JP2003230398A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents
光学活性アルコールの製造方法Info
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Abstract
供を課題とする。光学活性アルコールは、医薬品などの
中間体として有用である。 【構成】本発明の光学活性アルコールの製造方法は、ト
ロピノン還元酵素−Iによってキヌクリジノンを不斉還
元することにより、光学活性アルコールを生成する。た
とえばDatura stramonium、あるいはHyoscyamus niger
などの植物に由来するトロピノン還元酵素−Iによっ
て、光学純度に優れる(R)−3−キヌクリジノールを
生産することができる。 【化2】式(1) 【効果】高い光学純度の光学活性アルコールを、簡便な
操作で効率的に製造することができる。
Description
素−Iを利用した光学活性アルコールの製造方法に関す
る。
活性物質を合成するための不斉源として有用である。一
般にラセミ体を光学分割したり、あるいは不斉合成によ
って光学活性アルコールは製造されている。特に不斉合
成による光学活性アルコールの製造は、多量の光学活性
アルコールの製造には、不可欠の技術と考えられてい
る。
有用な光学活性アルコールの一つである。光学活性
(R)−3−キヌクリジノールは、例えばスクアレンシ
ンターゼ阻害作用を有する動脈硬化の治療剤、ムスカリ
ン受容体拮抗作用を有する気管支拡張剤、および胃腸運
動抑制剤など(特開平8-134067号、EP-404737A2、EP-42
4021A1、WO92/04346、およびWO93/06098)、多様な生理
活性又は薬理活性成分の重要な中間体として使用され
る。
としては、これまでに、例えば、ラセミ体3−キヌクリ
ジノールのアセチル体を酒石酸で分割した後、加水分解
して製造する方法(Acta Pharm. Suec. 16(4), 281-3 (1
979))などが知られている。
て、例えばラセミ体3−キヌクリジノールエステルを原
料とし、以下のような微生物や酵素を作用させて(S)
−3−キヌクリジノールエステルを選択的に不斉加水分
解し、残存した(R)−3−キヌクリジノールエステル
を加水分解して製造する方法が知られている。ズブチリ
シン プロテアーゼ (米国特許5215918号)、Aspergillus
属またはPseudomonas 属由来エステル分解酵素(特開
平10-210997)、あるいはAspergillus属、Rhizopus属、
Candida属、またはPseudomonas属に属する微生物菌体や
酵素など(特開平10-136995)
ルを原料とし、馬血清のエステラーゼで(R)−3−キ
ヌクリジノールエステルを選択的に不斉加水分解して製
造する方法(Life Sci. 21(9), 1593-302 (1977))も報告
されている。更に、ラセミ体3−キヌクリジノールを原
料とし、ズブチリシン プロテアーゼを用いてS体のみ
を(S)−3−キヌクリジニル酪酸に変換させてR体を
製造する方法(独国特許19715465)などが知られてい
る。
とができる生成物は、光学純度が低い。またこれらの製
造方法は合成工程が煩雑である。したがっていずれの方
法も(R)−3−キヌクリジノールを簡便にかつ経済的
に有利に製造できる方法とは言い難い。
を利用して3−キヌクリジノンから光学活性3−キヌク
リジノールを製造する方法(特開平10-243795, 特開平1
1-196890, 特開2000-245495, 2001年度農芸化学会要旨
集 p.371 3Y7a9)が知られている。これらの反応は、野
生型の微生物を基質化合物に作用させ、光学活性な化合
物を直接的に生成する反応である。反応工程は1段階反
応となり、反応工程の簡略化においては、大きく改善さ
れたといえる。しかし依然として、生成物の光学純度が
低い点、また生成物の蓄積濃度が低いなどの問題があ
る。
還元酵素−Iを利用して、高い光学純度を有する光学活
性アルコールを効率的に製造することができる方法の提
供を課題とする。
に、しかも簡便な方法で光学活性アルコールを得るた
め、ケトン還元酵素の還元作用に着目した。そしてケト
ン還元酵素であるトロピノン還元酵素−Iの還元作用に
よって、光学純度の高い光学活性アルコールを効率的に
製造しうることを見出し本発明を完成した。
−Iによる光学活性アルコールの生成効率を高めるた
め、不斉還元にともなって生成する酸化型補酵素の再生
用酵素の共発現について検討した。その結果、再生用酵
素の共発現によって、より効率的に光学活性アルコール
が生成されることを見出した。特に、特定のグルコース
脱水素酵素を共発現させた場合に、きわめて高い合成効
率を達成できることを確認した。すなわち本発明は、以
下の光学活性アルコールの製造方法、その製造方法に有
用な酸化型補酵素再生酵素の共発現ベクター、ベクター
による形質転換体に関する。あるいは本発明は、前記製
造方法によって得ることができる光学活性アルコールを
結晶として得るための方法に関する。
ロピノン還元酵素−I活性を有する酵素活性物質を作用
させ、不斉還元によって生成する光学活性アルコールを
回収する工程を含む、光学活性アルコールの製造方法。 〔2〕ケトンが3−キヌクリジノンであり、光学活性ア
ルコールが(R)−3−キヌクリジノールである〔1〕
に記載の方法。 〔3〕酵素活性物質が、80%ee以上の光学純度の光学
活性アルコールを生成するトロピノン還元酵素−I活性
を有する〔1〕に記載の方法。 〔4〕酵素活性物質が、Datura属、またはHyoscyamus属
に属する植物に由来する〔1〕に記載の方法。 〔5〕Datura属に属する植物が、Datura stramoniumで
ある〔4〕に記載の方法。 〔6〕Hyoscyamus属に属する植物が、Hyoscyamus niger
である〔4〕に記載の方法。 〔7〕酵素活性物質が、下記(a)から(d)のいずれ
かに記載の蛋白質である〔1〕に記載の方法。 (a)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列を有する蛋白質、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質、 (c)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列と85%以上の相同性を有するアミノ酸配列から
なり、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キ
ヌクリジノールを生成する活性を有する蛋白質、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコ
ードされ、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3
−キヌクリジノールを生成する活性を有する蛋白質 〔8〕酵素活性物質が、トロピノン還元酵素−Iをコー
ドするDNAを含むベクターにより形質転換された形質
転換体、またはその処理物である〔1〕に記載の方法。
に記載のDNAを含むベクターにより形質転換された形
質転換体である〔8〕に記載の方法。 (a)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
酸配列を有するDNA、(b)配列番号:2、または配
列番号:4に記載のアミノ酸配列において1若しくは複
数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加
したアミノ酸配列からなり、3−キヌクリジノンを不斉
還元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を
有する蛋白質をコードするDNA、 (c)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列と85%以上の相同性を有する塩基配列からなり、3
−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌクリジ
ノールを生成する活性を有する蛋白質をコードするDN
A、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、3−キヌクリジノンを不斉還
元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有
する蛋白質をコードするDNA 〔10〕ベクターが、更に酸化型補酵素を還元型補酵素
に再生する酵素をコードするDNAを共に含む〔8〕に
記載の方法。 〔11〕酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する酵素
が、グルコース脱水素酵素である〔10〕に記載の方
法。 〔12〕グルコース脱水素酵素がBacillus subtilisま
たはThermoplasma acidophilum由来である〔11〕に記
載の方法。 〔13〕不斉還元反応をpH6.5−8.5の範囲内で行
う、〔1〕に記載の方法。 〔14〕次の工程を含む、(R)−3−キヌクリジノー
ル塩酸塩の製造方法。 (a)(R)−3−キヌクリジノールを含む溶液のpHを
アルカリ性としてフリー体(R)−3−キヌクリジノー
ルとする工程、(b)フリー体(R)−3−キヌクリジ
ノールをn−ブタノールで抽出する工程、(c)抽出液
に塩酸を添加する工程、(d)抽出液中の水分を除去す
る工程、および(e)n−ブタノールより(R)−3−
キヌクリジノール塩酸塩を結晶化する工程 〔15〕 次の工程を含む、(R)−3−キヌクリジノ
ールの製造方法。 (a)(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩を溶媒Aに
溶解する工程、ここで溶媒Aは(R)−3−キヌクリジ
ノール塩酸塩を1%以上の濃度で溶解する溶媒である
(b)(a)の溶液のpHをアルカリ性としてフリー体
(R)−3−キヌクリジノールとする工程、(c)溶媒
Bを添加し、溶媒Aを留去後、溶媒Bより(R)−3−
キヌクリジノールを結晶化する工程、ここで溶媒Bは溶
媒Aとの混合物から溶媒Aを蒸留により置換することが
できる溶媒であって、かつ溶媒Aよりもフリー体(R)
−3−キヌクリジノールの溶解度が低く、そして溶媒B
からフリー体(R)−3−キヌクリジノールを結晶化す
ることが可能な溶媒である 〔16〕溶媒Bが、トルエン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、および酢酸ブチルで構成される群から選択された
いずれかの溶媒である〔15〕に記載の方法。 〔17〕溶媒Aが水であり、溶媒Bがトルエンである、
〔15〕に記載の方法 〔18〕 次の工程を含む、(R)−3−キヌクリジ
