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JP5605967B1 - 偏心型バタフライ弁 - Google Patents

偏心型バタフライ弁 Download PDF

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JP5605967B1
JP5605967B1 JP2013261464A JP2013261464A JP5605967B1 JP 5605967 B1 JP5605967 B1 JP 5605967B1 JP 2013261464 A JP2013261464 A JP 2013261464A JP 2013261464 A JP2013261464 A JP 2013261464A JP 5605967 B1 JP5605967 B1 JP 5605967B1
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文彰 天野
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株式会社日本自動調節器製作所
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Abstract

【課題】偏心型バタフライ弁において、高いシール性を確保しつつアクチュエータ等の小型化・低コスト化を図る。
【解決手段】バタフライ弁は、内部を円形とした弁ケース1と円板状の弁体2と弁ケース1に貫通した弁軸3とを有しており、弁軸3は、弁体2に突設したボス部8,9に挿通固定されている。弁座5はゴム製の弁座シート7を有する。弁軸3は、アクチュエータに近づく程弁座シート7から離れるように、Y軸方向から見てZ軸に対して適宜角度θ2だけ傾斜している。閉弁終期には、弁体2による弁座シート7の潰し作用が下から上に向けて進行していき、開弁初期には、弁座シート7からの弁体2の離脱が上から下に向けて進行していくため、弁体2の開閉に要するトルクは従来に比べて格段に小さい。
【選択図】図4

Description

本願発明は、偏心型バタフライ弁に関するものである。
円形の弁体を弁軸の軸心回りに回動して流路を開閉する(或いは流量を調節する)バタフライ弁には、弁軸の軸心が弁体の板厚の中心を通っている同心型と、弁体の板厚の中心が弁軸の軸心からずれている偏心型とがあり、更に、偏心型は、弁体を弁軸に対して流路の方向にずらしただけの一軸偏心と、弁軸をその流路の中心線と直交した方向にもずらしている二軸偏心と、弁座の内周面を構成する円錐の中心線を弁ケースの流路の中心線に対して傾斜させている三軸偏心とに大別できる。
同心型バタフライ弁では、弁座と弁軸とが交差するため、弁座は弁軸の箇所において分断しているが、偏心型では、弁座と弁軸とが弁ケースにおける流路の方向(弁ケースの軸心方向)にずれているため、弁座は途切れなく連続した円形になっており、このため偏心型は全閉時のシール性に優れていると共に加工も容易である。同心型にしても偏心型にしても、多数の特許文献が存在している(三軸偏心の例として特許文献1を挙げている。)。
他方、同心型においても弁座を完全な円形とすることが考えられており、その例が特許文献2〜5に開示されている。このうち文献2,3,5は、弁軸は弁ケースの軸心と直交させて、弁体を弁軸に対して傾斜させることで弁座を円形と成したもので、特許文献4は、弁体は傾斜させずに弁軸を傾斜させたものである。
特開2012−127400号公報 実開昭54−141542号のマイクロフィルム 実開昭59−10563号のマイクロフィルム 特開平5−141542号公報 特開平5−141543号公報
さて、偏心型のバタフライ弁では、弁体を全閉した状態では、流体の圧力が弁体を弁座に押し付ける力として作用している(二軸偏心型及び三軸偏心型の場合は、弁軸の軸心が流路の中心線から半径方向にずれていること(二軸偏心)により、流体の圧力が弁体を閉じるモーメントとして作用することもある。)。
