JP2002278084A - ネガ型感光性平版印刷版の現像液 - Google Patents
ネガ型感光性平版印刷版の現像液Info
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Abstract
平版印刷版を現像する場合において、現像前に版材の加
熱処理を施すことなく、画像品質に優れ、印刷時の地汚
れの発生が無く、耐刷力に優れた印刷版を与えるための
現像剤および現像方法を提供する。 【解決手段】赤外線レーザーに感光するネガ型感光性平
版印刷版をアルカリ性現像液を使用して現像する際に、
該アルカリ性現像液としてアルカリ金属ケイ酸塩、アル
カリ金属水酸化物およびテトラアルキルアンモニウム水
酸化物を含むことを特徴とするネガ型感光性平版印刷版
の現像液を使用する。
Description
り画像露光されたネガ型の感光性平版印刷版を現像する
際の現像液に関し、画質が良好で、耐刷力に優れた印刷
版を与えるための現像液および現像方法に関する。
タルデータをもとにフィルム上に出力せずに直接印刷版
上に出力するコンピュータートゥープレート(CTP)技
術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した
各種プレートセッターとこれらに適合する感光性平版印
刷版の開発が盛んに行われている。開発の初期には比較
的低出力のレーザーを搭載したプレートセッターが主で
あったことから、感光性平版印刷版としてはこうした低
出力レーザーに感光性を持たせるために必然的に高感度
化が求められた。その後、高出力レーザーとして赤外線
レーザーがプレートセッターに搭載されるようになり、
感光性平版印刷版上に与えられる光量が従来の数桁まで
増大することが可能となった。このため、光エネルギー
を熱に変換し、ヒートモードでの画像形成を印刷版の作
成に利用されるようになった。例えば、特開平7−20
629号、同7−271029号公報には、赤外線を吸
収し熱に変換する光熱変換色素を用い、潜在的酸発生剤
を熱分解することで赤外線レーザー照射部において酸を
発生させ、バインダーであるノボラック樹脂とレゾール
樹脂の混合物を酸触媒架橋反応を利用することで硬化す
るネガ型の平版印刷版が開示されている。これらの場合
には、酸触媒架橋反応を進行させるために赤外線レーザ
ー照射後に平版印刷版全体を90℃以上に加熱処理を行
う必要があった。加熱処理後に現像を行う場合の現像液
としては上記の特許明細書中には6%メタケイ酸ナトリ
ウムのようなケイ酸塩水溶液が推奨されている。これら
の場合において、現像に先立って版材の加熱処理を施す
ことが必須であり、加熱処理後に上記のような現像液を
用いて現像することで初めて画像形成が可能であり、か
つ印刷に耐えうる画像強度を与えるものであった。しか
しながら、版材の加熱処理において、加熱温度にムラが
生じやすく、加熱温度および時間を版材全面にわたって
均一に制御することが困難で、例えば加熱温度が高い部
分においては現像液に対する溶解性が顕著に低下するた
め残膜残りが生じたり、逆に加熱が不十分である場合に
は耐刷不良や画像欠陥を引き起こすなどの問題があっ
た。
刷版の他の例として特開平7−306528号、同10
−301280号および同10−312056号公報等
には、露光後に上記のような加熱処理を施さずとも現像
処理が可能な例が記載されている。しかしながら、明細
書中に開示されているアルカリ性現像液として、トリエ
タノールアミンやベンジルアルコール等を含む現像液で
現像を行っても、十分な画像強度が得られず、印刷版と
しての耐刷力が未だ不十分であった。
刷版を現像する場合に問題となるのは、第一に、現像前
の加熱処理を省略できることが重要であり、加熱処理に
よる前記のような画像強度の不均一性や残膜残りの問題
を回避することが重要であるが、加熱処理を行わずに耐
刷性に優れた画像形成を行うための現像液として満足で
きる系が存在しないことが挙げられ、第二に、ネガ型の
場合には画像部分が一般に架橋した被膜で形成され、未
露光部を現像液で溶解除去する際に、画像部のアルカリ
現像液による膨潤を抑え、かつ非画像部の残膜残りを防
止することで良好な印刷性を実現するための現像液が切
望されているのが現状である。
光に吸収を有する色素の添加が必須であるが、一般にこ
うした長波長に吸収を持たせた色素は共役系が長く延び
た構造を有するため分子量が可視光吸収色素に比べ相対
的に大きくなり、疎水性の増した構造になる。従って、
本発明の目的とするアルカリ性の水性現像液を使用して
現像を行おうとした場合に、例えば、特開昭54−62
004号公報に記載されるようなケイ酸ナトリウム/水
酸化ナトリウム(SiO2/M2O=1.0〜1.5)を
含む現像液を使用したり、特公昭57−7427号公報
に記載される組成の範囲内でアルカリ金属ケイ酸塩/水
酸化カリウム(SiO2/M2O=1.0〜1.5)を含
む現像液を使用した際には、こうした現像液の浸透が上
記疎水性色素により妨げられることが多く、従って現像
の進行が遅く、ネガ型の感光性平版印刷版については非
画像部の残膜残り、溶出不良が顕著に見られた。さらに
は、多数枚の印刷版の現像処理を行った場合には、上記
の疎水性色素が現像液中に不溶であるために凝集物が発
生し、現像部ロールの汚染などの不都合を来す場合が多
く問題であった。
前に加熱処理を施すことなく現像を行おうとした場合
に、例えば特開平6−282079号公報に記載される
ようなSiO2/M2O=0.5〜2.0の範囲にあり、
且つ糖アルコールにエチレンオキシドを付加させた化合
物を添加した同様な現像液を使用しても、本発明に関わ
る赤外レーザーを使用する系においては、画像部である
赤外光レーザー照射部の硬化性が未だ十分でない場合が
多く、上記のような現像液を使用して現像を行った場合
には、画像部への浸透が顕著に起こり画像部に傷が発生
したり部分的に画像欠落が生じる問題が発生したり、或
いは未露光部である非画像部の溶解性が低く溶出不良を
来す場合があり、非画像部の良好な溶出と、画像部の残
存性、即ち、レーザー光照射部/未照射部の溶解性のコ
ントラストを十分に増加させた現像液が切望されている
のが現状である。
ザーに感光性を有するネガ型感光性平版印刷版を現像す
る場合において、画像品質に優れ、印刷時の地汚れの発
生が無く、耐刷力に優れた印刷版を与えるための現像液
を提供することである。
に加熱処理を行わずにアルカリ性現像液を使用して現像
する際に、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化
物およびテトラアルキルアンモニウム水酸化物を含むこ
とを特徴とするネガ型感光性平版印刷版の現像液を使用
することで解決される。
利用するネガ型の感光性平版印刷版とは、好ましくは前
記の光熱変換色素を利用する感熱型(ヒートモード)記
録によるものではなく、赤外線に感光し、化学的に活性
種を発生することで架橋反応を誘起する系が好ましく、
例えば光重合開始剤と、これを赤外光において分光増感
を行うための色素の組み合わせを用いた系が好ましい。
これらの具体的な例は後述する。
性平版印刷版を現像前に加熱処理を施さずに現像を行う
場合の現像液として、アルカリ金属ケイ酸塩およびアル
カリ金属水酸化物を含む現像液において更に下記化1で
示されるテトラアルキルアンモニウム水酸化物を含むこ
とで、現像性を向上するとともに画像部の欠損や傷を防
止し、かつ印刷時のインキ乗り性や耐刷性の向上が達成
されることを見出したものである。
々独立して炭素数1〜8の置換基が結合していても良い
