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JP2003327164A - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造

Info

Publication number
JP2003327164A
JP2003327164A JP2002260934A JP2002260934A JP2003327164A JP 2003327164 A JP2003327164 A JP 2003327164A JP 2002260934 A JP2002260934 A JP 2002260934A JP 2002260934 A JP2002260934 A JP 2002260934A JP 2003327164 A JP2003327164 A JP 2003327164A
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JP
Japan
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vehicle
vehicle body
strength
low
front structure
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Application number
JP2002260934A
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English (en)
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JP3900048B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Fujiki
裕之 藤木
Koichi Sagawa
浩一 佐川
Kazuto Tanabe
和人 田邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Priority to US10/295,904 priority patent/US6880663B2/en
Priority to DE60203238T priority patent/DE60203238T2/de
Priority to EP02257970A priority patent/EP1312536B1/en
Publication of JP2003327164A publication Critical patent/JP2003327164A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D21/00Understructures, i.e. chassis frame on which a vehicle body may be mounted
    • B62D21/15Understructures, i.e. chassis frame on which a vehicle body may be mounted having impact absorbing means, e.g. a frame designed to permanently or temporarily change shape or dimension upon impact with another body
    • B62D21/152Front or rear frames
    • B62D21/155Sub-frames or underguards

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突時にパワーユニットが車両後方に移動す
ることを確実に抑制することができる車体前部構造を提
供すること。 【解決手段】 両サイドメンバ6,7のエンジンマウン
ト点EMより車両前方位置に、衝突時において下方に凸の
曲げ変形を促す脆弱部としてのビード部14,14を設
定した。このビード部14は、メンバ上面に車幅方向に
配置した第一のビード部14aと、メンバ両側面に第一
のビード部14aと連なるように設けた第二のビード部
14b,14bと、を有して構成し、かつ、第一のビー
ド部14aの車両前後方向幅L1を、第二のビード部1
4b,14bの車両前後方向幅L2より大きく設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両前後方向に配
置され、エンジンや変速機等により構成されるパワーユ
ニットが支持されるサイドメンバを備えた車体前部構造
の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーユニットが支持されるサイ
ドメンバに、前面衝突時の変形モードをコントロールす
る応力集中部を設けた車体前部構造としては、例えば、
特開2000−53019号公報に記載のものが知られ
ている。
