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JP2003300538A - 包装用袋及び包装用袋に用いられる開封用誘導線の構造 - Google Patents

包装用袋及び包装用袋に用いられる開封用誘導線の構造

Info

Publication number
JP2003300538A
JP2003300538A JP2003029974A JP2003029974A JP2003300538A JP 2003300538 A JP2003300538 A JP 2003300538A JP 2003029974 A JP2003029974 A JP 2003029974A JP 2003029974 A JP2003029974 A JP 2003029974A JP 2003300538 A JP2003300538 A JP 2003300538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide wire
base material
unsealing
basic
packaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003029974A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yamazaki
剛之 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MARUTO SANGYO KK
MARUTO SANGYO Ltd
Original Assignee
MARUTO SANGYO KK
MARUTO SANGYO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MARUTO SANGYO KK, MARUTO SANGYO Ltd filed Critical MARUTO SANGYO KK
Priority to JP2003029974A priority Critical patent/JP2003300538A/ja
Publication of JP2003300538A publication Critical patent/JP2003300538A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な形状のミシン目で、円滑かつ確実に開
封し得る包装用袋を提供すること。 【解決手段】 表面側包装基材12及び裏面側包装基材
13を対向させてそれらの周縁14を密閉して、その一
方側包装基材12及び他方側包装基材13の各面の対応
位置に開封用誘導線16を各々設けた包装用袋11にお
いて、開封用誘導線16を、上記基材12、13の一側
縁部から他側縁部に至る1条の基本誘導線22aと、該
基本誘導線22aの上方位置及び下方位置に、該基本誘
導線22aに沿って設けられた補助誘導線22b,22
cとから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばミシン目等
の開封用誘導線を有する包装用袋及び包装用袋に用いら
れる開封用誘導線の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用袋における開封用誘導線
(ミシン目等)は各種の形状のものが存在する。最も基
本的なものは、図20に示す1条のみの直線状のミシン
目1であるが、かかるミシン目1では、同図に示すよう
に切り裂き方向が上方又は下方にずれて、ミシン目1に
沿って直線的に開封できない場合があった。そこで、上
記開封時の切り裂き方向を補正するために、図21
(イ)(ロ)に示すように、ミシン目の1つの切れ線自
体を「Y」字形状や、円弧形状等の変形ミシン目状に形
成し、当該変形ミシン目を連続的に配置して切り裂き方
向の修正機能を有する変形ミシン目の列を設け、当該変
形ミシン目の列を複数列配置したものが用いられている
(特許文献1)。
【0003】また、上述のようなミシン目は、一般的に
は包装用袋の表面側包装基材と裏面側包装基材の対向す
る同一個所に設けられるものであるが、上記表面側包装
基材に形成される複数列の変形ミシン目と、裏面側包装
基材に形成される複数列の変形ミシン目の位置を平行に
ずらして全体を段違いに形成し、開封時に裏面側包装基
材に開封用フラップを残す包装用袋も存在する(特許文
献2)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2566444号公報
【特許文献2】特開2001−151246号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な変形ミシン目では、その1つの変形ミシン目自体が複
数方向を向いたの直線の組合せや、直線と曲線の組合せ
等、複雑な形状を成しているため、このような変形ミシ
ン目を切り込み形成するための複雑な形状の刃型を必要
とし、該刃型の製造コストが高くなるとの問題がある。
【0006】また、従来、表裏の包装基材の貼り合わせ
時に、表裏の変形ミシン目の水平方向の位置ずれが発生
するため、当該ずれを吸収するため、図21に示す変形
ミシン目の列を複数列形成する必要があった。即ち、従
来は、それ自体切り裂き方向修正機能を有する上記変形
ミシン目の列を、複数列形成することが行われており、
このような複雑な形状の変形ミシン目を包装用袋に複数
列切り込み形成すると、該包装用袋の変形ミシン目部分
の強度が低下し、梱包搬送時等にミシン目位置から折れ
曲がりが生じ、ミシン目を起点として破袋する危険性が
増すという問題もある。
【0007】また、上述のようなフラップを残す開封用
誘導線は、表面側及び裏面側に形成される各ミシン目全
体が段違いに形成されているため、表面側と裏面側のミ
シン目を同時に、円滑かつきれいに切り裂くことができ
ない場合があった。
【0008】本発明は上記従来の課題に鑑みてなされた
ものであり、複雑な形状を有する変形ミシン目等を複数
列使用することなく、簡単な形状の切り込み線による単
数列の開封用誘導線により、円滑かつ確実に開封できる
包装用袋を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、開封用フラップを形成し
得る包装用袋であって、その開封が円滑かつ確実にでき
る包装用袋を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は包装基材に高い位置精度で
開封用誘導線を形成し、開封用誘導線の表裏の位置ずれ
を低減し得て、単数列の開封用誘導線でありながら、円
滑かつ確実に開封できる包装用袋、及び包装用袋に用い
られる開封用誘導線の構造を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、第1に、一方側包装基材及び他方側包装基
材を対向させてそれらの周縁を密閉してなるものであっ
て、その一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対
応位置に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、
上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
導線からなり、上記基本誘導線が連続直線であり、上記
補助誘導線が断続直線からなるミシン目であることを特
徴とする包装用袋により構成されるものである。
【0012】上記一方側包装基材(表面側包装基材又は
裏面側包装基材)及び他方側包装基材(裏面側包装基材
又は表面側包装基材)は、例えば2層乃至は3層構造の
積層フィルムにより構成し、上記開封用誘導線は両基材
の各面、例えば最外部のフィルム面に切り込み形成する
ことが好ましい。上記周縁は、方形の包装基材の場合
は、四方又は三方とすることができる。上記一側縁部及
び他側縁部は、包装基材の各辺の縁又は該縁近傍位置を
含む。上記開封用誘導線の設置位置である上記両基材の
各面の対応位置とは、両基材に設けた開封用誘導線が重
合する位置でも良いし、図8に示すように一方側包装基
材の側が下方に湾曲し、他方側包装基材の側が上方に湾
曲するような対応関係のある位置であっても良い。この
ように構成すると、基本誘導線とその上下位置に設けら
れた補助誘導線により、基本誘導線から切り裂き方向が
上方又は下方にずれた場合でも、補助誘導線により切り
裂き方向を開封用誘導線の方向に沿って補正することが
でき、少ない条数の開封用誘導線により、円滑かつ確実
に開封することができる。上記断続直線からなる補助誘
導線は、水平断続直線により構成することもできるし、
傾斜断続直線により構成することもできる。上記傾斜断
続直線の場合は、傾斜方向を上下の補助誘導線の何れも
が連続直線の基本誘導線方向に傾斜するように構成する
