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JP2004086010A - 表示素子製造装置および表示素子の製造方法 - Google Patents

表示素子製造装置および表示素子の製造方法 Download PDF

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JP2004086010A
JP2004086010A JP2002248866A JP2002248866A JP2004086010A JP 2004086010 A JP2004086010 A JP 2004086010A JP 2002248866 A JP2002248866 A JP 2002248866A JP 2002248866 A JP2002248866 A JP 2002248866A JP 2004086010 A JP2004086010 A JP 2004086010A
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pair
liquid crystal
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substrate
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Hirotaka Shinya
新屋 博孝
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Sharp Corp
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Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】紫外線による基板の劣化を防止し、かつ基板の温度上昇を十分に抑制する表示素子製造装置および表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶パネル製造装置1は、紫外線硬化性の樹脂6を介在させて互いに向い合う一対の基板5を保持する下側ステージ2と、下側ステージ2と対向して設けられ、下側ステージ2との間で一対の基板5を挟持する上側ステージ3と、下側ステージ2が一対の基板5を保持する面と反対側の面から、下側ステージ2に向けて紫外光9を照射するメタルハライドランプ8とを備える。下側ステージ2は、紫外線に対して第1の透過率を有する紫外線透過部2bと、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有するマスク部2aとを含む。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、液晶表示素子、有機・無機EL表示素子などの各種表示素子の製造装置および表示素子の製造方法に関し、より特定的には、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性のシール剤を用いて一対の基板を貼り合せる表示素子製造装置および表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートPC、モニター、携帯電話およびPDA(Personal Digital Assistant)などの幅広い製品に用いられている液晶パネルなどの表示素子は主に一対のガラス基板から構成されている。これらの製品の中で携帯電話およびPDAは持ち歩いて使用されることを前提としており、製品の重量および強度に対して特に高い品質が求められる。そこで、一対のガラス基板から構成されている表示素子にプラスチック基板を用いることによって、完成品の軽量化および堅牢化を同時に達成しようとしている。
【0003】
しかし、現在プラスチック基板を用いた表示素子で実用化されているのは、TN(Twisted Nematic)型またはSTN型(Super Twisted Nematic)型などの単純マトリクス型の液晶パネルにとどまっている。近年の携帯電話およびPDAは多機能化しており、その機能を十分に生かすためには現状の単純マトリクス型の液晶パネルのみならず、高コントラストおよび高速応答性を実現することが可能であるTFT(Thin Film Transistor)またはMIM(Metal Insulator Metal)などのスイッチング素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶パネルが必要となる。
【0004】
このようなアクティブマトリクス型の液晶パネルにおいて基板上にスイッチング素子を形成するためには、一般的に温度が300℃を超える熱プロセスを行なわなければならず、耐熱性の低いプラスチック基板では対応することができない。このため、スイッチング素子はガラス基板上に設けて、比較的低い温度で形成することができるカラーフィルターをプラスチック基板に設ける手法がとられている。また、ガラス基板のかわりに、耐熱性が高く不透明で、かつ線膨張係数が小さいPI(Polyimide)樹脂基板またはステンレス(SUS;JIS呼称)基板を用い、これにスイッチング素子を設けようとする動きもある。
【0005】
このように、異なる材質の基板を一対にして表示素子として使用した場合、対向する位置関係にある基板の線膨張係数が異なるため、基板を貼り合わせる工程において表示素子に反りが発生するという問題が発生する。つまり、基板を貼り合わせる工程において、基板間に設けたシール剤としての熱硬化性樹脂を硬化させるため基板を加熱しなければならない。この際、一方の基板と他方の基板との間で基板の温度上昇によって伸びる長さが異なるため、貼り合わされた後の表示素子に反りが発生する。このため、異なる材質の基板を一対にして表示素子に使用する場合には、基板同士を接合するシール剤として熱硬化性の樹脂ではなく紫外線硬化性の樹脂が使用される。
【0006】
図17は、従来用いられている液晶パネル製造装置を示す断面図である。図17を参照して、液晶パネル製造装置101は、上下一対に設けられた上側ステージ103および下側ステージ102と、メタルハライドランプ108とを備える。下側ステージ102は、全体がガラスによって形成されている。上側ステージ103は、ステンレス鋼(SUS;JIS呼称)から形成されている。
【0007】
