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JP2001194681A6 - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

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JP2001194681A6
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Abstract

【課題】
【解決手段】カラーフィルタの着色層R、G、Bはデルタ配列となっている。それらのサブ画素に電圧を印加するためのデータ線(212)は、各色に対応するサブ画素の画素電極(234)に、一定の順番で繰り返してTFD(220)を介し接続される一方、1本のデータ線(212)に共通接続される画素電極(234)は、当該データ線(212)に対して同じ側に配置されている。これにより、特定色におけるサブ画素の電位は、他色におけるサブ画素の電位から均等に影響を受ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる3色に対応するサブ画素がデルタ状に配列した液晶装置、および、この液晶装置を有する電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、小型コンピュータや、デジタルカメラ、携帯電話機等といった電子機器に液晶装置が広く用いられている。この液晶装置は、一般に、液晶を挟んで互いに対向する一対の基板と、これらの基板の対向面にそれぞれ形成された電極とを有する。さらに、これらの両電極と、電極間に挟まれる液晶とによってドット状の画素が形成されて、マトリクス状に配列している。ここで、画素を形成する電極間に電圧が選択的に印加されると、液晶の配向が変化し、液晶を通過する光量が制御されて、ドット表示が行われることとなる。
【0003】
さて、このような液晶装置においてカラー表示を行う場合、1画素がR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色にそれぞれ対応するサブ画素に分割されて、これらのサブ画素が所定のパターンにてマトリクス状に配列する。なお一般に、サブ画素における着色は、一方の基板に形成されたカラーフィルタによって行われる。
【0004】
ここで、液晶装置において、サブ画素の色配列、すなわち、カラーフィルタにおける着色層の配列としては、図15に示されるようなRGBストライプ配列や、図16に示されるようなRGBモザイク配列、図17に示されるようなRGGBモザイク配列、図18に示されるようなRGBデルタ配列などが知られている。なお、これらの各図において、「R」、「G」、「B」は、それぞれサブ画素によって着色される色を示し、具体的には「R」は赤、「G」は緑、「B」は青を、それぞれ示している。
【0005】
さて、図15に示されるRGBストライプ配列は、トリオ配列とも呼ばれ、文字や直線等を表示するデータディスプレイなどの用途に適しているが、他の配列に比べて解像度が低い。
【0006】
また、図16に示されるRGBモザイク配列は、右上がりの斜線と左上がりのの斜線とにおいて表示品位に差があるので、画像全体に斜線状のノイズが生じる。特に、サブ画素数が少ないとき、そのノイズが顕著となる。
【0007】
一方、図17に示されるRGGBモザイク配列は、視感度の高い「G」の数が多いため、一般に解像度が高いと言われているが、主観評価の実験では必ずしも評価が高くない。さらに、視認距離が短いと、「B」、「R」の数が少ないために、画像のザラツキ感が目立つ。
【0008】
そして、図18に示されるRGBデルタ配列は、RGBモザイク配列と比較して1.5倍の水平解像度を有する。なお、斜め成分が劣るためにRGGBモザイク配列と比較して画像の輪郭等に難があるとされるが、主観評価実験では評価が最も高い。
【0009】
以上のように、サブ画素の密度を同一として各配列を比較した場合において、高い水平解像度が得られるRGBデルタ配列が、高精細および高画質を図る際に適した配列であると考えられる。
【0010】
次に、RGBデルタ配列において、サブ画素と、それを駆動するための導通ライン(例えばデータ線または走査線)とを接続するには、次のような2つの配線パターンが知られている。すなわち、図19に示されるように、1本のデータ線212が、RGBの3色のうち、2色のサブ画素の画素電極234に接続される配線パターン(以下、タイプ1と称する)と、図20に示されるように、1色のサブ画素のみの画素電極234に接続される配線パターン(以下、タイプ2と称する)とが知られている。なお、ここでは、導通ラインをデータ線とした場合を示している。また、これらの図において、各データ線212と各画素電極234とを結ぶ短い線220dは、TFT(Thin Film Transistor)や、TFD(ThinFilm Diode)などのようなアクティブ素子を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タイプ1の配線パターン(図19参照)では、ある1本のデータ線212において共用される2色のサブ画素のうち、一方の色に対応するサブ画素の電位変動が、他方の色に対応するサブ画素の電位に影響を受ける。このため、いわゆる縦クロストークが発生し、その結果、表示画像にスジ状のムラ(スジムラ)が発生して、表示品質が低下する、という問題があった。
【0012】
この問題は、1本のデータ線212によって1色のみを受け持たせるタイプ2の配線パターン(図20参照)を採用することにより解消できる。ただし、このタイプ2の配線パターンにおいては、あるサブ画素に隣接するデータ線212の電位が変動すると、そのサブ画素の電位も変動する。このため、いわゆる横クロストークが発生し、その結果、表示画像にスジムラが発生して、表示品質が低下する、という別の問題を引き起こすことになった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、縦クロストークに起因する表示画像のスジムラとともに、横クロストークに起因する表示画像のスジムラをも防止して、表示の高品質化を図った液晶装置、および、この液晶装置を有する電子機器を提供することにある。
【0014】
本発明を開示する前に、上記スジムラについて詳細に検討してみる。
【0015】
まず、図19に示されるタイプ1の配線パターンにおいて、縦クロストークに起因する表示画像のスジムラとは、具体的には、「R」、「G」、「B」とそれぞれ補色の関係にあるシアン、マゼンタ、イエローのいずれかの単色パターン(ベタパターン)を表示した際に1行毎に明暗が発生する、というものである。
【0016】
ここで、液晶装置として、電圧無印加状態で白(オフ)を表示するノーマリーホワイトモードを例に説明すると、例えばシアンを表示する場合、「R」のサブ画素については黒(オン)、「G」および「B」のサブ画素については白(オフ)となるので、Rのサブ画素についてのみ書き込みをする必要がある。
【0017】
