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JP2003058213A - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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Publication number
JP2003058213A
JP2003058213A JP2001251058A JP2001251058A JP2003058213A JP 2003058213 A JP2003058213 A JP 2003058213A JP 2001251058 A JP2001251058 A JP 2001251058A JP 2001251058 A JP2001251058 A JP 2001251058A JP 2003058213 A JP2003058213 A JP 2003058213A
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torque
load
motor
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JP2001251058A
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JP4867105B2 (ja
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Hiroshi Sugie
弘 杉江
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高加速度運動時における機械の弾性変形誤差
を、振動を励起することなく高精度に補正する。 【解決手段】 モータの位置指令値を生成する位置指令
値生成部と、位置指令値を力学的特性値を用いて処理
し、フィードフォワードトルク指令値を生成するフィー
ドフォワード補償部と、フィードフォワードトルク指令
値と結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トル
ク補正部と、負荷トルク補正値を所定の関数に基づいて
処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令
値と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加
算値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理
し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバ
ック補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィ
ードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク
指令値を生成する第2の加算手段を、備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、数値制御装置に
関わり、特に、負荷を高速に駆動する際に生じる弾性変
形誤差を高度に補正することができる数値制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】NC加工システム、NCロボットシステ
ム、NC搬送システムなどには、数値制御装置が使われ
ている。例えばNC加工システムでは、被加工対象物
(ワーク等)をテーブル上に固定し、このテーブルと加
工工具との相対的な位置関係を数値制御(座標制御)す
ることで、被加工対象物を複雑な形状に加工する。NC
加工システムでは一般的に、X、Y、Zの3つの互いに
直交する軸方向に、独立に、3つのサーボモータを設
け、この3つのサーボモータの回転駆動力をテーブルや
加工工具の支持部材に伝達することで、テーブルと加工
工具との相対運動を制御している。
【0003】このようなNC加工システムに使用される
数値制御装置は、駆動力伝達機構(駆動源であるサーボ
モータ、モータの回転運動を直線運動に変換するボール
ネジ、モータとボールネジを連結するカップリング、運
動方向を規定する直線ガイド、ワークや工具が保持され
るテーブル等)に弾性要素を多く含む。これらの弾性要
素は、テーブル等が高速円運動などを行う際、モータの
駆動トルクに比例する弾性変位を生じる。その結果、数
値制御に基づく目標移動量と、テーブルやワークの相対
的な移動量が一致しなくなり、弾性変形誤差を生じた。
【0004】特開平4−271290号公報に開示され
た駆動制御装置は、このような弾性変形誤差を補正する
ことを目的とした数値制御装置の例である。図14に示
されたブロック図で、1は負荷、2はモータ、3は位置
検出部、4は位置指令値生成部、5はフィードバック補
償部、6はフィードフォワード補償部、7は負荷端補正
部、8は電流補償部である。また、θrは位置指令部生
成部4にて生成されるモータ2の回転位置を指定する位
置指令値、θlは負荷1の(実際の)位置、θmは位置
検出部3で検出されるモータ2の位置検出値である。
【0005】負荷1とモータ2は、慣性モーメントとそ
の間に介在するバネを使って、力学的にモデル化されて
おり、Jlは負荷1の慣性モーメント、Jmはモータ2の
慣性モーメント、Kは負荷1の剛性を表すバネ定数を表
す。また、J0lは負荷1の慣性モーメントJlの推定
値、J0mはモータ2の慣性モーメントJmの推定値、
α、βはそれぞれ負荷端補正部7のパラメータ、sは微
分を表すラプラス演算子である。
【0006】フィードバック補償部5において、Kpは
位置ループ比例ゲイン、Kvは速度ループ比例ゲイン、
KjはKvと速度ループ積分ゲインKviの積、23は
速度指令値、25はフィードバック指令値を表す。また
フィードフォワード補償部6において、22はフィード
フォワード指令値であり、31は慣性トルク補償成分を
表す。また、11と24は加算器、29は駆動トルク指
令値である。
【0007】次に動作について説明する。フィードバッ
ク補償部5は、位置指令値生成部4で生成される位置指
令値θrと、位置検出部3より出力されるモータ2の位
置検出値θmとの差に基づいてPID(比例・積分・微
分)制御を行う。但し、図示されたフィードバック補償
部5では、位置指令値θrと位置検出値θmのそれぞれ
の微分値を利用した構成となっているが、PID制御の
構成に等価変換できる。
【0008】負荷1およびモータ2を、フィードバック
補償部5のみで制御した場合、応答の遅れのために位置
指令値θrへの追従精度は良好ではないが、負荷1とモ
ータ2の剛性が十分高い(バネ定数Kが十分大きい)場
合には、フィードフォワード補償部6で、J0l=J
l、J0m=Jmとすることにより、応答の遅れをなく
すことができる。
【0009】しかしながら、負荷1とモータ2の剛性が
十分高いと見なすことができない場合には、負荷1の位
置θlとモータ2の位置検出値θmとの間にずれが生
じ、フィードフォワード補償部6の補正だけでは十分な
精度が得られない。そこで負荷端補正部7において、α
=Jl/(K(Jl+Jm))、β=Jmとすることに
より、負荷1とモータ2に対応する2つの慣性モーメン
トJl、Jmとその間に介在するバネで表現される制御
対象モデルの特性を完全に補償することができる。こう
することによって、位置指令値θrと負荷1の位置θl
を完全に一致させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の数値制御装置は
以上のように構成されており、弾性変形誤差を補正する
ために、負荷端補正部7で位置指令値θrの4階微分あ
るいは3階微分が必要とされる。すなわち、位置指令値
θrはラプラス演算子sによる処理を、フィードフォワ
ード補償部6で2回、負荷端補正部7で2回受ける。こ
のため、位置指令値θrが高次微分可能でない場合や量
子化誤差の影響を受ける場合には、数値制御装置は振動
を励起することがあった。また、負荷1とモータ2の剛
性を表すバネ定数Kの値が、負荷1の位置に依存して変
化する現象に対応することが出来ないという課題もあっ
た。
【0011】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、位置指令値が高次微分可能でない
場合でも振動を励起することなく、高精度で位置制御を
行うことができる数値制御装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる数値制御
装置は、負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トル
ク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令値を生
成する位置指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモ
ータの力学的特性値を用いて処理することによりフィー
ドフォワードトルク指令値を生成するフィードフォワー
ド補償部と、フィードフォワードトルク指令値と所定の
結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補
正部と、負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフ
ィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位
置補正部と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める
第1の加算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置
検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を
生成するフィードバック補償部と、フィードフォワード
トルク指令値とフィードバックトルク指令値を加算し、
モータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段
を、備えてなるものである。
【0013】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなる
ものである。
【0014】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでな
るものである。
【0015】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでなるものであ
る。
【0016】また、負荷と所定の結合特性で連結されか
つ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置
指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負
荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することに
よりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワ
ードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部
と、フィードフォワードトルク補償値と所定の結合特性
から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、
負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関
数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部
と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加
算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を
用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成する
フィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指
令値とフィードバックトルク指令値を加算し、モータの
駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えて
なるものである。
【0017】また、フィードフォワードトルク補償値
は、負荷の慣性モーメントと位置指令値の2階微分値か
ら求まる負荷周りの慣性トルク補償成分と、負荷の粘性
摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まる負荷周り
の粘性摩擦トルク補償成分を含んでなるものである。
【0018】また、フィードフォワードトルク補償値
は、モータの慣性モーメントと位置指令値の2階微分値
から求まるモータ周りの慣性トルク補償成分と、モータ
の粘性摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるモ
ータ周りの粘性摩擦トルク補償成分を含んでなるもので
ある。
【0019】また、フィードフォワードトルク補償値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでなるものであ
る。
【0020】また、本発明にかかる数値制御装置は、負
荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に
基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置
指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学
的特性値を用いて処理することによりフィードフォワー
ドトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部
と、駆動トルク指令値と所定の結合特性から負荷トルク
補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正
値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処
理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令値
と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算
値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理し、
フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック
補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィード
バックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令
値を生成する第2の加算手段を、備えてなるものであ
る。
【0021】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなる
ものである。
【0022】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでな
るものである。
【0023】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでなるものであ
る。
【0024】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、sは
ラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0025】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は定
数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0026】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,b0
は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
s+b0)
【0027】また、本発明にかかる数値制御装置は、負
荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に
基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置
指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学
的特性値を用いて処理することによりフィードフォワー
ドトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部
と、フィードフォワードトルク指令値と所定の結合特性
から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、
負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関
数に基づいて処理し、速度補正値を生成する速度補正部
と、位置指令値と負荷トルク補正値の加算値を求める第
1の加算手段と、加算値を位置指令値と速度補正値とモ
ータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトル
ク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィード
フォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指
令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第
2の加算手段を、備えてなるものである。
【0028】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなる
ものである。
【0029】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでな
るものである。
【0030】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでなるものであ
る。
【0031】また、速度補正部が生成した速度補正値の
一次微分値を生成する微分部を備え、第2の加算手段は
この一次微分値から求まるトルク補正値をさらに加算し
てモータの駆動トルクの指令値を生成するものである。
【0032】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、sは
ラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0033】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は定
数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0034】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されるもの
である。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,b0
は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
s+b0)
【0035】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
を特徴とするものである。次式で、a2,a1,a0,
b3,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を
表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b3・s3+b2・
2+b1・s+b0)
【0036】また、所定の結合特性は、位置指令値に依
存する変数として表されるものである。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる数値制御
装置が適用可能なテーブル駆動系の構成を示している。
ワークや工具が保持されるテーブルが負荷1に相当し、
所定の軌跡に従って移動する。モータ2は負荷1を駆動
するサーボモータで、位置検出部3(エンコーダ等)が
取り付けられている。負荷1とモータ2は、モータの回
転運動を直線運動に変換するボールネジ、モータとボー
ルネジを連結するカップリング、運動方向を規定する直