上側ステージ103と下側ステージ102との間には、一対の基板105が配置される。一対の基板105は、上側ステージ103および下側ステージ102によって所定の力で加圧されながら挟持されている。一対の基板105は、上側に位置するプラスチック基板105aと、下側に位置するガラス基板105bと、プラスチック基板105aとガラス基板105bとの間に帯状に配置された紫外線硬化性の樹脂106とによって構成されている。プラスチック基板105a、ガラス基板105bおよび樹脂106によって規定される空間107には、後に続く工程で液晶が注入される。
【0008】
下側ステージ102に対して一対の基板105が位置する側とは反対側には、下側ステージ102と所定の距離を隔ててメタルハライドランプ108が設けられている。メタルハライドランプ108は下側ステージ102の位置する方向に紫外光109を照射できるように設けられている。
【0009】
液晶パネル製造装置101では、下側ステージ102が光学的に透明なガラスから形成されているため、メタルハライドランプ108から照射された紫外光109が下側ステージ102を介して一対の基板105に達する。一対の基板105に達した紫外光109は、紫外線硬化性の樹脂106を硬化させる。
【0010】
また、異なる材質の基板を一対にして液晶パネルに使用する場合に、基板を貼り合わせる工程において基板の温度上昇を防止することが可能な液晶装置の製造装置が、特開2000−193986に開示されている。図18は、特開2000−193986に開示されている液晶装置の製造装置を示す断面図である。
【0011】
図18を参照して、液晶装置の製造装置110は、液晶パネル120が載置される搬送用パレット111と、搬送用パレット111を移送する移送手段112と、搬送用パレット111の移送路の上方に配置された高圧水銀ランプなどの紫外線ランプ113a、113bおよび113cと、搬送路の側方に配置されて、通過する搬送用パレット111上の液晶パネル120に向けて風を送る送風ファン114とを備える。液晶パネル120は、液晶装置の製造装置110の内部において始端側のローディング位置115から後端側のアンローディング位置116まで移送され、この間に紫外線ランプ113から紫外線の照射を上方から受ける。
【0012】
図19は、図18中に示した搬送用パレットおよび液晶パネルを示す側面図である。図19を参照して、下側に位置し搬送用パレット111に載置されたシリコン基板121が、切断前のウェハの状態で設けられている。シリコン基板121上には、図示しない紫外線硬化型樹脂を介在させた状態で、各パネル毎に切断されたガラス基板122が複数位置決めされている。搬送用パレット111の側面には、冷却フィン111aが複数設けられている。
【0013】
紫外線ランプ113から紫外線の照射を受けることによって搬送用パレット111上の液晶パネル120の温度は上昇する。しかし、液晶装置の製造装置110は、液晶パネル120に向けて風を送る送風ファン114、および液晶パネル120の熱を外部に放熱するための冷却フィン111aを備えるため、液晶パネル120の温度上昇は抑制される。これにより、液晶パネル120に発生する反りを防止し、シリコン基板121およびガラス基板122の位置ずれを防止することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図17に示した液晶パネル製造装置101では、メタルハライドランプ108から照射された紫外光109を一対の基板105に到達させるために、下側ステージ102の全体をガラスで形成している。このため、下側ステージ102を透過した紫外光109は、一対の基板105の全面に照射される。しかし、紫外線硬化性の樹脂106を硬化させるためには、数千mJ/cmから数万mJ/cmのエネルギの紫外線を照射させる必要があり、紫外線照射による熱の影響を無視することができない。このため、紫外線硬化性の樹脂106が完全に硬化するまで紫外光109を照射すると、メタルハライドランプ108からの輻射熱などの影響により一対の基板105の温度が上昇する。
【0015】
このような理由から、精度良く位置決めしたガラス基板105bとプラスチック基板105aとの間で紫外線硬化性の樹脂106が硬化する際に位置ずれが生じたり、ガラス基板105bとプラスチック基板105aとを貼り合せた後に、一対の基板105に反りが発生するという問題が発生する。
【0016】
また、プラスチック基板105aに紫外光109が照射されると、内部の有機分子が紫外線を吸収して励起状態となりその励起エネルギを効率的に放出できない場合には、プラスチック基板105aの劣化の原因となる。プラスチック基板105aが紫外光109によって劣化されると、黄褐色または乳白色に変化する。このように基板の着色(透過率の減少)が発生することは、液晶パネルにとって致命的であり、一対の基板105にプラスチックを使用する場合には紫外線による基板の劣化が問題となる。
【0017】
また、図18に示す液晶装置の製造装置110では、液晶パネル120の温度上昇を抑制するために、送風ファン114および冷却フィン111aを備えている。しかし、液晶装置の製造装置110は、シリコン基板121およびガラス基板122のように互いの線膨張係数の差が小さい材料を基板に使用する場合には有効であるが、ガラスとプラスチックのように互いの線膨張係数が著しく異なる材料を基板に使用する場合には十分とは言えない。このような場合には、基板に数十度の温度上昇があっただけで一方の基板と他方の基板との間で大きな伸び量の違いが生じ、液晶パネル120に反りが発生したり、上下の基板に位置ずれが発生するという問題が生じる。
【0018】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、紫外線による基板の劣化を防止し、かつ基板の温度上昇を十分に抑制する表示素子製造装置および表示素子の製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った表示素子製造装置は、紫外線硬化性のシール剤を介在させて互いに向い合う一対の基板を保持する第1の保持部材と、第1の保持部材と対向して設けられ、第1の保持部材との間で一対の基板を挟持する第2の保持部材と、第1の保持部材が一対の基板を保持する面と反対側の面から、第1の保持部材に向けて紫外線を照射する紫外線照射部とを備える。第1の保持部材は、紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分と、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分とを含む。
【0020】