なお、タイプ1の配線パターンにおいて、▲1▼のデータ線212には、「R」と「G」とのサブ画素の画素電極234に接続され、▲2▼のデータ線212には、「G」と「B」とのサブ画素の画素電極234に接続され、▲3▼のデータ線212には、「B」と「R」とのサブ画素の画素電極234に接続されている。
【0018】
さて、偶数行に位置する「G」の画素電極234は、▲1▼のデータ線212のみに接続されているので、▲1▼のデータ線212において奇数行に位置する「R」のサブ画素に書き込みが行われると、その▲1▼のデータ線212に接続された「G」のサブ画素の電位と▲1▼のデータ線212の電位との差が大きくなる。このため、偶数行における「G」のサブ画素の電位は、図21において▲1▼で示されるように「R」のサブ画素に対する書き込み電位に引き込まれる。これが縦クロストークの一種である。
【0019】
一方、奇数行に位置する「G」の画素電極234は、▲2▼のデータ線212のみに接続されており、▲2▼のデータ線212には、「R」のサブ画素が接続されていないので、▲2▼のデータ線212に接続された「G」のサブ画素の電位と▲2▼のデータ線212の電位との差は小さいままである。このため、「G」のサブ画素の電位は、図21において▲2▼で示されるように「R」のサブ画素に対する書き込み電位の影響をほとんど受けない。
【0020】
この結果、偶数行における「G」のサブ画素に印加される電圧実効値が、奇数行における「G」のサブ画素に印加される電圧実効値よりも低下するので、偶数行の「G」のサブ画素は明るく、奇数行の「G」のサブ画素が暗くなる、という現象に帰結する。同様な現象は、図21における▲3▼でも判るように、「B」のサブ画素についても発生し、偶数行の「B」のサブ画素は暗く、奇数行の「B」のサブ画素が明るくなる。
【0021】
結局、1行おきに明暗の差が生じてスジムラが発生することとなる。イエロー、マゼンタを表示する場合についても同様であり、奇数行および偶数行で明暗が生じてスジムラが発生することとなる。
【0022】
なお、図21において、▲1▼、▲2▼、▲3▼の各々は、シアンのベタパターンが表示される場合に、図19における▲1▼、▲2▼、▲3▼のデータ線212に対応させたビデオ信号の電位を、横軸を時間として表したものである。また、この図において、ビデオ信号が電圧変調方式で表現されているが、TFDを用いた液晶装置の標準的な駆動方式であるパルス幅変調(PWM)方式においても概念的には同じである。
【0023】
さて、上記縦クロストークは、1本のデータ線212が2色のサブ画素の画素電極234に接続されていることに起因して発生するものである。したがって、図20に示されるタイプ2の配線パターンを採用すれば、そのような縦クロストークが解消されるはずである。
【0024】
しかしながら、このタイプ2の配線パターンにおいては、横クロストークに起因してスジムラが発生するという別の問題がある。これは、「R」、「G」、「B」の補色(すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー)を表示した場合に顕著に表れる。すなわち、この横クロストークに起因するスジムラとは、図20において、例えば「B」のサブ画素が黒(オン)となり、「R」および「G」のサブ画素が白(オフ)となるイエローが表示される場合、奇数行に位置する「G」のサブ画素が、偶数行に位置する「G」のサブ画素よりも明るくなり、また、偶数行に位置する「R」のサブ画素が、奇数行に位置する「R」のサブ画素よりも明るくなる、という現象である。
【0025】
ここで、本発明者は、配線パターンに着目したところ、かかる横クロストークに起因するスジムラとは、黒の書き込みに関与する▲5▼のデータ線(「B」のサブ画素に接続されたデータ線)212によって囲まれるサブ画素(すなわち、奇数行に位置する「G」のサブ画素および偶数行に位置する「R」のサブ画素)が明るく、黒の書き込みに関与しない▲4▼、▲6▼のデータ線212によって囲まれるサブ画素(すなわち、偶数行に位置する「G」のサブ画素および奇数行に位置する「R」のサブ画素)が暗い、という現象であることを確認した。
【0026】
この現象をマクロ的に観察すると、明るい縦ライン(GRGR)と暗い縦ライン(RGRG)とが交互に現れるため、縦スジとして視認される。表示色を入れ替えてシアン表示(「R」のサブ画素が黒)の場合、マゼンタ表示(「G」のサブ画素が黒)の場合にも、黒の書き込みに関与するデータ線によって囲まれるサブ画素は明るく、黒の書き込みに関与しないデータ線によって囲まれるサブ画素は暗い、という現象が同様に確認された。なお、サブ画素のピッチによっては、同様な現象が横スジとして視認される場合もあった。
【0027】
さらに、詳細に検討するために、本発明者らは、サブ画素のVTカーブ(電圧−透過率特性)について、周辺のサブ画素の条件を変化させて測定した。図22および図23は、この測定結果である。このうち、図22は、偶数行に位置する「G」のサブ画素において測定されたオフ(白)波形を示し、また、図23は、同様に偶数行に位置する「G」のサブ画素において測定されたオン(黒)波形を示し、両者とも、測定対象である「G」のサブ画素に対して、周辺の「R」および「B」のサブ画素においてオン(黒)/オフ(白)を変化させた場合に、波形変化の様子を測定したものである。
【0028】
これらの図で示されるVTカーブから判明するように、偶数行の「G」のサブ画素に印加される電圧は、「B」のサブ画素の白黒にかかわらず、「R」のサブ画素が黒の場合には、高電圧側にシフトする一方、「R」のサブ画素が白の場合に波形が低電圧側にシフトする傾向がある。これは、特に図22におけるオフ(白)波形において顕著であり、このような光学特性のシフトは、肉眼で観察した場合の現象と良く一致している。なお、R:白/B:白の条件とR:黒/B:黒の条件とにおいて、V50(すなわち、透過率が50%となる電圧)を比較すると、図22では1.4Vの差があり、図23では1.8Vの差があった。
【0029】
以上の測定結果から、ある色に対応するサブ画素(仮に「R」のサブ画素とする)を駆動するための配線が、それに隣接するサブ画素(仮に「G」のサブ画素とする)の周辺を囲むことによって寄生容量が発生して、実効的な容量比に変動が生じる結果、サブ画素に印加される電圧のシフトが発生している、と推測される。
【0030】
例えば、図22および図23において、偶数行の「G」のサブ画素におけるVTカーブの挙動が「R」のサブ画素の点灯状態に支配されている理由は、当該「G」のサブ画素には、専ら「R」のサブ画素に接続される▲6▼のデータ線212が容量的にカップリングして、その電圧変動が「G」のサブ画素に印加される電圧に影響を与えているからである。このようにサブ画素の明度が、そのサブ画素に行方向で隣接する配線の影響を受けることから、この現象は横クロストークということになる。
【0031】
さて、アクティブ素子にTFDを用いた液晶装置において、素子側の配線をデータ線とし、対向基板側(すなわちカラーフィルタ側)の電極を走査線とする場合に、あるサブ画素を駆動するデータ線は、そのサブ画素の画素電極に対して右か左かどちらか一方にしかなく、他方には他の色のサブ画素を駆動するデータ線が存在することになる。したがって、横クロストークは、デルタ配列に限られず、モザイクや、ストライプなどの他の配列でも同様に発生し得るものであるといえる。