ノールの製造方法。 (a)(R)−3−キヌクリジノールを含む溶液のpHを
アルカリ性としてフリー体(R)−3−キヌクリジノー
ルとする工程、(b)フリー体(R)−3−キヌクリジ
ノールをn−ブタノールで抽出する工程、および(c)
抽出液に溶媒Bを添加し、n−ブタノールを留去後、溶
媒Bより(R)−3−キヌクリジノールを結晶化する工
程 〔19〕トロピノン還元酵素−IをコードするDNA、
および酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する酵素をコ
ードするDNAを発現可能に保持したベクター。 〔20〕トロピノン還元酵素−IをコードするDNA
が、下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNAで
ある〔19〕に記載のベクター。 (a)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
酸配列を有するDNA、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質をコードす
るDNA、 (c)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列と85%以上の相同性を有する塩基配列からなり、3
−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌクリジ
ノールを生成する活性を有する蛋白質をコードするDN
A、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、3−キヌクリジノンを不斉還
元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有
する蛋白質をコードするDNA 〔21〕酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する酵素
が、グルコース脱水素酵素である〔19〕に記載のベク
ター。 〔22〕グルコース脱水素酵素が、Bacillus subtilis
またはThermoplasma acidophilum由来である〔21〕に
記載のベクター 〔23〕〔19〕に記載のベクターを発現可能に保持し
た形質転換体。 〔24〕宿主が大腸菌である〔23〕に記載の形質転換
体。
下、ケトンにトロピノン還元酵素−I活性を有する酵素
活性物質を作用させ、不斉還元によって生成する光学活
性アルコールを回収する工程を含む、光学活性アルコー
ルの製造方法に関する。
ン還元酵素−I活性を有し、かつケトンを不斉還元して
光学活性アルコールを生成しうるものであれば、任意の
酵素を用いることができる。
活性とは、トロピノンに作用してトロピンを生成する活
性を言う。トロピノン還元酵素には、トロピノンから互
いに逆の立体配置を持つトロピンとシュードトロピンを
生成する二種類の還元酵素が報告されている。これらの
酵素は、それぞれトロピノン還元酵素−I(EC.1.1.1.2
06)、およびトロピノン還元酵素−II(EC1.1.1.236)
と名づけられている。これらの酵素は、ヒヨスチアミン
やスコポラミンなどのトロパンアルカロイド生合成経路
の分岐点に位置する反応を触媒する。トロピノン還元酵
素のうちトロピノン還元酵素−Iは、3−キヌクリジノ
ン還元活性を示すことが、以下のような生物に由来する
酵素において報告されている。Hyoscyamus niger (Plant Physiol., 100, 836-845 (19
92))、Datura stramonium (Phytochemistry, 37(2), 39
1-400 (1994))Brugmansia candida x aurea hybrid (Phytochemistry,
52, 871-878 (1999)) なお、Brugmansia candida x aurea hybrid 由来のトロ
ピノン還元酵素−IIはキヌクリジノン還元活性を持つ
ことが報告されているが、本発明に用いる酵素はトロピ
ノン還元酵素−Iである。すなわちトロピノンに作用し
てトロピンを生成する活性を有する酵素である。
下のような方法によって測定することができる。すなわ
ち、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.5)、0.2 mM NA
DPH、4mM トロピノン および酵素を含む反応液中で、37
℃で反応させ、NADPHの減少による340nmの吸収の減少を
測定することにより、トロピノン還元活性を測定するこ
とができる。また、100 mMリン酸カリウム緩衝液 (pH
6.5)、0.2 mM NADPH、4 mM 3−キヌクリジノン及び酵
素を含む反応液中で、37℃で反応させ、NADPHの減少に
よる340nmの吸収の減少を測定することにより、3−キ
ヌクリジノン還元活性を測定することができる。それぞ
れ、1Uは、1分間に1μmolのNADPHの減少を触媒する酵素
量とした。
ル」とは、ある光学異性体が別の光学異性体より多く含
まれるアルコール、もしくはある光学異性体のみからな
るアルコールを意味する。さらに、本発明の「光学異性
体」は、一般的に「光学活性体」および「鏡像異性体」
と呼ばれる場合もある。したがって、ケトンを不斉還元
して光学活性アルコールを生成しうる酵素とは、任意の
ケトン化合物を基質として与えたときに、対応する光学
活性アルコールを生成しうる酵素と定義される。
い。本発明における好ましい酵素活性物質は、ラセミ体
のケトンを基質として、少なくとも70%以上、望まし
くは80%ee以上の光学純度の光学活性アルコールを生
成することができる酵素活性物質である。生成物の光学
純度は、反応生成物の光学分割カラムなどによる解析に
よって確認できる。
たとえばDatura属、あるいはHyoscyamus属に属する植物
から得ることができる。より具体的には、Datura stram
onium由来のトロピノン還元酵素−I(Proc. Natl. Aca
d. Sci. U. S. A.,90,9591-9595(1993))、 あるいはHy
oscyamus niger由来のトロピノン還元酵素−I(Biosc
i. Biotechnol. Biochem.,63(10),1819-1822(1999))が
公知である。
還元酵素−Iも、ケトンを還元して光学活性アルコール
を生成する活性を有する限り利用することができる。他
の生物由来の酵素としては、例えばBrugmansia candida
x aurea hybrid (Phytochemistry, 52, 871-878 (199
9))、Atropa belladonna (Plant Physiol., 100, 836-8
45 (1992))、Physalis philadelphica (Plant Physio
l., 100, 836-845 (1992))、Solanum tuberosum (DNA D
atabank of JAPAN (DDBJ)) 由来のトロピノン還元酵素
−Iなどが挙げられる。
ケトンに対する還元作用は公知である。たとえば3−キ
ヌクリジノンを還元して3−キヌクリジノールを生成す
ることは知られていた。しかし生成する3−キヌクリジ
ノールの立体構造、並びにその光学純度に関しては不明
であった。また、トロピノンに対する作用に基づいて、
3−キヌクリジノンから生成するキヌクリジノールの立
体構造を推定することは困難である。
よるケトンの還元による光学活性アルコールの生成につ
いて研究を重ねた。その結果、トロピノン還元酵素−I
による光学活性アルコールの生成を確認した。トロピノ
ン還元酵素−Iは、たとえば3−キヌクリジノンの不斉
還元反応により、光学純度の高い(R)−3−キヌクリ
ジノールを高い効率で生成することを見出した。そして
この酵素反応を利用することによって、光学活性アルコ
ールを製造しうることを明らかにして本発明を完成し
た。
酵素のみならず、トロピノン還元酵素−Iを含む微生物
菌体、植物、その培養細胞、形質転換体、または、その
処理物が含まれる。処理物とは、生物細胞に対して、物
理処理、生化学的処理、あるいは化学的処理等を行った
産物を指す。生物細胞は、上記酵素を含む植物細胞に加
え、当該酵素の遺伝子を発現可能に保持する形質転換体
も含まれる。また処理物を得るための物理処理には、凍
結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、あ
るいは磨砕処理等が含まれる。また生化学的処理とは、
具体的にはリゾチームなどの細胞壁溶解酵素処理を示す
ことができる。更に、化学的処理としては、界面活性
剤、トルエン、キシレン、またはアセトンなどの有機溶
媒との接触処理などが挙げられる。このような処理によ
って細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるいはガラ
スビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出
液やそれを部分精製したものなどは処理物に含まれる。
は、例えばDatura stramonium(Phytochemistry, 37(2),
391-400 (1994))や、Hyoscyamus niger(Plant Physio
l., 100, 836-845 (1992))等の植物体から公知の方法に
よって単離することができる。あるいは酵素活性物質と
して形質転換体を利用することもできる。まずトロピノ
ン還元酵素−Iをコードする遺伝子を取得し、これを遺
伝子組換え技術を用いて同種もしくは異種の宿主中で発
現可能に保持させた形質転換体を得ることができる。こ
の形質転換体は、そのままで、あるいは処理物として酵
素活性物質とすることができる。更にこの形質転換体を
培養して、トロピノン還元酵素−Iを取得することもで
きる。
元酵素−Iをコードする遺伝子としては、例えばDatura
stramoniumやHyoscyamus nigerの遺伝子が公知であ
る。Datura stramonium由来のトロピノン還元酵素−I
遺伝子の塩基配列を配列番号:1(Proc. Natl. Acad. S
ci. U. S. A. ,90 , 9591-9595 (1993))に示した。また
Hyoscyamus niger由来のトロピノン還元酵素−I遺伝子
の塩基配列を配列番号:3(Biosci. Biotechnol. Bioch
em.,63(10),1819-1822(1999))に示した。
る遺伝子の塩基配列情報は、DNA Databank of JAPAN(DD
BJ)、EMBL、Gene-BankなどのDNAに関するデータベース
に登録されている。これらの塩基配列情報に基いて、目
的とする遺伝子を当該生物から取得することができる。