【0003】この公報には、サイドメンバを前側部分と
後側部分とを直列に配置したものにより構成し、サイド
メンバの前側部分に、後側部分よりも低い降伏点応力に
より塑性変形を開始するビードや切り欠きによる応力集
中部を設けたものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車体前部構造にあっては、前面衝突時にサイドメンバの
圧縮が前側部分から開始して後側部分へと移行するよう
に応力集中部を設けて変形モードをコントロールするも
のであるため、前面衝突時にサイドメンバに沿ってエン
ジンを含むパワーユニットが車両後方へ移動し、車室に
接近するおそれがある。
【0005】すなわち、前面衝突時にエンジンの後方移
動による車室への接近を抑えるために、エンジンがマウ
ントされたサイドメンバが車両下方に折れることでエン
ジンを車両下方に移動させる必要がある。この時、確実
にエンジンを車両下方へ移動させるためには、サイドメ
ンバの変形モードをうまくコントロールする必要があ
る。
【0006】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、衝突時にパワーユニットが車両後方に移動する
ことを確実に抑制することができる車体前部構造を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、パワーユニットが支持される車両前後
方向配置のサイドメンバを備えた車体前部構造におい
て、サイドメンバのパワーユニット支持点より車両前方
位置において、メンバ上面とメンバ側面とに、メンバ下
面に対する脆弱部を設けた。
【0008】ここで、「パワーユニット」とは、ガソリ
ンエンジン車やディーゼルエンジン車にあってはエンジ
ン+変速機等、ハイブリッド車にあってはエンジン+モ
ータ+変速機等、電気自動車や燃料電池車にあってはモ
ータ等の車両駆動源という意味である。
【0009】また、「サイドメンバ」とは、クロスメン
バと共にサブフレームの構成要素としてのメンバであっ
ても、両端が車体パネルや車体フレームに連結される独
立部材としてのサイドメンバも含まれる。
【0010】さらに、「脆弱部」とは、他の部分より衝
撃強度を弱くした部分であり、例えば、凹状溝によるビ
ード部や、薄板や低強度材による低強度部や、ビード部
と低強度部との組み合わせをいう。
【0011】
【発明の効果】衝突初期において、前後方向の衝突エネ
ルギーにより、サイドメンバの上面及び側面に設けた脆
弱部が共に潰れ変形を起こすのに対し、脆弱部の位置に
対応するサイドメンバの下面は変形しない。つまり、サ
イドメンバの上面及び側面の潰れに伴って側面視でサイ
ドメンバが下方に凸の形態となる変形を開始する。
【0012】この下方に凸のサイドメンバ変形状態で
は、サイドメンバの脆弱部より前方部分が、脆弱部より
後方部分を、斜め前方から斜め下方に押し込む方向に衝
突エネルギーが作用する。
【0013】このため、衝突中期ないし衝突後期におい
て、サイドメンバの脆弱部より後方部分が、下方に変形
することを促進し、パワーユニットを確実に車両の下方
に移動させる。
【0014】よって、下方に凸の変形を促す脆弱部をサ
イドメンバに設けたことで、衝突時にパワーユニットが
車両後方に移動することを確実に抑制することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車体前部構造を実
現する実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、
第1実施例は請求項1,2,3,8,9,10に係る発
明に対応し、第2実施例は請求項1,4,7に係る発明
に対応し、第3実施例は請求項1,4,5,6,7に係
る発明に対応する。
【0016】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例の車体前部構造が採用されたサブフレー
ムを示す全体斜視図である。サブフレーム1は、車体と
結合するための右前カラー2と左前カラー3と右後カラ
ー4と左後カラー5を、前後左右の四隅に配置してい
る。そして、右サイドメンバ6(サイドメンバ)は、右
前カラー2と右後カラー4を繋ぎ、左サイドメンバ7
(サイドメンバ)は、左前カラー3と左後カラー5を繋
ぐ。また、フロントクロスメンバ8は、右前カラー2と
左前カラー3とを繋ぎ、リアクロスメンバ9は、右後カ
ラー4と左後カラー5を繋ぐ。
【0017】そして、前記左サイドメンバ7には、2個
のリンクブッシュを介して左サスペンションリンク10
が揺動可能に支持されている。また、前記右サイドメン
バ6には、2個のリンクブッシュを介して図外の右サス
ペンションリンクが揺動可能に支持されている。
【0018】また、前記右サイドメンバ6及び左サイド
メンバ7には、右エンジンマウント取付部11と左エン
ジンマウント取付部12が設けられる。
【0019】さらに、両サイドメンバ6,7のエンジン
マウント点EM(パワーユニット支持点)近傍の車両前方
