JP2003146962A - N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの回収方法 - Google Patents
N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの回収方法Info
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Abstract
に、単離操作後に高い収率を得ることが可能なN−アル
コキシカルボニル−tert−ロイシンの回収方法を提
供する。 【解決手段】 本発明のN−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンの回収方法は、N−アルコキシカルボ
ニル−tert−ロイシンを含む溶液から、温度を40
℃以上に保持しながら、N−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンを芳香族炭化水素溶媒中に回収するこ
とを特徴とする。また、本発明のN−アルコキシカルボ
ニル−tert−ロイシンの回収方法において、前記芳
香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ンから選ばれる少なくとも1種を用いることが好適であ
る。
Description
たN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの回
収方法に関するものである。
ロイシンは、側鎖に疎水性で嵩高いtert−ブチル基
を有するため、不斉触媒のリガンドや、抗AIDS薬等
のペプチド系医薬原料として有用な化合物である(Te
trahedron Asymmetry 6 285
1 (1995)等)。N−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンは、tert−ロイシンとN−アルコ
キシカルボニル化剤とを水性媒体中で反応させることに
より、合成することができる。また前記反応の多くは、
塩基性物質存在下で行われる。
ニル−tert−ロイシンは、反応生成液から酢酸エチ
ル等の高極性溶媒を用いて抽出回収することが一般的で
ある(Collect.Czech.Chem.Com
mun.42,1069 (1977)、特開平6−2
06857号公報、特開平7−89935号公報、特開
平8−59610号公報、特表平9−509940号公
報、特表平11−511177号公報、特表平11−5
14996号公報、特表2000−515147号公報
等)。また、合成したN−アルコキシカルボニル−te
rt−ロイシンの抽出に高極性溶媒を用いることを必須
とした報告もある(特開平7−101927号公報
等)。このように、従来は、合成したN−アルコキシカ
ルボニル−tert−ロイシンの抽出回収には、高極性
溶媒を使用する必要があり、炭化水素等の低極性溶媒は
使用できないという考えが一般的であった。
たN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを、
高極性溶媒を用いて抽出回収する場合には、以下のよう
な問題点があった。目的のN−アルコキシカルボニル−
tert−ロイシンが結晶化合物の場合等においては、
抽出回収により得られるN−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンの高極性溶媒溶液から目的化合物を単
離するためには、該溶液を高濃度溶液になるまで濃縮す
る、得られる高極性溶媒溶液の溶媒を非極性溶媒に置換
する等の、煩雑な操作が必要であった。また、抽出操作
により、90%以上の高い回収率で、目的の化合物を回
収できるにもかかわらず、単離操作後の収率が50%程
度と低くなってしまうという問題点もあった。
になされたものであり、後の単離操作を簡略化すること
ができると共に、単離操作後に高い収率を得ることが可
能なN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの
回収方法を提供することを目的とする。
を用いずに、簡易な操作で、かつ、高い回収率でN−ア
ルコキシカルボニル−tert−ロイシンを回収するこ
とが可能な回収方法について鋭意検討を行った結果、以
下のようなことを見出し、本発明を完成した。上述のよ
うに、従来は、低極性溶媒である芳香族炭化水素溶媒
は、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの
回収に適さないと考えられていた。しかしながら、本発
明者は、芳香族炭化水素溶媒が、20〜30℃の室温付
近では、ほとんどN−アルコキシカルボニル−tert
−ロイシンを反応生成液より回収できないが、40℃以
上に加温して回収を行うことにより、90%以上の高い
回収率で、非常に効率良くN−アルコキシカルボニル−
tert−ロイシンを回収できることを見出した。すな
わち、芳香族炭化水素溶媒によるN−アルコキシカルボ
ニル−tert−ロイシンの回収率は、温度に対して直
線的に依存するのではなく、40℃以上で急激に上昇す
ることを見出した。このような現象は過去に全く報告さ