ことができる。上記連続直線は、開封用誘導線が直線状
であれば水平連続直線となるが、開封用誘導線が湾曲線
状であれば当該湾曲線に沿うように湾曲形成されるもの
である。基本誘導線を連続直線とすることにより、切り
裂き抵抗を低減することができ、切り裂き方向のずれが
生じにくいため、断続直線の補助誘導線との組合せによ
り、直線的に円滑に開封することができる。
【0013】第2に、一方側包装基材及び他方側包装基
材を対向させてそれらの周縁を密閉してなるものであっ
て、その一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対
応位置に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、
上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
導線からなり、上記基本誘導線が傾斜断続直線であり、
上側の補助誘導線が上記基本誘導線と同方向に傾斜した
傾斜断続直線であり、下側の上記補助誘導線又は少なく
とも最下部に位置する補助誘導線の開封方向側端部が上
記基本誘導線の方向に向かう傾斜断続直線からなるもの
であることを特徴とする包装用袋により構成されるもの
である。
【0014】上記少なくとも最下部に位置する補助誘導
線とは、最下部の補助誘導線であっても良いし、或いは
最下部及びその一つ上の開封用誘導線であっても良い。
この補助誘導線の開封方向側端部が基本誘導線の方向に
向かう傾斜断続直線とは、例えば図5(ニ)、図6
(ニ)に示す補助誘導線(25c,25c’)等の補助
誘導線により構成することができる。このように構成す
ると、これらの補助誘導線(25c等)が切り裂き力が
作用する方向に沿って基本誘導線(25a)方向に傾斜
しているので、確実に開封することができる。
【0015】第3に、一方側包装基材及び他方側包装基
材を対向させてそれらの周縁を密閉してなるものであっ
て、その一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対
応位置に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、
上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
導線からなり、上記基本誘導線及び上記補助誘導線が断
続直線であり、これら基本誘導線と補助誘導線を千鳥状
に配置したものであることを特徴とする包装用袋により
構成されるものである。
【0016】基本誘導線と補助誘導線を千鳥状に配置し
たものは、例えば図5(ロ)、図6(ロ)等に示す開封
用誘導線により構成することが好ましい。このように構
成すると、例えば基本誘導線の開封用誘導線(ミシン
目)の切り込み形成されていない部分(例えば図5
(ロ)のa’の範囲)に補助誘導線が位置することにな
るため、より円滑かつ確実に開封することができる。
【0017】第4に、上記基本誘導線を1条とし、上記
補助誘導線を該基本誘導線の上下に各1条ずつ設けたも
のであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載
の包装用袋により構成されるものである。即ち、開封用
誘導線の3条を1つの単数列として構成するものであ
る。
【0018】第5に、上記基本誘導線を1条とし、上記
補助誘導線を該基本誘導線の上下に各2条ずつ設けたも
のであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載
の包装用袋により構成されるものである。
【0019】即ち、開封用誘導線の5条を1つの単数列
として構成するものである。このように開封用誘導線を
3条又は5条に構成することにより、単数列でありなが
ら一方側及び他方側の包装基材の誘導線の位置に水平方
向のずれが生じても、当該ずれを吸収して円滑に開封す
ることができる。
【0020】第6に、上記一方側包装基材の開封用誘導
線と上記他方側包装基材の開封用誘導線はその両端部位
置で重合しており、上記一方側包装基材の上記誘導線は
その両端部位置から連続的に下向き又は上方き湾曲線状
に形成し、上記他方側包装基材の上記誘導線はその両端
部位置から連続的に上記湾曲線とは逆方向の上向き又は
下向き湾曲線状に形成したものであることを特徴とする
上記第1〜5の何れかに記載の包装用袋により構成され
るものである。
【0021】上記両端部位置の開封用誘導線は、直線的
に形成することが好ましい。上記誘導線の重合は、両誘
導線が重なり合っている場合をいい、両誘導線が略重な
り合っている状態を含む。このような構成によると、両
端部位置の重合部分から湾曲線状の開封用誘導線に連続
的に切り裂くことができ、一方側包装基材と他方側包装
基材の湾曲線の方向が逆方向となっても円滑に開封用誘
導線に沿って切り裂くことができる。
【0022】第7に、上記開封用誘導線は、グラビア印
刷機の版胴外周面に開封用誘導線形成刃を設置し、上記
版胴に圧接する圧胴と上記版胴間に包装基材を通過さ
せ、上記版胴の回転に基づいて上記包装基材に切り込み
形成したものであることを特徴とする上記第1〜6の何
れかに記載の包装用袋により構成されるものである。
【0023】第8に、上記開封用誘導線は、グラビア印
刷機の巻き取りロール部の前段に包装基材の受けローラ
を設けると共に、外周面に開封用誘導線の形成刃を設け
た円盤状回転刃を上記受けローラに対向して配置し、該
円盤状回転刃を受けローラ上面を通過する包装基材に接
触させることにより、上記包装基材に切り込み形成した
ものであることを特徴とする上記第1〜6の何れかに記
載の包装用袋により構成されるものである。
【0024】このように構成すると、一方側及び他方側
包装基材の開封用誘導線を極めて高い位置精度で重合さ
せることができ、これにより単数列の開封用誘導線によ
り円滑かつ確実に開封し得る包装用袋を実現することが
できる。
【0025】第9に、包装基材に切り込み形成される包
装用袋の開封用誘導線の構造であって、上記開封用誘導
線は、上記包装基材の表面に切り込み形成される1条の
基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及び下方位置
に、該基本誘導線に沿って切り込み形成される補助誘導
線からなり、該開封用誘導線は、グラビア印刷機の版胴
外周面に上記誘導線の開封用誘導線形成刃を設置し、上
記版胴に圧接する圧胴と上記版胴間に上記包装基材を通
過させ、上記版胴の回転に基づいて上記包装基材に切り
込み形成したものであることを特徴とする包装用袋に用
いられる開封用誘導線の構造により構成されるものであ
る。
【0026】第10に、包装基材に切り込み形成される
包装用袋の開封用誘導線の構造であって、上記開封用誘
導線は、上記包装基材の表面に切り込み形成される1条
の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及び下方位置
に、該基本誘導線に沿って切り込み形成される補助誘導
線からなり、上記開封用誘導線は、グラビア印刷機の巻
取りロール部の前段に包装基材の受けローラを設けると
共に、外周面に開封用誘導線の形成刃を設けた円盤状回
転刃を上記受けローラに対向して配置し、該円盤状回転
刃を受けローラ上面を通過する包装基材に接触させるこ
とにより、上記包装基材に切り込み形成したものである
ことを特徴とする包装用袋に用いられる開封用誘導線の
構造により構成されるものである。
【0027】第11に、上記基本誘導線が連続直線であ
り、上記補助誘導線が断続直線からなるミシン目状であ
ることを特徴とする上記第9又は10記載の包装用袋に
用いられる開封用誘導線の構造により構成されるもので
ある。
【0028】第12に、上記基本誘導線及び補助誘導線
が、断続直線からなるミシン目状であることを特徴とす
る上記第9又は10記載の包装用袋に用いられる開封用
誘導線の構造により構成されるものである。
【0029】上記第9〜12に記載の構造の開封用誘導
線を切り込み形成された包装基材により包装用袋を形成
すると、開封用誘導線を高い位置精度で重合させること
ができ、これにより円滑かつ確実に開封し得る開封用誘
導線を有する包装用袋を実現し得る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
【0031】図1〜図3及び図8は、本発明に係る包装
用袋11を示すものであり、当該包装用袋11は、方形
の表面側包装基材12と同じく方形の裏面側包装基材1
3とからなり、これらの包装基材12、13を対向させ
て、それらの周縁14の四方を密閉した四方シール構造
を成している。尚、長方形包装基材を2つ折にして三方
の周縁14を密閉する三方シール構造でも良い。また、
本発明の包装用袋は上記各図に示すものに限定されず、
ジップ付のチャック袋(ジップ袋)や自立袋、ガゼット
袋等各種の形状の袋が含まれる。