位置には、それぞれビード部14,14(脆弱部)が設
けられている。
【0020】図2及び図3は左サイドメンバ7のビード
部14を示す図である。このビード部14は、メンバ上
面に車幅方向に設けられた第一のビード部14aと、メ
ンバ両側面に設けられ、第一のビード部14aと連なる
第二のビード部14b,14bと、を有している。
【0021】そして、メンバ下面には、下方に凸形状の
屈曲部14c,14cが設けられ、この屈曲部14c,
14cは、図2に示すように、第一のビード部14a及
び第二のビード部14b,14bと連なる車幅方向に配
置されている。
【0022】さらに、図2及び図3に示すように、前記
第一のビード部14aの車両前後方向幅L1を、前記第
二のビード部14b,14bの車両前後方向幅L2より
大きく設定している。
【0023】なお、右サイドメンバ6のビード部14に
ついても、図1に示すように、左サイドメンバ7のビー
ド部14と全く同様の構成を採用している。
【0024】図4及び図5は右サイドメンバ6の第三の
ビード部16を示す図である。前記右サイドメンバ6の
メンバ下面のうち、右前カラー2による車両前方の車体
との取り付け点FMの直後位置に車幅方向の第三のビード
部16を設けている。そして、前記右サイドメンバ6の
メンバ上面で、且つ、前記第三のビード部16に対応す
る位置に、上方に凸形状の屈曲部17を設けている。
【0025】なお、左サイドメンバ7についても、右サ
イドメンバ6の第三のビード部16と屈曲部17と全く
同様の構成を、車両前方の車体との取り付け点FMの直後
位置に採用している。
【0026】次に、作用を説明する。
【0027】[衝突時のサイドメンバ変形作用]衝突時
には、初期において第一のビード部14a及び第二のビ
ード部14b,14bが共に潰れ変形を起こす。このと
き、第一のビード部14aは車両前後方向幅L1が第二
のビード部14b,14bの車両前後方向幅L2よりも
大きいため、衝突エネルギーにより第一のビード部14
aと第二のビード部14b,14bが共に潰れると、第
二のビード部14b,14bより第一のビード部14a
の潰れ変形量が大きい。このため、左右のサイドメンバ
6,7の側面視で、下方に凸形状のメンバ変形となる。
【0028】つまり、車両前後方向幅L1,L2が、L
1>L2というように異なる第一のビード部14aと第
二のビード部14b,14bとを設けることで、衝突初
期において、確実に左右のサイドメンバ6,7をビード
部14,14から下方に折れ曲がった好ましい形状に初
期変形させることができる。
【0029】そして、両サイドメンバ6,7が下方に折
れ曲がったV字状態では、両サイドメンバ6,7のビー
ド部14,14よりも車両前側のメンバ部分が、両サイ
ドメンバ6,7のビード部14,14よりも車両後側の
メンバ部分を、斜め前方から斜め下方に押し込む方向に
衝突エネルギーが作用する。
【0030】ここで、ビード部14,14には、屈曲部
14c,14cを設けているため、この屈曲部14c,
14cが下方への折れ曲げ変形の頂点位置を規定するこ
とになり、両サイドメンバ6,7の下方へのV字折れ曲
げ変形が促進される。
【0031】加えて、両サイドメンバ6,7のメンバ下
面のうち、車両前方の車体との取り付け点FMの直後位置
に車幅方向の第三のビード部16を設け、この第三のビ
ード部16に対応するメンバ上面位置には、上方に凸形
状の屈曲部17を設けているため、この第三のビード部
16と屈曲部17をきっかけとして第三のビード部16
とビード部14との間のメンバ部分が下方に折れ曲げ変
形し、両サイドメンバ6,7の下方へのV字折れ曲げ変
形が促進される。
【0032】すなわち、図6に示すように、A部の折れ
曲がり方向の剛性が高いと、下方への折れ曲げ変形を抑
制する力aが大きくなる。よって、衝突時の変形モード
を考えると、折れ曲げ剛性を低くしたい。これに対し、
第1実施例では、図7に示すように、第三のビード部1
6と屈曲部17を設けているため、第三のビード部16
と屈曲部17をきっかけとして折れ曲がるというよう
に、A部の折れ曲がり方向の剛性が低くなり、第三のビ
ード部16とビード部14との間のメンバ部分の下方へ
の折れ曲げ変形を抑制する力aが小さくなることによ
る。
【0033】このため、衝突中期から衝突後期におい
て、両サイドメンバ6,7のビード部14を頂点とする
下方へのV字折れ曲げ変形が促進され、図8に示すよう
に、この両サイドメンバ6,7の折れ曲げ変形に伴って
エンジンE(パワーユニット)を確実に車両下方に移動
させることができる。
【0034】以上の両サイドメンバ6,7の衝突時変形
モードを整理すると、下記に列挙する作用を得ることが
できる。 エンジンマウント点EMの近傍の両サイドメンバ6,7
にビード部14,14を設けることで、前面衝突時の両
サイドメンバ6,7の変形部をエンジンマウント点EMの
近傍にコントロールすることが可能である。 前面衝突初期において、第一のビード部14a及び第
二のビード部14b,14bが共に潰れ変形を起こす
