JP2001343075A - バタフライ弁 - Google Patents
バタフライ弁Info
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- JP2001343075A JP2001343075A JP2000163903A JP2000163903A JP2001343075A JP 2001343075 A JP2001343075 A JP 2001343075A JP 2000163903 A JP2000163903 A JP 2000163903A JP 2000163903 A JP2000163903 A JP 2000163903A JP 2001343075 A JP2001343075 A JP 2001343075A
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- Japan
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- valve
- valve body
- seat ring
- butterfly
- valve shaft
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 弁体を開く際に生じる回転トルクの急激
な低下によるジャンピング現象を防止し、弁開度の制御
を容易にし、しかも二次偏心量を大きく設定することを
不要にし、本体設計を容易にし、大トルクの弁操作機を
不要にする。 【解決手段】 円板状の弁体20と、その直径方向に対
して平行な弁軸22とを備え、弁軸22が弁体20の中
心軸線N方向および該中心軸線方向に対し垂直な方向M
の2方向に偏心して設けられたバタフライ弁において、
円筒状の弁箱内面のシートリング24と接する弁体外周
のシール面20aの幅が、弁体20を弁軸22方向にみ
て弁軸に近い側から遠い側に向かって順に広くなるよう
に形成され、弁を開く際に遠い側が近い側よりも遅れて
シールリング24から離脱する。
な低下によるジャンピング現象を防止し、弁開度の制御
を容易にし、しかも二次偏心量を大きく設定することを
不要にし、本体設計を容易にし、大トルクの弁操作機を
不要にする。 【解決手段】 円板状の弁体20と、その直径方向に対
して平行な弁軸22とを備え、弁軸22が弁体20の中
心軸線N方向および該中心軸線方向に対し垂直な方向M
の2方向に偏心して設けられたバタフライ弁において、
円筒状の弁箱内面のシートリング24と接する弁体外周
のシール面20aの幅が、弁体20を弁軸22方向にみ
て弁軸に近い側から遠い側に向かって順に広くなるよう
に形成され、弁を開く際に遠い側が近い側よりも遅れて
シールリング24から離脱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バタフライ弁、
詳しくは、円板状の弁体と、その直径方向に対して平行
な弁軸とを備え、この弁軸が上記弁体の中心軸線方向お
よび該中心軸線方向に対し垂直な方向の2方向に偏心し
て設けられた、いわゆる二重偏心型バタフライ弁に関す
るものである。
詳しくは、円板状の弁体と、その直径方向に対して平行
な弁軸とを備え、この弁軸が上記弁体の中心軸線方向お
よび該中心軸線方向に対し垂直な方向の2方向に偏心し
て設けられた、いわゆる二重偏心型バタフライ弁に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】バタフライ弁として、図2に示す二重偏
心型のものが知られている。図2は、バタフライ弁を閉
じた際の本体部分を横断面で示す。10はステンレス鋼
等の金属からなる円板状の弁体で、その上部(紙面手前
側)および下部(紙背側)から後方(図の下方)へ突出
するアーム11を介して上下方向の弁軸12が固定さ
れ、この弁軸12が円筒状の弁箱13に支持されてい
る。なお、図示のアーム11および弁軸12は、下側の
ものであり、上側のものは図示されていない。
心型のものが知られている。図2は、バタフライ弁を閉
じた際の本体部分を横断面で示す。10はステンレス鋼
等の金属からなる円板状の弁体で、その上部(紙面手前
側)および下部(紙背側)から後方(図の下方)へ突出
するアーム11を介して上下方向の弁軸12が固定さ
れ、この弁軸12が円筒状の弁箱13に支持されてい
る。なお、図示のアーム11および弁軸12は、下側の
