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JP4944806B2 - 位置制御装置 - Google Patents

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JP4944806B2 JP2008013266A JP2008013266A JP4944806B2 JP 4944806 B2 JP4944806 B2 JP 4944806B2 JP 2008013266 A JP2008013266 A JP 2008013266A JP 2008013266 A JP2008013266 A JP 2008013266A JP 4944806 B2 JP4944806 B2 JP 4944806B2
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Description

本発明は、数値制御機械の軸制御に適用される位置制御装置に関するものである。
従来から、機台部上に駆動体を加減速動作させる駆動系が支持固定され、駆動体の反力によって機台部に発生する力変位を補償する制御装置が用いられている。図11は、数値制御機械の一つである工作機械における駆動系の概略機構を1軸分示した駆動系モデルである。駆動体Cは、サーボモータ(図示しない)により駆動力Fxを受けて、案内面を兼ねた構造体B上を、x2方向に移動する構造になっている。構造体Bの両側に配置された構造体Aは、構造体Bを支持固定するもので、各々の片側は地面にリジットに固定設置されている。更に、駆動体Cをx2方向に加減速動作させると駆動体Cからの反力を受けて機台部である構造体Aが、x1方向に撓み且つ振動を発生する。尚、構造体Bには、駆動体位置x2を検出するリニアスケール(図示しない)が設置されている。
次に、図11の駆動系モデルを対象プラントと見なして、その運動方程式を導出する。この場合、一般化座標系として、駆動体位置x2,機台変位x1をとればよく、次の2個の運動方程式が得られる。
(Mb+Mc)・d21/dt2−Mc・d22/dt2+Ra・x1=0・・・(1)
Mc{d22/dt2−d21/dt2}=Fx・・・(2)
なお、Mbは構造体Bの質量Mb、Mcは駆動体Cの質量Mc、Raは構造体Aのx1方向剛性Raである。
さらに、図12は、対象プラントに対する(1)式,(2)式の運動方程式をブロック図に表したものであり、後述する本発明に係る実施形態において詳細に説明する。
図13は、従来位置制御装置のブロック図である。上位装置(図示しない)より関数発生された位置指令値Xは、加減速処理部50に入力される。加減速処理部50の出力である位置指令値Xcは、Xの時間微分dX/dtがステップ状であっても、dXc/dtの2階時間微分が有界に定まる様に、加減速処理部50で、2次関数型加減速処理が加えられる。また、位置指令応答の高速化を図るため、位置指令値Xcを微分器54,55(Sはラプラス変換の演算子である)で時間微分して、指令速度,指令加速度のフィードフォワード量Vf,Afが導出される。換算ブロックCbは、加速度Afを発生させるモータ推力に相当する推力フィードフォワード量Ffを求める換算ブロックであり、換算ブロックCbは通常、駆動体Cの質量Mcを加速度Afに乗ずることで代用される。
対象プラント58の位置検出値には、前述のリニアスケールで検出された駆動体位置x2を用いる。駆動体位置x2は、減算器51により、位置指令値Xcから減算され、その出力である位置偏差は位置偏差増幅器GpでGp倍に増幅され、その出力は前記Vfと加算器52で加算されて速度指令値Vとなる。減算器53では、Vから、駆動体位置x2を微分器56で時間微分した駆動体速度vが減算され、その出力である速度偏差は、速度偏差増幅器Gvで増幅される。Gvは、一般に比例積分増幅器や対象プラントの数百Hzオーダで発生する高周波振動現象を抑制するための各種フィルタで構成される。Gvの出力と前記Ffが加算器57で加算されて、この加算器出力がモータ発生推力、つまりは、駆動体Cの駆動力Fxになる。
図14は、対象プラントパラメータを、Mb=500[Kg],Mc=300[Kg],Ra=19.6・106[Nm/m]と設定し、制御パラメータである前述のGpやGvを好適に調整した時の、図13の従来位置制御装置の2次関数型加速応答(最大加速度2[m/sec2])をシミュレーションした結果である。この場合の位置制御装置200は、図11より、対象プラントの駆動体絶対位置x2−x1を、位置指令値Xc通りに制御することが目的であるが、図13の位置制御装置200では、機台変位x1に対する配慮がないため、図14において加速中に大きな絶対位置誤差εo=Xc−(x2−x1)が発生している。
図15は、従来位置制御装置の他の一例のブロック図である。これは、特許文献1で開示された機台変位x1に対する補償ブロックを付加した構成になっている。以下、付加した部分のみの構成を説明する。
図15の機台振動モニタ対応ブロック59は、特許文献1の機台振動モニタに対応するブロックである。本例の場合は、機台振動にダンピング要素が存在しないため、この部分の動作が特許文献1によると、Xsw=McS2/(MbS2+Ra)Xcとなって不安定伝達関数化するため、等加速度下での動作を重視して、Xsw=(McS2/Ra)Xcとしている。ここで、Xswは機台振動補償指令値である。Xswは加算器60でXcと加算されて、制御上の位置指令値Xcoになる。一方で、Xswは微分器61,63で時間微分されて、機台振動補償速度指令値Vsw,機台振動補償加速度指令値Aswが導出される。Vswは加算器62でVfに加算され、Aswは駆動体質量Mcを乗じて、機台振動補償推力指令値Fswとなって、加算器64でFfと加算される。
図16は、図15の従来位置制御装置に、図14と同様の対象プラントパラメータ,制御パラメータ,2次関数型加速処理を与えた時の応答をシミュレーションした結果である。機台変位を補償する制御構造をとっているため、絶対位置誤差εoは縮小しているが、機台振動にダンピングが存在しないため、加々速度指令値Bc(=d3Xc/dt3)が発生する加速の開始と終了点で振動が残留する応答となり、且つ、Bcが大きくなるほど振動も大きくなる。
