニル基含有シリコーン(BP)による自己傾斜性の発現効果は、フェニル基(R)を、フェニル基(R)とR(Rは直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基を表す。)の合計{以下(R+R)と表す。}に対し5モル%以上有する上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーン(BP)を用いることによってより顕著に発揮することができるので、このようなフェニル基含有シリコーン(BP)を用いることは好ましい。
【0069】
また、上述した自己傾斜性の発現効果は、フェニル基(R)の(R+R)に対する割合が増えるに従い増大する。よって、本発明の光触媒組成物に使用するバインダー成分(B)のフェニル基含有シリコーンとしてより好ましいものは、(R+R)に対するフェニル基(R)の割合が10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上のものである。また、該フェニル基含有シリコーン(BP)は有機樹脂等の有機基材に対する密着性が良好であり、その骨格を成すシロキサン結合(−O−Si−)は光触媒作用による酸化分解がおこらないため、本発明の光触媒組成物(C)を外壁用建築材料の意匠性ベースコート層にコーティングして得られる光触媒含有皮膜は、非常に耐候性に優れたものになる。
【0070】
本発明の光触媒組成物(C)において、バインダー成分(B)に使用するフェニル基含有シリコーン(BP)として、上述した効果を発揮するより好ましいものは、下記式(5)で表されるアルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)である。
SiO(4−s−t)/2     (5)
(式中、Rはフェニル基を表し、Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表し、s及びtは、0<s<4、0≦t<4、そして0<(s+t)<4である。)
また、バインダー成分(B)が、下記式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)を更に含有すると、本発明の光触媒組成物から形成される皮膜は、成膜性、硬度、耐熱性、耐汚染性、耐薬品性等の点で優れたものとなるため好ましい。
SiO(4−u−v)/2       (6)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。u及びvは、0<u<4、0≦v<4、そして0<(u+v)<4である。)
【0071】
さらに、上記フェニル基含有シリコーン(BP1)と混合する上記アルキル基含有シリコーン(BA)として、式(7)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位(D)と式(8)で表されるジオキシオルガノシラン単位(T)を、モル比が好ましくは(D)/(T)=100/0〜5/95、より好ましくは90/10〜10/90の割合で有する構造のものを用いると、アルキル基含有シリコーン(BA)の応力緩和作用が増加し、本発明の光触媒組成物(C)から生成する光触媒含有皮膜の耐クラック性が向上する結果、耐候性が非常に優れたものとなる。
−(R SiO)−       (7)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。)
【0072】
【化13】
Figure 2004099838
(式中、Rは式(7)で定義した通りである。)
【0073】
本発明において、長期の耐候性向上には、バインダー成分(B)が相分離構造を形成することが好ましく、特にミクロ相分離した構造を形成することが好ましい。
たとえば、バインダー成分(B)として、上述した光触媒(A)、特に該変性光触媒(A1)より表面エネルギーが高いバインダー樹脂(B’)と上記式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)とを、好ましくは質量比(B’)/(BA)=5/95〜95/5、より好ましくは(B’)/(BA)=30/70〜90/10で混合したものを用いると、本発明の光触媒組成物(C)から形成される光触媒含有皮膜は、表面エネルギーが高いバインダー樹脂(B’)とアルキル基含有シリコーン(BA)が相分離したバインダー中に光触媒(A)が分散した構造となり、長期の耐候性に優れたものとなるため好ましい。
【0074】
ここで、表面エネルギーが高いバインダー成分(B’)とアルキル基含有シリコーン(BA)の相分離は、連続層でない相が好ましくは1nm〜1μm、より好ましくは10nm〜0.1μm、さらに好ましくは10nm〜0.001μmの大きさのドメインを形成してミクロ相分離した場合に、より効果を奏する。
また、光触媒(A)が、表面エネルギーの高いバインダー樹脂(B’)と相分離状態にあるアルキル基含有シリコーン(BA)相中に存在した状態は、皮膜の表面により多く光触媒(A)が存在することができるため好ましい。
【0075】
本発明におけるアルキル基含有シリコーン(BA)と相分離する表面エネルギーの高いバインダー樹脂(B’)としては、上述したフェニル基含有シリコーン(BP)が、その骨格を成すシロキサン結合(−O−Si−)は光触媒作用による酸化分解がおこらないため好ましく、アルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)が特に好ましい。
この際、上記フェニル基含有シリコーン(BP1)及び上記アルキル基含有シリコーン(BA)の各々の、GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、好ましくは100〜10,000、より好ましくは500〜6,000、さらに好ましくは700〜4,000であるものを使用すると、上述したバインダー成分(B)はミクロ相分離構造を容易に形成するため好ましい。
【0076】
本発明の光触媒組成物(C)に使用する前述したバインダー成分(B)は、溶剤に溶けたタイプ、溶媒に分散したタイプ、溶媒と混合されていないタイプ(液体、固体)のいずれであっても良い。
本発明の光触媒組成物(C)において上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーン(BP)は、反応性を有する基(式(4)中のX)を有しても、有さなくても良いが、反応性を有する基(式(4)中のX)を有する(即ち、式(4)において0<r)と、本発明の光触媒組成物(C)から得られる光触媒含有皮膜は、硬度や耐熱性、耐薬品性、耐久性等に優れたものとなるため好ましい。また、同様の理由から、式(5)において0<t、式(6)において0<vが好ましい。
【0077】
本発明の光触媒組成物(C)において上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーン(BP)が反応性を有する基(式(4)中のX)として、水酸基及び/又は加水分解性基を有する場合、従来公知の加水分解触媒や硬化触媒を、フェニル基含有シリコーン(BP)に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜5質量%の割合で添加することができる。
該加水分解触媒としては、酸性のハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、酸性あるいは弱酸性の無機塩、イオン交換樹脂などの固体酸などが好ましい。また、加水分解触媒の量は、ケイ素原子上の加水分解性基1モルに対して好ましくは0.001〜5モルの範囲内であることが好ましい。
【0078】
また上記硬化触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのごとき塩基性化合物類;トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのごときアミン化合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートのようなチタン化合物;アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物;コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナートのごとき含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸のごとき酸性化合物類などが挙げられる。
【0079】
本発明の光触媒組成物(C)において上記式(4)で示されるフェニル基含有シリコーン(BP)がSi−H基を有する場合、多官能アルケニル化合物のごとき架橋剤を、Si−H基に対しアルケニル基が好ましくは0.01〜2当量、より好ましくは0.1〜1当量となるように添加することが好ましい。該多官能アルケニル合物としては、アルケニル基を有しSi−H基と反応して硬化を促進するものであれば何でもよいが、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などの炭素数2〜30の1価不飽和炭化水素基を有するアルケニル基含有シリコーンが一般に用いられている。
【0080】
また、Si−H基と該多官能アルケニル化合物の反応を促進する目的で、触媒をフェニル基含有シリコーン(BP)と多官能アルケニル化合物の総量に対しに好ましくは1〜10000ppm、より好ましくは1〜1000ppmの割合で添加しても良い。該触媒としては白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適しているが、特に白金の化合物とパラジウムの化合物が好適である。白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させたものが挙げられる。パラジウムの化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が挙げられる。該白金族触媒はSi−H基含有シリコーンと多官能アルケニル化合物の合計量に対し白金族金属の量で好ましくは5〜1000ppmの範囲内で使用されるが、これは反応性、経済性及び所望の硬化速度等に応じて増減させることができる。また、所望により白金族触媒の活性を抑制し、ポットライフを延長させる目的で、各種の有機窒素化合物、有機リン化合物、アセチレン系化合物などの活性抑制剤を添加してもよい。
【0081】
また、本発明の光触媒組成物(C)には、それから形成される光触媒含有皮膜の硬度や耐擦傷性、親水性を向上させる目的でシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、希土類酸化物等の金属酸化物微粒子を粉末あるいはゾルの状態で添加しても良い。ただしこれら金属酸化物微粒子は、本発明におけるバインダー成分(B)の様なバインダーとしての能力はなく、光触媒と同様に皮膜の柔軟性(耐屈曲性、耐衝撃性)を低下させる。よって、該金属酸化物の添加量は、光触媒組成物(C)から形成される光触媒含有皮膜中において光触媒(A)と金属酸化物の総重量が50質量%以下とすることが好ましい。
【0082】
本発明の光触媒組成物(C)は、無溶媒の状態(液体、固体)であっても溶媒に溶解あるいは分散した状態であっても良く、特に制限はないが、コーティング剤として用いる場合は、溶媒に対し溶解あるいは分散した状態が好ましい。この際、該光触媒組成物(C)中の変性光触媒(A1)とバインダー成分(B)の総量は、好ましくは0.01〜95質量%、より好ましくは0.1〜70質量%である。
【0083】
本発明の光触媒組成物(C)に用いる溶媒としては、例えば水やエチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は組み合わせて用いられる。
【0084】
また、本発明の光触媒組成物(C)には、必要により通常、塗料に添加配合される成分、例えば顔料、充填剤、分散剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、防錆剤、染料、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合わせて配合することができる。
本発明の光触媒組成物(C)において、自己傾斜性が非常に高い場合(即ち、皮膜中の変性光触媒(A1)含有量(濃度)100に対し、外壁用建築材料の基材表面でない側である、露出面と接する表面近傍の相対濃度が好ましくは150以上、より好ましくは200以上である場合)、該光触媒組成物(C)において変性光触媒(A1)とバインダー成分(B)の質量比が好ましくは(A1)/(B)=0.1/99.9〜40/60、より好ましくは(A1)/(B)=0.1/99.9〜30/70という変性光触媒(A1)の含有量が非常に少ない範囲においてさえ、形成される皮膜は、光照射による十分な親水化能力(超親水化能力:20℃における水の接触角が10゜以下)や優れた光触媒活性を有する。また、この様に光触媒含有量が少ない皮膜はバインダー成分(B)本来の物性を発現するため、強度や柔軟性(耐屈曲性、耐衝撃性)等に優れたものとなる。
【0085】
本発明における防汚性外壁用建築材料は、例えば上記光触媒組成物(C)を外壁用建築材料の基材表面に塗布し、乾燥した後、所望により好ましくは20℃〜500℃、より好ましくは40℃〜250℃の熱処理や紫外線照射等を行い皮膜を形成することにより得ることができる。上記塗布方法としては、例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、スポンジ塗り法等が挙げられる。
【0086】
この際、本発明の光触媒組成物(C)から形成される皮膜の膜厚は、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1.5〜10μmである。
なお、本明細書では、皮膜という表現を使用しているが、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
本発明の防汚性外壁用建築材料は、皮膜に含まれる光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光(励起光)を照射することにより光触媒活性及び/又は親水性を示し、優れた防汚性能を発現する。
【0087】
この際、光触媒(A)が、上述した式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)で変性処理された変性光触媒(A1)である場合、励起光照射により光触媒(A)粒子の近傍に存在する該変性剤化合物(b)の珪素原子に結合した有機基(R)の少なくとも一部は、光触媒の分解作用により水酸基に置換される。その結果、本発明の皮膜表面の親水性が高まると共に、生成した水酸基同士が脱水縮合反応してシロキサン結合が生成した場合には、該皮膜の硬度が非常に高くなる。この様な状態は、本発明の様態において好ましい。
【0088】
また、バインダー成分(B)として上述したシリコーンを用いたときも同様に、励起光照射により光触媒(A)粒子の近傍に存在するシリコーンの珪素原子に結合した有機基の少なくとも一部は、光触媒の分解作用により水酸基に置換され、本発明の皮膜表面の親水性が高まると共に、生成した水酸基同士の脱水縮合反応が進行しシロキサン結合が生成した場合には、該皮膜の硬度が非常に高くなる。この様な状態は、本発明の様態において好ましい。
【0089】
本発明において、光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光の光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯等の光が利用できる。
すなわち、本発明は、生活環境下の光により、基材表面を劣化すること無しに強い光触媒活性及び/または親水性(水の接触角が好ましくは20゜以下、より好ましくは10゜以下)を発現する皮膜を有し、降雨や簡単な水洗浄で長期にわたり外壁用建築材料の美観を保つことができる防汚性外壁用建築材料を、煩雑な工程を必用とせずに提供することができる。
【0090】
【実施例】
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
1.粒径分布及び数平均粒子径
試料中の光触媒含有量が1−20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
【0091】
2.重量平均分子量
ポリスチレン標品を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた。
GPCの条件は以下の通りである。
・装置:東ソー製HLC−8020 LC−3A型クロマトグラフ
・カラム:TSKgel G1000HXL、TSKgel G2000HXLおよびTSKgel G4000HXL(いずれも東ソー製)を直列に接続して用いた。
・データ処理装置:島津製作所製CR−4A型データ処理装置
・移動相:
テトラヒドロフラン(フェニル基含有シリコーンの分析に使用)
クロロホルム(フェニル基を含有しないシリコーンの分析に使用)
・流速:1.0ml/min.
