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JP2002126427A - ハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

ハニカムフィルタの製造方法

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Publication number
JP2002126427A
JP2002126427A JP2000332364A JP2000332364A JP2002126427A JP 2002126427 A JP2002126427 A JP 2002126427A JP 2000332364 A JP2000332364 A JP 2000332364A JP 2000332364 A JP2000332364 A JP 2000332364A JP 2002126427 A JP2002126427 A JP 2002126427A
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JP
Japan
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honeycomb filter
masking material
porous ceramic
ceramic member
manufacturing
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Application number
JP2000332364A
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Inventor
Norihiko Yamamura
範彦 山村
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
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Publication of JP2002126427A publication Critical patent/JP2002126427A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質セラミック部材の両端面に貼り付けた
マスキング材が、ハニカムフィルタの製造途中で容易に
破損、分解、剥離してしまうことがなく、その結果、ハ
ニカムフィルタを良好に製造することができるハニカム
フィルタの製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質セラミック部材を製造した後、上
記多孔質セラミック部材の両端面に、基材フィルム上に
粘着剤層が形成されたマスキング材を貼り付け、上記マ
スキング材を貼り付けた多孔質セラミック部材の側面
に、接着剤ペーストを塗布し、上記接着剤ペーストの上
に他の多孔質セラミック部材を積層する工程を繰り返し
て、セラミック積層体を組み上げ、上記セラミック積層
体の一部を切削してセラミックブロックを作製し、上記
セラミックブロックの外周部にシール材層を形成した
後、上記マスキング材を剥離する工程を含むことを特徴
とするハニカムフィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出
される排気ガス中のパティキュレート等を除去するフィ
ルタとして用いられるハニカムフィルタの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車、バス、トラック等の車両や建設
機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有され
るパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最
近問題となっている。この排気ガスを多孔質セラミック
を通過させるたとにより、排気ガス中のパティキュレー
トを捕集して排気ガスを浄化するハニカムフィルタが種
々提案されている。
【0003】このようなハニカムフィルタは、通常、図
1に示したハニカムフィルタ10のように、炭化珪素等
からなる多孔質セラミック部材30が複数個結束されて
セラミックブロック15を構成し、このセラミックブロ
ック15の周囲にシール材層12が形成されている。ま
た、この多孔質セラミック部材30は、図2に示したよ
うに、長手方向に多数の貫通孔31が並設され、貫通孔
31同士を隔てる隔壁33がフィルタとして機能するよ
うになっている。
【0004】即ち、多孔質セラミック部材30に形成さ