図17は、従来位置制御装置のまた別の一例のブロック図である。これは、非特許文献1で発表された技術を適用したもので、対象プラントの逆伝達関数を用いて推力フィードフォワードを実現し、機台振動の抑制を図っている。以下、これまで説明した従来位置制御装置と異なる部分について説明する。
伝達関数P2は、駆動力Fxから駆動体位置x2までの伝達関数を示しており、図12から、(3)式で与えられる。
2={(Mb+Mc)S2+Ra}/{McS2(MbS2+Ra)}・・・(3)
ここで、P2の逆伝達関数P2 -1は安定でないため、一次遅れ要素の安定極(S=−ωo)を持つ、P2 -1・Fを設定するために、(4)式で示す伝達関数Fを考える。
F={ωo/(S+ωo)}{(Mb+Mc)S2+Ra}/Ra・・・(4)
よって、P2 -1・Fは、
2 -1・F={ωoMcS2(MbS2+Ra)}/{(S+ωo)Ra}・・・(5)
となって、Ff=P2 -1・F・Xcで演算され、図11の推力フィードフォワード量Ffは、位置指令値Xcの3階時間微分が有界に定まることから演算可能になる。
図18は、パラメータωo=10000に設定した図17の従来位置制御装置に、図14と同様の対象プラントパラメータ,制御パラメータ,2次関数型加速処理を与えた時の応答をシミュレーションした結果である。原理的に駆動体位置x2が、制御上の位置指令値Xcoに一致する様に構成しているため、応答の非振動化は達成できているが、速度指令値Vc≠0だと、位置指令偏差εc=Xc−Xcoの発生により、軸動作中は絶対位置誤差εoが残る。
特開2007−025961号公報 山本暁洋、他4名,「機台振動の抑制を図ったリニアモータ駆動テーブルの高速位置決め制御」,精密工学会誌,社団法人精密工学会,平成16年,Vol.70,No.5,p.645−650
上述した様に、駆動体を支持固定する機台部の剛性に起因した振動及び機台変位の発生に対して、従来の位置制御装置では、これらを共に考慮して、駆動体位置を正確に制御することができなかった。本発明が解決しようとする課題は、加減速時においても、駆動体の振動を抑制でき、且つ、位置指令に対する駆動体位置の追従誤差を縮小化できる位置制御装置を提供することである。さらに、本発明が解決しようとする課題は、機械各部の振動誘発防止と、機械パラメータ変動時の振動抑制と、を実現する位置制御装置を提供することである。
本発明は、駆動体を無振動動作させるための推力フィードフォワード構造と、この構造により発生する位置偏差及び機台変位により発生する位置偏差を、同時に補償する制御構造を位置制御装置に加えることで前記課題を解決するものである。
本発明に係る位置制御装置は、駆動体を加減速動作させる駆動系が機台部によって支持固定され、駆動体の反力によって機台部に発生する力変位を補償する制御装置であって、サーボモータにより駆動される駆動体位置(x2)を検出することで、上位装置からの位置指令値(X)に従って制御上の位置指令値(Xco)を算出し、算出した制御上の位置指令位置(Xco)に基づきサーボモータの駆動力(Fx)を算出し、駆動体絶対位置を制御する位置制御装置において、前記位置指令値(X)を入力として、前記位置指令値(X)に対して3階時間微分値が有界に定められる加減速処理を加えた加減速処理後位置指令値(Xc)および加減速処理後位置指令値(Xc)の時間微分値である加速度指令値(Ac)を出力する加減速処理部(1)と、前記加減速処理後位置指令値(Xc)に基づく補償後位置指令値(Xc*)に調整伝達関数(M)を乗じて、前記制御上の位置指令値(Xco)を出力する位置指令値出力部と、前記加減速処理後位置指令値(Xc)に基づく補償後位置指令値(Xc*)と前記調整伝達関数(M)とから振幅抑制を図るための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力(Fx)に加算する推力フィードフォワード演算部と、前記加減速処理部(1)から出力された加速度指令値(Ac)と機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)とから、前記調整伝達関数(M)による位置指令偏差と機台変位とを補償する位置偏差補償量(α(Xc))を演算する位置偏差補償量演算部と、前記加減速処理後位置指令値(Xc)から前記位置偏差補償量(α(Xc))を減算し、前記補償後位置指令値(Xc*)を算出する減算器(2)と、を有し、前記加減速処理後位置指令値(Xc)から前記調整伝達関数(M)により発生する位置指令偏差と機台部変位とを補償する前記位置偏差補償量(α(Xc))を減算した前記補償後位置指令値(Xc*)を算出し、算出した前記補償後位置指令値(Xc*)に前記調整伝達関数(M)を乗じて前記制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、前記補償後位置指令値(Xc*)と前記調整伝達関数(M)から振動抑制を図るための前記推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする。
また、本発明に係る位置制御装置において、前記位置偏差補償量演算部は、前記加速度指令値(Ac)と機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)と駆動体の質量(Mc)から、前記調整伝達関数(M)により発生する位置指令偏差を補償する前記位置偏差補償量(α(Xc))を演算ることを特徴とする。