・サンプル調製法
移動相に使用する溶媒で希釈(濃度は0.5〜2質量%の範囲で適宜調節した)して分析に供した。
【0092】
3.赤外線吸収スペクトル
日本分光製FT/IR−5300型赤外分光計を用いて測定した。
4.29Si核磁気共鳴の測定
日本電子製JNM−LA400を用いて測定した。
5.皮膜硬度
JIS−K5400に準じ、鉛筆硬度(皮膜のすり傷)として求めた。
6.紫外線照射後の皮膜硬度
皮膜表面に、東芝ライテック製FL20S BLB型ブラックライトの光を7日間照射後、上記の方法(5)にて測定した。
なおこのとき、日本国トプコン製UVR−2型紫外線強度計{受光部として、日本国トプコン製UD−36型受光部(波長310〜400nmの光に対応)を使用}を用いて測定した紫外線強度が1mW/cmとなるよう調整した。
7.皮膜表面に対する水の接触角
皮膜の表面に脱イオン水の滴を乗せ、20℃で1分間放置した後、協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて測定した。
皮膜に対する水の接触角が小さいほど、皮膜表面は親水性が高い。
【0093】
8.紫外線照射前後の、皮膜表面の親水性(疎水性)の変化
皮膜の表面に、上記6の方法で紫外線を7日間照射した後、上記7の方法にて水の接触角を測定した。
9.皮膜の光触媒活性
皮膜表面にメチレンブルーの5質量%エタノール溶液を塗布した後、上記6の方法にて紫外線を5日間照射した。
その後、光触媒の作用によるメチレンブルーの分解の程度(皮膜表面の退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、光触媒の活性を以下の3段階で評価した。
◎:メチレンブルーが完全に分解。
△:メチレンブルーの青色がわずかに残る。
×:メチレンブルーの分解はほとんど観測されず。
10.皮膜の耐候性(光沢保持率)
スガ試験器製DPWL−5R型デューパネル光コントロールウェザーメーターを使用して曝露試験(照射:60℃4時間、暗黒・湿潤:40℃4時間)を行った。曝露1000時間後の60°−60°鏡面反射率を最終的な光沢値として測定し、これを初期光沢値で割り、この値を光沢保持率として算出した。
【0094】
11.光触媒の傾斜構造の評価
試料をエポキシ樹脂(Quetol812)に包埋後、独国Reichert社製ULTRACUT−N型ミクロトームにより50〜60nmの厚さの超薄切片を作成し、支持膜を張ったメッシュに積載した。続いて5分程度のRuO4蒸気染色を施した後、カーボン蒸着を行い検鏡用試料とし、TEMにより皮膜断面の観察を実施した。
TEM観察の条件は以下の通りである。
・装置:日立製HF2000型
・加速電圧:125kV
また、光触媒酸化チタンの存在場所は、Ti元素のEDX分析により解析した。
また、アクリルウレタン系のベースコート層を有するアルミ板上に形成させた皮膜の観察は、試料をDISCOエンジニアリングサービス製DAD321型ダイシングソーで粗切断した後、FIB(Focused Ion Beam)加工を行い、TEMによる皮膜断面の観察を実施した。
FIB加工条件は以下の通りである。
使用機器:日立製FB2000型
加工条件:加速電圧(30kV)
イオン源:Ga
また、TEM観察の条件は以下の通りである。
・装置:日立製HF2000型
・加速電圧:200kV
12.耐衝撃性
JIS−K5400に準じ、デュポン式(500g×50cm)で評価した。
【0095】
[参考例1]
フェニル基含有シリコーン(BP1−1)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたジオキサン78gにフェニルトリクロロシラン26.0gを添加した後、室温にて約10分間撹拌した。これに水3.2gとジオキサン12.9gからなる混合液を、反応液を10〜15℃に保ちながら約30分かけて滴下した後、さらに10〜15℃で約30分撹拌し、続いて反応液を60℃に昇温させ3時間撹拌した。得られた反応液を25〜30℃に降温させ、392gのトルエンを約30分かけて滴下した後、再度反応液を60℃に昇温させ2時間撹拌した。
【0096】
得られた反応液を10〜15℃に降温させ、メタノール19.2gを約30分かけて添加した。その後さらに25〜30℃にて約2時間撹拌を続行し、続いて反応液を60℃に昇温させ2時間撹拌した。得られた反応液から60℃で減圧下に溶媒を溜去することにより重量平均分子量3600のラダ−骨格を有するフェニル基含有シリコーン(BP1−1)を得た。(得られたフェニル基含有シリコーン(BP1−1)には、IRスペクトルにおけるラダ−骨格の伸縮振動に由来する吸収(1130cm−1及び1037cm−1)が観測された。)
また、29Si核磁気共鳴の測定結果より求めた上記フェニル基含有シリコーン(BP1−1)の式は、(Ph)(OCH0.58SiO1.21であった。(ここでPhはフェニル基を表す。)
【0097】
[参考例2]
アルキル基含有シリコーン(BA−1)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に入れたメタノール300gにメチルトリメトキシシラン136g(1モル)、及びジメチルジメトキシシラン120g(1モル)を添加した後、室温にて約10分間撹拌した。これに氷冷下で、0.05Nの塩酸水溶液12.6g(0.7モル)とメタノール63gからなる混合液を、約40分かけて滴下し、加水分解を行った。滴下終了後、さらに10℃以下で約20分、室温で6時間それぞれ撹拌した。
その後、得られた反応液から60℃で減圧下に溶媒を溜去することにより重量平均分子量3600のアルキル基含有シリコーン(BA−1)を得た。得られたアルキル基含有シリコーン(BA−1)の構造を29Si核磁気共鳴によって測定したところ、T構造とD構造を示すシグナルが確認され、その比率はT構造:D構造=1:1であった。
また、29Si核磁気共鳴の測定結果より求めた上記アルキル基含有シリコーン(BA−1)の平均組成式は、(CH1.5(OCH0.27SiO1.12であった。
【0098】
[参考例3]
シリコーン組成物(B−1)の調整。
参考例1で合成したフェニル基含有シリコーン(BP1−1)6gと参考例2で合成したアルキル基含有シリコーン(BA−1)3gを混合したものに、トルエン14.7g、イソプロパノール29.8g、ブチルセロソルブ15.1gを添加し、室温で撹拌する事によりバインダー成分(B−1)の溶液を得た。
また、各々の組成物の平均組成式より、上記バインダー成分(B−1)の平均組成式は、(Ph)0.67(CH0.5(OCH0.47SiO1.18と計算できる。(ここでPhはフェニル基を表す。)
【0099】
[参考例4]
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたTKS−251{酸化チタンオルガノゾルの商品名(テイカ製)、分散媒:トルエンとイソプロパノールの混合溶媒、TiO2濃度20質量%、平均結晶子径6nm(カタログ値)}40gにビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの20質量%トルエン溶液40gを50℃にて約5分かけて添加し、さらに50℃で12時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な変性光触媒オルガノゾル(A−1)を得た。この時、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において718mlであった。また、得られた変性酸化チタンオルガノゾルをKBr板上にコーティングしIRスペクトルを測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630〜3640cm−1)の消失が観測された。
【0100】
また、図1、図2にそれぞれ変性処理前のTKS−251及び得られた変性光触媒オルガノゾル(A−1)の粒径分布を示す。得られた変性光触媒オルガノゾル(A−1)の粒径分布は単一分散(数平均粒子径は25nm)であり、さらに変性処理前のTKS−251の単一分散(数平均粒子径は12nm)の粒径分布が完全に消失していることが分かる。
続いて、参考例3で調整したシリコーン成分(B−1)の溶液68gに上記変性光触媒オルガノゾル(A−1)20gを室温にて撹拌下において添加し、さらに硬化触媒(ジラウリル酸ジブチル錫)0.5gを攪拌下に添加して光触媒組成物(C−1)を得た。
【0101】
50mm×60mmに裁断した厚さ1mmのアルミ板(JIS,H,4000(A1050P))にマイティラック白{アクリルウレタン樹脂塗料(2液混合型)の商品名(日本ペイント製)}をスプレー塗布し、室温にて3日間乾燥した。得られたアクリルウレタン塗装を行ったアルミ板に上記光触媒組成物(C−1)を膜厚が2μmとなるようにスプレー塗布した後、室温で1時間乾燥し、150℃で30分加熱する事により、光触媒皮膜を有する試験板(D−1)を得た。
【0102】
得られた光触媒皮膜を有する試験板(D−1)をFIB加工し、TEMによる皮膜断面の観察を行った結果を図3(a)の写真に示す。また、図3(a)の写真のイラストレーションが図3(b)である。変性光触媒粒子(図3(b)中の参照番号1で示す)を含む光触媒皮膜(図3(b)中の参照番号2で示す)と、基材である、顔料酸化チタン(図3(b)中の参照番号4で示す)を含むアクリルウレタン皮膜(図3(b)中の参照番号3で示す)との界面には変性光触媒粒子は存在せず、光触媒皮膜表面は全て変性光触媒粒子で覆われていることが観察された。
【0103】
得られた光触媒皮膜を有する試験板(D−1)の鉛筆硬度はHであり、水との接触角は105゜であった。また、耐衝撃性試験は合格した。
また、得られた光触媒皮膜を有する試験板(D−1)の紫外線(ブラックライト)照射後の鉛筆硬度は5H以上であり、水の接触角は0゜であった。さらに光触媒活性評価の結果も非常に良好(◎)であった。
さらに、デューパネル光コントロールウェザーメーターによる曝露試験(1000時間後)による光沢保持率は98%であり、非常に良好な耐候性を示した。
【0104】
続いて、光触媒組成物(C−1)をエポキシ樹脂(Quetol812)上にスプレー塗布した後、室温で2日間乾燥し、続いて50℃にて3日間加熱することにより平滑な光触媒皮膜を有するエポキシ樹脂(D−2)を得た。
得られた光触媒皮膜を有するエポキシ樹脂(D−2)をエポキシ樹脂(Quetol812)に包埋後、ミクロトームにより50〜60nmの厚さの超薄切片を作成し、RuOでフェニル基含有シリコーン(BP1−1)を染色した後、TEMによる皮膜断面の観察を行った結果を図4(a)の写真に示す。また、図4(a)の写真のイラストレーションが図4(b)である。
【0105】
変性光触媒粒子(図4(b)中の参照番号1で示す)を含む光触媒皮膜(図4(b)中の参照番号2で示す)と基材であるエポキシ樹脂(図4(b)中の参照番号5で示す)との界面には変性光触媒粒子はほとんど存在せず、光触媒皮膜表面は全て変性光触媒粒子で覆われていることが観察された。
また、図4(b)中の参照番号5(b)で示す部分が、変性光触媒粒子相1と変性光触媒粒子を含まないバインダー相7との境界部分で、その部分を拡大した写真が図5(a)である。また、図5(a)の写真のイラストレーションが図5(b)である。
【0106】
図5(a)には、変性光触媒粒子(図5(b)中の参照番号1で示す)を含むバインダー相と変性光触媒粒子を含まないバインダー相(図5(b)中の参照番号7で示す)が存在することが観察できる。また、変性光触媒粒子を含まないバインダー相(図5(b)中の参照番号7で示す)では、RuOで染色されたフェニル基含有シリコーンと染色されていないアルキル基含有シリコーンがミクロ相分離構造を有して存在していることが観察できる。
【0107】
[参考例5]
変性光触媒オルガノゾル(A−1)20gの代わりに変性処理をしていないTKS−251の10gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い光触媒組成物(C−2)を得た。
得られた光触媒組成物(C−2)を用い、参考例4と同様の操作を行って光触媒皮膜(酸化チタン含量は参考例4と同量)を有する試験板(D−3)を得た。
【0108】
得られた光触媒皮膜を有する試験板(D−3)の鉛筆硬度はHであり、水との接触角は97゜であった。
また、得られた光触媒皮膜を有する試験板(D−3)の紫外線(ブラックライト)照射後の鉛筆硬度は3Hであり、水の接触角は94゜であった。さらに光触媒活性評価は悪い結果(×)であった。
さらに、デューパネル光コントロールウェザーメーターによる200時間の曝露試験で、光沢保持率は10%以下となり、チョーキング現象が観察された。
【0109】
続いて、上記光触媒組成物(C−2)をエポキシ樹脂(Quetol812)上にスプレー塗布した後、室温で2日間乾燥し、続いて50℃にて3日間加熱することにより平滑な光触媒皮膜を有するエポキシ樹脂(D−4)を得た。
得られた光触媒皮膜を有するエポキシ樹脂(D−4)をエポキシ樹脂(Quetol812)に包埋後、ミクロトームにより50〜60nmの厚さの超薄切片を作成し、RuOでフェニル基含有シリコーン(BP1−1)を染色した後、TEMによる皮膜断面の観察を行った結果を図6(a)の写真に示す。また図6(a)の写真のイラストレーションが図6(b)である。
【0110】
変性光触媒粒子(図6(b)中の参照番号1で示す)を含む光触媒皮膜(図6(b)中の参照番号2で示す)と、基材であるエポキシ樹脂(図6(b)中の参照番号5で示す)との界面には変性光触媒粒子が多く存在し、光触媒皮膜の露出表面は全て変性光触媒粒子の存在しないアルキル基含有シリコーン(図6(b)中参照番号8で示す)で覆われており、光触媒活性の発現が期待できないことが観察された。
【0111】
[実施例1]
150mm×300mmに裁断した厚さ1mmのアルミ板(JIS,H,4000(A1050P))にベルクリーン白{アクリルシリコーン樹脂塗料(2液混合型)の商品名(日本油脂製)}を塗布し、180℃で30分加熱することにより、ベルクリーン皮膜を有するアルミ板を得た。得られたベルクリーン皮膜を有するアルミ板に参考例4で調整した光触媒組成物(C−1)をスプレーコーティング法にて塗布し、試料(E−1)を得た。
試料(E−1)を屋外に置き、6ヶ月を過ぎた後で、降雨があった翌日(晴天)に観察したところ、目立った汚れは観察されなかった。また、試料(E−1)の表面は親水性を維持していることが観察できた。
【0112】
[比較例1]
150mm×300mmに裁断した厚さ1mmのアルミ板(JIS,H,4000(A1050P))にベルクリーン白{アクリルシリコーン樹脂塗料(2液混合型)の商品名(日本油脂製)}を塗布した後、180℃で30分加熱し、試料(E−2)とした。
試料(E−2)を屋外に置き、6ヶ月を過ぎた後で、降雨があった翌日(晴天)に観察したところ、黒っぽい汚れが筋状に観察された。
【0113】
[比較例2]
参考例4で調整した光触媒組成物(C−1)の代わりに参考例5で調整した光触媒組成物(C−2)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料(E−3)を得た。
試料(E−3)を屋外に置き、6ヶ月を過ぎた後で、降雨があった翌日(晴天)に観察したところ、黒っぽい汚れが筋状に観察された。
【0114】
[比較例3]
IPA―ST(イソプロパノール分散シリカゾル、粒子径10〜20nm、日産化学株式会社製)1.5gをイソプロパノール500gで希釈したものにST―K03(酸化チタンコーティング剤、石原産業株式会社製)10gを混合し、光触媒組成物(C−3)を調整した。
参考例4で調整した光触媒組成物(C−1)の代わりに上記光触媒組成物(C−3)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料(E−4)を得た。
試料(E−4)を屋外に置き、6ヶ月を過ぎた後で、降雨があった翌日(晴天)に観察したところ、皮膜の光沢が低下しており、ベルクリーン白の皮膜の劣化が観察された。
【0115】
【発明の効果】
本発明は、生活環境下の光により、外壁用建築材料表面に有機基材が塗装された場合でも、有機基材を劣化すること無しに、強い光触媒活性及び/または親水性を発現する皮膜を有する防汚性外壁用建築材料を、煩雑な工程を必用とせずに提供することができる。本発明の防汚性外壁用建築材料は、降雨や簡単な水洗浄で長期にわたり外壁用建築材料表面の美観を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、変性処理前のTKS251(市販の酸化チタンオルガノゾル)の粒径分布を、湿式粒度分析計を使用して測定した結果を示す図である。
【図2】図2は、参考例4で上記TKS−251を変性処理して得られた変性光触媒オルガノゾル(A−1)の粒径分布を、湿式粒度分析計を使用して測定した結果を示す図である。
【図3】図3(a)は、参考例4で得られた光触媒含有皮膜を有する試験板(D−1)の断面のTEM写真である。図3(b)は、図3(a)のイラストレーションである。
【図4】図4(a)は、参考例4で得られた光触媒含有皮膜を有するエポキシ樹脂(D−2)の断面のTEM写真である。図4(b)は、図4(a)のイラストレーションである。
【図5】図5(a)は、図4(a)のTEM写真の一部を拡大した写真である。図5(b)は、図5(a)のイラストレーションである。
【図6】図6(a)は、参考例5で得られた光触媒含有皮膜を有するエポキシ樹脂(D−3)の断面のTEM写真である。図6(b)は、図6(a)のイラストレーションである。
【符号の説明】
1   変性光触媒粒子
2   光触媒含有皮膜
3   アクリルウレタン皮膜
4   顔料である酸化チタン
5   エポキシ樹脂
5(b) 変性光触媒粒子相1と変性光触媒粒子を含まないバインダー相7との境界部分で、その拡大図を図5(b)に示す
6   包埋用エポキシ樹脂
7   変性光触媒粒子を含まないバインダー相
8   アルキル基含有シリコーン[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a building material for an outer wall having excellent antifouling performance. Specifically, the present invention provides a building material for an exterior wall, in which the surface of the building material for an exterior wall is photocatalytically active and / or highly hydrophilic for a long period of time, is resistant to soiling, and is easy to clean.