このように、流体の圧力によって弁体が弁座に押し付けられていることでシール性が高まる構造となっているが、開弁する際には弁体は流体の圧力による抵抗に打ち勝つトルクで開かねばならない。また、閉弁状態では、弁座(及び弁体)を僅かに変形させて、弁体が弁座に食い込ませた状態にしていることが多く、すると、開弁に際しては、弁体と弁座との間の摩擦が抵抗として作用する。更に、二軸偏心型及び三軸偏心型の場合は、流体の圧力によって弁体に作用しているモーメントも抵抗として作用する。そして、これら開弁に対する抵抗は流体の圧力に比例して大きくなるため、開弁に要するトルクも流体の圧力に従って大きくなる。
そして、弁体が僅かに開くと、流体が流路を通過し、弁体前後の差圧が減少することで流体の圧力による抵抗は急激に低下して、弁体を開き動させるのに要するトルクも著しく低下するが、従来の偏心型バタフライ弁では、弁体前後の差圧が減少するのは弁体のシール面が弁座から全周離脱した後となる。
つまり、従来の偏心型バタフライ弁は、開弁に際して弁体のシール面が弁座から全周同時に離脱するため、開弁のためには、流体の圧力を弁体の全面に受けた最大限の抵抗に対して、一度に打ち勝つトルクが必要となっている。また、閉弁終期には弁体を弁座に食い込ませる状態になるため、閉弁終期にも弁体は摩擦に抗して弁座に嵌め込まなければならないが、閉弁も全周を同時に弁座に食い込ませるため、摩擦に打ち勝つ大きなトルクが必要になる。その結果、モータ等のアクチュエータも大型のものを使用せねばならないのであった。
なお、バタフライ弁において弁体は一般に金属製であるが、弁座は全体を金属製(メタルシート)にしている場合と、本体は金属製として弁体が当接する内周部はゴム等の圧縮変形可能なソフトシートで構成している場合とがある。どちらの場合も、弁体を閉じた状態でいくらか弁座を弾性変形させて隙間の無いシール面(接触面)を確保しているが、特に、ソフトシートタイプは、メタルシートに比べて変形量が大きいため、安定したシール面(接触面)が得られることで高いシール性が確保されている。また、弁座と弁体の摺動を極力小さくした三軸偏心型においても、シール性向上のために弁座を若干変形させる方式が一般的である。
いずれにしても、従来は、全閉付近以外の殆どの弁の開閉領域では、小さい駆動トルクで済むにもかかわらず、閉弁終期と開弁初期との僅かな範囲においてのみ必要な高いトルクに合わせて高出力のアクチュエータを用意せねばならないため、コストが嵩んだりアクチュエータが大型化したりする問題があった。
また、弁軸及び弁体は弁座を弾性変形させる際にねじれ変形しない強度が必要であるため、軸径や肉厚を大きくして堅牢性を確保せねばならず、このため、弁軸が大径化したり弁体が厚肉化したりする傾向も否めなかった。
また、偏心型バタフライ弁では、上記のとおり、開弁に際して弁体は弁座との摩擦に抗して回動してから弁座より離脱しており、摩擦力が弁体の回動に対する制動力として作用しているが、従来の偏心型(特に、二軸偏心型および三軸偏心型)では、弁体に駆動トルクがかかった状態から、弁体のシール面が弁座から全周同時に離脱するため、弁座による制動力が急激にゼロになって、弁体が弁座から瞬間的に離反して急開するジャンピング現象を生じることがあり、スムースに開き制御できない場合があった。
更に、偏心型のバタフライ弁では一般的に、弁軸は弁体の片面に突設した一対のボス部に挿通してこれに固定していることから、従来の偏心型(特に、二軸偏心型および三軸偏心型)では、閉弁や開弁に際して弁体のシール面が弁座に全周同時に当ったり離脱したりするため、全閉時において弁軸の駆動トルクの大部分がアクチュエータに近い側のボス部に伝わり、アクチュエータから遠い側のボス部には伝わりにくい傾向があった。このため、シール面に均等に面圧を与えることができずにシール性が悪くなるおそれもあった。
