JP2002018895A - 二色成形体 - Google Patents
二色成形体Info
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Abstract
表示される文字図形の変形が防止された二色成形体を提
供する。 【解決手段】 1次成形体の本体に間隙18が形成さ
れ、この間隙の両側部となる中継部15A,15Bから
間隙18を跨いで1次成形体の突出部17Aが延び、こ
の突出部17Aの頂部1が、前記間隙18を充填して前
記突出部の周囲に延びる2次成形体14に囲まれて外部
に露出した二色成形体において、前記突出部17Aが、
その露出した頂部1より底部2のほうが肉厚となるよう
に成形されている。
Description
り、特に2色成形により表示された文字図形などの変形
が防止された二色成形体に関する。
の屈伸性を制御したり、ハンドル部の軸面に鮮明で恒久
的な文字図形を表示する目的で、いわゆる2色成形法を
用いて成形された二色成形体が増えてきている。この二
色成形体は、まず1次成形工程において、ハンドル部に
2次成形材充填用のキャビティ(空洞)が形成された柄
本体を成形し、次いで2次成形工程で、このキャビティ
に、柄本体とは色や柔軟性が異なる熱可塑性樹脂やエラ
ストマーなどの2次成形材を充填して製造される。特
に、このキャビティをハンドル部の軸線方向に長く延ば
し、このキャビティに充填された2次成形材の表面に1
次成形材による文字列や図柄などを表示したものが多
い。
(b)(c)に示す構成を有している。図4(a)は、
2次成形工程終了後の歯ブラシの柄部100を複数の文
字が表示された面(以下「表示面」という)から見た平
面図であり、図4(b)は、1次成形材を用いた1次成
形工程終了時の柄本体100を表示面側から見た平面図
であり、図4(c)は、図4(b)の軸線X−Xで切っ
た柄本体100の断面図である。図4(a)においてこ
の柄本体100は、軸線X−Xに沿って順に、刷毛を植
える植毛部11と、屈伸するように成形された頸部12
と、使用者が手で握るハンドル部113とからなってい
る。このハンドル部113は主として1次成形材からな
る柄本体100によって成形されているが、ハンドル部
113の中央部には、柄本体100とは色・材質が異な
る2次成形材による2次成形部114が軸線X−X方向
に長く延びて形成され、この2次成形部114の面内
に、1次成形材が露出した頂部1…によって文字図形が
表示されている。
り製造される。まず図示しない1次成形用鋳型と1次成
形材とを用い、図4(b)(c)に示す構造の柄本体1
00を成形する。この柄本体100は、ハンドル部11
3が2次成形材充填用のキャビティ116によって軸線
X−X方向に2分割され、各分割片113A.113B
が、このキャビティ116を通る1次成形材からなる中
継部115で連結されている。この中継部は普通、2次
成形に際して2次成形材の流通を円滑化するために2本
の平行に延びる中継部115A,115Bからなり、そ
の間が2次成形材を流通させる間隙118となってい
る。またこの中継部115A,115Bからは、間隙1
18を跨いで1次成形材からなる突出部117…が2次
成形終了後の表示面に達するように延び、その頂部1が
文字図形を表現している。次にこの柄本体100を少な
くともキャビティ116を覆う2次成形用鋳型に装填
し、このキャビティ116に2次成形材を射出注入して
2次成形を行う。
造するに際して、図5に示すように、突出部の頂部1…
によって2次成形部114の表示面に表現された文字図
形が2次成形工程において変形し、商品価値を著しく低
下させる場合があった。本発明は前記の課題を解決する
ためになされたものであって、従ってその目的は、2次
成形部の表示面内に表現される文字図形の変形が防止さ
れた二色成形体を提供することにある。
部の表示面内に表現された1次成形材による文字図形が
変形する原因について追及した結果、前記の変形は、2
次成形工程において、間隙118を通って突出部117
の周囲のキャビティに充填される溶融状態の2次成形材
が、その高い温度によって特に細密に成形された突出部
117の部分を軟化し、高い流動圧力によって軟化した
突出部の部分を押圧することによって起こることを見出
し、この問題に対する簡便な解決手段を探索した結果、
本発明に到達した。従って本発明は、1次成形体の本体
に間隙が形成され、この間隙の両側部から間隙を跨いで
1次成形体の突出部が延び、この突出部の頂部が、前記
間隙を充填して前記突出部の周囲に延びる2次成形体に