れた貫通孔31は、図2(b)に示したように、排気ガ
スの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材32
により目封じされ、一の貫通孔31に流入した排気ガス
は、必ず貫通孔31を隔てる隔壁33を通過した後、他
の貫通孔31から流出されるようになっている。
【0005】排気ガス浄化装置では、このような構成の
ハニカムフィルタ10が内燃機関の排気通路に設置さ
れ、内燃機関より排出された排気ガス中のパティキュレ
ートは、このハニカムフィルタ10を通過する際に隔壁
33により捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0006】このようなハニカムフィルタ10を製造す
る際には、まず、原料であるセラミック粒子の他に溶剤
やバインダー等を含む混合組成物を調製し、この混合組
成物を用いて押出成形等を行いセラミック成形体を作製
する。そして、このセラミック成形体に乾燥、脱脂、焼
成の各処理を施すことで多孔質セラミック部材30を製
造する。
【0007】次に、この多孔質セラミック部材30を接
着層14となる接着剤ペーストを介して積層することに
よりセラミック積層体を組み上げ、乾燥後、所定形状に
切削してセラミックブロック15を作製する。そして、
このセラミックブロック15の外周部にシール材層13
を形成することによりハニカムフィルタ10を製造して
いた。
【0008】しかしながら、このような方法でハニカム
フィルタ10を製造しようとすると、上記セラミック積
層体の組み上げ工程において、多孔質セラミック部材3
0の側面に塗布した接着剤ペーストが多孔質セラミック
部材30の端面部分にはみ出し、貫通孔31が形成され
ている部分に付着し、貫通孔31を塞いでしまうことが
あった。
【0009】また、同様の問題がシール材層13を形成
する工程においても発生する場合があった。即ち、セラ
ミックブロック15の外周部にシール材層13となるシ
ール材ペーストを塗布し、シール材ペースト層を形成す
ると、上記シール材ペーストがセラミックブロック15
の端面にはみ出して貫通孔31が形成されている部分に
付着し、貫通孔31を塞いでしまうことがあった。この
ように上記接着剤ペーストや上記シール材ペーストが、
貫通孔31を塞いでしまうと、貫通孔31は目詰まりと
なり、ハニカムフィルタのフィルタとしての機能が低下
してしまう。
【0010】そこで、多孔質セラミック部材30の両端
面にガムテープやビニールテープを貼り付けて、このよ
うな貫通孔の目詰まりの防止図っていたが、このような
ガムテープやビニールテープは、その耐熱性や耐久性に
劣るものであったため、ハニカムフィルタ10の製造過
程で、破損、分解、剥離等してしまうことがあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するためになされたもので、多孔質セラミック
部材の両端面に貼り付けたマスキング材が、ハニカムフ
ィルタの製造途中で容易に破損、分解、剥離してしまう
ことがないため、ハニカムフィルタの貫通孔にシール材
等が侵入することなく、良好な特性を有するハニカムフ
ィルタを製造する製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の貫通孔
が隔壁を隔てて長手方向に並設された角柱形状の多孔質
セラミック部材が接着層を介して複数個結束されてセラ
ミックブロックを構成するとともに、その外周部がシー
ル材によりコーティングされ、上記貫通孔を隔てる隔壁
が粒子捕集用フィルタとして機能するように構成された
ハニカムフィルタの製造方法であって、上記多孔質セラ
ミック部材を製造した後、その硬度が50〜150°、
耐熱温度が120℃以上の基材フィルム上に粘着剤層が
形成され、その粘着力が500〜2000gf/19m
m幅のマスキング材を、上記多孔質セラミック部材の両
端面に貼り付けるマスキング材貼り付け工程と、上記マ
スキング材を貼り付けた多孔質セラミック部材の側面
に、接着剤ペーストを塗布し、上記接着剤ペーストの上
に他の多孔質セラミック部材を積層する工程を繰り返し
て、セラミック積層体を組み上げるセラミック積層体作
製工程と、上記セラミック積層体の一部を切削し、上記
セラミックブロックを作製するセラミックブロック作製
工程と、上記セラミックブロックの外周部にシール材を
形成した後、上記マスキング材を剥離するマスキング材
剥離工程とを含むことを特徴とするハニカムフィルタの
製造方法である。以下、本発明のハニカムフィルタの製
造方法について説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のハニカムフィルタの製造
