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JP2002361302A - 金属材料板の圧延方法 - Google Patents

金属材料板の圧延方法

Info

Publication number
JP2002361302A
JP2002361302A JP2001165395A JP2001165395A JP2002361302A JP 2002361302 A JP2002361302 A JP 2002361302A JP 2001165395 A JP2001165395 A JP 2001165395A JP 2001165395 A JP2001165395 A JP 2001165395A JP 2002361302 A JP2002361302 A JP 2002361302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
metal material
film
water
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001165395A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Yamamoto
昇 山本
Tatsuro Mitsube
達郎 三辺
Kenichi Tanaka
健一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP2001165395A priority Critical patent/JP2002361302A/ja
Publication of JP2002361302A publication Critical patent/JP2002361302A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延パス回数を減少させた金属材料の圧延方法
を提供する。 【解決手段】金属材料板の表面に、(A)硫酸塩、珪酸
塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩及びタン
グステン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の
水溶性無機塩と、(B)炭素数16〜22の直鎖飽和脂
肪酸の金属石鹸、ワックス及び固体潤滑剤よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の滑剤とを含有し、且つ
(A)水溶性無機塩と(B)滑剤との固形分比率(B)
/(A)が0.06〜5の範囲内にある水分散液を塗布
し、乾燥して、固体皮膜を形成させ、その後前記金属材
料板を室温〜500℃の温度で圧延する金属材料板圧延
方法である。前記の固体皮膜の付着量は0.1〜10g
/m2であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄、アルミニウ
ム、チタン、銅、マグネシウム及びそれらの合金を材料
とした板の圧延方法に関する。より詳しくは、金属材料
板の表面に、水溶性無機塩と滑剤を含む水分散液を塗
布、乾燥して固体皮膜を形成させ、その後圧延加工を行
う方法に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、鉄、アルミニウム、チタン、銅、
マグネシウム或いはそれらの合金を材料とした板を圧延
加工する方法としては、鉱物油、天然油脂或いは合成エ
ステルなどを基油とし、これに脂肪酸などの油性向上剤
とりん系或いはイオウ系極圧添加剤を配合したニート圧
延油の存在下で圧延する方法と、このニート圧延油に乳
化剤、分散剤を添加して水に乳化分散させたエマルショ
ン圧延油を、圧延ロール或いは圧延ロールバイトに、冷
却と潤滑を兼ねてスプレーして圧延する方法の2種類が
ある。
【0003】しかし、圧延油を用いて圧延する方法で
は、所定の板厚に仕上げるために、多パス圧延を行う必
要がある。例えば、板厚2.0mmの鋼鈑を0.2mm
までに薄くするためには、通常5〜6回のパス圧延が必
要である。そして、タンデム圧延の場合は、必要な圧延
パス回数と同じ数の圧延機を横に並べることになり、単
位時間当たりの板の生産量は多くなるが、その設備投資
費用、ならびに設備稼働費用は多大なものとなる。ま
た、圧延機1機で往復圧延加工するリバース圧延の場合
も、多パス圧延は必要であり、設備投資費用はタンデム
圧延に比べ安くできるが、単位時間あたりの板の生産量