このように構成された表示素子製造装置によれば、紫外線照射部から、第1の部分と第2の部分とを含む第1の保持部材の全面に向けて紫外線が照射される。たとえば第1および第2の部分は、それぞれガラスおよびステンレス鋼(SUS)によって形成されており、紫外線に対する透過率はガラスよりもステンレス鋼の方が小さい。紫外線に対する透過率が相対的に大きい第1の部分を、第1および第2の保持部材によって一対の基板を挟持した状態において、一対の基板に介在するシール剤が位置する部分と第1の部分とが重なり合うように設ける。第1の部分は紫外線に対して相対的に大きい透過率を有するため、第1の部分に照射された紫外線の多くが第1の部分を透過してシール剤に照射されることとなる。これにより、第1の部分に照射された紫外線は、シール剤を硬化させるために有効に利用され、一対の基板の向い合う基板は硬化したシール剤によって貼り合わされる。
【0021】
また、第2の部分は第1の部分と比較して紫外線に対する透過率が小さいため、第2の部分に照射された紫外線の多くが第2の部分の表面で反射される。このため、第2の部分に照射された紫外線が一対の基板に達しにくくなる。一対の基板においてシール剤が設けられた部分以外には、紫外線を照射する必要がないため、第2の部分の表面で紫外線が反射されたとしても問題はない。
【0022】
したがって、このように紫外線に対する透過率が相対的に大きい第1の部分を第1の保持部材に設けることによって、第1の部分に多くの紫外線を透過させ紫外線の照射が必要な部分にのみ紫外線照射を行なうことができる。また、紫外線に対する透過率が相対的に小さい第2の部分を第1の保持部材に設けることによって、紫外線の照射による一対の基板の温度上昇を抑制することができる。なお、一対の基板においてシール剤が設けられるのは帯状に延びるわずかな部分にすぎないので、第1の部分が設けられる部分も第1の保持部材が紫外線を受ける全面積から見ればわずかな面積にすぎない。このため、第1の部分を透過した紫外線によって一対の基板が温度上昇することも考えられるが、無視できる範囲内に収まっていると考えて良い。
【0023】
これにより、一対の基板の向い合う基板が大きく異なる線膨張係数の材料で形成されている場合であっても、温度上昇によって一方の基板と他方の基板との間で大きな伸び量の違いが生じ、その結果一対の基板に反りが発生することを防止できる。また、同様の場合に、一対の基板の温度上昇によって向い合う基板同士の位置関係がずれることを防止できる。
【0024】
また、一対の基板がプラスチック基板で形成されている場合であっても、第1の部分を透過する紫外線の量はわずかにすぎないので、プラスチック基板が紫外線によって劣化することを抑制できる。
【0025】
また好ましくは、第1および第2の保持部材の少なくとも一方は、一対の基板の温度を調節するための温度調節手段を含む。このように構成された製造装置によれば、一対の基板の向い合う基板の温度調節を適切に行なうことによって、一対の基板に反りが発生することおよび向い合う基板同士の位置関係にずれが発生することを防止できる。
【0026】
第1の保持部材側から紫外線を照射することによって、一対の基板のうち、第2の保持部材と接触する基板よりも第1の保持部材と接触する基板の方が温度上昇する。このような場合に、たとえば第1の保持部材に温度調節手段としての冷却手段を設ける。これにより、第1の保持部材と接触する基板の温度を第2の保持部材と接触する基板の温度まで下げることができる。また、本発明では紫外線に対する透過率が相対的に小さい第2の部分を第1の保持部材に設けているため、基板に発生する温度上昇はわずかなものである。したがって、温度調節手段による基板の温度調節は容易に行なうことができる。
【0027】
また好ましくは、表示素子製造装置は、第1の保持部材と紫外線照射部との間に設けられたベース部材をさらに備える。第1の保持部材はベース部材に着脱自在に取り付けられている。このように構成された表示素子製造装置によれば、第1の保持部材を固定するベース部材を別に備え、そのベース部材に対して第1の保持部材が着脱自在に設けられているので、製造する表示素子の機種ごとに第1の保持部材を取り換えて一対の基板の貼り合せを行なうことができる。
【0028】
上述のように、紫外線に対する透過率が相対的に大きい第1の部分は、一対の基板に介在するシール剤が位置する部分と重なり合うように設けられる。しかし、シール剤は表示素子の大きさを決定する側壁も兼ねているため、表示素子の機種ごとにシール剤が設けられる位置は異なる。このため、第1の部分を設ける位置もシール剤が設けられた位置に対応して変更しなければならない。したがって、表示素子の機種ごとに所定位置に第1の部分が設けられた第1の保持部材を準備し、適宜ベース部材に対して適当な第1の保持部材を取り付けて表示素子の製造を行なえばよい。これにより、表示素子製造時の作業性を向上させ、表示素子の製造コストを削減することができる。
【0029】
この発明に従った表示素子の製造方法は、紫外線硬化性のシール剤を介在させて互いに向い合う一対の基板を、紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分と、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分とを含む第1の保持部材の上に載置する工程と、一対の基板に対して第1の保持部材とは反対側に第2の保持部材を位置決めし、第1および第2の保持部材によって一対の基板を挟持する工程と、一対の基板を挟持した状態で、一対の基板が載置された第1の保持部材の面とは反対側の面から、第1の保持部材に向けて紫外線を照射する工程とを備える。
【0030】
このように構成された表示素子の製造方法によれば、第1の保持部材に向けて紫外線を照射する工程において、紫外線に対する透過率が相対的に大きい第1の部分では多くの紫外線が透過し、紫外線の照射が必要な部分としての一対の基板においてシール剤が位置する部分に紫外線が照射される。これにより、第1の部分に照射された紫外線はシール剤を硬化させるために有効に利用され、一対の基板の向い合う基板は硬化したシール剤によって貼り合わされる。また、同様の工程において、紫外線に対する透過率が相対的に小さい第2の部分では多くの紫外線が反射され、紫外線の照射によって発生する一対の基板の温度上昇を抑制することができる。これにより、一対の基板に反りが発生すること、および向い合う基板同士の位置関係にずれが発生することを防止できる。
【0031】