【0032】上記包装用袋11の表面側包装基材12及
び裏面側包装基材13は、図4にその断面図を示すよう
に、ミシン目等の開封用誘導線16(3条又は5条)が
切り込み形成された最外部のミシン目基材15a(例え
ば合成樹脂フィルム等)、中間層の貼り合せ材15b
(例えば合成樹脂フィルム、アルミニウム箔等)、最内
部の貼り合わせ材15c(例えば合成樹脂フィルム等)
等から構成され、これらの3層フィルムを貼り合わせた
3層積層構造をなしている。尚、包装用袋11は上記3
層に限らず、3層以上、或いは2層でもよく、何れの場
合も最外部のミシン目基材15aの面に上記開封用誘導
線16を切り込み形成することが好ましいが、中間層の
フィルムにミシン目を設けることもできる。
【0033】また、上記包装用袋11は、図16(a)
に示すように補助誘導線16b,16b’をミシン目基
材15aに対してハーフカットとしても良いし、同図
(b)に示すように基本誘導線16aをミシン目基材1
5aに対してハーフカットとしても良い。尚、図4及び
図16(a)(b)に示すフィルムは3層構造である
が、最内部の貼り合わせ材15cが存在しない2層構造
としても良い。さらに、開封用誘導線16a,16b、
16b’を図16(c)に示すようにミシン目基材15
aから貼り合わせ材15bまで貫通するように設けても
良いし、同図(d)に示すように基本誘導線16aのみ
を貼り合わせ材15bに貫通して設け、補助誘導線16
b,16b’はミシン目基材15aにのみ設ける構成、
同図(e)に示すように基本誘導線16aはミシン目基
材15aにのみ設け、補助誘導線16b,16b’のみ
を貼り合わせ材15bにまで貫通して設ける構成として
も良い。このように、開封用誘導線16をどの深さで設
けるかは各種の構成をとることができるものである。
尚、上記図4、図16には3層構造のフィルムを示した
が、上述のようにフィルムは2層構造でも良いし、或い
は3層以上、即ち4層構造、5層構造でも良く、各種用
途に応じて最適の積層構造が決定されるものである。
【0034】上記開封用誘導線16は(図4等参照)、
上記包装用袋11の最外部のミシン目基材15a等に切
り込み形成されるものであり、その具体的形状は後述す
るが、その切り込み形成位置は、図1の包装用袋11で
は、その下辺17の一側縁部から上辺18の他側縁部に
至るまで直線的に切り込み形成され、図2の包装用袋1
1では、その左辺19の一側縁部から右辺20の他側縁
部に至るまで直線的に切り込み形成され、図3の包装用
袋11では、該袋11の上コーナ部において、左辺19
の一側縁部から上辺18の他側縁部に至るように当該コ
ーナ部に斜め方向に直線的に切り込み形成されおり、各
々開封用誘導線16から包装用袋11の側縁に近い側の
部分に切取片21が形成されているものである。そし
て、これらの開封用誘導線16は、上記表面側包装基材
12と裏面側包装基材13を対向させた場合、両基材1
2、13の面上の対応位置、具体的には表裏対向する略
同一位置(重合位置)に重なるように設けられており、
上記切取片21を持って矢印A方向に引っ張ることで、
上記開封用誘導線16に沿って上記切取片21を切り取
って、当該包装用袋11を開封し、内容物を取り出すも
のである。尚、図8の包装用袋11の開封用誘導線16
の切り込み形状の詳細は後述する。
【0035】次に、上記開封用誘導線16の具体的形状
について詳述する。図5〜図7、図9、図12は、上記
開封用誘導線16の各種具体的形状を示すものである。
これらの開封用誘導線16は、何れも中央部に形成され
た基本誘導線と該基本誘導線の上方位置及び下方位置に
各1条又は各2条形成された補助誘導線からなるもので
あり、これら3条又は5条の開封用誘導線で、以下説明
するように切り裂き方向のずれ(逃げ)の修正(補
正)、或いは切り裂き方向の誘導を行って該誘導線16
に沿って円滑に開封し得る機能を発揮し得るものであ
る。そこで、これら3条又は5条の開封用誘導線を上記
機能を発揮し得る単位とみなして、「単数列」の開封用
誘導線というものとする。即ち「単数列」とは、少なく
とも切り裂き方向の修正(補正)、又は誘導機能を有する
開封用誘導線の単位をいうものであり、図5に示すもの
では3条、図6に示すものでは5条の開封用誘導線を
「単数列」というものとする。
【0036】尚、これらの図における各誘導線16を上
記図1〜図3及び図8の包装用袋11に設ける場合は、
図5〜図7、図9、図12中最上部の開封用誘導線(2
2b,23b,・・・)側に上記切取片21が位置する
ように上記ミシン目基材15aに切り込み形成される。
また、この場合、3条又は5条の開封用誘導線16の中
央の基本誘導線22a,23a,・・・の左端位置に対
応して上記包装用袋11の側縁にノッチ等の切り込みを
設け、開封時は、該ノッチから中央の基本誘導線22
a,23a,・・・に沿って矢印A方向に切り裂いてい
くことで開封するように構成することができるが、ノッ
チを設けない構成としても良い。
【0037】(1)図5(イ)(ロ)、図6(イ)
(ロ)に示す開封用誘導線16について 図5(イ)は最も基本的な開封用誘導線16の形状を示
すものであり、中央部に1条形成された水平断続直線の
ミシン目からなる基本誘導線22aと、当該基本誘導線
22aの上方位置及び下方位置に一定距離隔てて、該基
本誘導線22aに平行に、各1条の水平断続直線のミシ
ン目からなる補助誘導線22b,22cから構成されて
いる。
【0038】図6(イ)は、上記図5(イ)の開封用誘
導線16の補助誘導線22b,22cの外側にさらに各
1条の補助誘導線22b’,22c’を設けたものであ
る。即ち、中央部に1条形成された水平断続直線のミシ
ン目からなる基本誘導線22aと、当該基本誘導線22
aの上方位置及び下方位置に一定距離隔てて、該基本誘
導線22aに平行に形成された、各2条の水平断続直線
のミシン目からなる補助誘導線22b、22b’及び2
2c、22c’とから構成されているものである。
【0039】これら開封用誘導線16は、3条(図5
(イ))又は5条(図6(イ))のミシン目により、全
体として1つの開封用誘導線16としての単数列を構成
するものである。また、図5(イ)図6(イ)の開封用
誘導線16における、上記基本誘導線22aと各補助誘
導線22b,22b’,22c,22c’のミシン目
は、図中上下方向に見ると同一範囲に各3つずつ(図5
(イ))、又は5つずつ(図6(イ))配置されてお
り、各3つ又は各5つのミシン目が一定間隔a毎に断続
的に切り込み形成されている。
【0040】図5(ロ)は、同図(イ)のミシン目を千
鳥状に配列したものである。即ち、中央部に1条形成さ
れた水平断続直線のミシン目からなる基本誘導線23a
と、当該基本誘導線23aの上方位置及び下方位置に一
定距離隔てて、該基本誘導線23aに平行に形成され
た、各1条の水平断続直線のミシン目からなる補助誘導
線23b、23cとから構成されており、上記基本誘導
線23aのミシン目は上記補助誘導線23b,23cの
ミシン目の切り込み形成されていない各部分(図5
(ロ)中a’の範囲)に位置するように全体として千鳥
状に形成されている。
【0041】図6(ロ)は、基本誘導線23a、補助誘
導線23b,23cの構成は図5(ロ)の誘導線16と
同様であるが、図5(ロ)の最外部の補助誘導線23
b、23cの外側に千鳥状に補助誘導線23b’,23
c’をさらに配列したものであり、当該補助誘導線23
b’,23c’は上記補助誘導線23b,23cの切り
込み形成されていない部分(図6(ロ)中a”の範囲)
に位置するように全体として千鳥状に形成されている。
即ち、中央部に1条形成された水平断続直線のミシン目
からなる基本誘導線23aと、当該基本誘導線23aの
上方位置及び下方位置に一定距離隔てて、該基本誘導線
23aに平行に形成された、各2条の水平断続直線のミ
シン目からなる補助誘導線23b,23b’及び23
c,23c’から構成されている。これらの開封用誘導
線16も上記と同様に3条(図5(ロ))又は5条(図
6(ロ))のミシン目により全体として1つの開封用誘
導線16としての単数列を構成するものである。
【0042】これらの開封用誘導線16(図5(イ)
(ロ)、図6(イ)(ロ))を上記図1〜図3の包装用
袋11に示す各開封用誘導線16の位置に設けて当該袋
を開封する場合、上記基本誘導線22a又は23aの左
端側から矢印A方向に該誘導線16に沿って直線的に上
記切取片21を切り裂いていく(各図矢印b参照)。こ
のとき切り裂き方向が矢印c,dに示すように基本誘導
線22a又は23aのミシン目方向から上側又は下側に
ずれても、当該ずれ方向の上側又は下側には水平断続直
線からなる補助誘導線22b、22c又は23b、23
cのミシン目が存在するため、その後は上記補助誘導線
22b,22c又は23b,23cに誘導されて当該開
封用誘導線16に沿って直線的に、円滑かつきれいに開
封することができるものである。