遺伝子の取得には、PCRやハイブリダイズスクリーニン
グが用いられる。また、DNA合成によって遺伝子の全長
を化学的に合成することもできる。
外の生物に由来するトロピノン還元酵素−I遺伝子を取
得することもできる。たとえば、上記塩基配列もしくは
その一部の配列をプローブとして他の生物から調製した
DNAに対しストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ゼーションを行うことにより、種々の生物由来のトロピ
ノン還元酵素−Iを単離することができる。ストリンジ
ェントな条件でハイブリダイズできるポリヌクレオチド
とは、配列番号:1または配列番号:3に記載された塩
基配列から選択された塩基配列を有するDNAをプロー
ブDNAとし、たとえばECL direct nucleic acid labe
ling and detection system (AmershamPharmaica Biote
ch社製)を用いて、マニュアルに記載の条件(wash:4
2℃、0.5x SSCを含むprimary wash buffer)におい
て、ハイブリダイズするポリヌクレオチドを指す。プロ
ーブDNAを構成する塩基配列は、前記塩基配列から任意
の少なくとも20個、好ましくは少なくとも30個、た
とえば40、60または100個の連続した配列を一つ
または複数選択することができる。
ロジーの高い領域からPCR用のプライマーをデザインす
ることができる。このようなプライマーを用い、染色体
DNAもしくはcDNAを鋳型としてPCRを行えば、ト
ロピノン還元酵素−Iをコードする遺伝子を種々の生物
から単離することもできる。
みならず、3−キヌクリジノンを還元して(R)−3−
キヌクリジノールを生成する活性を有する限り、天然型
酵素のアミノ酸配列に対して1または複数のアミノ酸が
置換、欠失、挿入したアミノ酸配列からなる酵素を用い
ることも可能である。当業者であれば、例えば、部位特
異的変異導入法(Nucleic Acid Res. 10,pp.6487 (198
2) , Methods in Enzymol.100,pp.448 (1983), Molecul
ar Cloning 2ndEdt., Cold Spring Harbor Laboratory
Press (1989) , PCR A Practical Approach IRL Press
pp.200 (1991))などを用いて、適宜置換、欠失、挿
入、および/または付加変異を導入することにより、蛋
白質の構造を改変することができる。本発明において、
置換、欠失、挿入、および/または付加することができ
るアミノ酸残基は、通常50未満、たとえば30未満、
あるいは20未満、好ましくは16未満、より好ましく
は5未満、更に好ましくは0〜3アミノ酸残基である。
また、アミノ酸の変異は自然界において生じることもあ
り、人工的にアミノ酸を変異した酵素のみならず、自然
界においてアミノ酸が変異した酵素も本発明の方法にお
いて用いることができる。
ン還元酵素−Iのアミノ酸配列にホモロジーを有する蛋
白質をコードする遺伝子も、その産物である酵素が3−
キヌクリジノンを還元して(R)−3−キヌクリジノー
ルを生成する活性を有する限り、本発明に利用すること
ができる。これら遺伝子は、蛋白質のホモロジー検索を
利用して得ることができる。ホモロジー検索には、たと
えば以下に示すデータベースを用いることができる。SW
ISS-PROT、PIRなどの蛋白質のアミノ酸配列に関するデ
ータベース DNA Databank of JAPAN(DDBJ)、EMBL、Gene-Bankなどの
DNAに関するデータベース DNA配列を元にした予想アミノ酸配列に関するデータベ
ース FASTA programやBLAST programなどのホモロジー検索用
のプログラムも公知である。更に、上記データベースを
これらのプログラムを用いて検索するサービスも、イン
ターネット上で提供されている。この種のサービスを利
用して、本発明に用いるトロピノン還元酵素−Iを見出
すこともできる。
列番号:4(Hyoscyamus niger)に記載のアミノ酸配列
と、少なくとも85%、好ましくは90%以上、より好ま
しくは95%以上のホモロジーを有する蛋白質は、本発
明の本発明に用いるトロピノン還元酵素−Iとして好ま
しい。配列番号:2および配列番号:4に示すアミノ酸
からなる蛋白質は、いずれも本発明に利用することがで
きる酵素活性を有していた。両者のホモロジーは94%
である。ここでいうホモロジーとは、たとえば、BLAST
programを用いたPositiveの相同性の値を示す。
て、トロピノン還元酵素−Iをコードする遺伝子を遺伝
子組換え技術を用いて同種もしくは異種の宿主中で発現
させた形質転換体、もしくはその処理物を示すことがで
きる。
伝子を発現させるために、形質転換の対象となる生物
は、トロピノン還元酵素−I活性を有するポリペプチド
をコードするDNAを含む組換えベクターにより形質転
換され、トロピノン還元酵素−I活性を発現することが
できる生物であれば特に制限はない。利用可能な微生物
としては、たとえば以下のような微生物を示すことがで
きる。 エシェリヒア(Escherichia)属 バチルス(Bacillus)属 シュードモナス(Pseudomonas)属 セラチア(Serratia)属 ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属 コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属 ストレプトコッカス(Streptococcus)属 ラクトバチルス(Lactobacillus)属など宿主ベクター系
の開発されている細菌 ロドコッカス(Rhodococcus)属 ストレプトマイセス(Streptomyces)属など宿主ベクター
系の開発されている放線菌 サッカロマイセス(Saccharomyces)属 クライベロマイセス(Kluyveromyces)属 シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属 チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属 ヤロウイア(Yarrowia)属 トリコスポロン(Trichosporon)属 ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属 ピキア(Pichia)属 キャンディダ(Candida)属などの宿主ベクター系の開発
されている酵母 ノイロスポラ(Neurospora)属 アスペルギルス(Aspergillus)属 セファロスポリウム(Cephalosporium)属 トリコデルマ(Trichoderma)属などの宿主ベクター系の
開発されているカビ
に適合した組み換えベクターの構築は、分子生物学、生
物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術
に準じて行うことができる(例えば、Sambrookら、モレ
キュラー・クローニング、Cold Spring Harbor Laborat
ories)。微生物中などにおいて、本発明のNADP+を補酵
素とするトロピノン還元酵素−I遺伝子を発現させるた
めには、まず微生物中において安定に存在するプラスミ
ドベクターやファージベクター中にこのDNAを導入し、
その遺伝情報を転写・翻訳させる必要がある。そのため
には、転写・翻訳を制御するユニットにあたるプロモー
ターを本発明のDNA鎖の5'-側上流に、より好ましくはタ
ーミネーターを3'-側下流に、それぞれ組み込めばよ
い。このプロモーター、ターミネーターとしては、宿主
として利用する微生物中において機能することが知られ
ているプロモーター、ターミネーターを用いる必要があ
る。これら各種微生物において利用可能なベクター、プ
ロモーター、ターミネータ−などに関して「微生物学基
礎講座8遺伝子工学・共立出版」、特に酵母に関して
は、Adv. Biochem. Eng. 43, 75-102 (1990)、Yeast 8,
423-488 (1992)、などに詳細に記述されている。
リヒア・コリ(Escherichia coli)においては、プラスミ
ドベクターとして、pBR、pUC系プラスミドを利用でき、
lac(β−ガラクトシダーゼ)、trp(トリプトファンオペ
ロン)、tac、trc (lac、trpの融合)、λファージ PL、P
Rなどに由来するプロモーターなどが利用できる。ま
た、ターミネーターとしては、trpA由来、ファージ由
来、rrnBリボソーマルRNA由来のターミネーターなどを
用いることができる。これらの中で、市販のpSE420(In
vitrogen製)のマルチクローニングサイトを一部改変し
たベクターpSE420D(特開2000-189170に記載)が好適に
利用できる。
B110系プラスミド、pC194系プラスミドなどが利用可能
であり、染色体にインテグレートすることもできる。ま
た、プロモーター、ターミネーターとしてapr(アルカリ
プロテアーゼ)、npr(中性プロテアーゼ)、amy(α−アミ
ラーゼ)などが利用できる。
ナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・
セパシア(Pseudomonas cepacia)などで宿主ベクター系
が開発されている。トルエン化合物の分解に関与するプ
ラスミドTOLプラスミドを基本にした広宿主域ベクター
(RSF1010などに由来する自律的複製に必要な遺伝子を含
む)pKT240などが利用可能であり、プロモーター、ター
ミネーターとして、リパーゼ(特開平5-284973)遺伝子
などが利用できる。
リウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactof
ermentum)においては、pAJ43(Gene 39, 281 (1985))な
どのプラスミドベクターが利用可能である。プロモータ
ー、ターミネーターとしては、大腸菌で使用されている
プロモーター、ターミネーターがそのまま利用可能であ
る。
リウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に
おいては、pCS11(特開昭57-183799)、pCB101(Mol. Gen.
Genet. 196, 175 (1984)などのプラスミドベクターが
利用可能である。ストレプトコッカス(Streptococcus)
属においては、pHV1301(FEMS Microbiol.Lett. 26, 239
(1985)、pGK1(Appl. Environ. Microbiol. 50, 94 (1
985))などがプラスミドベクターとして利用可能であ
る。
ては、ストレプトコッカス属用に開発されたpAMβ1(J.