加えて、第1および第2の保持部材によって一対の基板を挟持したまま、第1の保持部材に向けて紫外線を照射する工程を行なうことによって、一対の基板に介在するシール剤が硬化するまでの間、一対の基板の向い合う基板同士の位置関係を固定することができる。また、温度上昇に伴う基板の反りをある程度抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
(実施の形態1)
本実施の形態では、表示素子としての液晶パネルを形成する場合について説明する。
【0034】
図1は、この発明の実施の形態1における液晶パネル製造装置を示す断面図である。図1を参照して、表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置1は、上下一対に設けられた上側ステージ3および下側ステージ2と、下側ステージ2が設けられたマスク固定用定盤10と、メタルハライドランプ8とを備える。液晶パネル製造装置1を用いて、上下一対の基板を貼り合わせ液晶パネルを製造する。
【0035】
マスク固定用定盤10は、全体がガラスによって形成されており、上面には凹部10aが形成されている。凹部10aに下側ステージ2が着脱自在に嵌合されて設けられている。マスク固定用定盤10の大きさは、縦×横×厚さが300mm×300mm×50mmである。上側ステージ3の上面から複数のロッド11が上方に延びており、ロッド11は図示しない駆動機構に接続されている。図示しない駆動機構により、上側ステージ3を上下方向に移動させることができる。
【0036】
マスク固定用定盤10に対して下側ステージ2が位置する側の反対側には、マスク固定用定盤10と所定の間隔を隔ててメタルハライドランプ8が設けられている。メタルハライドランプ8は、下側ステージ2の位置する方向に紫外光9を照射できるように設けられている。
【0037】
上側ステージ3と下側ステージ2との間には、一対の基板5が配置される。図示しない駆動機構により上側ステージ3を下方に移動させ一対の基板5を加圧することによって、または上側ステージ3の自重によって、一対の基板5は上側ステージ3および下側ステージ2の間で挟持されている。一対の基板5は、上側に位置するプラスチック基板5aと、下側に位置するガラス基板5bと、プラスチック基板5aとガラス基板5bとの間に帯状に配置された紫外線硬化性の樹脂6とによって構成されている。プラスチック基板5a、ガラス基板5bおよび樹脂6によって空間7が規定されており、空間7には、後に続く工程で液晶が注入される。
【0038】
なお、プラスチック基板5aおよびガラス基板5bを貼り合わせる際の上側ステージ3と下側ステージ2との距離は、一対の基板5の設計上の厚さ寸法に合わせて決定される。また、樹脂6が塗布される分量は、プラスチック基板5aおよびガラス基板5bの間において、樹脂6が空間7の側壁を形成できるように決定されている。
【0039】
図2は、図1中の一対の基板および下側ステージを詳細に示す斜視図である。図2を参照して、ガラス基板5b上には、帯状に延びて長方形の枠型を形成するように、紫外線硬化性の樹脂6が設けられている。樹脂6が形成する枠型の一部には、後工程で液晶を注入するために用いる注入口6aが設けられている。樹脂6は、300nmから400nm程度の波長の紫外線照射を受けることによって硬化するシール剤であり、接着性および耐薬品性などに優れている。樹脂6は、アクリル系、エポキシ系およびアクリルエポキシ系などの紫外線硬化性の樹脂であればどのようなものであっても良い。
【0040】
下側ステージ2の大きさは、縦×横×厚さが200mm×200mm×15mmである。下側ステージ2は、ステンレス鋼(SUS;JIS呼称)によって形成されたマスク部2aとガラスによって形成された紫外線透過部2bとによって構成されている。紫外線に対する透過率は、紫外線透過部2bよりもマスク部2aの方が小さい。紫外線透過部2bは、下側ステージ2上にガラス基板5bを位置決めした状態において、ガラス基板5b上の樹脂6を設けた帯状部分と重なり合うように形成されている。紫外線透過部2bは、紫外線透過部2b上に樹脂6を設けた帯状部分を投影した場合に、樹脂6を設けた帯状部分が紫外線透過部2bに含まれるように設けられている。このため、紫外線透過部2bも樹脂6を設けた帯状部分と同様に帯状に形成されており、その幅は2mmである。
【0041】
下側ステージ2とは異なるパターン形状で紫外線透過部2bが設けられた下側ステージ2の交換用ステージが複数準備されている。交換用ステージでは、製造する液晶パネルの機種に合わせて、液晶パネルに樹脂6が設けられている部分と紫外線透過部2bとが重なり合うようにステンレス鋼にガラスが嵌め込まれている。液晶パネル製造装置1を用いて製造する液晶パネルの機種が変わる場合には、マスク固定用定盤10から下側ステージ2を取り外し、適当な交換用ステージをマスク固定用定盤10に固定してから液晶パネルの製造を行なう。
【0042】
続いて、液晶パネル製造装置1の動作原理について説明する。図1を参照して、一対の基板5が上側ステージ3と下側ステージ2との間で所定の力で加圧を受けている状態において、メタルハライドランプ8から下側ステージ2の位置する方向に向けて紫外光9を照射する。マスク固定用定盤10の全体が光学的に透明なガラスによって形成されているため、紫外光9はマスク固定用定盤10を透過し下側ステージ2の表面に達する。その後、下側ステージ2のマスク部2aに達した紫外光9はマスク部2aの表面で反射されるが、紫外線透過部2bに達した紫外光9はその大部分が反射されずに紫外線透過部2bを透過する。紫外線透過部2bを透過した紫外光9は一対の基板5に到達し樹脂6に向けて照射される。紫外光9の照射を受けた樹脂6は硬化し、プラスチック基板5aとガラス基板5bとが貼り合わされる。
【0043】
この発明の実施の形態1に従った表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置1は、紫外線硬化性のシール剤としての樹脂6を介在させて互いに向い合う一対の基板5を保持する第1の保持部材としての下側ステージ2と、下側ステージ2と対向して設けられ、下側ステージ2との間で一対の基板5を挟持する第2の保持部材としての上側ステージ3と、下側ステージ2が一対の基板5を保持する面と反対側の面から、下側ステージ2に向けて紫外線としての紫外光9を照射する紫外線照射部としてのメタルハライドランプ8とを備える。下側ステージ2は、紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分としての紫外線透過部2bと、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分としてのマスク部2aとを含む。
【0044】
