JP2003118332A - セルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体 - Google Patents
セルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体Info
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Abstract
心地性を改良し、異物による外傷を受けた後もタイヤ内
圧の急激な低下を抑制するとともに、より長い走行可能
距離を実現する安全タイヤ及びリム組立体を提供する。 【解決手段】 中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装
着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部
に、真比重が0.01以上であり、大気圧下での体積が
該タイヤ内容積の5.0体積%以上100体積%以下の
範囲、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物を
配置する。
Description
びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体に
関し、特に、タイヤが外傷を受けていない通常の走行に
おける耐久性及び乗り心地性を犠牲にすることなく、外
傷を受けた後のタイヤ内圧の急激な低下を抑制すること
で危機的状況を確実に回避することができると共に、受
傷後の走行可能距離をより長いものとすることができる
高い安全性を有するセルフシール性及びセルフバランシ
ング性に富んだタイヤ−リム組立体に関するものであ
る。
ヤにおいては、タイヤ内部に内圧(絶対圧、以下同様)
250〜350kPa程度の下に空気を封じ込めて、タ
イヤのカーカス及びベルト等のタイヤ骨格部に張力を発
生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタ
イヤの変形並びにその復元を可能としている。即ち、タ
イヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タ
イヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を
付与すると共に、剛性を高めて、駆動、制動及び旋回性
能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与してい
る。
イヤが外傷を受けると、この外傷を介して空気が外部に
漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、所謂パン
ク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力
はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定
の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機
能や、駆動、制動及び旋回性能も失われる結果、そのタ
イヤを装着した車両は走行不能に陥ってしまう。
片等の硬く鋭利な異物がタイヤに突き刺さることにより
発生し、その中でも特に一般ドライバーにとって危険な
状況は、タイヤに突き刺さった異物が走行中に抜け落ち
ることにより急激な内圧低下が発生した場合である。と
りわけ、受傷したタイヤが操舵輪(ほとんどの車両では
前輪)である場合、急激な左右バランス、前後バランス
の変化により、車両の挙動が制御できない状態に陥るこ
とがあり、大規模な事故へ繋がるおそれがある等、大変
危険な状況を引き起こすことがある。
とする、安全タイヤについて多くの提案がなされてい
る。例えば、自動車用の空気入り安全タイヤとリムの組
立体としては、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に荷
重支持装置を配設したもの、タイヤサイド部を補強した
ものなど種々のタイプのものが提案されている。これら
の提案の内、実際に使用されている技術としては、タイ
ヤのサイドウォール部を中心にショルダー部からビ−ド
部にかけての内面に比較的硬質のゴムからなるサイド補
強層を設けたタイヤがあり、この種のタイヤは主にへん
平比が60%以下の、所謂ランフラットタイヤとして適
用されている。
法は、タイヤ質量が30〜40%も増加してタイヤの縦
ばね定数を上昇するため、転がり抵抗の大幅な悪化とパ
ンク前の通常走行時の乗り心地性の低下をまねく不利が
ある。また、現行製法上の制約から、サイド補強型ラン
フラットタイヤのユニフォミティー(均一性)は悪化傾
向にある。一般的にタイヤは、リム組後、所謂バランサ
ーを用い、所定の回転数で回転させてアンバランス成分
を検出し、その検出したアンバランス成分を演算し、こ
の演算結果より導かれるリム上の指示位置にバランスウ
ェイトを配置してアンバランス成分を抑制する。しかし
ながら、使用時には上記回転数以外にも広範囲な速度域
にてタイヤ−リム組立体は使用されるために、速度によ
っては転動に伴う比較的大きな残留アンバランス成分が
現れることがある。よって結果として操縦性、乗り心地
性の悪化をもたらすことがあり、上記サイド補強型ラン
フラットタイヤは、通常走行時の性能、燃費及び環境に
悪影響を与えることがある。また、ランフラットタイヤ
に限らず、一般的な従来の空気入りタイヤにおいても、
頻繁な制動・駆動入力によりタイヤとリムの相対的位置
関係がずれる、所謂リムすべりが発生することによっ
て、タイヤ−リム組立体のバランスウェイトが崩れるこ
とがある。それ故、バランスウェイトを用いる限り、操
縦性、乗り心地性の悪化をもたらす要因が残っており、
常に満足の行くものとはいえない。
60%以上の空気入りタイヤにおいては、比較的高速か
つ長距離の走行によるサイドウォール部の発熱を避ける
ために、リムに中子などの内部支持体を固定してパンク
時の荷重を支持する構造とした、ランフラットタイヤが
主に適用されている。
にタイヤと内部支持体との間で発生する、局所的な繰り
返し応力にタイヤが耐えることができずに、結果として
パンク後の走行距離は100〜200km程度に限定さ
れていた。また、内部支持体は衝撃耐久性の面から軽量
化が難しく、結果的にタイヤ、内部支持体、リムの総質
量は従来の空気入りタイヤに比して3割〜5割以上増加
してしまうため、パンク前の通常走行時の乗り心地性の
低下はもちろんのこと、車両の足回り部品であるブッシ
ュ等の耐久性を著しく損なう不利がある。加えて、内部
支持体をタイヤ内部に配置してからタイヤをリムに組み
付ける作業は、煩雑で長時間を要することも問題であっ
た。この点、リムの幅方向一端側と他端側とのリム径に
差を設けて、内部支持体を挿入し易くした工夫も提案さ
れているが、十分な効果は得られていない。
タイヤのパンク後走行距離を延ばすには、骨格材を追加
してタイヤ構造をより重厚にすることが有効であるが、
骨格材を追加した分、通常使用時の転がり抵抗や乗り心
地性が悪化するため、この手法を採用することは現実的
ではない。
傷による内圧低下後の走行能力に言及しているものの、
上述したような、突き刺さった異物が走行中に抜け落ち
ることによる、急激な内圧低下の状況に対応できるもの
ではなく、パンクに対する危険回避対策が充分であると
はいえない。
ラント材を配置し、タイヤ内の圧力を活用して、受傷後
の傷穴を瞬時に封止する技術も種々提案されているが、