[0002]
[Prior art]
The outer wall of a high-rise building or the like is contaminated by dust and exhaust gas contained in the air, dirt eluted from a sealant, and pollutants discharged from an exhaust port of a building. These stains are dark and detract from the aesthetics of the building. In order to remove the dirt, cleaning can be considered, but in high-rise buildings, etc., work at high places requires dangerous and heavy labor. Therefore, a building material for an outer wall that can be washed by rainfall or water washing is desired.
[0003]
Various proposals have been made on antifouling building materials for exterior walls using photocatalysts in order to solve the problem of stains on the exterior walls.
In this method, particles having a photocatalytic effect are made hydrophilic by decreasing the contact angle of water on the surface of the building material for exterior walls under light irradiation by removing the dirt substances by decomposing organic substances by the photocatalytic effect. In addition, since the surface of the building material for exterior walls that has been hydrophilized has a higher affinity for water than for a hydrophobic substance such as dust, the dirt is washed away by rainwater or the like. Therefore, visually conspicuous dirt is less likely to occur, and the amount of dirt attached is reduced. Antifouling building materials utilizing this effect have been developed (JP-A-9-228602, JP-A-10-44301).
[0004]
However, in these antifouling building materials, there is no problem when using a photocatalyst film or photocatalyst particles supported on an inorganic base material. When covered with an organic substrate such as a film, the organic substrate is degraded due to the photocatalytic organic substance decomposition action, and it has been difficult to maintain an aesthetic appearance for a long period of time. Japanese Unexamined Patent Publication No. 9-228602 proposes an antifouling building material in which a photocatalyst layer is applied to the surface of an inorganic substrate, but does not describe a material applied to the surface of an organic substrate or durability.
[0005]
In order to solve such a problem, for example, a method has been proposed in which a layer made of a hardly decomposable substance is interposed between the photocatalyst layer and the organic material surface of the building material for the outer wall (International Publication WO97 / 00134). .
However, this method has drawbacks in that the coating process is complicated and workability is poor, and it is very difficult to obtain a uniform adhesive layer, and it is difficult to completely prevent deterioration of the organic base material. . Further, in this method, since a clear film interface exists between the photocatalyst layer and the layer made of the hardly decomposable substance, a problem such as separation of the photocatalyst layer also occurs.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-9-228602
[Patent Document 2]
JP-A-10-44301
[Patent Document 3]
JP-A-9-228602
[Patent Document 4]
International Publication No. WO97 / 00134 pamphlet
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention can provide an excellent antifouling effect to a building material for an outer wall by a photocatalyst without requiring a complicated process, and can be used in a case where the building material for an outer wall is an organic base material or covered with an organic base material such as a coating. It is an object of the present invention to provide an antifouling exterior wall building material which is prevented from being decomposed by photocatalysis even when it is used.
Specifically, there is no deterioration of the interface between the organic base material and the photocatalyst layer or the deterioration of the film itself due to the photocatalyst, and the surface is prevented from exhibiting photocatalytic activity and / or hydrophilicity for a long time by light irradiation. An object of the present invention is to provide a building material for an outer wall excellent in soiling.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have intensively studied to solve the above-mentioned problems, and as a result, have reached the present invention. That is, the present invention is as follows.
1. A building material for an outer wall having a coating containing a photocatalyst (A) and a binder component (B) on the surface of a base material, wherein the concentration of the photocatalyst (A) in the coating is determined from the surface of the coating in contact with the base material surface. A building material for an antifouling exterior wall, wherein the building material is raised toward the other exposed surface.
2. The building material for an antifouling outer wall according to Invention 1, wherein the coating is formed from a photocatalyst composition (C) containing a photocatalyst (A) and a binder component (B).
[0009]
3. The photocatalyst (A) comprises a triorganosilane unit represented by the formula (1), a monooxydiorganosilane unit represented by the formula (2), a dioxyorganosilane unit represented by the formula (3), and Methylene fluoride (-CF2-) Selected from the group consisting of compounds having at least one structural unit selected from the group consisting of units;
The antifouling exterior wall building material according to invention 1 or 2, which is a modified photocatalyst (A1) modified with at least one modifier compound (b).
R3Si- (1)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched A fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group)
− (R2SiO)-(2)
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
[0010]
Embedded image
Figure 2004099838
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
[0011]
4. The building material for an antifouling exterior wall according to any one of Inventions 1 to 3, wherein the binder component (B) contains a phenyl group-containing silicone (BP) represented by the following formula (4).
R1 pR2 qXrSiO(4-pqr) / 2(4)
(Wherein each R1Represents a phenyl group;2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom.
And p, q and r are 0 <p <4, 0 ≦ q <4, 0 ≦ r <4, and 0 <(p + q + r) <4, and 0.05 ≦ p / (p + q) ≦ 1. is there. )
[0012]
5. The antifouling exterior wall building according to invention 4, wherein the phenyl group-containing silicone (BP) is a phenyl group-containing silicone (BP1) having no alkyl group and represented by the following formula (5). material.
R1 sXtSiO(4-st) / 2(5)
(Where R1Represents a phenyl group, and X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. . s and t are 0 <s <4, 0 ≦ t <4, and 0 <(s + t) <4. )
6. The construction material for an antifouling exterior wall according to invention 4, wherein the binder component (B) further contains an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the following formula (6).
R2 uXvSiO(4-uv) / 2(6)
(Where R2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. U and v are 0 <u <4, 0 ≦ v <4, and 0 <(u + v) <4. )
[0013]
7. The binder component (B) contains a phenyl group-containing silicone (BP1) containing no alkyl group represented by the formula (5) and an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the formula (6). The antifouling exterior wall building material according to any one of Inventions 1 to 3, which is characterized by the following.
R1 sXtSiO(4-st) / 2(5)
(Where R1Represents a phenyl group, and X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. . s and t are 0 <s <4, 0 ≦ t <4, and 0 <(s + t) <4. )
R2 uXvSiO(4-uv) / 2(6)
(Where R2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. u and v are 0 <u <4, 0 ≦ v <4, and 0 <(u + v) <4. )
[0014]
8. The alkyl group-containing silicone (BA) has a monooxydiorganosilane unit (D) represented by the formula (7) and a dioxyorganosilane unit (T) represented by the formula (8). The construction material for an antifouling exterior wall according to invention 6 or 7.
− (R2 2SiO)-(7)
(Where R2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms.
[0015]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R2Is as defined in equation (7). )
[0016]
9.建築 The antifouling exterior wall building material according to any one of Inventions 6 to 8, wherein the phenyl group-containing silicone (BP) and the alkyl group-containing silicone (BA) have a phase-separated structure.
10.建築 The antifouling exterior wall building material according to Invention 9, wherein the photocatalyst (A) is present in the alkyl group-containing silicone (BA) phase.
11. The building material for an antifouling exterior wall according to Invention 3, wherein the number average particle diameter of the modified photocatalyst (A1) is 400 nm or less.
12. The building material for an antifouling outer wall according to invention 3, wherein the modifier compound (b) is a silicon compound containing a Si-H group (b1) represented by the formula (9).
HxRySiO(4-xy) / 2(9)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched Represents a fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group, wherein x and y are 0 <x <4,0. <Y <4, and (x + y) ≦ 4.)
[0017]
13. The Si-H group-containing silicon compound (b1) is a mono-Si-H group-containing compound represented by the formula (10), a compound having both ends Si-H groups represented by the formula (11), a formula (12) 13. The antifouling exterior wall building material according to claim 12, which is at least one compound selected from the group consisting of H silicone represented by
[0018]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R3Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, It represents a chain or branched C1-C30 fluoroalkyl group, a phenyl group, or a siloxy group represented by the formula (13).
-O- (R4 2SiO)m-SiR4 3・ ・ ・ (13)
(Where R4Are each independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a linear or branched fluoroalkyl group having 1 to 30 carbon atoms. Represents a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, or a phenyl group. Further, m is an integer, and 0 ≦ m ≦ 1000. ))
H- (R3 2SiO)n-SiR3 2-H (11)
(Where R3Is as defined in equation (10). n is an integer and 0 ≦ n ≦ 1000. )
(R3HSiO)a(R3 2SiO)b(R3 3SiO1/2)c・ ・ ・ (12)
(Where R3Is as defined in equation (10). a is an integer of 1 or more, b is an integer of 0 or more, (a + b) ≦ 10000, and c is 0 or 2. However, when (a + b) is an integer of 2 or more and c = 0, the H silicone of the formula (12) is a cyclic silicone, and when c = 2, the H silicone of the formula (12) is a chain silicone. Silicone. )
[0019]
14.建築 The antifouling exterior wall building material according to Invention 1, wherein the binder component (B) in the coating forms a phase-separated structure.
15. The antifouling building material for an exterior wall according to Invention 1, wherein the building material exhibits photocatalytic activity and / or hydrophilicity by irradiating light having an energy higher than the band gap energy of the photocatalyst (A) contained in the coating. .
16. By irradiating light having an energy higher than the band gap energy of the photocatalyst (A) contained in the film, at least a part of the organic groups bonded to silicon atoms present in the vicinity of the photocatalyst (A) particles has a hydroxyl group and a hydroxyl group. The antifouling exterior wall building material according to any one of Inventions 3, 4, 6, and 7, wherein the building material is substituted with a siloxane bond.
17. (4) A photocatalyst composition (C) containing a photocatalyst (A) and a binder component (B), wherein the photocatalyst coating composition for a building material for an outer wall, wherein the composition according to the first aspect of the present invention is formed.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The antifouling exterior wall building material of the present invention is an exterior wall building material having a coating containing a photocatalyst (A) and a binder component (B) on the surface of a substrate, and the concentration of the photocatalyst (A) in the coating. Is increased from the surface in contact with the substrate surface of the coating toward the other exposed surface.
[0021]
At this time, when the relative concentration of the photocatalyst content (concentration) of the entire film is 100 or more in the vicinity of the surface side in contact with the exposed surface, the effect of improving the photocatalytic ability and the hydrophilizing ability is exhibited, and the antifouling effect is obtained. Is preferred. The relative concentration near the surface side is more preferably 150 or more, and further preferably 200 or more. Further, it is preferable that the relative concentration near the surface in contact with the base material surface is 50 or less from the viewpoint of the effect of preventing interface deterioration. The relative concentration near the surface in contact with the substrate surface is more preferably 10 or less, and further preferably 0.
[0022]
Further, the concentration of the photocatalyst (A) in the film in the present invention may be gradually increased from the surface in contact with the substrate surface to the other exposed surface, or may be simply increased in the surface in contact with the substrate surface. The photocatalyst concentration may be low, the photocatalyst concentration on the other exposed surface may be high, and the change during that period may be discontinuous.
Further, in the film of the present invention, it is preferable that there is no clear film interface as occurs when a photocatalytic layer is applied on the protective layer. That is, when there is no clear film interface as occurs when the photocatalyst layer is applied on the protective layer, the photocatalyst is firmly fixed in the film, and the problem such as separation of the photocatalyst does not occur.
[0023]
The base material of the building material for an outer wall in the present invention may be a material used for an existing building material for an outer wall, and is not particularly limited. For example, concrete, stone, crystallized glass, glass block, brick, glazed tile, unglazed tile, lightweight cellular concrete board, asbestos cement calcium silicate board, precast reinforced concrete board, asbestos slate board, pulp cement board, gypsum board board, etc. Inorganic base materials, various metals such as aluminum, stainless steel, and steel, or various metal base materials subjected to surface treatment such as anodizing treatment, ceramics, synthetic resins, and the like can be used. The material of the organic film formed on the surface of any substrate includes ABS resin, styrene acrylonitrile copolymer (SAN), acetate cellulose, butyrate acetate, cresol resin, nitrate cellulose, casein, epoxy resin. , Melamine resin, polyamide, polycarbonate, ethylene trifluoride resin, diallyl phthalate resin, polyethylene, phenol resin, acrylic resin, acetal resin, polypropylene, polystyrene, urethane resin, vinyl acetate resin, vinyl chloride resin, vinylidene chloride resin, urea resin , Polyester resin, silicone resin, fluorine resin, acrylic silicone resin, and the like. In addition, wood, paper, and rubber materials can also be used. The form of the base material is a product such as a shaped material, a panel, a sheet, a film, and other various shaped products, a component or a frame material, a panel material, a building material unit (for example, a curtain wall) made of a silicone sealant material, a siding material, and a roof. It may be a member using a silicone sealant material for joints such as a material and a tile material, and is not limited to a specific material.
[0024]
In the present invention, the photocatalyst (A) refers to an electron in the valence band when irradiated with light (excitation light) having an energy (that is, a shorter wavelength) larger than the energy gap between the conduction band and the valence band. Refers to a substance that can generate conduction electrons and holes by being excited (photoexcitation). At this time, various chemical reactions can be performed by utilizing the reducing power of electrons generated in the conduction band and / or the oxidizing power of holes generated in the valence band. Examples of the chemical reaction promoted by the photocatalyst include oxidative decomposition reactions of various organic substances. Therefore, if this photocatalyst is immobilized on the surface of the building material for exterior wall, various organic substances (contaminants) attached to the building material for exterior wall can be oxidatively decomposed by using light energy, and furthermore, the photocatalyst can be oxidized and decomposed. It is possible to keep the surface of the building material hydrophilic.
[0025]
In the present invention, the term "photocatalytic activity" means that an oxidation or reduction reaction is caused by light irradiation. It is possible to determine whether or not the surface has photocatalytic activity by measuring the degradability of an organic substance such as a dye at the time of light irradiation on the material surface. The surface having photocatalytic activity exhibits excellent decomposition activity of contaminating organic substances and contamination resistance.
Further, in the present invention, the term “hydrophilic” refers to a case where the contact angle of water at 20 ° C. is preferably 60 ° or less. It is preferable because it exhibits contamination resistance due to its self-cleaning ability (self-cleaning) with water. From the viewpoint of exhibiting more excellent stain resistance, the contact angle of water on the surface is preferably 10 ° or less, more preferably 5 ° or less.
[0026]
In the present invention, as the photocatalyst (A) which can be usefully used for making the surface of the building material for exterior walls photocatalytically active and / or hydrophilic, for example, TiO2, ZnO, SrTiO3, CdS, GaP, InP, GaAs, BaTiO3, BaTiO4, BaTi4O9, K2NbO3, Nb2O5, Fe2O3, Ta2O5, K3Ta3Si2O3, WO3, SnO2, Bi2O3, BiVO4, NiO, Cu2O, SiC, MoS2, InPb, RuO2, CeO2, Ta3N5And layered oxides having at least one element selected from Ti, Nb, Ta and V (Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-74452, 2-172535, 7-24329). JP-A-8-89799, JP-A-8-89800, JP-A-8-89804, JP-A-8-198061, JP-A-9-248465, JP-A-10-99694, JP-A-10-244165 and the like, and nitrogen-doped titanium oxide (JP-A-13-278625, JP-A-13-278627, JP-A-13-335321, JP-A-14-029750, No. 13-207082) and oxygen-deficient titanium oxide (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 13-212457). Emissions photocatalyst can also be suitably used. In addition, TaON, LaTiO2N, CaNbO2N, LaTaON2, CaTaO2Oxynitride compounds such as N and Sm2Ti2S2O7The oxysulfide compound such as has a large photocatalytic activity by visible light and can be suitably used.