液晶パネル製造装置1は、第1の保持部材としての下側ステージ2と紫外線照射部としてのメタルハライドランプ8との間に設けられたベース部材としてのマスク固定用定盤10をさらに備える。下側ステージ2はマスク固定用定盤10に着脱自在に取り付けられている。
【0045】
このように構成された液晶パネル製造装置1によれば、樹脂6が位置する部分にはガラスからなる紫外線透過部2bを設けて、樹脂6に紫外光9が照射されるようにしている。また、それ以外の部分にはステンレス鋼からなるマスク部2aを設けて、紫外光9が一対の基板5に到達しないようにしている。つまり、下側ステージ2は一対の基板5を保持する役割のほか、紫外光9に対するマスクとしての役割も果たす。このため、紫外光9を確実に樹脂6に照射するとともに、一対の基板5において紫外線の照射の必要がない部分については紫外光9が照射されることを防止している。これにより、一対の基板5が温度上昇することを抑制できる。一対の基板5の温度上昇が抑制されると、温度上昇によってプラスチック基板5aおよびガラス基板5bがそれぞれ異なる長さだけ伸び一対の基板5に反りが発生することを防止できる。また、一対の基板5の温度上昇によってプラスチック基板5aおよびガラス基板5bの相対的な位置関係がずれることを防止できる。加えて、一対の基板5に達する紫外光9はわずかであるため、プラスチック基板5aが紫外光9によって劣化されることを抑制できる。
【0046】
さらに、液晶パネル製造装置1では、製造する液晶パネルの機種に合わせて、所定パターンの紫外線透過部2bを設けた交換用ステージと下側ステージ2とを交換することができる。このため、液晶パネル製造装置1を用いることによって、異なる機種の液晶パネルの製造に対してフレキシブルに対応することが可能となる。これにより、液晶パネル製造時の作業性を向上させ、液晶パネルの製造コストを削減することができる。
【0047】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2における液晶パネル製造装置を示す断面図である。実施の形態2における液晶パネル製造装置は、実施の形態1における液晶パネル製造装置1と比較して、下側ステージの構造のみが異なる。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0048】
図3を参照して、表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置21は、基本的には実施の形態1における液晶パネル製造装置1と同様の構造を有するが、上側ステージ3と一対の下側ステージ22を備える。下側ステージ22は、ステンレス鋼によって形成されたマスク部22aとガラスによって形成された紫外線透過部22bとによって構成されている。
【0049】
液晶パネル製造装置21を用いて形成される液晶パネルについて説明する。上側ステージ3と下側ステージ22との間には、一対の基板25が配置される。一対の基板25は、上側に位置するPES基板25aと、下側に位置するPI(Polyimide)樹脂基板25bと、PES(Poly Ether Sulfone)基板25aとPI樹脂基板25bとの間に帯状に配置された紫外線硬化性の樹脂26とによって構成されている。PI樹脂基板25bは、不透明で、低線膨張係数(線膨張係数;20)を有し耐熱性に優れている。PES基板25aは、PI樹脂基板25bと比較して、高い透明性および高線膨張係数(線膨張係数;80)を有し、耐熱性に劣っている。PES基板25a、PI樹脂基板25bおよび樹脂26によって液晶が注入される空間27が規定されている。
【0050】
図4は、図3中の一対の基板および下側ステージを詳細に示す斜視図である。図4を参照して、PI樹脂基板25b上には、一対の基板25から複数の液晶パネルが切り出せるように、帯状に延びて長方形の枠型を形成する樹脂26のパターンが複数設けられている。樹脂26が形成するそれぞれのパターンの一部には、後工程で液晶を注入するために用いる注入口26aが設けられている。
【0051】
下側ステージ22は、ステンレス鋼によって形成されたマスク部22aと、ガラスによって形成された紫外線透過部22bとによって構成されている。紫外線透過部22bは、下側ステージ22上にPI樹脂基板25bを位置決めした状態において、PI樹脂基板25b上の樹脂26を設けた帯状部分と紫外線透過部22bとが重なり合うように設けられている。紫外線透過部22bは、紫外線透過部22b上に樹脂26を設けた帯状部分を投影した場合に、樹脂26を設けた帯状部分が紫外線透過部22bに含まれるように設けられている。
【0052】
続いて、液晶パネル製造装置21を用いた液晶パネルの製造方法の工程について説明する。本実施の形態では、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bを貼り合わせて反射型の液晶パネルを製造する。
【0053】
図5は、液晶パネルの製造方法の工程を示すフローチャートである。図5を参照して、PES基板25aにカラーフィルターを、PI樹脂基板25bにTFT(Thin Film Transistor)をそれぞれ形成した後、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bを液晶パネル製造装置21によって貼り合わす。その後、液晶注入および偏光板貼り付けなどの工程が行ない、液晶パネルを完成させる。
【0054】
図6から図12は、図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の各工程を示しており、図6、図10および図11は断面図であり、図7から図9および図12は斜視図である。
【0055】
図6を参照して、PI樹脂基板25bにTFTおよび反射電極を形成するため以下の工程を行なう。PI樹脂基板25bの主表面に、チタン(Ti)からなるゲート電極31を所定形状に形成する。PI樹脂基板25bの主表面およびゲート電極31を覆うように、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜層32を形成する。ゲート絶縁膜層32上であってゲート電極31の上方に位置するように、半導体層33を形成する。半導体層33はゲート絶縁膜層32上から順に、真性アモルファスシリコン層33aおよびn型の不純物がドープされたn型アモルファスシリコン層33bの積層膜から構成されている。半導体層33の側壁および頂面の一部を覆うように、チタンからなるソース電極35を形成する。半導体層33に対してソース電極35が設けられた位置とは反対側に、チタンからなるドレイン電極36を形成する。PI樹脂基板25b上の全ての形成物を覆うように、窒化シリコンからなる層間絶縁膜層37を形成する。層間絶縁膜層37にドレイン電極36の表面の一部に達するホール39を形成する。層間絶縁膜層37の頂面、ホール39の周壁およびドレイン電極36の露出部分を覆うように、アルミニウム(Al)からなる反射電極38を所定のパターン形状で形成する。