が、第一のビード部14aは車両前後方向幅L1が第二
のビード部14b,14bの車両前後方向幅L2より大
きい。このため、両サイドメンバ6,7を側面から視た
場合、上方に位置する第一のビード部14aの方が第二
のビード部14b,14bよりも多く潰れる。よって、
両サイドメンバ6,7を側面視で下方に凸の形態に初期
変形することを促進する。 前面衝突中期から衝突後期において、ビード部14,
14に設けた屈曲部14c,14cが下方への折れ曲げ
変形の頂点位置を規定することになり、両サイドメンバ
6,7の下方へのV字折れ曲げ変形を促進する。 前面衝突中期から衝突後期において、車両前方の車体
との取り付け点FMの直後位置に設けた第三のビード部1
6と屈曲部17とをきっかけとして第三のビード部16
とビード部14との間のメンバ部分が下方に変形し、両
サイドメンバ6,7の下方へのV字折れ曲げ変形を促進
する。 上記〜の作用により、前面衝突時のエンジンEの
下方移動量を確実に、且つ、効果的に確保することが可
能となる。
【0035】次に、効果を説明する。以上説明してきた
ように、第1実施例の車体前部構造にあっては、下記に
列挙する効果を得ることができる。
【0036】(1) 両サイドメンバ6,7のエンジンマウ
ント点より車両前方位置において、メンバ上面とメンバ
側面とに、メンバ下面に対するビード部14,14を設
けたため、衝突時にエンジンEが車両後方に移動するの
ことを確実に抑制することができる(請求項1に係る発
明に対応する効果)。
【0037】(2) 前記ビード部14を、メンバ上面に設
けた車幅方向の第一のビード部14aと、メンバ両側面
に設けた第一のビード部14aと連なる第二のビード部
134,14bとし、且つ、第一のビード部14aの車
両前後方向幅L1を、第二のビード部14b,14bの
車両前後方向幅L2より大きく設定したため、衝突の初
期において、第二のビード部14b,14bより第一の
ビード部14aの潰れ変形量が大きくなり、下方に凸形
状の初期メンバ変形を効果的に達成することができる
(請求項2に係る発明に対応する効果)。
【0038】(3) 両サイドメンバ6,7のエンジンマウ
ント点近傍の車両前方位置に、メンバ上面に車幅方向の
第一のビード部14aを設けると共に、メンバ両側面に
第一のビード部14aと連なる第二のビード部14b,
14bを設けたため、エンジンマウント点を車両下方に
引き込むことにより、エンジンEを確実に車両下方に移
動させることができる(請求項3に係る発明に対応する
効果)。
【0039】(4) 両サイドメンバ6,7のメンバ下面
に、下方に凸形状の屈曲部14c,14cを設け、この
屈曲部14c,14cを、第一のビード部14a及び第
二のビード部14b,14bと連なる車幅方向に配置し
たため、この屈曲部14c,14cが両サイドメンバ
6,7の下方折れを促進するものとなり、ビード部1
4,14より後方側が下方に変形することを更に確実と
し、エンジンEを車両下方に移動させることをより効果
的に可能とすることができる(請求項8に係る発明に対
応する効果)。
【0040】(5) 両サイドメンバ6,7のメンバ下面の
うち、右前カラー2による車両前方の車体との取り付け
点FMの直後位置に車幅方向の第三のビード部16を設け
たため、ビード部14,14より前方側のメンバ部分が
下方に変形し、両サイドメンバ6,7の下方へのV字折
れ曲げ変形を促進することができる(請求項9に係る発
明に対応する効果)。
【0041】(6) 両サイドメンバ6,7のメンバ上面
で、且つ、第三のビード部16に対応する位置に、上方
に凸形状の屈曲部17を設けたため、ビード部14,1
4より前方側のメンバ部分が下方に変形することを更に
確実とし、エンジンEを車両下方に移動させることをよ
り効果的に可能とすることができる(請求項10に係る
発明に対応する効果)。
【0042】(第2実施例)この第2実施例は、左右の
サイドメンバ6,7に設けた脆弱部を、ビード部14に
代えて低強度部15とした例である。
【0043】すなわち、図9及び図10に示すように、
エンジンEが支持される車両前後方向配置のサイドメン
バ6,7を備えた車体前部構造において、左右のサイド
メンバ6,7のエンジンマウント点EMの近傍の車両前方
位置において、メンバ上面とメンバ側面とに、メンバ下
面に対する低強度部15(脆弱部)を設けた。
【0044】前記低強度部15は、低強度部15以外の
部分より板厚の薄い板材を適用したものである。
【0045】そして、この低強度部15を、メンバ上面
に設けた第一の低強度部15aと、メンバ両側面に設け
た第一の低強度部15aと連なる第二の低強度部15
b,15bと、該第二の低強度部15b,15bに連な
るロアパネル接合部15c,15cと、を有して構成し
た。
【0046】次に、作用を説明する。
【0047】[サイドメンバの製造]図11に基づいて
サイドメンバ7の製造について説明する。まず、図11
(イ)に示すように、プレス成型前のブランク状態で、
厚い板厚t1(例えば、t1=2.6mm)を持つ長尺による2
