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JP2001041898A - ロール状フィルムの欠陥検出装置及び欠陥検出方法 - Google Patents

ロール状フィルムの欠陥検出装置及び欠陥検出方法

Info

Publication number
JP2001041898A
JP2001041898A JP11212813A JP21281399A JP2001041898A JP 2001041898 A JP2001041898 A JP 2001041898A JP 11212813 A JP11212813 A JP 11212813A JP 21281399 A JP21281399 A JP 21281399A JP 2001041898 A JP2001041898 A JP 2001041898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
defect
shaped film
value
parallel light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11212813A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Nomura
一雄 野村
Nobuyoshi Miyazaki
信義 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP11212813A priority Critical patent/JP2001041898A/ja
Publication of JP2001041898A publication Critical patent/JP2001041898A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール状フィルムに生じる欠陥をその特性に
応じて判別できるようにして、誤判別することなく、正
確、かつ確実に欠陥検出できるようにする。 【解決手段】 イメージセンサ2A〜2Cがロール状フ
ィルムの周方向の表面に沿って照射される光を受け取る
ことでロール状フィルムの表面の凹凸をロール幅方向全
面にわたって検査し、これらのイメージセンサ2A〜2
Cからの検出値が信号処理装置3へ送られる。そして、
信号処理装置3は、形態解析処理部11によりイメージ
センサ2A〜2Cからの検出値のベースラインを算出
し、その補正検出値算出部12によりイメージセンサ2
A〜2Cからの検出値からベースラインを減算して補正
検出値を算出する。そして、信号処理装置3の欠陥判別
部15が補正検出値算出部12により算出された補正検
出値によりロール状フィルムの欠陥の有無を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状フィルム
の表面付近に生じるシワ等の欠陥を検出する欠陥検出装
置及び欠陥検出方法に関し、特に、透明又は半透明のロ
ール状フィルムに用いて好適の、ロール状フィルムの欠
陥検出装置及び欠陥検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から紙管にロール巻きされたロール
状フィルムのフィルム巻取時等に生じるシワや傷等の欠
陥検出を画像処理技術を用いて自動化する試みがなされ
ている。このような技術として、例えば特開平6−14
7868号公報に開示された技術がある。この技術で
は、固体撮像カメラによりシート巻体の外周面からの反
射画像を取り込み、不良部のない反射画像と比較して、
不良があるか否かを判別するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロール状フ
ィルムのフィルム巻取時等に生じるシワや傷等の欠陥
は、何らかの状態でロール状フィルムの表面付近に現れ
るものが多い。当然のことながら欠陥部分の色や材質自
体は欠陥部分でない正常部分と異ならないが、光の当て
方等によっては若干の濃淡となって現れる。しかし、画
像入力装置(例えばイメージセンサ)によりロール状フ
ィルムの表面付近の画像を取り込み、これを画像処理し
て欠陥検出を行なおうとしても、欠陥部分と正常部分と
の濃淡の差が出にくく、欠陥の検出は容易ではない。