また、本発明に係る位置制御装置は、駆動体を加減速動作させる駆動系が機台部によって支持固定され、駆動体の反力によって機台部に発生する力変位を補償する制御装置であって、サーボモータにより駆動される駆動体位置(x2)を検出することで、上位装置からの位置指令値(X)に従って制御上の位置指令値(Xco)を算出し、算出した制御上の位置指令値(Xco)に基づきサーボモータの駆動力(Fx)を算出し、駆動体絶対位置を制御する位置制御装置において、前記位置指令値(X)を入力として、前記位置指令値(X)に対して2階時間微分値が有界に定められる加減速処理を加えた加減速処理後位置指令値(Xc)を出力する加減速処理部(50)と、機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)とに基づき、サーボモータによって出力される駆動力(Fx)と駆動力により得られる駆動位置(X1,X2)との関係を伝達関数(P1,P2)で表し、その伝達関数の伝達極をノッチ角周波数としたノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))を備え、前記加減速処理部(50)から出力された加減速処理後位置指令値(Xc)をフィルタ処理し制御上の位置指令値(Xco)として出力するフィルタ処理部と、前記制御上の位置指令値(Xco)と駆動体の質量(Mc)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体絶対位置(X2−X1)に制御するための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力(Fx)に加算する推力フィードフォワード演算部と、前記加減速処理後位置指令値(Xc)と駆動体の質量(Mc)と前記ノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))と前記伝達関数(P1)とから機台変位を演算し、前記制御上の位置指令値(Xco)に加算して駆動体位置(X2)に対応する修正した制御上の位置指令値(Xco*)を演算する修正位置指令値演算部と、を有し、加減速処理後位置指令値(Xc)をノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))によりフィルタ処理した制御上の位置指令値(Xco)とノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))に基づき演算した機台変位とを加算して修正した制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、制御上の位置指令値(Xco)と駆動体の質量(Mc)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体絶対位置に制御するための推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする。
さらに、本発明に係る位置制御装置において、前記フィルタ処理部の加減速処理関数(Hr(s))は、機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)と駆動体の質量(Mc)とに基づき、サーボモータによって出力される駆動力(Fx)と駆動力により得られる駆動体位置(x2)との関係を伝達関数で表し、その伝達関数の伝達零点をノッチ角周波数としたノッチフィルタ構造の加減速処理関数(Hr(s))であり、前記推力フィードフォワード演算部は、加減速処理後位置指令値(Xc)と前記加減速処理関数(Hr(s))と前記伝達関数(P2)から、位置指令値(Xco)を駆動体位置(X2)として制御するための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力に加算するものであり、加減速処理後位置指令値(Xc)をノッチフィルタ構造の加減速処理関数(Hr(s))によりフィルタ処理した制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、加減速処理後位置指令値(Xc)と加減速処理関数(Hr(s))と前記伝達関数(P2)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体位置に制御するための推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする。

本発明による位置制御装置によれば、駆動体を制御上の位置指令値通りに制御する推力フィードフォワード構造と、この構造の導入により発生する位置指令偏差と機台変位により発生する位置偏差を、同時且つ精密に補償する位置偏差補償構造を有することで、加減速を含む軸動作中において、発生振動を抑制した上で、対象プラントの駆動体絶対位置x2−x1を、位置指令値Xc通りに高精度に追従動作させることができるという効果がある。また、加速度指令値Acや加々速度指令値Bcの大きさに応じて好適に制御量が可変されるため、これらの大きさによらず、高い制御効果を得ることができるという効果がある。
さらに、本発明による位置制御装置は、駆動体を制御上の位置指令値通りに制御するための推力や速度のフィードフォワード構造を持ち、且つ、位置指令値に導入影響が軽微なノッチフィルタ構造の加減速処理を加えることで制御上の位置指令値を算出する。これにより、各種フィードフォワード量は非振動化され、駆動体位置及び機台変位応答を非振動且つ高精度に制御できる。更に、駆動体位置及び機台変位応答を非振動化したことで、機械各部の振動が誘発されることはなく、機械パラメータ変動時においても高い振動抑制効果を維持できるという効果がある。
以下、本発明を実施するために最良な形態の例(以下実施例という)を用いて説明する。本実施例で特徴的なことの一つは、調整伝達関数M(s)を用いて、推力フィードフォワードFf=P2 -1M・Xcで振動抑制を図ることである。原理的に駆動体位置x2は、制御上の位置指令値Xco=M・Xcと一致するから、Xcとは一致しない。そこで、補償後位置指令値Xc*を導入して、Xco=M・Xc*と構成し、Ff=P2 -1M・Xc*を決定する。更に、M(s)により発生する位置指令上の偏差Xc*−Xcoと、機台変位x1による位置偏差を、同時に補償する位置偏差補償構造を有する形態をとる。