【0032】
事実、同一サブ画素数および同一サブ画素ピッチの液晶装置であって、サブ画素の色配列のみがモザイク配列である液晶装置において、サブ画素単位のVTカーブを測定してみると、デルタ配列の場合と同様に電圧のシフトが発生していることが、本発明者らによって明瞭に確認された。しかし、デルタ配列では深刻なスジムラとして視認される現象は、モザイク配列では問題とならない。この理由は、モザイク配列の場合には、奇数行および偶数行の区別がなく、全体が一様に影響を受けていることに他ならないからである。横クロストークがデルタ配列特有の問題として顕在化するのはこのためである。
【0033】
逆に言えば、デルタ配列においてタイプ2の配線パターンで見られる横クロストークは、基本的にサブ画素の色配列とは無関係に存在するが、その影響が全ての色のサブ画素に対して均一であれば、表示上の不具合とはならないと考えられる。したがって、重要なポイントは、ある色のサブ画素にカップリングする配線によって駆動されるサブ画素の色が、行毎に入れ替わらない、ということであると考えられる。ただし、横クロストークによる影響が全てのサブ画素に対して均一であったとしても、先に述べたように縦クロストークのおそれのあるタイプ1の配線パターンを採用することはできない。
【0034】
このような経緯から、本発明者らは、デルタ配列における新たな試みとして、1本のデータ線に「R」、「G」、「B」の3色が接続される配線パターンについて検討した。このような配線パターンとしては、図24に示されるタイプ3、図25に示されるタイプ4および図1に示されるタイプ5の3種が想定された。そして、本発明者は、これら3種の配線パターンについて、サブ画素に対する配線のカップリング影響度を評価した。この評価結果が図5である。
【0035】
なお、この評価結果では、着目したサブ画素において画素電極の4辺の1/2が囲まれる場合の影響度を「2」、L字型に囲まれる場合の影響度を「1.5」、直線(1辺)のみの場合の影響度を「1」とし、さらに、着目したサブ画素の画素電極に対して左側に位置するデータ線(左配線)からの影響をマイナス、右側に位置するデータ線(右配線)からの影響をプラスとした。さらに、影響度における最小値と最大値との差(レンジ)のみならず、隣接する走査線間における最大変化量についても考慮された。
【0036】
ここで、図24に示されるタイプ3の配線パターン、および、図25に示されるタイプ4の配線パターンでは、ある色のサブ画素にカップリングするデータ線によって駆動されるサブ画素の色が6行毎に入れ替わるので、タイプ2の配線パターン(図19参照)と同様に横クロストークの関係上好ましくない。
【0037】
したがって、図1に示されるタイプ5の配線パターンが、カップリング影響度の評価結果を考慮しても、また、クロストークの発生を事前に抑止する観点からも、最も望ましいと考えられる。
【0038】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件第1の発明は、異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置であって、それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、前記3色に対応するサブ画素の画素電極に、一定の順番で繰り返して接続される一方、1本の導通ラインに共通接続される画素電極は、当該導通ラインに対して同じ側に配置されていることを特徴としている。この構成によれば、どの行のサブ画素に着目しても、いずれか一方の側に位置する導通ラインによって接続され、かつ、各サブ画素は、その他方の側に位置する導通ラインとしかカップリングしない。このため、各行に存在する同一色のサブ画素を見たとき、それらのサブ画素にカップリングするデータ線によって駆動されるサブ画素の色は各行にわたって同一となる。したがって、横クロストークの影響は、全てのサブ画素に対して均一となるので、スジムラの発生しない良好な表示品質を得ることができる。
【0039】
ここで、本件の第1の発明においては、導通ラインによる画素電極の囲む形態が行毎に異なるので、導通ラインとそれに隣接する画素電極と距離が各行毎に同一であると、両者の間のカップリング容量が行毎に異なってしまう。このため、本件第1の発明において、前記導通ラインは、データ線であって、そのデータ線のうち画素電極に沿う部分の長さが長くなるにつれて、データ線と画素との間の距離を長くするか、または、データ線を細くした構成が望ましい。この構成によれば、データ線と、それに隣接する画素電極とのカップリング容量を各行にわたって均一化されるので、スジムラのない良好な表示が可能となる。
【0040】
また、上記第1の発明において、いわゆるデルタ配列において用いられる色数が「3」であることとの関係上、前記導通ラインは、6の倍数を1周期とするパターンにて、前記画素電極に接続されている構成が望ましい。
【0041】
さらに、上記第1の発明において、前記導通ラインは、前記画素電極に対し、アクティブ素子を介して接続されている構成が望ましく、そのアクティブ素子は、導電体/絶縁体/導電体からなる薄膜ダイオード素子であることが望ましい。このようなアクティブ素子により、オンさせるサブ画素とオフさせるサブ画素とを電気的に分離でき、また、アクティブ素子として画素電極と並列な保持容量を形成することが困難な薄膜ダイオードを用いる場合であっても、均一な表示画像を得ることが可能となる。
【0042】
次に、上記目的を達成するために本件第2の発明は、異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置を有する電子機器であって、それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、前記3色に対応するサブ画素に対応する画素電極に、一定の順番で繰り返して接続される一方、1本の導通ラインに共通接続される画素電極は、当該導通ラインに対して同じ側に配置されることを特徴としている。この電子機器によれば、スジムラのない良好な表示を得ることが可能となる。
【0043】
続いて、上記目的を達成するために本件第3の発明は、異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置であって、それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等化されて形成されていることを特徴としている。
【0044】
ここで、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等にするためには、第1に、前記画素電極の周辺は、その画素電極に接続される導通ラインによって囲まれている構成が考えられる。この構成によれば、画素電極にカップリングするデータ線は、当該画素電極に接続されるデータ線だけとなるので、寄生容量の均等化という面だけを考慮すれば、最も望ましいと考えられる。