枚の板材(b部分)の間に、薄い板厚t2(例えば、t2=
2.0mm)で所定の幅(例えば、第1実施例の車両前後方
向幅L1程度の幅)を持つ1枚の板材(a部分=低強度
部15となる部分)を溶接結合する。
【0048】次に、2枚の厚板材の間に1枚の薄板材を
溶接結合した図11(イ)に示すパネル素材を、図11
(ロ)に示すように、プレス成型機を用いて台形状にプ
レス成型することにより、サイドメンバ7のアッパーパ
ネル7aを製造する(テーラードブランク工法とい
う)。
【0049】次に、図11(ハ)に示すように、板厚の
薄い低強度部15を含むアッパーパネル7aと、メンバ
下面に相当するロアパネル7bと、をスポット溶接等に
より接合することで、サイドメンバ7を製造する。
【0050】なお、図外のサイドメンバ6についても同
様に、テーラードブランク工法により製造される。
【0051】[衝突時のサイドメンバ変形作用]衝突時
には、初期において第一の低強度部15a及び第二の低
強度部15b,15bが共に潰れ変形を起こすのに対
し、低強度部15の位置に対応するサイドメンバ6,7
の下面(ロアパネル7b部分)は変形しない。このた
め、左右のサイドメンバ6,7の側面視で、下方に凸形
状のメンバ変形となる。
【0052】そして、両サイドメンバ6,7が下方に折
れ曲がった状態では、両サイドメンバ6,7の低強度部
15,15よりも車両前側のメンバ部分が、両サイドメ
ンバ6,7の低強度部15,15よりも車両後側のメン
バ部分を、斜め前方から斜め下方に押し込む方向に衝突
エネルギーが作用する。
【0053】このため、衝突中期から衝突後期におい
て、両サイドメンバ6,7の下方への折れ曲げ変形が促
進され、図8に示すように、第1実施例と同様に、両サ
イドメンバ6,7の折れ曲げ変形に伴ってエンジンE
(パワーユニット)を確実に車両下方に移動させること
ができる。
【0054】次に、効果を説明する。以上説明してきた
ように、第2実施例の車体前部構造にあっては、第1実
施例の(1)の効果に加え、下記に列挙する効果を得るこ
とができる。
【0055】(7) 両サイドメンバ6,7に設定した脆弱
部は、それ以外の部分より板厚の薄い部材を適用した低
強度部15,15としたため、衝突エネルギーにより低
強度部15,15の潰れ変形に伴って下方に凸形状のメ
ンバ変形となり、衝突時にエンジンEが車両後方に移動
するのことを確実に抑制することができる(請求項4に
係る発明に対応する効果)。
【0056】(8) 両サイドメンバ6,7は、低強度部1
5,15を含む板材を成型することでメンバ上面とメン
バ側面を形成したアッパーパネル7aと、メンバ下面に
相当するロアパネル7bと、の接合により構成したた
め、低強度部15,15を含む両サイドメンバ6,7を
容易に製造することができる(請求項7に係る発明に対
応する効果)。
【0057】(第3実施例)この第3実施例は、左右の
サイドメンバ6,7に設けた低強度部を、メンバ上面の
強度をメンバ側面の強度より低く設定した低強度部1
5',15'とした例である。
【0058】すなわち、図12及び図13に示すよう
に、サイドメンバ7の低強度部15'は、第2実施例と
同様に、低強度部15以外の部分より板厚の薄い板材を
適用したものである。
【0059】そして、サイドメンバ7の低強度部15'
を、メンバ上面に設けた第一の低強度部15aと、メン
バ両側面に設けた第一の低強度部15aと連なる第二の
低強度部15b',15b'と、該第二の低強度部15
b',15b'に連なるロアパネル接合部15c',15
c'と、を有して構成した。
【0060】ここで、前記第一の低強度部15aの強度
は、第二の低強度部15b',15b'の強度より低く設
定している。つまり、第一の低強度部15aは、図8に
示すように、薄板面積が広く確保される方形状としてい
る。これに対し、第二の低強度部15b',15b'は、
図13(イ)に示すように、第一の低強度部15aと連
なるメンバ上面側からメンバ下面側に向かうほど車両前
後方向長さが短くし、メンバ下面側に向かうほど薄板面
積が狭くなる逆三角形状としている。
【0061】なお、他の構成及び両サイドメンバ6,7
をテーラードブランク工法により製造する点は、第2実
施例と同様であり、説明を省略する。
【0062】次に、作用を説明する。
【0063】[衝突時のサイドメンバ変形作用]衝突時
には、初期において第一の低強度部15a及び第二の低
強度部15b',15b'が共に潰れ変形を起こす。この
とき、第一の低強度部15aは薄板面積が広く衝撃力に
より潰れ易く変形量が大きいのに対し、第二の低強度部
15b',15b'はメンバ下面側に向かうほど薄板面積
が次第に狭くなり、衝撃力によりメンバ上面側は潰れ易
いがメンバ下面側は潰れ難く変形量も小さくなる。この
ため、左右のサイドメンバ6,7の側面視で、下方に凸
形状のメンバ変形となる。
【0064】つまり、第二の低強度部15b',15b'
を、メンバ下面側に向かうほど薄板面積が次第に狭くな
る形状設定とすることで、衝突初期において、確実に左
右のサイドメンバ6,7をビード部14,14から下方