対象プラントの駆動体絶対位置x2−x1を、位置指令値Xc通りに制御することを考える。そこで、振動抑制と位置偏差補償を両立させるための制約事項を検討すると次の(制約a)〜(制約c)に示す事項となる。
(制約a):調整伝達関数M(s)は必須で、安定多項式Go(s)を用い、(6)式で表現できること。
M={(Mb+Mc)S2+Ra}/Go・・・(6)
(制約b):(7)式の推力フィードフォワードFfが演算できること。
Ff=P2 -1M・Xc*=({McS2(MbS2+Ra)}/Go)Xc*・・・(7)
ここで、x2=Xco=M・Xc*=({(Mb+Mc)S2+Ra}/Go)Xc*、図12より、x1/x2=McS2/{(Mb+Mc)S2+Ra}だから、x1=(McS2/Go)Xc*となるため、駆動体絶対位置x2−x1は(8)式で表現できる。
2−x1={(MbS2+Ra)/Go}Xc*・・・(8)
そこで、位置偏差補償量を本来の位置指令値Xcの関数としてα(Xc)、更に、XcとXc*の関係をXc*=Xc−α(Xc)と定義した位置偏差補償構造を考える。すると、位置偏差補償の制約は、
Xc−(x2−x1)={Xc−Xc*}+{Xc*−(x2−x1)}
=α(Xc)+{(Go−MbS2−Ra)/Go}Xc*
=α(Xc)+{(Go−MbS2−Ra)/Go}{Xc−α(Xc)}
=0・・・(9)
となり、(9)式をα(Xc)について解けば、
(制約c):位置偏差補償量α(Xc)は、(10)式を満たすこと。
α(Xc)={(MbS2+Ra−Go)/(MbS2+Ra)}Xc・・・(10)
を得る。
以上の制約事項の中で、(制約c)は、(10)式が安定有理関数でないため、厳密には満たせないが、実装可能な近似形式を用いて、次の(11)式でGo(s)とα(Xc)を決定する。
Go(s)=Ra,
α(Xc)=(S2/{S2+βS+(Ra/Mb)})Xc・・・(11)
但し、βは正実数の任意パラメータとする。β→0として行くと、位置偏差補償としての近似性が高まっていくが、位置偏差補償量α(Xc)は振動的になってゆく。
すると、M,P2 -1M,Xc*は、(6)式、(7)式などから、
M={(Mb+Mc)S2+Ra}/Ra・・・(12)
2 -1M={McS2(MbS2+Ra)}/Ra・・・(13)
Xc*=Xc−(S2/{S2+βS+(Ra/Mb)})Xc・・・(14)
となる。
図1は本発明による位置制御装置のブロック図である。以下、これまで説明した従来位置制御装置と異なる部分について説明する。位置偏差補償量α(Xc)は、(11)式から、加速度指令値Ac(=d2Xc/dt2)を入力として構成する。前記より、補償後位置指令値Xc*は、位置指令値Xcから、位置偏差補償量α(Xc)を減算器2で減算して演算される。制御上の位置指令値Xcoは、前記より、Xco=M・Xc*と構成する。更に、推力フィードフォワードFfは、Ff=P2 -1M・Xc*で構成される。
ここで、実際の諸量の演算式は、(15),(16),(17)式で与えられる。
Ff=P2 -1M・Xc*
=({McS2(MbS2+Ra)}/Ra)(Xc−[S2/{S2+βS+(Ra/Mb)}]Xc)
=McAc+{McMbβS2/(Ra{S2+βS+(Ra/Mb)})}Bc・・・(15)
Xco=M・Xc*
=({(Mb+Mc)S2+Ra}/Ra){Xc−(S2/{S2+βS+(Ra/Mb)})Xc}
=Xc+[{(Mb+Mc)βS+(McRa/Mb)}/(Ra{S2+βS+(Ra/Mb)})]Ac・・・(16)
Vf=dXco/dt
=Vc+[{(Mb+Mc)βS+(McRa/Mb)}/(Ra{S2+βS+(Ra/Mb)})]Bc・・・(17)
但し、Bc=d3Xc/dt3である。
よって、加減速処理部1は、速度指令値Vc=dXc/dtの2階時間微分であるBc=d3Xc/dt3が有界に定まる様に、2次関数型加減速処理を位置指令値Xに対して加え、位置指令値Xcを出力する処理部になる。
図2は、図1の本発明による位置制御装置にパラメータβ=4を設定し、図14と同様の対象プラントパラメータ,制御パラメータを与えた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。尚、2次関数型加速処理は、前述の図14,図16,図18の2次関数型加速処理と、同等の条件を選んでいる。また、2次系の標準的な表現S2+2ζωnS+ωn2とS2+βS+(Ra/Mb)を対応させるとβ=4は、減衰率ζ=0.01に相当している。結果として、本発明による位置制御装置によれば、加減速時を含めて軸動作中の絶対位置誤差εoの発生量と振動が非常に小さく抑制できている。
上述した様に、本発明による位置制御装置によれば、駆動体を制御上の位置指令値通りに制御する推力フィードフォワード構造と、この構造の導入により発生する位置指令偏差と機台変位により発生する位置偏差を、同時且つ精密に補償する位置偏差補償構造を有することで、加減速を含む軸動作中において、発生振動を抑制した上で、対象プラントの駆動体絶対位置x2−x1を、位置指令値Xc通りに高精度に追従動作させることができる。また、加速度指令値Acや加々速度指令値Bcの大きさに応じて好適に制御量が可変されるため、これらの大きさによらず、高い制御効果を得ることができる。
次に、図11において、構造体B上での駆動体Cの位置を制御することが目的となる制御軸に、本発明による位置制御装置を適用する場合について説明する。この場合、位置指令値Xc通りに制御するのは、対象プラントの駆動体位置x2になる。ここで、振動抑制を成立するための制約は、前述の(制約a),(制約b)であり、更に位置偏差補償を成立させるための制約は、Xc*−x2=({Go−(Mb+Mc)S2−Ra}/Go)Xc*より、
Xc−x2={Xc−Xc*}+{Xc*−x2
=α(Xc)+({Go−(Mb+Mc)S2−Ra}/Go)Xc*
=α(Xc)+({Go−(Mb+Mc)S2−Ra}/Go){Xc−α(Xc)}=0・・・(18)
となり、(18)式をα(Xc)について解けば、
(制約d):位置偏差補償量α(Xc)は、(19)式を満たすこと。