【0045】
また、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等にするためには、第2に、前記画素電極において、隣接する導通ラインに対向する辺以外の周辺は、その画素電極に接続される導通ラインによって略同一幅にて囲まれている構成が考えられる。この構成によれば、画素電極の1辺は、隣接する導通ラインとカップリングするが、製造プロセスにおける短絡低下や、開口率向上などの面で有利となる。
【0046】
さらに、上記第3の発明において、前記導通ラインは、6の倍数を1周期とするパターンにて、前記画素電極に接続されている構成が望ましい。上記第1の発明と同様に、いわゆるデルタ配列において用いられる色数が「3」であるからである。
【0047】
また、上記第3の発明においては、上記第1の発明と同様に、前記導通ラインは、前記画素電極に対し、アクティブ素子を介して接続されている構成が望ましく、そのアクティブ素子は、導電体/絶縁体/導電体からなる薄膜ダイオード素子であることが望ましい。
【0048】
そして、上記目的を達成するために本件第4の発明は、異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置を備える電子機器であって、それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等化されて形成されていることを特徴としている。この電子機器によれば、スジムラのない良好な表示を得ることが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について、実施形態毎に図面を参照して説明する。
【0050】
<第1実施形態>まず、本発明の第1実施形態に係る液晶装置について図3および図4を参照して説明する。ここで、図3は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す斜視図であり、図4は、この液晶装置の構成を示す断面図である。
【0051】
これらの図に示されるように、この液晶装置100は、一対の透光性基板200、300を有する。このうち、基板200は、アクティブ素子が形成される素子側基板であり、他方、基板300は、素子側基板200に対向する対向基板である。
【0052】
このうち、素子側基板200の内側表面には、図4に示されるように、複数本のデータ線212と、それらのデータ線212に接続される複数のTFD220と、それらのTFD220と1対1に接続される画素電極234とが、例えばフォトリソグラフィー法等によって形成されている。ここで、各データ線212は、図4において紙面と鉛直方向に延在して形成される一方、TFD220および画素電極234は、ドットマトリクス状に配列している。そして、画素電極234などの表面には、一軸配向処理、例えばラビング処理が施された配向膜214が形成されている。
【0053】
一方、対向基板300の内側表面には、カラーフィルタ308が形成されて、「R」、「G」、「B」の3色の着色層を構成している。なお、これら3色の着色層の隙間には、ブラックマトリクス309が形成されて、着色層の隙間からの入射光を遮蔽する構成となっている。カラーフィルタ308およびブラックマトリクス309の表面にはオーバーコート層310が形成され、さらに、その表面には、走査線として機能する対向電極312が、データ線212と直交する方向に形成されている。なお、オーバーコート層310は、カラーフィルタ308およびブラックマトリクス309の平滑性を高めて、対向電極312の断線を防止する目的などのために設けられる。さらに、対向電極312の表面には、ラビング処理が施された配向膜314が形成されている。なお、配向膜214、314は、一般にポリイミド等から形成される。
【0054】
そして、素子側基板200と対向基板300とは、スペーサ(図示省略)を含むシール材104によって一定の間隙を保って接合されるとともに、この間隙に、液晶105が封入された構成となっている。また、素子側基板200の外側表面には、配向膜214へのラビング方向に対応した光軸を有する偏光板317が貼着されている。同様に、対向基板300の外側表面には、配向膜314へのラビング方向に対応した光軸を有する偏光板217が貼着されている。
【0055】
また、液晶装置100は、COG(Chip On Glass)技術が適用されて、素子側基板200の表面に直接、液晶駆動用IC(ドライバ)250が実装されている。この結果、液晶駆動用IC250の各出力端子が、データ線212のそれぞれに接続されている。同様に、対向基板300の表面にも直接、液晶駆動用350が実装されて、液晶駆動用IC350の各出力端子が、走査線たる対向電極212のそれぞれに接続されている。
【0056】
なお、COG技術に限られず、それ以外の技術を用いて、ICチップと液晶装置とが接続された構成としても良い。例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて、FPC(Flexible Printed Circuit)の上にICチップがボンディングされたTCP(Tape Carrier Package)を液晶装置に電気的に接続する構成としても良い。また、ICチップをハード基板にボンディングするCOB(Chip On Board)技術を用いても良い。
【0057】
さて、素子側基板200の内側表面において、TFD220および画素電極234は、図1に示されるようにドットマトリクス状に配列されている。特に、画素電極234は、行(すなわち、横方向の並び)ごとに0.5ピッチずつシフトして配列している。一方、対向基板300の表面内側に形成される対向電極312は、素子側基板200に形成される画素電極234の1行分と対向する位置関係にあり、さらに、対向基板300に形成されるカラーフィルタ308のうち、1色分の着色層は、画素電極234と対向電極312との交差領域に対応して設けられている。したがって、1つのサブ画素は、画素電極234と、対向電極312と、この間に挟持された液晶105と、カラーフィルタ308における1色分の着色層とから構成されることとなる。
【0058】
ここで、図1において、各画素電極234に付された「R」は、これと対向する対向基板300に形成されるカラーフィルタ308において、赤色光を透過する着色層が配置していることを示している。同様に「G」は、緑色光を透過する着色層が配置していることを示し、「B」は、青色光を透過する着色層が配置していることを示している。特に本実施形態では、「R」、「G」、「B」の各着色層が三角形すなわちデルタの頂点に位置しており、RGBデルタ配列となっている。
【0059】