つまり、弁軸も弁体も多少は撓み変形するため、弁軸の回転によって弁体が弁座に密着してから更に弁軸にトルクを掛けて弁体を弁座に食い込ませようとしても、弁軸がねじれることにより、アクチュエータに近い側のシール面には高い面圧が作用するが、アクチュエータから遠い側のシール面に作用する面圧はアクチュエータに近い側に比べて低くなる現象が生じ、このため、弁体が弁座に対して片当たりするような状態になって、高いシール性を確保できないおそれがあったのである。
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、高いシール性を確保しつつアクチュエータや弁軸、弁体の軽量化等が可能な改良された偏心型バタフライ弁を提供することを目的としている。
本願発明はその典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、内周面に円形の弁座を設けた弁ケースとその内部に配置した円板状の弁体、及び、前記弁体を前記弁座に嵌合する姿勢と弁座から離れた姿勢とに回動させて弁ケースを開閉する弁軸とを有しており、前記弁軸を前記弁体の片面に突設したボス部に取り付け、前記弁座及び弁体のシール面を前記弁軸の軸心からオフセットさせている構成であって、前記弁ケースを円筒に見立てた中心軸をX軸、前記X軸と前記弁軸の軸心とを含む面と直交した線をY軸、これらX軸及びY軸と直交した線をZ軸と仮定して、前記弁軸又は弁座を前記Y軸方向から見てZ軸に対して傾斜させている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記弁軸は前記Z軸の方向に並んだ一対のボス部に挿入して固定されていて、前記弁軸の一端部がアクチュエータに接続されており、かつ、前記弁軸と弁座とは、前記弁軸を駆動するアクチュエータに近い側から遠い側に向かってそれら弁軸と弁座との間隔が狭まるように相対的に傾斜している。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記弁軸の軸心を前記X軸に対してY軸方向に偏心させている。また、請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、前記Z軸の方向から見た断面視において、前記弁座の内周面又は弁体の外周面を構成する円錐の中心線を前記X軸に対して傾斜させている。
本願発明によると、弁軸と弁座との間の間隔は弁軸の長手方向(Z軸方向)に向かって徐々に変化しているため、閉弁時には、弁体は、弁軸に近い一端部から弁軸に遠い他端部に向かって弁座に当たっていき、開弁時には、弁軸から遠い一端部から弁軸に近い他端部に向かって弁座から離脱していく。つまり、弁体のシール面が弁座に全周同時に当ったり離脱したりするではなく、当たり位置と離脱位置とが半周だけずれた始点から終端に向けて移動していくのである。
つまり、従来の偏心型(特に二軸偏心型および三軸偏心型)では、閉弁時には、弁体が弁座に全周同時に接触してから弁座をいくらか弾性変形させ、閉弁動作を完了するまでの過程において弁軸にはある程度の回転角度(回転時間)が必要であるが、本願発明では、上記回転角度の範囲において、弁体の一点が弁座に当たり初めてから弁体の全周が弁座に押し込まれるまでの動きとなる。
逆に、開弁時には、従来は、弁体のシール面を弁座から全周同時に離脱させるために、流体の圧力による抵抗(弁体が弁座に押し付けられることによる摩擦力あるいは閉方向に作用するモーメント)及び弾性変形させた弁座の復元力による摩擦力に打ち勝つトルクを全周分一度に必要としており、開弁時に流体は弁体の全周から一斉に流れ出すが、本願発明では、まだシール面の一部が接触し、弁体の回動に対する制動力がある中で、弁体の一点を弁座から優先的に離脱させてから徐々に離脱部分を増やす動きとなり、流体は弁体の一部が弁座から離脱した箇所から流れ初めて流れ出る範囲が弁体の開き動に伴って広がっていくことになるため、弁体の全周が弁座から離脱するよりも前において既に弁体を挟んだ前後の差圧が減少するため、弁体の離脱部分を増やす過程で流体の圧力による抵抗が少なくなる(抵抗が少しずつ解放される)。ため、従来に比べて開弁に要するトルクを低減できる。