α(Xc)=[{(Mb+Mc)S2+Ra−Go)}/{(Mb+Mc)S2+Ra)}]Xc・・・(19)
を得る。
実施例1同様に、(d)については、近似形式を用いて、次の(20)式でGo(s)とα(Xc)を決定する。
Go(s)=Ra,
α(Xc)=[S2/(S2+βS+{Ra/(Mb+Mc)})]Xc・・・(20)
すると、M,P2 -1Mは、(12)式,(13)式で、Xc*は、次の(21)式で表現できる。
Xc*=Xc−[S2/(S2+βS+{Ra/(Mb+Mc)})]Xc・・・(21)
図3は本発明による位置制御装置のブロック図である。補償後位置指令値Xc*が、(21)式で構成される点を除き、図1の実施例1と同じ構成になる。実際の諸量の演算式は、(22),(23),(24)式で与えられる。
Ff=P2 -1M・Xc*
=({McS2(MbS2+Ra)}/Ra)(Xc−[S2/{S2+βS+Ra/(Mb+Mc)}]Xc)
=McAc+{(MbMcβS2−{Mc2Ra/(Mb+Mc)}S)/(Ra{S2+βS+Ra/(Mb+Mc)})}Bc・・・(22)
Xco=M・Xc*
=({(Mb+Mc)S2+Ra}/Ra){Xc−(S2/{S2+βS+Ra/(Mb+Mc)})Xc}
=Xc+{(Mb+Mc)βS/(Ra{S2+βS+Ra/(Mb+Mc)})}Ac・・・(23)
Vf=dXco/dt
=Vc+{(Mb+Mc)βS/(Ra{S2+βS+Ra/(Mb+Mc)})}Bc・・・(24)
図4は、図3の本発明による位置制御装置4に、図2同様に、減衰率ζ=0.01相当のパラメータβを設定し、その他は図2と全く同じ条件を与えた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。結果として、加減速時を含めて軸動作中の位置誤差Xc−x2の発生量と振動が非常に小さく抑制できており、本発明による位置制御装置が、構造体B上での駆動体Cの位置を制御する場合に対しても、駆動体Cの絶対位置を制御する場合同様に有効であることがわかる。
本実施例で特徴的なことの一つは、駆動体位置及び機台変位応答の非振動化を図るために、各種フィードフォワード量や補償量を非振動化すべく、通常の加減速処理後の位置指令値に、更に、導入影響が軽微な加減速処理関数を処して、制御上の位置指令値が決定される形態をとることである。
本例では、対象プラントの駆動体絶対位置x2−x1を、位置指令値Xc通りに制御することを最終目的に考えるが、まず、2次関数型加減速処理後の位置指令値Xcを入力として、制御上の位置指令値Xcoを出力とする加減速処理関数H(s)を導入し、Xco=x2−x1と制御することを考えていく。尚、加減速処理関数H(s)の導入による影響については後述する。
図12より、駆動力Fxと駆動体絶対位置x2−x1の関係は(25)式で表される。
2−x1={1/(McS2)}Fx ・・・(25)
よって、Xco=x2−x1と制御するための推力フィードフォワード量Ffは(26)式となる。
Ff=McS2(x2−x1)=McS2Xco=McS2HXc ・・・(26)
このFfに対する駆動体位置x2と機台変位x1の応答は、(27),(28)式となる。
2=[{(Mb+Mc)S2+Ra}/{McS2(MbS2+Ra)}]McHAc ・・・(27)
1={1/(MbS2+Ra)}McHAc=McP1HAc ・・・(28)
但し、P1は、駆動力Fxから機台変位x1までの伝達関数を示しており、図12から、(29)式で与えられる。
1=1/(MbS2+Ra) ・・・(29)
よって、対応するフィードフォワード構成として、(30),(31)式を考える。
Xco*=Xco+x1=HXc+McS21HXc ・・・(30)
Vf=dXco*/dt=SHXc+McS21HSXc ・・・(31)
尚、Xco*は駆動体位置x2に対応する位置指令値である。
ここで、駆動体位置x2と機台変位x1の応答を非振動化し、且つ、導入影響を軽微にするため、(32)式で加減速処理関数H(s)を定義する。
H(s)=(MbS2+DS+Ra)/(MbS2+αS+Ra) ・・・(32)
但し、α,Dは正実数の任意パラメータとする。α→0として行くと、H(s)の導入影響は軽微になるが、駆動体位置や機台変位応答は振動的になってゆく。Dは、構造体Aにダンピング要素が存在する場合は、その近似値を設定する。
図5は本発明による位置制御装置5のブロック図である。以下、これまで説明した従来位置制御装置と異なる部分について説明する。加減速処理部50の出力である位置指令値Xcは、(32)式に示した、対象プラント58の伝達極をノッチ角周波数に持つノッチフィルタ構造の加減速処理関数H(s)の入力となる。加減速処理関数H(s)の出力が、制御上の位置指令値Xcoになる。加算器3は(30)式の右辺第1項と第2項を加算して、駆動体位置x2に対応する位置指令値Xco*を出力する。加算器52は、位置指令値Xco*を微分器4で微分して、(31)式に示す速度フィードフォワード量Vfを出力する。更に、制御上の位置指令値XcoにMcS2を乗ずることで(26)式に示す推力フィードフォワード量Ffが演算され加算器57に入力される。
図6は、図5の本発明による位置制御装置にパラメータα=198・103を設定し、図16と同様の対象プラントパラメータ,制御パラメータ,2次関数型加速条件を与えた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。尚、2次系の標準的な表現S2+2ζωnS+ωn2と、H(s)の分母多項式MbS2+αS+Raを対応させると、α=198・103は、減衰率ζ=1に相当している。結果として、本発明による位置制御装置によれば、加減速時を含めて、Xco=x2−x1と制御できている(図6の右上図)。また、減衰率ζを大きくとったことで、推力フィードフォワード量Ffや速度フィードフォワード量Vfを非振動化できるから、駆動力Fx(図6の左下図)や機台変位x1(図6の右下図)の振動を抑制できている。