線ガイドなどで連結されており、モータ2の回転に伴
い、わずかではあるが弾性変形が生じる。
【0038】本発明にかかる数値制御装置は、生じる弾
性変形の大きさを力学的モデルに基づいて推定し、高精
度に負荷1の速度や位置を制御する。本発明にかかる数
値制御装置には様々な形態が考えられ、以下に図に基づ
いて説明する。図中、同一番号は、同一部品あるいはそ
れに相当する部品を表す。
【0039】実施の形態1.図2は実施の形態1にかか
る数値制御装置の構成を示すブロック図である。負荷1
とモータ2は、慣性モーメントとその間に介在するバネ
を使って、力学的にモデル化されている。Jlは負荷1
の慣性モーメント、Jmはモータ2の慣性モーメント、
Kは負荷1の剛性を表すバネ定数、Cはバネに作用する
粘性摩擦係数、Clは負荷1の粘性摩擦係数、Cmはモ
ータ2の粘性摩擦係数、sは微分を表すラプラス演算子
である。
【0040】また、J0lは負荷1の慣性モーメントJ
lの推定値、J0mはモータ2の慣性モーメントJmの
推定値、K0はバネ定数Kの推定値、C0lは負荷1の
粘性摩擦係数Clの推定値、C0mはモータ2の粘性摩
擦係数Cmの推定値、Kpは位置ループ比例ゲイン、K
vは速度ループ比例ゲイン、Kjは速度ループ積分ゲイ
ンKviと速度ループ比例ゲインKvの積を表す。
【0041】次に動作について説明する。モータ2に取
り付けられている位置検出部3はモータ2の回転位置を
検出し、検出した値を位置検出値θmとして出力する。
位置指令値生成部4は負荷1に所定の軌跡上を移動させ
るための位置指令値θrを生成する。
【0042】フィードバック補償部5は、位置指令値生
成部4で生成される位置指令値θrとモータ2に取り付
けられた位置検出部3より出力されるモータ2の位置検
出値θmとの差をもとにPID(比例・積分・微分)制
御を行う。また速度指令値23とフィードバックトルク
指令値25を生成する。なお、図1に示されたフィード
バック補償部5では、位置指令値θrと位置検出値θm
のそれぞれの微分値を利用した構成となっているが、こ
れは等価変換することにより上記PID制御の構成とな
る。
【0043】フィードフォワード補償部6は、負荷1お
よびモータ2を表す力学的特性値と位置指令値生成部4
で生成された位置指令値θrから、フィードフォワード
トルク指令値22を生成し、フィードバック補償部5の
みで制御したときのような、応答遅れによる位置指令値
θrへの追従精度の低下を抑制する。
【0044】なお、実施の形態1にかかるフィードフォ
ワード補償部6は、負荷1とモータ2の慣性モーメント
に関わる慣性トルク補償成分31(位置指令値θrの2
階微分値に、負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモー
タ2の推定慣性モーメントJ0mの和を乗算したもの)
の他に、負荷1とモータ2の粘性摩擦も考慮して、粘性
摩擦トルク補償成分32(位置指令値θrの一階微分値
に、負荷1の推定粘性摩擦係数C0lとモータ2の推定
粘性摩擦係数C0mの和を乗算したもの)を含んでい
る。このため、より高度な制御が行われる。
【0045】電流補償部8は、フィードバック補償部5
で生成されたフィードバックトルク指令値25と、フィ
ードフォワード補償部6で生成されたフィードフォワー
ドトルク指令値22を加算する加算器24が生成する駆
動トルク指令値29(負荷の駆動に必要なトルクの指令
値)をもとに、モータ2に適切な電流を流す。
【0046】モータ2は駆動トルク指令値29に対応す
るトルクを発生するが、実際には、電流センサ(図示せ
ず)に基づく電流フィードバックを行って電流を制御
し、その電流に比例したトルクをモータ2は発生してい
る。従って、駆動トルク指令値29はトルク相当の電流
指令値とみることもできる。電流補償部8は、駆動トル
ク指令値29に相当する目標電流値をもとに、モータ2
に適切な電流を流すようにしてもよい。
【0047】負荷補正部9は、負荷補正定数A{J0l
/K0(J0l+J0m)}を、フィードフォワード補
償部6が生成するフィードフォワードトルク指令値22
に乗算し、その演算結果(負荷トルク補正値27)を位
置補正部10に送出する。定性的には、フィードフォワ
ードトルク指令値22にJ0l/(J0l+J0m)を
乗じることでバネに作用するトルクを、1/K0を乗じ
ることでバネの伸縮量を計算している。
【0048】位置補正部10は、負荷補正部9が出力す
る負荷トルク補正値27に対して式1の伝達関数と等価
なフィルタリング処理を行って位置補正値26を算出し
て加算器11に出力する。 (1+s/Kp)/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)・・・式1 ここで、分子のs/Kpは位置ループにおける応答遅れ
を補償するための項(フィードフォワード成分)であ
り、分母は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値2
7に含まれる高周波成分を除去するための項(ローパス
フィルタ)である。なお、ρとζはローパスフィルタの
時定数である。
【0049】位置補正部10の効果をシュミレーション
結果を元に説明する。図3(a)〜(c)は、テーブル
が反時計方向に円軌道を描いて2周するように位置指令
値θrを与えた場合の、各部における信号の形状を表し
ている(速度4400mm/min、半径2.5mm)。
【0050】図3(a)は、位置指令値θrに対応し、
実線はX軸、破線はY軸を表している。図3(b)、
(c)は位置補正値26のシュミレーション結果を表し
ている。図3(b)は位置補正部10にローパスフィル
タ(ρs+1)2がない場合の信号を、図3(c)はロ
ーパスフィルタ(ρs+1)2を付加した場合の信号を
表している。ローパスフィルタの効果により、高周波成
分が信号から効率よく除去されていることがわかる。
【0051】加算器11では位置指令値生成部4の出力
する位置指令値θrに、位置補正部10が出力する位置
補正値26を加算し、負荷1の位置θlが位置指令値生
成部4からの位置指令値θrに追従するように補正す
る。すなわち、位置補正値26で位置指令値θrを補正
して、負荷lの位置θlを位置指令値生成部4からの位
置指令値θrに追従させる。
【0052】実施の形態1によれば、フィードフォワー
ドトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍するこ
とで算出した負荷トルク補正値27に、位置ループの応
答遅れを補償すると共に高周波成分を除去するフィルタ
処理を施しているため、位置指令値θrを微分すること
により生じる高周波成分が励起する振動を防止でき、負
荷1の位置θlを位置指令値θrに精度良く追従させる
ことができる。
【0053】なお、バネ定数Kが十分大きく、負荷1と
モータ2の剛性が十分高い場合には、位置指令値θrに
負荷1の位置θlおよびモータ2の位置検出値θmは一
致する。また、フィードフォワード補償部6に設定され
た力学的特性値の推定値J0l、J0m、C0l、C0m
が力学的特性値の実際値Jl、Jm、Cl、Cmに十分等
しいと見なせるならば、フィードフォワード補償部6か
ら出力されるフィードフォワードトルク指令値22はモ
ータ2の出力トルクにほぼ等しいとみなすことができ
る。
【0054】実施の形態2.負荷1には粘性摩擦(速度
に比例する摩擦)の他にクーロン摩擦(速度がゼロでな
いとき、反運動方向に作用する、速度に依存しない摩
擦)が作用する場合がある。図4は実施の形態2にかか
る数値制御装置の構成を示すブロック図で、クーロン摩
擦トルクFの影響を考慮してある。各部には図2の相当
部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0055】実施の形態2におけるフィードフォワード
補償部6は、慣性トルク補償成分31に、粘性摩擦トル
ク補償成分32と、クーロン摩擦トルク補償成分33
(力学的特性値の一つであるクーロン摩擦補償トルクF
0と符号関数sign()を用いて算出したもの)を加
算してフィードフォワードトルク指令値22を生成し、
負荷補正部9に出力する。ここで、符号関数sig
n()は、括弧内の引数が正の場合は1を、負の場合は
−1、0の場合は0を出力する。
【0056】負荷補正部9は、クーロン摩擦トルク補償
成分33を含むフィードフォワードトルク指令値22に
負荷補正定数Aを乗じて位置補正部10に出力する。位
置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答
遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処
理を施して加算器11に出力し、位置指令値生成部4か
ら出力される位置指令値θrを補正する。
【0057】従って、実施の形態2によれば、位置指令
値θrの速度符号の反転時に、フィードフォワードトル
ク指令値22にステップ状の変化が生じるため、位置指
令値θrの補正値もステップ状に変化する。これは、負
荷1の剛性とクーロン摩擦によって生じるロストモーシ
ョンの補正をおこなっていることになる。
【0058】実施の形態2によれば、フィードフォワー
ド補償部6がクーロン摩擦トルク補償成分33を生成す
るため、クーロン摩擦トルクFの影響でモータ2の位置
検出値θmに生じる誤差を抑制することができる。ま
た、負荷補正部9が、クーロン摩擦トルク補償成分33
を含むフィードフォワードトルク指令値22に負荷補正
定数を乗算して負荷トルク補正値27を算出するため、
クーロン摩擦トルクFによって生じる負荷1のバネKの
弾性変位による誤差、すなわちロストモーションを補償
することができる。
【0059】実施の形態3.実施の形態2では、フィー
ドフォワード補償部6はクーロン摩擦トルク補償成分3
3を含むフィードフォワードトルク指令値22を負荷補
正部9に出力していたが、慣性トルク補償成分と粘性摩
擦トルク補償成分からなるフィードフォワードトルク補
償値を負荷補正部9に出力する数値制御装置を構成する
ことも可能である。図5は実施の形態3にかかる数値制
御装置の構成を示すブロック図で、各部には図2の相当
部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0060】実施の形態3におけるフィードフォワード
補償部6は、慣性トルク補償成分31と粘性摩擦トルク
補償成分32を加算し、フィードフォワードトルク補償
値21を生成する。フィードフォワードトルク補償値2