Bacteriol. 137, 614 (1979))などが利用可能であ
り、プロモーターとして大腸菌で利用されているものが
利用可能である。ロドコッカス(Rhodococcus)属におい
ては、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodo
chrous)から単離されたプラスミドベクターが使用可能
である (J.Gen. Microbiol. 138,1003 (1992) )。
いては、HopwoodらのGenetic Manipulation of Strepto
myces: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Labo
ratories (1985)に記載の方法に従って、プラスミドを
構築することができる。特に、ストレプトマイセス・リ
ビダンス(Streptomyces lividans)においては、pIJ486
(Mol. Gen. Genet. 203, 468-478, 1986)、pKC1064(Gen
e 103,97-99 (1991) )、pUWL-KS (Gene 165,149-150 (1
995) )が使用できる。また、ストレプトマイセス・バー
ジニア(Streptomyces virginiae)においても、同様のプ
ラスミドを使用することができる(Actinomycetol. 11,
46-53 (1997))。
にサッカロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cer
evisiae) においては、YRp系、YEp系、YCp系、YIp系プ
ラスミドが利用可能であり、染色体内に多コピー存在す
るリボソームDNAとの相同組み換えを利用したインテグ
レーションベクター(EP 537456など)は、多コピーで
遺伝子を導入でき、かつ安定に遺伝子を保持できるため
極めて有用である。また、ADH(アルコール脱水素酵
素)、GAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵
素)、PHO(酸性フォスファターゼ)、GAL(β−ガラクトシ
ダーゼ)、PGK(ホスホグリセレートキナーゼ)、ENO(エノ
ラーゼ)などのプロモーター、ターミネーターが利用可
能である。
イセス・ラクティス(Kluyveromyceslactis)において
は、サッカロマイセス・セレビジアエ由来2μm系プラス
ミド、pKD1系プラスミド(J. Bacteriol. 145, 382-390
(1981))、キラー活性に関与するpGKl1由来プラスミ
ド、クライベロマイセス属における自律増殖遺伝子KARS
系プラスミド、リボソームDNAなどとの相同組み換えに
より染色体中にインテグレート可能なベクタープラスミ
ド(EP 537456など)などが利用可能である。また、AD
H、PGKなどに由来するプロモーター、ターミネーターが
利用可能である。
es)属においては、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来
のARS (自律複製に関与する遺伝子)及びサッカロマイセ
ス・セレビジアエ由来の栄養要求性を相補する選択マー
カーを含むプラスミドベクターが利用可能である(Mol.
Cell. Biol. 6, 80 (1986))。また、シゾサッカロマ
イセス・ポンベ由来のADHプロモーターなどが利用でき
る(EMBO J. 6, 729 (1987))。特に、pAUR224は、宝酒
造から市販されており容易に利用できる。
es)においては、チゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zyg
osaccharomyces rouxii)由来の pSB3(Nucleic Acids R
es.13, 4267 (1985))などに由来するプラスミドベクタ
ーが利用可能であり、サッカロマイセス・セレビジアエ
由来 PHO5 プロモーターや、チゴサッカロマイセス・ロ
ウキシ由来 GAP-Zr(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱
水素酵素)のプロモーター(Agri. Biol. Chem. 54, 252
1 (1990))などが利用可能である。
ストリス(Pichia pastoris)などにピキア由来自律複製
に関与する遺伝子 (PARS1、PARS2)などを利用した宿主
ベクター系が開発されており(Mol. Cell. Biol. 5, 33
76 (1985))、高濃度培養とメタノールで誘導可能な AO
X など強いプロモーターが利用できる(Nucleic Acids
Res. 15, 3859 (1987))。また、ピキア・アンガスタ(P
ichia angusta、旧名ハンゼヌラ・ポリモルファ Hansen
ula polymorpha)において宿主ベクター系が開発されて
いる。ベクターとしては、ピキア・アンガスタ由来自律
複製に関与する遺伝子(HARS1、HARS2)も利用可能であ
るが、比較的不安定であるため、染色体への多コピーイ
ンテグレーションが有効である(Yeast 7, 431-443 (19
91))。また、メタノールなどで誘導される AOX(アル
コールオキシダーゼ)、FDH(ギ酸脱水素酵素)のプロモ
ーターなどが利用可能である。
ャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンデ
ィダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ
・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・
ウチルス (Candida utilis) などにおいて宿主ベクター
系が開発されている。キャンディダ・マルトーサにおい
てはキャンディダ・マルトーサ由来ARSがクローニング
され(Agri. Biol. Chem.51, 51, 1587 (1987))、これ
を利用したベクターが開発されている。また、キャンデ
ィダ・ウチルスにおいては、染色体インテグレートタイ
プのベクターは強力なプロモーターが開発されている
(特開平 08-173170)。
は、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger)、ア
スペルギルス・オリジー (Aspergillus oryzae) などが
カビの中で最もよく研究されており、プラスミドや染色
体へのインテグレーションが利用可能であり、菌体外プ
ロテアーゼやアミラーゼ由来のプロモーターが利用可能
である(Trends in Biotechnology 7, 283-287 (198
9))。
は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)を利
用したホストベクター系が開発され、菌体外セルラーゼ
遺伝子由来プロモーターなどが利用できる(Biotechnol
ogy 7, 596-603 (1989))。
て様々な宿主・ベクター系が開発されており、特に蚕を
用いた昆虫(Nature 315, 592-594 (1985))や菜種、ト
ウモロコシ、ジャガイモなどの植物中に大量に異種蛋白
質を発現させる系が開発されており、好適に利用でき
る。形質転換体の培養、および形質転換体からのトロピ
ノン還元酵素−Iの精製は、当業者に公知の方法により
行うことができる。
法においては、補酵素の再生系を組み合わせることがで
きる。ケトンを還元してアルコールを生成する過程で、
トロピノン還元酵素−Iは還元型補酵素を要求する。還
元型補酵素としては、NADPHやNADHを利用することがで
きる。たとえばNADPHを還元型補酵素に用いた場合、ト
ロピノン還元酵素−Iによる還元反応に付随して、NADP
HからNADP+が生成する。NADP+は、適当な基質の酸化反
応を利用することによって、再び還元型であるNADPHに
再生することができる。NADP+からNADPHへの再生は、植
物、微生物、形質転換体の含有するNADP+からNADPHを再
生する酵素によって行うことができる。NADPHの再生反
応を触媒する酵素は、単一であっても良いし、複数の酵
素で構成される多段階反応であってもよい。複数の酵素
によって目的とする酵素反応が支えられているとき、一
連の酵素反応を構成する酵素の集合を酵素系と呼ぶ。こ
れらNADP+還元能は、反応系にグルコース、スクロース
などの糖、有機酸、またはエタノール、イソプロパノー
ルなどのアルコールを添加することにより、増強するこ
とができる。また、NADP+からNADPHを生成する能力を有
する酵素を用いてNADPHの再生を行うことができる。NAD
PHの生成に有用な酵素を以下に示す。これらの酵素は、
精製酵素のみならず、当該酵素を有する微生物、その処
理物、あるいは部分精製酵素として用いることができ
る。たとえばグルコース脱水素酵素の場合には、グルコ
ースからδ−グルコノラクトンへの酸化に伴ってNADP+
からNADPHへの再生が行われる。
る成分は、本発明を構成する還元酵素反応系に添加、も
しくは固定化したものを添加することができる。あるい
はNADPHの交換が可能な膜を介して前記反応系に接触さ
せることができる。
るDNAを含む組換えベクターで形質転換した形質転換体
を、本発明の光学活性アルコールの製造方法に利用する
場合には、NADPH再生のための付加的な反応系を不要と
できる場合がある。すなわち、NADPH再生活性の高い生
物を宿主として用いることにより、形質転換体を用いた
還元反応において、NADPH再生用の酵素を添加すること
なく効率的な反応を行える。あるいは前記NADPH再生に
利用可能な酵素の遺伝子を、トロピノン還元酵素−Iを
コードするDNAと同時に導入した宿主を利用することも
できる。このような形質転換体の利用によって、NADPH
再生酵素とトロピノン還元酵素−Iの発現、並びに基質
の還元反応を、より効率的に行うこともできる。これら
の2つ、もしくは、それ以上の遺伝子の宿主への導入に
は、不和合性をさけるために複製起源の異なる複数のベ
クターに別々に遺伝子を導入した組み換えベクターによ
り宿主を形質転換する方法や、単一のベクターに両遺伝
子を導入する方法、片方、もしくは、両方の遺伝子を染
色体中に導入する方法などを利用することができる。
ルコース脱水素酵素として、バシラス・サブチルス(Ba
cillus subtilis)に由来するグルコース脱水素酵素
や、サーモプラズマ・アシドフィラム (Thermoplasma a
cidophilum) に由来するグルコース脱水素酵素を示すこ
とができる。これら酵素をコードする遺伝子は既に単離
されている(Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A.,80,785-789
(1983); Eur. J. Biochem.,211,549-554(1993))。ある