タイヤ質量の増加をまねく不利がある。即ち、シーラン
ト材による傷穴の封止能力は、タイヤ内面に設けるシー
ラント材層の厚みに依存し、例えば直径3mm程度の釘
による傷穴を封止するには、3〜5mm程度のシーラン
ト材層の厚みが必要となる。よって、一般的な乗用車用
タイヤの場合、シーラント材を配置することで質量が1
500g〜2500gも増加してしまい、パンク前の通
常走行時の転がり抵抗や乗り心地性低下はもちろんのこ
と、車両の足回り部品であるブッシュ等の耐久性を著し
く損なうことにもなる。また、シーラント材を配置した
タイヤは、質量均一性に乏しく、通常走行時の転がり抵
抗や乗り心地性低下の主たる要因となる。
さった場合、釘等の異物は必ずしもすぐに抜け落ちると
は限らず、タイヤ内に貫通した状態で留まることがあ
る。このような状態では、タイヤの内圧はすぐに低下す
るわけではなく、その後の走行と共に釘等の異物がタイ
ヤ内部で刺さったまま揉まれるようにして入力を受ける
ため、釘等の異物とタイヤとの接触面にて擦れ合いが生
じる。この擦れ合いによって、ある程度接触部分のタイ
ヤゴムが摩減すると、該接触面に隙間ができてしまい、
ある時を境に突然、釘等の異物が脱離すると共に、一気
に内圧が低下し走行不能となる。従来のシーラント材を
配置したタイヤでは、上記のような残存異物の入力履歴
により引き起こされる突然の異物離脱と内圧低下に充分
対応できず、満足のいくものではなかった。
立体の内部空洞へ独立気泡を有する発泡体を充填したタ
イヤが種々提案されている(例えば、特開平6−127
207号公報、特開平6−183226号公報、特開平
7−186610号公報及び特開平8−332805号
公報など)。これらの提案されたタイヤは、主に農耕用
タイヤ、ラリー用タイヤ、二輪車用タイヤ及び自転車タ
イヤなど特殊な、又は小型のタイヤに限定されるもので
ある。従って、乗用車用タイヤやトラック及びバス用タ
イヤなど、とりわけ転がり抵抗や乗り心地性を重視する
タイヤへの適用は未知数であった。そしていずれの発泡
体も発泡倍率が低いために、気泡を有する発泡体のわり
には質量が大きく、振動乗り心地性や低燃費性の悪化を
避けられない上、その独立気泡内部は大気圧であるた
め、従来タイヤの高圧空気の代替とするには機能的に不
十分であった。
発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレスタイヤが開
示されているが、気泡内圧が大気圧に極めて近いことに
よる不利に加え、発泡体がウレタン系であるために、ウ
レタン基の分子間水素結合に起因するエネルギーロスが
大きく、自己発熱性が高い。よって、ウレタン発泡体を
タイヤ内に充填した場合、タイヤ転動時のくり返し変形
により、発泡体が発熱し大幅に耐久性が低下する。ま
た、気泡を独立して形成するのが難しい素材を用いてい
るため、気泡が連通しやすくて気体を保持することが難
しく、所望のタイヤ内圧(即ち、荷重支持能力又はたわ
み抑制能力、以下同様)を得られない不利がある。
には、独立気泡を主体とする多気泡体の外周をゴムや合
成樹脂等の厚さ0.5〜3mmの外包皮膜で一体的に包
被密封した膨張圧力気泡体の多数をタイヤ内に充填し、
該タイヤを規定内圧に保持した、パンクレスタイヤが提
案されている。この技術は、発泡体の気泡内気圧を常圧
より高くするために、膨張圧力気泡体となる独立気泡体
形成配合原料中の発泡剤配合量をタイヤ内容積に対し
て、少なくとも同等以上の発生ガスが発生する発泡剤配
合量に設定しており、これによって通常の少なくとも空
気入りタイヤと同様の性能を目指している。
ガスの散逸を防ぐために、外包皮膜で一体的に包被密封
しているが、この外包皮膜の材料として例示されている
ものは、自動車用チューブ又は該チューブ形成用配合物
のような材料のみである。つまり、タイヤチューブ等に
用いられる、窒素ガス透過性の低いブチルラバーを主体
とした軟質弾性外包皮膜にて包被密封を施し、これらの
多数をタイヤ内に充填している。製法としては、軟質弾
性外包皮膜として未加硫のタイヤチューブを、膨張圧力
気泡体として未加硫の独立気泡体形成配合原料を用い、
これらの多数をタイヤ/リム組立体の内部に配置後、加
熱により発泡させ、発泡体充填タイヤを得ている。発泡
体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気は、リムに開けら
れた排気小孔から自然排気される。
に常温における絶対圧で250〜350kPa程度に設
定されるため、上記の発泡体充填タイヤを製造するに
は、その加硫成形の加熱時(140℃程度)の状態にお
いて、上記内圧の約1.5倍程度の圧力になっているも
のと、気体の状態方程式から推定される。ところが、こ
の程度の圧力レベルでは、加硫圧力不足をまねいてブロ
ーンが発生するのを避けることは出来ない。このブロー
ン現象を回避するためには、発泡剤配合量を大幅に増加
して発泡による発生圧力を高めたり、加熱温度を高める
必要がある。しかしながらながら、発泡剤配合量を増加
する手法は、発泡剤配合量の増加により常温時の内圧が
400kPaを大きく超えてしまうため、従来の空気入
りタイヤの代替品とするのは困難であった。また、加熱
温度を高める手法は、熱老化によるタイヤのダメージが
大きくなってタイヤの耐久性を大幅に悪化させるため、
長期使用における耐久性に問題が生じる。一方、タイヤ
/リム組立体の内部には、軟質弾性外包皮膜に包まれた
膨張圧力気泡体が多数配置されているが、上記ブローン
が発生した軟質弾性外包皮膜同士の摩擦、タイヤ内面及
びリム内面との摩擦等、耐久性面での問題が大きい。以
上から上記の問題は、膨張圧力気泡体の形状が一体的な
ドーナツ形状をとるのとは異なり、分割された多数の膨
張圧力気泡体を配置することに起因する大きな欠点とも
言える。また、リムに開けられた排気小孔は、膨張圧力
気泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気を自然排気す
るためには有効であるものの、膨張圧力気泡体中の気泡
内ガスの散逸経路となってしまうため、長期間の使用に
耐えうるものではない。
ューブ等の、窒素ガス透過性が小さいブチルラバーを主
体とした配合組成物を用いているが、ブチルラバーは加
硫反応速度が極めて遅いために、反応を完結させるため
には、140℃程度の温度では多大なる加熱時間を必要
とする。このことは、軟質弾性外包皮膜の架橋密度不足
を意味し、軟質弾性外包皮膜の剥離発生の一要因(詳し
くは後述する)になることはいうまでもない。また、加
熱時間の延長は、前述した熱老化によるタイヤのダメー
ジを更に大きくするため、耐久性の低下を避けられず、
得策とはいえない。
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、第1に、特
にタイヤが外傷を受けていない通常の走行における耐久
性及び乗り心地性を犠牲にすることなく、外傷を受けた
後の急激なタイヤ内圧低下の抑制と、受傷後の走行可能
距離をより長いものとする安全なタイヤ−リム組立体を
提供することを目的とする。
と、気泡含有粒子に比して比重の大きい粒子とを組み合
わせた粒子組成物をタイヤとリムの組立体内側に配置し
てなることによるセルフバランシング性及びセルフシー
ル性に富んだタイヤ−リム組立体を提供することを目的
とする。
解決すべく、通常内圧使用時の性能を犠牲にしないため
に、タイヤの大幅な質量増を招かないことを前提条件と
して、タイヤ転動中のウェイトバランスがもたらす振動