れておらず、本発明者がはじめて見出した現象である。
低極性溶媒である芳香族炭化水素溶媒を用いてN−アル
コキシカルボニル−tert−ロイシンを回収する場合
には、得られるN−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンの芳香族炭化水素溶媒溶液から、簡易な操作で
目的の化合物を単離できることを見出した。例えば、目
的のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンが
結晶化合物の場合においては、得られるN−アルコキシ
カルボニル−tert−ロイシンの芳香族炭化水素溶媒
溶液を冷却するだけで、簡易に目的の化合物を単離でき
ることを見出した。さらに、単離操作後に、85%以上
の高い収率が得られることを見出した。
ニル−tert−ロイシンの回収方法は、N−アルコキ
シカルボニル−tert−ロイシンを含む溶液から、温
度を40℃以上に保持しながら、N−アルコキシカルボ
ニル−tert−ロイシンを芳香族炭化水素溶媒中に回
収することを特徴とする。
−tert−ロイシンの回収方法において、前記芳香族
炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンか
ら選ばれる少なくとも1種を用いることが好適である。
また、本発明のN−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンの回収方法において、N−アルコキシカルボニ
ル−tert−ロイシンとしては、N−メトキシカルボ
ニル−tert−ロイシン、N−エトキシカルボニル−
tert−ロイシン、N−ベンジルオキシカルボニル−
tert−ロイシン、N−tert−ブトキシカルボニ
ル−tert−ロイシン等を例示することができる。
する。本発明のN−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンの回収方法は、N−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンを含む溶液から、温度を40℃以上に
保持しながら、生成したN−アルコキシカルボニル−t
ert−ロイシンを芳香族炭化水素溶媒中に回収するこ
とを特徴としている。ここで、N−アルコキシカルボニ
ル−tert−ロイシンとしては、特に限定されるもの
ではないが、N−メトキシカルボニル−tert−ロイ
シン、N−エトキシカルボニル−tert−ロイシン、
N−ベンジルオキシカルボニル−tert−ロイシン、
N−tert−ブトキシカルボニル−tert−ロイシ
ン等を例示することができる。また、本発明において、
「N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを含
む溶液」としては、N−アルコキシカルボニル−ter
t−ロイシンの合成反応後の反応生成液を例示できる
が、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを
含む溶液であれば、これに限定されない。
−tert−ロイシンの回収方法を含む、N−アルコキ
シカルボニル−tert−ロイシンの製造方法について
説明する。N−アルコキシカルボニル−tert−ロイ
シンの合成反応は、公知のα−アミノ酸のN−アルコキ
シカルボニル化方法により行うことができる。すなわ
ち、水、あるいは水とアルコール、ジオキサン等の水溶
性有機溶媒との混合溶媒等の水性媒体中で、塩基性化合
物存在下、tert−ロイシンとN−アルコキシカルボ
ニル化剤とを反応させ、tert−ロイシンのN−アル
コキシカルボニル化反応を進行させることにより、目的
とするN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン
を合成することができる。ここで、塩基性化合物として
は、トリエチルアミン等の有機塩基化合物を用いても良
いし、水酸化ナトリウム等の無機塩基化合物を用いても
良い。また、N−アルコキシカルボニル化剤は、目的の
N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの構造
に応じて、クロロギ酸メチル、クロロギ酸ベンジル等の
クロロギ酸エステルや、ジ−tert−ブチルジカーボ
ネート等のジアルキルジカーボネート等の中から、適宜
選択される。
ニル−tert−ロイシンを合成した後、得られる反応
生成液を、温度を40℃以上に保持しながら、N−アル
コキシカルボニル−tert−ロイシンを低極性溶媒で
ある芳香族炭化水素溶媒中に回収する。また、回収操作
の操作性向上の観点から、温度を40℃以上〜用いる芳
香族炭化水素溶媒の沸点以下に保持しながら、回収操作
を行うことがより好ましい。ここで、芳香族炭化水素溶
媒としては、特に限定されるものではないが、ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キ
シレン、p−キシレンから選ばれる少なくとも1種を用
いることが好適である。
t−ロイシンを合成することにより得られる反応生成液
から、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン
を芳香族炭化水素溶媒溶液中に回収する操作としては、
特に限定されるものではないが、溶媒による抽出操作等
が好適である。溶媒による抽出操作により、N−アルコ
キシカルボニル−tert−ロイシンを回収する場合、
温度以外の条件については特に限定されるものではない
が、抽出効率向上の観点から、N−アルコキシカルボニ
ル−tert−ロイシンの合成後、得られた反応生成液
に酸性物質を添加し、該反応生成液を酸性にした状態
で、回収操作を行うことが好ましい。ここで、反応生成
液を酸性にするために添加する酸性物質としては、特に
限定されるものではないが、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸
が好適である。なお、抽出操作後に水相が酸性になるよ
うに抽出操作を行えば良いので、酸性物質の添加は、N
−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの合成後
に得られる反応生成液に、芳香族炭化水素溶媒を添加す
る前又は添加した後のいずれで行っても良い。また、抽
出操作に使用する芳香族炭化水素溶媒の量については特
に限定されるものではないが、後の単離操作を簡略化す
るために、生成したN−アルコキシカルボニル−ter
t−ロイシンを1質量部とした時、0.3〜5質量部と
することが好ましい。
tert−ロイシンの合成反応後に得られる反応生成液
と芳香族炭化水素溶媒とを、撹拌混合又は振とう混合し
た後、温度を40℃以上に保持しながら混合液を静置
し、有機相と水相とに分離することにより行うことがで
きる。なお、このとき、連続抽出を行うことも可能であ
る。抽出操作の条件については特に限定されるものでは
ないが、操作効率向上等の観点から、撹拌あるいは振と
う時間を0.1〜24時間、抽出操作の回数を1〜3
回、混合液の静置時間を0.1〜24時間とすることが
好ましい。
ニル−tert−ロイシンを芳香族炭化水素溶媒中に回
収した後、得られるN−アルコキシカルボニル−ter
t−ロイシンの芳香族炭化水素溶媒溶液(以下、単に
「芳香族炭化水素溶媒溶液」と称すことがある。)か
ら、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを
単離する。N−アルコキシカルボニル−tert−ロイ
シンの単離は、溶媒の溜去、晶析等の公知の操作により
簡易に行うことができる。
ニル−tert−ロイシンが結晶化合物の場合、回収操
作により得られる芳香族炭化水素溶媒溶液を濃縮するこ
となく、冷却するだけで、N−アルコキシカルボニル−
tert−ロイシン結晶を析出させることができ、極め
て簡易な操作で、N−アルコキシカルボニル−tert
−ロイシンを単離することができる。但し、必要に応じ
て、回収操作により得られる芳香族炭化水素溶媒溶液を
濃縮する、得られる芳香族炭化水素溶媒溶液にヘプタン
等の低極性溶媒や種晶を添加するなどの操作を行ってか
ら、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン結
晶を析出させても良い。
シカルボニル−tert−ロイシン結晶は、ろ過、遠心
分離等の公知の方法により回収することができる。な
お、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの
単離操作前に、純度向上や、単離収率向上を目的とし
て、回収操作により得られる芳香族炭化水素溶媒溶液に
対して、少量の水で洗浄する、共沸脱水等の脱水処理を
行うなどの操作を行っても良い。
rt−ロイシンの回収方法によれば、N−アルコキシカ
ルボニル−tert−ロイシンを合成することにより得
られる反応生成液から、芳香族炭化水素溶媒を用い、温
度を40℃以上に保持しながら、N−アルコキシカルボ
ニル−tert−ロイシンを回収することを特徴として
いるので、簡易な操作で、かつ、90%以上の高い回収
率で、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン
を回収することができる。また、本発明のN−アルコキ
シカルボニル−tert−ロイシンの回収方法によれ
ば、低極性溶媒である芳香族炭化水素溶媒を用いてN−
アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを回収する
ため、得られるN−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンの芳香族炭化水素溶媒溶液から、簡易な操作
で、かつ85%以上の高い収率で目的の化合物を単離す
ることができる。
て説明する。 (実施例1)特表平11−511177号公報に記載さ
れた方法に基づき、N−メトキシカルボニル−tert
−ロイシンを合成した。すなわち、tert−ロイシン
20g、3N水酸化ナトリウム水溶液79mL及びジオ
キサン12mLの混合溶液に、クロロギ酸メチル21.
5gを2.5時間かけて滴下した後、60℃で12時間
加熱し、N−メトキシカルボニル−tert−ロイシン
を合成した。反応終了後、減圧下でジオキサンを除去し
た後、36質量%塩酸水溶液を反応生成液のpHが1.