方法は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設さ
れた角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を介して
複数個結束されてセラミックブロックを構成するととも
に、その外周部がシール材によりコーティングされ、上
記貫通孔を隔てる隔壁が粒子捕集用フィルタとして機能
するように構成されたハニカムフィルタの製造方法であ
って、上記多孔質セラミック部材を製造した後、その硬
度が50〜150°、耐熱温度が120℃以上の基材フ
ィルム上に粘着剤層が形成され、その粘着力が500〜
2000gf/19mm幅のマスキング材を、上記多孔
質セラミック部材の両端面に貼り付けるマスキング材貼
り付け工程と、上記マスキング材を貼り付けた多孔質セ
ラミック部材の側面に、接着剤ペーストを塗布し、上記
接着剤ペーストの上に他の多孔質セラミック部材を積層
する工程を繰り返して、セラミック積層体を組み上げる
セラミック積層体作製工程と、上記セラミック積層体の
一部を切削し、上記セラミックブロックを作製するセラ
ミックブロック作製工程と、上記セラミックブロックの
外周部にシール材を形成した後、上記マスキング材を剥
離するマスキング材剥離工程とを含むことを特徴とする
ものである。
【0014】本発明のハニカムフィルタの製造方法にお
いては、まず、多孔質セラミック部材を製造するが、そ
の製造方法については、上記従来の技術において説明し
た通りであるので、ここでは、その詳しい説明を省略す
る。また、多孔質セラミック部材の原料であるセラミッ
クは特に限定されず、種々のセラミックが挙げられる
が、これらのなかでは、耐熱性が大きく、機械的特性に
優れ、かつ、熱伝導率も大きい炭化珪素が好ましい。
【0015】上記多孔質セラミック部材は、平均粒径が
2〜150μmのセラミック結晶からなるものであるこ
とが望ましく、10〜70μmがより望ましい。上記セ
ラミック結晶の平均粒径が2μm未満であると、多孔質
セラミック部材の内部に存在する気孔の気孔径が小さく
なりすぎ、直ぐに目詰まりを起こすため、フィルタとし
て機能することが困難となる。一方、上記セラミック結
晶の平均粒径が150μmを超えると、その内部に存在
する気孔の気孔径が大きくなりすぎ、多孔質セラミック
部材の強度が低下してしまうおそれがある。また、所定
の割合の開放気孔を有し、平均粒径が150μmを超え
るようなセラミック結晶を有する多孔質セラミック部材
を製造すること自体が余り容易でない。
【0016】次に、上記製造した多孔質セラミック部材
の両端面に、基材フィルム上に粘着剤層が形成されたマ
スキング材を貼り付ける。
【0017】上記基材フィルムの硬度は50〜150°
であるので、後述するセラミック積層体に切削加工を施
す工程において、千切れたり、剥がれたり、伸び過ぎた
りすることなく、切削された部分の形状にマスキング材
も切断される。上記硬度が50°未満であると、基材フ
ィルムが柔らかすぎるため、セラミック積層体に切削加
工を施した際、切削された部分と同様の形状に切断され
ず、マスキング材が伸び、後述するシール材層の形成工
程の邪魔となったり、シールすべき部分のマスキング材
が千切れて無くなってしまう等の不都合が生ずる。一
方、上記硬度が150°を超えると、硬くなりすぎるた
め、多少の凹凸が形成された端面にしっかりと貼り付け
ることができず、剥がれやすくなる。
【0018】また、上記基材フィルムの耐熱温度は12
0℃以上であるので、後述するシール材層の乾燥工程で
変質したり、分解したりすることはない。上記耐熱温度
が120℃未満であると、後の乾燥工程等において、上
記基材フィルムが分解してしまうおそれがある。上記耐
熱温度は150℃以上であることが望ましい。
【0019】上記粘着剤としては特に限定されず、例え
ば、ポリイソブチレン、SBR、ブチルゴム、クロロプ
レンゴム等のゴム系粘着剤、その他、アクリル系粘着剤
等を挙げることができる。
【0020】このような粘着剤を塗布した上記マスキン
グ材の粘着力は、500〜2000gf/19mm幅で
あるため、後述する剥離シートを用いてマスキング材を
剥離する工程で、容易に剥離することができ、かつ、ハ
ニカムフィルタの製造途中で剥離することはない。上記
粘着力が500gf/19mm幅未満であると、その粘
着力が不充分であり、ハニカムフィルタの製造途中で上
記マスキング材が剥離してしまうことがある。一方、上
記粘着力が2000gf/19mm幅を超えると、後の
マスキング材の剥離工程で、上記マスキング材を完全に
剥離することが困難となる。上記粘着力は1000〜1
500gf/19mm幅であることが望ましい。
【0021】上記基材フィルムとしては、樹脂系フィル
ムであることが望ましい。耐熱性及び耐久性に優れ、上