に注目しつつ、釘等の異物がタイヤに突き刺さりそのま
ま残存した場合、残存した異物がタイヤとの接触面にて
擦れ合い、接触部分においてタイヤゴムがある程度摩減
して接触面に隙間ができることによって、突然異物がタ
イヤから脱離し一気にタイヤ内圧が低下するといった、
ドライバーにとって大変危険かつ不測の事態をいかに抑
制するかについて鋭意検討した結果、真比重が0.01
以上であり、体積充填率が5.0体積%以上、100体
積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上で
ある粒子組成物をタイヤ内に配置することにより、きわ
めて優れたセルフシール効果とセルフバランシング効果
とを同時に発現させることに成功し、本発明をなすにい
たった。
め、下記のセルフシール性及びセルフバランシング性に
富んだタイヤ−リム組立体を提供する。
ヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画さ
れたタイヤの内部に、真比重が0.01以上であり、下
記式(1)で定義される体積充填率が5.0体積%以
上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20
グラム以上である粒子組成物を配置することを特徴とす
るセルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタ
イヤ−リム組立体である。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大
気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒
子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タ
イヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
れる体積充填率が10.0体積%以上、100体積%以
下の範囲であり、かつ、質量が50グラム以上である粒
子組成物を配置する請求項1記載のタイヤ−リム組立体
である。
れる体積充填率が20.0体積%以上、100体積%以
下の範囲であり、かつ、質量が100グラム以上である
粒子組成物を配置する請求項1又は2記載のタイヤ−リ
ム組立体である。
れる体積充填率が75.0体積%以上、100体積%以
下の範囲であり、かつ、質量が200グラム以上である
粒子組成物を配置する請求項1乃至3のいずれか1項記
載のタイヤ−リム組立体である。
と粒子Bとを含み、該粒子Aが真比重0.05以下の略
球形状の気泡含有粒子であり、粒子Bが前記粒子Aの真
比重の2倍以上大きい真比重を有する請求項1乃至4の
いずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
れる体積充填率が、5.0体積%以上の粒子Aと0.1
体積%以上の粒子Bとを配置してなる請求項5記載のタ
イヤ−リム組立体である。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した各粒子の大気圧
下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周
囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ
−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
び該気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻よりなり、該
樹脂がポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリ
ル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリ
デン系重合体から選択される少なくとも1種で形成され
た請求項5又は6記載のタイヤ−リム組立体である。
気泡中の気体が、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状
及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、
炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化
物、そして次の一般式(I): R1−O−R2 ----(I) (式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1
から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素
原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表さ
れるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種である請求項5乃至7のいずれか1項記載の
タイヤ−リム組立体である。
気泡中の気体の25℃における内圧が、絶対圧で150
kPa以上である請求項5乃至8のいずれか1項記載の
タイヤ−リム組立体である。
独立気泡の25℃における内圧が、絶対圧で200kP
a以上である請求項9記載のタイヤ−リム組立体であ
る。
の30℃におけるガス透過係数が、300×10
-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下である請
求項5乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立
体である。
0.1以上の略球形状粒子である請求項5乃至11のい
ずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
からなる請求項5乃至12のいずれか1項記載のタイヤ
−リム組立体である。
μm以上の粒子である請求項5乃至13のいずれか1項
記載のタイヤ−リム組立体である。
0μm以上の粒子である請求項14記載のタイヤ−リム
組立体である。
0.1以上の25℃下で流動性及び粘着性を有する高分
子体を内包する粒子である請求項5乃至11のいずれか
1項記載のタイヤ−リム組立体である。
ムからなる請求項16記載のタイヤ−リム組立体であ
る。
が、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重
合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少
なくとも1種で形成された請求項16又は17記載のタ
イヤ−リム組立体である。
2乃至15のいずれか1項記載の粒子と、請求項16乃
至18のいずれか1項記載の粒子との混合物である請求
項5乃至11のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体
である。
ラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タ
イヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用
タイヤのいずれかとリムとの組立体である請求項1乃至
19のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
るセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体に