[0027]
Further, a metal such as Pt, Rh, Ru, Nb, Cu, Sn, Ni, Fe and / or an oxide thereof is added or fixed to these photocatalysts, or a photocatalyst coated with porous calcium phosphate or the like is used. (See Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-244166) can also be used.
The crystal particle diameter (primary particle diameter) of the photocatalyst (A) is preferably 1 to 400 nm, and more preferably a photocatalyst having a diameter of 1 to 50 nm is suitably selected.
[0028]
Among these photocatalysts, titanium oxide is preferable because it is non-toxic, has excellent chemical stability, and extremely increases the hydrophilicity of titanium oxide itself by light irradiation.
As the titanium oxide, any crystal form among anatase type, rutile type and brookite type may be used. Also, the above-mentioned nitrogen-doped titanium oxide and oxygen-deficient titanium oxide which are responsive to visible light can be suitably used as the titanium oxide.
As the photocatalyst (A) of the present invention, it is preferable to use a modified photocatalyst (A1) obtained by modifying the photocatalyst (A) with at least one modifier compound (b) described below.
[0029]
In the present invention, the modification of the photocatalyst (A) means that at least one type of the modifier compound (b) described below is immobilized on the surface of the photocatalyst (A) particles. It is considered that the above-mentioned modifier compound is fixed to the surface of the photocatalyst particles by van der Waals force (physical adsorption), Coulomb force or chemical bonding. In particular, modification using a chemical bond is preferable because the interaction between the modifier compound and the photocatalyst is strong, and the modifier compound is firmly fixed to the surface of the photocatalyst particles.
[0030]
By forming the photocatalyst (A) of the present invention as a modified photocatalyst (A1), when a film containing the photocatalyst (A) is formed on the surface of the base material of the building material for an outer wall of the present invention, Since the formation of a structure in which the concentration of the photocatalyst (A) increases from the surface of the film in contact with the substrate surface toward the other exposed surface is facilitated, particularly when combined with the binder component (B) described below, Very preferred.
In the present invention, the properties of the photocatalyst (A) used for the modification are important factors for the dispersion stability, film formability, and expression of various functions of the modified photocatalyst (A1). That is, as the photocatalyst (A) used in the modification of the present invention, a photocatalyst having a number average dispersed particle diameter of a mixture of primary particles and secondary particles of 400 nm or less effectively utilizes the surface characteristics of the modified photocatalyst. Preferred because it can. In particular, when a photocatalyst having a number average dispersed particle diameter of 100 nm or less is used, the modified photocatalyst (A1) to be formed and the coating of the present invention formed from the photocatalyst composition (C) containing the binder component (B) described below have a modified property. It is very preferable because the photocatalyst (A1) can be efficiently present on the surface (exposed surface) of the film. More preferably, a photocatalyst (A) having a size of 80 nm or less and 3 nm or more, further preferably 50 nm or less and 3 nm or more is suitably selected.
[0031]
As the photocatalyst (A), it is preferable to use a photocatalyst sol instead of a photocatalyst powder for the following reasons. In general, powder consisting of fine particles forms secondary particles in which single-crystal particles (primary particles) are strongly aggregated, so there are many wasted surface characteristics, but it is very difficult to disperse them into primary particles. It is. In contrast, in the case of a photocatalytic sol, the photocatalytic particles exist in a form close to the primary particles without dissolving, so that the surface characteristics can be effectively utilized, and the modified photocatalyst generated therefrom has dispersion stability, film forming property, etc. In addition to being excellent in the properties, various functions can be effectively exhibited, so that it can be preferably used. Here, the photocatalyst sol used in the present invention means that the photocatalyst particles are 0.01 to 70% by mass, preferably 0.1 to 50% by mass in water and / or an organic solvent as primary particles and / or secondary particles. It is distributed.
[0032]
Here, examples of the organic solvent used in the photocatalytic sol include alcohols such as ethylene glycol, butyl cellosolve, n-propanol, isopropanol, n-butanol, ethanol, and methanol; and aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene. , Aliphatic hydrocarbons such as hexane, cyclohexane and heptane, esters such as ethyl acetate and n-butyl acetate, ketones such as acetone, methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone, ethers such as tetrahydrofuran and dioxane, dimethylacetamide and dimethyl Examples include amides such as formamide, halogen compounds such as chloroform, methylene chloride, and carbon tetrachloride, dimethyl sulfoxide, nitrobenzene, and the like, and a mixture of two or more of these.
[0033]
Taking titanium oxide sol as an example of the photocatalyst sol, for example, titanium oxide hydrosol in which water is substantially used as a dispersion medium and titanium oxide particles are peptized therein can be used. (Here, “substantially using water as a dispersion medium” means that the dispersion medium contains about 80% by mass or more of water.) The preparation of such a sol is known and can be easily produced ( JP-A-63-17221, JP-A-7-819, JP-A-9-165218, JP-A-11-43327, etc.). For example, metatitanic acid produced by heating and hydrolyzing an aqueous solution of titanium sulfate or titanium tetrachloride is neutralized with aqueous ammonia, and the precipitated hydrous titanium oxide is filtered, washed, and dehydrated to obtain an aggregate of titanium oxide particles. Can be The aggregates are peptized under the action of nitric acid, hydrochloric acid, ammonia, or the like, and subjected to hydrothermal treatment or the like to obtain a titanium oxide hydrosol. In addition, as the titanium oxide hydrosol, one obtained by peptizing titanium oxide particles under the action of an acid or an alkali, or a dispersion stabilizer such as sodium polyacrylate as necessary without using an acid or an alkali, is used. Sols that are used and dispersed in water under strong shear can also be used. Furthermore, an anatase-type titanium oxide sol whose particle surface is modified with a peroxo group, which has excellent dispersion stability even in an aqueous solution having a pH around neutral, can be easily obtained by the method proposed in JP-A-10-67516. it can.
[0034]
The titanium oxide hydrosol described above is commercially available as titania sol. (For example, "STS-02" manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd., "TO-240" manufactured by Tanaka Transcription Co., Ltd.)
The titanium oxide in the titanium oxide hydrosol is preferably at most 50% by mass, more preferably at most 30% by mass. More preferably, it is 30% by mass or less and 0.1% by mass or more.
[0035]
The viscosity (20 ° C.) of such hydrosols is relatively low. In the present invention, the viscosity of the hydrosol is preferably in the range of about 0.5 mPa · s to 2000 mPa · s. It is more preferably 1 mPa · s to 1000 mPa · s, and still more preferably 1 mPa · s to 500 mPa · s.
Also, for example, a cerium oxide sol (see JP-A-8-59235) or a layered oxide sol containing at least one element selected from the group consisting of Ti, Nb, Ta, and V (JP-A-9-25123) , JP-A-9-67124, JP-A-9-227122, JP-A-9-227123, JP-A-10-259023, etc.), and the like. Is known to.
[0036]
Further, a photocatalyst organosol in which an organic solvent is substantially used as a dispersion medium and photocatalyst particles are dispersed therein is, for example, a compound having a phase transfer activity such as polyethylene glycol (eg, a different first phase and a second phase). A third phase is formed at the interface with the phase, and the first phase, the second phase, and the third phase are treated with a compound that dissolves and / or solubilizes each other, and diluted with an organic solvent. JP-A-10-167727), a method of preparing a sol by dispersing and transferring in an organic solvent insoluble in water with an anionic surfactant such as sodium dodecylbenzenesulfonate (JP-A-58-29863), and butyl cellosolve. After adding alcohols having a higher boiling point than water to the photocatalytic hydrosol, water can be removed by distillation (under reduced pressure) or the like. A titanium oxide organosol in which an organic solvent is substantially used as a dispersion medium and titanium oxide particles are dispersed therein is commercially available (for example, “TKS-251” manufactured by Teica Corporation). Here, “substantially using an organic solvent as a dispersion medium” means that the dispersion medium contains about 80% by mass or more of an organic solvent.
[0037]
In the present invention, at least one kind of the modifier compound (b) used to obtain the modified photocatalyst (A1) comprises a triorganosilane unit represented by the formula (1) and a monooxy compound represented by the formula (2). A diorganosilane unit, a dioxyorganosilane unit represented by the formula (3), and methylene fluoride (—CF2-) Selected from the group consisting of compounds having at least one structural unit selected from the group consisting of units;
R3Si- (1)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched A fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group)
− (R2SiO)-(2)
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
[0038]
Embedded image
Figure 2004099838
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
[0039]
The modified photocatalyst (A1) in which the surface of the photocatalyst particles is modified with the modifier compound (b) having the above-mentioned structural unit has a very small surface energy on the particle surface.
In the present invention, the modification treatment of the photocatalyst (A) with the modifier compound (b) is carried out in the presence or absence of water and / or an organic solvent, with the photocatalyst (A) and the modifier compound ( b) is preferably mixed at a mass ratio of (A) / (b) = 1/99 to 99.9 / 0.1, more preferably (A) / (b) = 10/90 to 99/1. Preferably, it can be obtained by heating at 0 to 200 ° C., more preferably at 10 to 80 ° C., or changing the solvent composition of the mixture by (reduced pressure) distillation or the like.
[0040]
Here, in the case of performing the above-mentioned modification treatment, as the organic solvent that can be used, for example, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, hexane, cyclohexane, aliphatic hydrocarbons such as heptane, ethyl acetate, n-butyl acetate and the like Esters, alcohols such as ethylene glycol, butyl cellosolve, isopropanol, n-butanol, ethanol and methanol; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; amides such as dimethylacetamide and dimethylformamide And halogen compounds such as chloroform, methylene chloride and carbon tetrachloride, dimethyl sulfoxide, nitrobenzene and the like, and a mixture of two or more thereof.
[0041]
Examples of the modifier compound (b) used to obtain the modified photocatalyst (A1) of the present invention include a Si—H group, a hydrolyzable silyl group (an alkoxysilyl group, a hydroxysilyl group, a halogenated silyl group, Acetoxysilyl groups, aminoxysilyl groups, etc.), epoxy compounds, acetoacetyl groups, thiol groups, acid anhydride groups, etc., reactive with photocatalyst particles (a), silicon compounds, fluoroalkyl compounds, fluoroolefin polymers, etc. Can be mentioned.
[0042]
Other examples of the modifier compound (b) include, for example, a silicon compound having a structure that interacts with photocatalyst particles (a) such as a polyoxyalkylene group by Van der Waals force, Coulomb force, or the like. Examples thereof include a fluoroalkyl compound and a fluoroolefin polymer.
In the present invention, when the Si—H group-containing silicon compound (b1) represented by the composition formula (9) is used as the modifier compound (b), the surface of the photocatalyst particles can be modified very efficiently. preferable.
HxRySiO(4-xy) / 2(9)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched Represents a fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group, wherein x and y are 0 <x <4,0. <Y <4, and (x + y) ≦ 4.)
[0043]
In the present invention, the modification of the photocatalyst (A) with the Si—H group-containing silicon compound (b1) represented by the above composition formula (9) is carried out in the presence or absence of water and / or an organic solvent. (A) and the Si-H group-containing silicon compound (b1) preferably have a mass ratio of (A) / (b1) = 1/99 to 99.9 / 0.1, and more preferably (A) / (b1). = 10/90 to 99/1, preferably at 0 to 200 ° C. Hydrogen gas is generated from the mixed solution by this modification operation, and when a photocatalyst sol is used as the photocatalyst (A), an increase in the average dispersed particle diameter is observed. Further, for example, when titanium oxide is used as the photocatalyst (A), the decrease of the Ti—OH group is caused by the above modification operation to be 3630 to 3640 cm in the IR spectrum.-1Is observed as a decrease in absorption.
[0044]
From these facts, when the Si—H group-containing silicon compound (b1) represented by the above formula (9) is selected as the modifier compound (b), the modified photocatalyst (A1) of the present invention has a Si—H This is not a simple mixture of the group-containing silicon compound (b1) and the photocatalyst (A), but is very preferable because it can be expected that some kind of interaction accompanying a chemical reaction occurs between the two. In fact, the modified photocatalyst (A1) obtained in this way has extremely excellent dispersion stability, chemical stability, durability and the like in an organic solvent.
[0045]
In the present invention, the modification of the photocatalyst (A) with the Si—H group-containing silicon compound (b1) represented by the above formula (9) is preferably performed using a dehydrocondensation catalyst for the Si—H group. It can also be carried out at 150 ° C.
In this case, the dehydrocondensation catalyst may be fixed to the photocatalyst (A) in advance by a method such as a photoreduction method, and may be modified with the Si—H group-containing silicon compound (b1). The photocatalyst (A) may be modified with the above Si-H group-containing compound silicon (b1) below.
[0046]
Here, the dehydrocondensation catalyst for the Si-H group means a Si-H group and an active hydrogen group such as a hydroxyl group (Ti-OH group in the case of titanium oxide), a thiol group, an amino group, a carboxyl group, etc. present on the surface of the photocatalyst. Further, it refers to a substance that accelerates the dehydrocondensation reaction with water or the like. By using the dehydrocondensation catalyst, the surface of the photocatalyst can be modified under mild conditions.
Examples of the dehydrocondensation catalyst include, for example, platinum group catalysts, that is, ruthenium, rhodium, palladium, osmium, iridium, a simple substance of platinum and its compound, and a simple substance of silver, iron, copper, cobalt, nickel, tin and the like and its compound. No. Of these, platinum group catalysts are preferred, and simple platinum and its compounds are particularly preferred.
Here, as the platinum compound, for example, platinum (II) chloride, tetrachloroplatinic acid (II), platinum chloride (IV), hexachloroplatinic acid (IV), ammonium hexachloroplatinum (IV), hexachloroplatinum (IV) Potassium, platinum hydroxide (II), platinum dioxide (IV), dichloro-dicyclopentadienyl-platinum (II), platinum-vinylsiloxane complex, platinum-phosphine complex, platinum-olefin complex and the like can be used. .
[0047]
In the Si—H group-containing silicon compound represented by the above formula (9) of the present invention, the Si—H group is a preferred functional group for modifying the photocatalyst under mild conditions with good selectivity. On the other hand, the hydrolyzable group can also be used for the modification of the photocatalyst, but in order to suppress the side reaction and improve the stability of the resulting modified photocatalyst, the smaller the content thereof, the better. preferable.
Examples of the Si—H group-containing silicon compound (b1) represented by the formula (9) that can be suitably used in the present invention include a mono-Si—H group-containing compound represented by the formula (10), At least one S—H group-containing compound having no hydrolyzable silyl group selected from the group consisting of a Si—H group-containing compound at both ends represented by Can be mentioned.
[0048]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R3Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, It represents a chain or branched C1-C30 fluoroalkyl group, a phenyl group, or a siloxy group represented by the formula (13).