5になるまで添加した。pH調整後、トルエン80gを
添加し、70℃で0.5時間、撹拌混合し、分相するこ
とにより、N−メトキシカルボニル−tert−ロイシ
ンをトルエン中に抽出回収した。得られたトルエン溶液
は108gであり、この溶液中にN−メトキシカルボニ
ル−tert−ロイシンは28g含まれていた。N−メ
トキシカルボニル−tert−ロイシンの回収率は97
%であった。なお、N−メトキシカルボニル−tert
−ロイシンの定量分析は、以下の条件でHPLC分析に
より行った。 <HPLC分析条件> カラム:イナートシル ODS−3V(4.6φ×25
0mm)GLサイエンス社製 移動相:0.1質量%のリン酸水溶液−アセトニトリル
(60:40) 流速:1mL/min 検出:UV(210nm) 次に、得られたトルエン溶液を10gの水で洗浄した
後、5℃で8時間冷却し、N−メトキシカルボニル−t
ert−ロイシン結晶を析出させた。次いで、得られた
結晶を減圧ろ過により回収した後、少量のトルエンで洗
浄した。残結晶を減圧乾燥したところ、25.9gのN
−メトキシカルボニル−tert−ロイシン乾燥結晶が
得られた。収率は90%であった。以上の結果から、抽
出溶媒としてトルエンを用い、抽出温度を70℃とする
ことにより、97%という高い回収率で、N−メトキシ
カルボニル−tert−ロイシンを回収することができ
ることが判明した。また、得られたトルエン溶液から、
濃縮する等の煩雑な操作を行うことなく簡易に、かつ9
0%という高い収率で、目的の化合物を単離できること
が判明した。
囲の種々の温度に設定した以外は、実施例1と同様にし
て、N−メトキシカルボニル−tert−ロイシンをト
ルエン中に抽出回収した。各抽出温度におけるN−メト
キシカルボニル−tert−ロイシンの有機相への回収
率を表1に示す。なお、表1には、実施例1において得
られたデータも合わせて示している。
場合、抽出温度が40℃未満では、回収率が5%以下で
あり、N−メトキシカルボニル−tert−ロイシンを
ほとんど回収できないのに対し、抽出温度が40℃以上
では、回収率が95%以上であり、抽出温度を40℃以
上とすることにより、回収率が急激に上昇することが判
明した。
代わりに、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p
−キシレン、混合キシレンを用いた以外は、実施例1と
同様にして、N−メトキシカルボニル−tert−ロイ
シンを芳香族炭化水素溶媒中に抽出回収した。各抽出溶
媒を用いた時のN−メトキシカルボニル−tert−ロ
イシンの有機相への回収率を表2に示す。なお、表2に
は、実施例1において得られたデータも合わせて示して
いる。
レン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレンに変
えても、トルエンを用いた時と同様、91%以上の高い
回収率で、N−メトキシカルボニル−tert−ロイシ
ンを回収できることが判明した。なお、本発明者は、抽
出溶媒をエチルベンゼンに変えても同様の結果が得られ
ることを確認している。
剤として、クロロギ酸メチルの代わりに、クロロギ酸エ
チル、クロロギ酸ベンジルを用い、実施例1と同様にし
て、N−エトキシカルボニル−tert−ロイシン、N
−ベンジルオキシカルボニル−tert−ロイシンを合
成した。反応終了後、実施例1と同様にして、得られた
N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンをトル
エン中に抽出回収した。但し、100gのトルエンを用
いて60℃で抽出操作を行った。抽出操作後の各化合物
の回収率を、実施例1と同様に、HPLC分析により分
析した。得られた結果を表3に示す。なお、移動相とし
ては、0.1質量%のリン酸水溶液とアセトニトリルと
を質量比で40:60に混合した溶液を用いて、分析を
行った。また、表3には、実施例2において得られたデ
ータも合わせて示している。
t−ロイシン、N−ベンジルオキシカルボニル−ter
t−ロイシンを回収する場合においても、N−メトキシ
カルボニル−tert−ロイシンと同様、95%以上の
高い回収率で回収できることが判明した。
63,160 (1985)に記載された方法に基づ
き、N−tert−ブトキシカルボニル−tert−ロ
イシンを合成した。すなわち、tert−ロイシン3
9.5g、水150mL及びジオキサン150mLの混
合溶液に、10質量%水酸化ナトリウム水溶液300g
を添加し、さらに、15〜25℃に保持しながら、ジ−
tert−ブチルジカーボネートを滴下した後、30℃
で3時間撹拌し、N−tert−ブトキシカルボニル−
tert−ロイシンを合成した。反応終了後、36質量
%塩酸を添加し、溶液のpHを8に調整した後、減圧下
でジオキサンを溜去し、400gになるまで濃縮した。
濃縮液に再び36質量%塩酸を添加し、pHを4に調整
した後、トルエン130gを添加し、40℃で1時間、
撹拌混合し、分相することにより、N−tert−ブト
キシカルボニル−tert−ロイシンをトルエン中に抽
出回収した。なお、得られたトルエン溶液は195gで
あり、この溶液中にN−tert−ブトキシカルボニル