囲まれて外部に露出した二色成形体において、前記突出
部は、前記頂部より底部のほうが肉厚に成形された二色
成形体を提供する。
部は、2次成形に際して、表面に露出する頂部より、高
温高圧で流動する2次成形材に直接接触する底部のほう
が肉厚とされ、熱的にも圧力的にも強化されているの
で、頂部に形成される1次成形材からなる文字図形の変
形が防止される。
隙を跨ぐ部分の断面形状が台形、または少なくとも一方
に段付きとされていることが好ましい。突出部の前記断
面形状が台形であれば、突出部は底部近辺が熱的にも圧
力的にも強化されていると共に、側面が傾斜しているこ
とによって溶融した2次成形材の接触面における流動抵
抗が低下し、変形応力が減少する。突出部の前記断面形
状が段付きとされていれば、この突出部は頂部の直近ま
で肉厚の状態を維持されるので、実質的に突出部全体が
肉厚とされた状態と等価であり、細密な文字図形でも変
形なく表示することができるようになる。
の幅が1.1倍〜2倍の範囲内とされていることが好ま
しい。実験の結果、頂部の幅に対して底部の幅が前記の
範囲内であれば、例えば歯ブラシのような細長い二色成
形体の胴部に表示される細密な文字図形でも、明瞭に変
形なく表示できることがわかった。底部の幅が頂部の幅
に対して1.1倍未満では、2次成形材の注入時の温度
と圧力とによる変形を防止することが困難になる。一
方、2倍を越えると、2次成形時に、肉厚の突出部によ
って2次成形材の流通が阻害され、2次成形部にボイド
などの欠陥が生じやすくなる。
ブラシのハンドルについて図面を用いて詳しく説明する
が、本発明はこの実施形態により何らの制限も受けるも
のではない。 [実施形態1]図1(a)は、この実施形態の歯ブラシ
ハンドルを、複数の文字「A」「B」「C」が表現され
た表示面の側から見た平面図であり、図1(b)は、1
次成形材により成形された同じ歯ブラシハンドルの柄本
体10を表示面の側から見た平面図である。図1(a)
においてこの実施形態の歯ブラシハンドルは、軸線X−
Xに沿って順に、刷毛を植える植毛部11と、屈伸可能
に成形された頸部12と、使用者が手で握るハンドル部
13とからなっている。この歯ブラシハンドルは、主と
して1次成形材(ポリプロピレン)からなる柄本体10
によって成形されているが、ハンドル部13の中央部に
は、柄本体10とは色・材質が異なる2次成形材(ポリ
オレフィン系エラストマー)による2次成形部14が軸
線X−X方向に長く延びて設けられ、この2次成形部1
4の表面に1次成形材から延びた突出部17…の頂部1
…が露出して、文字図形、この実施形態では文字「A」
「B」「C」を表現している。
すように、1次成形材により成形された柄本体10のハ
ンドル部13が2次成形材充填用のキャビティ16を隔
てて軸線X−X方向に2分割され、各分割片13A,1
3Bはこのキャビティ内を通る1次成形材からなる中継
部15によって連結されている。この中継部15は、平
行に延びる2本の中継部材15A,15Bからなり、こ
れら中継部材15A,15Bの間は、2次成形時に2次
成形材を流通させる間隙18となっている。また中継部
材15A,15Bにはそれぞれ、キャビティ16の側部
に向けて軸線X−X方向に延びるサイドリブ20が設け
られている。更に中継部材15A,15Bの間には補強
のための梁が形成されている。
A,15Bから、間隙18を跨いで1次成形材の突出部
17…が2次成形部14の表示面まで延び、その頂部1
が2次成形部14の表面に露出して文字図形、この場合
は文字「A」「B」「C」を表現している。
字「A」を表現している突出部17Aを軸線X−X方向
に切った断面図である。また、図2(b)は、突出部1
7Aを軸線X−Xと直交する線Y−Y方向に切った断面
図である。図2(a)に示すように、突出部17Aは、
少なくとも前記間隙18を跨ぐ部分の断面形状、すなわ
ち軸線X−X方向に切った断面形状が台形となるように
成形され、これによって文字「A」を表現している頂部
1より底部2のほうが肉厚となっている。そして頂部1
の幅Uに対して底部2の幅Lが1.1倍〜2倍の範囲
内、この実施形態では1.5倍とされている。図示しな
いが他の文字「B」「C」を表現する突出部17…につ
いても同様である。
分は特に、間隙18を跨ぐ橋掛け部となっていて、しか
も斜めに橋掛けられているので2次成形に際して高温高
圧で流動する2次成形材の流れの影響を受けやすく歪み
やすい部分である。しかし突出部17Aは露出した頂部
1より底部2のほうが幅が1.5倍となるように肉厚と
されているので、2次成形材の流れに対する歪み抵抗が