は低い。タンデム圧延、リバース圧延とも圧延のパス回
数の低減は長年の課題である。圧延パス回数を減らすた
めには、各パスで圧下率を高くする必要があるが、上記
のごとき従来の圧延油のみを用いた圧延方式では、圧下
率を高くした場合には、油膜破断による焼付きが発生し
やすくなる。焼付きが起こると、圧延板、圧延ロールに
細長い傷が発生し、板はスクラップに、圧延ロールは再
研磨に回され、生産性が大きく落ちることになる。
【0004】上記の問題を解決することを目的に、圧延
前の金属材料板の表面に皮膜を形成させるプレコート圧
延方法がある。例えば、特開昭62−33005号公報
には、チタン板表面に弗化チタン皮膜を形成し、圧延油
又は水性圧延液の存在下で圧延することにより、チタン
が圧延ロールにビルドアップするのを防ぐ技術が開示さ
れている。しかし、この弗化チタン皮膜を用いたプレコ
ート圧延方法は、弗化チタン皮膜をチタン板表面に形成
させるため反応に要する時間が長いこと、また化成皮膜
であるため圧延油のみの場合と比較し圧延後の脱膜が困
難であることと言う問題点がある。以上のごとく、プレ
コート皮膜として化成処理皮膜を用いた特開昭62−3
3005号公報に示される圧延法には、生産性の問題と
脱膜の問題がある。
【0005】更に、化成皮膜とは別の物質をプレコート
した圧延方法として、特開昭62−33006号公報に
はチタン板表面に有機高分子化合物皮膜を形成し、圧延
油、水性圧延液、或いは水の存在下で圧延することによ
り、チタンが圧延ロールにビルドアップするのを防ぐ技
術が開示されている。同様なものとして、特開昭53−
21067号公報には、鋼鈑に水溶性樹脂の水主溶媒溶
液中に水不溶性の潤滑油剤を分散させた処理液を鋼、ア
ルミ等の金属材料板表面にプレコートして潤滑皮膜を形
成させ圧延する技術が開示されている。しかし、これら
有機高分子化合物皮膜、或いは水溶性樹脂皮膜を形成さ
せる方法では、形成させた皮膜が金属材料板の大きな伸
びに追随できないため、圧延材がロールにビルドアップ
する問題を完全に防止できるとは思われず、また圧延時
に発生する熱により有機高分子化合物が軟化し、工具で
ある圧延ロールへ展着し、結果的に圧延後の金属材料板
表面の品質を悪くする場合がある。このように、プレコ
ート皮膜として有機高分子化合物を用いた上記の各方法
では、トータル圧下率が高い圧延では潤滑性に問題があ
り、かつ金属材料板の表面品質を悪くする問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みなされたもので、鉄、アルミニウム、チタン、銅、
マグネシウム或いはそれらの合金の板を圧延するにあた
り、所定の板厚まで圧延するために要するパス回数を減
らすことを目的とし、1パスあたりの圧下率を大幅に高
くできる圧延方法を提供することを目的とする。また、
従来のプレコート皮膜を形成させて圧延する方法の問題
点である生産性の低さ、脱膜の困難さ、プレコート皮膜
のロールへの展着に起因する板表面の品質問題など解決
した圧延方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するための手段について鋭意検討した結果、特定の
水溶性無機塩と滑剤とを含有した水分散液を、圧延加工
前の金属材料板に塗布、乾燥して該板表面に固体皮膜を
形成させて圧延加工することにより、1パスあたりの圧
下率を大幅に高くでき、生産性良く、また表面品質を損
なうことなく金属材料板を圧延できることを見出し、本
発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、金属材料板の表面
に、(A)硫酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、モリブデン酸
塩、バナジン酸塩及びタングステン酸塩からなる群から
選ばれた少なくとも1種の水溶性無機塩と、(B)炭素
数16〜22の直鎖飽和脂肪酸の金属石鹸、ワックス及
び固体潤滑剤よりなる群から選ばれた少なくとも一種の
滑剤とを含有し、且つ(A)水溶性無機塩と(B)滑剤
との固形分比率(B)/(A)が0.06〜5の範囲内
にある水分散液を塗布し、乾燥して固体皮膜を形成さ
せ、その後前記金属材料板を室温〜500℃の温度で圧
延加工することを特徴とする金属材料板圧延方法であ
る。固体皮膜の付着量は0.1〜10g/m2であるこ
とが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をより詳細に
説明する。金属材料板表面に塗布する水分散液に含有さ