図7は、図6の条件に対して、対象プラント側の構造体Aの剛性Raのみを低下(−10%)させた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。制御側演算で用いる剛性Raは図6の場合と同一であるから、本結果は機械パラメータ変動時の応答をシミュレーションするものである。剛性Raの低下により、機台変位x1が増大(図7の右下図)するため、この分が加速時の制御誤差(図7の右上図)になるが、振動抑制性能は図16の従来制御例に対して十分に高い。
本実施例では、対象プラントの駆動体位置x2を、位置指令値Xc通りに制御することを最終目的に考えるが、この場合も第3実施例同様に、まず、2次関数型加減速処理後の位置指令値Xcを入力として、制御上の位置指令値Xcoを出力とする加減速処理関数Hr(s)を導入し、Xco=x2と制御することを考えていく。尚、加減速処理関数Hr(s)の導入による影響については後述する。
図12より、駆動力Fxと駆動体位置x2の関係は(33)式で表される。
2=P2Fx=[{(Mb+Mc)S2+Ra}/{McS2(MbS2+Ra)}]Fx ・・・(33)
よって、Xco=x2と制御するための推力フィードフォワード量Ffは(34)式となる。
Ff=P2 -1Xco=P2 -1HrXc=[{McS2(MbS2+Ra)}/{(Mb+Mc)S2+Ra}]HrXc ・・・(34)
このFfに対する駆動体位置x2と機台変位x1の応答は、(35),(36)式となる。
2=P2Ff=Xco=HrXc ・・・(35)
1={1/(MbS2+Ra)}Ff=[McS2/{(Mb+Mc)S2+Ra}]HrXc ・・・(36)
よって、対応するフィードフォワード構成として、(37),(38)式を考える。
Xco=HrXc ・・・(37)
Vf=dXco/dt=SHrXc ・・・(38)
ここで、駆動体位置x2と機台変位x1の応答を非振動化し、且つ、導入影響を軽微にするため、(39)式で加減速処理関数Hr(s)を定義する。
Hr(s)={(Mb+Mc)S2+DS+Ra}/{(Mb+Mc)S2+γS+Ra} ・・・(39)
但し、γ,Dは正実数の任意パラメータとする。γ→0として行くと、Hr(s)の導入影響は軽微になるが、駆動体位置や機台変位応答は振動的になってゆく。Dは、構造体Aにダンピング要素が存在する場合は、その近似値を設定する。
図8は本発明による位置制御装置10のブロック図である。以下、これまで説明した位置制御装置と異なる部分について説明する。加減速処理部50の出力である位置指令値Xcは、(39)式に示した、対象プラント59の駆動力Fxから駆動体位置x2までの伝達零点をノッチ角周波数に持つノッチフィルタ構造の加減速処理関数Hr(s)の入力となる。加減速処理関数Hr(s)の出力が、制御上の位置指令値Xcoになる。(38)式に示す速度フィードフォワード量VfはXcoを微分器54で微分することで構成される。更に、(35)式に示す推力フィードフォワード量Ffは、P2 -1Hrが安定有理関数化されるため、XcにP2 -1Hrを乗ずることで構成できる。
2次系の標準的な表現S2+2ζωnS+ωn2と、Hr(s)の分母多項式(Mb+Mc)S2+γS+Raを対応させると、γ=250・103は、減衰率ζ=1に相当する。図9は、図8の本発明による位置制御装置に、パラメータγ=250・103を設定し、図6と同一の対象プラントパラメータ,制御パラメータ,2次関数型加速条件を与えた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。本発明による位置制御装置によれば、加減速時を含めて、Xco=x2と制御できている(図9の右上図)。また、減衰率ζを大きくとったことで、推力フィードフォワード量Ffや速度フィードフォワード量Vfを非振動化できるから、駆動力Fx(図9の左下図)や機台変位x1(図9の右下図)の振動も実施例1と同様に抑制できている。
図10は、図6に対する図7の条件と同様に、図9の条件に対して、対象プラント側の構造体Aの剛性Raのみを低下(−10%)させた時の2次関数型加速応答をシミュレーションした結果である。制御側演算で用いる剛性Raは図9の場合と同一であるから、本結果は機械パラメータ変動時の応答をシミュレーションするものである。剛性Raの低下により、機台変位x1が増大(図10の右下図)するが、Xco−x2で定義される制御誤差(図10の右上図)には、直接影響せず、第3実施例と同様に高い振動抑制性能を維持できている。
ここで、(32)式に示した加減速処理関数H(s)の導入影響について説明する。尚、H(s)は(39)式に示した加減速処理関数Hr(s)と共通の構造を持つから、以下では正規化した(40)式のF(s)に対して検討していく。
F(s)=(S2+c)/(S2+bS+c)=(S2+ωn2)/(S2+2ζωnS+ωn2) ・・・(40)
また、導入影響は、一般的な位置加減速処理である直線加減速処理L(s)=(1−e-TS)/TS(但し、Tは直線加減速処理における時定数である)との比較により考察する。
位置指令に対する加減速処理の持つ直接的な影響は、加減速処理前の位置指令Xと加減速処理後の位置指令Xoの間に遅れが発生することである。そこで、ステップ速度指令dX/dt=Vに対する、定常状態での位置指令遅れεp=X−Xoを考える。直線加減速処理の場合は、
εp=(T/2)V ・・・(41)
であるのに対して、本発明における加減速処理関数F(s)のεpは、
εp(s)=(V/S2)−{(S2+c)/(S2+bS+c)}(V/S2
={bS/(S2+bS+c)}(V/S2) ・・・(42)
となるから、最終値定理と(40)式の関係を用いて、(43)式で表される。
εp=(b/c)V=(2ζ/ωn)V ・・・(43)
一方、複数軸を同期動作させた時、加減速処理は軌跡誤差を発生することが知られている。そこで、直交2軸の同期動作による円弧位置指令(半径R,角速度ω)に対して、定常状態における加減速処理後の応答半径Roを考え、円弧径縮小量ΔR=R−Roで、加減速処理による軌跡誤差を評価する。尚、この応答半径Roは、X(t)=Rcosωtに対するXo(t)の定常振幅に等しいことを利用すると、直線加減速処理の場合は、