さらに、本実施形態では配線パターンとして図1に示されるタイプ5が採用されている。すなわち、1本のデータ線212は、「R」、「G」、「B」の3色に対応するサブ画素の画素電極234に対し、一定の順番で繰返してTFD220を介し接続される一方、ある1本のデータ線212に共通接続される画素電極234は、そのデータ線212からみて、同一サイド(図1では左サイド)に配置している。そして、この配置は、すべてのデータ線212にわたって共通となっている。なお、本実施形態におけるサブ画素の画素電極234と、それと左側に位置するデータ線212との距離は、図2に示されるように各行毎に同一となっている。詳細には、画素電極234とデータ線との間の距離を、データ線212が画素電極234の1辺だけに沿って位置する場合にはS3とし、データ線234が画素電極234をL字形状に囲む場合にはS2とし、データ線234が画素電極234の周囲の1/2を囲む場合にはS1としたときに、それらには、S1=S2=S3が成立している。
【0060】
このように構成された液晶装置100において、液晶駆動用IC250、350が作動すると、選択されたサブ画素では、画素電極234と対向電極312との間にオン電圧またはオフ電圧が印加される結果、かかる電圧制御によって液晶105の配向状態が各サブ画素ごとに制御される。そして、この配向制御に基づいて特定色のサブ画素を通過する光が変調されるので、文字や、数字、絵柄等といった画像がカラー表示されることとなる。
【0061】
また、本実施形態の液晶装置100では、カラーフィルタの配列がRGBデルタ配列となっているので、RGBストライプ配列や、RGBモザイク配列、RGGBモザイク配列と比較して、高い水平解像度を得ることができ、その結果、高精細および高画質の液晶表示を行うことが可能となっている。さらに、本実施形態では、1本のデータ線212が3色分のサブ画素を駆動する、という配線パターンが採用されているので、タイプ1の配線パターン(図19参照)における縦クロストークが抑えられる結果、これに起因する表示画質の低下が回避される。
【0062】
くわえて、本実施形態では、どの行のサブ画素に着目しても、常に右側に位置するデータ線212に接続され、かつ、各サブ画素は、その反対の左側に位置する導通ラインとしかカップリングしない。このため、各行において同一色のサブ画素を見たとき、それらのサブ画素にカップリングするデータ線212によって駆動されるサブ画素の色は、各行にわたって同一となる。したがって、各行において各色のサブ画素に及ぼされるクロストークの影響は、全てのサブ画素に対して均一となるので、スジムラの発生しない良好な表示品質を得ることができる。
【0063】
<第2実施形態>さて、上述した第1実施形態において、データ線212が画素電極234を囲む形態としては、図1または図2に示されるように、▲1▼データ線212が画素電極234の1辺だけに沿って配置する場合と、▲2▼データ線212が画素電極234をL字状に囲む場合と、▲3▼データ線212が画素電極234の周辺約1/2を囲む場合との3種類が存在する。
【0064】
ここで、データ線212が画素電極234の周辺約1/2を囲む▲3▼の場合、そのデータ線212と画素電極234とのカップリング容量が大きくなるので、そのデータ線212の電位変動が、その右側に位置するサブ画素の電位に与える影響も大きい。一方、データ線212が画素電極234の1辺だけに沿って位置する▲1▼の場合、そのデータ線212と画素電極234とのカップリング容量が小さくなるので、そのデータ線212の電位変動が、その右側に位置するサブ画素の電位に与える影響も小さい。この結果、データ線212が画素電極234を囲む形態によって、サブ画素の電位に与える影響に差が生じるので、第1実施形態のようにS1=S2=S3では、表示品質が低下する可能性がある。
【0065】
これを回避するために本発明の第2実施形態では、図6に示されるように、S1>S2>S3に設定したものである。すなわち、データ線212が画素電極234の1辺だけに沿って位置する場合▲1▼の距離S3を小さく設定し、次に、データ線212が画素電極234の周辺約1/2を囲む場合▲3▼の距離S1を大きく設定し、さらに、データ線212が画素電極234をL字状に囲む場合▲2▼の距離S2を、それらの中間の大きさに設定したものである。
【0066】
この構成によれば、画素電極234と、これに左側に位置するデータ線212との間に生じる寄生容量を各行毎に等しくすることができるので、寄生容量の相違によって表示品質がサブ画素ごとにばらつくことを防止することが可能となる。なお、データ線212のうち画素電極212に沿う長さが長くなるにつれて、囲むデータ線212の線幅を細くするようにしても同様な効果を得ることができる。
【0067】
<第3実施形態>次に、本発明の第3実施形態に係る液晶装置について説明する。この第3実施形態に係る液晶装置は、上述した第1実施形態と、図3および図4に示される構成において同一であるが、素子側基板200のレイアウトにおいて相違している。そこで、この相違点を中心に説明することとする。図7は、この液晶装置における素子基板200のレイアウトを示す平面図である。
【0068】
この図に示されるように、「R」、「G」、「B」の各色に対応する画素電極234は、第1実施形態と同様にRGBデルタ配列となっている。例えば、A行に属する画素電極234は、隣接するB行に属する画素電極234とは、行方向(図においてX方向)に0.5ピッチずつシフトして配列している。
【0069】
一方、ある1本のデータ線212xは、図においてA行に位置するRの画素からD行に位置するRの画素まで下左方向に進んだ後、今度は、A行に位置するRの画素まで下右方向に進んでいる。データ線212xは、このようにA〜F行にわたる6個の画素を1周期とする折返しパターンにて列方向に延在して、マクロ的にみて画素電極234の一列において共用されている。ここで、データ線212xは、共用される画素電極234の周辺を、画素電極234毎に囲むとともに、画素電極234に対してTFD220を介して接続されている。
【0070】
ここで、1サブ画素の構成について、データ線212xに接続され、B行あるいはC行に位置するものを例にとって説明する。図8Aは、その1サブ画素のレイアウトを示す平面図であり、図8Bは、そのA−A線に沿って示す断面図である。これらの図に示されるように、TFD220は、第1のTFD220aおよび第2のTFD220bとからなり、素子側基板200と、この表面に形成された絶縁膜201と、第1金属膜222と、この表面に陽極酸化によって形成された絶縁体たる酸化膜224と、この表面に形成されて相互に離間した第2金属膜226a、226bとから構成されている。また、第2金属膜226aは、そのままデータ線212xとなる一方、第2金属膜226bは、画素電極234に接続されている。
【0071】
さて、第1のTFD220aは、データ線212xからみると順番に、第2金属膜226a/酸化膜224/第1金属膜222となって、金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造を採るため、ダイオードスイッチング特性を有することになる。一方、第2のTFD220bは、データ線212xから順番にみると、第1金属膜222/酸化膜224/第2金属膜226bとなって、第1のTFD220aとは、反対のダイオードスイッチング特性を有することになる。ここで、両者は、2つのダイオードを互いに逆向きに直列接続した形となっているため、1つのTFDを用いる場合と比べると、電流−電圧の非線形特性が正負の双方向にわたって対称化されることになる。