【0004】そこで、例えば照明装置や画像入力装置等
の配置や角度等を調整して、欠陥部分と正常部分との濃
淡の差を際立たせ、精度良くシワ等の欠陥検出を行なえ
るようにすることが考えられるが、実際には、シワ等の
欠陥に応じて光学系を構成する照明装置や画像入力装置
等の配置や角度等を適切に調整するのは難しい。上述の
公報で開示された技術も、取り込んだ画像を良品の画像
と比較するのみであるため、欠陥の種類によっては確実
に欠陥を検出することができない場合もある。
【0005】たとえ、このような光学系の調整である程
度欠陥部分と正常部分との濃淡の差を際立たせることが
でき、欠陥検出の精度をある程度高めることができると
しても、これにも限界がある。つまり、上述のようにロ
ール状フィルムの欠陥部分と正常部分とはもともと同じ
濃淡のものであるため、光学系を調整することで欠陥部
分の輝度(濃度)を高めて欠陥部分を際立たせようとし
ても、必然的に正常部分の輝度も高まってしまう。この
ため、ロール状フィルムの表面付近に生じるシワ等の欠
陥の種類によっては濃淡の差が出にくく、このような場
合には光学系の調整だけでは欠陥検出の精度を高めるこ
とは難しい。
【0006】そこで、上述のような光学系の調整のみで
なく、画像入力装置を介して取り込まれた画像の画像処
理においてロール状フィルムの表面付近に生じるシワ等
の欠陥を際立たせるように工夫する必要がある。
【0007】ところで、一般的な画像処理技術では、例
えば微分処理等の特徴抽出処理により特徴部分を際立た
せるような処理を行なっている。しかし、このような特
徴抽出処理を行なう場合であっても特徴部分とその他の
部分との濃淡の差があまりない場合には特徴部分を際立
たせるのは難しい。これと同様に、シワや傷等の欠陥部
分と正常部分との濃淡の差があまりないロール状フィル
ムの欠陥検出において欠陥部分を際立たせるように画像
処理するのも難しい。
【0008】また、ロール状フィルムの表面付近に生じ
るシワや傷等の欠陥の種類や光学系の調整の仕方によっ
て画像入力装置を介して画像処理装置に入力される画像
の濃度(輝度)は異なるものとなってしまうため、画像
処理において入力画像の濃度(輝度)をそのまま使って
シワや傷等の欠陥を判別するのは難しい。つまり、入力
画像の全体の輝度が高くなったり、低くなったりしてし
まうため、これによって正常部分を欠陥部分と判別して
しまったり、逆に欠陥部分を正常部分と判別してしまっ
たりする場合があり、精度良く欠陥検出を行なうのは難
しい。
【0009】このため、ロール状フィルムの表面付近に
生じるシワや傷等の欠陥の種類に応じて複数のしきい値
を設け、欠陥毎に欠陥判別を行なうことも考えられる
が、これでは処理が複雑になり好ましくない。本発明
は、このような課題に鑑み創案されたもので、ロール状
フィルムに生じる欠陥をその特性に応じて判別できるよ
うにして、誤判別することなく、正確、かつ確実に欠陥
検出できるようにした、ロール状フィルムの欠陥検出装
置及び欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のロール状フィルムの欠陥検出装置は、ロール
状フィルムの周方向の表面に沿って照射される光を受け
取ることでロール状フィルムの表面の凹凸をロール幅方
向全面にわたって検査するイメージセンサと、イメージ
センサからの検出値に基づいてロール状フィルムの欠陥
の有無を検出する信号処理装置とを備えることを特徴と
している。
【0011】請求項2記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置は、請求項1記載の装置において、信号
処理装置が、イメージセンサからの検出値のベースライ
ンを算出する形態解析処理部と、イメージセンサからの
検出値からベースラインを減算して補正検出値を算出す
る補正検出値算出部と、補正検出値算出部により算出さ
れた補正検出値によりロール状フィルムの欠陥の有無を
判別する欠陥判別部とを備えることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置は、請求項2記載の装置において、信号
処理装置が、補正検出値算出部により算出された補正検
出値のピーク値を算出するピーク値算出部をさらに備
え、欠陥判別部が、ピーク値算出部により算出されたピ