【0056】
なお、本実施の形態では、不透明なPI樹脂基板25bを用いて反射型液晶パネルを製造することから、反射電極38をアルミニウムによって形成したが、透明基板上に形成したTFTにITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電膜を電極として形成すれば、透過型の液晶パネルを製造することができる。
【0057】
図7を参照して、PES基板25aの表面に、R(赤)41a、G(緑)41bおよびB(青)41cを順にストライプ状に配列したカラーフィルター41を形成する。各色相の境界には、図示しない短冊状のBM(Black Matririx)を形成する。カラーフィルター41を覆うように図示しないOC(Over Coat)層を形成した後、OC層上にITOからなる図示しない透明電極を所定のパターン形状で形成する。
【0058】
カラーフィルター41を形成したPES基板25aおよびTFTを形成したPI樹脂基板25bに、ポリイミドからなる配向膜をフレキソ法によって印刷し、これを焼成することによって、配向膜をPES基板25aおよびPI樹脂基板25b上に形成する。PES基板25aおよびPI樹脂基板25b上に形成された配向膜にラビング法により配向処理を施す。なお、配向膜は、PES基板25aのカラーフィルター41が形成された面と、PI樹脂基板25bのTFTが形成された面にそれぞれ形成される。
【0059】
続いて、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bを貼り合わせた場合に互いの間隔を一定に保つため、PES基板25aのカラーフィルター41が形成された面にスペーサを散布する。図8を参照して、ディスペンサを用いて、PI樹脂基板25bのTFTが形成された面に所定のパターンでエポキシ系樹脂からなる紫外線硬化性の樹脂26を塗布する。樹脂26が塗布されるパターンの幅は0.5mmであり、厚さは20μmである。樹脂26は、液晶層を形成すべき領域の全周を連続して取り囲むようにして配置する。但し、後の工程で液晶を注入するため、樹脂26が塗布された部分の一部に樹脂26が途切れている箇所を設け、これを液晶の注入口26aとする。なお、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bのどちらか一方に、樹脂26の塗布およびスペーサの散布を行なっても問題はない。
【0060】
図3を参照して、図示しない駆動機構を用いて上側ステージ3を上方に移動させる。樹脂26が塗布された面が上側を向くようにして、下側ステージ22の上面にPI樹脂基板25bを載置する。このとき、PI樹脂基板25b上に設けられた樹脂26と下側ステージ22の紫外線透過部22bとが重なり合うように、PI樹脂基板25bを位置決めする。さらに、カラーフィルター41が形成された面が下側を向くようにして、PI樹脂基板25b上にPES基板25aを精度良く位置決めする。図示しない駆動機構により上側ステージ3を下方に移動させ、上側ステージ3および下側ステージ22の間で一対の基板25を980(N)の力で加圧する。一対の基板25に加圧を施した状態を維持しながら、メタルハライドランプ8から一対の基板25に向けて紫外光9(波長;365nm)を2分間照射する。このように一対の基板25に加圧を施すことによって、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bの位置関係を確実に固定でき、一対の基板25に発生する反りをある程度抑制することができる。紫外光9の照射後、図示しない駆動機構により上側ステージ3を上方に移動させ、一対の基板25を液晶パネル製造装置21から取り外す。
【0061】
図9を参照して、一対の基板25を個別の液晶パネルの大きさに分割するために、一対の基板25を適当に切断する。この結果、切断によって得られる液晶パネル46には、PES基板25a、PI樹脂基板25bおよび樹脂26によって規定される液晶を注入するための空間27が含まれる。このように1枚の基板から複数の液晶パネルを製造することによって、液晶パネルの生産性を向上させることができる。
【0062】
図10を参照して、液晶パネル46を図示しない真空装置内に収容し、液晶パネル46に形成された空間27の内外ともに真空状態とする。この状態で、樹脂26の切れ目として形成された注入口26aを液晶51に浸し、真空装置内を徐々に大気圧に戻す。すると、空間27内外の圧力差と毛細管現象とによって液晶51が空間27内部に入っていく。図11を参照して、空間27が液晶51に満たされた状態で、注入口26aを塞ぐように紫外線硬化性の樹脂53を塗布する。樹脂53に紫外線を照射し樹脂53を硬化させる。
【0063】
図12を参照して、液晶パネル46のPES基板25aの露出している面に、液晶パネル46に出入りする光をコントロールするための偏光板55を貼り合わせる。以上の工程によって、内部に液晶51が封入された液晶パネル46が完成する。
【0064】
この発明の実施の形態2に従った表示素子としての液晶パネルの製造方法は、紫外線硬化性のシール剤としての樹脂26を介在させて互いに向い合う一対の基板25を、紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分としての紫外線透過部22bと、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分としてのマスク部22aとを含む第1の保持部材としての下側ステージ22の上に載置する工程と、一対の基板25に対して下側ステージ22とは反対側に第2の保持部材としての上側ステージ3を位置決めし、下側ステージ22および上側ステージ3によって一対の基板25を挟持する工程と、一対の基板25を挟持した状態で、一対の基板25が載置された下側ステージ22の面とは反対側の面から、下側ステージ22に向けて紫外線を照射する工程とを備える。
【0065】