記各特性を略満たすことができるからである。また、こ
のような樹脂系フィルムのなかでは、ポリエステルフィ
ルムであることが望ましく、特に、PETフィルムであ
ることが望ましい。上述した各特性を満たすことがで
き、特に、耐熱性及び耐久性に優れるからである。
【0022】このような基材フィルム及び粘着剤層から
なるマスキング材の厚みは、10〜500μmであるこ
とが望ましい。厚みが10μm未満であると、その強度
が低下して容易に破損してしまう。一方、厚みが500
μmを超えると、硬度が高くなり取扱い性に劣り、ま
た、上述したように、端面の形状に追従しにくくなるた
め、剥がれやすくなる。上記マスキング材の厚みは10
〜100μmであることがより望ましい。
【0023】上記多孔質セラミック部材の両端面に上記
マスキング材を貼り付ける方法としては特に限定され
ず、例えば、予めマスキング材を多孔質セラミック部材
の端面と同形状にカットしておき、機械アーム等を用い
て自動的に貼り付けてもよく、手で張りつけてもよい。
生産性を考慮すると機械アーム等を用いて自動的に貼り
付ける方法が望ましい。
【0024】次に、上記マスキング材を貼り付けた多孔
質セラミック部材の側面に、接着剤ペーストを塗布し、
上記接着剤ペーストの上に他の多孔質セラミック部材を
積層する工程を繰り返して、セラミック積層体を組み上
げるセラミック積層体作製工程を行う。
【0025】このセラミック積層体作製工程において
は、図3に示したように、断面がV字形状に構成された
台60の上に、斜めに傾斜した状態で載置した多孔質セ
ラミック部材30の上側を向いた2つの側面30a、3
0bに、上記接着剤ペーストを、例えば、刷毛、スキー
ジ、ロール等を用いて印刷して、所定の厚さの接着剤ペ
ースト層61を形成する。
【0026】次に、この接着剤ペースト層61の上に他
の多孔質セラミック部材30を積層する。そして、この
ような多孔質セラミック部材30の側面に接着剤ペース
ト層61を形成してから、他の多孔質セラミック部材3
0を積層する工程を繰り返して行い、所定の大きさの角
柱状のセラミック積層体を作製する。
【0027】上記接着剤ペーストとしては、耐熱性を有
するものであれば特に限定されず、例えば、有機バイン
ダー、無機バインダー、無機繊維及び無機粒子を含むも
のを挙げることができる。このような組成からなる接着
剤ペーストは、多孔質セラミック部材との馴染みがよく
接着強度に優れるとともに、熱伝導率にも優れたものと
なる。
【0028】上記有機バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、カルボキシセルロース等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機バインダーのなかでは、カルボキシセルロース
が好ましい。
【0029】上記無機バインダーとしては、例えば、シ
リカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無
機バインダーのなかでは、シリカゾルが好ましい。
【0030】上記無機繊維としては、例えば、シリカー
アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミック
ファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなか
では、シリカーアルミナファイバーが好ましい。
【0031】上記無機粒子としては、例えば、炭化物、
窒化物等が挙げられ、具体的には、炭化珪素、窒化珪
素、窒化硼素等からなる無機粉末又はウィスカー等が挙
げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に
優れる炭化珪素が好ましい。
【0032】この接着剤ペースト中には、接着剤ペース
ト層を柔軟にし、流動性を付与して塗布しやすくするた
め、上記した有機バインダー、無機バインダー、無機繊
維及び無機粒子のほかに、およそ総重量の35〜65重
量%程度の水分や他のアセトン、アルコール等の溶剤等
が含まれている。この接着剤ペーストの粘度は、15〜
25Pa・s(1万〜2万cps(cP))が好まし
い。
【0033】この接着剤ペーストを、多孔質セラミック
部材の側面に付着させる方法としては特に限定されず、
例えば、接着剤ペーストをチューブ等を用いて輸送し、
接着剤ペーストの塊を上記チューブより流出させて、多
孔質セラミック部材の側面に付着させる方法等が挙げら
れる。
【0034】次に、このようにして作製したセラミック
積層体を、例えば、50〜150℃、1時間の条件で加
熱して上記接着剤ペースト層を乾燥、硬化させ、接着層
とした後、上記セラミック積層体の一部を切削し、上記