見方を変えて述べると、閉弁初期時には、弁体の一点が弁座に当たった状態で弁体と弁座との間に隙間が空いているが、弁体の更なる回動に連れて隙間は徐々に小さくなっていき、最終的にゼロになる。逆に、開弁時には、弁体の離脱位置が始端から終端に向けて移動していくことで、弁体と弁座との間の隙間の空間が徐々に大きくなっていくのであり、従って、弁体が弁座から離脱を開始するのに伴って流体の流れが開始し、弁座からの弁体の離脱が進行するのに連れて流体の流れ量も増大していく。
従って、特に二軸偏心型又は三軸偏心型において、弁体に流体の圧力が閉じ状態を維持する力として作用していても、弁座からの弁体の離脱開始と共に流体が弁座の内周の一部から流れ始めることで、弁体に作用する力(抵抗)は著しく低くなる。同様に、閉弁時には、弁体の外周がその半周の一端から他端に向けて徐々に弁座に食い込んでいくため、閉弁時の抵抗も小さくて済む。
このため、弁体の全周を弁座に対して同時に密着・離脱させる従来構造と比べて遥かに低いトルクで開弁することができる。これにより、アクチュエータを小型化してコストを抑制したり、開弁・閉弁に要するエネルギを節約してランニングコストを抑制したりすることが可能になると共に、弁体や弁軸、弁座の耐久性向上にも貢献できる。また、弁軸や弁体に作用するトルクを抑制できるため、弁軸及び弁体の軽量化も可能になり、この面からもコストダウンに貢献できる。更に、弁軸及び弁体の小型化等による省エネ化や流路の拡大といったメリットも享受可能になる。
また、弁体が弁座から完全に離脱するまでの間、弁体と弁座との間の摩擦力が徐々に減少するため、弁体の開き動に対する制動力が急激にゼロにならない。このため、アクチュエータを大型化して制動力を高めなくとも、弁体が急開するジャンピング現象を防止できる。
請求項2の発明では、弁体は閉弁時にはアクチュエータに遠い側から弁座に当たっていくため、弁軸のトルクをアクチュエータから遠い側のボス部にも強く作用させることができて、弁体を全周にわたって弁座に強く押し当てることができる。これにより、弁軸を大径化したり弁体を厚肉化したりすることなく、高いシール性を確保できる。
二軸偏心型や三軸偏心型では、弁体が弁座に食い込む現象が強く現れるため、請求項3,4のようにこれらに本願発明を適用すると、本願発明の真価が強く発揮される。
(A)は第1実施形態の平断面図、(B)は方向を特定するための模式図、(C)は(A)のうち弁軸の部分の拡大図である。 (A)は図1(A)のIIA-IIA 視断面図、(B)(C)は弁座の形状を示す拡大図である。 (A)は図1(A)と同じ平断面図、(B)は(A)のB−B視正面図である。 (A)は作用を説明するための縦断側面図、(B)(C)(D)(E)は弁体と弁座との関係を示す平断面図である。 (A)は第2実施形態の縦断側面図、(B)はガスケットの断面図である。
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜4に示す第1実施形態を説明する。本実施形態のバタフライ弁は基本的な構成は従来と同様であり、主要構成要素として、円筒状の弁ケース(弁箱)1と、その内部に配置した円板状の弁体2と、弁体2に固定した弁軸3とを有している。弁ケース1の両端面には管路4がガスケット(図示せず)を介して接続される。
弁ケース1の一端部には弁座5を装着している。弁座5は、弁ケース1に嵌着した金属製の弁座本体6と、これに内周側から嵌合した弁座シート7とで構成されており、弁座シート7はゴム等又はゴム質樹脂等の弾性体からなっている。ゴム製の弁座シート7に代えて、膨張黒鉛シートと薄金属板とを多数に積層したものを採用することも可能である。敢えて述べるまでもないが、弁座5は、弁座シート7を備えていないメタルタイプや、PTFE等の樹脂製も採用できる。
弁体2は金属製で中央部が厚くなっている。そして、弁体2のうち弁ケース1の内側に向いた面に、弁体2を横切る方向に並んだ一対のボス部8,9を突設し、ボス部8,9に、弁体2を横切る方向に長く延びる弁軸3を挿通し、弁軸3をテーパーピン10でボス部8,9に固定している。なお、弁軸3の固定手段としては、テーパーピン10に代えてボルトを使用してもよい。