【0043】また、図5(ロ)又は図6(ロ)の千鳥配
置の場合は、基本誘導線23aのミシン目の切り込み形
成されていない部分(a’の範囲)に補助誘導線23
b,23cのミシン目が位置するように構成されている
ので、上記切り裂き方向が矢印c,d方向にずれても、
当該ずれの方向に確実に水平断続直線の補助誘導線23
b,23cのミシン目が位置している構成となり、より
円滑かつ確実に開封することができるものである。
【0044】また、図6(イ)(ロ)に示す5条の開封
用誘導線16によると、切り裂き方向が補助誘導線22
b,22c又は23b、23cからさらに外側方向(矢
印c’,d’方向)にずれても、さらに最外部の水平断
続直線のミシン目からなる補助誘導線22b’,22
c’又は23b’,23c’により上記切り裂き方向を
開封用誘導線16の方向(矢印A方向)に誘導すること
ができ、より確実に開封用誘導線16に沿って直線的に
開封することができるものである。このとき、図6
(ロ)に示す千鳥配列の場合は、図5(ロ)の場合と同
様に、補助誘導線23b,23cのミシン目の切り込み
形成されていない部分(a”の範囲)に最外部の補助誘
導線23b’,23c’のミシン目が位置するように構
成されているので、上記切り裂き方向が矢印c’,d’
方向にずれても、当該ずれ方向に確実に補助誘導線23
b’,23c’のミシン目が位置している構成となり、
より確実に開封することができるものである。
【0045】(2)図5(ハ)(二)、図6(ハ)
(二)に示す開封用誘導線16について 図5(ハ)に示す開封用誘導線16は、上記図5(イ)
の開封用誘導線16の各ミシン目を各々水平線に対して
下方向に角度θ(例えば約20度〜45度の範囲)傾斜
させたものであり、中央部に1条形成された傾斜断続直
線のミシン目からなる基本誘導線24aと、当該基本誘
導線24aの上方位置及び下方位置に一定距離隔てて、
該基本誘導線24aに平行に設けられた同じく傾斜断続
直線のミシン目からなる各1条の補助誘導線24b,2
4cにより構成されているものである。
【0046】図6(ハ)に示す開封用誘導線16は、上
記図5(ハ)の開封用誘導線16の補助誘導線24b,
24cの外側にさらに同様の傾斜断続直線のミシン目か
らなる補助誘導線24b’,24c’を設けたものであ
るり、中央部に1条形成された傾斜断続直線のミシン目
からなる基本誘導線24aと、当該基本誘導線24aの
上方位置及び下方位置に一定距離隔てて、該基本誘導線
24aに平行に設けられた傾斜断続直線のミシン目から
なる各2条の補助誘導線24b、24b’及び24c,
24c’とにより構成されているものである。
【0047】即ち、これらの3条(図5(ハ))又は5
条(図6(ハ))のミシン目により、全体として1つの
開封用誘導線16としての単数列を構成するものであ
る。そして、上記基本誘導線24aと各補助誘導線24
b,24b’,24c,24c’のミシン目は、図中上
下方向に見ると同一範囲に、各3つずつ(図5(ハ))
又は5つずつ(図6(ハ))配置されており、各3つの
或いは5つのミシン目が一定間隔a毎に断続的に切り込
み形成されている。
【0048】図5(ニ)に示す開封用誘導線16は、上
記図5(ハ)に示す開封用誘導線16と、基本誘導線2
5a及び上側の補助誘導線25bの構成は同一である
が、下側の補助誘導線25cのみの構成を上方向に傾斜
させたものである。即ち、最下部の補助誘導線25cの
みを水平線に対して同図中上方向に角度θ(例えば約2
0度から45度の範囲で)傾斜させた傾斜断続直線のミ
シン目とし、かつその配置を基本誘導線25a及び上側
の補助誘導線25bの切り込み形成されていない部分
(図5(ニ)中a’の範囲)に各々位置させたものであ
る。
【0049】図6(二)に示す開封用誘導線16は、図
6(ハ)に示す開封用誘導線16と基本誘導線25a及
び補助誘導線25b,25b’、25cの構成は同一で
あるが、最下部の補助誘導線25c’のみを水平線に対
して同様に上方向に角度θ(例えば約20度から45度
の範囲で)傾斜させ傾斜断続直線のミシン目とし、かつ
その配置を基本誘導線25a及び補助誘導線25b、2
5b’,25cの切り込み形成されていない部分(図6
(ニ)中a’の範囲)に各々位置させたものである。
尚、図5(ニ)及び図6(ニ)の開封用誘導線16は、
中央部に1条形成された傾斜断続直線のミシン目からな
る基本誘導線25aと、当該基本誘導線25aの上方位
置及び下方位置に一定距離隔てて設けられた同じく傾斜
断続直線のミシン目からなる各1条(図5(ニ))又は
各2条(図6(ニ))の補助誘導線25b,25b’,
25c,25c’から構成されており、これらの開封用
誘導線16で単数列を構成する点で、図5(ハ)、図6
(ハ)の開封用誘導線16と基本的構成は同様である。
【0050】これらの開封用誘導線16(図5(ハ)
(ニ)、図6(ハ)(ニ))を図1〜図3に示す包装用
袋11の開封用誘導線16として設けて当該袋11を開
封する場合、上記基本誘導線24a又は25aの左端側
から矢印A方向に該基本誘導線24a又は25aに沿っ
て略直線的に上記切取片21を切り裂いていく(各図矢
印e参照)。このとき切り裂き方向が矢印f,gに示す
ように基本誘導線24a又は25aのミシン目方向から
上側又は下側にずれても、当該ずれ方向の上側又は下側
には傾斜断続直線の補助誘導線24b,24c又は25
b,25cのミシン目が存在するため、その後は、上記
補助誘導線24b、24c又は25b,25cに誘導さ
れて、切り裂き方向を上記補助誘導線24b,24c又
は25b,25cに沿う方向(矢印A方向)に補正する
ことができ、開封用誘導線16に沿って直線的に、円滑
かつきれいに開封することができるものである。
【0051】また、図6(ハ)(ニ)に示す5条の開封
用誘導線16によると、切り裂き方向が補助誘導線24
b,24c又は25b、25cからさらに外側方向(矢
印f’,g’方向)にずれても、さらに最外部の傾斜断
続直線のミシン目からなる補助誘導線24b’,24
c’又は25b’,25c’により上記切り裂き方向を
開封用誘導線16の方向(矢印A方向)に誘導すること
ができ、より円滑かつ確実に開封用誘導線16に沿って
開封することができるものである。
【0052】また、図5(ニ)、図6(ニ)の開封用誘
導線16の場合は、最下部の補助誘導線25c(図5
(ニ))又は25c’(図6(ニ))が、基本誘導線2
5a及び他の補助誘導線25b又は25b、25b’、
25cのミシン目の存在しない位置(図中a’の範囲)
に形成されているので、上記基本誘導線25aから切り
裂き方向が矢印g方向又は矢印g,g’方向にずれて
も、当該ずれ方向に確実に最下部の補助誘導線25c
(図5(ニ))又は25c’(図6(ニ))のミシン目
が位置している構成となり、しかも基本誘導線25aよ
り下側の当該補助誘導線25c(図5(ニ))又は25
c’(図6(ニ))はその開封方向側端部Pが基本誘導
線25aの方向に向かう傾斜断続直線からなり、切り裂
き力が作用する方向と同じ上方向に傾斜した傾斜断続直
線より形成されているので(図9(イ)〜(ニ)、図1
2(イ)(ロ)も同様)、切り裂き方向が下方にずれて
も開封方向を基本誘導線25a方向に誘導することがで
き、より確実に開封用誘導線に沿って開封することがで
きるものである。尚、図6(ニ)に示す開封用誘導線1
6においては、最下部の補助誘導線25c’のみを上方
に傾斜させた例を示したが、図12(イ)に示すように
最下部の補助誘導線25c’を上方に傾斜させると共
に、その一つ上の補助誘導線25c”を上方に傾斜さ
せ、該誘導線25c”を上記最下部の補助誘導線25
c’と上下方向の同一範囲に位置させることもできる。
このように構成すると、上記2条の上向き補助誘導線2
5c’,25c”により、上記切り裂き方向を上記基本
誘導線25aの方向に誘導する作用をより確実に発生さ
せることができるものである。
【0053】また、通常このような包装用袋11を開封
する場合は、上記切取片21を指で摘んで、切取片21
の存在する方向、即ち図1〜図3及び図8に示す矢印B
方向に引っ張りながら上記開封用誘導線16に沿って切
取片21を切り取って行くため、当初の切り裂きが最下
部の補助誘導線24c,25c又は24c’,25c’
に達しても、切り裂きのための力の方向は、図5(ハ)
(ニ)、図6(ハ)(ニ)、図12(イ)に示すように
常時上方向、即ち切取片21方向(矢印e方向)に作用
するため、下部の補助誘導線24c,25c(図5
(ハ)(ニ))又は24c’,25c’、25c”(図
6(ハ)(ニ)、図12(イ))から上方向(基本誘導
線24a、25a方向)に切り裂かれていき、最終的に
当該開封用誘導線16に沿って直線的に円滑かつきれい
に開封することができるものである。
【0054】図9(イ)(ロ)(ハ)に、図5(ニ)に
示す開封用誘導線16と同様のパターンの開封用誘導線
16の他の実施形態を示す。同図(イ)に示すものは、