ーク値とピーク値判定用しきい値とを比較してロール状
フィルムの欠陥の有無を判別することを特徴としてい
る。
【0013】請求項4記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置は、請求項3記載の装置において、信号
処理装置が、イメージセンサからの検出値に基づいてピ
ークの幅を算出するピーク幅算出部をさらに備え、欠陥
判別部が、ピーク値算出部により算出されたピーク値と
ピーク値判定用しきい値とを比較するとともに、ピーク
幅算出部により算出された該ピーク幅とピーク幅判定用
しきい値とを比較してロール状フィルムの欠陥を判別す
ることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置は、請求項1記載の装置において、信号
処理装置が、ロール状フィルムに生じる高さが約50マ
イクロメートル〜約1000マイクロメートル程度の巻
きコブによる欠陥を判別することを特徴としている。請
求項6記載の本発明のロール状フィルムの欠陥検出装置
は、請求項3記載の装置において、イメージセンサが、
ロール状フィルムに周方向に3つ以上配置され、形態解
析処理部が、各イメージセンサからのそれぞれの検出値
のそれぞれのベースラインを算出するように構成され、
補正検出値算出部が、各イメージセンサからのそれぞれ
の検出値から各ベースラインを減算してそれぞれの補正
検出値を算出するように構成され、ピーク値算出部が、
補正検出値算出部により算出された各補正検出値のピー
ク値を算出するように構成され、欠陥判別部が、ピーク
値算出部により算出された同一周上のそれぞれのピーク
値のうちの2つ以上のピーク値がピーク値判定用しきい
値以上である場合にロール状フィルムに巻きコブによる
欠陥があると判別することを特徴としている。
【0015】請求項7記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置は、請求項1記載の装置において、イメ
ージセンサが、ロール状フィルムの直径の一端側の表面
に照射される光を受け取るものと他端側の表面に照射さ
れる光を受け取るものとの2つを一組として合計4つ備
えられ、信号処理装置が、ロール状フィルムの欠陥の有
無を判別するとともに、ロール状フィルムの外径を算出
することを特徴としている。
【0016】請求項8記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出方法は、ロール状フィルムの周方向の表面に
沿って照射される光を受け取るイメージセンサによって
ロール状フィルムの表面の凹凸をロール幅方向全面にわ
たって検査するステップと、イメージセンサからの検出
値に基づいてロール状フィルムの欠陥の有無を検出する
ステップとを備えることを特徴としている。
【0017】好ましくは、イメージセンサの検出値のベ
ースラインを形態解析処理により算出するステップと、
イメージセンサの検出値からベースラインを減算して補
正検出値を算出するステップと、補正検出値のピーク値
を算出するステップと、ピーク値に基づいてロール状フ
ィルムの欠陥を判別するステップとを備える。
【0018】
【発明の実施形態】以下、図面により、本発明の実施の
形態について説明する。まず、本発明の第1実施形態に
かかるロール状フィルムの欠陥検出装置について、図1
〜図7を参照しながら説明する。本実施形態にかかるロ
ール状フィルムの欠陥検出装置は、被検査対象物として
のロール状フィルムの欠陥を検出するためのものであ
る。
【0019】まず、ロール状フィルム及びその欠陥の種
類について説明する。図2に示すように、ロール状フィ
ルム1は、透明又は半透明のフィルム(例えばラップフ
ィルム等)であって、筒状の芯〔紙管,例えば外径90
mm(半径45mm)〕1Bにフィルム1Aをロール状
に巻き取ったものである。このようなロール状フィルム
1の欠陥の種類としては、図7(A)〜(F)に示すよ
うに、帯状シワ50A,巻きコブ50B,傷50C,縦
シワ50D,斜めシワ50E,異物50F等がある。
【0020】ここで、帯状シワ50Aは、図7(A)に
示すように、フィルムに局部的に薄い部分がある場合等
に生じる帯状のシワであり、ある程度の幅αがあり、ロ
ール表面全周にわたって生じるのが特徴である。巻きコ
ブ50Bは、図7(B)に示すように、フィルムを搬送