向上し、変形を受け難くしている。なお、突出部17A
は図2(b)に示すように、線Y−Y方向にも断面が台
形に成形されていて、これによって突出部17Aは、2
次成形材の流れに対する変形抵抗力が更に向上してい
る。
方法で製造することができる。まず1次成形工程におい
て、1次成形用鋳型と1次成形材とを用いて柄本体10
を成形する。この柄本体10は、ハンドル部13が2次
成形材充填用のキャビティ16によって軸線X−X方向
に2分割され、各分割片13A,13Bが、このキャビ
ティ16を通る1次成形材からなり間隙18を挟む2本
の中継部材15A,15Bで連結され、この中継部材1
5A,15Bには、それぞれ側部に向けて突出して軸線
X−X方向に延びるサイドリブ20が設けられると共に
中継部材15A,15Bの間に梁が設けられ、かつ、間
隙18を跨いで中継部材15A,15Bから表示面側に
延びて頂部1…が文字図形を表現する突出部17…が柄
本体10と一体に成形されている。次に2次成形工程に
おいて、この柄本体10を少なくともキャビティ16を
覆う2次成形用鋳型に装填し、このキャビティ16に2
次成形材を射出注入し、冷却後に脱型する。得られた歯
ブラシハンドルは、1次成形の段階で柄本体10に反り
や捻れがなく、2次成形材の注入温度や圧力によっても
文字図形が変形しないので、製品歩留りが向上する。
ドルは、突出部の断面形状が実施形態1の場合と異なる
以外は実施形態1と同様である。従ってここでは突出部
の断面形状についてのみ詳しく説明し、他の構成要素に
ついては説明を省略または簡略化する。図3(a)は突
出部17…の内、文字「A」を表現している突出部17
Aを軸線X−X方向に切った断面図であり、図3(b)
は突出部17Aを軸線X−Xと直交する線Y−Y方向に
切った断面図である。
は、少なくとも間隙18を跨ぐ部分の断面形状、すなわ
ち軸線X−X方向に切った断面形状が少なくとも一方に
段付き(段を符号3で示す)となるように成形され、こ
れによって文字「A」を表現している頂部1より底部2
のほうが肉厚となっている。そして頂部1の幅Uに対し
て底部2の幅が1.1倍〜2倍の範囲内、この実施形態
では1.5倍とされている。図示しないが他の文字
「B」「C」を表現する突出部17…についても同様で
ある。実施形態1の場合と同様に、突出部17Aの内で
も図3(a)に示す部分は特に、2次成形材の流れの影
響を受けやすく歪みやすい部分である。しかし突出部1
7Aは露出した頂部1より底部2のほうが肉厚とされて
いるので、2次成形材の流れに対する歪み抵抗が向上
し、変形を受け難くしている。なお、突出部17Aは図
3(b)に示すように、線Y−Y方向にも断面形状に段
3…が設けられ、頂部1より底部2のほうが肉厚となっ
ていて、これによって突出部17Aは、2次成形材の流
れに対する変形抵抗力が更に強化されている。
露出した頂部より底部のほうが肉厚となるように成形さ
れているので、2次成形時に文字図形の変形が防止さ
れ、形状や意匠が整った二色成形体が歩留りよく製造で
きるようになる。前記突出部の頂部の幅に対して底部の
幅が1.1倍〜2倍の範囲内となるように成形されてい
れば、細密な文字図形でも、明瞭に変形なく表現できる
ようになる。
側から見た平面図、(b)は前記実施形態における柄本
体を表示面の側から見た平面図。
面図、(b)は線Y−Yで切った断面図。
軸線X−Xで切った断面図、(b)は線Y−Yで切った
断面図。
示す表示面側から見た平面図、(b)はその柄本体の平
面図、(c)はその線X−Xで切った断面図。
面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 1次成形体の本体に間隙が形成され、こ
の間隙の両側部から間隙を跨いで1次成形体の突出部が
延び、この突出部の頂部が、前記間隙を充填して前記突
出部の周囲に延びる2次成形体に囲まれて外部に露出し
た二色成形体において、 前記突出部は、前記頂部より底部のほうが肉厚に成形さ
れたことを特徴とする二色成形体。 - 【請求項2】 前記突出部は、少なくとも前記間隙を跨
ぐ部分の断面形状が台形、または少なくとも一方に段付
きとされたことを特徴とする請求項1に記載の二色成形
体。 - 【請求項3】 前記突出部は、その頂部の幅に対して底
部の幅が1.1倍〜2倍の範囲内とされたことを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の二色成形体。
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