Xo(s)={(1−e-TS)/TS}{RS/(S2+ω2)} ・・・(44)
をラプラス逆変換して、更に、一般的な動作ではωT<<1が成立することから、応答半径Roは、
Ro=(R/ωT)(2−2cosωT)1/2≒(R/ωT){ωT−(ωT)3/24}
=R−R(ωT)2/24 ・・・(45)
となり、円弧径縮小量ΔRは、(46)式で近似できる。
ΔR=R−Ro={(ωT)2/24}R ・・・(46)
本発明における加減速処理関数F(s)の場合は、
Xo(s)={(S2+c)/(S2+bS+c)}{RS/(S2+ω2)} ・・・(47)
をラプラス逆変換し、応答半径Roは、
Ro=R(c−ω2)/{(bω)2+(c−ω221/2=Rcosθ ・・・(48)
となり、円弧径縮小量ΔRは、(49)式となる。
ΔR=R−Ro=(1−cosθ)R ・・・(49)
但し、θ=tan-1{bω/(c−ω2)}=tan-1{2ζωnω/(ωn2−ω2)}である。
前述のシミュレーションで用いた条件に近い条件として、T=200ms,ωn=200rad/sec,V=0.4m/sec,ζ=1を選ぶと、位置指令遅れεpは、直線加減速処理の場合:εp=40mm,本発明における加減速処理関数F(s)の場合:εp=4mmとなる。一方、円弧動作条件として、R=0.1m,ω=2rad/secを選ぶと、円弧径縮小量ΔRは、直線加減速処理の場合:ΔR≒670μm,本発明における加減速処理関数F(s)の場合:ΔR≒20μmとなる。つまり、本発明における加減速処理関数H(s)やHr(s)を導入することで発生する位置指令遅れや軌跡誤差は、元来存在している加減速処理部で発生する位置指令遅れや軌跡誤差に対して、十分に小さく、導入による影響は軽微であることがわかる。
以上説明した様に、本発明による位置制御装置は、駆動体を制御上の位置指令値通りに制御するための推力や速度のフィードフォワード構造を持ち、且つ、位置指令値に、導入影響が軽微なノッチフィルタ構造の加減速処理を加えることで制御上の位置指令値を算出する。これにより、各種フィードフォワード量は非振動化され、駆動体位置及び機台変位応答を非振動且つ高精度に制御できる。この効果は、加速度指令値Ac(=d2Xc/dt2)や加々速度指令値Bc(=d3Xc/dt3)の大きさに応じて好適に制御量が可変されるため、AcやBcの大きさによらず、高い制御効果を得ることができる。更に、駆動体位置及び機台変位応答を非振動化したことで、機械各部の振動が誘発されることはなく、機械パラメータ変動時においても高い振動抑制効果を維持できる。
本発明による位置制御装置の第1実施例の構成を示すブロック図である。 図1の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 本発明による位置制御装置の第2実施例の構成を示すブロック図である。 図2の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 本発明による位置制御装置の第3実施例の構成を示すブロック図である。 図5の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 機械パラメータ変動時における図5の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 本発明による位置制御装置の第4実施例による位置制御装置の構成を示すブロック図である。 図8の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 機械パラメータ変動時における図8の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 対象プラントの概略機構図である。 図11の対象プラントの運動を記述するブロック図である。 従来の位置制御装置の第1構成例を示すブロック図である。 図13の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 従来の位置制御装置の第2構成例を示すブロック図である。 図15の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。 従来の位置制御装置の第3構成例を示すブロック図である。 図17の位置制御装置による対象プラントの加速応答を説明する説明図である。
符号の説明
1,50 加減速処理部、2,51,53 減算器、3,4,5,6,200,201,202 位置制御装置、52,57,60,62,64 加算器、54,55,56,61,63 微分器、58 対象プラント、59 機台振動モニタ対応ブロック。

Claims (4)

  1. 駆動体を加減速動作させる駆動系が機台部によって支持固定され、駆動体の反力によって機台部に発生する力変位を補償する制御装置であって、サーボモータにより駆動される駆動体位置(x2)を検出することで、上位装置からの位置指令値(X)に従って制御上の位置指令値(Xco)を算出し、算出した制御上の位置指令値(Xco)に基づきサーボモータの駆動力(Fx)を算出し、駆動体絶対位置を制御する位置制御装置において、
    前記位置指令値(X)を入力として、前記位置指令値(X)に対して3階時間微分値が有界に定められる加減速処理を加えた加減速処理後位置指令値(Xc)および加減速処理後位置指令値(Xc)の時間微分値である加速度指令値(Ac)を出力する加減速処理部(1)と、
    前記加減速処理後位置指令値(Xc)に基づく補償後位置指令値(Xc*)に調整伝達関数(M)を乗じて、前記制御上の位置指令値(Xco)を出力する位置指令値出力部と、
    前記加減速処理後位置指令値(Xc)に基づく補償後位置指令値(Xc*)と前記調整伝達関数(M)とから振幅抑制を図るための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力(Fx)に加算する推力フィードフォワード演算部と、