せる(A)水溶性無機塩は、滑剤のキャリアとしての効
果をねらったものである。(A)水溶性無機塩は、板表
面への密着性を有するとともに、滑剤粒子の表面を均一
に被覆する性質を持ったものであるとともに、乾燥時に
皮膜に適度な硬さと強度を付与するものでなくてはなら
ない。そのような性質の水溶性無機塩として、硫酸塩、
ホウ酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩及びタングス
テン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用
する。例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、ホウ酸
ナトリウム(四ホウ酸ナトリウム)、ホウ酸カリウム
(四ホウ酸カリウム)、ホウ酸アンモニウム(四ホウ酸
アンモニウム)、モリブデン酸アンモニウム、モリブデ
ン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、バナジン
酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で用いて
もよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明
で使用する水分散液中の(A)水溶性無機塩の配合量は
特に限定するものではないが、0.1〜10重量%の範
囲が好ましい。より好ましくは1〜5重量%である。
【0010】本発明で使用される(B)滑剤は、皮膜に
潤滑性を付与するためのものであり、このような作用を
持つものとして炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸の金
属石鹸、ワックス及び固体潤滑剤が挙げられる。
【0011】(B)滑剤のうちの金属石鹸について説明
する。炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸の金属石鹸に
特定した理由は、不飽和脂肪酸或いは炭素数16未満の
直鎖飽和脂肪酸の金属石鹸では潤滑不足なためである。
この金属石鹸は、炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸と
亜鉛、カルシウム、バリウム、アルミニウム、マグネシ
ウム、ナトリウム、カリウム及びリチウムからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の金属とを反応させて得られ
たものを用いるのが好ましい。例えば、パルミチン酸カ
ルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム、パ
ルミチン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ベへニン
酸カルシウムなどが挙げられる。
【0012】次に、ワックスとしては、天然ワックス又
は合成ワックスを使用するのが好ましい。例えば、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペト
ロラタムワックス、フィッシャートロプシュワックス、
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カル
ナバワックス、モンタンワックス等を挙げることができ
る。これらは、水ディスパージョンや水エマルションの
形態にし、他成分と混合するのが好ましい。
【0013】次に、固体潤滑剤としては、二硫化モリブ
デン、黒鉛、窒化ホウ素、雲母、フッ化黒鉛、ポリテト
ラフルオロエチレン等のフッ素樹脂などが挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば重合度1
00万〜1000万程度のポリテトラフルオロエチレン
を挙げることができる。また、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、窒化ホウ素、雲母、フッ化黒鉛については種類や平
均粒径は特に限定されない。本発明で使用する水分散液
中の(B)滑剤の配合量は特に限定するものではない
が、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、より好まし
くは1〜5重量%である。
【0014】上記滑剤の炭素数16〜22の直鎖飽和脂
肪酸の金属石鹸、ワックス及び固体潤滑剤は、一種又は
二種以上を混合して皮膜形成のための水分散液に配合で