いは既に明らかにされているその塩基配列に基づいて、
PCRやハイブリダイズスクリーニングによって、当該微
生物から取得することもできる。
る場合には、プロモーター、ターミネーターなど発現制
御に関わる領域をそれぞれの遺伝子に連結する方法やラ
クトースオペロンのような複数のシストロンを含むオペ
ロンとして発現させることも可能である。
とグルコース脱水素酵素を導入したプラスミドは、例え
ばpSE420D(特開2000-189170)に各遺伝子をタンデムに連
結して取得することができる。Datura stramonium 由来
のトロピノン還元酵素−IとBacillus subtilis由来の
グルコース脱水素酵素を導入されたプラスミドpSG-DSR1
(FERM P-18395)、Hyoscyamus niger 由来のトロピノン
還元酵素−IとBacillussubtilis由来のグルコース脱水
素酵素を導入されたプラスミドpSG-HNR1(FERM P-18396)
は、それぞれ以下のとおり特許生物寄託センターに寄託
されている。
託: (a)寄託機関の名称・あて名 名称:独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託
センター (旧名称:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所) あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号中央第
6(郵便番号305-8566) (b)寄託日 平成13年6月22日 (c)受託番号 FERM P-18395 (pSG-DSR1) 受託番号 FERM P-18396 (pSG-HNR1)
ばしば困難が伴う。たとえばピキア・フィンランディカ
由来の(R)−2−オクタノール脱水素酵素と枯草菌由来
グルコース脱水素酵素を共発現するpSG-PFO1、あるいは
pSG-PFO2 (WO01/61014)においてみられるように、両酵
素が高発現しない場合がある。更に、一般に、植物由来
の酵素と植物以外に由来する酵素とが共発現することは
期待しにくいとされている。したがって、トロピノン還
元酵素−Iとグルコース脱水素酵素とを共発現させるこ
とによって、上記本発明の製造方法に有用な形質転換体
を得られるとは考えにくかった。
−Iとグルコース脱水素酵素をタンデムに連結したベク
ターを導入することによって、10%という高濃度の3
−キヌクリジノンを不斉還元しうる形質転換体を得るこ
とに成功した。すなわち本発明は、トロピノン還元酵素
−IをコードするDNA、および酸化型補酵素を還元型
補酵素に再生する酵素をコードするDNAを発現可能に
保持したベクターに関する。
元酵素−IをコードするDNAとしては、たとえば下記
(a)から(d)のいずれかに記載のDNAを用いるこ
とができる。 (a)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
酸配列を有するDNA、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質をコードす
るDNA、 (c)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列と85%以上の相同性を有する塩基配列からなり、3
−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌクリジ
ノールを生成する活性を有する蛋白質をコードするDN
A、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、3−キヌクリジノンを不斉還
元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有
する蛋白質をコードするDNA
酵素を還元型補酵素に再生する酵素としては、上記の再
生反応用の酵素を利用することができる。特に、グルコ
ース脱水素酵素は再生用酵素として好ましい。脱水素酵
素としては、Bacillus subtilisまたはThermoplasma ac
idophilumに由来するグルコース脱水素酵素を例示する
ことができる。実施例に示すように、これらのグルコー
ス脱水素酵素は、配列番号:1あるいは配列番号:3に
示す塩基配列からなるトロピノン還元酵素−Iをコード
するDNAと組み合せたときに、高濃度の(R)−3−
キヌクリジノールを生成することができる形質転換体を
与える。
元酵素−Iと再生反応用の酵素をコードするDNAは、タ
ンデムに連結するのが好ましい。タンデムに連結すると
は、共通の発現制御領域の支配下に、これらの酵素が発
現するように配置することを言う。このような配置とす
ることにより、より効率的な酵素遺伝子の発現、並びに
光学活性アルコールの生成を期待することができる。
能に保持した形質転換体に関する。本発明のベクター
は、ベクターを機能的に保持しうる宿主であれば任意の
宿主に形質転換することができる。本発明において特に
望ましい宿主は、目的とする光学活性アルコールの光学
異性体を生成する能力を実質的に欠いている微生物であ
る。たとえば、光学活性アルコールとして(R)−3−
キヌクリジノールの生成を目的とする場合には、宿主自
体では3−キヌクリジノールを実質的に生成できない微
生物を利用することができる。もしも宿主が(S)−3
−キヌクリジノールを合成する作用を有する場合には、
(S)体を生成する酵素を欠損させた欠損株を利用する
ことが好ましい。欠損株は、自然変異、人工変異、遺伝
子組換え技術などを利用して得ることができる。たとえ
ば実施例において利用している大腸菌 HB101株は、もと
もと3−キヌクリジノールの光学異性体を実質的に生成
しない微生物である。したがって、本発明に基づく
(R)−3−キヌクリジノールの製造方法のための形質
転換体に有用な宿主微生物である。
法を構成する酵素反応は、前記酵素活性物質を基質であ
るケトンを含む反応溶液と接触させることにより、実施
することができる。具体的には、水性媒体中、水性媒体
と水可溶性の有機溶媒との混合系、あるいは水不溶性の
溶媒との2相系中において行うことができる。水性媒体
としては、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの中
性付近に緩衝能を有する緩衝液が挙げられる。あるいは
酸とアルカリを用いて反応中のpH変化を好ましい範囲に
とどめることが可能であれば、緩衝液を特に使う必要は
ない。水に溶解しにくい有機溶媒としては、例えば、酢
酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n-ヘ
キサン、イソオクタンなどを用いることができる。ある
いは、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル等の有機溶媒と水性媒体との混合系中で
行うこともできる。
あるいは水や緩衝液の溶液として供給される。基質化合
物を水、緩衝液またはエタノール等の水溶性溶媒に溶解
させて反応系に供給することもできる。この場合は、酵
素活性物質とともに単一相の反応系を構成することにな
る。その他、本発明の反応は、固定化酵素、膜リアクタ
ーなどを利用して行うことも可能である。なお、酵素活
性物質と反応溶液の接触形態はこれらの具体例に限定さ
れない。反応溶液とは、基質を酵素活性の発現に望まし
い環境を与える適当な溶媒に溶解したものである。
は、トロピノン還元酵素−Iの作用によって目的とする
光学活性アルコールを生成する化合物であれば特に限定
されない。表1に、基質として利用し得る化合物と、そ
の基質から本発明によって生成されるアルコールを示
す。
して、たとえば3−キヌクリジノンを示すことができ
る。3−キヌクリジノンを基質として生成する(R)−
3−キヌクリジノールは、先に述べたように産業上有用
な光学活性化合物である。3−キヌクリジノンと(R)
−3−キヌクリジノールの構造を式(1)に示す。
素反応は、以下の条件で行うことができる。 ・基質濃度:0.01-50%、好ましくは、0.1-30% ・反応温度:4-60℃、好ましくは30-50℃ ・pH:4-9、好ましくは6.5-8.5
はNADPHを0.001 mM-100 mM、好ましくは、0.01-10 mM添
加することができる。また、基質は反応開始時に一括し
て添加するか、あるいは連続的もしくは非連続的に添加
する。
るケトンに対して、モル比でたとえば0.1−20倍、
好ましくは0.5−5倍の量を添加することができる。
またNADPH再生反応用の酵素は、トロピノン還元酵素−
Iに比較して酵素活性で0.1−100倍、好ましくは
0.5−20倍程度添加することができる。以下にNADP
Hの再生反応用の化合物と、当該化合物を利用してNADPH
を再生する酵素の組み合せの例を示した。 グルコース(グルコース脱水素酵素) ギ酸(ギ酸脱水素酵素) エタノールまたは2-プロパノール(アルコール脱水素酵
素) L−グルタミン酸(グルタミン酸脱水素酵素) L−リンゴ酸(リンゴ酸脱水素酵素、または有機酸脱水
素酵素)
コールは、公知の方法によって採取することができる。
すなわち、例えば反応液からの有機溶媒による抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、濃縮、蒸留な
どの分離精製手段によって、光学活性アルコールを得る
ことができる。分離精製手段は、単独または複数の手段
を組み合わせて利用できる。また、必要により反応液か
ら菌体や蛋白質を分離する工程を付加することもでき
る。菌体や蛋白質の分離には、遠心分離や膜処理等を利
用すれば良い。
方法によれば、多量の光学活性アルコールを高い光学純
度で得ることができる。光学純度が高い生成物を用いれ
ば、より容易に結晶を得ることができる。たとえば、光
学活性アルコールである(R)−3−キヌクリジノール
は、以下のようにして容易に塩酸塩として結晶化でき
る。すなわち本発明は、以下の工程を含む(R)−3−
キヌクリジノール塩酸塩の取得方法に関する。 (a)(R)−3−キヌクリジノールを含む溶液のpHを
アルカリ性としてフリー体(R)−3−キヌクリジノー
ルとする工程、(b)フリー体(R)−3−キヌクリジ
ノールをn−ブタノールで抽出する工程、(c)抽出液
に塩酸を添加する工程、(d)抽出液中の水分を除去す
る工程、および(e)n−ブタノールより(R)−3−
キヌクリジノール塩酸塩を結晶化する工程
ル抽出液中の(R)−3−キヌクリジノールを塩酸塩化
する際、抽出液中の水分を除去し、塩酸ガスを吹き込む
ことで、n−ブタノールより(R)−3−キヌクリジノ
ール塩酸塩を結晶化することもできる。
クリジノール塩酸塩から、フリー体(R)−3−キヌク
リジノールの結晶を得ることもできる。すなわち本発明
は、以下の工程を含むフリー体(R)−3−キヌクリジ
ノールの結晶を得る方法に関する。 (a)(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩を溶媒Aに