直鎖あるいは分岐アルキル基を表す。
て、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドやテトラブ
チルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられ、これらは
現像液中で単独で含まれていても良く、あるいは複数の
種類の化合物が含まれていても良い。
分の濃度については好ましい範囲が存在し、アルカリ金
属ケイ酸塩中のSiO2の濃度が1〜4重量%、アルカ
リ金属水酸化物の濃度が0.5〜5重量%の範囲で、且
つSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)のモル比
が0.3〜1.5の範囲で、テトラアルキルアンモニウ
ム水酸化物の濃度が0.1〜5重量%の範囲でそれぞれ
含まれることが好ましい。
トリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムから選
ばれる1種または2種以上の組み合わせであり、アルカ
リ金属水酸化物とは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
および水酸化リチウムから選ばれる1種または2種以上
の組み合わせを指す。上記に述べた好ましい各々の濃度
の範囲外では残膜残りが生じ地汚れの原因となる場合
や、或いは画像が欠落したり、印刷時の耐刷力において
劣るため好ましくない。特に、アルカリ金属ケイ酸塩中
およびアルカリ金属水酸化物中のアルカリ金属イオンと
して、共にリチウムイオンが全アルカリ金属イオンに対
して少なくとも50モル%以上含まれている場合におい
て顕著に現像性が向上するため好ましく、最も好ましい
場合は、全てのアルカリ金属イオンがリチウムイオンの
場合である。
ム水酸化物を含む現像液において、SiO2/M2Oのモ
ル比が0.3を下回る場合においては、画像部への現像
液による浸食作用が顕著となり、画像欠陥を生じる等の
不都合が発生すると共に、ケイ酸塩による支持体表面の
親水化処理効果が不十分となり、印刷時の地汚れを生じ
たり、あるいはアルミニウム支持体を使用した場合に、
アルミニウム表面がアルカリにより腐食される場合があ
り、好ましくない。一方、SiO2/M2Oのモル比が
1.5を上回る場合には、ネガ型の赤外線感光性平版印
刷版の感光層に対する現像液の浸透性が低いことから現
像性が低下し、非画像部の溶出不良が生じるため好まし
くない。さらに、現像液中に含まれるアルカリ金属水酸
化物の濃度も重要であり、上記のSiO2/M2Oの好ま
しい範囲において、0.5〜5重量%含まれることが好
ましく、これ以下の濃度では現像性が低下し、非画像部
の溶出不良が生じるため好ましくなく、また5重量%を
上回る濃度では画像部の強度が低下し、印刷時の耐刷性
が劣る場合があるため好ましくない。加えて、アルカリ
金属ケイ酸塩の現像液中濃度に関しても、1〜4重量%
の範囲で含まれることが好ましく、1重量%を下回る濃
度では、支持体への親水化効果が不十分で地汚れの原因
となり、また、4重量%を上回る濃度では現像性が低下
する場合があり好ましくない。
の感光層表面への濡れ性を向上させ、感光層中への現像
液の浸透を促進する上で必須であり、カチオン性、アニ
オン性、ノニオン性、或いは両性界面活性剤を含有する
ものであるのが好ましく、その含有量は現像液中におい
て0.01%〜5%の範囲が好ましく、さらには0.0
5〜2%の範囲で含まれる場合が特に好ましい。また、
特に0.1〜2%の範囲で使用した場合には、多数枚の
現像処理中においても現像液中でのスラッジの発生が有
効に防止できる場合があるため、特に好ましい。
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルト
リメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウム
クロライド、パーフルオロトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ラウリルピリジニウムクロライド等の第4級ア
ンモニウム塩類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル
−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N
−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポ
リオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等を
挙げることができる。
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリル硫酸ナトリウム等アルキル硫酸エステル
塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラ
ウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルア
ルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール
硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナ
トリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸
ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等の
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ラウリ
ル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアル
キル燐酸エステル塩類、ラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテル
硫酸アンモニウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラ
ウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンのポリエチレ
ンオキサイド付加物等のアルキルエーテル硫酸塩のポリ
エチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエーテル
硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサイ
ド付加物類、ラウリルエーテル燐酸ナトリウムのポリエ
チレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル燐酸塩の
ポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエー
テル燐酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等
のアルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエチレンオキ
サイド付加物類等を挙げることができる。
レングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレ
ングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリ
コール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポ
リエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレ
ングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコー
ルベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキ
ルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレン
グリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポ
リプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等
のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールア
ルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフ
ェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニ
ルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニ
ルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、
ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエ
チレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコ
ール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノス
テアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポ
リエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪
酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステ
アリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリ
ル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセ
リル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エ
ステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、
モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビ
タン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソ
ルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂
肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加
物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸
ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオ
レイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、
及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ヒマシ油の
ポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができ
る。
N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウ
ム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキ
シメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒド
ロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N
−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)
アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−
N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾ
リウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナ
トリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナト
リウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類等を挙げ
ることができる。
は、カチオン性界面活性剤としての前記第4級アンモニ
ウム塩類、ノニオン性界面活性剤としての前記各種のポ
リエチレングリコール誘導体類、前記各種のポリエチレ
ンオキサイド付加物類等のポリエチレンオキサイド誘導
体類、両性界面活性剤としてのベタイン型化合物類が好
ましい。
ネガ型感光性平版印刷版においては、光重合開始剤が用
いられることが好ましく、用いることが好ましい光重合
開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オ
ニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサア
リールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエス
テル化合物、(f)アジニウム化合物、(g)活性エス
テル化合物、(h)メタロセン化合物、(i)トリハロ
アルキル置換化合物および(j)有機ホウ素化合物等が
挙げられる。
類の好ましい例としては、ベンゾフェノン骨格あるいは
チオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−64
16号記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭4
7−3981号記載のベンゾインエーテル化合物、特公
昭47−22326号記載のα−置換ベンゾイン化合
物、特公昭47−23664号記載のベンゾイン誘導
体、特開昭57−30704号記載のアロイルホスホン
酸エステル、特公昭60−26483号記載のジアルコ
キシベンゾフェノン、特公昭60−26403号、特開
昭62−81345号記載のベンゾインエーテル類、特
開平2−211452号記載のp−ジ(ジメチルアミノ
ベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号記
載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号記載
のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号