-O- (R4 2SiO)m-SiR4 3・ ・ ・ (13)
(Where R4Are each independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a linear or branched fluoroalkyl group having 1 to 30 carbon atoms. Represents a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, or a phenyl group. Further, m is an integer, and 0 ≦ m ≦ 1000. ))
H- (R3 2SiO)n-SiR3 2-H (11)
(Where R3Is as defined in equation (10). n is an integer and 0 ≦ n ≦ 1000. )
(R3HSiO)a(R3 2SiO)b(R3 3SiO1/2)c・ ・ ・ (12)
(Where R3Is as defined in equation (10). a is an integer of 1 or more, b is an integer of 0 or more, (a + b) ≦ 10000, and c is 0 or 2. However, when (a + b) is an integer of 2 or more and c = 0, the H silicone of the formula (12) is a cyclic silicone, and when c = 2, the H silicone of the formula (12) is a chain silicone. Silicone. )
[0049]
In the present invention, specific examples of the mono-Si-H group-containing compound represented by the above formula (10) include, for example, bis (trimethylsiloxy) methylsilane, bis (trimethylsiloxy) ethylsilane, bis (trimethylsiloxy) n-propylsilane , Bis (trimethylsiloxy) i-propylsilane, bis (trimethylsiloxy) n-butylsilane, bis (trimethylsiloxy) n-hexylsilane, bis (trimethylsiloxy) cyclohexylsilane, bis (trimethylsiloxy) phenylsilane, bis (triethylsiloxy) ) Methylsilane, bis (triethylsiloxy) ethylsilane, tris (trimethylsiloxy) silane, tris (triethylsiloxy) silane, pentamethyldisiloxane, 1,1,1,3,3,5,5-heptamethyltrisilo Sun, 1,1,1,3,3,5,5,6,6-nonamethyltetrasiloxane, trimethylsilane, ethyldimethylsilane, methyldiethylsilane, triethylsilane, phenyldimethylsilane, diphenylmethylsilane, cyclohexyldimethylsilane , T-butyldimethylsilane, di-t-butylmethylsilane, n-octadecyldimethylsilane, tri-n-propylsilane, tri-i-propylsilane, tri-i-butylsilane, tri-n-hexylsilane, triphenyl Examples thereof include silane, allyldimethylsilane, 1-allyl-1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, chloromethyldimethylsilane, and 7-octenyldimethylsilane.
[0050]
Among these mono-Si-H group-containing compounds, bis (trimethylsiloxy) methylsilane, tris (trimethylsiloxy) methylsilane, and tris (trimethylsiloxy) methylsilane are preferred because of their high reactivity (dehydrogenation condensation reaction) and low surface energy during the modification treatment of the photocatalyst. (Trimethylsiloxy) silane, pentamethyldisiloxane, and the like having a siloxy group in the molecule and not having a phenyl group are preferably represented by the following formula (14).
[0051]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R5Is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a linear or branched alkenyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, A linear or branched fluoroalkyl group having 1 to 30 carbon atoms or a group consisting of at least one member selected from siloxy groups represented by the formula (13b);5At least one is a siloxy group represented by the formula (13b).
-O- (R42SiO)m-SiR43・ ・ ・ (13b)
(Where R4Is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched fluoro group having 1 to 30 carbon atoms. Represents an alkyl group. Further, m is an integer, and 0 ≦ m ≦ 1000. ))
[0052]
In the present invention, specific examples of the compound having a Si—H group at both ends represented by the above formula (11) include, for example, 1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, 1,1,3,3,5 H-terminal polydimethylsiloxanes having a number average molecular weight of 50,000 or less, such as 1,5-hexamethyltrisiloxane and 1,1,3,3,5,5,7,7-octamethyltetrasiloxane; Number average molecular weight of 50,000 or less such as 3-tetraethyldisiloxane, 1,1,3,3,5,5-hexaethyltrisiloxane, 1,1,3,3,5,5,7,7-octaethyltetrasiloxane H-terminal polydiethylsiloxanes, 1,1,3,3-tetraphenyldisiloxane, 1,1,3,3,5,5-hexaphenyltrisiloxane, 1,1,3,3,5,5 , 7,7-octa H-terminal polydiphenylsiloxanes having a number average molecular weight of 50,000 or less such as phenyltetrasiloxane, 1,3-diphenyl-1,3-dimethyl-disiloxane, 1,3,5-trimethyl-1,3,5-triphenyl H-terminal polyphenylmethylsiloxanes having a number average molecular weight of 50,000 or less, such as trisiloxane, 1,3,5,7-tetramethyl-1,3,5,7-tetraphenyl-tetrasiloxane, dimethylsilane and ethylmethyl Examples thereof include silane, diethylsilane, phenylmethylsilane, diphenylsilane, cyclohexylmethylsilane, t-butylmethylsilane, di-t-butylsilane, n-octadecylmethylsilane, and allylmethylsilane.
[0053]
Among these, the number average molecular weight is preferably 10,000 or less, more preferably 2000 or less, from the viewpoint of the reactivity (dehydrocondensation reaction) of the Si—H group and the low surface energy during the modification treatment of the photocatalyst. Preferably, an H-terminal polydialkylsiloxane of 1000 or less (formula (15)) can be suitably used as a compound having a Si-H group at both ends.
H- (R6 2SiO)d-SiR6 2-H (15)
(Where R6Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, or a linear or branched fluoroalkyl group having 1 to 30 carbon atoms. d is an integer and 0 ≦ d ≦ 1000. )
The H silicone represented by the above formula (12) used in the present invention has a number average molecular weight of preferably 5,000 or less, more preferably 5,000 or less, from the viewpoint of dispersion stability (prevention of aggregation of photocatalyst particles) during the modification treatment of the photocatalyst. H silicone of 2000 or less, more preferably 1000 or less can be suitably used.
[0054]
Further, a preferred embodiment of the modified photocatalyst (A1) of the present invention is such that the number average dispersed particle diameter of the mixture of primary particles and secondary particles of the modified photocatalyst is 400 nm or less, more preferably 1 nm or more and 100 nm or less, particularly preferably 5 nm or more. It is 80 nm or less. It is preferably in a sol state.
In particular, when a modified photocatalyst sol having a number average dispersed particle size of 100 nm or less is used for the photocatalyst composition (C) of the present invention, the concentration of the modified photocatalyst particles is small near the interface in contact with the substrate surface, and is small near the surface of the film. This is advantageous for forming a film that is anisotropically distributed in the surface direction such that the film is largely distributed, and is very preferable because it forms a film having a large photocatalytic activity without deterioration of the interface with the substrate surface due to photocatalysis. Such a modified photocatalyst sol can be obtained by using the above-described photocatalyst sol as a photocatalyst to be modified with the modifier compound (b).
[0055]
Conventionally, a numerical value simply indicated as a particle size in titanium dioxide or the like is a primary particle size (crystallite size) in many cases, and is not a numerical value in consideration of a secondary particle size due to aggregation.
The photocatalyst composition (C) forming the film of the present invention comprises a photocatalyst (A) (preferably a modified photocatalyst (A1)) and a binder component (B), and has a mass ratio (A1) / (B). ) Is preferably from 0.1 / 99.9 to 90/10, and more preferably (A1) / (B) is contained at 1/99 to 50/50.
[0056]
The modified photocatalyst (A1) of the present invention is a modifier compound (b) having a structure with a very small surface energy (at least one structure selected from the formulas (1) to (3) and the methylene fluoride unit). Because of the denaturation treatment, when forming a film, it has the property of easily moving to the film surface in contact with air.
Here, by using a photocatalyst (A), particularly a binder resin (B ′) having a higher surface energy than the modified photocatalyst (A1) as the binder component (B) of the present invention, the above-mentioned properties of the modified photocatalyst (A1) can be obtained. To facilitate this, the photocatalyst composition (C) of the present invention can have a large self-gradient in the distribution of the photocatalyst (A), especially the modified photocatalyst (A1). Here, the term “self-gradient” means that when a film is formed from the photocatalyst composition (C), the photocatalyst (A), particularly the modified photocatalyst (A1), forms the film and the properties of the interface (particularly hydrophilic / hydrophobic) in the formation process. ) Means autonomously forming a structure having a concentration gradient of the photocatalyst (A), particularly the modified photocatalyst (A1).
[0057]
As the binder component (B) of the present invention, when a resin having a surface energy larger than that of the photocatalyst (A) (preferably the modified photocatalyst (A1)) by 2 mN / m or more, preferably 5 mN / m or more is selected, the above-mentioned self-gradient can be obtained. Is very preferable.
Here, the surface energy and the relative difference between the surface energies can be determined by referring to, for example, Polymer Handbook (published by A Wiley-interscience publication in the United States) or by the following method.
That is, the photocatalyst (A) constituting the photocatalyst composition (C), particularly the modified photocatalyst (A1) and the binder component (B) were used to prepare substrates having their respective coatings, and deionized water was added dropwise to the base. The contact angle (θ) at ° C. is measured, and the respective surface energies can be obtained by the following empirical formula of Cell and Neumann.
[0058]
(Equation 1)
Figure 2004099838
[In the formula, γs represents the surface energy (mN / m) of the film obtained by measuring the contact angle of deionized water, and γ1 represents the surface energy of water {72.8 mN / m (20 ° C.)}. ]
[0059]
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, the compound that can be used for the binder component (B) is not particularly limited as long as it has a surface energy that satisfies the above conditions, and various compounds, synthetic resins, natural resins, and the like can be used. And those which are cured by drying, heating, moisture absorption, light irradiation or the like after the formation of the coating or the molded article. The form may be in a solvent-free state (pellet, powder, liquid, or the like) or may be dissolved or dispersed in a solvent, and is not particularly limited.
[0060]
As the synthetic resin, a thermoplastic resin and a curable resin (a thermosetting resin, a photocurable resin, a moisture curable resin, etc.) can be used. For example, a silicone resin, an acrylic resin, a methacrylic resin, a fluororesin, Alkyd resin, amino alkyd resin, vinyl resin, polyester resin, styrene-butadiene resin, polyolefin resin, polystyrene resin, polyketone resin, polyamide resin, polycarbonate resin, polyacetal resin, polyetheretherketone resin, polyphenylene oxide resin, polysulfone resin, Polyphenylene sulfone resin Polyether resin, polyvinyl chloride resin, polyvinylidene chloride resin, urea resin, phenol resin, melamine resin, epoxy resin, urethane resin, silicone-acrylic resin and the like can be mentioned.
[0061]
Examples of the natural polymer include cellulose resins such as nitrocellulose, isoprene resins such as natural rubber, protein resins such as casein, and starch.
In the present invention, as the binder component (B) used in the photocatalyst composition (C), a phenyl group-containing silicone (BP) represented by the following formula (4) has a higher surface energy than the modified photocatalyst (A1) of the present invention. And the siloxane bond (—O—Si—) forming the skeleton thereof is most preferably used because it does not undergo oxidative decomposition due to photocatalysis.
R1 pR2 qXrSiO(4-pqr) / 2(4)
(Wherein each R1Represents a phenyl group;2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. And p, q and r are 0 <p <4, 0 ≦ q <4, 0 ≦ r <4, and 0 <(p + q + r) <4, and 0.05 ≦ p / (p + q) ≦ 1. is there. )
The phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) includes, for example, at least one structure of a siloxane bond represented by the general formulas (16), (17), (18) and (19). Silicone can be mentioned.
[0062]
Embedded image
Figure 2004099838
− (R7 2SiO)-(17)
[0063]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R7Each independently represents a phenyl group, a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, or a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms. )
[0064]
Embedded image
Figure 2004099838
[0065]
The silicone having the above-described structure is, for example, a compound represented by the general formula R7Six3(Where R7Represents a phenyl group, a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, or a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms. Each X is independently selected from the group consisting of a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogen atom. Represents one reactive group. The same applies hereinafter. And / or a trifunctional silane derivative represented by the general formula R7 2Six2And / or a general formula SiX4Is partially hydrolyzed and polycondensed, and if necessary, a general formula R7 3It can be prepared by terminating the terminal with a monofunctional silane derivative represented by SiX and / or an alcohol. The weight average molecular weight in terms of polystyrene of the partial condensate of the silane derivative monomer thus obtained is preferably 100 to 100,000, more preferably 400 to 50,000.
[0066]
Among these, when the phenyl group-containing silicone represented by the formula (4) is selected from those containing the ladder structure represented by the formula (16) in an amount of 10 mol% or more, preferably 40 mol% or more, the present invention The photocatalyst-containing film formed from the photocatalyst composition (C) is preferable because it is extremely excellent in hardness, heat resistance, weather resistance, stain resistance, chemical resistance and the like. In particular, a phenyl ladder structure [R in formula (16)]7Are all phenyl groups] since the physical properties of the photocatalyst-containing film described above are greatly improved. Such a ladder structure is, for example, 1040 cm in an infrared absorption spectrum.-1And 1160cm-1It can be identified by the presence of absorption derived from two nearby siloxane bonds.
(See JF Brown. Jr., et al .: J. Am. Chem. Soc., 82, 6194 (1960).)
The phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) used in the present invention preferably has a Ph-Si bond (Ph: phenyl group).
[0067]
That is, in the photocatalyst composition (C) of the present invention, the modified photocatalyst (A1) that has been modified with the modifier compound (b) having a structure (formulas (1) to (3)) having a very small surface energy. By using a binder component (B) containing a phenyl group-containing silicone (BP) having a higher surface energy than that of the modified photocatalyst (A1) as a binder, the photocatalyst composition (C) of the present invention can be used as the modified photocatalyst (A1). It is possible to have a high self-gradient in distribution.
[0068]
The effect of expressing self-gradient by such a phenyl group-containing silicone (BP) having a high surface energy is due to the phenyl group (R1) With a phenyl group (R1) And R2(R2Represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or an alkenyl group having 2 to 20 carbon atoms. ) Or less (R1+ R2). The use of such a phenyl group-containing silicone (BP), which can be more remarkably achieved by using a phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) having 5 mol% or more of}, Is preferred.
[0069]
Further, the above-described effect of expressing the self-gradient is due to the phenyl group (R1) Of (R1+ R2) Increases as the ratio increases. Therefore, the more preferable phenyl group-containing silicone of the binder component (B) used in the photocatalyst composition of the present invention is (R)1+ R2) To the phenyl group (R1) Is at least 10 mol%, more preferably at least 20 mol%, and even more preferably at least 50 mol%. In addition, the phenyl group-containing silicone (BP) has good adhesion to an organic substrate such as an organic resin, and the siloxane bond (—O—Si—) that forms the skeleton thereof does not undergo oxidative decomposition due to photocatalysis. The photocatalyst-containing film obtained by coating the photocatalyst composition (C) of the present invention on the decorative base coat layer of a building material for an exterior wall has extremely excellent weather resistance.
[0070]
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, as the phenyl group-containing silicone (BP) used for the binder component (B), a more preferable one exhibiting the above-mentioned effects is an alkyl group represented by the following formula (5). Is a phenyl group-containing silicone (BP1) containing no.