するゴムロールの凹部等が原因となって生じるもので、
ロール状に巻き取られた状態でロール全周にわたって表
面が盛り上がってコブ状になるのが特徴である。この巻
きコブには、高さの高いもの〔巻きコブ(大)〕50B
Aと、高さの低いもの〔巻きコブ(小)〕50BBがあ
る。ここで、巻きコブ(小)50BBは、高さが約50
マイクロメートル(μm,ミクロンともいう)〜約10
00マイクロメートル程度で、幅が約1〜2cm程度の
ものをいう。
【0021】傷50Cは、図7(C)に示すように、フ
ィルムをカットするカッタによる擦り傷等であって、ロ
ール表面全周にわたって生じるのが特徴である。縦シワ
50Dは、図7(D)に示すように、上述のシワと異な
りロール表面全周にわたらず、短い縦筋がランダムに入
るのが特徴である。斜めシワ50Eは、図7(E)に示
すように、フィルムのカット不良等によって生じるもの
である。特に巻きコブの回りに生じることが多い。
【0022】異物50Fは、図7(F)に示すように、
例えばフィルムの焦げた部分やフィルム間に入り込んだ
虫や毛髪であり、主に黒色に見えるもので、ロール状フ
ィルムの内部に生じるのが特徴である。この欠陥とされ
る異物(黒異物ともいう)のサイズは、例えば約0.4
mm以上のものをいう。なお、このような欠陥ではない
が、欠陥検出において欠陥として検出されてしまうもの
として、ロール表面の巻き終わり50G〔図7(G)参
照〕,ロール内部の巻き始め,紙管の螺旋等がある。
【0023】本実施形態にかかるロール状フィルムの欠
陥検出装置は、これらの欠陥のうち、巻きコブ(小)5
0BBによる欠陥を検出するものである。この巻きコブ
(小)50BBによる欠陥の特徴は、上述のようにロー
ル状フィルム1の表面の全周にわたって生じ、コブによ
る欠陥部分の高さが約50ミクロン〜約1000ミクロ
ン程度ということである。このため、例えば輝度の高い
箇所を欠陥と認識する明欠陥法による欠陥検出におい
て、巻きコブ(小)50BBによる欠陥を含む原画像の
濃度プロジェクションから欠陥を検出しようとしても、
高さの低い巻きコブ(小)50BBによる欠陥部分は輝
度のピークとして出にくく、確実に欠陥を検出するのは
難しい。
【0024】一方、この巻きコブ(小)50BBによる
欠陥は、後述する平行光ラインセンサ(平行光イメージ
センサ)を用いれば、この欠陥部分の平行光ラインセン
サ検出値が正常部分の平行光ラインセンサ検出値よりも
高い側へ突出し、ピークが出ることがわかった。なお、
平行光ラインセンサによれば、巻きコブはその大小にか
かわらず判別できるが、本実施形態では、例えば濃度プ
ロジェクションに基づいて欠陥を検出するのが難しいロ
ール状フィルム1について、平行光ラインセンサによる
欠陥検出を行なうものとする。このように平行光ライン
センサによってフィルム表面の凹凸を検出することで、
検査対象のロール状フィルム1の巻きコブ(大)の有無
を他の方法よりも精度良く検出できるようになり、さら
に巻きコブ(小)も検出できるようになる。
【0025】そこで、本実施形態では、このような巻き
コブ(小)50BBによる欠陥の特徴に着目し、巻きコ
ブ(小)50BBによる欠陥を平行光ラインセンサから
の検出値のピーク値で検出するようにしている。このた
め、本欠陥検出装置は、図2に示すように、複数(ここ
では3台)の平行光ラインセンサ(平行光イメージセン
サ)2A〜2Cと、信号処理装置(データ処理装置)3
と、表示装置4とを備えて構成される。
【0026】なお、平行光ラインセンサ2A〜2Cによ
り測定系が構成され、信号処理装置3により平行光ライ
ンセンサ2A〜2Cによる検出値(検出信号)を処理す
る信号処理系が構成される。平行光ラインセンサ2A〜
2Cは、ロール状フィルム1の周方向の表面に沿って照
射される光を受け取ることでロール状フィルム1の表面
の凹凸をロール幅方向全面にわたって検査するものであ
る。
【0027】これらの平行光ラインセンサ2A〜2C
は、図2に示すように、それぞれロール状フィルム1の
表面の巻きコブ(小)による欠陥を検出しうるようにロ
ール状フィルム1の表面近傍に配置され、互いにロール
幅方向に同一位置で、ロール周方向に沿って直列になる
ように配設されている。そして、これらの平行光ライン
センサ2A〜2Cの検出信号(検出値)は信号処理装置
3へ出力されるようになっている。