ものであり、上側のものは図示されていない。
【0003】そして、上記弁箱13の内面側には、コイ
ルスプリングを内蔵したステンレス鋼からなる板バネ形
のシートリング14が保持リング15によって取付けら
れ、このシートリング14の内面に上記弁体10の外周
のシール面10aが、その幅B(図3参照)を二分する
中央のシール線Sに沿って線接触し、シートリング14
を押し広げてシールするようになっている。なお、上記
のシール面10aは、弁体10の外周面の中央部で、そ
の開閉動作時にシートリング14と圧接してシートリン
グ14を押し広げ、シールを可能にする区域である。
ルスプリングを内蔵したステンレス鋼からなる板バネ形
のシートリング14が保持リング15によって取付けら
れ、このシートリング14の内面に上記弁体10の外周
のシール面10aが、その幅B(図3参照)を二分する
中央のシール線Sに沿って線接触し、シートリング14
を押し広げてシールするようになっている。なお、上記
のシール面10aは、弁体10の外周面の中央部で、そ
の開閉動作時にシートリング14と圧接してシートリン
グ14を押し広げ、シールを可能にする区域である。
【0004】上記弁体10のシール面10aは、弁体1
0の中心軸線Nに沿った後方の点Oaを中心とする球面
G(または球面Gに近似する円錐面その他の曲面)に形
成され、弁体10の前縁部10b(図2参照)および後
縁部10cには、それぞれ上記の球面Gに連続する丸み
が付されている。なお、上記の点Oa を本体中心と呼
び、また弁閉時に上記シール面10a上のシートリング
14が接する円Sをシール円と呼ぶことにすると、この
シール円Sから上記本体中心Oa までの距離Ha が一次
偏心量と呼ばれる。そして、前記の弁軸12の中心Ob
は、上記の本体中心Oa から右に、上記の中心軸線Nに
垂直な幅方向線Mに沿って距離Hb だけ離れた位置に設
けられ、この距離Hb が二次偏心量と呼ばれる。
0の中心軸線Nに沿った後方の点Oaを中心とする球面
G(または球面Gに近似する円錐面その他の曲面)に形
成され、弁体10の前縁部10b(図2参照)および後
縁部10cには、それぞれ上記の球面Gに連続する丸み
が付されている。なお、上記の点Oa を本体中心と呼
び、また弁閉時に上記シール面10a上のシートリング
14が接する円Sをシール円と呼ぶことにすると、この
シール円Sから上記本体中心Oa までの距離Ha が一次
偏心量と呼ばれる。そして、前記の弁軸12の中心Ob
は、上記の本体中心Oa から右に、上記の中心軸線Nに
垂直な幅方向線Mに沿って距離Hb だけ離れた位置に設
けられ、この距離Hb が二次偏心量と呼ばれる。
【0005】上記のバタフライ弁においては、図示の弁
閉状態から弁を開くとき、弁軸12を半時計方向(矢印
P方向)に、すなわち弁体10を弁軸方向にみて弁軸1
2に近い側を弁軸12の無い側に90度回転させ、二点
鎖線の状態で停止させる。このとき、二重偏心型バタフ
ライ弁の特性として、弁体10が少ない回転角度でシー
トリング14から離脱するが、回転開始から離脱までの
間は、弁体10の回転にしたがって弁体10のシール面
10aとシートリング14間の圧縮量が徐々に減少する
ものの、両者間の初期圧縮量がゼロになることはなく、
摩擦による回転トルクが高い水準に維持される。
閉状態から弁を開くとき、弁軸12を半時計方向(矢印
P方向)に、すなわち弁体10を弁軸方向にみて弁軸1
2に近い側を弁軸12の無い側に90度回転させ、二点
鎖線の状態で停止させる。このとき、二重偏心型バタフ
ライ弁の特性として、弁体10が少ない回転角度でシー
トリング14から離脱するが、回転開始から離脱までの
間は、弁体10の回転にしたがって弁体10のシール面
10aとシートリング14間の圧縮量が徐々に減少する
ものの、両者間の初期圧縮量がゼロになることはなく、
摩擦による回転トルクが高い水準に維持される。
【0006】そして、図2において、シール面10aの
左側部分すなわち弁軸12から遠い側とシートリング1
4との接触が終わって弁体10の前縁部10bの左端部
がシートリング14の位置に達すると、ほとんど同時に
シール面10aの右側部分とシートリング14との接触
も終わって後縁部10cの右端部がシートリング14の
位置に達する。すなわち、弁体10の左右がほぼ同時に
シートリング14から離脱を開始し、バタフライ弁の回
転トルクは急激に低下する。そのため、特に弁の開閉に