【0072】
なお、データ線212xの断面は、第1金属膜222、酸化膜224、第2金属膜226aとなっているが、データ線212xに接続される端子は、最上層の第2金属膜226aのみに接続されているため、データ線212xがTFDとして機能することはない。
【0073】
また、基板200自体は、絶縁性および透明性を有するものであり、例えば、ガラスやプラスチックなどから構成される。ここで、絶縁膜201が設けられる理由は、第1金属膜222の堆積後における熱処理により、第1金属膜222が下地から剥離しないようにするため、および、第1金属膜222に不純物が拡散しないようにするためである。したがって、これらが問題にならない場合には、絶縁膜201は省略可能である。また、画素電極234は、透過型として用いる場合にはITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜から形成され、反射型として用いる場合にはアルミニウムや銀などの反射率の大きな金属膜から形成される。
【0074】
さらに、E行あるいはF行に位置する画素についても、データ線212xの囲み部分が対称となる以外同様であり、A行あるいはD行に位置する画素についても、データ線212の囲み部分が上半分あるいは下半分のみが対称となる以外同様である。
【0075】
次に、このような素子側基板200の製造プロセスについて、TFD220を中心に説明する。まず、図9(1)に示されるように、基板200上面に絶縁膜201が形成される。この絶縁膜201は、例えば、酸化タンタルからなり、スパッタリング法で堆積したタンタル膜を熱酸化する方法や、酸化タンタルからなるターゲットを用いたスパッタリングあるいはコスパッタリング法などにより形成される。この絶縁膜201は、上述したように、第1金属膜222の密着性を向上させ、さらに基板200からの不純物の拡散を防止することを主目的として設けられるので、その膜厚は、例えば、50〜200nm程度で十分である。
【0076】
次いで、同図(2)に示されるように、絶縁膜201上面に第1金属膜222が成膜される。この第1金属膜222の組成は、例えば、タンタル単体あるいはタンタル合金からなる。タンタル合金とする場合、主成分のタンタルに、例えば、タングステン、クロム、モリブデン、レニウム、イットリウム、ランタン、ディスプロシウムなどの周期律表において第6〜第8族に属する元素を添加しても良い。なお、添加する元素としては、タングステンが好ましく、その含有割合は、例えば、0.1〜6重量%が望ましい。
【0077】
また、第1金属膜222は、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法などで形成可能であり、タンタル合金からなる第1金属膜222を形成する場合には、混合ターゲットを用いたスパッタリング法や、コスパッタリング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。なお、第1金属膜222の膜厚は、TFD220の用途によって好適な値が選択され、通常、100〜500nm程度である。
【0078】
そして、同図(3)に示されるように、第1金属膜222が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされる。
【0079】
続いて、同図(4)に示されるように、酸化膜224が第1金属膜222の表面に形成される。詳細には、第1金属膜222の表面が、陽極酸化法によって酸化することで形成される。このとき、データ線212xの基礎となる部分の表面も同時に酸化されて酸化膜224が形成される。酸化膜224の膜厚は、その用途によって好ましい値が選択され、例えば、10〜35nm程度であり、1つの画素について1個のTFDを用いる場合と比べると半分である。陽極酸化で用いられる化成液は、特に、限定されないが、例えば、0.01〜0.1重量%のクエン酸水溶液を用いることができる。
【0080】
次いで、同図(5)に示されるように、第2金属膜226が成膜される。この第2金属膜226は、例えば、クロムや、アルミニウム、チタン、モリブデンなどであり、スパッタリング法などによって堆積させることによって形成される。また、第2金属膜226の膜厚は、例えば、50〜300nm程度である。
【0081】
続いて、図10(6)に示されるように、第2金属膜226が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされる。これにより、第1、第2のTFDにおける第2金属膜226a、226bが離間して形成されるとともに、データ線212xにおける最上層も第2金属膜226によって被覆されることになる。
【0082】
次に、同図(7)に示されるように、画素電極234となる導電膜が成膜される。この導電膜は、透過型の液晶装置ではITOが好適であり、反射型の液晶装置ではアルミニウムなどが好適であって、いずれもスパッタリング法などによって膜厚30〜200nmで堆積させることで成膜される。
【0083】
続いて、同図(8)に示されるように、導電膜が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされて、画素電極234が形成される。
【0084】そして、同図(9)に示されるように、データ線212xから枝分かれした酸化膜224のうちの波線部分229が、その基礎となっている第1金属膜222とともに、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術により除去される。これにより、第1、第2のTFDで共用される第1金属膜222が、データ線212xの最下層たる第1金属膜222から電気的に分離されることになる。
【0085】
このようなプロセスにより、基板200には、第1のTFD220aと第2のTFD220bとからなるTFD220が、画素電極234とともに、デルタ配列で形成される。
【0086】
なお、このようなTFDの製造プロセスについては、上記工程の順番に限られない。例えば、図9(4)における工程によって第1金属膜222の表面に酸化膜224が形成された直後に、図10(9)における工程によって、データ線212xから分離して、この後、図9(5)の工程、および、図10の(6)〜(8)の工程を実行することによっても可能である。
【0087】
そして、このように構成される素子側基板200には、上述した第1実施形態と同様に、画素電極234と交差して行方向に延在する対向電極(走査線)や、画素電極234に対応する各色のカラーフィルタなどが形成された対向基板300が、シール材によって、一定のギャップ(間隙)を保って貼り合わせられ、さらに、この閉空間に、例えば、TN(Twisted Nematic)型の液晶が封入されて、最終的に液晶装置として構成されることとなる。
【0088】