【0028】なお、ここでは、各平行光ラインセンサ2
A〜2Cをロール周方向に沿って直列に配設している
が、これに限られるものではない。例えば各平行光ライ
ンセンサ2A〜2Cをロール周方向に沿って直列に配設
できない場合(例えばロール状フィルムの径が小さい場
合等)は、それぞれの位置をロール幅方向へずらして配
設しても良い。この場合、各平行光ラインセンサ2A〜
2Cからの測定データを演算処理することによってロー
ル幅方向位置の補正を行なう必要がある。なお、これ
は、平行光ラインセンサを2台設ける場合や3台以上設
ける場合も同様である。
【0029】このように3台の平行光ラインセンサ2A
〜2Cを配設しているのは、ロール状フィルム1の巻き
コブ(小)50BBによる欠陥を検出する場合、ロール
状フィルム1の外周面に巻き終わり50G〔図7(G)
参照〕もあるため、この巻き終わり50Gを巻きコブ
(小)50BBとして誤判別しないようにするためであ
る。つまり、巻き終わり50Gはロール状フィルム1の
外周面の1箇所で生じるものであるのに対し、巻きコブ
(小)50BBはロール状フィルム1の全周にわたって
発生するという特徴があるため、各平行光ラインセンサ
2A〜2Cの検出信号(センサ信号)のうちの2つ以上
の検出信号(センサ出力)が同一位相(即ち同一ロール
幅位置)で凸になっている場合(即ち検出値が同じロー
ル幅位置で所定検出値以上となっている場合)には巻き
コブ(小)50BBであると考えることができる。この
ため、3台の平行光ラインセンサ2A〜2Cを配設し
て、巻き終わり50Gを巻きコブ(小)50BBとして
誤判別しないようにしているのである。
【0030】なお、このような観点からすれば、2台の
平行光ラインセンサを設ければ良いことになるが、ここ
では3台の平行光ラインセンサを設けて、例えば3台中
の1台の平行光ラインセンサが誤検出等を行なった場合
であっても、ロール状フィルム1の全周にわたって生じ
る巻きコブ(小)50BBを確実に判別できるようにし
ている。もちろん、2台の平行光ラインセンサを設ける
だけでも良い。
【0031】これらの平行光ラインセンサ2A〜2C
は、図3に示すように、投光器2aと受光器2bとを互
いに対向するように備えており、一端側の投光器2aか
ら照射された面状の平行光を他端側の受光器2bで受信
しうるように構成され、投光器2aが、可視光半導体レ
ーザ素子2cから放射されたレーザ光(例えば赤色レー
ザ光)を投光レンズ2dで平行光(面状の光)Sとして
送り出し、このようにして送り出された平行光が、受光
器2bのバンドパスフィルタ2eを通過し、受光器2b
に内蔵され、投光器2aから照射される光の光量を検出
するとともに、その位置情報も検出できる一次元CCD
イメージセンサ(固体イメージセンサ,固体撮像素子)
2fによって受光されるようになっている。
【0032】なお、一次元CCDイメージセンサは、ラ
イン状の光強度分布を測定するラインセンサであるた
め、これをCCDラインセンサともいう。ここでは、こ
のCCDラインセンサを備えるものとして平行光ライン
センサとしているが、これをCCDイメージセンサを備
えるものと見れば平行光イメージセンサということもで
きる。
【0033】そして、ロール状フィルム1の表面に巻き
コブ(小)50BBがあると、投光器2aから照射され
た平行光Sが巻きコブ(小)50BBによって遮られ、
受光器2bの一次元CCDイメージセンサ2fには巻き
コブ(小)50BBの大きさに比例して平行光Sが照射
されない影の部分が生じる。この影部分の大きさや位置
をCCDイメージセンサ2fが例えば780回/秒で走
査して演算し、ロール状フィルム1の巻きコブ(小)5
0BBに応じた検出信号(検出値)を出力するようにな
っている。
【0034】具体的には、ロール状フィルム1に巻きコ
ブ(小)50BBがあると、受光器2bのCCDイメー
ジセンサ2fで取り込まれる平行光の位置(即ち平行光
の下端位置)が変化するが、この平行光の位置が所定量
以上ずれている場合に巻きコブ(小)50BBによる欠
陥があると判別するようになっている。なお、ロール状
フィルム1に巻きコブ(小)50BBがあると、受光器
2bのCCDイメージセンサ2fで取り込まれる平行光
の長さが変化したり、平行光の光量が変化したりもす
る。このため、平行光の長さが所定長さ以下になってい
る場合や平行光の光量が所定量以下になっている場合