1は負荷補正部9に出力される。フィードフォワード補
償部6は引き続き、慣性トルク補償成分31と粘性摩擦
トルク補償成分32の和に、クーロン摩擦トルク補償成
分33を加算してフィードフォワードトルク指令値22
を生成する。
【0061】電流補償部8は、加算器24で求められ
る、フィードフォワードトルク指令値22とフィードバ
ックトルク指令値25の和(駆動トルク指令値29)に
基づいてモータ2に駆動電流を供給する。負荷補正部9
は、クーロン摩擦補償トルクを含まないフィードフォワ
ードトルク補償値21に負荷補正定数Aを乗じて、負荷
トルク補正値27を生成し、位置補正部10に出力す
る。
【0062】位置補正部10は負荷トルク補正値27に
位置ループ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のた
めのフィルタ処理を施して加算器11に出力し、位置指
令値生成部4から出力される位置指令値θrを補正す
る。負荷1の剛性とクーロン摩擦によって生じるロスト
モーションの補正は、位置指令値生成部4において、位
置指令値θrに指令値の速度の符号に所定の補正値を乗
算した、いわゆるバックラッシ補正値を加算することに
より実施する。
【0063】実施の形態3によれば、負荷1にクーロン
摩擦トルクFが作用する場合でも、フィードフォワード
補償部6がクーロン摩擦トルク補償成分33を生成する
ため、クーロン摩擦トルクFの影響でモータ2の位置検
出値θmに生じる誤差を抑制することができる。なお、
クーロン摩擦トルクFによる負荷1の弾性変形誤差は位
置指令値生成部4の内部でバックラッシ補正を実施する
ことで補正される。
【0064】また、ステップ状に変化するクーロン摩擦
トルク補償成分を含まないフィードフォワードトルク補
償値21から負荷トルク補正値27を生成しているた
め、位置補正部10の分子に含まれる微分項(s/K
p)により振動が励起されることを防止することが出来
る。
【0065】実施の形態4.実施の形態2では、負荷補
正部9において、フィードフォワードトルク指令値22
に負荷1の推定慣性モーメントJ0lとモータ2の推定
慣性モーメントJ0mの比である、J0l/(J0l+
J0m)を乗算することにより、負荷1のバネに作用す
る駆動トルクを計算していたが、フィードフォワード補
償部6において負荷1に作用するトルクとモータ2に作
用するトルクに分けて計算する数値制御装置を構成する
ことも可能である。図6は実施の形態4にかかる数値制
御装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の
相当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0066】実施の形態4におけるフィードフォワード
補償部6は、位置指令値θrの2階微分値に負荷1の推
定慣性モーメントJ0lを乗算した負荷周りの慣性トル
ク補償成分(J0ls2)と、位置指令値θrの一階微
分値に負荷1の推定粘性摩擦係数C0lを乗算した負荷
周りの粘性摩擦補償成分(C0ls)から、負荷周りの
トルク補償成分34を生成し、さらにクーロン摩擦トル
ク補償成分33を加算して、フィードフォワードトルク
補償値21として負荷補正部9に出力する。
【0067】フィードフォワード補償部6は引き続き、
フィードフォワードトルク補償値21に、位置指令値θ
rの2階微分値にモータ2の推定慣性モーメントJ0m
を乗算したモータ周りの慣性トルク補償成分(J0ms
2)と、位置指令値θrの一階微分値にモータ2の推定
粘性摩擦係数C0mを乗算したモータ周りの粘性摩擦ト
ルク補償成分(C0ms)から生成されるモータ周りの
トルク補償成分35を加算して、フィードフォワードト
ルク指令値22として加算器24に出力する。
【0068】負荷補正部9は、クーロン摩擦補償トルク
を含む、フィードフォワードトルク補償値21に負荷補
正定数B(1/KO)を乗じて位置補正部10に出力す
る。位置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ルー
プ応答遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィ
ルタ処理を施して加算器11に出力して、位置指令値生
成部4から出力される位置指令値θrを補正する。
【0069】実施の形態4によれば、フィードフォワー
ド補償部6が、負荷周りのフィードフォワードトルク補
償値21を負荷補正部9に出力するため、負荷1の推定
慣性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ
0mの比を乗ずる場合に比べて、精度良く負荷1のバネ
に作用するトルクを計算することが可能となり、結果的
には負荷1の位置θlを位置指令値生成部4が生成する
位置指令値θrに精度良く追従させることができる。
【0070】また、負荷補正部9が、クーロン摩擦トル
ク補償成分33を含むフィードフォワードトルク補償値
21に負荷補正定数Bを乗算して負荷トルク補正値27
を算出するため、クーロン摩擦トルクFによって生じる
負荷1のバネKの弾性変位による誤差、すなわちロスト
モーションを補償することができる。
【0071】実施の形態5.実施の形態3では、負荷補
正部9において、クーロン摩擦補償トルクを含まないフ
ィードフォワードトルク補償値21に、負荷1の推定慣
性モーメントJ0lとモータ2の推定慣性モーメントJ
0mの比であるJ0l/(J0l+J0m)を乗算する
ことにより、負荷1のバネに作用する駆動トルクを計算
していたが、フィードフォワード補償部6において負荷
1に作用するトルクとモータ2に作用するトルクに分け
て計算する数値制御装置を構成することができる。図7
は実施の形態5にかかる数値制御装置の構成を示すブロ
ック図である。各部には図2の相当部分と同一符号を付
して説明を省略する。
【0072】実施の形態5におけるフィードフォワード
補償部6は、負荷周りのトルク補償成分34を、フィー
ドフォワードトルク補償値21として負荷補正部9に出
力する。
【0073】フィードフォワード補償部6は引き続き、
フィードフォワードトルク補償値21に、モータ周りの
トルク補償成分35とクーロン摩擦トルク補償成分33
とを加算してフィードフォワードトルク指令値22を生
成する。
【0074】負荷補正部9は、クーロン摩擦補償トルク
33を含まないフィードフォワードトルク補償値21に
負荷補正定数Bを乗じて位置補正部10に出力する。位
置補正部10は負荷トルク補正値27に位置ループ応答
遅れの補償ならびに高周波成分除去のためのフィルタ処
理を施して加算器11に出力して、位置指令値生成部4
から出力される位置指令値θrを補正する。
【0075】実施の形態5によれば、フィードフォワー
ド補償部6が負荷周りのフィードフォワードトルク補償
値21を負荷補正部9に出力するため、フィードフォワ
ードトルク指令値22に負荷1の推定慣性モーメントJ
0lとモータ2の推定慣性モーメントJ0mの比を乗ず
る場合に比べて、精度良く負荷1のバネに作用する駆動
トルクを計算することが可能となり、結果的に負荷1の
位置θlを位置指令値生成部4が生成する位置指令値θ
rに精度良く追従させることができる。
【0076】なお、クーロン摩擦トルクFに基づく負荷
1の弾性変形誤差は位置指令値生成部4の内部でバック
ラッシ補正を実施することで補正可能である。またステ
ップ状に変化するクーロン摩擦トルク補償成分を含まな
いフィードフォワードトルク補償値21から負荷トルク
補正値27を生成しているため、位置補正部10の分子
に含まれる微分項(s/Kp)により振動が励起される
ことを防止できる。
【0077】実施の形態6.実施の形態1では、負荷補
正部9において、フィードフォワード補償部6で生成さ
れたフィードフォワードトルク指令値22に所定の定数
(負荷補正定数A)を乗算することにより負荷トルク補
正値27を算出していたが、電流補償部8に入力され
る、フィードフォワード補償部6で生成されたフィード
フォワードトルク指令値22とフィードバック補償部5
で生成されたフィードバックトルク指令値25の和であ
る駆動トルク指令値29に、所定の定数を乗じて負荷ト
ルク補正値27を算出する数値制御装置を構成すること
ができる。図8は実施の形態6による数値制御装置の構
成を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と
同一符号を付して説明を省略する。
【0078】実施の形態6にかかる負荷補正部9は、フ
ィードフォワードトルク指令値22とフィードバックト
ルク指令値25の和である駆動トルク指令値29に負荷
補正定数Aを乗じて負荷トルク補正値27を算出する。
クーロン摩擦が問題にならない場合は、クーロン摩擦ト
ルク補償成分33は省略してもよい。
【0079】位置補正部10は、負荷トルク補正値27
にフィードバック補償部5に含まれる位置ループの応答
遅れを補償するためのフィードフォワード成分を付加す
ると共に、駆動トルク指令値29に含まれる高周波成分
を除去するためのフィルタ処理を施して加算器11に出
力し、位置指令値生成部4から出力される位置指令値θ
rを補正する。
【0080】実施の形態6では、負荷補正部9が、駆動
トルク指令値29に所定の定数を乗じて負荷トルク補正
値27を算出して、位置補正部10に出力しているた
め、フィードフォワード補償部6でフィードフォワード
トルク指令値22の算出に用いられる力学的特性値(J
0l、J0m、C0l、C0m)に誤差がある場合でも、
精度の高い負荷トルク補正値27を算出することができ
る。
【0081】また、位置補正部10は負荷トルク補正値
27に含まれる高周波成分を除去するフィルタ処理を施
すため、フィードフォワードトルク指令値22とフィー
ドバック補償部5で生成されたフィードバックトルク指
令値25の和である駆動トルク指令値29に高周波成分
が含まれていても、位置補正部10から加算器11に出
力される位置補正値26には高周波成分は含まれず、そ
の結果、振動の励起を防止できる。
【0082】なお、実施の形態1から6では、位置補正
部10は、負荷トルク補正値27に対して式1の伝達関
数と等価なフィルタリング処理を行って位置補正値26
を算出して加算器11に出力しているが、式2の伝達関
数と等価なフィルタリング処理を行う数値制御装置を構
成することも可能である。 (1+s/Kp)/(ρ・s+1)・・・式2
【0083】分子のs/Kpはフィードバック補償部5
に含まれる位置ループの応答遅れを補正する項であり、