このような第3実施形態に係る液晶装置では、データ線212xに接続される画素電極234の周辺がデータ線212x自身により囲まれるので、隣接するデータ線212(x−1)あるいは212(x+1)によるカップリングの影響が排除される。すなわち、自身のデータ線212xとのカップリングだけが問題となる。隣接するデータ線212(x−1)、212(x+1)に接続される画素電極234についても同様である。したがって、このような液晶装置によれば、A行〜F行に位置するサブ画素の寄生容量は互いに均等になるため、表示画像の均一化を図ることが可能となる。
【0089】
<第4実施形態>次に、本発明の第4実施形態に係る液晶装置について説明する。
【0090】
上述した第3実施形態にあっては、画素電極234の周辺がそこに接続されるデータ線自身によって囲まれるので、隣接するデータ線によるカップリング容量が問題とならない。このため、表示画像の均一化の点では優れている、と言える。しかしながら、図8Aに示されるように、互いに隣接する画素電極234の間には、2本のデータ線、詳細には、データ線212xのうちのラインL1と、それに隣接するデータ線212(x+1)のうちのラインL2とが配設される結果、上述した第1金属膜222のパターニング工程および第2金属膜226のパターニング工程において短絡の可能性が高まる点や、さらに、画素電極234の占める領域の割合(開口率)が低下して、画面全体が暗くなってしまう点などの問題もある。
【0091】
そこで、各行に位置する画素電極の寄生容量が均等となるようにした上で、第3実施形態における短絡や開口率の問題点を解決した第4実施形態について説明することとする。
【0092】
図11は、この液晶装置における素子基板200のレイアウトを示す平面図である。この図に示されるように、「R」、「G」、「B」の各色に対応する画素電極234がRGBデルタ配列をとっている点において第1や第3実施形態と同様であるが、データ線によって画素電極の周辺すべてが囲まれるのではなく、隣接するデータ線と対向する辺以外の三辺のみが同じ幅のデータ線によって囲まれている点において第3実施形態と相違している。
【0093】
ここで、1つのサブ画素の構成について、データ線212xに接続されてB行あるいはC行に位置するものを例にとって説明する。図12Aは、その1サブ画素分のレイアウトを示す平面図である。
【0094】
この図に示されるように、第2実施形態における1サブ画素は、図8AにおけるラインL1および領域M1が削除されるとともに、画素電極234が、矢印で示されるようにラインL1のあった部分にまで拡大した構成となっている。したがって、互いに隣接する画素電極234の間には、隣接するデータ線(ラインL2)のみが配設されるだけなので、パターニング工程での短絡の可能性は低下する一方、サブ画素の間隔が維持された状態で画素電極234の面積が拡大するので、開口率が向上することとなる。
【0095】
ところで、領域M1の削除は、短絡を防止する点や開口率の向上させる点に直接には結びつかない。しかしながら、この領域M1が削除されないと、画素電極234を囲むデータ線212の幅が一様でなくなるため、さらに、この領域M1は、例えば、図12Aに示されるようなB行あるいはC行のサブ画素と、図12Bに示されるようなD行のサブ画素と相違して、行毎に相違することになるため、寄生容量も行毎に相違することになる。そこで、領域M1が削除されているのである。
【0096】
このような構成により、各行に位置する画素電極234では、その三辺が、等しく同じ幅のデータ線により囲まれるとともに、残り一辺のみが隣接するデータ線と容量的にカップリングするので、その寄生容量が互いに均等になる。このため、第4実施形態にかかる液晶装置によれば、短絡や開口率の低下を防止した上で、表示画像の均一化を図ることが可能となる。
【0097】
なお、第3、第4実施形態にかかる液晶装置にあっては、いずれも、TFD220がデータ線の側に接続されていたが、これとは逆に、TFD220を走査線の側に接続する構成でも同じことである。
【0098】
また、第3、第4実施形態に係る液晶装置にあっては、いずれも、TFD220を、互いに逆向きに直列接続された第1のTFD220aおよび第2のTFD220bから構成したが、ひとつのTFDにより構成しても良いのはもちろんである。
【0099】
さらに、実施形態にかかる液晶装置にあっては、いずれも、第2金属膜226および画素電極234を異なる金属膜により構成したが、第2金属膜および画素電極を、ITO膜やアルミニウム膜等の同一導電膜から構成しても良い。このような構成によれば、第2金属膜226および画素電極234を同一の工程により形成できる利点がある。
【0100】
また、第1〜第4実施形態に係る液晶装置にあっては、データ線212が、6個のサブ画素毎に折返すパターンとなっていたが、6の倍数のサブ画素数を1周期として折り返すようにすれば足りる。例えば、12個、18個、……周期で折り返すようにしても良い。ただし、折返しパターンにおける1周期のサブ画素数が多くなると、表示領域の端部においてデータ線のはみ出し量が大きくなる等の問題が生じる。
【0101】
さらに、アクティブ素子としてはTFD220のほかに、TFTのような3端子型素子を用いることもできる。さらに、各サブ画素により表示される色の順序は、実施形態に示した組み合わせに限定されるものでなく、各ラインにおいて6の倍数で1巡する順序で配列すれば良いことはいうまでもない。
【0102】
<電子機器>次に、上述した実施形態に係る液晶装置を電子機器に用いた例について説明する。
【0103】
<モバイルコンピュータ>まず、この液晶装置をモバイルコンピュータに適用した例について説明する。図13は、このモバイルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図に示されるように、このモバイルコンピュータ1200は、複数のキー1232を備えたキーボード1233と、そのキーボード1233に対して矢印Aのように開閉するカバー1234と、そのカバー1234に埋め込まれた液晶装置100とを含んで構成されている。ここで、液晶装置100は、図3および図4に示される液晶装置にバックライトや、その他の付帯機器が装着されたものである。
【0104】
また、キーボード1233の内部には、モバイルコンピュータとしての機能を果たすための各種の演算を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部が格納される。そして、その制御部は、液晶装置100に所定の映像を表示するための演算処理を実行する。
【0105】
このモバイルコンピュータ1200によれば、表示ユニットに、上述した実施形態に係る液晶装置100を適用したので、高精細および高画質の液晶表示を行うことでき、さらに、縦クロストークや横クロストークに起因する表示画質の低下を回避することが可能となる。
【0106】
<ページャ>次に、この液晶装置を用いたページャについて説明する。図14は、このページャの構造を示す分解斜視図である。この図に示すように、ページャ1300は、金属フレーム1302において、液晶装置100を、バックライト1306aを含むライトガイド1306、回路基板1308、第1、第2のシールド板1310、1312とともに収容する構成となっている。そして、この構成においては、液晶装置100と回路基板1308との導通が、素子側基板200に対してはフィルムテープ1314によって、対向基板300に対してはフィルムテープ1318によって、それぞれ図られている。