溶解する工程、(b)(a)の溶液のpHをアルカリ性と
してフリー体(R)−3−キヌクリジノールとする工
程、および(c)溶媒Bを添加し、溶媒Aを留去後、溶
媒Bより(R)−3−キヌクリジノールを結晶化する工
程 ここで溶媒Aは、(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩
を1%以上の濃度で溶解する溶媒である。溶媒の(R)
−3−キヌクリジノール塩酸塩の溶解度(1%以上)
は、実際にその溶媒によって(R)−3−キヌクリジノ
ール塩酸塩を溶解するときの温度における溶解度を言
う。また溶媒Bは、溶媒Aとの混合物から溶媒Aを蒸留
により置換することができる溶媒であって、かつ溶媒A
よりもフリー体(R)−3−キヌクリジノールの溶解度
が低く、そして溶媒Bからフリー体(R)−3−キヌク
リジノールを結晶化することが可能な溶媒である。3−
キヌクリジノールを結晶化することが可能な溶媒とは、
溶媒の温度の低下により3−キヌクリジノールの溶解度
を低下させること、あるいは溶媒を除去すること等によ
って3−キヌクリジノールの結晶を生じさせることので
きる溶媒を言う。
は、たとえばトルエン、4−メチル−2−ペンタノン、
および酢酸ブチルで構成される群から選択されたいずれ
かの溶媒を単独で、あるいは混合して用いることができ
る。中でも溶媒Aに水、溶媒Bにトルエンを用いるのが
望ましい。
ル塩酸塩の取得方法を、より具体的に述べる。まず3−
キヌクリジノンに上記酵素活性物質を接触させて、
(R)−3−キヌクリジノールを生成させる。(R)−
3−キヌクリジノールを生成させるための条件は、先に
述べたとおりである。(R)−3−キヌクリジノールを
含む反応液からは、必要に応じて菌体、蛋白質を遠心分
離、膜処理等により分離することができる。次いで反応
液にアルカリを加えてpHを調節する。アルカリには、例
えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いることが
できる。このときのpHは、pH10以上、好ましくはpH12以
上とする。反応液のアルカリ化によって、(R)−3−
キヌクリジノールはフリー体となる。フリー体の(R)
−3−キヌクリジノールは、n−ブタノールにより反応
液から抽出する。(R)−3−キヌクリジノールを含む
n−ブタノールに、0.8−5等量、好ましくは1−
1.2等量の塩酸を加えれば、(R)−3−キヌクリジ
ノールは塩酸塩化される。次に溶液中の水分を共沸脱水
により除去し、冷却することによりn−ブタノールから
(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩を結晶化すること
ができる。
(R)−3−キヌクリジノールを結晶化することもでき
る。例えば上記の方法により得られた塩酸塩を0.5倍
量以上、好ましくは0.8−1.5倍量の溶媒Aに溶解
する。溶媒Aには、好ましくは水を用いる。得られた
(R)−3−キヌクリジノール溶液に、アルカリを加え
る。アルカリには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム
が用いられる。このとき(R)−3−キヌクリジノール
溶液のpHは、pH10以上、好ましくはpH12以上とする。反
応液のアルカリ化によって、(R)−3−キヌクリジノ
ールはフリー体となる。フリー体の(R)−3−キヌク
リジノールは、適当な有機溶媒Bを用いて結晶化するこ
とができる。たとえば、トルエンを(R)−3−キヌク
リジノール溶液の1倍量以上、好ましくは5−50倍量
添加して溶媒Aを留去する。このとき生じる無機塩など
を必要に応じて濾過などの方法で分離して、冷却すれ
ば、トルエンから(R)−3−キヌクリジノールを結晶
化することができる。なお、無機塩との分離に際し、収
率低下を防止するため、熱時濾過を行うことが好まし
い。有機溶媒Bとしては、トルエンの他にヘキサン、4
−メチル−2−ペンタノン、酢酸ブチルなどを用いるこ
ともできる。
(R)−3−キヌクリジノールは、塩酸塩のみならずフ
リー体としても結晶化することができる。すなわち本発
明は、以下の工程を含む(R)−3−キヌクリジノール
の製造方法に関する。 (a)(R)−3−キヌクリジノールを含む溶液のpHを
アルカリ性としてフリー体(R)−3−キヌクリジノー
ルとする工程、(b)フリー体(R)−3−キヌクリジ
ノールをn−ブタノールで抽出する工程、および(c)
抽出液に溶媒Bを添加し、n−ブタノールを留去後、溶
媒Bより(R)−3−キヌクリジノールを結晶化する工
程
リジノールの取得方法を、より具体的に述べる。まず先
に述べた方法によって、本発明によって生成する(R)
−3−キヌクリジノールを抽出し、アルカリを加えてフ
リー体とする。フリー体の(R)−3−キヌクリジノー
ルを、n−ブタノールにより抽出し、溶液中の水分を共
沸脱水により除去する。更に有機溶媒をn−ブタノール
に対して3−100倍量、好ましくは5−10倍量添加
する。このとき用いる有機溶媒としては、例えばヘキサ
ン、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸ブチル等を挙げ
ることができる。特にトルエンは望ましい有機溶媒であ
る。
後、必要により濾過などにより夾雑物を除去した後、冷
却することにより、有機溶媒から(R)−3−キヌクリ
ジノールを結晶化することができる。なお、夾雑物の除
去に際し、収率低下を防止するため、熱時濾過を行うこ
とが好ましい。
を得ることは必須である。結晶化によって不純物を除く
ことにより、高純度の(R)−3−キヌクリジノールと
なる。なお本明細書において引用された全ての先行技術
文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 [実施例1]Datura stramoniumのトロピノン還元酵素
−I遺伝子の取得 文献 (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 95, 4876-488
1 (1998)) 記載の方法により、Datura stramoniumのト
ロピノン還元酵素−Iをコードする遺伝子を保持したpE
TTR1を得た。プラスミドを新たに構築するために、構造
遺伝子の5'-末端、3'-末端の配列を元にプライマーDSR-
ATG1(配列番号:5)、DSR-TAA1(配列番号:6)を合
成した。pETTR1を鋳型として、PCR(95℃, 30秒、50℃,
1分、75℃, 3分15秒)を30サイクル行い、特異的な増
幅DNAを得た。 配列番号:5:DSR-ATG1/ATACCATGGAAGAATCAAAAGTG 配列番号:6:DSR-TAA1/TGGTCTAGATTAAAACCCACCATTAG
CTGTG
ピノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素
遺伝子を共発現するプラスミドpSG-DSR1の構築 枯草菌由来のグルコース脱水素酵素遺伝子を含むプラス
ミドpSE-BSG1(特開 2000-189170)をNco I、およびXba
Iの2つの制限酵素で二重消化し、枯草菌由来のグルコ
ース脱水素酵素遺伝子を含むDNA断片を調製した。このD
NA断片を、実施例1で調製したDNA断片より同酵素で切
り出したDatura stramonium由来のトロピノン還元酵素
−I遺伝子を含むDNA断片とT4 DNAリガーゼで連結し、
グルコース脱水素酵素とトロピノン還元酵素−Iを同時
に発現可能なプラスミドpSG-DSR1(FERM P-18395)を得
た。
ノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素の
同時発現 pSG-DSR1で形質転換した大腸菌 HB101株(E.coli HB101
(pSG-DSR1) ) をアンピシリン50 mg/Lを含むLB培地で
終夜培養後、IPTGを0.1 mM添加して遺伝子の発現を誘導
し、更に4時間培養した。得られた菌体を集菌後、密閉
式超音波破砕装置UCD-200TM(コスモバイオ製)で破砕
し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。
ピノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素
の酵素活性 実施例3で得られた無細胞抽出液を用い、酵素活性を測
定した。組換え大腸菌から得た無細胞抽出液では、NADP
H依存的にトロピノン還元活性を示し、その比活性は、
9.49 U/mg-蛋白質であった。また、組換え大腸菌から得
た無細胞抽出液では、NADPH依存的に3−キヌクリジノ
ン還元活性を示し、その比活性は、4.33U/mg-蛋白質で
あった。
Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)、2.5mM NAD+、100mM
D-グルコース及び酵素を含む反応液中で、37℃で反応さ
せた。1Uは、1分間に1μmolのNADHの生成を触媒する酵
素量とした。組換え大腸菌から得た無細胞抽出液では、
その比活性は、9.02 U/mg-蛋白質であった。
ピノン還元酵素−Iによる(R)−3−キヌクリジノー
ルの合成 実施例2で調製したpSG-DSR1で形質転換した大腸菌を2
×YT培地(Tryptone 20g、Yeast extract 10 g、 NaCl 1
0 g、 pH 7.2 )400 mLで培養し、0.1 mMのIPTGで発現を
誘導後に集菌した。得られた菌体を、500 mMリン酸カリ
ウム緩衝液 (pH7.5) 、10%(618.7 mM) 3−キヌクリ
ジノン塩酸塩、927.8mM グルコースを含む400 mLの反応
液に加えて、攪拌下37℃で1晩反応させた。
リウムで2倍希釈し、生成した3−キヌクリジノールを
ガスクロマトグラフィーにより定量した。ガスクロマト
グラフィー分析には、ユニソール10T+KOH(10+3%)ユ
ニポートHP 80/100メッシュ(2 m、ジーエルサイエンス
社製) を用いた。カラム温度は150℃、検出温度は250℃
の条件で、デテクターには水素炎イオン化検出器(FID)
を用いた。各化合物の保持時間は、3−キヌクリジノン
で5.4分、3−キヌクリジノールで11.2分であった。更
にシグナル強度に基づいて算出した3−キヌクリジノー
ル塩酸塩の濃度は89.5 g/Lであり、収率は88.4%であっ
た。
度は、以下の操作により測定した。まず反応液を除菌
後、炭酸ナトリウムを飽和濃度に加えて、3−キヌクリ
ジノールを酢酸エチルで抽出した。脱溶媒した後、ベン
ゾイルクロライドによってベンゾイル化し、光学分割カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー (カラム, ダ
イセル化学製キラルパックAD; 移動相, n−ヘキサン
/エタノール/ジエチルアミン (95/5/0.1);
検出波長254nm; 流速, 1.0 mL/分) により測定し