空気圧式駆動装置を用いた場合に弁体10がいったん目
標開度を超えた位置まで開き、しかるのち閉方向に逆転
して目標開度で停止するというジャンピング現象が発生
し、弁開度の制御を困難にしていた。
左側部分すなわち弁軸12から遠い側とシートリング1
4との接触が終わって弁体10の前縁部10bの左端部
がシートリング14の位置に達すると、ほとんど同時に
シール面10aの右側部分とシートリング14との接触
も終わって後縁部10cの右端部がシートリング14の
位置に達する。すなわち、弁体10の左右がほぼ同時に
シートリング14から離脱を開始し、バタフライ弁の回
転トルクは急激に低下する。そのため、特に弁の開閉に
空気圧式駆動装置を用いた場合に弁体10がいったん目
標開度を超えた位置まで開き、しかるのち閉方向に逆転
して目標開度で停止するというジャンピング現象が発生
し、弁開度の制御を困難にしていた。
【0007】なお、シートリング14に対する弁体10
の左右同時離脱を防ぐ手段として、二次偏心量Hb を大
きく設定することにより、弁体10の弁軸12に近い右
側後縁部10cがシートリング14に達するまでに右側
シール面10aをシートリング14から離脱させること
が考えられるが、この場合は、弁軸12が図2の右側へ
大きく偏るので、配管に際し、パイプラインを構成する
2本のパイプの端部間に弁箱13を挟み、両側のパイプ
の端部外面に固着されているフランジ同士を複数本のボ
ルトで連結するとき、この接続用ボルトに上記の弁軸1
2が干渉するなどの、設計上解決できない問題が発生す
る。また、弁体10の左右の受圧面積差が大きくなるた
め、流体圧力を受けた場合に受圧面積差によって生じる
回転トルクが大きくなり、このトルクに見合った大きな
弁操作機が必要になる等の問題があった。
の左右同時離脱を防ぐ手段として、二次偏心量Hb を大
きく設定することにより、弁体10の弁軸12に近い右
側後縁部10cがシートリング14に達するまでに右側
シール面10aをシートリング14から離脱させること
が考えられるが、この場合は、弁軸12が図2の右側へ
大きく偏るので、配管に際し、パイプラインを構成する
2本のパイプの端部間に弁箱13を挟み、両側のパイプ
の端部外面に固着されているフランジ同士を複数本のボ
ルトで連結するとき、この接続用ボルトに上記の弁軸1
2が干渉するなどの、設計上解決できない問題が発生す
る。また、弁体10の左右の受圧面積差が大きくなるた
め、流体圧力を受けた場合に受圧面積差によって生じる
回転トルクが大きくなり、このトルクに見合った大きな
弁操作機が必要になる等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の二
重偏心型のバタフライ弁、すなわち円板状の弁体と、そ
の直径方向に対して平行な弁軸とを備え、この弁軸が上
記弁体の中心軸線方向および該中心軸線方向に対し垂直
な方向の2方向に偏心して設けられたバタフライ弁にお
いて、その弁体を開く際に生じる回転トルクの急激な低
下によるジャンピング現象を防止し、もって弁開度の制
御を容易にし、しかも二次偏心量を大きく設定すること
を不要にし、本体設計を容易にし、大トルクの弁操作機
を不要にするものである。
重偏心型のバタフライ弁、すなわち円板状の弁体と、そ
の直径方向に対して平行な弁軸とを備え、この弁軸が上
記弁体の中心軸線方向および該中心軸線方向に対し垂直
な方向の2方向に偏心して設けられたバタフライ弁にお
いて、その弁体を開く際に生じる回転トルクの急激な低
下によるジャンピング現象を防止し、もって弁開度の制
御を容易にし、しかも二次偏心量を大きく設定すること
を不要にし、本体設計を容易にし、大トルクの弁操作機
を不要にするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るバタフラ
イ弁は、円板状の弁体と、その直径方向に対して平行な
弁軸とを備え、この弁軸が上記弁体の中心軸線方向およ
び該中心軸線方向に対し垂直な方向の2方向に偏心して
設けられたバタフライ弁において、円筒状の弁箱内面の
シートリングと接する上記弁体外周のシール面の幅を、
該弁体を弁軸方向にみて弁軸に近い側および遠い側の一
方から他方に向かって順に広くなるように形成し、弁を
開く際に上記シール面の幅の広い側が狭い側よりも遅れ
て上記のシートリングから離脱するようにしたことを特
徴とする。
イ弁は、円板状の弁体と、その直径方向に対して平行な