きる。水分散液中の滑剤の配合比は、(A)水溶性無機
塩と(B)滑剤との固形分比率(B)/(A)として
0.06〜5である。好ましくは0.1〜3である。こ
の比が、0.06未満では皮膜の滑り性が不十分であ
り、5を超えると皮膜の密着性が不十分である。
【0015】本発明で皮膜形成に用いる水分散液の製造
方法については、特に制限が無い。例えば、水溶性無機
塩の水溶液に金属石鹸、ワックス又は固体潤滑剤の水分
散液、水エマルションを加えて良く撹拌する方法が用い
られる。また、金属石鹸、ワックス、固体潤滑剤が粉末
原料の場合は、必要に応じて界面活性剤を用いて水分散
液とした後、水溶性無機塩水溶液に添加してもよい。炭
素数16〜22の直鎖飽和脂肪酸の金属石鹸、ワックス
又は固体潤滑剤を、水に分散又は乳化させるために必要
に応じて用いる界面活性剤としては、非イオン性界面活
性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオ
ン性界面活性剤のいずれも用いることができる。
【0016】本発明で用いる水分散液を塗布するに先立
って、加工する金属材料板を脱脂(通常、アルカリ脱脂
剤を使用することができる)、水洗の順に前処理するこ
とにより、その表面を清浄にしておくのが好ましい。ま
た、水分散液の塗布方法は限定がなく、浸漬、スプレ
ー、流しかけ、ロールコーター塗布などいずれも適用可
能である。塗布は金属材料板表面が水分散液で十分に覆
われればよく、塗布する時間に特に制限はない。塗布
後、金属材料板は乾燥する必要があるが、固体皮膜が形
成できれば常温乾燥でもかまわないし、熱風乾燥しても
よい。塗布、乾燥後の皮膜重量は、圧延における焼付き
を防ぐ観点から、0.1g/m2以上であることが好ま
しく、またコスト面から10g/m2以下であることが
好ましい。
【0017】水分散液を塗布、乾燥して固体皮膜が形成
された金属材料板を圧延する。この圧延は、ドライで圧
延してもよいし、圧延ロール或いは圧延ロールバイトを
めがけてニート圧延油、エマルション圧延油、水溶性圧
延液又は水単体をスプレーする圧延でもよい。圧延温度
は室温以上の温度で行うが、500℃までの高温で行う
ことができる。所定の板厚まで圧延するには連続での複
数のパス回数になるが、上記の固体皮膜は、1パス目の
前の金属材料板表面に形成させるだけでよい。この固体
皮膜の形成には、上記の水分散液で金属材料表面を濡ら
し、乾燥する時間が有ればよく、そのため化成処理皮膜
と異なり短時間での固体皮膜形成が可能である。
【0018】
【作用】本発明で形成させる皮膜は、水溶性無機塩と滑
剤の複合皮膜である。その潤滑機構は次のように考えら
れる。すなわち、水分散液中の硫酸塩、珪酸塩、ホウ酸
塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩及びタングステン酸
塩からなる群から選ばれ少なくとも一種の水溶性無機塩
は、塗布後の乾燥工程において水の蒸発により濃度が上
昇し、金属材料板表面で析出が始まる。その後、水の更
なる蒸発により、滑剤である分散粒子を巻き込んだ均一
な皮膜を形成すると考えられる。本発明における皮膜
は、無機塩が皮膜に硬さと強度と耐熱性を付与し、滑剤
が皮膜に柔軟性、滑り性を付与した複合皮膜であるの
で、圧延加工時の焼付きを防止でき、かつ、摩擦を低減
できる。そのため、1パスあたりの圧下率を高くでき、
パス回数を減らすことができるのである。また、この皮
膜は、圧延時の発熱で軟化しやすい有機皮膜と異なり、
熱で軟化しにくい無機塩を含んでいるため、ロールへの
展着物は非常に少ない。更に、この皮膜は、水溶性無機
塩を含んでいるため、有機皮膜に比べて、圧延後の脱膜
が容易である。
【0019】
【実施例】次に本発明を金属材料板の圧延加工に適用し
た際の効果を、実施例を比較例と共に挙げて詳細に説明
する。
【0020】実施例1〜7、比較例1〜3 この実施例、比較例は普通鋼板を圧延した例である。市
販の普通鋼板(材質SPC、板厚1.5mm×幅50m
m×長さ200mm)をアルカリ脱脂剤ファインクリー
ナー4360(商標名、日本パーカライジング(株)
製)の濃度2%液に温度50℃で5分間浸漬してアルカ
リ脱脂処理し、次いで室温で水を30秒間スプレーして
水洗し、水切り乾燥後ドライヤーで2分間乾燥した。
【0021】上記のアルカリ脱脂処理、水洗処理、乾燥
処理した普通鋼板を、表1の組成の水分散液(a〜j)
に、液温50℃で10秒間浸漬することによって、該板
の表面に水分散液を塗布し、その後、100℃の熱風乾