セラミックブロックを作製するセラミックブロック作製
工程を行う。
【0035】上記セラミック積層体の一部を切削する方
法としては特に限定されず、例えば、ダイヤモンドカッ
ター等を用いて、上記セラミック積層体の外周部を切削
する方法等を挙げることができる。このとき、上記セラ
ミック積層体の断面に接着されたマスキング材は、上述
した特性を有するので、切削部分のマスキング材が伸び
たり、千切れたり、剥がれたりすることなく、切削部分
と同様の形状に切削される。従って、後述するシール材
層の形成工程で、シール材ペーストが多孔質セラミック
部材の貫通孔に侵入するのを防止することができる。
【0036】次に、このようにして作製したセラミック
ブロックの外周部にシール材ペーストを塗布し、乾燥さ
せ、シール材層を形成し、ハニカムフィルタを作製す
る。
【0037】上記シール材ペーストとしては特に限定さ
れず、例えば、上記接着剤ペーストと同様の組成からな
るペーストを挙げることができる。
【0038】また、上記シール材層を形成する方法とし
ては特に限定されず、例えば、上記セラミックブロック
をその回転軸方向に軸支、回転させ、上記接着層を形成
した場合と同様に、チューブ等を用いて、上記シール材
ペーストの塊を、回転しているセラミックブロックの外
周部に付着させる。そして、板状部材等を用いてシール
材ペーストを引き延ばし、シール材ペースト層を形成す
る方法を挙げることができる。このとき、シール材ペー
ストが端面に付着する場合があるが、本発明では、端面
にマスキング材が貼り付けられているため、シール材ペ
ーストが多孔質セラミック部材の貫通孔に侵入すること
はない。この後、例えば、120℃以上の温度で乾燥さ
せることにより、水分を蒸発させてシール材層とする
が、本発明で用いたマスキング材は、120℃以上の耐
熱性を有するので、この乾燥工程で柔らかくなりすぎ、
縮んだり、分解したりすることはない。
【0039】次に、このようにして作製したハニカムフ
ィルタの両端面に貼り付けられている上記マスキング材
を剥離するマスキング材剥離工程を行うことにより、本
発明のハニカムフィルタの製造方法を終了する。
【0040】上記マスキング材を剥離する方法としては
特に限定されず、例えば、上記マスキング材の粘着力よ
りも強い粘着力を有する粘着剤を塗布した剥離用シート
を、上記ハニカムフィルタの端面に押し当て、上記剥離
用シートに上記マスキング材を接着し、その後、上記剥
離用シートを引き離すことにより、複数の上記マスキン
グ材を上記ハニカムフィルタの端面から剥離させる方法
や、へらやカッター等を用いて手作業で剥離する方法等
を挙げることができるが、剥離用シートを用いる方法が
好ましい。
【0041】上記マスキング材の粘着力よりも強い粘着
力を有する粘着剤を塗布した剥離用シートとしては、例
えば、ポリエステルフィルムにゴム系粘着剤を塗布した
もの等を挙げることができる。
【0042】上記剥離用シートの粘着力は、3000〜
8000g/25mm幅であることが望ましい。粘着力
が3000g/25mm幅未満であると、粘着力が不充
分であり、マスキング材をハニカムフィルタの端面から
完全に剥離することができない場合がある。一方、粘着
力が8000g/25mm幅を超えると、粘着力が強す
ぎるため、取り扱い性に劣り、また、マスキング材を剥
離するのに充分な粘着力を有するものであり、これ以上
の粘着力を有する剥離用シートは、製造コストの高騰を
招く。なお、上述した粘着力を有する上記マスキング材
は、ハニカムフィルタの製造途中の熱や外的要因によっ
て容易に剥離することはないが、上記マスキング材より
も強い粘着力を有する上記剥離用シートにより容易にハ
ニカムフィルタの端面から剥離することができる。
【0043】また、上記剥離用シートの形状は、ハニカ
ムフィルタの端面と略同形状、矩形状等任意の形状のも
のを挙げることができるが、そのサイズとしては、ハニ
カムフィルタの端面を完全に覆うことができるものであ
ることが望ましい。ハニカムフィルタの端面の略全面に
貼り付けたマスキング材を完全に接着することができる
からである。
【0044】このような剥離用シートをハニカムフィル
タの端面に押し当てる方法としては特に限定されず、任
意の方法で押し当てることができるが、ローラをハニカ
ムフィルタの端面に沿って転がす方法が望ましい。ロー
ラとハニカムフィルタの端面とが成す角度は常に一定で
あるので、均一な押圧力で剥離用シートをハニカムフィ
ルタの端面に押し当てることができるからである。
【0045】上記ローラの直径は、押し当てる対象であ
るハニカムフィルタの端面の直径に合わせて適宜調整さ
れるが、50〜200mm程度であることが望ましい。
直径が50mm未満であると、ローラをハニカムフィル