−tert−ロイシンは63g含まれていた。N−te
rt−ブトキシカルボニル−tert−ロイシンの回収
率は96%であった。次に、得られたトルエン溶液を、
減圧下で110gになるまで濃縮し、濃縮液にn−ヘプ
タン100gを添加した後、5℃で5時間冷却すること
により、N−tert−ブトキシカルボニル−tert
−ロイシン結晶を析出させた。次いで、得られた結晶を
減圧ろ過により回収した後、少量のn−ヘプタンで洗浄
した。残結晶を減圧乾燥したところ、56.0gのN−
tert−ブトキシカルボニル−tert−ロイシン乾
燥結晶が得られた。収率は87%であった。以上の結果
から、N−tert−ブトキシカルボニル−tert−
ロイシンを回収する場合においても、N−メトキシカル
ボニル−tert−ロイシン等と同様、96%という高
い回収率で回収できることが判明した。また、得られた
トルエン溶液を濃縮した後、晶析することによっても、
トルエン溶液から、87%という高い収率でN−ter
t−ブトキシカルボニル−tert−ロイシンを単離で
きることが判明した。
トキシカルボニル−tert−ロイシンを合成し、ジオ
キサンを除去した後、塩酸を添加し、pHを1.5に調
整した。次に、抽出溶媒として酢酸エチル80gを添加
した後、50℃で撹拌混合し、分相することにより、N
−メトキシカルボニル−tert−ロイシンを酢酸エチ
ル中に抽出回収した。なお、得られた酢酸エチル溶液は
105gであり、この溶液中にN−メトキシカルボニル
−tert−ロイシンは27g含まれていた。N−メト
キシカルボニル−tert−ロイシンの回収率は94%
であった。次に、得られた酢酸エチル溶液を減圧下で、
60gになるまで濃縮した後、5℃で12時間冷却し、
N−メトキシカルボニル−tert−ロイシン結晶を析
出させた。次いで、得られた結晶を減圧ろ過により回収
した後、少量のn−ヘプタンで洗浄した。残結晶を減圧
乾燥したところ、14.4gのN−メトキシカルボニル
−tert−ロイシン乾燥結晶が得られた。収率は50
%であった。以上の結果から、抽出溶媒として高極性溶
媒である酢酸エチルを用いる場合には、94%という高
い回収率で、N−メトキシカルボニル−tert−ロイ
シンを抽出回収することができるものの、N−メトキシ
カルボニル−tert−ロイシンを単離するためには、
得られた酢酸エチル溶液を高濃度に濃縮する操作が必要
であり、単離操作が煩雑になると共に、目的とする乾燥
結晶の収率が実施例1や実施例5に比較して著しく低く
なることが判明した。
コキシカルボニル−tert−ロイシンの回収方法によ
れば、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン
を含む溶液から、温度を40℃以上に保持しながら、N
−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを芳香族
炭化水素溶媒中に回収することを特徴としているので、
簡易な操作で、かつ、90%以上の高い回収率で、N−
アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを回収する
ことができる。また、本発明のN−アルコキシカルボニ
ル−tert−ロイシンの回収方法によれば、低極性溶
媒である芳香族炭化水素溶媒を用いてN−アルコキシカ
ルボニル−tert−ロイシンを回収するため、得られ
るN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの芳
香族炭化水素溶媒溶液から、簡易な操作で、かつ85%
以上の高い収率で目的の化合物を単離することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 N−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンを含む溶液から、温度を40℃以上に保持しな
がら、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシン
を芳香族炭化水素溶媒中に回収するN−アルコキシカル
ボニル−tert−ロイシンの回収方法。 - 【請求項2】 前記芳香族炭化水素溶媒が、ベンゼン、
トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレンから選ばれる少なくとも1種である請
求項1に記載の回収方法。 - 【請求項3】 N−アルコキシカルボニル−tert−
ロイシンが、N−メトキシカルボニル−tert−ロイ
シン、N−エトキシカルボニル−tert−ロイシン、
N−ベンジルオキシカルボニル−tert−ロイシン、
N−tert−ブトキシカルボニル−tert−ロイシ
ンのうちいずれかである請求項1又は請求項2に記載の
回収方法。
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JP2007238495A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | N−アルコキシカルボニルアミノ酸結晶の製造方法 |
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