分母は負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を除
去する項である。
【0084】式2の伝達関数と等価なフィルタリング処
理は、式1の伝達関数と等価なフィルタリング処理に比
べると、簡単な計算で負荷1の弾性変形誤差を、応答遅
れなく、かつ振動を励起することなく補正することがで
きる。
【0085】また、式3の伝達関数と等価なフィルタリ
ング処理を行う数値制御装置を構成することも可能であ
る。 {(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{ρ ・Kp・Kv・s2+Kp・Kv(1+ρKvi)s+Kp・Kv・Kvi}・ ・・式3
【0086】式3を補足する。図9は、負荷1とモータ
2を単純な積分器(1/s)に置き換えた場合のフィー
ドバック補償部5のブロック線図である。このとき、入
力Xから出力Yまでの伝達関数は式4で表される。 {Kp・Kv・s+Kp・Kv・Kvi}/{(Kv+1)s2+Kv(Kp +Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}・・・式4
【0087】したがって、ある信号に遅れなく出力Yを
追従させるためには、式5で表される伝達関数を入力X
に掛ければよい。 {(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{K p・Kv・s+Kp・Kv・Kvi}・・・式5
【0088】式5に、負荷トルク補正値27に含まれる
高周波成分を除去するローパス特性を持たせるように、
1/(ρs+1)を掛けることにより、式3が得られ
る。
【0089】また、式6の伝達関数と等価なフィルタリ
ング処理を行う数値制御装置を構成することも可能であ
る。 {(Kv+1)s2+Kv(Kp+Kvi)s+Kp・Kv・Kvi}/{ρ2・ Kp・Kv・s3+(ρ2・Kp・Kv・Kvi+ρ・ζ・Kp・Kv)s2+( ρ・ζ・Kp・Kv・Kvi+Kp・Kv)s+Kp・Kv・Kvi}・・・式 6
【0090】式6は、フィードバック補償部5の応答遅
れを補償する伝達関数である式5に、負荷トルク補正値
27に含まれる高周波成分を除去するための2次のロー
パスフィルタ、1/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)を掛
けることにより得られる。
【0091】式3、式6の伝達関数と等価なフィルタリ
ング処理を行って位置補正値26を算出して加算器11
に出力すると、フィードバック補償部5の応答遅れの影
響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能である。
また、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分を効
率良く除去するため、振動の励起を防止できる。
【0092】実施の形態7.実施の形態1では、負荷ト
ルク補正値27を位置補正部10に入力し、フィードバ
ック補償部5に含まれる位置ループの応答遅れの補償と
高周波成分を除去した位置補正値26を加算器11に出
力して位置指令値生成手段4の出力する位置指令値θr
を補正していたが、負荷トルク補正値27を加算器11
に直接入力すると共に、負荷トルク補正値27を速度補
正部12に入力し、高周波成分を除去してから速度指令
値23に加算する数値制御装置を構成することができ
る。図10は実施の形態7にかかる数値制御装置の構成
を示すブロック図である。各部には図2の相当部分と同
一符号を付して説明を省略する。
【0093】実施の形態7にかかる負荷補正部9は、フ
ィードフォワード補償部6が出力するフィードフォワー
ドトルク指令値22に負荷補正定数Aを乗じて負荷トル
ク補正値27を算出して、加算器11と速度補正部12
に出力する。加算器11は負荷トルク補正値27を、位
置指令値生成手段4が出力する位置指令値θrに加算し
てフィードバック補償部5に出力する。なお、フィード
フォワード補償部6はクーロン摩擦トルク補償成分33
を含んでいてもよい。
【0094】速度補正部12は、負荷補正部9が出力す
る負荷トルク補正値27に式7の伝達関数と等価なフィ
ルタリング処理を行って速度補正値28を算出し、フィ
ードバック補償部5に含まれる速度指令値23に加算す
る。 s/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)・・・式7
【0095】ここで、分子のsは負荷トルク補正値27
を速度補正値28に変換するための微分項であり、分母
は負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含ま
れる高周波成分、並びに微分で生じる高周波成分を除去
するための項である。
【0096】実施の形態7によれば、フィードフォワー
ドトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍するこ
とで算出した負荷トルク補正値27を位置指令値θrに
加算すると共に、負荷トルク補正値27を微分して高周
波成分を除去するフィルタ処理を施してから速度指令値
23に加算しているため、フィードバック補償部5の応
答遅れの影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可
能となる。また、速度補正部12は負荷補正部9が出力
する負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分および
微分により生じる高周波成分を除去するため、振動の励
起を防止できる。
【0097】なお、実施の形態7では、速度補正部12
は、負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に対
して式7の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行っ
て速度補正値28を算出してフィードバック補償部5に
出力しているが、式8の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行う数値制御装置を構成することも可能であ
る。 s/(ρ・s+1)・・・式8
【0098】ここで、分子(s)は負荷トルク補正値2
7を速度補正値に変換するための微分項であり、分母は
負荷補正部9が出力する負荷トルク補正値27に含まれ
る高周波成分、並びに微分で生じる高周波成分を除去す
るための項である。
【0099】式8の伝達関数と等価なフィルタリング処
理は、式7の伝達関数と等価なフィルタリング処理に比
べると、簡単な計算で負荷1の弾性変形誤差を、応答遅
れなく、かつ振動を励起することなく補正することがで
きる。
【0100】また、式9の伝達関数と等価なフィルタリ
ング処理を行う数値制御装置を構成することも可能であ
る。 {(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/{ρ・Kv・s2+(ρ・Kv・K vi+Kv)s+Kv・Kvi}・・・式9
【0101】式9を補足する。図11は、負荷1とモー
タ2を単純な積分器(1/s)に置き換えた場合のフィ
ードバック補償部5に含まれる速度ループのブロック線
図である。このとき、入力Xから出力Yまでの伝達関数
は下記の式10で表される。 (Kv・s+Kv・Kvi)/{(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}・・ ・式10
【0102】したがって、ある信号に遅れなく出力Yを
追従させるためには、式11で表される伝達関数を入力
Xに掛ければよい。 {(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/(Kv・s+Kv・Kvi)・・・式 11
【0103】式11に、負荷トルク補正値27に含まれ
る高周波成分を除去するローパス特性を持たせるよう
に、1/(ρs+1)を掛けることにより、式9が得ら
れる。
【0104】また、式12の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行う数値制御装置を構成することも可能で
ある。 {(Kv+1)s2+Kv・Kvi・s}/{ρ2・Kv・s3+(ρ2・Kv・ Kvi+ρ・ζ・Kv)s2+(ρ・ζ・Kv・Kvi+Kv)s+Kv・Kv i}・・・式12
【0105】式12は、フィードバック補償部5の応答
遅れを補償する伝達関数である式11に、負荷トルク補
正値27に含まれる高周波成分を除去するための2次の
ローパスフィルタ、1/(ρ2・s2+ρ・ζ・s+1)
を掛けることにより得られる。
【0106】式9、式12の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行って位置補正値26を算出して加算器1
1に出力すると、フィードバック補償部5の応答遅れの
影響を受けない高精度な位置指令値の補正が可能であ
る。また、負荷トルク補正値27に含まれる高周波成分
を効率良く除去するため、振動の励起を防止できる。
【0107】実施の形態8.実施の形態7では、負荷ト
ルク補正値27を加算器11に直接入力すると共に、負
荷トルク補正値27を速度補正部12に入力し、高周波
成分を除去して速度補正値28を算出してフィードバッ
ク補償部5における速度指令値23に加算しているが、
更に速度補正値28を微分し、かつ、所定の定数を乗じ
てトルク補正値にして、電流補償部8に入力されるトル
ク指令値に加算する数値制御装置を構築することも可能
である。
【0108】実施の形態8における速度補正部12は、
図12に示されているように、負荷補正部9が出力する
負荷トルク補正値27を微分し、かつ、高周波成分を除
去して速度補正値28を生成して、フィードバック補償
部5に含まれる速度指令値23に加算すると共に、速度
補正値28を微分部13に出力する。微分部13は速度
補正値28を微分し、かつ、所定の定数(η)を乗じて
トルク補正値30を算出して、フィードバック補償部5
が生成するフィードバックトルク指令値25と、フィー
ドフォワード補償部6が算出するフィードフォワードト
ルク指令値22の和に加算し、駆動トルク指令値29を
算出して電流補償部8に入力している。
【0109】実施の形態8によれば、フィードフォワー
ドトルク指令値22を定数(負荷補正定数A)倍するこ
とで算出した負荷トルク補正値27を位置指令値θrに
加算すると共に、負荷トルク補正値27を微分して高周
波成分を除去するフィルタ処理を施して速度補正値28