記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号記
載のチオキサントン類、特公昭59−42864号記載
のクマリン類を挙げることができる。
芳香族オニウム塩としては、N、P、As、Sb、B
i、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が
含まれる。このような芳香族オニウム塩は、特公昭52
−14277号、特公昭52−14278号、特公昭5
2−14279号等に示されている化合物を挙げること
ができる。
ことが好ましい光重合開始剤の他の例である(c)有機
過酸化物としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有
する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、
3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テ
トラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシ
イソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
合開始剤の他の例である(d)ヘキサアリールビイミダ
ゾールとしては、特公昭45−37377号、特公昭4
4−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば
2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,
5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−
ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テ
トラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p
−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフ
ェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフ
ェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシ
フェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′
−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフ
ェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフ
ェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミ
ダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等
が挙げられる。
ことが好ましい光重合開始剤の他の例である(e)ケト
オキシムエステルとしては、3−ベンゾイロキシイミノ
ブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−
オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オ
ン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−ア
セトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2
−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−
オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン
−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1
−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
ウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345
号、特開昭63−142345号、特開昭63−142
346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭
46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群
を挙げることができる。
ステル化合物の例としては特公昭62−6223号記載
のイミドスルホナート化合物、特公昭63−14340
号、特開昭59−174831号記載の活性スルホナー
ト類を挙げることができる。
セン化合物の例としては、特開昭59−152396
号、特開昭61−151197号、特開昭63−414
84号、特開平2−249号、特開平2−4705号記
載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−30445
3号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯
体を挙げることができる。
ロアルキル置換化合物が挙げられる。ここで言うトリハ
ロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチ
ル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分
子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好まし
い例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基
に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオ
キサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロ
アルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒
素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物
が挙げられる。
性平版印刷版に使用する特に好ましい光重合開始剤とし
て(j)有機ホウ素化合物が挙げられ、特に化2で示さ
れる有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが
好ましい。
各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内
で、R5,R6,R7およびR8の内の一つがアルキル基で
あり、他の置換基がアリール基である場合が特に好まし
い。
形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオ
ンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオン
が挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、ス
ルホニウム、 一ドニウムおよびホスホニウム化合物が
挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物