ついて、その幅方向断面を示す図1に基づいて説明す
る。
用リム2に装着し、該タイヤ1と適用リム2とで区画さ
れたタイヤ1の内部に、真比重が0.01以上であり、
下記式(1)で定義される体積充填率が5.0体積%以
上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20
グラム以上である粒子組成物3(気泡含有粒子A31及
び粒子B41)を配置してなる。なお、図1中、粒子組
成物3(気泡含有粒子A31及び粒子B41)の配置
は、タイヤ走行中の状態を表している。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大
気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒
子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タ
イヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
えば、乗用車用タイヤなどの一般に従うものであれば、
特に構造を限定する必要はない。例えば、図1に示した
タイヤは一般的な乗用車用タイヤであり、1対のビード
部5,5間でトロイド状に延びる一層以上のプライから
なるカーカス(図中では一層)6のクラウン部に、その
半径方向外側へ順に二層以上のプライからなるベルト
(図中では二層)7及びトレッド8を配置してなる。前
記ベルト7は、その端部付近のタイヤの耐久性を上げる
ために所謂キャップ層、レーヤー層等の保護層を配置し
てもよい。また、サイドウォール部に補強層(例えば断
面が三日月形のゴム補強層)を配設することにより、タ
イヤのランフラット性能を大幅に向上させることができ
る。なお、図1中9は、インナーライナー層であり、1
0は高圧に充填された空気又は窒素ガス等の気体であ
る。
に、中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装着し、該タ
イヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に配置され
るものであり、真比重が0.01以上であり、好ましく
は0.01〜1.0、より好ましくは0.01〜0.5
であり、例えば径が10μm〜500μm程度の中空体
であることが好ましい。これは、セルフバランシング効
果を発現させるには、タイヤ−リム組立体によって限定
される内容積に対し、その一部分を移動性があり、かつ
質量を持った物質である粒子組成物3をもって占めるよ
うに配置することが好ましい。ここで、粒子組成物の真
比重が0.01を下回ると、粒子組成物3の絶対的質量
が不足し、セルフバランシング効果が発現しにくくなる
恐れがある。このことは、当然、粒子組成物3の質量面
からも説明でき、粒子組成物3の質量が20グラム以上
であり、好ましくは50グラム以上、より好ましくは1
00グラム以上、更に好ましくは200グラム以上のも
のである。
義される粒子組成物3の体積充填率が5.0体積%以
上、100体積%以下の範囲であり、好ましくは10.
0体積%以上、100体積%以下の範囲、より好ましく
は20.0体積%以上、100体積%以下、更に好まし
くは75体積%以上、100体積%以下であり、かつ質
量が20グラム以上である。前記粒子組成物の体積充填
率100体積%を超えると、タイヤ転動時におけるタイ
ヤ内での移動性が極端に低下するため、セルフバランシ
ング機能が発現できなくなる。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大
気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒
子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タ
イヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
圧下でメスシリンダーに粒子を量りとり、超音波水浴中
にて振動を与え、粒子間のパッキングが安定した状態で
測定した。また、タイヤ内容積は、タイヤとリムとによ
って閉ざされた容積にて定義される。よって、タイヤに
リムを組み付けた後、その内部に水等の比重が既知な非
圧縮性流体を充填し、その質量増加分からタイヤ内容積
を求めた。
たタイヤ−リム組立体は、一般的な材料による粒子に比
して、該粒子組成物が極めて低比重であるために、粒子
組成物が占める体積のわりには質量増加分がわずかであ
り、また走行によるタイヤの繰り返し変形に対し、該粒
子組成物が何ら剛性的関わりを持たないために、通常内
圧走行での転がり抵抗及び乗り心地性等を犠牲にするこ
とはないものである。
粒子Aと粒子Bの2種類の粒子よりなり、粒子Aとして
は気泡含有粒子A31を挙げることができる。即ち、略
球形状の樹脂による連続相で囲まれ、外部と連通せずに
密閉された独立気泡を内包する粒子であり、独立気泡の
数は単数であってもよいし、複数であってもよい。また
気泡含有粒子A31は、該独立気泡を密閉状態で内包す
る樹脂製の殻を有する。ここに、上記樹脂による連続相
とは、この樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相を
指すものである。
以上、好ましくは0.1〜1.0の略球形状粒子であ
り、特に直径が50μm以上の無機材料又は25℃で流
動性と粘着性をもつ高分子体を内包する粒子が好適であ
り、これらの混合物を用いることもできる。
粒子により構成されているとセルフシール機能を発現さ
せる上で好ましい。即ち、該粒子組成物3が気泡含有粒
子A31の多数個と粒子B41の多数個とを、タイヤ1
の内部に配置したタイヤ及びリム組立体にあっては、該
タイヤに異物が刺さる等で受傷し、その後異物がタイヤ
内に残存したまま走行することによって、異物及びタイ
ヤ間の接触面にて大きな繰返し摩擦が発生し、その後異
物が抜け落ちて傷穴が露出した場合、粒子B41が極め
て有効な作用をする。
1は、タイヤの転動中はタイヤ内面側に遠心力によって
押し付けられた状態となっている。そのなかでも、真比
重が気泡含有粒子A31に比して大きい粒子B41は、
この粒子B41にかかる遠心力が気泡含有粒子A31よ
りも大きいために、気泡含有粒子A31に比べてよりタ
イヤ内面近傍に多く存在する事となる。よって、粒子B
41に傷穴を封止する機能を搭載することにより傷穴を
完全に埋め尽くすため、確実に異物脱離後の傷穴を封止
出来る。そのため、従来は不可避であった突然の内圧低
下を避けることができ、必要最低限のタイヤ内圧を一定
時間確保でき、必要最低限の走行が保証されるのであ
る。
能について説明する。第一の機能は、粒子B41の粒径
が少なくとも直径50μm以上、好ましくは80μm以
上の粒子を含んでいることである。一般に釘等の異物が
刺さり、その後の走行により脱離したときの傷穴の大き
さは2〜3mm程度である。一方、200〜400kP
aの圧力下の粒子を、2〜3mm程度の穴を通して排出
させようとした場合、粒子の直径が50μ未満では容易
に排出させることができるが、直径が50μmを超える
と次第に圧密が始まり、直径が80μmの粒子では容易
に圧密することで、大まかに傷穴を封止することができ
る。更に、傷穴周辺に存在する気泡含有粒子A31が、
粒子B41の圧密による小さな隙間を埋め尽くすことに
より、傷穴を完全に封止することができるのである。