このように構成された液晶パネルの製造方法によれば、下側ステージ22に向けて紫外光9を照射する工程において、紫外光9の多くがステンレス鋼からなるマスク部22aによって反射されるため、紫外光9が照射されることによって一対の基板25が温度上昇することを抑制できる。これにより、一対の基板25を液晶パネル製造装置21から取り外した後、一対の基板25に反りが発生することを防止できる。また、紫外光9の照射を行なっている間に、PES基板25aおよびPI樹脂基板25bの相対的な位置関係にずれが発生することを防止できる。また、紫外光9はガラスによって形成された紫外線透過部22bを透過して樹脂26に照射される。これにより、樹脂26は効率良く硬化するため、基板の貼り合わせを円滑に進めることができる。
【0066】
(実施の形態3)
図13は、この発明の実施の形態3における液晶パネル製造装置を示す断面図である。実施の形態3における液晶パネル製造装置は、実施の形態1における液晶パネル製造装置1と比較して、下側ステージの構造のみが異なる。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0067】
図13を参照して、表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置61は、基本的には実施の形態1における液晶パネル製造装置1と同様の構造を有するが、上側ステージ3と一対の下側ステージ62を備える。下側ステージ62は、全体がガラスによって形成された本体部63と全体がステンレス鋼によって形成されたマスク部64とによって構成されている。本体部63は上側ステージ3との間で一対の基板5を挟持しており、マスク部64は本体部63の一対の基板5と接触している面とは反対側の面に貼り合わされている。
【0068】
図14は、図13中の下側ステージを詳細に示す斜視図である。図14を参照して、下側ステージ62を構成する本体部63およびマスク部64は互いが貼り合わされる面が同面積に形成されている。マスク部64には、下側ステージ62に一対の基板5を位置決めした状態において、一対の基板5に樹脂6を設けた帯状部分に沿って開口部64aが形成されている。開口部64aは、開口部64a上に樹脂6を設けた帯状部分を投影した場合に、樹脂6を設けた帯状部分が開口部64aに含まれるように設けられている。紫外線に対する透過率は、開口部64aによって露出しているガラスからなる本体部63よりもステンレス鋼からなるマスク部64の方が小さい。
【0069】
図13を参照して、メタルハライドランプ8から照射された紫外光9の大部分は、ステンレス鋼からなるマスク部64の表面で反射される。マスク部64の開口部64aに照射された紫外光9は、ガラスからなる本体部63を透過して一対の基板5の樹脂6に対して照射される。紫外光9の照射を受けた樹脂6は硬化し、プラスチック基板5aとガラス基板5bとが貼り合わされる。
【0070】
このように構成された液晶パネル製造装置61によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、液晶パネル製造装置61では、下側ステージ62の上面全体がガラスによって形成されているため、ステンレス鋼の一部にガラスが嵌め込まれた場合と比較して、一対の基板5と接触する下側ステージ62の上面の平面度を向上させることができる。これにより、プラスチック基板5aとガラス基板5bとの位置関係をより確実に平行に保った状態で、プラスチック基板5aおよびガラス基板5bの貼り合わせを行なうことができる。また、下側ステージ62は、本体部63とプレス加工などにより開口部64aを形成したマスク部64とを貼り合わせることによって完成するので、下側ステージ62を容易に製造することができる。
【0071】
(実施の形態4)
図15は、この発明の実施の形態4における液晶パネル製造装置を示す断面図である。実施の形態4における液晶パネル製造装置は、実施の形態1における液晶パネル製造装置1と比較して、さらに冷却装置を備える。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0072】
図15を参照して、表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置71は、基本的には実施の形態1における液晶パネル製造装置1と同様の構造を有するが、マスク固定用定盤10の凹部10aの外周上に設けられた冷却装置73をさらに備える。冷却装置73は枠形状を有し、冷却装置73の内周面73aの全体と接触するようにして、下側ステージ2が設けられている。一対の基板5を貼り合わせる工程において、冷却装置73を稼働させることによって下側ステージ2を冷却する。一対の基板5および下側ステージ2は面接触しているため、冷却装置73により下側ステージ2を冷却することによって一対の基板5も冷却される。
【0073】
この発明の実施の形態4に従った液晶パネル製造装置71では、下側ステージ2および上側ステージ3の少なくとも一方としての下側ステージ2は、一対の基板5の温度を調節するための温度調節手段としての冷却装置73を含む。
【0074】
このように構成された液晶パネル製造装置71によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、メタルハライドランプ8からの紫外光9の照射によって生じる一対の基板5の温度上昇をより積極的に抑制することができる。また、冷却装置73を下側ステージ2に接触させて設けているため、メタルハライドランプ8に近い側に位置し、紫外光9による温度上昇の影響を受けやすいガラス基板5bを主に冷却できる。なお、紫外線透過部2bを透過して一対の基板5に達する紫外光9はわずかであるため、冷却装置73にかかる冷却の負担は大きくならない。
【0075】
さらに、下側ステージ2の全体をガラスによって形成せず、紫外線透過部2bを除いてステンレス鋼で形成しているため、冷却装置73によって効率良く一対の基板5を冷却することができる。つまり、ガラスと比較して熱伝導率の高いステンレス鋼を下側ステージ2の主材料として使用しているため、一対の基板5から効率良く熱を奪いとることができる。
【0076】
(実施の形態5)
図16は、この発明の実施の形態5における液晶パネル製造装置を示す断面図である。実施の形態5における液晶パネル製造装置は、実施の形態1における液晶パネル製造装置1と比較して、さらにホットプレートを備える。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0077】