図5(ニ)の開封用誘導線と略同一構成のものである
が、各傾斜断続直線の傾斜角度θを45度としたもの、
図9(ロ)に示すものは、図5(ニ)の開封用誘導線1
6を基本としながら、各傾斜断続直線の傾斜角度θを3
0度とし、さらに最下部の補助誘導線25c(上向き傾
斜断続直線のミシン目)を基本誘導線25a、上側の補
助誘導線25bと上下方向の同一範囲(範囲r)の位置
に形成したもの、図9(ハ)に示すものは、傾斜角度θ
を30度とし、上下の傾斜断続直線の補助誘導線25
b,25cを上下方向の同一範囲(範囲r’)に設ける
と共に互いに重なり部分r”を設け、かつ傾斜断続直線
の基本誘導線25aを補助誘導線25b、25cに対し
て長手方向にシフトして基本誘導線25aと補助誘導線
25b、25cの重なり部分r”を設けたものである。
尚、上記基本誘導線25aは上記補助誘導線25b,2
5cより短く形成されている。かかる図9(イ)〜
(ハ)に示す開封用誘導線16においても、上述した開
封用誘導線16と同様の作用、効果を発揮し得るもので
ある。
【0055】(3)図7(イ)(ロ)に示す開封用誘導
線16について 図7(イ)(ロ)には、上記開封用誘導線16のさらに
他の実施形態を示す。同図(イ)に示す開封用誘導線1
6は、中央部に1条形成された連続直線(図7では水平
連続直線)の切り込み線からなる基本誘導線26aと、
当該基本誘導線26aの上方位置及び下方位置に一定距
離隔てて、該基本誘導線26aに平行に、各1条の水平
断続直線のミシン目からなる補助誘導線26b,26c
から構成されている。即ち、図7(イ)に示す開封用誘
導線16は、これらの3条のミシン目乃至は切り込み線
により、全体として1つの開封用誘導線16としての単
数列を構成するものである。
【0056】この開封用誘導線16を図1〜図3に示す
包装用袋11の開封用誘導線16の位置に設け、当該包
装用袋11を開封する場合、上記基本誘導線26aに沿
って矢印A方向に上記切取片21を切り取っていくが、
このとき切断方向がに上方又は下方(矢印j、k方向)
にずれたとしても、上方位置又は下方位置に上記水平断
続直線のミシン目からなる補助誘導線26b、26cが
存在するので、切り裂き方向を開封用誘導線16に沿う
方向(矢印A方向)に補正して、直線的に円滑かつきれ
いに開封することができる。
【0057】図7(ロ)に示す開封用誘導線16は、同
図(イ)に示す3条の開封用誘導線16の補助誘導線2
6a,26cの外側にさらに水平断続直線のミシン目か
らなる補助誘導線26b’,26c’を切り込み形成し
て全体として5条としたものである。即ち、図7(ロ)
の開封用誘導線16は、中央の1条の連続直線(図7で
は水平連続直線)の切り込み線を基本誘導線26aと
し、該基本誘導線26aに対して水平断続直線のミシン
目からなる補助誘導線26b,26b’,26c,26
c’を該基本誘導線26aの上下に各2条ずつ設けたも
のであり、この開封用誘導線16もまた5条のミシン目
を単数列の開封用誘導線16としたものである。
【0058】このように構成すると、基本誘導線26a
及び補助誘導線26b,26cにより、上記図7(イ)
と同様の作用、効果を得られると同時に、切り裂き方向
が上記補助誘導線26b,26cからさらに外側方向
(矢印j’、k’方向)にずれても、最外部の水平断続
直線のミシン目からなる補助誘導線26b’,26c’
により切り裂き方向を開封用誘導線16の方向(矢印A
方向)に誘導することができ、より確実に開封用誘導線
16に沿って直線的に開封することができるものであ
る。また、上記連続直線(26a)に沿って開封してい
く場合、断続直線に比べて切り裂き抵抗が少なくなり、
また、連続直線からなる開封用誘導線は、従来の変形ミ
シン目等と比較して、より直線的にカットして行くこと
ができ、断続線に比べて切り裂き方向のずれ(逃げ)が
生じにくいため、開封用誘導線16を断続直線と連続直
線の組み合わせとして構成すると、断続直線のみからな
る開封用誘導線に比べてより円滑に開封することができ
る。
【0059】また、上記包装用袋11は、最外部のミシ
ン目基材15aに開封用誘導線16を設けた後に、該基
材15aに内側のフィルム15b,15cを貼り合わせ
て形成されるが、この際、開封用誘導線16(3条又は
5条)を全て連続直線とすると、フィルムが誘導線方向
に沿って細い帯状部分に分割されてしまい、最外部のフ
ィルム15aと内側のフィルム15b、15cの貼り合
わせの過程において、分割された帯状部分が水平方向に
ずれて、切り込み線のラインに沿って重なり合いを生ず
ることも考えられる。しかしながら、図7(イ)(ロ)
に示すように連続直線(26a等)は1条の基本誘導線
のみから構成されているので、細い帯状部分等が形成さ
れることはないため、開封用誘導線を上述のような連続
直線と補助誘導線の組み合わせにより構成することによ
り、包装用袋の製造過程における切り込み線の重なりを
防止し得るという効果をも得ることができるものであ
る。
【0060】図9(ニ)に示す開封用誘導線16は、図
7(イ)に示した開封用誘導線16の他の実施形態を示
すものであり、基本誘導線26aは同図(イ)と同様に
連続直線の切り込み線からなるものであるが、補助誘導
線26b”,26c”を互いに基本誘導線26a方向に
向かう傾斜断続直線のミシン目により構成したものであ
る。図12(ロ)に示す開封用誘導線16は、上記図9
(ニ)に示す補助誘導線26b”、26c”を基本誘導
線26aの上下に各2条ずつ設けたものである。このよ
うに構成すると、上述の図7(イ)(ロ)等に示す開封
用誘導線16と同様の作用、効果、即ち基本誘導線26
aが直線であるため、切り裂き抵抗が少なく、切り裂き
方向のずれが生じにくいという効果を発揮し得ると共
に、基本誘導線26aから上方又は下方に切り裂き方向
がずれた場合(矢印j,k方向、図12(ロ)の場合は
さらにj’,k’方向)、上記補助誘導線26b”,2
6c”が常時基本誘導線26a方向に向かっているた
め、基本誘導線26aから上方又は下方の切り裂き方向
のずれを、常に基本誘導線26a方向に修正することが
でき、より確実かつ円滑に開封用誘導線16に沿って開
封してくことができるものである。
【0061】以上説明してきた各種の開封用誘導線を具
備した包装用袋11は、上記何れかの開封用誘導線16
の形成された一対の表裏包装基材12,13を、表裏の
開封用誘導線16が重合するように貼り合わせて形成さ
れるが、このとき貼り合わせの過程で表裏の開封用誘導
線16の位置が水平方向に多少ずれたとしても、当該開
封用誘導線16自体が3条乃至は5条の切り込み線によ
り構成されているので、これら単数列の開封用誘導線1
6により、表裏のずれを吸収し得る効果をも発揮し得る
ものである。
【0062】(4)図8の開封用誘導線16について 次に、上記開封用誘導線16の他の実施形態を図8に基
づいて説明する。同図に示すものは、開封用誘導線16
の形状を直線と湾曲線の組み合わせとし、湾曲線の湾曲
方向を表面側包装基材12と裏面側包装基材13とで逆
方向としたものである。尚、説明の便宜上、同図には開
封用誘導線16を直線と破線で示しているが、該誘導線
16の具体的形状は、図5〜図7、図9、図12に示し
た各種の形状の開封用誘導線16の何れを適用しても良
く、上記図8に示す開封用誘導線16の直線部及び湾曲
部に沿って上記各種形状の開封用誘導線16が切り込み
形成されるものである。
【0063】上記開封用誘導線16の切り込み形成位置
は、上記包装用袋11の左辺19の一側縁部から右辺2
0の他側縁部に至るまで切り込み形成されているが、表
面側包装基材12では、左辺19の一側縁部から水平に
直線的に切り込み形成した直線部16aを設け、該直線
部16aに連続して下方向に湾曲線状に切り込み形成し
た湾曲部16bを設け、該湾曲部16bに連続して再び
上記直線部16aと同一水準位置に水平に直線部16
a’を表裏の他側縁部(右辺20)に亙って切り込み形
成し、裏面側包装基材13において、さらに上記直線部
16a’に連続して上方向に湾曲線状に切り込み形成し
た湾曲部16b’を設け、当該湾曲部16b’に連続し
て裏面の一側縁部(左辺19)に、上記直線部16a’
と同一水準位置に水平に直線部16a”を設けたもので
ある。
【0064】即ち、上記表面側包装基材12の開封用誘
導線16と上記裏面側包装基材13の開封用誘導線16
はその両端部位置で直線状の開封用誘導線(直線部16
a,16a”、及び16a’)で重合していると共に、
上記表面側包装基材12の該誘導線16の中央部の湾曲
部16bは、上記両端部位置の直線部16a,16a’
から連続的に下向き湾曲線状に形成し、上記裏面側包装
基材13の該誘導線16の中央部の湾曲部16b’は、
両端部位置の上記直線状の開封用誘導線16a’,16
a”から連続的に上記開封用誘導線16bとは逆方向の
上向き湾曲線状に形成したものである。尚、図5〜図
7、図9等に示す開封用誘導線16を上記図8の湾曲部