た。保持時間12分で(S)体、23分で(R)体が検出され
た。その結果、生成物における光学純度は 98.6% ee
(R) であった。
飽和濃度に加え、3−キヌクリジノールを酢酸エチルで
2回抽出した。抽出液の脱溶媒によって得られた結晶を
1N塩酸に溶解し、旋光度を測定した。その結果、[α]D
=-43.7(c=1, 1N HCl)であり、文献値:[α]D=-43.8(c=
3, 1NHCl) (J.Amer.Chem.Soc., 74, 2215-2218(1952))
との比較から生成物が(R)体であることを確認した。
ヌクリジノール塩酸塩の回収 実施例5で調製した反応液を遠心分離により除菌後、UF
膜処理により除蛋白し、エバポレータで濃縮した。これ
に25%水酸化ナトリウムを加えてpH12.0に調整し、等量
のn−ブタノールで2回抽出した。抽出液に濃塩酸を18m
L加え、110-130℃、常圧での蒸留操作により水を除去
し、冷却することで(R)−3−キヌクリジノール塩酸
塩の結晶を得た。得られた結晶を濾過により回収し、減
圧乾燥することで、32.4gの結晶を得た。収率は80.0%で
あった。
ル塩酸塩からのフリー化 実施例6で調製した(R)−3−キヌクリジノール塩酸
塩の結晶25.0gを水25.0gに溶解後、25%水酸化ナトリウ
ムを加えてpH13.0に調整した。これにトルエンを500g添
加し、60-70℃、170Torrで共沸脱水した。脱水終了後、
80℃、常圧で(R)−3−キヌクリジノールをトルエン
に完溶させ、残存した無機塩を80℃で熱時濾過すること
で除去した。トルエン溶液を冷却することで(R)−3
−キヌクリジノールの結晶を得た。得られた結晶を濾過
により回収し、減圧乾燥することで16gの結晶を得た。
ヌクリジノールの単離 pSG-DSR1で形質転換した大腸菌による3−キヌクリジノ
ン還元反応液を遠心分離により除菌後、UF膜処理により
除蛋白した。UF膜処理液91g(3−キヌクリジノール塩
酸塩含有率 12%)に25%の水酸化ナトリウム水溶液を加
え、pH 12に調整した。得られた液を50〜60℃、20Torr
の条件下で減圧濃縮し、48gとした。同量のn−ブタノ
ール を加え、2回抽出を行った。得られた有機層を、50
〜60℃、20Torrの条件で濃縮した。トルエン50gを添加
し、濃縮を繰り返すことによって、トルエンに溶媒置換
した。得られたトルエン溶液を冷却し、析出した結晶を
濾過した。得られた湿結晶を減圧乾燥すると、(R)−
3−キヌクリジノールが結晶として6.5g得られた。
ピノン還元酵素−I遺伝子の取得 文献 (Biosci. Biotechnol. Biochem.,63(10),1819-18
22(1999)) 記載の方法により、Hyoscyamus niger由来
トロピノン還元酵素−I遺伝子を得た。この構造遺伝子
の5'-末端、3'-末端の配列を元にプライマーHNR-ATG1
(配列番号:7)、HNR-TAA1(配列番号:8)を合成し
た。トロピノン還元酵素−IcDNAを鋳型として、PCR(9
5℃, 30秒、50℃, 1分、75℃, 3分15秒)を30サイクル
行い、特異的な増幅DNAを得た。 配列番号:7:HNR-ATG1 ATACCATGGCCGGAGAATCA 配列番号:8:HNR-TAA1 ACCTCTAGATTAAAACCCACCATTAGCTGTG
ピノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素
遺伝子を共発現するプラスミドpSG-HNR1の構築 枯草菌由来のグルコース脱水素酵素遺伝子を含むプラス
ミドpSE-BSG1(特開 2000-189170)をNco IおよびXba I
の2つの制限酵素で二重消化し、枯草菌由来のグルコー
ス脱水素酵素遺伝子を含むDNA断片を調製した。このDNA
断片を実施例6で調製したDNA断片より同酵素で切り出
したHyoscyamus niger由来のトロピノン還元酵素−I遺
伝子を含むDNA断片とT4 DNAリガーゼで連結し、グルコ
ース脱水素酵素とトロピノン還元酵素−Iを同時に発現
可能なプラスミドpSG-HNR1(FERMP-18396)を得た。
ノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素の
同時発現 pSG-HNR1で形質転換した大腸菌 HB101株(E.coli HB101
(pSG-HNR1) ) をアンピシリン50 mg/Lを含むLB培地で
終夜培養後、IPTGを0.1 mM添加して遺伝子の発現を誘導
し、更に4時間培養した。得られた菌体を集菌後、密閉
式超音波破砕装置UCD-200TM(コスモバイオ製)で破砕
し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。
ピノン還元酵素−Iと枯草菌由来グルコース脱水素酵素
の酵素活性 実施例11で得られた無細胞抽出液を用い、酵素活性を
測定した。組換え大腸菌から得た無細胞抽出液では、NA
DPH依存的にトロピノン還元活性を示し、その比活性
は、0.35 U/mg-蛋白質であった。
では、NADPH依存的に3−キヌクリジノン還元活性を示
し、その比活性は、0.26 U/mg-蛋白質であった。グルコ
ース脱水素酵素活性の比活性は、3.96 U/mg-蛋白質であ
った。グルコース脱水素酵素活性は、実施例4に記載の
方法で測定した。
ピノン還元酵素−Iによる(R)−3−キヌクリジノー
ルの合成 実施例9で調製したpSG-HNR1で形質転換した大腸菌を2
×YT培地(Tryptone 20g、Yeast extract 10 g、 NaCl 1
0 g、 pH 7.2 )10 mLで培養し、0.1 mMのIPTGで発現を
誘導後に集菌した。得られた菌体を、500 mMリン酸カリ
ウム緩衝液 (pH6.5)、1%(61.9 mM) 3−キヌクリジノ
ン塩酸塩、278.4mM グルコースを含む10 mLの反応液に
加えて、攪拌下20℃で1晩反応させた。反応液を除菌
後、実施例5に記載の方法で生成した3−キヌクリジノ
ールを定量した。その結果、3−キヌクリジノール塩酸
塩濃度は1.59g/Lであり、収率は15.7%であった。光学純
度は、実施例5に記載の方法で測定した。その結果、光
学純度は 89.0%ee (R) であった。
IFO 15155からの染色体DNAの調製Thermoplasma acidophilum IFO 15155 株を Medium 280
(KH2PO4 3 g/L, MgSO 4・7H2O 0.5 g/L, CaCl2・2H2O
0.25 g/L, yeast extract 1 g/L, glucose 10 g/L, (N
H4) 2SO4 2 g/L, pH 2.0) を 50 mL入れた250 mLフラス
コ4本に植菌し、60℃で2週間培養した。得られた菌を遠
心分離により集菌し、DNeasy Tissue kit (Qiagen) に
より染色体DNAを調製した。
IFO 15155由来グルコース脱水素酵素遺伝子のクローニ
ングThermoplasma acidophilum IFO 15155由来グルコース脱
水素酵素遺伝子をクローニングするために、プライマー
TAG-ATG1(配列番号:9)、 TAG-TAA3(配列番号:1
0)を合成した。 配列番号:9:TAG-ATG1 CAGGAATTCAATAATGACTGAACAGAAAGCCATTG 配列番号:10:TAG-TAA3 CTGACTAGTATTACTGCCACTTTATCACCGTC Pfu DNA Polymerase用緩衝液、0.2 mM dNTP, 各25 pmol
のプライマーDNA, PfuDNA polymerase 2.5 Uおよび実施
例13で調製したThermoplasma acidophilum由来の染色
体DNA 50 ngを含む反応液を用い、変性 95℃, 30秒、ア
ニール50℃,1分、伸張75℃, 4分の条件でPCRを30サイク
ル行い、グルコース脱水素酵素遺伝子を含むDNA断片を
増幅させた。得られたDNA断片をGFX-column (Pharmacia
製) で精製し、EcoRI, SpeIにより2重消化した後、アガ
ロース電気泳動によりDNA断片を精製した。得られたDNA
断片と同制限酵素で消化したpSE420D(特開2000-189170)
をライゲーションし、pSE-TAG3を構築した。
酵素−IとThermoplasma acidophilumIFO 15155由来グ
ルコース脱水素酵素遺伝子を共発現するプラスミドpTG-
DSR1の構築 実施例2で調製したプラスミド pSG-DSR1をNcoI及びXba
Iで2重消化し、ダツラ由来のトロピノン還元酵素−I遺
伝子を含むDNA断片(pSG-DSR1/NcoI-XbaI) 824bp を精製
した。このDNA断片を、実施例14で調製したプラスミ
ドpSE-TAG3をNcoI及びXbaIで2重消化したベクター部分
と、T4 DNA リガーゼで連結し、グルコース脱水素酵素
とトロピノン還元酵素−Iを同時に発現可能なプラスミ
ドpTG-DSR1を得た。
酵素−IとThermoplasma acidophilumIFO 15155由来グ
ルコース脱水素酵素の同時発現 pTG-DSR1で形質転換した大腸菌 HB101株(E.coli HB101
(pTG-DSR1) )をアンピシリン50 mg/Lを含むLB培地で
終夜培養後、IPTGを0.1 mM添加し、更に4時間培養し
た。得られた菌体を集菌後、密閉式超音波破砕装置UCD-
200TM(コスモバイオ製)で破砕し、遠心分離した上清
を無細胞抽出液とした。
酵素−IとThermoplasma acidophilumIFO 15155由来グ
ルコース脱水素酵素の酵素活性 実施例17で得られた無細胞抽出液を用い、酵素活性を
測定した。組換え大腸菌から得た無細胞抽出液では、N
ADPH依存的にトロピノン還元活性を示し、その比活
性は、5.13 U/mg-蛋白質であった。また、組換え大腸菌
から得た無細胞抽出液では、NADPH依存的に3−キ
ヌクリジノン還元活性を示し、その比活性は、1.91 U/m
g-蛋白質であった。グルコース脱水素酵素活性の測定
は、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0),2.5 mM NAD
P+, 100 mM D-グルコースおよび酵素を含む反応液で、2
5℃で反応させた。1Uは、1分間に1μmolのNADPHの生成
を触媒する酵素量とした。組換え大腸菌から得た無細胞
抽出液では、その比活性は、1.95 U/mg-蛋白質であっ
た。
酵素−IとThermoplasma acidophilumIFO 15155由来グ
ルコース脱水素酵素による(R)−3−キヌクリジノー
ルの合成 実施例16で調製したpTG-DSR1で形質転換した大腸菌HB
101株を2×YT培地(Tryptone 20 g、Yeast extract 10
g、 NaCl 10 g、 pH 7.2 )10 mLで培養、誘導後、集菌
し、500 mMリン酸カリウム緩衝液 (pH 7.5) 、5%(309.