図2に示すように、弁軸3は、軸受11及びパッキンホルダ12を介して弁ケース1に回転自在に保持されており、一端部は弁ケース1の外側に突出している。パッキンホルダ12はカバー12aで抜け不能に保持されている。弁ケース1のうち、弁軸3の一端部が露出している側にはフランジ13を設けており、モータ等のアクチュエータ14がフランジ13に固定される。敢えて述べるまでもないが、弁軸3には、アクチュエータの回転軸からカップリング等の伝動継手を介して動力が伝達される。なお、以下では、便宜的に、アクチュエータ14に近い側を上と呼んで、アクチュエータ14から遠い側を下と呼ぶことがある。
本実施形態では、弁ケース1を円筒と見立てた場合の軸心をX軸として、X軸方向から見て、当該X軸と直交して弁軸3の方向に延びる軸をZ 軸、X軸及びZ 軸に対して直交する水平方向をY 軸として構造を説明する(X軸とZ軸を含む平面をSとしている。)。このようにして定義されたX軸、Y軸、Z軸は、図1(B)に示すように互いに直交しており、ボス部8,9はZ軸の方向に並んでいる。
そして、弁軸3はボス部8,9に取り付けられているため、弁体2の肉厚の中心から若干の寸法E1だけX軸の方向に偏心している。すなわち、弁体2は寸法E1だけ一軸偏心(第1偏心)している。また、図1のとおり、Z軸方向から見て、弁軸3の軸心15はX軸からY軸方向に僅かの寸法E2だけ偏心している。すなわち、弁軸3は寸法E2だけ二軸偏心(第2偏心)している。
更に、図1(A)のとおり、Z軸方向から見たX軸の箇所での平断面視において、弁座シート7の内周面のうち弁軸3がX軸から寄っている側の一方の面7aは、X軸と略平行な面になっている一方、弁座シート7の内周面のうちX軸を挟んで弁軸3の軸心15と反対側に位置した他方の面7bは、弁ケース1の内部に行くに従って半径外側にずれる傾斜面になっている。
そして、この他方の面7bを通る第1仮想線16と一方の面7aを通る第2仮想線17とは弁ケース1の外側で交差しており、この両仮想線16,17の交点と、弁軸3の軸心15を通るY軸とX軸との交点とを結ぶ仮想線を第3仮想線18とすると、第3仮想線18とX軸とは角度θ1で交差している。すなわち、Z軸の方向から見た断面視において、弁座シート7の内周面を構成する円錐の中心線18を、弁ケース1の流路の中心線(Z軸)に対して傾斜θ1だけ三軸偏心(第3偏心)させている。
弁体2のうち弁座シート7に当接する外周面2a,2bも、弁座シート7の内周面7a,7bと同様に非対称形状になっている。図1は弁体2の中央部で切断しており、この位置では一方の面7a,2aはX軸と平行な面になっているが、図1の位置を境にしてZ軸方向にずれて行くと、一方の面7a,2aも徐々にテーパ面になっていき、図2のとおり、上端と下端では、一方の面7a,2aと他方の7b,2bとは同じ傾斜のテーパ面として連続している。
そして、図2及び図4(A)のとおり、Y軸方向から見て、弁軸3は、Z軸に対して、アクチュエータ14に近づくほど弁座シート7から離れるように若干の角度θ2で傾斜している。つまり、弁軸3はZ軸に対してθ2だけ四軸偏心(第4偏心)していると云える。また、図2及び図4(A)のとおり、Y軸方向から見て、弁体2のシール面2a,2bは、アクチュエータ14に近づくほど弁軸3との間隔が広がっている。なお、図4(A)では、明確化のため、弁軸3の傾斜角度θ2を図2の2倍に表示している。図2に示すように、弁軸3をZ軸に対してθ2だけ傾斜させると、弁座シート7の内周面を構成する円錐の中心線18′はX軸に対して、弁軸2の傾斜角度θ2と同じ角度だけ傾斜する。つまり、Y軸の方向から見て、弁座シート7の円錐の中心線18′と軸心15とは直交している。
(2).作用の説明
弁軸3の回転により、弁体2は弁座シート7に密着したり離反したりする。全閉状態では、弁体2の全周が弁座シート7に食い込んだ状態で密着している。全開状態では、図1(A)に一点鎖線で示すように、弁体2の平坦面がX軸と平行な姿勢になっている。