16b,16b’に適用する場合は、個々の切り込み線
(水平断続直線、傾斜断続直線)が湾曲部16b、16
b’に沿って徐々にその方向を変えながら全体として湾
曲線状に切り込み形成されることになる(図10(イ)
(ロ)参照)。また上記水平断続直線のミシン目の場合
は図10(イ)に示すように湾曲線に沿って配置するこ
とにより個々の断続直線は水平ではなくなるが、同図
(イ)に示す個々のミシン目も水平断続直線に含まれる
ものである。また、図7の連続直線の切り込み線は、上
記湾曲部16b,16b’に沿って連続直線として湾曲
線状に切り込み形成される(図10(ハ)参照)。
【0065】かかる包装用袋11を開封する場合は、該
包装用袋16の上辺側の切取片21を指で摘んで矢印A
方向に引きながら上記開封用誘導線16に沿って該切取
片21を切り取って行く。このとき、上記直線部16
a,16a”の開封用誘導線16は表裏が重合している
ので、湾曲部16b,16b’の開封用誘導線までは表
裏同一位置で直線的に切り取られていき、湾曲部16
b、16b’の開封用誘導線に達したところで、表面側
包装基材12側は湾曲部16bに沿って上記直線部16
aから連続的に矢印p方向(下向き湾曲線状)に切り裂
かれていき、裏面側包装基材13側は湾曲部16b’に
沿って上記直線部16a”から連続的に矢印q方向(上
向き湾曲線状)に切り裂かれていき、上記湾曲部16
b、16b’を過ぎると、連続的に表裏重合位置にある
各直線部16a’に誘導され、当該直線部16a’沿っ
て表裏同一位置で直線的に切り取られ、最終的に上記切
取片21を切り取ると、裏面側包装基材13の上部が開
封用フラップ13’として残った状態となる(図8
(ハ)参照)。従って、当該フラップ13’に指をかけ
て容易に切り取り開口部を開いて内容物を取り出すこと
ができる。
【0066】また、上記切取りの過程において、上記表
裏面側包装基材12、13の開封用誘導線16の湾曲部
16b,16b’は何れも両端部の開封用誘導線16の
直線部16a,16a’,16a”に連続しており、さ
らに両端部における開封用誘導線16の直線部16a,
16a’,16a”が表裏重合位置に設けられているの
で、開封の途中で、表面側の開封用誘導線16と裏面側
の開封用誘導線16のルートが上下方向(矢印p,q方
向)に分かれても、上記直線部16aから湾曲部16
b,16b’に表裏共スムーズに連続的に切り裂くこと
ができ、さらに開封用誘導線16の終端部位置において
も、上記湾曲部16b,16b’から表裏の直線部16
a’にルートが連続しており、しかも直線部16a’が
表裏重合位置にあるため、湾曲部16b,16b’から
両直線部16a’に表裏ともスムーズに連続的に切り裂
くことができ、最後まできれいに当該開封用誘導線16
に沿って開封することができるものである。尚、上記図
8の実施形態では、表面側を下向き湾曲線、裏面側を上
向き湾曲線としたが、湾曲方向は表面側を上向き、裏面
側を下向きとしても良い。また、図11に示すように上
記湾曲部を表裏包装基材12、13に2つ以上設けても
良い。
【0067】(5)上記開封用誘導線の包装基材に対す
る形成法について 次に、上記図5〜図7、図9等に示した開封用誘導線の
形成法について説明する。上記開封用誘導線16は、図
13に示すようなグラビア印刷機30を用いて包装基材
としてのフィルムF(ミシン目基材15a)に切り込み
形成される。当該グラビア印刷機30自体は、5つの印
刷部31からなる5色印刷の公知の印刷機を示すもの
で、各印刷部31は、図14に示すように、周面に版用
の凹部の形成された版胴32及びこれに圧接する圧胴3
3により形成され、該版胴32の凹部にパン34内のイ
ンキを充填して上記圧胴33により矢印N方向に送られ
てくるフィルム面Pに印刷を行うものである。かかる多
色のグラビア印刷機30は、各色の印刷位置を合わせる
ため極めて精度の高い公知の見当合わせ装置が用いられ
ている。この見当合わせ装置は、上記フィルム面Pの各
色の印刷位置(例えば各色の印刷機でフィルム面に印刷
された見当マーク)の縦横位置のずれを光電変換器から
なるスキャニングヘッド35で常時監視し、制御部37
が上記ヘッド35からの信号に基づいて、該ヘッド35
で検出した見当マークの縦方向のずれ量を検出し、該検
出に基づいてコンペンセータローラ36を駆動モータM
1により上下方向(矢印S,T方向)に駆動してフィル
ム縦方向(フィルム長手方向)のずれを修正し、及び上
記制御部37が同じく上記ヘッド35からの信号に基づ
いて、該ヘッドで検出した見当マークの横方向のずれ量
を検出し、該検出に基づいて駆動用モータM2により版
胴32を横方向(図14紙面に対して垂直方向)に駆動
することによりフィルム横方向のずれを修正している。
このような見当合わせの見当仕上がり精度は、一般的に
±0.1mm以内に抑えられるものである。尚、図14
中PGはパルス発生器であり、制御部37において上記
見当マークのずれ量を検出するための基準パルス信号を
発生するものである。
【0068】本発明の開封用誘導線16は、上記グラビ
ア印刷機の最終印刷部31を開封用誘導線形成部31’
として利用する。即ち、該形成部31’の版胴32の外
周面に開封用誘導線形成刃40〜42(図15(イ)〜
(ハ)の何れか)を設ける。該形成刃は、上記版胴32
の外周面から半径方向に突出するように設けられる。そ
して上記版胴32に圧接する圧胴33と上記版胴32間
に包装基材としてのフィルムFを通過させ、当該版胴3
2の回転に基づいて一定ピッチで上記フィルムFに開封
用誘導線を切り込み形成するものである。40はフィル
ム横方向に開封用誘導線を形成するための横方向刃であ
り、版胴32外周に該版胴の軸方向に設けられている
(図15(イ)参照)。当該横用孔刃40は図2に示す
開封用誘導線16を形成するものである。41はフィル
ム長手方向に平行に開封用誘導線を形成するための縦方
向刃であり、版胴32の外周方向に沿って設けられる
(図15(ロ)参照)。当該縦方向刃41は、図1に示
す開封用誘導線16を形成するものである。42は上記
フィルムのコーナ部に斜めに開封用誘導線を形成するた
めの傾斜方向刃であり、版胴32外周面に傾斜方向に設
けられている(図15(ハ)参照)。該傾斜方向刃42
は、図3に示す開封用誘導線16を形成するものであ
る。尚、上記形成刃40〜42の形状は、一例として連
続直線の基本誘導線と断続直線の補助誘導線からなる図
7(イ)に対応するものを示すが、当該形成刃40〜4
2の形状は、その他の各開封用誘導線の切り込み線を形
成し得るように各開封用誘導線16に対応する形状を成
すものである。従って、上記版胴32の回転により、該
版胴32に設けられた形成刃40〜42が上記フィルム
Fに圧接することにより、多色グラビア印刷の最終工程
において、同フィルムFに開封用誘導線16が一定ピッ
チで切り込み形成されていくものである。尚、上記誘導
線形成部31’は、その版胴32表面に版用の凹部は設
けられておらず、また上記インキ用のパン34も取り外
して、専ら開封用誘導線16の形成に用いられるもので
ある。
【0069】このようにグラビア印刷機30の最終印刷
部31の版胴32の外周面に開封用誘導線形成用刃40
乃至は42を設け、当該版胴32の回転により上記フィ
ルムFに一定ピッチで開封用誘導線16を形成していく
ことにより、グラビア印刷機30の極めて高い精度(±
0.1mm)で上記フィルムFに開封用誘導線16を一
定ピッチで切り込み形成することができる。そして、こ
のように連続的に開封用誘導線16の切り込み形成され
たフィルムFを一定長さ毎に切断し、一対のフィルムを
対向して周囲を密閉することで包装用袋11を形成する
ものである。
【0070】この場合、上記開封用誘導線16の切り込
み位置精度が極めて高いため、表面側包装基材12の開
封用誘導線16と、裏面側包装基材13の開封用誘導線
16を極めて高い位置精度で重合させることができる。
従って、包装用袋11の表裏の開封用誘導線16の水平
方向のずれを極めて小さくすることができ、これにより
必要最小限の開封用誘導線16の条数(例えば3条)の
単数列であっても円滑かつ確実に開封し得る包装用袋1
1を実現することができるものである。
【0071】また、表裏の開封用誘導線16を極めて高
い精度で重合させることができ、表裏の開封用誘導線1
6の水平方向のずれを低減し得るので、切り込み線自体
の形状が上述のような簡単な形状の単数列の開封用誘導
線であっても、円滑かつ確実に開封し得る包装用袋を実
現し得るものである。
【0072】上記図15(ロ)に示す縦方向のミシン目
を形成する装置としては図17に示す構成(ミシン目形
成装置50)とすることもできる。同図において32’
は円筒状の受けローラであり、この受けローラ32’に
は上記開封用誘導線形成刃は設けずに、当該ローラ3
2’の上部に開封用誘導線の円盤状回転刃45を支持部
46に回転自在に軸支し、該支持部46をシリンダー4