と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増
感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲で
の感光性を付与することが行われる。
用いる好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩をこれ
を赤外光において増感する色素とともに含む感光性平版
印刷版であり、この場合の有機ホウ素塩は赤外光の波長
領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めて
こうした波長領域の光に感光性を示すものである。
した化2で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であ
り、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオン
およびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ま
しい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、
テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、ト
リアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリア
リールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙
げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を化3および
化4に示す。
成中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範
囲が存在し、感光性組成物トータル100重量部におい
て該有機ホウ素塩は0.1重量部から50重量部の範囲
で含まれていることが好ましい。
光性平版印刷版に用いることが好ましい増感色素につい
ては、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有
しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサ
ンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。こ
れらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシ
アニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリ
メチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チ
アジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダ
ミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。こ
れらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高
感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。
上記の増感色素の内で、特に本発明に関わる750nm
以上の赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於
いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有す
ることが必要であり、こうした目的で使用される特に好
ましい例を化5および化6に示す。
量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素
重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から1
00重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好まし
くは光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲
で使用することが好ましい。
光性平版印刷版には、感光層中にエチレン性不飽和化合
物を含むことが好ましく行われ、この具体例としては、
分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合
物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例
としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイ
ソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレー
ト、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
カル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、ア
クリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴ
マーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和
化合物として同様に好ましく用いることが出来る。
物として、スチレン誘導体が挙げられ、分子内に2個以
上のスチリル基を有する化合物を使用した場合に於い
て、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル
同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度の
ネガ型感光材料を作成する上で極めて好ましい。特に好
ましいエチレン性不飽和化合物として化7〜化9に示す
例が挙げられる。
光性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存
在し、全感光性組成物100重量部中においてエチレン
性不飽和化合物は1重量部から60重量部の範囲で含ま
れることが好ましく、さらに5重量部から50重量部の
範囲で含まれることが特に好ましい。
光性平版印刷版において感光層に含まれる高分子結着剤
としては本発明による現像液に可溶であることが好まし
く、特にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマ
ーであることが好ましい。こうした例としては、カルボ
キシル基含有モノマーを共重合成分として含むポリマー
が挙げられ、この場合において共重合体組成中に含まれ
るカルボキシル基含有モノマーの割合として、トータル
組成100重量%中に於いて5重量%以上99重量%以
下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体
がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボ
キシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチ
ルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエ
ステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げら
れる。
とともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、
スチレン、4−メチルスチレン、 −ヒドロキシスチレ
ン、一アセトキシスチレン、 −カルポキシスチレン、
一アミノスチレン、クロロメチルスチレン、 −メトキ
シスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタ
クリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステ
ル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノ
エステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコー
ルモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコー
ルモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタク
リル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミ
ノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エ
ステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同
様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニ
ルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミ
ン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホ
ン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メ
タリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸お
よびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノ
マー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N
−ビニルイミダゾール、 −ビニルカルバゾール等の含
窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウ
ム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリ
メチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライ
ドによる4級化物、 −ビニルイミダゾールのメチルク
ロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニ
ウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、
ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、
−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、 −メチロールアクリルアミド、 −メトキシエチ
ルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルア
ミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導
体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、
酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、
酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の
ビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、 −ビ
ニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、
グリシジルメタクリレート等各種モノマーを先に述べた
カルボキシル基含有モノマーとともに上記の内のモノマ
ー単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合
体を本発明におけるネガ型の感光性平版印刷版における
感光層中の高分子結着剤として使用することが出来る。
剤の構造中には光重合開始剤から生じるラジカルに反応
性を有する置換基を有する場合も好ましく用いられる。
例えば、ポリマー側鎖に重合性二重結合を導入した場合
については極めて高感度なネガ型の感光性組成物を与え
ることから特に好ましく用いられる。さらには、側鎖に
含まれる重合性二重結合としてビニル基が置換したフェ
ニル基を有する場合に於いては、ラジカルが付加するこ
とにより生じるビニルラジカル同士が再結合により互い
に結合することから高感度のネガ型の感光材料を与える
ため極めて好ましい。好ましい高分子結着剤の例を下例
に示す。尚、式中の数字は重合体中の各繰り返し単位の
重量部を表す。
ては好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として10
00から100万の範囲にあることが好ましく、さらに
5000から50万の範囲にあることがさらに好まし
い。
光性平版印刷版を構成する他の要素として着色剤の添加
も好ましく行うことが出来る。着色剤としては露光およ
び現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使
用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニ
ン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン
系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用す
ることが出来、バインダー 重量郡に対して0.005
重量部から0.5重量部の範囲で好ましく添加すること
が出来る。
光性平版印刷版を構成する要素については上述の要素以
外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも
出来る。例えば感光性平版印刷版のブロッキングを防止
する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上
させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を
添加することも好ましく行われる。
関しては、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロン
の範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1
ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大
幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は上述の