R1 sXtSiO(4-st) / 2(5)
(Where R1Represents a phenyl group, X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogen atom. , S and t are 0 <s <4, 0 ≦ t <4, and 0 <(s + t) <4. )
Further, when the binder component (B) further contains an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the following formula (6), a film formed from the photocatalyst composition of the present invention has a film-forming property, hardness, and heat resistance. It is preferable because it is excellent in terms of properties, stain resistance, chemical resistance and the like.
R2 uXvSiO(4-uv) / 2(6)
(Where R2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. u and v are 0 <u <4, 0 ≦ v <4, and 0 <(u + v) <4. )
[0071]
Furthermore, as the alkyl group-containing silicone (BA) mixed with the phenyl group-containing silicone (BP1), a monooxydiorganosilane unit (D) represented by the formula (7) and a dioxy compound represented by the formula (8) are used. When a structure having a molar ratio of oxyorganosilane units (T) of preferably (D) / (T) = 100/0 to 5/95, more preferably 90/10 to 10/90 is used. In addition, the stress relaxation effect of the alkyl group-containing silicone (BA) is increased, and the crack resistance of the photocatalyst-containing film formed from the photocatalyst composition (C) of the present invention is improved, resulting in extremely excellent weather resistance. .
− (R2 2SiO)-(7)
(Where R2Each independently represents a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. )
[0072]
Embedded image
Figure 2004099838
(Where R2Is as defined in equation (7). )
[0073]
In the present invention, in order to improve long-term weather resistance, it is preferable that the binder component (B) forms a phase-separated structure, and particularly preferably forms a structure with microphase separation.
For example, as the binder component (B), the above-mentioned photocatalyst (A), in particular, a binder resin (B ′) having a higher surface energy than the modified photocatalyst (A1) and an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the above formula (6) ) Is preferably mixed at a mass ratio of (B ′) / (BA) = 5/95 to 95/5, more preferably (B ′) / (BA) = 30/70 to 90/10. And a photocatalyst-containing film formed from the photocatalyst composition (C) of the present invention is obtained by forming a photocatalyst (A) in a binder in which a binder resin (B ′) having a high surface energy and an alkyl group-containing silicone (BA) are phase-separated. A dispersed structure is preferable because it has excellent long-term weather resistance.
[0074]
Here, in the phase separation between the binder component (B ') having a high surface energy and the alkyl group-containing silicone (BA), a phase which is not a continuous layer is preferably 1 nm3~ 1 μm3, More preferably 10 nm3~ 0.1 μm3, More preferably 10 nm3~ 0.001 μm3Is more effective when micro-phase separation is performed by forming a domain having a size of
In addition, when the photocatalyst (A) is present in the alkyl group-containing silicone (BA) phase in a phase separated state with the binder resin (B ′) having a high surface energy, the photocatalyst (A) is more present on the surface of the film. Is preferred.
[0075]
As the binder resin (B ′) having a high surface energy that is phase-separated from the alkyl group-containing silicone (BA) in the present invention, the phenyl group-containing silicone (BP) described above is a siloxane bond (—O—Si— Is preferable since oxidative decomposition by photocatalysis does not occur, and a phenyl group-containing silicone (BP1) containing no alkyl group is particularly preferable.
At this time, the phenyl group-containing silicone (BP1) and the alkyl group-containing silicone (BA) have a weight average molecular weight in terms of polystyrene measured by GPC of preferably 100 to 10,000, more preferably 500 to 6, When the binder component having a molecular weight of 000, more preferably 700 to 4,000 is used, the above-mentioned binder component (B) is preferable because it easily forms a microphase separation structure.
[0076]
The binder component (B) used in the photocatalyst composition (C) of the present invention may be any of a type dissolved in a solvent, a type dispersed in a solvent, and a type not mixed with a solvent (liquid or solid). Is also good.
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, the phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) has a reactive group (X in the formula (4)) even if it has a reactive group. The photocatalyst-containing coating obtained from the photocatalyst composition (C) of the present invention may have a reactive group (X in the formula (4)) (that is, 0 <r in the formula (4)). Is preferred because it has excellent hardness, heat resistance, chemical resistance, durability and the like. For the same reason, it is preferable that 0 <t in Expression (5) and 0 <v in Expression (6).
[0077]
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, the phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) has a reactive group (X in the formula (4)) as a hydroxyl group and / or a hydrolyzable group. In the case of having phenyl group-containing silicone (BP), a conventionally known hydrolysis catalyst or curing catalyst is added at a ratio of preferably 0.01 to 20% by mass, more preferably 0.1 to 5% by mass. be able to.
Preferred examples of the hydrolysis catalyst include acidic hydrogen halides, carboxylic acids, sulfonic acids, acidic or weakly acidic inorganic salts, and solid acids such as ion exchange resins. The amount of the hydrolysis catalyst is preferably in the range of 0.001 to 5 mol per mol of the hydrolyzable group on the silicon atom.
[0078]
Examples of the curing catalyst include basic compounds such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium methylate, sodium acetate, tetramethylammonium chloride, and tetramethylammonium hydroxide; tributylamine, diazabicycloundecene, ethylenediamine Amine compounds such as diethylenetriamine, ethanolamines, γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) -aminopropyltrimethoxysilane; titanium compounds such as tetraisopropyl titanate and tetrabutyl titanate; Aluminum compounds such as propoxide, aluminum acetylacetonate, aluminum perchlorate, aluminum chloride; tin acetylacetonate, dibutyltin octane Tin compounds such as tylate and dibutyltin dilaurate; metal-containing compounds such as cobalt octylate, cobalt acetylacetonate and iron acetylacetonate; acidic compounds such as phosphoric acid, nitric acid, phthalic acid, p-toluenesulfonic acid, and trichloroacetic acid And the like.
[0079]
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, when the phenyl group-containing silicone (BP) represented by the above formula (4) has a Si—H group, a crosslinking agent such as a polyfunctional alkenyl compound is added to the Si—H group. It is preferable that the alkenyl group is added in an amount of preferably 0.01 to 2 equivalents, more preferably 0.1 to 1 equivalent. The polyfunctional alkenyl compound is not particularly limited as long as it has an alkenyl group and reacts with an Si-H group to promote curing, but may have any of 2 to 30 carbon atoms such as a vinyl group, an allyl group, and a hexenyl group. Alkenyl group-containing silicones having a monovalent unsaturated hydrocarbon group are generally used.
[0080]
For the purpose of promoting the reaction between the Si-H group and the polyfunctional alkenyl compound, the catalyst is preferably used in an amount of 1 to 10,000 ppm, more preferably 1 to 10,000 ppm based on the total amount of the phenyl group-containing silicone (BP) and the polyfunctional alkenyl compound. It may be added at a rate of 1000 ppm. As the catalyst, a platinum group catalyst, that is, a compound of ruthenium, rhodium, palladium, osmium, iridium, and platinum is suitable, and a compound of platinum and a compound of palladium are particularly preferable. Examples of the platinum compound include platinum chloride (II), tetrachloroplatinic acid (II), platinum chloride (IV), hexachloroplatinic acid (IV), ammonium hexachloroplatinum (IV), potassium hexachloroplatinum (IV), and hydroxide. Platinum (II), platinum dioxide (IV), dichloro-dicyclopentadienyl-platinum (II), platinum-vinylsiloxane complex, platinum-phosphine complex, platinum-olefin complex and platinum alone, alumina, silica and activated carbon What carried solid platinum is mentioned. Examples of the palladium compound include palladium (II) chloride, ammonium tetraammonium palladium (II) chloride, palladium (II) oxide and the like. The platinum group catalyst is used in an amount of preferably 5 to 1000 ppm in terms of platinum group metal based on the total amount of the Si-H group-containing silicone and the polyfunctional alkenyl compound. Can be increased or decreased according to the curing speed or the like. If desired, an activity inhibitor such as various organic nitrogen compounds, organic phosphorus compounds and acetylene compounds may be added for the purpose of suppressing the activity of the platinum group catalyst and extending the pot life.
[0081]
Further, the photocatalyst composition (C) of the present invention contains silica, alumina, zirconium oxide, antimony oxide, rare earth oxide and the like for the purpose of improving the hardness, scratch resistance and hydrophilicity of the photocatalyst-containing film formed therefrom. The metal oxide fine particles may be added in a powder or sol state. However, these metal oxide fine particles do not have the ability as a binder like the binder component (B) in the present invention, and lower the flexibility (bending resistance and impact resistance) of the film similarly to the photocatalyst. Therefore, it is preferable that the total amount of the photocatalyst (A) and the metal oxide in the photocatalyst-containing film formed from the photocatalyst composition (C) be 50% by mass or less.
[0082]
The photocatalyst composition (C) of the present invention may be in a solvent-free state (liquid or solid) or in a state of being dissolved or dispersed in a solvent, and is not particularly limited. It is preferably in a state of being dissolved or dispersed in a solvent. At this time, the total amount of the modified photocatalyst (A1) and the binder component (B) in the photocatalyst composition (C) is preferably 0.01 to 95% by mass, more preferably 0.1 to 70% by mass.
[0083]
Examples of the solvent used in the photocatalyst composition (C) of the present invention include water, alcohols such as ethylene glycol, butyl cellosolve, isopropanol, n-butanol, ethanol, and methanol; aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene; hexane; Aliphatic hydrocarbons such as cyclohexane and heptane; esters such as ethyl acetate and n-butyl acetate; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; dimethylacetamide and dimethylformamide Examples include amides, halogen compounds such as chloroform, methylene chloride, and carbon tetrachloride, dimethyl sulfoxide, nitrobenzene, and the like. These solvents are used alone or in combination.
[0084]
In addition, the photocatalyst composition (C) of the present invention usually contains components that are usually added to the paint as necessary, such as pigments, fillers, dispersants, light stabilizers, wetting agents, thickeners, rheology control agents, An antifoaming agent, a plasticizer, a film forming aid, a rust inhibitor, a dye, a preservative, and the like can be selected and combined according to the respective purposes.
In the photocatalyst composition (C) of the present invention, when the self-grading property is extremely high (that is, the content (concentration) of the modified photocatalyst (A1) in the coating is 100 on the side other than the base material surface of the building material for the outer wall. When the relative concentration near the surface in contact with the exposed surface is preferably 150 or more, more preferably 200 or more), the mass ratio of the modified photocatalyst (A1) to the binder component (B) in the photocatalyst composition (C) is Preferably, (A1) / (B) = 0.1 / 99.9 to 40/60, more preferably (A1) / (B) = 0.1 / 99.9 to 30/70, the modified photocatalyst (A1). Even in the very low content range, the formed film has a sufficient hydrophilicity by light irradiation (superhydrophilicity: contact angle of water at 20 ° C. of 10 ° or less) and excellent photocatalytic activity. . In addition, since the film having a small content of the photocatalyst expresses the intrinsic properties of the binder component (B), the film has excellent strength, flexibility (bending resistance, impact resistance), and the like.
[0085]
The antifouling exterior wall building material in the present invention is, for example, preferably applied at 20 ° C. to 500 ° C., more preferably 20 ° C. to 500 ° C., after applying the photocatalyst composition (C) to the substrate surface of the exterior wall building material and drying. It can be obtained by performing a heat treatment at 40 ° C. to 250 ° C., irradiation with ultraviolet rays, and the like to form a film. Examples of the coating method include a spraying method, a flow coating method, a roll coating method, a brush coating method, a dip coating method, a spin coating method, a casting method, and a sponge coating method.
[0086]
At this time, the thickness of the film formed from the photocatalyst composition (C) of the present invention is preferably 0.1 to 200 μm, more preferably 0.5 to 20 μm, and still more preferably 1.5 to 10 μm.
In this specification, the expression “coating” is used, but the coating is not necessarily a continuous film, and may be a discontinuous film, an island-shaped dispersion film, or the like.
The antifouling exterior wall building material of the present invention exhibits photocatalytic activity and / or hydrophilicity by irradiating light (excitation light) having an energy higher than the band gap energy of the photocatalyst (A) contained in the coating, and is excellent. It exhibits antifouling performance.
[0087]
At this time, the photocatalyst (A) is composed of a triorganosilane unit represented by the above formula (1), a monooxydiorganosilane unit represented by the formula (2), and a dioxyorgano unit represented by the formula (3). In the case of a modified photocatalyst (A1) modified with at least one modifier compound (b) selected from the group consisting of compounds having at least one structural unit selected from the group consisting of silane units, the excitation light At least a part of the organic group (R) bonded to the silicon atom of the modifier compound (b) existing in the vicinity of the photocatalyst (A) particles by irradiation is replaced with a hydroxyl group by the decomposition action of the photocatalyst. As a result, the hydrophilicity of the surface of the film of the present invention is increased, and when the generated hydroxyl groups are dehydrated and condensed to form a siloxane bond, the hardness of the film becomes extremely high. Such a state is preferable in the embodiment of the present invention.
[0088]
Similarly, when the above-mentioned silicone is used as the binder component (B), at least a part of the organic group bonded to the silicon atom of the silicone present in the vicinity of the photocatalyst (A) particle by the excitation light irradiation is used. Hydroxyl groups are substituted by the decomposing action to increase the hydrophilicity of the film surface of the present invention, and when the dehydration condensation reaction between the generated hydroxyl groups proceeds to form siloxane bonds, the hardness of the film becomes extremely high. Such a state is preferable in the embodiment of the present invention.
[0089]
In the present invention, as a light source of light having an energy higher than the band gap energy of the photocatalyst (A), in addition to light obtained in a general residential environment such as sunlight and indoor lighting, black light, xenon lamp, mercury lamp, etc. Light is available.
That is, the present invention provides strong photocatalytic activity and / or hydrophilicity (water contact angle is preferably 20 ° or less, more preferably 10 ° or less) without deterioration of the substrate surface by light in a living environment. It is possible to provide an antifouling exterior wall building material that has a film that appears and can maintain the appearance of the exterior wall building material for a long period of time by rainfall or simple water washing without requiring a complicated process.
[0090]
【Example】
The present invention will be specifically described with reference to the following examples, reference examples, and comparative examples, but these do not limit the scope of the present invention.
In Examples, Reference Examples and Comparative Examples, various physical properties were measured by the following methods.
1. Particle size distribution and number average particle size
The sample was appropriately diluted by adding a solvent so that the photocatalyst content in the sample was 1 to 20% by mass, and measured using a wet particle size analyzer (Nikkiso Microtrac UPA-9230).
[0091]
2. Weight average molecular weight
It was determined by gel permeation chromatography (GPC) using a calibration curve prepared using a polystyrene standard.
The GPC conditions are as follows.
-Equipment: Tosoh HLC-8020 @ LC-3A type chromatograph
・ Column: TSKgel @ G1000HXL, TSKgel @ G2000HXLAnd TSKgel @ G4000HXL(All manufactured by Tosoh Corporation) were used in series.
・ Data processor: Shimadzu CR-4A type data processor
・ Mobile phase:
Tetrahydrofuran (used for analysis of phenyl group-containing silicone)
Chloroform (used for analysis of silicone containing no phenyl group)
-Flow rate: 1.0 ml / min.
・ Sample preparation method
The solution was diluted with the solvent used for the mobile phase (the concentration was appropriately adjusted in the range of 0.5 to 2% by mass), and then subjected to analysis.