に折れ曲がった好ましい形状に初期変形させることがで
きる。
【0065】そして、両サイドメンバ6,7が下方に折
れ曲がった状態では、両サイドメンバ6,7の低強度部
15',15'よりも車両前側のメンバ部分が、両サイド
メンバ6,7の低強度部15',15'よりも車両後側の
メンバ部分を、斜め前方から斜め下方に押し込む方向に
衝突エネルギーが作用する。
【0066】このため、衝突中期から衝突後期におい
て、両サイドメンバ6,7の下方への折れ曲げ変形が促
進され、図13(ロ)に示すように、両サイドメンバ
6,7のV字状の折れ曲げ変形に伴って、エンジンE
(パワーユニット)を確実に車両下方に移動させること
ができる。
【0067】次に、効果を説明する。以上説明してきた
ように、第3実施例の車体前部構造にあっては、第1実
施例の(1)の効果、および、第2実施例の(7),(8)の効果
に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0068】(9) 低強度部15',15'を、メンバ上面
に設けた第一の低強度部15aと、メンバ側面に設けた
第一の低強度部15aと連なる第二の低強度部15
b',15b'とし、且つ、第一の低強度部15aの強度
を、第二の低強度部15b',15b'の強度より低く設
定したため、メンバ上面の潰れ量はメンバ側面の潰れ量
よりも大きくなり、これによって両サイドメンバ6,7
の下方への折れ曲げ変形をより効果的に行うことができ
る(請求項5に係る発明に対応する効果)。
【0069】(10) 第二の低強度部15b',15b'
は、第一の低強度部15aと連なるメンバ上面側からメ
ンバ下面側に向かうほど車両前後方向長さを短く設定し
たため、メンバ上面の潰れ量が最も大きく、メンバ側面
についてはメンバ下面側に向かうほど潰れ量が徐々に小
さくなり、これによって両サイドメンバ6,7の下方へ
のV字状の折れ曲げ変形をさらに効果的に行うことがで
きる(請求項6に係る発明に対応する効果)。
【0070】(他の実施例)以上、本発明の車体前部構
造を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、
具体的な構成については、これらの実施例に限られるも
のではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要
旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容され
る。
【0071】例えば、第1実施例〜第3実施例では、サ
ブフレームを構成する左右のサイドメンバに脆弱部(ビ
ード部や低強度部)を設けた例を示したが、他の形式の
車体構造に設定されているサイドメンバに本発明の脆弱
部を適用しても良い。
【0072】第2実施例及び第3実施例では、低強度部
として、同じ材質で、低強度部以外の部分の板厚より
板厚の薄い部材を適用した例を示したが、例えば、下記
に列挙するような低強度部としても良い。板厚は同じ
板厚とし、低強度部以外の部分の材質を高強度材とし、
低強度部の材質を低強度材とする。低強度部以外の部
分の板厚を厚くかつ高強度材とし、低強度部の板厚を薄
くかつ低強度材とする。前記,,に加え、さら
に、ロアパネルの低強度部に対応する部分を局部的に厚
板または高強度材とする。
【0073】第1実施例では脆弱部としてビード部を示
し、第2実施例では脆弱部として低強度部を示したが、
第1実施例のビード部と第2実施例の低強度部との組み
合わせによる脆弱部としても良いし、、第1実施例のビ
ード部と第3実施例の低強度部との組み合わせによる脆
弱部としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車体前部構造が採用されたサブフ
レームを示す全体斜視図である。
【図2】第1実施例構造における左サイドメンバのビー
ド部を示す平面図である。
【図3】第1実施例構造における左サイドメンバのビー
ド部を示す側面図である。
【図4】第1実施例構造における右サイドメンバの車両
前方の車体との取り付け点位置の第三のビード部を示す
裏面図である。
【図5】第1実施例構造における右サイドメンバの車両
前方の車体との取り付け点位置の第三のビード部を示す
側面図である。
【図6】第三のビード部と屈曲部のないサイドメンバで
の前面衝突時に変形モードを示す図である。
【図7】第1実施例構造におけるサイドメンバでの正面
衝突時に変形モードを示す図である。
【図8】前面衝突時のサブフレームの変形モードを示す
作用説明図である。
【図9】第2実施例構造における左サイドメンバの低強
度部を示す平面図である。
【図10】第2実施例構造における左サイドメンバの低
強度部を示す側面図である。
【図11】サイドメンバのテーラードブランク工法によ
る製造方法の説明図である。
【図12】第3実施例構造における左サイドメンバの低
強度部を示す平面図である。
【図13】第3実施例構造における左サイドメンバの低