種々の要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布
方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体につ
いては、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用し
ても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸
化皮膜を有するアルミニウム板である。
光層を有する材料を印刷版として使用するためには、こ
れに750nm以上の波長で赤外線レーザー走査露光を
行い、露光された部分が架橋することで本発明による現
像液に対する溶解性が顕著に低下することから、先に述
べた本発明による現像液により未露光部を効率的に溶出
することで画像形成が行われる。
使用する特に好ましいレーザー光源は、750nm以上
の赤外領域に発振波長を有するレーザーであり、各種半
導体レーザー、YAGレーザーやガラスレーザー等の固
体レーザーが最も好ましい。
外線レーザー感光性平版印刷版を現像する場合におい
て、本発明による現像液を使用して、35℃以下の現像
液温度において現像を行うことが好ましい。これより高
い温度で現像を行った場合において、画像部への現像液
の浸透が顕著となり、画像部に傷が発生したり、画像の
欠落を生じる場合があり、さらには、現像処理された版
材を用いて印刷を行った場合に耐刷力が顕著に低下する
場合があるため好ましくない。
平版印刷版を現像処理する場合には自動現像装置を使用
することが好ましい。自動現像装置には現像部、水洗部
およびリンス部が設けられていることが好ましく、現像
部においては現像液が版材表面にシャワーにより供給さ
れる場合や版材が現像液中に浸漬される機構を設けてい
ることが好ましい。さらに現像部において駆動式のモル
トンロールやブラシロールを用いて感光層表面から非画
像部を掻き落とす機構を設けていることも好ましく行わ
れる。あるいはこうした駆動式のモルトンロールやブラ
シロールは現像部ではなく、引き続く水洗部において設
けられることも好ましく行われる。現像糟に続く水洗部
においては、版材表面にシャワー等を利用して水洗水を
供給する場合や、あるいは水洗糟を設けて版材を浸漬す
ることで水洗する方法等いずれの方法でも好ましく実施
できる。さらに、水洗部に続き、リンス部において版面
保護のためのガム液と称されるアラビアガム等を含む液
を塗布する工程を設け、さらには乾燥工程を設けること
も好ましく行われる。
けることが好ましいモルトンロールとしてはレーヨン、
ポリプロピレン、ビニロン等の繊維を編み上げて形成し
たモルトン布を、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン
共重合体ゴム、ポリウレタン等のゴムロールに巻いた形
のロールが好ましく使用される。この場合のモルトンの
表面は出来るだけ均質に繊維層が形成されていることが
好ましく、毛羽立ちを抑える等の方法をとることで感光
層表面を均一に擦過することが好ましい。さらには、モ
ルトンロールは駆動ロールとして、搬送される版材の搬
送速度に対して同期することなく、搬送方向と同方向或
いは逆方向に回転させることで非画像部の残膜を効果的
に除去することが好ましく行われる。駆動ロールが搬送
方向と同方向に回転する場合においては、駆動ロール表
面と搬送される版材表面の相対速度は同一ではなく駆動
ロール表面の相対速度を速くすることで表面擦過の効果
が現れるために好ましい。また、駆動ロールの回転方向
が搬送方向と逆である場合においても表面が有効に擦過
されるために好ましい。
けることが好ましいブラシロールに関しては、ナイロ
ン、ポリプロピレン等のブラシ線材を用いたブラシロー
ルが好ましく、植え込みロールブラシおよびチャンネル
ロールブラシ等が好ましく使用される。この場合におい
てもブラシロールは駆動装置により駆動される駆動ロー
ルであることが好ましく、版材の搬送方向に対して同方
向あるいは逆方向に回転され、表面を擦過することが好
ましい。
説明する。 (実施例1〜3および比較例1) (ネガ型感光性平版印刷版の作成)厚みが0.24mm
である砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を
使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液
を乾燥厚みが2ミクロンになるようロールコーターによ
り塗布を行い、多数枚の感光性平版印刷版を作成した。
感光性平版印刷版材料のサイズは670mm×530m
mの大きさに裁断して使用した。
例) ビスムチオール(2,5−ジメルカプト−1,3−4−
チアジアゾール)150gを600mlのメタノール中
に懸濁させ、冷却しながらトリエチルアミン101gを
徐々に添加し、均一な溶液を得た。室温下に保ちながら
p−クロロメチルスチレン(セイミケミカル製、CMS
−14)を10分に亘り滴下し、さらに3時間攪拌を続
けた。反応生成物が次第に析出し、攪拌後に氷浴に移し
内温を10℃まで冷却した後、吸引濾過により生成物を
分離した。メタノールにより洗浄を行い、真空乾燥器内
で1昼夜乾燥することで収率75%で化15に示す化合
物を得た。
入管、温度計、還流冷却管を備えた1リッター4ツ口フ
ラスコ内にとり、メタクリル酸70gおよびエタノール
200ml、蒸留水50mlを加え、攪拌しながら水浴
上でトリエチルアミン110gを添加した。窒素雰囲気
下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合
を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室
温まで冷却した。一部(を取り出し、希塩酸を加えてp
Hを3程度に調整し、これを水中にあけることで化16
に示す構造のポリマーを得た。
中に1,4−ジオキサン100gおよびp−クロロメチ
ルスチレンを23g加え、室温で更に15時間攪拌を続
けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)85gを
加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3リッ
ターの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過
により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾
燥器内で1昼夜乾燥した。収率90%で目的とする重合
体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よる分子量測定により重量平均分子量9万(ポリスチレ
ン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる
解析により重合体化10中P−1の構造を支持するもの
であった。
濁し、冷却しながら水酸化カリウム84gを溶解した3
0%水溶液を徐々に加え、均一な溶液を得た。これに、
室温下でp−クロロメチルスチレン230gを内温が4
0℃を越えないよう徐々に滴下した。添加後まもなく生
成物が析出してくるが攪拌を続け、3時間攪拌を行った
後に吸引濾過により生成物を分離した。メタノールによ
り洗浄を行い、真空乾燥器内で一昼夜乾燥を行った後、
90%の収率で化7中C−5で示される化合物を得た。