3 mM)3−キヌクリジノン塩酸塩、464.0mM グルコース
を含む10 mLの反応液を用い、攪拌下37℃で1晩反応させ
た。反応液を除菌後、実施例5に記載の方法で生成した
3−キヌクリジノールを定量した。その結果、3−キヌ
クリジノール塩酸塩濃度は44.7 g/Lであり、収率は88.3
%であった。光学純度は、実施例5に記載の方法で測定
した。その結果、光学純度は 93.4%ee (R) であった。
の不斉還元作用を利用する光学活性アルコールの製造方
法が提供された。本発明の方法は、産業上重要な化合物
である(R)−3−キヌクリジノールを、容易に、かつ
効率的に製造することができる。しかも本発明によって
得ることができる(R)−3−キヌクリジノールは、高
い光学純度を備える。
用することによって、より効率的に(R)−3−キヌク
リジノールを製造することができる方法を提供した。す
なわち、トロピノン還元酵素−Iを酸化型還元酵素の再
生酵素と共発現させることによって、本発明に基づく光
学活性アルコールの製造方法を更に効率的に実施できる
ことを見出した。中でも、Datura stramonium、あるい
はHyoscyamus nigerといった植物由来のトロピノン還元
酵素−Iに対して、枯草菌あるいはThermoplasma acido
philumに由来するグルコース脱水素酵素を再生酵素とし
て組み合わせた場合には、両者の共発現によって、きわ
めて効率的に光学活性アルコールを生成させることがで
きる。植物由来の酵素と微生物由来の酵素の共発現によ
って、光学純度の高い(R)−3−キヌクリジノールを
高度に効率的に製造しうることはまったく予想されてい
なかった。
光学純度の高い(R)−3−キヌクリジノールを結晶化
することが可能な製造方法を提供した。本発明によれ
ば、光学純度の高い(R)−3−キヌクリジノールを高
濃度で得ることができるため、結晶化には有利である。
しかも本発明者らは、水溶性が高いために通常は結晶化
が困難な(R)−3−キヌクリジノールを、特定の溶媒
の組み合わせによって容易に結晶化しうることを見出し
た。物質を高純度な結晶として得ることは、工業材料と
して用いるために必須である。
研究所 特許生物寄託 センター
(FERM P−1839 5)、生命研菌寄第18396号(FERM P−18
396)
究所 特許生物寄託 センター
ERM BP−8061 )、生命研条寄第8062号(FERM BP−806
2)
Claims (24)
- 【請求項1】還元型補酵素の存在下、ケトンにトロピノ
ン還元酵素−I活性を有する酵素活性物質を作用させ、
不斉還元によって生成する光学活性アルコールを回収す
る工程を含む、光学活性アルコールの製造方法。 - 【請求項2】ケトンが3−キヌクリジノンであり、光学
活性アルコールが(R)−3−キヌクリジノールである
請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】酵素活性物質が、80%ee以上の光学純度
の光学活性アルコールを生成するトロピノン還元酵素−
I活性を有する請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】酵素活性物質が、Datura属、またはHyoscy
amus属に属する植物に由来する請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】Datura属に属する植物が、Datura stramon
iumである請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】Hyoscyamus属に属する植物が、Hyoscyamus
nigerである請求項4に記載の方法。 - 【請求項7】酵素活性物質が、下記(a)から(d)の
いずれかに記載の蛋白質である請求項1に記載の方法。 (a)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列を有する蛋白質、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質、 (c)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列と85%以上の相同性を有するアミノ酸配列から
なり、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キ
ヌクリジノールを生成する活性を有する蛋白質、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコ
ードされ、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3
−キヌクリジノールを生成する活性を有する蛋白質 - 【請求項8】酵素活性物質が、トロピノン還元酵素−I
をコードするDNAを含むベクターにより形質転換され
た形質転換体、またはその処理物である請求項1に記載
の方法。 - 【請求項9】形質転換体が、下記(a)から(d)のい
ずれかに記載のDNAを含むベクターにより形質転換さ
れた形質転換体である請求項8に記載の方法。 (a)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
酸配列を有するDNA、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質をコードす
るDNA、 (c)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列と85%以上の相同性を有する塩基配列からなり、3
−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌクリジ
ノールを生成する活性を有する蛋白質をコードするDN
A、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、3−キヌクリジノンを不斉還
元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有
する蛋白質をコードするDNA - 【請求項10】ベクターが、更に酸化型補酵素を還元型
補酵素に再生する酵素をコードするDNAを共に含む請
求項8に記載の方法。 - 【請求項11】酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する
酵素が、グルコース脱水素酵素である請求項10に記載
の方法。 - 【請求項12】グルコース脱水素酵素がBacillus subti
lisまたはThermoplasma acidophilum由来である請求項
11に記載の方法。 - 【請求項13】不斉還元反応をpH6.5−8.5の範囲
内で行う、請求項1に記載の方法。 - 【請求項14】次の工程を含む、(R)−3−キヌクリ
ジノール塩酸塩の製造方法。(a)(R)−3−キヌク
リジノールを含む溶液のpHをアルカリ性としてフリー体
(R)−3−キヌクリジノールとする工程、(b)フリ
ー体(R)−3−キヌクリジノールをn−ブタノールで
抽出する工程、(c)抽出液に塩酸を添加する工程、
(d)抽出液中の水分を除去する工程、および(e)n
−ブタノールより(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩
を結晶化する工程 - 【請求項15】次の工程を含む、(R)−3−キヌクリ
ジノールの製造方法。 (a)(R)−3−キヌクリジノール塩酸塩を溶媒Aに
溶解する工程、ここで溶媒Aは(R)−3−キヌクリジ
ノール塩酸塩を1%以上の濃度で溶解する溶媒である
(b)(a)の溶液のpHをアルカリ性としてフリー体
(R)−3−キヌクリジノールとする工程、(c)溶媒
Bを添加し、溶媒Aを留去後、溶媒Bより(R)−3−
キヌクリジノールを結晶化する工程、ここで溶媒Bは溶
媒Aとの混合物から溶媒Aを蒸留により置換することが
できる溶媒であって、かつ溶媒Aよりもフリー体(R)
−3−キヌクリジノールの溶解度が低く、そして溶媒B
からフリー体(R)−3−キヌクリジノールを結晶化す
ることが可能な溶媒である - 【請求項16】溶媒Bが、トルエン、4−メチル−2−
ペンタノン、および酢酸ブチルで構成される群から選択
されたいずれかの溶媒である請求項15に記載の方法。 - 【請求項17】溶媒Aが水であり、溶媒Bがトルエンで
ある、請求項15に記載の方法 - 【請求項18】次の工程を含む、(R)−3−キヌクリ
ジノールの製造方法。(a)(R)−3−キヌクリジノ
ールを含む溶液のpHをアルカリ性としてフリー体(R)
−3−キヌクリジノールとする工程、(b)フリー体
(R)−3−キヌクリジノールをn−ブタノールで抽出
する工程、および(c)抽出液に溶媒Bを添加し、n−
ブタノールを留去後、溶媒Bより(R)−3−キヌクリ
ジノールを結晶化する工程 - 【請求項19】トロピノン還元酵素−IをコードするD
NA、および酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する酵
素をコードするDNAを発現可能に保持したベクター。 - 【請求項20】トロピノン還元酵素−IをコードするD
NAが、下記(a)から(d)のいずれかに記載のDN
Aである請求項19に記載のベクター。 (a)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
酸配列を有するDNA、 (b)配列番号:2、または配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からな
り、3−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌ
クリジノールを生成する活性を有する蛋白質をコードす
るDNA、 (c)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列と85%以上の相同性を有する塩基配列からなり、3
−キヌクリジノンを不斉還元し(R)−3−キヌクリジ
ノールを生成する活性を有する蛋白質をコードするDN
A、 (d)配列番号:1、または配列番号:3に記載の塩基
配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、3−キヌクリジノンを不斉還
元し(R)−3−キヌクリジノールを生成する活性を有
する蛋白質をコードするDNA - 【請求項21】酸化型補酵素を還元型補酵素に再生する
酵素が、グルコース脱水素酵素である請求項19に記載
のベクター。 - 【請求項22】グルコース脱水素酵素が、Bacillus sub
tilisまたはThermoplasma acidophilum由来である請求
項21に記載のベクター - 【請求項23】請求項19に記載のベクターを発現可能
に保持した形質転換体。 - 【請求項24】宿主が大腸菌である請求項23に記載の
形質転換体。
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