    前記加減速処理部(1)から出力された加速度指令値(Ac)と機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)とから、前記調整伝達関数(M)による位置指令偏差と機台変位とを補償する位置偏差補償量(α(Xc))を演算する位置偏差補償量演算部と、
    前記加減速処理後位置指令値(Xc)から前記位置偏差補償量(α(Xc))を減算し、前記補償後位置指令値(Xc*)を算出する減算器(2)と、
    を有し、
    前記加減速処理後位置指令値(Xc)から前記調整伝達関数(M)により発生する位置指令偏差と機台部変位とを補償する前記位置偏差補償量(α(Xc))を減算した前記補償後位置指令値(Xc*)を算出し、算出した前記補償後位置指令値(Xc*)に前記調整伝達関数(M)を乗じて前記制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、前記補償後位置指令値(Xc*)と前記調整伝達関数(M)から振動抑制を図るための前記推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする位置制御装置。
  2. 請求項1に記載の位置制御装置において、
    前記位置偏差補償量演算部は、前記加速度指令値(Ac)と機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)と駆動体の質量(Mc)から、前記調整伝達関数(M)により発生する位置指令偏差補償する前記位置偏差補償量(α(Xc))を演算ることを特徴とする位置制御装置。
  3. 駆動体を加減速動作させる駆動系が機台部によって支持固定され、駆動体の反力によって機台部に発生する力変位を補償する制御装置であって、サーボモータにより駆動される駆動体位置(x2)を検出することで、上位装置からの位置指令値(X)に従って制御上の位置指令値(Xco)を算出し、算出した制御上の位置指令値(Xco)に基づきサーボモータの駆動力(Fx)を算出し、駆動体絶対位置を制御する位置制御装置において、
    前記位置指令値(X)を入力として、前記位置指令値(X)に対して2階時間微分値が有界に定められる加減速処理を加えた加減速処理後位置指令値(Xc)を出力する加減速処理部(50)と、
    機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)とに基づき、サーボモータによって出力される駆動力(Fx)と駆動力により得られる駆動位置(X1,X2)との関係を伝達関数(P1,P2)で表し、その伝達関数の伝達極をノッチ角周波数としたノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))を備え、前記加減速処理部(50)から出力された加減速処理後位置指令値(Xc)フィルタ処理し制御上の位置指令値(Xco)として出力するフィルタ処理部と、
    前記制御上の位置指令値(Xco)と駆動体の質量(Mc)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体絶対位置(X2−X1)に制御するための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力(Fx)に加算する推力フィードフォワード演算部と、
    前記加減速処理後位置指令値(Xc)と駆動体の質量(Mc)と前記ノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))と前記伝達関数(P1)とから機台変位を演算し、前記制御上の位置指令値(Xco)に加算して駆動体位置(X2)に対応する修正した制御上の位置指令値(Xco*)を演算する修正位置指令値演算部と、
    を有し、
    加減速処理後位置指令値(Xc)をノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))によりフィルタ処理した制御上の位置指令値(Xco)とノッチフィルタ構造の加減速処理関数(H(s))に基づき演算した機台変位とを加算して修正した制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、制御上の位置指令値(Xco)と駆動体の質量(Mc)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体絶対位置に制御するための推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする位置制御装置。
  4. 請求項3に記載の位置制御装置において、
    前記フィルタ処理部の加減速処理関数(Hr(s))は、機台部の剛性(Ra)と駆動系の質量(Mb)と駆動体の質量(Mc)とに基づき、サーボモータによって出力される駆動力(Fx)と駆動力により得られる駆動体位置(x2)との関係を伝達関数で表し、その伝達関数の伝達零点をノッチ角周波数としたノッチフィルタ構造の加減速処理関数(Hr(s))であり、
    前記推力フィードフォワード演算部は、加減速処理後位置指令値(Xc)と前記加減速処理関数(Hr(s))と前記伝達関数(P2)から、位置指令値(Xco)を駆動体位置(X2)として制御するための推力フィードフォワード量(Ff)を演算しサーボモータの駆動力に加算するものであり、加減速処理後位置指令値(Xc)をノッチフィルタ構造の加減速処理関数(Hr(s))によりフィルタ処理した制御上の位置指令値(Xco)を出力すると共に、加減速処理後位置指令値(Xc)と加減速処理関数(Hr(s))と前記伝達関数(P2)から制御上の位置指令値(Xco)を駆動体位置に制御するための推力フィードフォワード量(Fx)を演算することを特徴とする位置制御装置。
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