7の下端に取り付けて上記回転刃45を上下方向(矢印
S,T方向)に昇降可能とする。さらに上記シリンダー
47を上記受けローラ32’に平行なレール48に沿っ
て左右方向(矢印U,V方向)に摺動自在に支持する。
【0073】かかる構成のミシン目形成装置50は、図
14の版胴32の上面に対向するように上記円盤状回転
刃45が位置するように設けても良いし、図19に示す
ように上記受けローラ32’と円盤状回転刃45とから
なる上記装置50を上記グラビア印刷機30の最終印刷
部31と巻取りロール部49との間(即ち、巻取りロー
ル部49の前段)に設置し、上記受けローラ32’と上
記回転刃45との間にフィルムFを通して上記巻取りロ
ール部49にてフィルムFを巻き取るように構成しても
良い。上記円盤状回転刃45の外周面(外周表面)には
図18に示すようにミシン目に対応する開封用誘導線の
形成刃45aが外周方向に突出状態で形成されており、
上記ローラ32’上にフィルムFが通過している状態に
おいて、上記シリンダー47を間欠的に下方に駆動して
上記回転刃45を上記フィルムFに一定時間接触させる
ことにより、フィルムFの長手方向に一定ピッチで開封
用誘導線(図1に示す開封用誘導線16)を形成してい
くことができるものである。尚、開封用誘導線の形成位
置は上記円盤状回転刃45を上記レール48に沿って左
右方向に移動させることで調整することができる。この
ように構成すると、グラビア印刷機30におけるフィル
ムFの正確な位置決め制御機能(例えばフィルムの長手
方向の送り制御量等)を維持しながら、正確な位置に開
封用誘導線16を形成することができる。また、図15
(ロ)の版胴32の外周に設けた形成刃41の版胴外周
上の継ぎ目による位置ずれの影響を排除することができ
る。
【0074】以上のように、本実施形態によると、1条
の基本誘導線とその上下に設けた1条又は2条の補助誘
導線から開封用誘導線16を構成することにより、必要
最小限の条数(3条又は5条)の単数列の開封用誘導線
により、円滑かつ確実に開封し得る包装用袋を実現する
ことができる。
【0075】また、このように構成することにより、開
封用誘導線16は水平断続直線、傾斜断続直線のミシン
目、或いはこれらの誘導線と連続直線の組み合わせ、即
ち、個々の切り込み線自体は、最も簡単な水平又は傾斜
の単一直線のみにより構成することができ、従来のよう
に、個々の切り込み線自体が複数方向を向いた直線の組
み合わせ、或いは曲線と直線の組み合わせ等による複雑
な形状の変形ミシン目を使用する必要はなく、複雑な変
形ミシン目形成用の刃型も必要としない。また、上記基
本誘導線と補助誘導線の組み合わせにより、極めて簡単
なミシン目形状(水平断続直線、又は傾斜断続直線)、
或いはこれらと連続直線の切り込み線の組み合わせによ
り、単数列の開封用誘導線で円滑かつ確実に開封し得る
包装用袋を実現することができ、従来のような変形ミシ
ン目を複数列形成する必要はない。従って、開封用誘導
線の形成部分の強度が低下することもない。
【0076】また、3条又は5条の断続直線からなる開
封用誘導線16を千鳥配置とすることにより、切り裂き
方向のずれをより確実に修正することができる。
【0077】また、開封用誘導線16を水平断続直線又
は傾斜断続直線と連続直線との組み合わせにより構成す
ることにより、開封時の抵抗を低減して、より直線的に
円滑に開封することのできる包装用袋を実現することが
できる。
【0078】また、3条又は5条の開封用誘導線16の
内、下方に位置する傾斜断続直線25c,25c’、2
5c”等の傾斜方向を基本誘導線方向に上り傾斜とする
ことにより、切り裂き方向を基本誘導線の方向に誘導す
ることができ、より確実に開封用誘導線に沿って開封可
能な包装用袋を実現することができる。
【0079】また、開封用フラップ13’を形成し得る
開封用誘導線16の湾曲部16b,16b’を、表裏と
も両端部位置の重合する直線部16a,16a’,16
a”から連続して設けたので、表面側包装基材12と裏
面側包装基材13の湾曲部16b,16b’の湾曲方向
が異なっても上記直線部から表裏ともスムーズに開封し
ていくことができ、基本誘導線及び補助誘導線からなる
開封用誘導線の効果と相まって、極めて円滑かつ確実に
開封し得る、開封用フラップ付きの包装用袋を実現し得
るものである。
【0080】また、グラビア印刷機30を利用して包装
基材に開封用誘導線16を切り込み形成するものである
から、グラビア印刷機30の極めて高い精度で開封用誘
導線16を形成することができ、当該包装基材を貼り合
わせる等して包装用袋11を形成した場合、表裏の開封
用誘導線16を極めて高い位置精度で重合させることが
でき、表裏の誘導線の水平方向のずれを低減できる。こ
れにより、個々の切り込み線自体は単純な形状で、しか
も少ない条数(例えば3条)の開封用誘導線16であっ
ても、円滑かつ確実に開封できる包装用袋を実現するこ
とができる。即ち、従来のように、変形ミシン目を複数
列設ける必要がなく、当該切り裂き方向の修正(補正)
乃至は誘導機能を有する単数列(3条又は5条)の開封
用誘導線により、円滑かつ確実に開封可能な包装用袋を
実現し得るものである。
【0081】また、グラビア印刷機30を利用して開封
用誘導線16を切り込み形成することにより、高い位置
精度で誘導線16を形成できると共に、開封用誘導線形
成装置を別個独立に設ける必要がないため、包装フィル
ムの製造コストを低減することができるとの効果が得ら
れるものである。
【0082】尚、以上説明してきた開封用誘導線16の
各切り込み線の寸法は、一例として、水平断続直線又は
傾斜断続直線からなる1つのミシン目の幅は0.3mm
〜5mm程度、各条の開封用誘導線の上下方向の間隔は
0.5mm乃至2mm程度で、3条の場合は開封用誘導
線16全体の上下方向幅が約5mm程度に形成すること
が好ましい。また、本発明の包装用袋において、上記図
5〜図7、図9、図12の開封誘用導線16の個々の切
り込み線自体の長さ、各切り込み線の断続距離、各条の
上下方向の間隔、傾斜角度等は各種の設定をすることが
できることは勿論であるし、同一の開封用誘導線16に
おいて、異なる寸法の切り込み線を設けても良く、上記
断続距離、上記上下間隔等も一定周期毎に変化させて設
ける等、本発明は各種の実施形態を包含するものであ
る。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基本誘
導線とその上下に設けた補助誘導線から開封用誘導線を
構成することにより、少ない条数の単数列の開封用誘導
線により、確実かつ円滑に開封し得る包装用袋を実現す
ることができる。
【0084】また、複雑な形状の変形ミシン目を使用す
ることなく、簡単な切り込み線(例えば水平断続直線、
又は傾斜断続直線等)、或いはこれらと連続直線の組み
合わせからなる単数列の開封用誘導線により、円滑かつ
確実に開封し得る包装用袋を実現することができる。
【0085】また、開封フラップ用の湾曲線状の開封用
誘導線を、表裏とも両端部位置から連続して設けたの
で、表面側と裏面側の湾曲部の湾曲方向が異なっても両
端部位置からスムーズに開封していくことができ、円滑
かつ確実に開封することのできる開封用フラップ付きの
包装用袋を実現することができるものである。
【0086】また、グラビア印刷機の版胴等に設けた開
封用誘導線形成刃により開封用誘導線を形成することに
より、包装基材に開封用誘導線を高い位置精度で形成す
ることができ、単数列の開封用誘導線で、確実かつ円滑
に開封可能な包装用袋を実現し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明に係る包装用袋の正面図、
(ロ)は同袋の展開図である。
【図2】同上包装用袋の正面図である。
【図3】同上包装用袋の正面図である。
【図4】同上包装用袋の表面側又は裏面側包装基材の断
面図である。
【図5】(イ)〜(ニ)は同上包装用袋の3条の開封用
誘導線の各種実施形態の形状を示す図である。
【図6】(イ)〜(ニ)は同上包装用袋の5条の開封用
誘導線の各種実施形態の形状を示す図である。
【図7】(イ)(ロ)は同上包装用袋の3条又は5条の
開封用誘導線の実施形態の形状を示す図である。
【図8】(イ)は同上包装用袋の正面図、(ロ)は同袋
の展開図、(ハ)は同袋の開封状態を示す正面図であ
る。
【図9】(イ)〜(ニ)は同上包装用袋の開封用誘導線
の他の実施形態を示す図である。
【図10】(イ)〜(ハ)は各種開封用誘導線を湾曲部
に適用した場合を示す図である。
【図11】同上開封用誘導線の他の実施形態を示す同上
包装用袋の一部省略正面図である。
【図12】(イ)(ロ)は、同上開封用誘導線の他の実
施形態を示す図である。
【図13】グラビア印刷機の全体形状を示す該印刷機の
側面図である。
【図14】同上印刷機を利用した開封用誘導線の形成部
を示す側面図である。
【図15】(イ)〜(ハ)は、同上印刷機の版胴に設置