燥炉で2分間乾燥して表面に固体皮膜を形成させた(表
2の実施例1〜7、比較例1〜3)。
【0022】表1は、実施例及び比較例で使用した
(A)水溶性無機塩と(B)滑剤とを含む水分散液の組
成を示した表である。表1において、重量%は水分散液
中の各成分の固形分重量%で、残部は水である。皮膜量
(g/m2)は、潤滑剤塗布前後の重量差から算出した
値である。StCaディスパージョンは中京油脂(株)
製のステアリン酸カルシウム水分散液である。PEワッ
クスは、乳化重合で製造した分子量16000〜200
00のポリエチレンのエマルジョンである。マイクロク
リスタリンワックスは、日本精蝋(株)製のパラフィン
ワックスエマルジョンである。PTFEは住友スリーエ
ム(株)製のポリテトラフルオロエチレンである。ウレ
タン樹脂は、分子量1000のポリエチレングリコール
とヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて得た
分子量50000以上のポリウレタンである。また、鉱
物油は2号スピンドル油である。
【0023】
【表1】
【0024】表面に上記固体皮膜を形成させた普通鋼板
を次の条件で圧延した。 (1)圧延機 :短冊圧延機、ロール材質SUJ−2、
ロール径100mmφ (2)圧延温度:ロール、圧延板とも室温 (3)圧延方法:皮膜を形成した圧延板を3パス圧延。
ドライ圧延(但し、比較例3のみニートの鉱物油を併用
して圧延した)。各例のパスについて、上下ロールのク
リアランスを、パス回数が1パスのとき0.7mm、2
パスのとき0.2mm、3パスのとき0.0mmに、一
定にした。
【0025】実施例1〜7及び比較例1〜3の普通鋼板
の圧延について、圧延時の潤滑性及びロールへの展着状
況を評価し、また圧延後の脱膜試験を行った。評価及び
試験は次の如くした。その結果を表2に示す。 (1)潤滑性の評価 圧延前の板に長さ50mmのケガキを入れ、圧延後のケ
ガキ長さL1を測定し、伸び率(=L1/50)で潤滑
性を比較した。伸び率が高いものほど潤滑性が良好であ
る。 (2)ロールへの展着の評価 圧延板10枚連続圧延後のロールへの皮膜の展着状況を
目視で観察した。 (3)圧延後の脱膜試験 上記の3パス圧延終了後の圧延板を、アルカリ電解脱脂
により脱膜試験した。アルカリ電解脱脂は、脱脂液にオ
ルソ珪酸ソーダの20g/Lを用い、90℃で10秒
間、10A/dm2で陰極電解し、その後水道水にて十
分水洗した。そして、水洗後の板表面の水濡れ面積比を
測定して脱膜性を評価した。
【0026】
【表2】
【0027】表2から明らかなように、本発明の金属材
料板の圧延方法を用いた実施例1〜7は、優れた潤滑性
能を示しており、ロールへの展着もほとんどなく、圧延
後の脱膜も良好である。一方、本発明の成分比(B)/
(A)が範囲外で、滑剤成分が少ない比較例1では潤滑
性が劣り、同じく範囲外で、水溶性無機塩比率が少ない
比較例2でも、後段パスになると潤滑性が悪くなり、ロ
ールへの展着物も多い。また、水溶性無機塩が少ないた
め、圧延後の脱膜性が悪くなる。有機高分子プレコート
皮膜を付着させた板にニートの鉱物油で圧延した比較例
3では、比較例2と同様、後段パスでの潤滑性が劣って
いるとともに、ロールへの展着物が多い。また、脱膜性
は今回の試験例では最も劣っていた。
【0028】実施例8〜14、比較例4〜6 この実施例、比較例はマグネシウム合金板を圧延した例
である。市販のマグネシウム合金板〔材質AZ31(A
STM表示)、板厚1.1mm×幅50mm×長さ20
0mm〕を、アルカリ脱脂剤ファインクリーナーMG1
01(商標名、日本パーカライジング(株)製)日本パ
ーカライジング製)の濃度2%液に温度50℃で5分間
浸漬してアルカリ脱脂処理し、次いで室温で水を30秒
間スプレーして水洗し、水切り乾燥後ドライヤーで2分
間乾燥した。
【0029】上記のアルカリ脱脂処理、水洗処理、乾燥
処理したマグネシウム合金板を、表1の組成の水分散液
(a〜j)に、液温50℃で1分間浸漬することによっ
て該板の表面に水分散液を塗布し、その後、100℃の
熱風乾燥炉で10分間乾燥して表面に固体皮膜を形成さ
せた(表3の実施例8〜14、比較例4〜6)。
【0030】その後、上記固体皮膜を形成させたマグネ
シウム合金板を次の条件で圧延した。 (1)圧延機 :短冊圧延機、ロール材質SUJ−2、
ロール径100φ。 (2)圧延温度:圧延ロールは室温、圧延板は300℃
に加熱。 (3)圧延方法:1パス圧延。上下ロールのクリアラン
ス=0.5mm。
【0031】実施例8〜14及び比較例4〜6のマグネ