図16を参照して、表示素子製造装置としての液晶パネル製造装置81は、基本的には実施の形態1における液晶パネル製造装置1と同様の構造を有するが、上側ステージ3の上面に設けられた温度調節手段としてのホットプレート85を備える。上側ステージ3と下側ステージ2との間には、一対の基板83が挟持されている。一対の基板83は、上側に位置するガラス基板83aと、下側に位置するガラス基板83bと、ガラス基板83aとガラス基板83bとの間に介在する紫外線硬化性の樹脂6とによって構成されている。一対の基板83を貼り合わせる際に、ホットプレート85を稼働させることによって上側ステージ3を加熱する。一対の基板83および上側ステージ3は面接触しているため、ホットプレート85により上側ステージ3を加熱することによって一対の基板83も加熱される。
【0078】
このように構成された液晶パネル製造装置81によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、メタルハライドランプ8からの紫外光9の照射によって上下に位置するガラス基板83aおよび83bとの間に温度差が生じ、これによりガラス基板83aおよび83bの伸びに差が生じることを防止できる。つまり、メタルハライドランプ8に遠い側に位置し、紫外光9による温度上昇の影響を受けにくいガラス基板83aを、紫外光9による温度上昇の影響を受けやすいガラス基板83bの温度まで上昇させることによって、ガラス基板83aおよび83bは同じ長さだけ伸びる。これにより、ガラス基板83aおよび83bを貼り合わせた後に、一対の基板83に反りが発生することを防止できる。
【0079】
以上の実施の形態では、液晶パネルを用いて本発明を説明したが、一対の線膨張係数の異なる基板を用いて形成される表示素子に関して本発明を適用することができる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、紫外線による基板の劣化を防止し、かつ基板の温度上昇を十分に抑制する表示素子製造装置および表示素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図2】図1中の一対の基板および下側ステージを詳細に示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態2における液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図4】図3中の一対の基板および下側ステージを詳細に示す斜視図である。
【図5】液晶パネルの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第1工程を示す断面図である。
【図7】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第2工程を示す斜視図である。
【図8】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第3工程を示す斜視図である。
【図9】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第4工程を示す斜視図である。
【図10】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第5工程を示す断面図である。
【図11】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第6工程を示す断面図である。
【図12】図3に示す液晶パネル製造装置を用いた液晶パネルの製造方法の第7工程を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態3における液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図14】図13中の下側ステージを詳細に示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態4における液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態5における液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図17】従来用いられている液晶パネル製造装置を示す断面図である。
【図18】特開2000−193986に開示されている液晶装置の製造装置を示す断面図である。
【図19】図18中に示した搬送用パレットおよび液晶パネルを示す側面図である。
【符号の説明】
1,21,61,71,81 液晶パネル製造装置、2,22,62 下側ステージ、2a,22a,64 マスク部、2b,22b 紫外線透過部、3 上側ステージ、5,25,83 基板、6,26 樹脂、8 メタルハライドランプ、9 紫外光、10 マスク固定用定盤、63 本体部、73 冷却装置、85 ホットプレート。

Claims (4)

  1. 紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分と、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分とを含み、紫外線硬化性のシール剤を介在させて互いに向い合う一対の基板を保持する第1の保持部材と、
    前記第1の保持部材と対向して設けられ、前記第1の保持部材との間で一対の基板を挟持する第2の保持部材と、
    前記第1の保持部材が一対の基板を保持する面と反対側の面から、前記第1の保持部材に向けて紫外線を照射する紫外線照射部とを備える、表示素子製造装置。
  2. 前記第1および第2の保持部材の少なくとも一方は、一対の基板の温度を調節するための温度調節手段を含む、請求項1に記載の表示素子製造装置。
  3. 前記第1の保持部材と前記紫外線照射部との間に設けられたベース部材をさらに備え、前記第1の保持部材は前記ベース部材に着脱自在に取り付けられている、請求項1または2に記載の表示素子製造装置。
  4. 紫外線硬化性のシール剤を介在させて互いに向い合う一対の基板を、紫外線に対して第1の透過率を有する第1の部分と、紫外線に対して第1の透過率よりも小さい第2の透過率を有する第2の部分とを含む第1の保持部材の上に載置する工程と、
    前記一対の基板に対して前記第1の保持部材とは反対側に第2の保持部材を位置決めし、前記第1および第2の保持部材によって前記一対の基板を挟持する工程と、
    前記一対の基板を挟持した状態で、前記一対の基板が載置された前記第1の保持部材の面とは反対側の面から、前記第1の保持部材に向けて紫外線を照射する工程とを備える、表示素子の製造方法。
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