日本スクリーン製造(株)製プレートセッターPT−R
4000を用いて、ドラム回転速度1000rpm、解
像度2400dpi、版面露光エネルギー150mJ/
cm2の条件で画像面積が20%の条件でテスト画像の
露光を行った。露光後の版材を下記処方の現像液を使用
して、以下の条件で現像処理を行った。
液は多摩化学工業(株)製のケイ酸カリウム水溶液を使
用したが、これに含まれるSiO2は20%であり、併
せてKOHが10%含まれるものを使用した。このケイ
酸カリウム水溶液に更にKOHを添加することで下記表
1に示されるような各々の比率になるように調整を行っ
た。テトラアルキルアンモニウム水酸化物としてTMA
H(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)または/
およびTBAH(テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド)を表1の濃度になるように加え、さらに界面活性剤
としてポリエチレングリコール(付加モル数=5)モノ
ステアレートを0.1%になるよう加え、トータルの液
量が100リッターになるようイオン交換水を加えて現
像液を作成した。
大日本スクリーン製造(株)製PD−912−Mを使用
して現像を行った。現像液は上記で作成した現像液を使
用した。このPD−912−Mにおいて現像糟中に駆動
ロールであるモルトンロールが設置され、現像液中で版
材表面が擦過される機構を有している。駆動ロールであ
るモルトンロールの回転方向は搬送方向と同一で、版材
の搬送速度に対して約2倍の相対速度で回転することで
表面の擦過を行った。最終処理部にはガム液を供給する
ための機構が設けられており、ガム液として(株)日研
化学研究所製日研ウルトラPSガムを水で1対1に希釈
した液を使用した。
し、補充液として同一の現像液を1版当たり30mlを
補充した。水洗水およびガム液は自動現像装置外部に設
置したタンクから循環する形で供給を行った。現像液中
浸漬条件は液温26℃で浸漬時間は20秒に設定した。
先に作成した露光済みの多数枚の感光性平版印刷版を一
日当たり平均100版を処理した。
刷評価を行った。印刷機はRyobi−560を使用
し、印刷インキは大日本インキ(株)製Fグロス墨Bを
使用し、湿し水は市販の湿し水を希釈して使用した。印
刷評価項目として刷り始めからの紙へ転写するインキ濃
度が十分でかつ安定化するまでの刷り枚数を以てインキ
乗りとし、この枚数が少ないほど良好と評価した。また
耐刷性についてはテスト画像中の微小網点および細線が
欠落し始めるまでの刷り枚数を以て評価を行った。ま
た、地汚れの有無は印刷物上の地汚れの有無を以て目視
判定を行った。処理を継続して行った場合の印刷評価結
果を表2および表3に併せて示した。尚、比較例1にお
いては、初日の処理において溶出不良が発生したため、
これ以降の現像処理は行わなかった。
て現像された印刷版の画像品質を評価した。評価項目は
175線網点の再現レンジとして1%から99%の範囲
の網点が版材上で再現されているかの確認と、10ミク
ロン細線が均質に再現されているかの確認および画像上
の傷の有無、非画像部の残膜残りの有無を目視判定し
た。結果を表4に示したが、実施例1〜3の現像液を使
用した場合にはいずれの例においてもランニング試験を
通して良好な画質の版材が安定して得られた。一方、比
較例1については初日の現像処理において溶出不良が発
生しており、網詰まりが顕著であった。比較例1につい
ての結果を表5にまとめた。
ーに感光性を有するネガ型感光性平版印刷版を現像する
場合において、画像品質に優れ、印刷時の地汚れの発生
が無く、耐刷力に優れた印刷版を与える。
Claims (2)
- 【請求項1】 赤外線レーザーに感光するネガ型感光性
平版印刷版をアルカリ性現像液を使用して現像する際
に、該アルカリ性現像液としてアルカリ金属ケイ酸塩、
アルカリ金属水酸化物およびテトラアルキルアンモニウ
ム水酸化物を含むことを特徴とするネガ型感光性平版印
刷版の現像液。 - 【請求項2】 前記アルカリ性現像液中におけるアルカ
リ金属ケイ酸塩中のSiO2の濃度が1〜4重量%、ア
ルカリ金属水酸化物の濃度が0.5〜5重量%の範囲
で、且つSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)の
モル比が0.3〜1.5の範囲で、テトラアルキルアン
モニウム水酸化物の濃度が0.1〜5重量%の範囲でそ
れぞれ含まれる請求項1に記載のネガ型感光性平版印刷
版の現像液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001079628A JP4237950B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | ネガ型感光性平版印刷版の現像液 |
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Publications (2)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011191734A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-09-29 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | フォトリソグラフィ用現像液及びレジストパターン形成方法 |
DE112010000772T5 (de) | 2009-02-13 | 2012-06-14 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Lichtempfindliches lithographisches Druckplattenmaterial |
TWI514092B (zh) * | 2009-12-25 | 2015-12-21 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | Microscope with concentrated developer |
-
2001
- 2001-03-21 JP JP2001079628A patent/JP4237950B2/ja not_active Expired - Fee Related
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TWI514092B (zh) * | 2009-12-25 | 2015-12-21 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | Microscope with concentrated developer |
US9291905B2 (en) | 2009-12-25 | 2016-03-22 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Developing solution for photolithography, method for forming resist pattern, and method and apparatus for producing developing solution for photolithography |
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