性と粘着性を持つ高分子体を内包していることである。
前記にて、粒子B41の真比重が大きいことによるタイ
ヤ最内面での存在を説明したが、該タイヤに異物が刺さ
る等で受傷し、その後異物がタイヤ内に残存したまま走
行することによって、異物とタイヤの接触面にて大きな
繰返し摩擦が発生した際、タイヤ最内面に多く存在する
粒子B41は、異物とタイヤ間に生ずる隙間に取り込ま
れ、異物とタイヤ間の接触面での大きな摩擦熱とせん断
入力を受けることとなる。よって、粒子B41は摩擦熱
やせん断入力により割れたり溶融することにより、内包
する高分子体を粒子B41の外部へ流出する。この流出
した高分子体は、室温下で流動性と粘着性を持つため
に、傷穴の周辺部に存在する気泡含有粒子A31や粒子
B41を取り込み複数個の粒子集合体を形成する。この
粒子集合体は、集合体であるがゆえに粒子1個に比べそ
の体積が格段に大きい。よって、前記異物の突然の脱離
に対して、該粒子集合体がタイヤ内部の圧力により傷穴
に押し込まれていき、確実に傷穴を封止できるものであ
る。
を有利に行うためには、真比重が0.05以下の気泡含
有粒子A31をタイヤ内部に充填することが好ましい。
なぜなら、真比重が大きすぎると、粒子外径の割には内
径の小さくなる、即ち、シェル(外殻)厚さが厚くな
り、かような粒子は弾力性に乏しいため、タイヤ内部に
おいて通常内圧下での圧縮程度が小さくなる。よって、
粒子組成物の体積充填率によっては、粒子組成物をとり
まく空隙体積が相対的に小さいため、粒子組成物の移動
性が確保できず、セルフバランシング機能を充分に発揮
することができなくなる恐れがある。また、セルフシー
ル性の観点からは、受傷直後にタイヤ内面の傷穴内部に
気泡含有粒子が入り込んでも、内圧低下分に相当する回
復の程度が小さいため、受傷部の封止能力が低下してし
まう恐れがある。
重を0.05以下とすると、同0.05を超える粒子に
比して、きわめて弾力性に富み、通常内圧下で大きく圧
縮された状態になっている。よって、粒子組成物をとり
まく空隙体積が相対的に大きいため、粒子組成物の移動
性が確保でき、セルフバランシング機能を充分に発揮す
ることができる。また、受傷直後にタイヤ内面の傷穴内
部に気泡含有粒子が入り込んだとき、いままで大きく圧
縮されていた該気泡含有粒子A31は内圧低下分に相当
する分だけの回復反力を発生して膨張するため、より確
実に受傷部を封止することができるのである。なお、上
記真比重は、例えば、ASTM D2840(1984
版)のエアーコンパリソンピクノメータを使用すること
により測定することができる。
ンシング機能を発現し、かつ、タイヤ受傷後での低内圧
走行を有利に行うため、大気圧下での体積が該タイヤ内
容積の5.0体積%以上の気泡含有粒子A31をタイヤ
内部に充填することが好ましい。即ち、タイヤが通常内
圧下で走行している時、気泡含有粒子A31はタイヤの
回転による遠心力で、タイヤ内表面に押し付けられ、あ
る厚さを持った層状に配置された状態となっている。し
かも、該遠心力の大きさは、タイヤ中心からの距離(タ
イヤ半径方向に相当)に依存するため、該距離の短いサ
イド部内面よりも、該距離のもっとも長いトレッド中心
の内面が、もっとも大きな遠心力を受ける部位と言え
る。通常走行により、タイヤが鋭利な異物等を踏むこと
で受傷する位置は、タイヤの幅方向において、一方のシ
ョルダー部内面から他方のショルダー部内面までのトレ
ッド内面全般にわたる為、少なくとも回転中のタイヤ内
面において、上記トレッド内面全般にわたり気泡含有粒
子A31が層状に配置されることが理想となる。一方、
気泡含有粒子A31は転動時の接地部内面では、タイヤ
が撓むことにより該距離が撓んだ分だけ短くなる結果、
遠心力の大きさが変化して気泡含有粒子A31の上記層
状の配置が乱され、気泡含有粒子A31の一部はタイヤ
転動中、常に移動していることになる。よって、タイヤ
が異物による受傷をした以降の内圧低下過程において、
走行可能なうちに受傷部の封止を達成するに必要な気泡
含有粒子A31の体積量と、前述したセルフバランシン
グ機能が発現される体積充填率の兼ね合いから、タイヤ
内容積に対して5.0体積%以上であることが好まし
い。
の0.1体積%以上の粒子B41をタイヤ内部に充填す
ることが好ましい。即ち、前記気泡含有粒子A31がタ
イヤ内で受ける遠心力の変動による配置の乱れと移動
は、粒子B41においても同様に発生している。そこ
で、前述したセルフバランシング機能が発現される体積
充填率と、タイヤ受傷後の内圧低下過程において、走行
可能なうちにセルフシール機能を発現する体積充填率と
の兼ね合いから見出された5.0体積%での封止効果を
前提とし、粒子B41を更に加える事によって、封止効
果をより高めるに必要な粒子B41の体積量は、タイヤ
内容積に対して0.1体積%以上であることが好まし
い。
体は、室温(25℃)で流動性と粘着性を持つことが好
ましい。即ち、通常の内圧充填したタイヤは、環境条件
にもよるが、内部温度が100℃を超えることは極めて
少ない一方、例えば、−20℃の環境下であっても、釘
等の異物が突き刺さった状態で走行すると、残存する異
物の周囲の温度は、局部的に100℃程度まで上昇す
る。このような高分子体としては、室温(25℃)で流
動性と粘着性を有していれば特に制限されないが、例え
ば、液状ブチルゴム(LIQ−IIR)、液状スチレン
ブタジエンゴム(LIQ−SBR)、液状イソプレンゴ
ム(LIQ−IR)、液状ブタジエンゴム(LIQ−B
R)等の液状ゴムが好ましい。
リロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ
塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種
で形成されたものであることが好ましい。この場合、ポ
リアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及
びポリ塩化ビニリデン系重合体としては、後述する気泡
含有粒子Aと同様のものを用いることができる。
子体を流出させ粒子集合体を形成し、傷穴を確実に封止
させるに適正な温度設定を考慮すると、少なくとも室温
レベルでの流動性と粘着性が確保できていれば、走行中
の温度上昇を活用して機能を発揮させることができる。
は、1〜200μm程度が好ましい。なぜなら、粒径が
1μm未満では、いくら内包する高分子体を流出させて
も粒子体積が小さいことから粒子集合体形成の観点から
効果が小さく、一方、200μmを超えると、異物とタ
イヤの接触面に入り込みにくくなる為である。
場合(例えば、無機材料)は、該異物が脱離したなるべ
く短時間に粒子B41自身で傷穴を圧密させる必要があ
り、圧密性の観点から、直径が50μm以上、より好ま
しくは80μm以上であることが好ましい。このような
無機材料としては、例えば、アルミノシリケート、ソー
ダ石灰、珪酸ガラスなどが挙げられ、これらの1種を単
独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重の粒子組成物3を配置することにより得られるから、
タイヤ構造自体を規制する必要はなく、汎用のタイヤ、
そして汎用のリムを活用して、新たにタイヤ−リム組立
体を提供できる。
含有粒子A31と粒子B41とを配置した上で、該タイ
ヤの内部の25℃における圧力を絶対圧で150kPa
以上900kPa以下に設定することが好ましい。即
ち、150kPa未満では、タイヤ内部の粒子組成物周
囲の空隙気圧が小さくなって、所謂空気入りタイヤとし