を算出し、速度指令値23に加算する。更に速度補正値
28を微分して所定定数を乗じてトルク補正値30を算
出し、駆動トルク指令値29を生成しているため、フィ
ードバック補償部5の応答遅れの影響を受けない高精度
な位置指令値の補正が可能となる。なお、実施の形態8
においても、式7の伝達関数の他に、式8、9、12の
伝達関数を用いることができる。
【0110】実施の形態9.実施の形態1から8では、
負荷補正部9はバネ定数(剛性)を固定値K0としてい
たが、バネ定数が負荷1の位置θlに依存して変動する
場合には、負荷補正部9がバネ定数を変数として負荷ト
ルク補正値27を算出する数値制御装置を構成すること
も可能である。図13は実施の形態9にかかる数値制御
装置の構成を示すブロック図である。各部には図2の相
当部分と同一符号を付して説明を省略する。
【0111】負荷補正部9bは、フィードフォワード補
償部6が出力するフィードフォワードトルク指令値22
に、位置指令値生成部4が出力する位置指令値θrに対
応して変化する推定剛性K0(θr)を含む負荷補正係
数J0l/{K0(θr)・(J0l+J0m)}を乗
じて負荷トルク補正値27を算出し、位置補正部10に
出力する。推定剛性K0(θr)は、予め負荷補正部9
bに設定しておく。
【0112】実施の形態9によれば、負荷補正部9b
が、フィードフォワード補償部6が出力するフィードフ
ォワードトルク指令値22に、位置指令値生成部4が出
力する位置指令値θrに対応して変化する推定剛性K0
(θr)を含む負荷補正係数を乗じて負荷トルク補正値
27を算出するため、負荷1の剛性が負荷1の位置θl
に依存して変化する場合でも、負荷1の剛性の変化に応
じた負荷補正が実施され、高精度に負荷1を制御するこ
とができる。
【0113】なお、実施の形態9では、実施の形態1に
かかる負荷補正部9の代わりに、位置指令値θrに対応
して変化する推定剛性K0(θr)を含む負荷補正係数
を乗じて負荷トルク補正値27を算出する負荷補正部9
bを設けているが、実施の形態2から実施の形態8にか
かる負荷補正部9を負荷補正部9bに変更することによ
り、同様な効果を奏することができる。
【0114】
【発明の効果】本発明にかかる数値制御装置は、負荷と
所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に基づ
いて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置指令
値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学的特
性値を用いて処理することによりフィードフォワードト
ルク指令値を生成するフィードフォワード補償部と、フ
ィードフォワードトルク指令値と所定の結合特性から負
荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷ト
ルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基
づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位
置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段
と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて
処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィー
ドバック補償部と、フィードフォワードトルク指令値と
フィードバックトルク指令値を加算し、モータの駆動ト
ルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えているこ
とにより、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指
令値の補正が可能である。
【0115】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでいる
ことにより、慣性トルクの補償を高精度に行うことが出
来る。
【0116】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでい
ることにより、粘性摩擦トルクの補償を高精度に行うこ
とが出来る。
【0117】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでいることによ
り、クーロン摩擦トルクの補償を高精度に行うことが出
来る。
【0118】また、負荷と所定の結合特性で連結されか
つ駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置
指令値を生成する位置指令値生成部と、位置指令値を負
荷およびモータの力学的特性値を用いて処理することに
よりフィードフォワードトルク指令値とフィードフォワ
ードトルク補償値を生成するフィードフォワード補償部
と、フィードフォワードトルク補償値と所定の結合特性
から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、
負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関
数に基づいて処理し、位置補正値を生成する位置補正部
と、位置指令値と位置補正値の加算値を求める第1の加
算手段と、加算値を位置指令値とモータの位置検出値を
用いて処理し、フィードバックトルク指令値を生成する
フィードバック補償部と、フィードフォワードトルク指
令値とフィードバックトルク指令値を加算し、モータの
駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えて
いることにより、振動の励起を防止しながら、高精度な
位置指令値の補正が可能である。
【0119】また、フィードフォワードトルク補償値
は、負荷の慣性モーメントと位置指令値の2階微分値か
ら求まる負荷周りの慣性トルク補償成分と、負荷の粘性
摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まる負荷周り
の粘性摩擦トルク補償成分を含んでいることにより、高
精度な位置指令値の補正が可能である。
【0120】また、フィードフォワードトルク補償値
は、モータの慣性モーメントと位置指令値の2階微分値
から求まるモータ周りの慣性トルク補償成分と、モータ
の粘性摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるモ
ータ周りの粘性摩擦トルク補償成分を含んでいることに
より、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0121】また、フィードフォワードトルク補償値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでいることによ
り、高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0122】また、本発明にかかる数値制御装置は、負
荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に
基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置
指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学
的特性値を用いて処理することによりフィードフォワー
ドトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部
と、駆動トルク指令値と所定の結合特性から負荷トルク
補正値を生成する負荷トルク補正部と、負荷トルク補正
値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処
理し、位置補正値を生成する位置補正部と、位置指令値
と位置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、加算
値を位置指令値とモータの位置検出値を用いて処理し、
フィードバックトルク指令値を生成するフィードバック
補償部と、フィードフォワードトルク指令値とフィード
バックトルク指令値を加算し、モータの駆動トルク指令
値を生成する第2の加算手段を、備えていることによ
り、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令値の
補正が可能である。
【0123】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでいる
ことにより慣性トルクを高精度に補償することができ
る。
【0124】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでい
ることにより、粘性摩擦トルクを高精度に補償すること
ができる。
【0125】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでいることによ
り、クーロン摩擦トルクを高精度に補償することができ
る。
【0126】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b1,b
0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0127】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b2,b
1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0128】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a2,a1,a0,b
2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
s+b0)
【0129】また、本発明にかかる数値制御装置は、負
荷と所定の結合特性で連結されかつ駆動トルク指令値に
基づいて制御可能なモータの位置指令値を生成する位置
指令値生成部と、位置指令値を負荷およびモータの力学
的特性値を用いて処理することによりフィードフォワー
ドトルク指令値を生成するフィードフォワード補償部
と、フィードフォワードトルク指令値と所定の結合特性