[0092]
3. Infrared absorption spectrum
It measured using the JASCO FT / IR-5300 type infrared spectrometer.
4.29Measurement of Si nuclear magnetic resonance
It measured using JEOL JNM-LA400.
5. Film hardness
According to JIS-K5400, it was determined as pencil hardness (scratch of the film).
6. Film hardness after UV irradiation
After irradiating the surface of the film with light of FL20S @ BLB type black light manufactured by Toshiba Lighting & Technology Corp. for 7 days, it was measured by the above method (5).
At this time, the UV intensity measured using a UVR-2 type UV intensity meter manufactured by Topcon of Japan (using a UD-36 type light receiving unit manufactured by Topcon of Japan (corresponding to light having a wavelength of 310 to 400 nm) as a light receiving unit). Is 1mW / cm2It was adjusted to become.
7. Water contact angle with film surface
Drops of deionized water were placed on the surface of the coating, left at 20 ° C. for 1 minute, and measured using a CA-X150 contact angle meter manufactured by Kyowa Interface Science.
The smaller the contact angle of water with the film, the higher the hydrophilicity of the film surface.
[0093]
8. Change in hydrophilicity (hydrophobicity) of the film surface before and after UV irradiation
After the surface of the film was irradiated with ultraviolet rays for 7 days by the above method 6, the contact angle of water was measured by the above method 7.
9. Photocatalytic activity of the coating
After applying a 5% by mass ethanol solution of methylene blue to the surface of the film, the film was irradiated with ultraviolet rays for 5 days by the above method 6.
Then, based on the degree of decomposition of methylene blue by the action of the photocatalyst (evaluated visually based on the degree of fading of the film surface), the activity of the photocatalyst was evaluated in the following three stages.
A: Methylene blue was completely decomposed.
Δ: Methylene blue blue slightly remained.
X: Decomposition of methylene blue was hardly observed.
10. Weather resistance of film (gloss retention)
An exposure test (irradiation: 60 ° C. for 4 hours, dark / wet: 40 ° C. for 4 hours) was performed using a DPWL-5R type due panel light control weather meter manufactured by Suga Test Instruments. The 60 ° -60 ° specular reflectance after 1000 hours of exposure was measured as the final gloss value, divided by the initial gloss value, and this value was calculated as the gloss retention.
[0094]
11. Evaluation of graded structure of photocatalyst
After embedding the sample in an epoxy resin (Quetol 812), an ultrathin section having a thickness of 50 to 60 nm was prepared using an ULTRACUT-N type microtome manufactured by Reichert, Germany, and mounted on a mesh with a support film. Subsequently, after performing RuO4 vapor staining for about 5 minutes, carbon vapor deposition was performed to obtain a sample for a microscope, and the cross section of the coating film was observed with a TEM.
The conditions for TEM observation are as follows.
・ Equipment: Hitachi HF2000
・ Acceleration voltage: 125 kV
The location of the photocatalytic titanium oxide was analyzed by EDX analysis of the Ti element.
Further, the observation of the film formed on the aluminum plate having the acrylic urethane base coat layer is performed by roughly cutting the sample with a DAD321 type dicing saw manufactured by DISCO Engineering Service, performing FIB (Focused Ion Beam) processing, and using a TEM. The cross section of the coating was observed.
FIB processing conditions are as follows.
Equipment used: Hitachi FB2000
Processing conditions: acceleration voltage (30 kV)
Ion source: Ga
The conditions for TEM observation are as follows.
・ Equipment: Hitachi HF2000
・ Acceleration voltage: 200 kV
12. Impact resistance
According to JIS-K5400, it was evaluated by the Dupont method (500 g × 50 cm).
[0095]
[Reference Example 1]
Synthesis of phenyl group-containing silicone (BP1-1).
After 26.0 g of phenyltrichlorosilane was added to 78 g of dioxane in a reactor having a reflux condenser, a thermometer and a stirrer, the mixture was stirred at room temperature for about 10 minutes. A mixed solution consisting of 3.2 g of water and 12.9 g of dioxane was added dropwise thereto over about 30 minutes while maintaining the reaction solution at 10 to 15 ° C., followed by stirring at 10 to 15 ° C. for about 30 minutes. The reaction solution was heated to 60 ° C. and stirred for 3 hours. The temperature of the obtained reaction solution was lowered to 25 to 30 ° C., and 392 g of toluene was added dropwise over about 30 minutes. Then, the reaction solution was again heated to 60 ° C. and stirred for 2 hours.
[0096]
The temperature of the obtained reaction solution was lowered to 10 to 15 ° C., and 19.2 g of methanol was added over about 30 minutes. Thereafter, stirring was further continued at 25 to 30 ° C. for about 2 hours, and then the reaction solution was heated to 60 ° C. and stirred for 2 hours. The phenyl group-containing silicone (BP1-1) having a ladder skeleton having a weight average molecular weight of 3600 was obtained by distilling off the solvent from the obtained reaction solution at 60 ° C. under reduced pressure. (The obtained phenyl group-containing silicone (BP1-1) has an absorption (1130 cm) derived from the stretching vibration of the ladder skeleton in the IR spectrum.-1And 1037cm-1) Was observed. )
Also,29The formula of the phenyl group-containing silicone (BP1-1) obtained from the measurement results of Si nuclear magnetic resonance is (Ph)1(OCH3)0.58SiO1.21Met. (Here, Ph represents a phenyl group.)
[0097]
[Reference Example 2]
Synthesis of alkyl group-containing silicone (BA-1).
136 g (1 mol) of methyltrimethoxysilane and 120 g (1 mol) of dimethyldimethoxysilane were added to 300 g of methanol in a reactor having a reflux condenser, a thermometer and a stirrer, and then stirred at room temperature for about 10 minutes. did. Under ice-cooling, a mixture of 12.6 g (0.7 mol) of a 0.05 N hydrochloric acid aqueous solution and 63 g of methanol was added dropwise over about 40 minutes to carry out hydrolysis. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred at a temperature of 10 ° C. or lower for about 20 minutes and at room temperature for 6 hours.
Thereafter, the solvent was distilled off from the obtained reaction solution at 60 ° C. under reduced pressure to obtain an alkyl group-containing silicone (BA-1) having a weight average molecular weight of 3,600. The structure of the obtained alkyl group-containing silicone (BA-1)29When measured by Si nuclear magnetic resonance, a signal indicating a T structure and a D structure was confirmed, and the ratio was T structure: D structure = 1: 1.
Also,29The average composition formula of the alkyl group-containing silicone (BA-1) obtained from the measurement result of Si nuclear magnetic resonance is (CH3)1.5(OCH3)0.27SiO1.12Met.
[0098]
[Reference Example 3]
Preparation of silicone composition (B-1).
A mixture of 6 g of the phenyl group-containing silicone (BP1-1) synthesized in Reference Example 1 and 3 g of the alkyl group-containing silicone (BA-1) synthesized in Reference Example 2 was mixed with 14.7 g of toluene, 29.8 g of isopropanol, and butyl cellosolve. 15.1 g was added and stirred at room temperature to obtain a solution of the binder component (B-1).
From the average composition formula of each composition, the average composition formula of the binder component (B-1) is (Ph)0.67(CH3)0.5(OCH3)0.47SiO1.18Can be calculated. (Here, Ph represents a phenyl group.)
[0099]
[Reference Example 4]
Trade name of TKS-251 titanium oxide organosol (manufactured by Teica) in a reactor having a reflux condenser, a thermometer and a stirrer, a dispersion medium: a mixed solvent of toluene and isopropanol, a TiO2 concentration of 20% by mass, and an average crystal By adding 40 g of a 20% by mass solution of bis (trimethylsiloxy) methylsilane in toluene at 40 ° C. over about 5 minutes to 40 g of a diameter of 6 nm (catalog value)} 40 g, and further stirring at 50 ° C. for 12 hours, very A modified photocatalyst organosol (A-1) having good dispersibility was obtained. At this time, the amount of hydrogen gas generated by the reaction of bis (trimethylsiloxy) methylsilane was 718 ml at 23 ° C. When the obtained modified titanium oxide organosol was coated on a KBr plate and the IR spectrum was measured, the absorption of Ti-OH group (3630-3640 cm) was measured.-1) Disappearance was observed.
[0100]
1 and 2 show the particle size distribution of TKS-251 before the modification treatment and the obtained modified photocatalyst organosol (A-1), respectively. The particle size distribution of the resulting modified photocatalyst organosol (A-1) is monodisperse (number-average particle size is 25 nm), and TKS-251 before modification (number-average particle size is 12 nm). It can be seen that the particle size distribution has completely disappeared.
Subsequently, 20 g of the modified photocatalyst organosol (A-1) was added to 68 g of the silicone component (B-1) solution prepared in Reference Example 3 with stirring at room temperature, and the curing catalyst (dibutyltin dilaurate) was added. 0.5 g was added with stirring to obtain a photocatalyst composition (C-1).
[0101]
Spray-coated aluminum plate (JIS, H, 4000 (A1050P)) having a thickness of 1 mm cut into 50 mm x 60 mm with Mighty Lac white (brand name of acrylic urethane resin paint (two-liquid mixed type) (Nippon Paint)). And dried at room temperature for 3 days. The above-mentioned photocatalyst composition (C-1) is spray-coated to a thickness of 2 μm on the obtained acrylic urethane-coated aluminum plate, dried at room temperature for 1 hour, and heated at 150 ° C. for 30 minutes. As a result, a test plate (D-1) having a photocatalytic film was obtained.
[0102]
The test plate (D-1) having the obtained photocatalyst film was subjected to FIB processing, and the result of observing the film cross section by TEM is shown in the photograph of FIG. FIG. 3B is an illustration of the photograph in FIG. A photocatalytic film (indicated by reference numeral 2 in FIG. 3 (b)) containing modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 1 in FIG. 3 (b)) and a pigment, titanium oxide (FIG. 3 (b)) ), The modified photocatalyst particles are not present at the interface with the acrylic urethane film (indicated by reference numeral 3 in FIG. 3 (b)) containing the modified photocatalyst particles. Observed to be covered.
[0103]
The pencil hardness of the test plate (D-1) having the obtained photocatalytic film was H, and the contact angle with water was 105 °. Also, the impact resistance test passed.
Further, the pencil hardness of the test plate (D-1) having the obtained photocatalytic film after irradiation with ultraviolet light (black light) was 5H or more, and the contact angle of water was 0 °. Furthermore, the result of the evaluation of the photocatalytic activity was also very good (◎).
Furthermore, the gloss retention by an exposure test (after 1000 hours) using a Dupanel light control weather meter was 98%, indicating very good weather resistance.
[0104]
Subsequently, the photocatalyst composition (C-1) is spray-coated on an epoxy resin (Quetol 812), dried at room temperature for 2 days, and then heated at 50 ° C. for 3 days to form an epoxy having a smooth photocatalytic film. Resin (D-2) was obtained.
After embedding the obtained epoxy resin (D-2) having a photocatalytic film in an epoxy resin (Quetol 812), an ultrathin section having a thickness of 50 to 60 nm was prepared by a microtome, and RuO was used.4After dyeing the phenyl group-containing silicone (BP1-1) with, the result of observing the cross section of the film by TEM is shown in the photograph of FIG. FIG. 4B is an illustration of the photograph in FIG.
[0105]
A photocatalytic film (indicated by reference numeral 2 in FIG. 4 (b)) containing the modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 1 in FIG. 4 (b)) and an epoxy resin as a substrate (in FIG. 4 (b)) (Indicated by reference numeral 5), almost no modified photocatalyst particles were present, and it was observed that the entire surface of the photocatalytic film was covered with the modified photocatalyst particles.
Further, the portion indicated by reference numeral 5 (b) in FIG. 4 (b) is a boundary portion between the modified photocatalyst particle phase 1 and the binder phase 7 not containing the modified photocatalyst particles, and FIG. (A). FIG. 5B is an illustration of the photograph in FIG.
[0106]
FIG. 5 (a) shows a binder phase containing modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 1 in FIG. 5 (b)) and a binder phase not containing modified photocatalyst particles (reference numeral 7 in FIG. 5 (b)). Can be observed. In the binder phase containing no modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 7 in FIG. 5B), RuO4It can be observed that the phenyl group-containing silicone and the undyed alkyl group-containing silicone which are dyed in the above have a microphase-separated structure.
[0107]
[Reference Example 5]
A photocatalyst composition (C-2) was obtained in the same manner as in Example 1, except that 20 g of the modified photocatalyst organosol (A-1) was used instead of 10 g of TKS-251 which had not been modified.
Using the obtained photocatalyst composition (C-2), the same operation as in Reference Example 4 was performed to obtain a test plate (D-3) having a photocatalyst film (the content of titanium oxide was the same as in Reference Example 4). .
[0108]
The pencil hardness of the test plate (D-3) having the obtained photocatalytic film was H, and the contact angle with water was 97 °.
Moreover, the pencil hardness of the test plate (D-3) having the obtained photocatalyst film after irradiation with ultraviolet light (black light) was 3H, and the contact angle of water was 94 °. Furthermore, the evaluation of the photocatalytic activity was a poor result (x).
Furthermore, in a 200-hour exposure test using a Dupanel light control weather meter, the gloss retention was 10% or less, and a chalking phenomenon was observed.
[0109]
Subsequently, the photocatalyst composition (C-2) is spray-coated on an epoxy resin (Quetol 812), dried at room temperature for 2 days, and subsequently heated at 50 ° C. for 3 days to have a smooth photocatalyst film. An epoxy resin (D-4) was obtained.
After embedding the obtained epoxy resin (D-4) having a photocatalyst film in epoxy resin (Quetol 812), an ultrathin section having a thickness of 50 to 60 nm was prepared by a microtome, and RuO was prepared.4After dyeing the phenyl group-containing silicone (BP1-1) with, the result of observing the cross section of the film by TEM is shown in the photograph of FIG. FIG. 6B is an illustration of the photograph shown in FIG.
[0110]
A photocatalytic film (indicated by reference numeral 2 in FIG. 6 (b)) containing the modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 1 in FIG. 6 (b)) and an epoxy resin as a base material (in FIG. 6 (b)) And the exposed surface of the photocatalytic film is an alkyl group-containing silicone without any modified photocatalyst particles (indicated by reference numeral 8 in FIG. 6 (b)). It was observed that no photocatalytic activity could be expected.
[0111]
[Example 1]
A bell-clean white {brand name of acrylic silicone resin paint (two-liquid mixture type) (made by NOF Corporation)} is applied to a 1 mm thick aluminum plate (JIS, H, 4000 (A1050P)) cut to 150 mm x 300 mm, By heating at 180 ° C. for 30 minutes, an aluminum plate having a bell clean film was obtained. The photocatalyst composition (C-1) prepared in Reference Example 4 was applied to the obtained aluminum plate having a bell clean film by a spray coating method to obtain a sample (E-1).
When the sample (E-1) was placed outdoors, and after 6 months, it was observed on the day after rain (sunny weather), no noticeable stain was observed. In addition, it was observed that the surface of the sample (E-1) maintained hydrophilicity.