シウム合金板の圧延について、圧延時の潤滑性及びロー
ルへの展着状況を評価し、また圧延後の脱膜試験を行っ
た。その結果を表2に示す。評価及び試験は次の如く行
った (1)潤滑性の評価 圧延前の板に長さ50mmのケガキを入れ、圧延後のケ
ガキ長さL1を測定し、伸び率(=L1/50)で潤滑
性を比較した。伸び率が高いものほど潤滑性が良好であ
る。 (2)ロールへの展着の評価 圧延板10枚連続圧延後のロールへの皮膜の展着状況を
目視で観察した。 (3)圧延後の脱膜試験 上記の圧延終了後の圧延板をアルカリ浸漬脱脂により脱
膜試験した。すなわち、圧延板を、アルカリ脱脂剤ファ
インクリーナーMG101(商標名、日本パーカライジ
ング(株)製))の濃度2%液に、温度50℃で5分間
浸漬し、その後水道水にて十分水洗した。そして、水洗
後の板表面の水濡れ面積比を測定して脱膜性を評価し
た。
【0032】
【表3】
【0033】表3から明らかなように、本発明の金属材
料板のプレコート圧延方法を用いた実施例8〜14は、
優れた潤滑性能を示しており、ロールへの展着もほとん
どなく、圧延後の脱膜も良好である。一方、本発明の成
分比(B)/(A)が範囲外で、滑剤成分が少ない比較
例4では潤滑性が劣り、比較例5では水溶性無機塩が少
ないため、圧延後の脱膜性が悪くなる。有機高分子プレ
コート皮膜を付着させた板にニートの鉱物油で圧延した
比較例6では、ロールへの展着物が多く、脱膜性も劣
る。
【0034】
【発明の効果】金属材料板に特定の固体皮膜を形成させ
て圧延する本発明の圧延方法によると、1パスあたりの
圧下率を大幅に高くでき、そのため所定の板厚まで圧延
するために要するパス回数を減らすことができる。ま
た、本発明の特定の固体皮膜を形成させて圧延したとき
は、従来の高分子物質のプレコート皮膜を形成させて圧
延する方法の問題点である生産性の低さ、プレコート皮
膜のロールへの展着に起因する板表面の品質低下、脱膜
の困難さなどの問題点を解消することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 103/00 C10M 103/00 A 103/02 103/02 A Z 103/06 103/06 C F 105/04 105/04 105/24 105/24 107/02 107/02 107/38 107/38 109/00 109/00 125/00 125/00 125/22 125/22 125/26 125/26 173/02 173/02 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:06 10:06 10:12 10:12 20:00 20:00 Z 40:24 40:24 A Z 50:02 50:02 50:08 50:08 (72)発明者 田中 健一 東京都中央区日本橋1−15−1 日本パー カライジング株式会社内 Fターム(参考) 4H104 AA04A AA05A AA11C AA18C AA19A AA21C AA24A AA26A AA26C BA02A BB17A CD02A DA05A EA17C FA01 FA02 FA03 FA06 PA23 PA32 PA33 PA34 QA01 QA08 QA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料板の表面に、(A)硫酸塩、珪酸
    塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩、バナジン酸塩及びタン
    グステン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    水溶性無機塩と、(B)炭素数16〜22の直鎖飽和脂
    肪酸の金属石鹸、ワックス及び固体潤滑剤よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも一種の滑剤とを含有し、且つ
    (A)水溶性無機塩と(B)滑剤との固形分比率(B)
    /(A)が0.06〜5の範囲内にある水分散液を塗布
    し、乾燥して固体皮膜を形成させ、その後前記金属材料
    板を室温〜500℃の温度で圧延加工することを特徴と
    する金属材料板圧延方法。
  2. 【請求項2】皮膜の付着量が0.1〜10g/m2であ
    ることを特徴とする請求項1記載の金属材料板圧延方
    法。
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