そして、閉弁終期には、図4(B)(C)(D)(E)に白抜き矢印で示すように、弁体2のシール面2a,2bが弁座シート7の内周面7a,7bに徐々に近づいてから食い込んでいき(弁座シート7を押し潰していき)、逆に、開弁初期には、図4(B)(C)(D)(E)に点線矢印で示すように、弁体2は弁座シート7に食い込んだ状態から離反していく。従って、閉弁終期と開弁初期には、弁体2を弁座シート7の抵抗に抗して回動させねばならない。また、閉弁状態では流体の圧力が弁体2を弁座シート7に押しつけるように作用しているため、開弁は弁体2を流体の抵抗に打ち勝たせる必要がある。
しかるに、従来のものは、弁体2の全周が同時に弁座シート7に食い込んだり離脱したりしていたため、弁体2の回動に弁座シート7の摩擦等が大きな抵抗として作用しており、このためアクチュエータ14には大きな出力が必要であったが、本実施形態では、弁軸3がY軸から見てZ軸に対して傾斜していることにより、閉弁時には弁体2は下端から上端に向けて弁座シート7を徐々に押し潰していく一方、開弁時には、弁体2は上端から下端に向けて弁座シート7から徐々に離脱していくため、閉弁に対する抵抗も開弁に対する抵抗も従来に比べて遥かに小さくなる。
従って、閉弁終期にも開弁初期にも弁体2の回動に必要なトルクは従来よりも遥かに小さくてよい。このため、アクチュエータ14の小型化やコストダウンに貢献できると共に、弁体2や弁軸3、弁座シート7の耐久性向上にも貢献できる。また、弁軸3及び弁体2の負担が少ないため、弁軸3の小径化や弁体2の薄肉化も可能であり、これにより、コストダウンできると共に、流路面積を大きくして単位時間当たりの流量も増大できる。
特に、開弁時には、流路が弁体2及び弁座シート7の周方向に沿って上端から下端に向けて開放されていくことにより、弁体2が弁座シート7から離脱し始めるのと同時に、弁体2を挟んだ両側の流体の圧力差が急減するため、弁体2に作用する流体の圧力も急減しており、この点からも、開弁に要するトルクを著しく抑制できる。
更に、開弁初期には、弁体2を始点(上端)から終点(下端)に向けて半周の範囲で弁座シート7から徐々に離脱させるものであり、弁体2が弁座シート7より離脱し始めてから離脱し終えるまでの間、弁体2と弁座シート7との間には常に摩擦抵抗が存在しているため、アクチュエータ14の制動力を効かせた状態で弁体2をスムースに開き制御することができる。このため、摩擦抵抗が急激に無くなることによる弁体2のジャンピング現象は生じない。
さて、図3(A)に実線矢印で示すように、本実施形態のバタフライ弁では、流体は主として弁軸3の側から弁体2の平坦面の側に向けて流れるが、弁軸3の軸心15が弁ケース1の中心軸(X軸)に対してE2だけ偏心していることにより、弁体2の回動軸心(弁軸3の軸心15)から弁ケース1の一方の内面までの距離R1と他方の内面までの距離R2が異なるため、弁体2には、白抜き矢印で示すように、外周面2a 及び2bを弁座シート7に圧接させるようなモーメントが働くことがある。
従って、閉弁時には流体の圧力が弁体2を弁座シート7に押し込むように作用し、開弁時には流体の圧力が弁体2の開きに対して抵抗として作用する。そして、開弁初期に弁体2の全周を一斉に弁座シート7から離脱させる従来技術では、流体の圧力によるモーメントが弁体2の開きに対する抵抗に加算されるため、弁体2を開くのに大きなトルクを要する一因にもなっていた。
これに対して本実施形態では、上記のとおり、開弁初期に弁体2が上から下に向けて弁座シート7から離脱することにより、弁体2が弁座シート7の上端から離脱し始めるのと同時に流体の流れが開始するため、弁体2に作用する流体のモーメントは著しく小さくなる。この面においても、開弁時の駆動トルクを大幅に抑制することができる。