[0112]
[Comparative Example 1]
After applying Bellclean white {brand name of acrylic silicone resin paint (two-component mixed type) (manufactured by NOF Corporation)} to a 1 mm thick aluminum plate (JIS, H, 4000 (A1050P)) cut to 150 mm x 300 mm At 180 ° C. for 30 minutes to obtain a sample (E-2).
The sample (E-2) was placed outdoors, and after 6 months, when it was observed on the day after the rain (sunny weather), black stains were observed as streaks.
[0113]
[Comparative Example 2]
The same operation as in Example 1 was performed except that the photocatalyst composition (C-2) adjusted in Reference Example 5 was used instead of the photocatalyst composition (C-1) adjusted in Reference Example 4, and a sample (E- 3) was obtained.
The sample (E-3) was placed outdoors, and after 6 months, when it was observed on the day after rain (sunny weather), dark stains were observed in a streak shape.
[0114]
[Comparative Example 3]
A mixture of 1.5 g of IPA-ST (isopropanol-dispersed silica sol, particle diameter 10 to 20 nm, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) with 500 g of isopropanol was mixed with 10 g of ST-K03 (titanium oxide coating agent, manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd.). And a photocatalyst composition (C-3).
A sample (E-4) was obtained in the same manner as in Example 1, except that the photocatalyst composition (C-3) was used instead of the photocatalyst composition (C-1) adjusted in Reference Example 4. .
The sample (E-4) was placed outdoors, and after 6 months, when it was observed on the day after the rain (sunny weather), the gloss of the film was reduced and deterioration of the Bellclean white film was observed. Was done.
[0115]
【The invention's effect】
The present invention provides a film that exhibits strong photocatalytic activity and / or hydrophilicity without deteriorating the organic base material even when the organic base material is coated on the exterior wall building material surface by light in a living environment. The antifouling exterior wall building material can be provided without requiring complicated steps. ADVANTAGE OF THE INVENTION The antifouling exterior wall building material of this invention can maintain the beautiful appearance of the exterior wall building material surface for a long period of time by rainfall or simple water washing.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the results of measuring the particle size distribution of TKS251 (a commercially available titanium oxide organosol) before a denaturation treatment using a wet particle size analyzer.
FIG. 2 shows the results of measuring the particle size distribution of a modified photocatalyst organosol (A-1) obtained by modifying the TKS-251 in Reference Example 4 using a wet particle size analyzer. FIG.
FIG. 3A is a TEM photograph of a cross section of a test plate (D-1) having a photocatalyst-containing film obtained in Reference Example 4. FIG. 3B is an illustration of FIG. 3A.
FIG. 4A is a TEM photograph of a cross section of an epoxy resin (D-2) having a photocatalyst-containing film obtained in Reference Example 4. FIG. 4B is an illustration of FIG. 4A.
FIG. 5 (a) is an enlarged photograph of a part of the TEM photograph of FIG. 4 (a). FIG. 5B is an illustration of FIG. 5A.
FIG. 6A is a TEM photograph of a cross section of an epoxy resin (D-3) having a photocatalyst-containing film obtained in Reference Example 5. FIG. 6B is an illustration of FIG. 6A.
[Explanation of symbols]
1 modified photocatalyst particles
2) Photocatalyst containing film
3 Acrylic urethane film
4. Pigment titanium oxide
5 epoxy resin
5 (b) FIG. 5 (b) is an enlarged view of the boundary between the modified photocatalyst particle phase 1 and the binder phase 7 containing no modified photocatalyst particles.
6 Epoxy resin for embedding
7 Binder phase without modified photocatalyst particles
8-alkyl group-containing silicone

Claims (17)

基材表面に光触媒(A)及びバインダー成分(B)を含む皮膜を備えた外壁用建築材料であって、該皮膜中における光触媒(A)の濃度が、該皮膜の基材表面に接する面から他方の露出面に向かって高くなることを特徴とする防汚性外壁用建築材料。A building material for an outer wall having a coating containing a photocatalyst (A) and a binder component (B) on the surface of a base material, wherein the concentration of the photocatalyst (A) in the coating is determined from the surface of the coating in contact with the base material surface. A building material for an antifouling exterior wall, wherein the building material is raised toward the other exposed surface. 該皮膜が、光触媒(A)及びバインダー成分(B)を含む光触媒組成物(C)から形成されることを特徴とする請求項1記載の防汚性外壁用建築材料。The antifouling exterior wall building material according to claim 1, wherein the coating is formed from a photocatalyst composition (C) containing a photocatalyst (A) and a binder component (B). 該光触媒(A)が、式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びフッ化メチレン(―CF−)単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)で変性処理された変性光触媒(A1)であることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚性外壁用建築材料。
Si−         (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す)
−(RSiO)−       (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
Figure 2004099838
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
The photocatalyst (A) comprises a triorganosilane unit represented by the formula (1), a monooxydiorganosilane unit represented by the formula (2), a dioxyorganosilane unit represented by the formula (3), and A modified photocatalyst modified with at least one modifier compound (b) selected from the group consisting of compounds having at least one structural unit selected from the group consisting of methylene fluoride (—CF 2 —) units ( The antifouling exterior wall building material according to claim 1, wherein the building material is A1).
R 3 Si- (1)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched A fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group)
— (R 2 SiO) — (2)
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
Figure 2004099838
(In the formula, R is as defined in the formula (1).)
該バインダー成分(B)が、下記式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−p−q−r)/2     (4)
(式中、各Rはフェニル基を表し、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表し;
Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。そしてp、q及びrは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、及び0<(p+q+r)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。)
The antifouling outer wall according to any one of claims 1 to 3, wherein the binder component (B) contains a phenyl group-containing silicone (BP) represented by the following formula (4). Building materials.
R 1 p R 2 q X r SiO (4-p-q-r) / 2 (4)
(Wherein each R 1 represents a phenyl group, and each R 2 is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched Represents a branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms;
X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. And p, q and r are 0 <p <4, 0 ≦ q <4, 0 ≦ r <4, and 0 <(p + q + r) <4, and 0.05 ≦ p / (p + q) ≦ 1. is there. )
該フェニル基含有シリコーン(BP)が、下記式(5)で表される、アルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)であることを特徴とする請求項4に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−s−t)/2     (5)
(式中、Rはフェニル基を表す。Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。s及びtは、0<s<4、0≦t<4、そして0<(s+t)<4である。)
5. The antifouling exterior wall according to claim 4, wherein the phenyl group-containing silicone (BP) is a phenyl group-containing silicone (BP1) having no alkyl group and represented by the following formula (5). Building materials.
R 1 s Xt SiO (4- st ) / 2 (5)
(Wherein, R 1 represents a phenyl group. X is each independently a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime having 1 to 20 carbon atoms. And s and t are 0 <s <4, 0 ≦ t <4, and 0 <(s + t) <4.)
該バインダー成分(B)が、下記式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)を更に含有することを特徴とする請求項4に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−u−v)/2       (6)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。そしてu及びvは、0<u<4、0≦v<4、そして0<(u+v)<4である。)
The building material for an antifouling exterior wall according to claim 4, wherein the binder component (B) further contains an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the following formula (6).
R 2 u X v SiO (4 -u-v) / 2 (6)
(Wherein R 2 is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched 2 to 30 carbon atoms. X independently represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogen atom. And u and v are 0 <u <4, 0 ≦ v <4, and 0 <(u + v) <4.)
該バインダー成分(B)が、式(5)で表される、アルキル基を含有しないフェニル基含有シリコーン(BP1)と式(6)で表されるアルキル基含有シリコーン(BA)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−s−t)/2     (5)
(式中、Rはフェニル基を表し、Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。s及びtは、0<s<4、0≦t<4、そして0<(s+t)<4である。)
SiO(4−u−v)/2       (6)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表し、Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。
u及びvは、0<u<4、0≦v<4、そして0<(u+v)<4である。)
The binder component (B) contains a phenyl group-containing silicone (BP1) not containing an alkyl group represented by the formula (5) and an alkyl group-containing silicone (BA) represented by the formula (6). The antifouling exterior wall building material according to any one of claims 1 to 3, which is characterized in that:
R 1 s Xt SiO (4- st ) / 2 (5)
(Wherein, R 1 represents a phenyl group, X is each independently a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime having 1 to 20 carbon atoms. And s and t are 0 <s <4, 0 ≦ t <4, and 0 <(s + t) <4.)
R 2 u X v SiO (4 -u-v) / 2 (6)
(Wherein R 2 is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched 2 to 30 carbon atoms. X is independently a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, an acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, an aminoxy group, an oxime group having 1 to 20 carbon atoms, and a halogen atom. Represent.
u and v are 0 <u <4, 0 ≦ v <4, and 0 <(u + v) <4. )
該アルキル基含有シリコーン(BA)が、式(7)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位(D)と式(8)で表されるジオキシオルガノシラン単位(T)を有することを特徴とする請求項6または7記載の防汚性外壁用建築材料。
−(R SiO)−       (7)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。)
Figure 2004099838
(式中、Rは式(7)で定義した通りである。)
The alkyl group-containing silicone (BA) has a monooxydiorganosilane unit (D) represented by the formula (7) and a dioxyorganosilane unit (T) represented by the formula (8). The antifouling exterior wall building material according to claim 6 or 7, wherein
- (R 2 2 SiO) - (7)
(Wherein R 2 is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, or a linear or branched 2 to 30 carbon atoms. Represents an alkenyl group of
Figure 2004099838
(In the formula, R 2 is as defined in the formula (7).)
該フェニル基含有シリコーン(BP)と該アルキル基含有シリコーン(BA)について相分離構造を有する皮膜であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の防汚性外壁用建築材料。The antifouling exterior wall building according to any one of claims 6 to 8, wherein the phenyl group-containing silicone (BP) and the alkyl group-containing silicone (BA) have a phase-separated structure. material. 光触媒(A)が該アルキル基含有シリコーン(BA)相に存在することを特徴とする請求項9に記載の防汚性外壁用建築材料。The antifouling exterior wall building material according to claim 9, wherein the photocatalyst (A) is present in the alkyl group-containing silicone (BA) phase. 該変性光触媒(A1)の数平均粒子径が400nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の防汚性外壁用建築材料。The building material for an antifouling outer wall according to claim 3, wherein the number average particle diameter of the modified photocatalyst (A1) is 400 nm or less. 該変性剤化合物(b)が、式(9)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)であることを特徴とする請求項3に記載の防汚性外壁用建築材料。
SiO(4−x−y)/2 (9)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。x及びyは、0<x<4、0<y<4であり、そして(x+y)≦4である。)
The antifouling exterior wall building material according to claim 3, wherein the modifier compound (b) is a Si-H group-containing silicon compound (b1) represented by the formula (9).
H x R y SiO (4- x-y) / 2 (9)
(Wherein, R is each independently a straight-chain or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a straight-chain or branched Represents a fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, a phenyl group, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, or a hydroxyl group, wherein x and y are 0 <x <4,0. <Y <4, and (x + y) ≦ 4.)
該Si−H基含有ケイ素化合物(b1)が、式(10)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(12)で表されるHシリコーンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項12に記載の防汚性外壁用建築材料。
Figure 2004099838
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、フェニル基、又は式(13)で表されるシロキシ基を表す。
−O−(R SiO)−SiR  ・・・(13)
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、又はフェニル基を表す。また、mは整数であり、0≦m≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −H ・・・(11)
(式中、Rは式(10)で定義した通りである。nは整数であり、0≦n≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(R SiO1/2 ・・・(12)
(式中、Rは式(10)で定義した通りであり、aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、(a+b)≦10000であり、そしてcは0又は2である。但し、(a+b)が2以上の整数であり且つc=0の場合、式(12)の該Hシリコーンは環状シリコーンであり、c=2の場合、式(12)の該Hシリコーンは鎖状シリコーンである。)
The Si-H group-containing silicon compound (b1) is a mono-Si-H group-containing compound represented by the formula (10), a compound having both ends Si-H groups represented by the formula (11), a formula (12) The antifouling exterior wall building material according to claim 12, wherein the building material is at least one compound selected from the group consisting of H silicone represented by the formula:
Figure 2004099838
(Wherein, R 3 is each independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, and 5 to 20 carbon atoms. , A linear or branched fluoroalkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a phenyl group, or a siloxy group represented by the formula (13).
-O- (R 4 2 SiO) m -SiR 4 3 ··· (13)
(Wherein, R 4 is independently a linear or branched alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 20 carbon atoms, a linear or branched carbon group having 1 to 30 carbon atoms) Represents a 30 fluoroalkyl group, a linear or branched alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms, or a phenyl group, and m is an integer and 0 ≦ m ≦ 1000.))
H- (R 3 2 SiO) n -SiR 3 2 -H ··· (11)
(In the formula, R 3 is as defined in the formula (10). N is an integer and 0 ≦ n ≦ 1000.)
(R 3 HSiO) a (R 3 2 SiO) b (R 3 3 SiO 1/2) c ··· (12)
(Wherein R 3 is as defined in formula (10), a is an integer of 1 or more, b is an integer of 0 or more, (a + b) ≦ 10000, and c is 0 or 2 However, when (a + b) is an integer of 2 or more and c = 0, the H silicone of the formula (12) is a cyclic silicone, and when c = 2, the H silicone of the formula (12) Is a chain silicone.)
該皮膜中のバインダー成分(B)が、相分離構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の防汚性外壁用建築材料。The building material for an antifouling exterior wall according to claim 1, wherein the binder component (B) in the coating forms a phase-separated structure. 該皮膜に含まれる光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより光触媒活性及び/又は親水性を示すことを特徴とする請求項1に記載の防汚性外壁用建築材料。The antifouling exterior wall building according to claim 1, wherein the coating exhibits photocatalytic activity and / or hydrophilicity when irradiated with light having an energy higher than the band gap energy of the photocatalyst (A) contained in the coating. material. 該皮膜に含まれる光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより、該光触媒(A)粒子の近傍に存在する珪素原子に結合した有機基の少なくとも一部が水酸基及び/又はシロキサン結合に置換されてなることを特徴とする請求項3、4、6、7のいずれか一項に記載の防汚性外壁用建築材料。By irradiating light having an energy higher than the bandgap energy of the photocatalyst (A) contained in the film, at least a part of the organic groups bonded to the silicon atoms present in the vicinity of the photocatalyst (A) particles have hydroxyl groups and The antifouling exterior wall building material according to any one of claims 3, 4, 6, and 7, wherein the building material is substituted with a siloxane bond. 光触媒(A)とバインダー成分(B)を含む光触媒組成物(C)であって、請求項1に記載の皮膜を形成することを特徴とする外壁用建築材料用光触媒被覆組成物。A photocatalyst composition (C) containing a photocatalyst (A) and a binder component (B), wherein the photocatalyst coating composition for a building material for an outer wall, wherein the coating according to claim 1 is formed.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004107841A (en) * 2002-09-20 2004-04-08 Asahi Kasei Chemicals Corp Functional fiber
JP2010115874A (en) * 2008-11-13 2010-05-27 Ube Nitto Kasei Co Ltd Window pane outer coating film
JP2010167598A (en) * 2009-01-20 2010-08-05 Ube Nitto Kasei Co Ltd Exterior film for glass window

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