弁軸とを備え、この弁軸が上記弁体の中心軸線方向およ
び該中心軸線方向に対し垂直な方向の2方向に偏心して
設けられたバタフライ弁において、円筒状の弁箱内面の
シートリングと接する上記弁体外周のシール面の幅を、
該弁体を弁軸方向にみて弁軸に近い側および遠い側の一
方から他方に向かって順に広くなるように形成し、弁を
開く際に上記シール面の幅の広い側が狭い側よりも遅れ
て上記のシートリングから離脱するようにしたことを特
徴とする。
【0010】上記弁体のシール面は、弁が閉じた状態か
ら弁を開く方向に回転しているとき、従来と同様に、上
記のシール面がシートリングに対向している間は、シー
ル面とシートリングとの間に圧縮力が作用し、回転が進
むにしたがって上記圧縮力が徐々に低下するように形成
される。このシール面の形状としては、前記のように、
一次偏心軸を中心とする球面または該球面に近似する円
錐面その他の曲面が例示され、この場合の弁を開く方向
は、弁体を弁軸方向に見て弁軸に遠い側が弁軸側に向か
う方向に設定され、この場合はシール面の形状を上記の
球面等に形成することができ、製造が容易になる。
ら弁を開く方向に回転しているとき、従来と同様に、上
記のシール面がシートリングに対向している間は、シー
ル面とシートリングとの間に圧縮力が作用し、回転が進
むにしたがって上記圧縮力が徐々に低下するように形成
される。このシール面の形状としては、前記のように、
一次偏心軸を中心とする球面または該球面に近似する円
錐面その他の曲面が例示され、この場合の弁を開く方向
は、弁体を弁軸方向に見て弁軸に遠い側が弁軸側に向か
う方向に設定され、この場合はシール面の形状を上記の
球面等に形成することができ、製造が容易になる。
【0011】そして、従来は、シール面の幅が弁体の全
周にわたって一様に形成されていたのに対し、この発明
では、弁体を弁軸方向にみた場合に上記シール面の幅を
弁軸に近い側と遠い側とで相違させ、弁を開く際に上記
シール面の幅の広い側が狭い側よりも遅れてシートリン
グから離脱するようにしたので、弁体を開く際に生じる
回転トルクの低下が従来よりも緩和され、そのためジャ
ンピング現象の発生が防止される。したがって、弁開度
の制御が容易になり、弁の開閉に空気圧式駆動装置を用
いた場合にも支障が生じない。しかも、二次偏心量を増
大しないので、本体設計が容易であり、かつ大トルクの
弁操作機が不要になる。
周にわたって一様に形成されていたのに対し、この発明
では、弁体を弁軸方向にみた場合に上記シール面の幅を
弁軸に近い側と遠い側とで相違させ、弁を開く際に上記
シール面の幅の広い側が狭い側よりも遅れてシートリン
グから離脱するようにしたので、弁体を開く際に生じる
回転トルクの低下が従来よりも緩和され、そのためジャ
ンピング現象の発生が防止される。したがって、弁開度
の制御が容易になり、弁の開閉に空気圧式駆動装置を用
いた場合にも支障が生じない。しかも、二次偏心量を増
大しないので、本体設計が容易であり、かつ大トルクの
弁操作機が不要になる。
【0012】上記シール面の幅は、弁軸に近い側および
遠い側のいずれを広く形成してもよいが、弁軸に遠い側
を広く形成する方が、近い側に比べて回転半径が大き
く、弁体の回転時における前記圧縮率の変化が少ない点
で好ましい。そして、遠い側および近い側の一方から他
方に向かって順に広くなるように形成するには、弁閉時
におけるシートリングとシール面との接触線であるシー
ル線を含む平面に対し、上記シール面の弁軸側端縁部を
含む平面を平行に、また反対側端縁部を含む平面を斜め
にそれぞれ形成して弁軸に近い側のシール面の幅よりも
遠い側のシール面の幅を広くするのが好ましく、この場
合は、シール面の形状を弁体の中心軸線に対称な前記の
球面またはこれに近似する円錐面その他の曲面等に形成
することができる。
遠い側のいずれを広く形成してもよいが、弁軸に遠い側
を広く形成する方が、近い側に比べて回転半径が大き
く、弁体の回転時における前記圧縮率の変化が少ない点
で好ましい。そして、遠い側および近い側の一方から他
方に向かって順に広くなるように形成するには、弁閉時
におけるシートリングとシール面との接触線であるシー
ル線を含む平面に対し、上記シール面の弁軸側端縁部を
含む平面を平行に、また反対側端縁部を含む平面を斜め
にそれぞれ形成して弁軸に近い側のシール面の幅よりも
遠い側のシール面の幅を広くするのが好ましく、この場
合は、シール面の形状を弁体の中心軸線に対称な前記の