から負荷トルク補正値を生成する負荷トルク補正部と、
負荷トルク補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関
数に基づいて処理し、速度補正値を生成する速度補正部
と、位置指令値と負荷トルク補正値の加算値を求める第
1の加算手段と、加算値を位置指令値と速度補正値とモ
ータの位置検出値を用いて処理し、フィードバックトル
ク指令値を生成するフィードバック補償部と、フィード
フォワードトルク指令値と前記フィードバックトルク指
令値を加算し、モータの駆動トルク指令値を生成する第
2の加算手段を、備えていることにより、振動の励起を
防止しながら、高精度な位置指令値の補正が可能であ
る。
【0130】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の
2階微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでいる
ことにより、慣性トルクを高精度に補償できる。
【0131】また、フィードフォワードトルク指令値
は、負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1
階微分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでい
ることにより、粘性摩擦トルクを高精度に補償できる。
【0132】また、フィードフォワードトルク指令値
は、クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求
まるクーロン摩擦トルク補償成分を含んでいることによ
り、クーロン摩擦トルクを高精度に補償できる。
【0133】また、速度補正部が生成した速度補正値の
一次微分値を生成する微分部を備え、第2の加算手段は
この一次微分値から求まるトルク補正値をさらに加算し
てモータの駆動トルクの指令値を生成することにより、
高精度な位置指令値の補正が可能である。
【0134】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b1,b
0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
【0135】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a1,a0,b2,b
1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
【0136】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a2,a1,a0,b
2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
s+b0)
【0137】また、負荷トルク補正値を処理する所定の
伝達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されること
により、振動の励起を防止しながら、高精度な位置指令
値の補正が可能である。次式で、a2,a1,a0,b
3,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表
す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b3・s3+b2・
2+b1・s+b0)
【0138】また、所定の結合特性は、位置指令値に依
存する変数として表されることにより、負荷とモータの
剛性を表すバネ定数Kの値が、負荷の位置に依存して変
化する現象に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる数値制御装置が適用可能なテー
ブル駆動系を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図3】位置補正部の効果を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態5にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態6にかかる数値制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図9】伝達関数を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態7にかかる数値制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図11】伝達関数を説明するためのブロック図であ
る。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる数値制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態9にかかる数値制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図14】従来の数値制御装置の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 負荷、2 モータ、3 位置検出部、4 位置指令
値生成部、5 フィードバック補償部、6 フィードフ
ォワード補償部、8 電流補償部、9 負荷補正部、1
0 位置補正部、11 加算器、12 速度補正部、1
3 微分部、21 フィードフォワードトルク補償値、
22 フィードフォワードトルク指令値、23 速度指
令値、24 加算器、25 フィードバックトルク指令
値、26 位置補正値、27 負荷トルク補正値、28
速度補正値、29 駆動トルク指令値、30 トルク
補正値、31 慣性トルク補償成分、32 粘性摩擦ト
ルク補償成分、33 クーロン摩擦トルク補償成分、3
4 負荷周りのトルク補償成分、35 モータ周りのト
ルク補償成分、θr 位置指令値、θm 位置検出値、
θl 負荷の位置、Jl 負荷の慣性モーメント、Jm
モータの慣性モーメント、Cl 負荷の粘性摩擦係
数、Cmモータの粘性摩擦係数、F0 クーロン摩擦補
償トルク、K バネ定数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C001 KA01 KB10 TA04 TA05 TB01 TB05 TB06 5H004 GB20 HA07 HA14 HB07 HB14 KB02 KB04 KB06 KB31 5H269 BB03 CC01 DD01 EE01 EE03 GG01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆
    動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令
    値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前
    記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理す
    ることによりフィードフォワードトルク指令値を生成す
    るフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワー
    ドトルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク補
    正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補
    正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づいて
    処理し、位置補正値を生成する位置補正部と、前記位置
    指令値と前記位置補正値の加算値を求める第1の加算手
    段と、前記加算値を前記位置指令値と前記モータの位置
    検出値を用いて処理し、フィードバックトルク指令値を
    生成するフィードバック補償部と、前記フィードフォワ
    ードトルク指令値と前記フィードバックトルク指令値を
    加算し、前記モータの駆動トルク指令値を生成する第2
    の加算手段を、備えてなる数値制御装置。
  2. 【請求項2】 フィードフォワードトルク指令値は、負
    荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の2階微
    分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなることを
    特徴とする請求項1記載の数値制御装置。
  3. 【請求項3】 フィードフォワードトルク指令値は、負
    荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1階微分
    値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでなること
    を特徴とする請求項2記載の数値制御装置。
  4. 【請求項4】 フィードフォワードトルク指令値は、ク
    ーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるク
    ーロン摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴とす
    る請求項3記載の数値制御装置。
  5. 【請求項5】 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆
    動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令
    値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前
    記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理す
    ることによりフィードフォワードトルク指令値とフィー
    ドフォワードトルク補償値を生成するフィードフォワー
    ド補償部と、前記フィードフォワードトルク補償値と前
    記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する負荷
    トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝達関