される開封用誘導線形成刃を示す該版胴の正面図であ
る。
【図16】(a)〜(e)は同上包装用袋の表面側又は
裏面側包装基材の断面図である。
【図17】ミシン目の形成装置の受けロール近傍の正面
図である。
【図18】円盤状回転刃の正面図である。
【図19】ミシン目の形成装置をグラビア印刷機に組み
込んだ状態の該印刷機の側面図である。
【図20】従来の包装用袋の開封用誘導線を示す図であ
る。
【図21】(イ)(ロ)は何れも従来の開封用誘導線を
示す図である。
【符号の説明】
11 包装用袋 12 表面側包装基材 13 裏面側包装基材 14 周縁 15a ミシン目基材 16 開封用誘導線 16b、16b’ 湾曲部 17 下辺 18 上辺 19 左辺 20 右辺 22a〜26a 基本誘導線 22b〜26b 補助誘導線 22c〜26c 補助誘導線 22b’〜26b’ 補助誘導線 22c’〜26c’ 補助誘導線 26b”,26c” 補助誘導線 30 グラビア印刷機 32 版胴 32’ 受けロール 33 圧胴 40〜42 開封用誘導線形成刃 45 円盤状回転刃 F フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AA01 AA11 AB23 BA17 BA21 BB03 BC08 BC18 EA30 HN06 HP02 3E067 BA12A BB14A BC03A EA06 EA22 EB03 EB06 EB17 EE02 FA01 FC01 3E075 BA42 BA47 BA70 CA02 DA03 DA04 DA05 DA14 DA33 DB02 DB07 DB19 DE14 DE23 GA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方側包装基材及び他方側包装基材を対
    向させてそれらの周縁を密閉してなるものであって、そ
    の一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対応位置
    に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、 上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
    に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
    び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
    導線からなり、 上記基本誘導線が連続直線であり、上記補助誘導線が断
    続直線からなるミシン目であることを特徴とする包装用
    袋。
  2. 【請求項2】 一方側包装基材及び他方側包装基材を対
    向させてそれらの周縁を密閉してなるものであって、そ
    の一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対応位置
    に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、 上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
    に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
    び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
    導線からなり、 上記基本誘導線が傾斜断続直線であり、上側の補助誘導
    線が上記基本誘導線と同方向に傾斜した傾斜断続直線で
    あり、下側の上記補助誘導線又は少なくとも最下部に位
    置する補助誘導線の開封方向側端部が上記基本誘導線の
    方向に向かう傾斜断続直線からなるものであることを特
    徴とする包装用袋。
  3. 【請求項3】 一方側包装基材及び他方側包装基材を対
    向させてそれらの周縁を密閉してなるものであって、そ
    の一方側包装基材及び他方側包装基材の各面の対応位置
    に開封用誘導線を各々設けた包装用袋において、 上記開封用誘導線は、上記基材の一側縁部から他側縁部
    に至る1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置及
    び下方位置に、該基本誘導線に沿って設けられた補助誘
    導線からなり、 上記基本誘導線及び上記補助誘導線が断続直線であり、
    これら基本誘導線と補助誘導線を千鳥状に配置したもの
    であることを特徴とする包装用袋。
  4. 【請求項4】 上記基本誘導線を1条とし、上記補助誘
    導線を該基本誘導線の上下に各1条ずつ設けたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装
    用袋。
  5. 【請求項5】 上記基本誘導線を1条とし、上記補助誘
    導線を該基本誘導線の上下に各2条ずつ設けたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装
    用袋。
  6. 【請求項6】 上記一方側包装基材の開封用誘導線と上
    記他方側包装基材の開封用誘導線はその両端部位置で重
    合しており、上記一方側包装基材の上記誘導線はその両
    端部位置から連続的に下向き又は上方き湾曲線状に形成
    し、上記他方側包装基材の上記誘導線はその両端部位置
    から連続的に上記湾曲線とは逆方向の上向き又は下向き
    湾曲線状に形成したものであることを特徴とする請求項
    1〜5の何れかに記載の包装用袋。
  7. 【請求項7】 上記開封用誘導線は、グラビア印刷機の
    版胴外周面に開封用誘導線形成刃を設置し、上記版胴に
    圧接する圧胴と上記版胴間に包装基材を通過させ、上記
    版胴の回転に基づいて上記包装基材に切り込み形成した
    ものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の包装用袋。
  8. 【請求項8】 上記開封用誘導線は、グラビア印刷機の
    巻き取りロール部の前段に包装基材の受けローラを設け
    ると共に、外周面に開封用誘導線の形成刃を設けた円盤
    状回転刃を上記受けローラに対向して配置し、該円盤状
    回転刃を受けローラ上面を通過する包装基材に接触させ
    ることにより、上記包装基材に切り込み形成したもので
    あることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の包
    装用袋。
  9. 【請求項9】 包装基材に切り込み形成される包装用袋
    の開封用誘導線の構造であって、 上記開封用誘導線は、上記包装基材の表面に切り込み形
    成される1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置
    及び下方位置に、該基本誘導線に沿って切り込み形成さ
    れる補助誘導線からなり、 該開封用誘導線は、グラビア印刷機の版胴外周面に上記
    誘導線の開封用誘導線形成刃を設置し、上記版胴に圧接
    する圧胴と上記版胴間に上記包装基材を通過させ、上記
    版胴の回転に基づいて上記包装基材に切り込み形成した
    ものであることを特徴とする包装用袋に用いられる開封
    用誘導線の構造。
  10. 【請求項10】 包装基材に切り込み形成される包装用
    袋の開封用誘導線の構造であって、 上記開封用誘導線は、上記包装基材の表面に切り込み形
    成される1条の基本誘導線と、該基本誘導線の上方位置
    及び下方位置に、該基本誘導線に沿って切り込み形成さ
    れる補助誘導線からなり、 上記開封用誘導線は、グラビア印刷機の巻取りロール部
    の前段に包装基材の受けローラを設けると共に、外周面
    に開封用誘導線の形成刃を設けた円盤状回転刃を上記受
    けローラに対向して配置し、該円盤状回転刃を受けロー
    ラ上面を通過する包装基材に接触させることにより、上
    記包装基材に切り込み形成したものであることを特徴と
    する包装用袋に用いられる開封用誘導線の構造。
  11. 【請求項11】 上記基本誘導線が連続直線であり、上
    記補助誘導線が断続直線からなるミシン目状であること
    を特徴とする請求項9又は10記載の包装用袋に用いら
    れる開封用誘導線の構造。
  12. 【請求項12】 上記基本誘導線及び補助誘導線が、断
    続直線からなるミシン目状であることを特徴とする請求
    項9又は10記載の包装用袋に用いられる開封用誘導線
    の構造。
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