タの端面の一端部から中心を挟んだ他端部まで転がすの
に時間がかかり、生産性の低下を招く。一方、直径が2
00mmを超えると、均一な押圧で剥離用シートをハニ
カムフィルタの端面に押し当てることが困難となる。
【0046】また、上記ローラの幅は特に限定されず、
ハニカムフィルタの端面の直径よりも少し大きくなるよ
うに調整されることが望ましい。上記ローラをハニカム
フィルタの端面に沿って転がす回数を一度だけにするこ
とができるからである。
【0047】また、少なくとも上記ローラの表面は、4
0〜90°の硬度を有する弾性体であることが望まし
い。上記ローラを用いて剥離用シートをハニカムフィル
タの端面に押し当てた際、剥離用シート、マスキング材
及びハニカムフィルタの端面の破損を防止するためであ
る。
【0048】上記弾性体は、上記ローラの表面から少な
くとも5mmの厚さで形成されていることが望ましい。
弾性体の厚さが5mm未満であると、ローラをハニカム
フィルタの端面に押し当てた際、上記弾性体が変形し、
ローラの弾性体非形成部分にまで押圧がかかり、剥離用
シート、マスキング材及びハニカムフィルタの端面が破
損するおそれがある。なお、「少なくとも」であるか
ら、上記ローラの全体が上記弾性体からなるものであっ
てもよい。
【0049】上記弾性体としては、ウレタン系発泡ゴム
又はクロロプレン系スポンジゴムであることが望まし
い。適度な硬度を有するものであり、剥離用シートをハ
ニカムフィルタの端面に押し当てた際、ハニカムフィル
タの端面と接触している部分が適度に変形し、剥離用シ
ートと接着シートとを確実に貼り付けることができるか
らである。
【0050】また、上記弾性体としては、ネオプレンス
ポンジゴムであることが最も望ましい。50°と好適な
硬度を有し、ハニカムフィルタの端面に押し当てた際、
剥離用シート、マスキング材及びハニカムフィルタの端
面を傷つけることがなく、また、ハニカムフィルタの端
面と接触する上記ネオプレンスポンジゴムが適度に変形
し、確実にマスキング材全体を剥離用シートに貼り付け
ることができるからである。また、その加工性にも優れ
る。
【0051】その他の弾性体の例としては、例えば、ス
チレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム等の合成ゴムやポリイソブチレン、ポリエチレン等の
エラストマー、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、
発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等のプラスチッ
ク発泡体、その他、天然ゴム、スポンジゴム等を挙げる
ことができる。
【0052】以上説明した通り、本発明のハニカムフィ
ルタの製造方法は、製造した多孔質セラミック部材の両
端面に、耐熱性及び耐久性に優れたマスキング材を貼り
付けているため、貼り付けたマスキング材が、ハニカム
フィルタの製造途中で容易に破損、分解、剥離してしま
うことがなく、その結果、ハニカムフィルタの貫通孔に
シール材等が侵入することなく、良好な特性を有するハ
ニカムフィルタを製造することができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0054】実施例1 炭化珪素粉末に有機バインダー、水等を加えて混練した
後、押し出し成形を行い、ハニカム形状の生成形体を作
製し、続いて、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより、図
2に示したような平均気孔径が1〜40μmで、セル数
が31個/cm2で、隔壁の厚さが0.3mmの多孔質
セラミック部材を製造した。
【0055】次に、上記多孔質セラミック部材の両端面
に、粘着剤として熱硬化性ゴム系粘着剤を塗布したPE
Tフィルムからなるマスキング材(日東電工社製:N
o.315)を貼り付けた。なお、上記マスキング材
は、硬度が110°、耐熱温度が150℃、粘着力が1
200g/19mm幅であった。
【0056】次に、上記多孔質セラミック部材を、無機
繊維や無機粒子等を含む耐熱性の接着剤を用いて多数結
束させてセラミック積層体を作製し、続いて、ダイヤモ
ンドカッターを用いて切削してセラミックブロックを作
製した後、上記接着剤と同じ成分からなるシール材をそ
の外周部に形成し、130℃で乾燥することにより、図
1に示したような円柱形状のハニカムフィルタを製造し
た。
【0057】そして、剥離用シートとして、ゴム系粘着
剤を塗布したポリエステルフィルム(スコッチ社製:N
o.859)を上記ハニカムフィルタの端面に押し当て
て、上記マスキング材を上記剥離用シートに接着し、上
記剥離用シートをハニカムフィルタの端面から引き離す