ての基本性能が乏しくなり、また、タイヤ受傷後におい
て、内圧が低いと、粒子組成物による受傷部の封止機能
が活用できないおそれがある。一方、900kPaを超
えると、粒子組成物3が気泡含有粒子A31である場
合、気泡含有粒子A31の一部は圧縮により完全につぶ
れた状態となり、この時点で気泡含有粒子A31の一部
は破壊してしまう。よって、タイヤ受傷によりタイヤ内
圧が低下したとき、瞬時に受傷部を封止する機能を保証
できなくなる可能性がある。
て、上記気泡含有粒子A31及び粒子B41による確実
な傷穴封止を発現かつ維持するには、気泡含有粒子A3
1の独立気泡内に所定圧力で封入された気体が気泡含有
粒子A31外部へ簡単に漏れ出ないことが重要である。
換言すると、該気泡含有粒子A31を構成する外殻が、
気体を透過し難い性質を有する連続相であることが好ま
しい。即ち、該気泡含有粒子A31の外殻となる連続相
は、ガス透過性の低い材質によることが好ましい。
泡及び該気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻は、ポリ
ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系共重合体、
アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、アク
リロニトリル/スチレン樹脂(AS)、ポリエチレン樹
脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエステ
ル樹脂(PET)及びポリスチレン/ポリエチレン共重
合体(PS/PE)のいずれか少なくとも1種からなる
ことが好ましい。
殻となる連続相には、ポリビニルアルコール樹脂、アク
リロニトリル系重合体、アクリル系重合体及び塩化ビニ
リデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。
例えば、アクリロニトリル重合体(AN)、アクリロニ
トリル/メタアクリロニトリル共重合体(AN/MA
N)、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合
体(AN/MMA)及びアクリロニトリル/メタアクリ
ロニトリル/メチルメタクリレート(AN/MAN/M
MA)3元共重合体から選ばれた少なくとも1種が挙げ
られる。
メチルメタクリレート樹脂(MMA)、メチルメタクリ
レート/アクリロニトリル共重合体(MMA/AN)、
メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体
(MMA/MAN)及びメチルメタクリレート/アクリ
ロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体(MM
A/AN/MAN)から選ばれた少なくとも1種が挙げ
られる。
えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビ
ニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリ
デン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合
体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタク
リレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニト
リル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン
/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメ
タクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種が挙
げられる。なお、これらの材料は、いずれもガス透過係
数が小さくて気体の透過性が低いために、独立気泡内の
気体が外部に漏れることはなく、独立気泡内の気圧を保
持することができる。
続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10
−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、好
ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10
−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、更
に好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10
−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であ
ることが、推奨される。なぜなら、通常の空気入りタイ
ヤにおけるインナーライナー層のガス透過係数は300
×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下
のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績
を鑑み、気泡含有粒子A31の外殻となる連続相につい
ても、30℃におけるガス透過係数を300×10
−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とし
た。但し、このガス透過係数のレベルでは、3〜6カ月
に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナ
ンス性の点からも、20×10−12(cc・cm/c
m2・s・cmHg)以下、更に好ましくは2×10
−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とす
ることが推奨される。
成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直
鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化
物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオ
ロ化物、そして次の一般式(I): R1−O−R2 ----(I) (式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1
から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素
原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表さ
れるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種が挙げられる。また、タイヤ内に充填する気
体は、空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化
物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気
体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。
1とする方法は特に限定されないが、発泡剤を用いるこ
とが好ましい。この発泡剤としては、熱分解によって気