    数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補正値
    を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位置補
    正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算値を
    前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて処理
    し、フィードバックトルク指令値を生成するフィードバ
    ック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令値と
    前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モータ
    の駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、備え
    てなる数値制御装置。
  6. 【請求項6】 フィードフォワードトルク補償値は、負
    荷の慣性モーメントと位置指令値の2階微分値から求ま
    る負荷周りの慣性トルク補償成分と、負荷の粘性摩擦係
    数と位置指令値の1階微分値から求まる負荷周りの粘性
    摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴とする請求
    項5記載の数値制御装置。
  7. 【請求項7】 フィードフォワードトルク補償値は、モ
    ータの慣性モーメントと位置指令値の2階微分値から求
    まるモータ周りの慣性トルク補償成分と、モータの粘性
    摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるモータ周
    りの粘性摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴と
    する請求項6記載の数値制御装置。
  8. 【請求項8】 フィードフォワードトルク補償値は、ク
    ーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まるク
    ーロン摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴とす
    る請求項6記載の数値制御装置。
  9. 【請求項9】 負荷と所定の結合特性で連結されかつ駆
    動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指令
    値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を前
    記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理す
    ることによりフィードフォワードトルク指令値を生成す
    るフィードフォワード補償部と、前記駆動トルク指令値
    と前記所定の結合特性から負荷トルク補正値を生成する
    負荷トルク補正部と、前記負荷トルク補正値を所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数に基づいて処理し、位置補
    正値を生成する位置補正部と、前記位置指令値と前記位
    置補正値の加算値を求める第1の加算手段と、前記加算
    値を前記位置指令値と前記モータの位置検出値を用いて
    処理し、フィードバックトルク指令値を生成するフィー
    ドバック補償部と、前記フィードフォワードトルク指令
    値と前記フィードバックトルク指令値を加算し、前記モ
    ータの駆動トルク指令値を生成する第2の加算手段を、
    備えてなる数値制御装置。
  10. 【請求項10】 フィードフォワードトルク指令値は、
    負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の2階
    微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなること
    を特徴とする請求項9記載の数値制御装置。
  11. 【請求項11】 フィードフォワードトルク指令値は、
    負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1階微
    分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでなるこ
    とを特徴とする請求項10記載の数値制御装置。
  12. 【請求項12】 フィードフォワードトルク指令値は、
    クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まる
    クーロン摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴と
    する請求項11記載の数値制御装置。
  13. 【請求項13】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の数
    値制御装置。次式で、a1,a0,b1,b0は定数、
    sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
  14. 【請求項14】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の数
    値制御装置。次式で、a1,a0,b2,b1,b0は
    定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
  15. 【請求項15】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の数
    値制御装置。次式で、a2,a1,a0,b2,b1,
    b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
    s+b0)
  16. 【請求項16】 負荷と所定の結合特性で連結されかつ
    駆動トルク指令値に基づいて制御可能なモータの位置指
    令値を生成する位置指令値生成部と、前記位置指令値を
    前記負荷および前記モータの力学的特性値を用いて処理
    することによりフィードフォワードトルク指令値を生成
    するフィードフォワード補償部と、前記フィードフォワ
    ードトルク指令値と前記所定の結合特性から負荷トルク
    補正値を生成する負荷トルク補正部と、前記負荷トルク
    補正値を所定の伝達関数と所定のフィルタ関数に基づい
    て処理し、速度補正値を生成する速度補正部と、前記位
    置指令値と前記負荷トルク補正値の加算値を求める第1
    の加算手段と、前記加算値を前記位置指令値と前記速度
    補正値と前記モータの位置検出値を用いて処理し、フィ
    ードバックトルク指令値を生成するフィードバック補償
    部と、前記フィードフォワードトルク指令値と前記フィ
    ードバックトルク指令値を加算し、前記モータの駆動ト
    ルク指令値を生成する第2の加算手段を、備えてなる数
    値制御装置。
  17. 【請求項17】 フィードフォワードトルク指令値は、
    負荷とモータの慣性モーメントの和と位置指令値の2階
    微分値から求まる慣性トルク補償成分を含んでなること
    を特徴とする請求項16記載の数値制御装置。
  18. 【請求項18】 フィードフォワードトルク指令値は、
    負荷とモータの粘性摩擦係数の和と位置指令値の1階微
    分値から求まる粘性摩擦トルク補償成分を含んでなるこ
    とを特徴とする請求項17記載の数値制御装置。
  19. 【請求項19】 フィードフォワードトルク指令値は、
    クーロン摩擦係数と位置指令値の1階微分値から求まる
    クーロン摩擦トルク補償成分を含んでなることを特徴と
    する請求項18記載の数値制御装置。
  20. 【請求項20】 速度補正部が生成した速度補正値の一
    次微分値を生成する微分部を備え、第2の加算手段はこ
    の一次微分値から求まるトルク補正値をさらに加算して
    モータの駆動トルク指令値を生成することを特徴とする
    請求項16記載の数値制御装置。
  21. 【請求項21】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の
    数値制御装置。次式で、a1,a0,b1,b0は定
    数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b1・s+b0)
  22. 【請求項22】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の
    数値制御装置。次式で、a1,a0,b2,b1,b0
    は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a1・s+a0)/(b2・s2+b1・s+b0)
  23. 【請求項23】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の
    数値制御装置。次式で、a2,a1,a0,b2,b
    1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b2・s2+b1・
    s+b0)
  24. 【請求項24】 負荷トルク補正値を処理する所定の伝
    達関数と所定のフィルタ関数は、次式で表されることを
    特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の
    数値制御装置。次式で、a2,a1,a0,b3,b
    2,b1,b0は定数、sはラプラス演算子を表す。 (a2・s2+a1・s+a0)/(b3・s3+b2・
    2+b1・s+b0)
  25. 【請求項25】所定の結合特性は、位置指令値に依存す
    る変数として表されることを特徴とする請求項1から2
    4のいずれか一項に記載の数値制御装置。
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