強度部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 サブフレーム 2 右前カラー 3 左前カラー 4 右後カラー 5 左後カラー 6 右サイドメンバ(サイドメンバ) 7 左サイドメンバ(サイドメンバ) 8 フロントクロスメンバ 9 リアクロスメンバ 10 左サスペンションリンク 11 右エンジンマウント取付部 12 左エンジンマウント取付部 14 ビード部(脆弱部) 14a 第一のビード部 14b 第二のビード部 14c 屈曲部 15 低強度部(脆弱部) 15a 第一の低強度部 15b 第二の低強度部 15' 低強度部(脆弱部) 15a 第一の低強度部 15b' 第二の低強度部 16 第三のビード部 17 屈曲部 EM エンジンマウント点(パワーユニット支持点) FM 車両前方の車体との取り付け点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邊 和人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA05 BB01 CA09 DA03 DA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前後方向に配置され、パワーユニッ
    トが支持されるサイドメンバを備えた車体前部構造にお
    いて、 前記サイドメンバのパワーユニット支持点より車両前方
    位置において、メンバ上面とメンバ側面とに、メンバ下
    面に対する脆弱部を設けたことを特徴とする車体前部構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車体前部構造におい
    て、 前記脆弱部は、 メンバ上面に設けた車幅方向の第一のビード部と、 メンバ側面に設けた第一のビード部と連なる第二のビー
    ド部とし、且つ、 前記第一のビード部の車両前後方向幅を、前記第二のビ
    ード部の車両前後方向幅より大きく設定したことを特徴
    とする車体前部構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車体前部構造におい
    て、 前記サイドメンバのパワーユニット支持点近傍の車両前
    方位置に、第一のビード部及び第二のビード部を設けた
    ことを特徴とする車体前部構造。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の車体前部構造におい
    て、 前記脆弱部は、脆弱部以外の部分より板厚の薄い部材、
    若しくは、強度の低い材質を適用した低強度部であるこ
    とを特徴とする車体前部構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の車体前部構造におい
    て、 前記低強度部は、 メンバ上面に設けた第一の低強度部と、 メンバ側面に設けた第一の低強度部と連なる第二の低強
    度部とし、且つ、 前記第一の低強度部の強度を、第二の低強度部の強度よ
    り低く設定したことを特徴とする車体前部構造。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の車体前部構造におい
    て、 前記第二の低強度部は、第一の低強度部と連なるメンバ
    上面側からメンバ下面側に向かうほど車両前後方向長さ
    を短く設定したことを特徴とする車体前部構造。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6の何れかに記載
    の車体前部構造において、 前記サイドメンバは、低強度部を含む板材を成型するこ
    とでメンバ上面とメンバ側面を形成したアッパーパネル
    と、メンバ下面に相当するロアパネルと、の接合により
    構成したことを特徴とする車体前部構造。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の車体前部構造におい
    て、 前記サイドメンバのメンバ下面で、且つ、前記脆弱部に
    対応した位置に、下方に凸形状の屈曲部を設けたことを
    特徴とする車体前部構造。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8の何れかに記載
    の車体前部構造において、 前記サイドメンバのメンバ下面のうち、車両前方の車体
    との取り付け点の直後位置に車幅方向の第三のビード部
    を設けたことを特徴とする車体前部構造。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の車体前部構造におい
    て、 前記サイドメンバのメンバ上面で、且つ、前記第三のビ
    ード部に対応する位置に、上方に凸形状の屈曲部を設け
    たたことを特徴とする車体前部構造。
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