球面またはこれに近似する円錐面その他の曲面等に形成
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1において、20は円板状の金
属製弁体であり、従来と同様に、その上部(紙面手前
側)および下部(紙背側)から後方(図の下方)へ突出
する上下のアーム21を介して上下方向の弁軸22に固
定され、この弁軸22が円筒状の弁箱(図示されていな
い)に支持され、図示の弁閉時には、弁体20の外周の
シール面20aがシール線Sにおいて上記弁箱内面のコ
イルスプリング内蔵型板バネ製シートリング24に線接
触するようになっている。ただし、後記するように、厚
みは左右で異なり、左側が右側よりも厚く形成されてい
る。
属製弁体であり、従来と同様に、その上部(紙面手前
側)および下部(紙背側)から後方(図の下方)へ突出
する上下のアーム21を介して上下方向の弁軸22に固
定され、この弁軸22が円筒状の弁箱(図示されていな
い)に支持され、図示の弁閉時には、弁体20の外周の
シール面20aがシール線Sにおいて上記弁箱内面のコ
イルスプリング内蔵型板バネ製シートリング24に線接
触するようになっている。ただし、後記するように、厚
みは左右で異なり、左側が右側よりも厚く形成されてい
る。
【0014】上記のシール面20aは、円形の上記シー
ル線Sの中心軸線Nに沿ってシール線Sの後方(図1の
下方)へ一次偏心量Ha だけ離れた本体中心Oa を中心
とする球面Gに形成され、上記弁板20の前縁部20b
および後縁部20cは、上記の球面Gに続く丸みで面取
りされている。そして、前記の弁軸22は、上記本体中
心Oa から更に右へ、上記の中心軸線Nに対して垂直な
幅方向線Mに沿って二次偏心量Hb だけ離れた弁軸中心
Ob に、紙面に対し垂直に設けられる。
ル線Sの中心軸線Nに沿ってシール線Sの後方(図1の
下方)へ一次偏心量Ha だけ離れた本体中心Oa を中心
とする球面Gに形成され、上記弁板20の前縁部20b
および後縁部20cは、上記の球面Gに続く丸みで面取
りされている。そして、前記の弁軸22は、上記本体中
心Oa から更に右へ、上記の中心軸線Nに対して垂直な
幅方向線Mに沿って二次偏心量Hb だけ離れた弁軸中心
Ob に、紙面に対し垂直に設けられる。
【0015】上記の弁板20において、球面Gからなる
シール面20aと弁軸22側(後縁部20c側)の面取
り部との境界線Sb 、すなわちシール面20aの後側端
縁Sbを含む平面は、前記シール線Sを含む平面と平行
に形成される。一方、上記シール面20aと反弁軸22
側(前縁部20b側)の面取り部との境界線Sa 、すな
わちシール面20aの前側端縁Sa を含む平面は、前記
シール線Sを含む平面に対して傾斜するように形成され
る。
シール面20aと弁軸22側(後縁部20c側)の面取
り部との境界線Sb 、すなわちシール面20aの後側端
縁Sbを含む平面は、前記シール線Sを含む平面と平行
に形成される。一方、上記シール面20aと反弁軸22
側(前縁部20b側)の面取り部との境界線Sa 、すな
わちシール面20aの前側端縁Sa を含む平面は、前記
シール線Sを含む平面に対して傾斜するように形成され
る。
【0016】しかも、この実施形態では、上記シール面
20aの幅が左側で広く右側で狭くなり、右側の狭い側
の幅のほぼ中心を上記シール線Sが通るように形成され
る。したがって、幅の広い左側では、シール面20aの
幅がシール線Sの前側で広く、後側で狭くなる。また、
シール面20aの前側端縁Sa が形成する円の中心軸線
Nf は、シール線Sが形成する円の中心軸線Nに対して
時計方向に角度θだけ傾斜する。
20aの幅が左側で広く右側で狭くなり、右側の狭い側
の幅のほぼ中心を上記シール線Sが通るように形成され
る。したがって、幅の広い左側では、シール面20aの
幅がシール線Sの前側で広く、後側で狭くなる。また、
シール面20aの前側端縁Sa が形成する円の中心軸線
Nf は、シール線Sが形成する円の中心軸線Nに対して
時計方向に角度θだけ傾斜する。
【0017】上記の構造において、弁体20が図示の全
閉状態から従来と同様に反時計方向(矢印P方向)に、
すなわち弁体20を弁軸22の方向に見て、シール面2
0aの幅の狭い側(図1の右端部)が弁軸22の無い側
に向かうように回転すると、従来の二重偏心型バタフラ
イ弁と同様に、弁体20は、球面Gからなるシール面2