に、巻きコブ(小)50BBによる欠陥があると判別す
るようにしても良い。
【0035】このような平行光ラインセンサ2A〜2C
を使用しているのは、約50ミクロン〜約1000ミク
ロン程度の高さの低い巻きコブ(小)50BBは、例え
ばCCDカメラ等によって反射画像を撮像し、これを画
像処理することでは検出することが難しいためである。
これに対し、平行光ラインセンサ2A〜2Cを使用すれ
ば、約50ミクロン〜約1000ミクロン程度(特に、
約150ミクロン〜約250ミクロン)の高さの低い巻
きコブ(小)50BBの凸部も検出することができる。
【0036】検査対象物としてのロール状フィルム1
は、図4に示すように、これらの平行光ラインセンサ2
A(2B,2C)の投光器2aと受光器2bとの間に静
止状態で配置される。そして、平行光ラインセンサ2A
(2B,2C)は、図4中、矢印で示すように、ロール
状フィルム1の一端部から他端部へ向けて一体に平行移
動して、ロール状フィルム1の表面をスキャンするよう
になっている。すなわち、各平行光ラインセンサ2A
(2B,2C)は、ロール状フィルム1の同一位相を検
出しうるように同時に平行移動させるようにしている。
なお、図4では、説明をわかり易くするため、平行光ラ
インセンサ2Aのみを示している。また、図4中、符号
Sは平行光(平面状の光)を示している。
【0037】このように、3台の平行光ラインセンサを
ロール状フィルム1の端部からロール幅方向へ平行移動
させれば良いため、例えばセンサを回転させて検出する
場合等に比べ、短時間で欠陥検出を行なうことができ、
コストも低く抑えることができる。ここで、図5は、巻
きコブ(小)のあるロール状フィルム1を平行光ライン
センサでスキャンした場合の平行光ラインセンサ2A,
2B,2Cの検出信号(検出値)の一例を示している。
なお、図5では、符号Xで示すように、巻きコブ(小)
50BBが2つ並んでいる場合を示している。この場
合、巻きコブ(小)50BBは、幅約1cm程度,高さ
約200ミクロン程度であり、このような高さの小さい
巻きコブ(小)50BBであっても平行光ラインセンサ
2A,2B,2Cを使用することで検出することができ
ることがわかる。
【0038】ところで、信号処理装置3は、複数(ここ
では3つ)の平行光ラインセンサ2A〜2Cからの検出
値(検出信号)のそれぞれを処理してロール状フィルム
1に生じる巻きコブ(小)50BBを欠陥として検出す
るものである。この信号処理装置3は、図1に示すよう
に、オープニング処理部(形態解析処理部)11と、補
正検出値算出部12と、ピーク値算出部13と、半値幅
算出部(ピーク幅算出部)14と、欠陥判別部15と、
ピーク値判定用しきい値記憶部16と、半値幅判定用し
きい値記憶部(ピーク幅判定用しきい値記憶部)17と
を備えて構成される。
【0039】ここで、オープニング処理部11及び補正
検出値算出部12による処理,算出を行なうのは、以下
の理由による。つまり、平行光ラインセンサ2A〜2C
の検出値は、図5に示すように、巻きコブ(小)50B
Bによる欠陥部分以外の正常部分の検出値も徐々に増加
してしまうため、巻きコブ(小)50BBによる欠陥部
分の検出値は正常部分の検出値の影響を受けてしまい、
欠陥部分の検出値の絶対的な評価が難しく、この欠陥部
分の検出値をそのまま用いて欠陥検出を行なうのは困難
であるためである。
【0040】オープニング処理部11は、各平行光ライ
ンセンサ2A〜2Cにより検出されたそれぞれの検出値
に対して、侵食処理(erosion,エロージョン),膨張処
理(dilation, ダイレーション)を順に行なうオープニ
ング処理(形態解析処理の一種)を行なうことで、それ
ぞれの検出値のベースライン(ベース信号)を算出する
ものである。これらのベースラインは、図5中、破線B
で示すようになる。
【0041】ここで、オープニング処理とは、まず侵食
処理(erosion,エロージョン)を行なった後、膨張処理
(dilation, ダイレーション)を行なうものである。こ
のうち、侵食処理は、各平行光ラインセンサ2A〜2C
により検出された検出値の所定範囲毎(所定幅毎)の最
小値をプロットしていくものである。このような侵食処
理を行なうと、検出データは、図5中、一点鎖線Cで示
すようになる。
【0042】次いで、このような侵食処理により得られ