体を発生する熱分解性発泡剤のほか、高圧圧縮ガス及び
液化ガスなどを挙げることができる。この場合特に、熱
分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多
く、その反応を適宜制御することによって得た気泡含有
粒子A31の気泡ガスや熱膨張性粒子内での発泡ガスは
気泡内に窒素を有するものとなる。
連続相重合の際、高圧下でプロパン、ブタン、ペンタ
ン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等を液化させ、反応溶媒
中に分散させつつ、乳化重合させる手法もあり、これに
よりプロパン、ブタン、ペンタン、シクロプロパン、シ
クロブタン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン等のガス成分を液体状態で上記樹脂連続相にて封
じ込めた発泡性の樹脂粒子を得ることができる。前記気
泡含有粒子A31は、上記発泡性の樹脂粒子を予め加熱
発泡させることで得られ、これをもってタイヤ内に充填
しても良いし、タイヤ内で加熱発泡させても良い。
加熱発泡させる場合には、予め前記発泡性樹脂粒子の表
面に、界面活性剤、油剤等の表面コーティングを施して
おくと、目的のタイヤを生産性よく得ることができる。
更に、前記液化ガスを封じ込めた樹脂粒子を予め加熱発
泡させ、略球形状の気泡含有粒子A31とし、これをタ
イヤ内に配置する場合には、粒子B41を上記気泡含有
粒子A31とブレンドする方法を選択できる。
イナー層を有するのが通例であるが、該インナーライナ
ー層が、融点170〜230℃のナイロン樹脂と、イソ
ブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を
含むエラストマー成分をゲル化率50〜95体積%に動
的加硫した熱可塑性エラストマー組成物とからなること
が、好ましい。なぜなら、従来のブチルゴムを主体とす
るインナーライナー層と異なり、ナイロン樹脂を連続相
とすることによって、ガス透過性が極めて低くなる結
果、インナーライナー層の機能を強化できるからであ
る。一方、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の
ハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜
95体積%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物
とすることによって、柔軟性に富み、かつ耐熱性及び耐
久性に優れたインナーライナー層が得られる。そして、
以上の特徴をインナーライナー層が有することにより、
気泡含有粒子の独立気泡内の気体が気泡内に止まり続け
ることを容易とする環境を創出できるのである。
ット化した配合物をウォーターバス中で8時間アセトン
にてソックスレー抽出し、その残渣を更に8時間n−ヘ
キサンにてソックスレー抽出することによって、未加硫
のエラストマー成分を溶媒で抽出し、アセトン及びn−
ヘキサン抽出物の溶媒乾燥後質量を測定し、下記の式に
て算出した値である。 ゲル化率(体積%)=〔全配合物の質量−{(アセトン
抽出量+n−ヘキサン抽出量)−ステアリン酸量}〕/
全配合物の質量×100
けるガス透過係数が20×10−1 2(cc・cm/c
m2・s・cmHg)以下であることが好ましい。なぜ
なら、気泡含有粒子A31から何らかの理由により気泡
内のガスが漏出するような場合にあっても、インナーラ
イナー層のガス透過性が十分に低ければ、気泡含有粒子
A31中の気泡内のガスがタイヤの外側に漏れ出ること
は少なくなり、タイヤの内圧を保持するのに有利である
からである。つまり、インナーライナー層のガス透過性
は、そのタイヤの圧力容器としての圧力保持性を直接的
に決定する要因となるのである。勿論、気泡含有粒子A
31を形成する連続相のガス透過性が低いことが基本で
あり、その上でインナーライナー層にガス透過性の低い
ものを用いることが理想的である。
さ、形状、構造等については特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができるが、例えば、乗用車用タ
イヤ、トラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイ
クル用タイヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び
航空機用タイヤから選ばれるタイヤと、リムとの組立体
などに好適に用いることができる。
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定
されるものではない。
示した構造のタイヤに、表1及び2に示す種々の仕様の
粒子組成物を同表に示すように適用し、サイズ5.5J
×14のリムに組み込みサイズ185/70R14の乗
用車用のタイヤとリムの組立体、及びサイズ750×2
2.5のリムに組み込みサイズ11R22.5のトラッ
ク、バス用のタイヤとリムの組立体を試作した。ここ
で、タイヤ1は、当該タイヤ種及びサイズの一般的構造
に従うものである。なお、表1及び2における、粒子組
成物の種類と内容については表3及び表4に示した。
下記方法により諸性能を評価した。乗用車用のタイヤと
リムの組立体の結果については表1に、トラック、バス
用のタイヤとリムの組立体の結果については表2にそれ
ぞれ併記した。
体のリム内表面には、内圧をモニターするセンサーを組
み込み、測定した内圧データの信号を一般に使用されて
いるテレメータを用いて電波伝送し、ドラム試験装置の
外部に設置した受信機にて受信しながら内圧の変化を計
測した。
得られたタイヤとリムの組立体に窒素を300kPa充
填し、2000ccクラスの乗用車に装着した。まず、
通常内圧時の振動及び乗り心地性を専門のドライバーに
より10点満点で評価した。その評価結果は、点数の高
いほうが優れていることを示している。
車用のタイヤとリムの組立体に、窒素ガスを充填し内圧
を絶対圧力で300kPaに調整した後、直径5.0m
m、長さ50mmの釘10本をトレッド表面からタイヤ
内部に向けて貫通するまで打ち込んだ。そして、釘がタ
イヤに打ち込まれたままの状態にて、4.18kNの荷
重を負荷しつつ、90km/hの速度でドラム走行を開
始し、開始直後からの経過時間とタイヤ内圧を計測し
た。即ち、内圧が開始時のレベルである300kPaに
比して50kPa以上低下するまで、継続して90km
/hで走行しつつ内圧を計測し、250kPaになった
時点で試験中止とし、その走行距離を比較した。更に、
250kPaになった時点でドラムを停止し、釘の残存
本数を数えた後、釘の抜けた痕を観察し、シールの程度
を評価すると共に、上記内圧低下の原因を解析した。 <内圧が大気圧になってからのドラム走行距離>次に、内
圧が完全に抜けて大気圧になるまでタイヤを静置し、そ
の状態から4.18kNの荷重を負荷しつつ、90km
/hの速度でドラム走行を開始し、300kmまでの走
行を行い、200km以上を合格とした。
立体− <タイヤ受傷後の性能評価(ドラム試験)>得られたトラ
ック及びバス用のタイヤとリムの組立体は、内圧を絶対
圧力で800kPa、径:5mm及び長さ:8cmの
釘、荷重は26.46kN、速度は60km/h、試験
中止とした内圧を500kPa、とした以外は上記と同
様の評価を行った。 <内圧が大気圧になってからのドラム走行距離>また、内
圧を大気圧としてからのドラム走行では、荷重を26.