0aの右側では、シール線Sと後側端縁Sb との間の部
分が、また反対の左側では、シール線Sと前側端縁Sa
との間の部分がそれぞれシートリング24と接しながら
回転し、その回転の間に弁体20とシートリング24の
圧縮量は徐々に減少する。
閉状態から従来と同様に反時計方向(矢印P方向)に、
すなわち弁体20を弁軸22の方向に見て、シール面2
0aの幅の狭い側(図1の右端部)が弁軸22の無い側
に向かうように回転すると、従来の二重偏心型バタフラ
イ弁と同様に、弁体20は、球面Gからなるシール面2
0aの右側では、シール線Sと後側端縁Sb との間の部
分が、また反対の左側では、シール線Sと前側端縁Sa
との間の部分がそれぞれシートリング24と接しながら
回転し、その回転の間に弁体20とシートリング24の
圧縮量は徐々に減少する。
【0018】そして、右側において、弁体20とシート
リング24の接触位置が後側端縁Sbを越えて後縁部2
0c側の面取り部に達すると、この右側では弁体20が
シートリング24から離脱する。しかし、左側では、シ
ール面20aの幅がシール線Sの前側で広く形成されて
いるため、シートリング24との間の圧縮量は減少する
ものの、完全離脱には至らず、シール状態が維持され、
上記弁体20の回転に伴って引き続き上記圧縮量が次第
に減少する。
リング24の接触位置が後側端縁Sbを越えて後縁部2
0c側の面取り部に達すると、この右側では弁体20が
シートリング24から離脱する。しかし、左側では、シ
ール面20aの幅がシール線Sの前側で広く形成されて
いるため、シートリング24との間の圧縮量は減少する
ものの、完全離脱には至らず、シール状態が維持され、
上記弁体20の回転に伴って引き続き上記圧縮量が次第
に減少する。
【0019】次いで、左側において、弁体20とシート
リング24の接触位置が前側端縁Saを越えて前縁部2
0b 側の面取り部に達すると、この左側でも弁体20が
シートリング24から離脱し、これによってシートリン
グ24の全域に対する弁体20の離脱が完了する。
リング24の接触位置が前側端縁Saを越えて前縁部2
0b 側の面取り部に達すると、この左側でも弁体20が
シートリング24から離脱し、これによってシートリン
グ24の全域に対する弁体20の離脱が完了する。
【0020】上記の実施形態において、シール面20a
の左側におけるシール線Sと前側端縁Sa 間の幅と、右
側におけるシール線Sと後側端縁Sb 間の幅との比率は
1.5〜2.0が好ましい。この比率が1.5未満では
所期の効果が得られず、反対に2.0を超えると、弁の
開閉時に弁体がシートリングに圧接する回転区間が広く
なり、二重偏心型バタフライ弁の特長が失われる。
の左側におけるシール線Sと前側端縁Sa 間の幅と、右
側におけるシール線Sと後側端縁Sb 間の幅との比率は
1.5〜2.0が好ましい。この比率が1.5未満では
所期の効果が得られず、反対に2.0を超えると、弁の
開閉時に弁体がシートリングに圧接する回転区間が広く
なり、二重偏心型バタフライ弁の特長が失われる。
【0021】また、上記の実施形態において、シートリ
ング24は、ステンレス鋼その他の金属製に限るもので
はなく、フッ素樹脂やゴム等の有機高分子材料製とする
ことができる。また、弁体20において、シール面20
aの曲面形状は、本体中心Oaを中心とする球面Gに限
るものではなく、該球面Gに近似する円錐面等、この発
明の目的に適うものであれば、任意の曲面とすることが
できる。
ング24は、ステンレス鋼その他の金属製に限るもので
はなく、フッ素樹脂やゴム等の有機高分子材料製とする
ことができる。また、弁体20において、シール面20
aの曲面形状は、本体中心Oaを中心とする球面Gに限
るものではなく、該球面Gに近似する円錐面等、この発
明の目的に適うものであれば、任意の曲面とすることが
できる。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、この発明のバタフライ弁
は、弁を閉じる際は、弁体とシートリングとが接して摺
動摩擦する回転角度を、従来の二重偏心型バタフライ弁
と同様に小さくすることができ、上記摺動摩擦による発
生トルクの低減が可能である。また、弁を開く際は、流
体の漏洩を防止するために弁体とシートリング間に発生
した圧縮力を開放するに必要な回転角度が、弁体の弁軸
に近い側と遠い側とで相違するため、弁軸トルクが緩や
かに低下し、そのため特に空気圧式駆動装置を用いた場