ことで、上記マスキング材をハニカムフィルタの端面か
ら剥離させた。なお、この剥離用シートの粘着力は50
00gf/25mm幅であり、該剥離用シートをハニカ
ムフィルタの端面に押し当てる際、その表面にネオプレ
ンゴムが形成されたローラを使用した。
【0058】本実施例1において、多孔質セラミック部
材に貼り付けたマスキング材は、上記セラミックブロッ
ク作製工程でも、千切れたり、伸びたり、剥離したりす
ることなく、切削した形状と同様の形状に切削された。
また、乾燥工程においても、変質や分解することはなか
った。さらに、剥離シートにより、剥離工程でも、容易
に剥離された。良好な特性を有するハニカムフィルタを
製造することができた。また、製造したハニカムフィル
タの端面の状態を目視にて観察したところ、特に目詰ま
りが発生している貫通孔はなかった。
【0059】比較例1 多孔質セラミック部材の両端面に貼り付けるマスキング
材を、市販されているガムテープとした他は、実施例1
と同様にしてハニカムフィルタを製造した。
【0060】本比較例1において、上記マスキング材と
して多孔質セラミック部材の両端面に貼り付けたガムテ
ープは、ハニカムフィルタの製造の途中において、一部
に破損及び剥離が見られ、上記多孔質セラミック部材の
端面を完全に覆うことができなかった。また、製造した
ハニカムフィルタの端面の状態を目視にて観察したとこ
ろ、ハニカムフィルタの貫通孔の一部に接着剤ペースト
及びシール剤ペーストが侵入し、目詰まりをおこしてい
る部分があり、本比較例1に係るハニカムフィルタは、
フィルタとしての機能に劣るものであった。
【0061】
【発明の効果】本発明のハニカムフィルタの製造方法
は、上述の通りであり、マスキング材は、耐熱性に優れ
るとともに、適度な硬度や粘着性を有するので、ハニカ
ムフィルタの端面部分に貼り付けられたマスキング材
が、ハニカムフィルタの製造途中で、一部が剥離した
り、破損したり、分解や変質が発生しない。従って、ハ
ニカムフィルタの貫通孔が目詰まりをおこすことがな
く、良好にハニカムフィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカムフィルタの一実施形態を模式的に示し
た斜視図である。
【図2】(a)は、ハニカムフィルタを構成する多孔質
セラミック部材を模式的に示した斜視図であり、(b)
は、そのA−A線断面図である。
【図3】セラミックブロックを作製する様子を模式的に
示した説明図である。
【符号の説明】
10 ハニカムフィルタ 13 シール材層 14 接着層 15 セラミックブロック 30 多孔質セラミック部材 30a、30b 側面 31 貫通孔 32 充填材 33 隔壁 60 台 61 接着剤ペースト層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に
    並設された角柱形状の多孔質セラミック部材が接着層を
    介して複数個結束されてセラミックブロックを構成する
    とともに、その外周部がシール材層によりコーティング
    され、前記貫通孔を隔てる隔壁が粒子捕集用フィルタと
    して機能するように構成されたハニカムフィルタの製造
    方法であって、前記多孔質セラミック部材を製造した
    後、その硬度が50〜150°、耐熱温度が120℃以
    上の基材フィルム上に粘着剤層が形成され、その粘着力
    が500〜2000gf/19mm幅のマスキング材
    を、前記多孔質セラミック部材の両端面に貼り付けるマ
    スキング材貼り付け工程と、前記マスキング材を貼り付
    けた多孔質セラミック部材の側面に、接着剤ペーストを
    塗布し、前記接着剤ペーストの上に他の多孔質セラミッ
    ク部材を積層する工程を繰り返して、セラミック積層体
    を組み上げるセラミック積層体作製工程と、前記セラミ
    ック積層体の一部を切削し、前記セラミックブロックを
    作製するセラミックブロック作製工程と、前記セラミッ
    クブロックの外周部にシール材層を形成した後、前記マ
    スキング材を剥離するマスキング材剥離工程とを含むこ
    とを特徴とするハニカムフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 基材フィルムは、PETフィルムからな
    る請求項1記載のハニカムフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 マスキング材の厚みは、10〜500μ
    mである請求項1または2記載のハニカムフィルタの製
    造方法。
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