また、閉弁時に弁体2の全周が一度に弁座シート7に当たる従来技術では、弁体2の全周が弁座シート7に当たった状態で弁軸3にトルクを付与すると、弁体2も弾性変形するため、弁軸3のトルクは専ら上に位置したボス部8に作用して、弁体2の上部は弁座シート7に食い込んでも下部は弁座シート7にしっかり食い込んでいない現象が発生するおそれがある。すなわち、弁体2が弁座シート7に対して片当たりしている現象が発生するおそれがあり、このためシール性が悪化するおそれがある。
これに対して本実施形態では、閉弁時には、弁体2は下から順次上に向けて弁座シート7に当接していくため、弁軸3のトルクはまず下部のボス部9に作用することになり、このため、弁体2は、その下部から上に向けて弁座シート7にしっかりと食い込んでいく。従って、弁軸3を過度に大径にしたり弁体2を厚肉化して過度に剛性を高めたりすることなく、高いシール性を確保できる。
(3).他の実施形態・その他
上記の実施形態では弁軸3をZ軸に対して傾斜させたが、図5に示す第2実施形態では、弁軸3はZ軸と平行に配置して、Y軸方向から見て弁座シート7をZ軸に対してθ2だけ傾斜させている。従って、弁体2のうちボス部8,9と反対側の面もZ軸に対して傾斜している。この実施形態でも、上記した第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
弁座5の取付位置を傾斜させると、弁ケース1の一端面と弁座シート7の外端面との間に段差が発生するが、この点は、図示のように、周方向に厚さを変えたガスケット20を使用したり、弁ケース1の一端面を傾斜させたりすることで対処できる。
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、弁軸は少なくとも一軸偏心させておれば足りるのであり、必ずしも二軸偏心させたり三軸偏心させたりすることは必要ない。また、弁軸を傾斜させることと弁座を傾斜させることとの両方を併用することも可能である。弁座シートは、弁体の外周に設けたり、弁座の内周と弁体の外周との両方に設けたりすることも可能である。
更に、弁軸はZ軸方向に分離して配置した2本で構成することも可能である。また、弁軸は1本方式にしても2本方式にしても、例えばスリーブに心棒が嵌まった二重構造のような複層構造とすることも可能である。
本願発明は、偏心型バタフライ弁に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 弁ケース
2 弁体
2a,2b 外周面
3 弁軸
4 管路
5 弁座
6 弁座本体
7 弁座シート
7a,7b 弁座シートの内周面
8,9 ボス部
14 アクチュエータ
15 弁軸の軸心

Claims (4)

  1. 内周面に円形の弁座を設けた弁ケースとその内部に配置した円板状の弁体、及び、前記弁体を前記弁座に嵌合する姿勢と弁座から離れた姿勢とに回動させて弁ケースを開閉する弁軸とを有しており、前記弁軸を前記弁体の片面に突設したボス部に取り付け、前記弁座及び弁体のシール面を前記弁軸の軸心からオフセットさせている構成であって、
    前記弁ケースを円筒に見立てた中心軸をX軸、前記X軸と前記弁軸の軸心とを含む面と直交した線をY軸、これらX軸及びY軸と直交した線をZ軸と仮定して、前記弁軸又は弁座を前記Y軸方向から見てZ軸に対して傾斜させている、
    偏心型バタフライ弁。
  2. 前記弁軸は前記Z軸の方向に並んだ一対のボス部に挿入して固定されていて、前記弁軸の一端部がアクチュエータに接続されており、かつ、前記弁軸と弁座とは、前記弁軸を駆動するアクチュエータに近い側から遠い側に向かってそれら弁軸と弁座との間隔が狭まるように相対的に傾斜している、
    請求項1に記載した偏心型バタフライ弁。
  3. 前記弁軸の軸心を前記X軸に対してY軸方向に偏心させている、
    請求項1又は2に記載した偏心型バタフライ弁。
  4. 前記Z軸の方向から見た断面視において、前記弁座の内周面又は弁体の外周面を構成する円錐の中心線を前記X軸に対して傾斜させている、
    請求項1〜3のうちのいずれかに記載した偏心型バタフライ弁。
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