【0107】
なお、図13および図14を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが電子機器の例として挙げられる。そして、実施形態に係る液晶装置を、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0108】
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置において、サブ画素への配線(タイプ5)を模式的に示す平面図である。
【図2】同液晶装置におけるサブ画素の配列を拡大して示す平面図である。
【図3】同液晶装置の構成を示す斜視図である。
【図4】同液晶装置の構成を示す断面図である。
【図5】各配線において、データ線とサブ画素の画素電極とのカップリング容量が、当該サブ画素に与える影響度を各行毎に評価した表である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る液晶装置において、サブ画素の配列を拡大して示す平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る液晶装置において、素子基板のレイアウトを示す平面図である。
【図8】Aは、同液晶示装置における1画素分のレイアウトを示す部分拡大図である。Bは、図8AにおいてA−A線で切断した断面図である。
【図9】同装置におけるTFDの製造プロセスを示す図である。
【図10】同装置におけるTFDの製造プロセスを示す図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る液晶装置において、素子基板のレイアウトを示す平面図である。
【図12】Aは、同液晶装置における1画素分のレイアウトを示す部分拡大図である。Bは、同液晶装置における1画素分のレイアウトを示す部分拡大図である。
【図13】本発明の実施形態に係る液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る液晶装置を適用した電子機器の一例たるページャの構成を示す分解斜視図である。
【図15】RGBストライプ配列を示す平面図である。
【図16】RGBモザイク配列を示す平面図である。
【図17】RGGBモザイク配列を示す平面図である。
【図18】RGBデルタ配列を示す平面図である。
【図19】RGBデルタ配列における配線(タイプ1)を示す平面図である。
【図20】RGBデルタ配列における配線(タイプ2)を示す平面図である。
【図21】液晶装置における駆動信号の一例を示す電圧波形図である。
【図22】特定色に対応するサブ画素において、白表示(オフ)時のVTカーブを示すグラフである。
【図23】特定色に対応するサブ画素において、黒表示(オン)時のVTカーブを示すグラフである。
【図24】RGBデルタ配列における配線(タイプ3)を示す平面図である。
【図25】RGBデルタ配列における配線(タイプ4)を示す平面図である。

Claims (13)

  1. 異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置であって、
    それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、前記3色に対応するサブ画素の画素電極に、一定の順番で繰り返して接続される一方、
    1本の導通ラインに共通接続される画素電極は、当該導通ラインに対して同じ側に配置されていることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記導通ラインは、データ線であって、そのデータ線のうち画素電極に沿う部分の長さが長くなるにつれて、データ線と画素との間の距離を長くするか、または、データ線を細くしたことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記導通ラインは、6の倍数を1周期とするパターンにて、前記画素電極に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  4. 前記導通ラインは、前記画素電極に対し、アクティブ素子を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  5. 前記アクティブ素子は、導電体/絶縁体/導電体からなる薄膜ダイオード素子であることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
  6. 異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置を有する電子機器であって、
    それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、前記3色に対応するサブ画素に対応する画素電極に、一定の順番で繰り返して接続される一方、
    1本の導通ラインに共通接続される画素電極は、当該導通ラインに対して同じ側に配置されることを特徴とする電子機器。
  7. 異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置であって、
    それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等化されて形成されていることを特徴とする液晶装置。
  8. 前記画素電極の周辺は、その画素電極に接続される導通ラインによって囲まれていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  9. 前記画素電極において、隣接する導通ラインに対向する辺以外の周辺は、その画素電極に接続される導通ラインによって略同一幅にて囲まれていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  10. 前記導通ラインは、6の倍数を1周期とするパターンにて、前記画素電極に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  11. 前記導通ラインは、前記画素電極に対し、アクティブ素子を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  12. 前記アクティブ素子は、導電体/絶縁体/導電体からなる薄膜ダイオード素子であることを特徴とする請求項11に記載の液晶装置。
  13. 異なる3色にそれぞれ対応するサブ画素が三角配置された液晶装置を備える電子機器であって、
    それらのサブ画素に電圧を印加するための導通ラインは、サブ画素の画素電極との寄生容量が各サブ画素にわたって均等化されて形成されていることを特徴とする電子機器。
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