合に問題となるジャンピング現象が防止され、開度を微
小に設定する場合の制御が容易になる。また、二次偏心
量を増大する必要がなく、そのため弁を操作するための
駆動装置を小型化することができる。特に、請求項2に
係る発明は、弁体の製造が容易になる。
は、弁を閉じる際は、弁体とシートリングとが接して摺
動摩擦する回転角度を、従来の二重偏心型バタフライ弁
と同様に小さくすることができ、上記摺動摩擦による発
生トルクの低減が可能である。また、弁を開く際は、流
体の漏洩を防止するために弁体とシートリング間に発生
した圧縮力を開放するに必要な回転角度が、弁体の弁軸
に近い側と遠い側とで相違するため、弁軸トルクが緩や
かに低下し、そのため特に空気圧式駆動装置を用いた場
合に問題となるジャンピング現象が防止され、開度を微
小に設定する場合の制御が容易になる。また、二次偏心
量を増大する必要がなく、そのため弁を操作するための
駆動装置を小型化することができる。特に、請求項2に
係る発明は、弁体の製造が容易になる。
【図1】実施形態の弁体の平面図である。
【図2】従来のバタフライ弁の横断面図である。
【図3】図2の一部の拡大平面図である。
20:弁体 21:アーム 22:弁軸 24:シートリング 20a:シール面 20b:前縁部 20c:後縁部 N:弁体の中心軸線 M:中心軸線に対し垂直な方向 Oa :本体中心 Ob :弁軸中心 Ha :一次偏心量 Hb :二次偏心量 S:シール線 Sa :シール面の前側端縁 Sb :シール面の後側端縁
Claims (2)
- 【請求項1】 円板状の弁体と、その直径方向に対して
平行な弁軸とを備え、この弁軸が上記弁体の中心軸線方
向および該中心軸線方向に対し垂直な方向の2方向に偏
心して設けられたバタフライ弁において、円筒状の弁箱
内面のシートリングと接する上記弁体外周のシール面の
幅を、該弁体を弁軸方向にみて弁軸に近い側および遠い
側の一方から他方に向かって順に広くなるように形成
し、弁を開く際に上記シール面の幅の広い側が狭い側よ
りも遅れて上記のシートリングから離脱するようにした
ことを特徴とするバタフライ弁。 - 【請求項2】 弁閉時におけるシートリングとシール面
との接触線であるシール線を含む平面に対し、上記シー
ル面の弁軸側端縁部を含む平面が平行に、また反対側端
縁部を含む平面が斜めにそれぞれ形成されて弁軸に近い
側のシール面の幅よりも遠い側のシール面の幅が広くさ
れた請求項1に記載のバタフライ弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000163903A JP2001343075A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | バタフライ弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000163903A JP2001343075A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | バタフライ弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001343075A true JP2001343075A (ja) | 2001-12-14 |
Family
ID=18667594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000163903A Pending JP2001343075A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | バタフライ弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001343075A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2000
- 2000-06-01 JP JP2000163903A patent/JP2001343075A/ja active Pending
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A977 | Report on retrieval |
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