46kN、速度を60km/hとして走行試験を行い、
40km/h以上を合格とした。
/70R14、リム:5.5J−14 (*2)粒子組成物をタイヤに配置した後、窒素ガスを
タイヤ内に充填し内圧を調整した。 (*3)釘をさしたままでドラム走行させ、内圧をモニ
タリングした。 (*4)釘が抜けた傷穴のシール性 「完全」:釘が抜けた傷穴が、完全に気泡含有粒子Aや
粒子Bの組成物で塞がれており、ドラム停止直前でも極
めてゆっくりと内圧が低下しているにすぎないため、更
に走行が可能である。 「不完全」:釘が抜けた傷穴が完全には塞がれておら
ず、徐々に内圧が低下しているが、ドラム停止直前での
内圧低下量が特に大きい。また、釘抜け部位の封止が不
完全なため更なる追加走行は期待できない。
R22.5、リム:750×22.5 (*2)粒子組成物をタイヤに配置した後、窒素ガスを
タイヤ内に充填し内圧を調整した。 (*3)釘をさしたままでドラム走行させ、内圧をモニ
タリングした。 (*4)釘が抜けた傷穴のシール性 「完全」:釘が抜けた傷穴が、完全に気泡含有粒子Aや
粒子Bの組成物で塞がれており、ドラム停止直前でも極
めてゆっくりと内圧が低下しているにすぎないため、更
に走行が可能である。 「不完全」:釘が抜けた傷穴が完全には塞がれておら
ず、徐々に内圧が低下しているが、ドラム停止直前での
内圧低下量が特に大きい。また、釘抜け部位の封止が不
完全なため更なる追加走行は期待できない。
であり、体積充填率が5.0体積%以上、100体積%
以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である
粒子組成物をタイヤ内に配置することにより、特に、タ
イヤが外傷を受けていない通常の走行における耐久性及
び乗り心地性を犠牲にすることなく、外傷を受けた後の
タイヤ内圧の急激な低下を抑制することで危機的状況を
確実に回避することができると共に、受傷後の走行可能
距離をより長いものとすることができる高い安全性を有
するセルフシール性及びセルフバランシング性に富んだ
タイヤ−リム組立体を提供することができる。
体を示すタイヤ幅方向断面図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装
着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部
に、真比重が0.01以上であり、下記式(1)で定義
される体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以
下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒
子組成物を配置することを特徴とするセルフシール性及
びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大
気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒
子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タ
イヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕 - 【請求項2】 上記式(1)で定義される体積充填率が
10.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、
かつ、質量が50グラム以上である粒子組成物を配置す
る請求項1記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項3】 上記式(1)で定義される体積充填率が
20.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、
かつ、質量が100グラム以上である粒子組成物を配置
する請求項1又は2記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項4】 上記式(1)で定義される体積充填率が
75.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、
かつ、質量が200グラム以上である粒子組成物を配置
する請求項1乃至3のいずれか1項記載のタイヤ−リム
組立体。 - 【請求項5】 粒子組成物が、粒子Aと粒子Bとを含
み、該粒子Aが真比重0.05以下の略球形状の気泡含
有粒子であり、粒子Bが前記粒子Aの真比重の2倍以上
大きい真比重を有する請求項1乃至4のいずれか1項記
載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項6】 下記式(1)で定義される体積充填率
が、5.0体積%以上の粒子Aと0.1体積%以上の粒
子Bとを配置してなる請求項5記載のタイヤ−リム組立
体。 体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1) 〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した各粒子の大気圧
下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周
囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ
−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕 - 【請求項7】 粒子Aが、独立気泡及び該気泡を密閉状
態で内包する樹脂製の殻よりなり、該樹脂がポリビニル
アルコール樹脂、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリ
アクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から
選択される少なくとも1種で形成された請求項5又は6
記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項8】 粒子Aの内包する独立気泡中の気体が、
窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪
族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の
脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一
般式(I): R1−O−R2 ----(I) (式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1
から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素
原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表さ
れるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種である請求項5乃至7のいずれか1項記載の
タイヤ−リム組立体。 - 【請求項9】 粒子Aが内包する独立気泡中の気体の2
5℃における内圧が、絶対圧で150kPa以上である
請求項5乃至8のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立
体。 - 【請求項10】 粒子Aに内包された独立気泡の25℃
における内圧が、絶対圧で200kPa以上である請求
項9記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項11】 粒子Aの樹脂製の殻の30℃における
ガス透過係数が、300×10-12(cc・cm/cm2
・s・cmHg)以下である請求項5乃至10のいずれ
か1項記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項12】 粒子Bが、真比重が0.1以上の略球
形状粒子である請求項5乃至11のいずれか1項記載の
タイヤ−リム組立体。 - 【請求項13】 粒子Bが、無機材料からなる請求項5
乃至12のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項14】 粒子Bが、直径80μm以上の粒子で
ある請求項5乃至13のいずれか1項記載のタイヤ−リ
ム組立体。 - 【請求項15】 粒子Bが、直径100μm以上の粒子
である請求項14記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項16】 粒子Bが、真比重が0.1以上の25
℃下で流動性及び粘着性を有する高分子体を内包する粒
子である請求項5乃至11のいずれか1項記載のタイヤ
−リム組立体。 - 【請求項17】 高分子体が、液状ゴムからなる請求項
16記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項18】 高分子体を包む殻が、ポリアクリロニ
トリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビ
ニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成
された請求項16又は17記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項19】 粒子Bが、請求項12乃至15のいず
れか1項記載の粒子と、請求項16乃至18のいずれか
1項記載の粒子との混合物である請求項5乃至11のい
ずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。 - 【請求項20】 乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、
バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タ
イヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれか
とリムとの組立体である請求項1乃至19のいずれか1
項記載のタイヤ−リム組立体。
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