た信号に対して所定範囲毎(所定幅毎)の最大値をプロ
ットしていく膨張処理を行なう。これにより、ベースラ
インが得られる(図5中、破線B)。補正検出値算出部
12は、各平行光ラインセンサ2A〜2Cにより検出さ
れたそれぞれの検出値(センサ信号,原検出値)と、オ
ープニング処理部11により算出されたそれぞれのベー
スライン(ベース信号)との差を算出するものである
(減算処理)。つまり、各平行光ラインセンサ2A〜2
Cの検出値(図5中、実線A)からこれに対応するベー
スライン(図5中、破線B)を減算して、それぞれの補
正検出値を算出するものである。この補正検出値は、図
5中、実線Dで示すようになる。
【0043】これにより、各平行光ラインセンサ2A〜
2Cの検出値のうち巻きコブ(小)50BBによる欠陥
部分以外の正常部分の検出値をゼロ近傍に補正して、各
平行光ラインセンサ2A〜2Cの検出値のうち正常部分
の検出値が徐々に増加してしまう場合であっても、この
正常部分の検出値の影響を受けずに、巻きコブ(小)5
0BBによる欠陥を確実に判別できるようになる。
【0044】ピーク値算出部13は、補正検出値算出部
12により算出されたそれぞれの補正検出値のピーク値
を算出するものである。つまり、ピーク値算出部13
は、各補正検出値のうちの所定検出値以上のピーク値を
算出するものである。半値幅算出部14は、補正検出値
算出部12により算出されたそれぞれの補正検出値のピ
ーク値のある部分の半値幅〔補正検出値のピーク値のあ
る部分のピーク値の半分の値(半値)の補正検出値の
幅〕を算出するものである。
【0045】ここで、半値幅も考慮しているのは、補正
検出値のピーク値が高くても、半値幅が狭い場合には巻
きコブ(小)50BBによる欠陥でない場合があるた
め、このようなものを巻きコブ(小)50BBによる欠
陥と誤判別しないようにして、巻きコブ(小)50BB
による欠陥を確実に判別できるようにするためである。
なお、ここでは、半値幅算出部14は、ピークの半値幅
を算出しているが、補正検出値算出部12により算出さ
れたそれぞれの補正検出値のピークのある部分の幅を算
出するもので、ピークの幅の狭いものを巻きコブ(小)
50BBによる欠陥と誤判別しないようにすることがで
きれば良く、ピークの幅はこれに限られるものではな
い。このため、半値幅算出部14をピーク幅算出部とも
いう。
【0046】欠陥判別部15は、補正検出値算出部12
により算出された各平行光ラインセンサ2A〜2Cのそ
れぞれの補正検出値のピーク値及びその半値幅に基づい
て巻きコブ(小)50BBによる欠陥〔即ち巻きコブ
(小)50BBに対応する補正検出値の凸部分〕を判別
するものである。このため、欠陥判別部15は、ピーク
値判定部15Aと、半値幅判定部(ピーク幅判定部)1
5Bと、巻きコブ(小)判定部15Cとを備えて構成さ
れる。
【0047】ピーク値判定部15Aは、ピーク値算出部
13により算出された各平行光ラインセンサ2A〜2C
のそれぞれの補正検出値のピーク値と、ピーク値判定用
しきい値記憶部16に記憶されたピーク値判定用しきい
値(第1設定検出値,高さ約50μm)とを比較して、
各ピーク値がピーク値判定用しきい値(高さ約50μ
m)以上であるか否かを判定するものである。
【0048】半値幅判定部15Bは、半値幅算出部14
により算出された各平行光ラインセンサ2A〜2Cのそ
れぞれの補正検出値のピークの半値幅と、半値幅判定用
しきい値記憶部17に記憶された半値幅判定用しきい値
(第1設定幅,幅約3mm)とを比較して、各半値幅が
半値幅判定用しきい値(幅約3mm)以上であるか否か
を判定するものである。
【0049】なお、半値幅判定部15Bは、各平行光ラ
インセンサ2A〜2Cのそれぞれの補正検出値のピーク
の幅とピーク幅判定用しきい値とを比較して、各ピーク
の幅がピーク幅判定用しきい値以上であるか否かを判定
するものであれば良い。このため、半値幅判定部15B
をピーク幅判定部という。ここで、ピーク値判定用しき
い値記憶部16は、予め設定されたピーク値判定用しき
い値(高さ約50μm)を記憶するものである。
【0050】また、半値幅判定用しきい値記憶部17
は、予め設定された半値幅判定用しきい値(幅約3m
m)を記憶するものである。ここでは、半値幅判定用し
きい値記憶部17は、ピークの半値幅に相当する値とし
て予め設定された半値幅判定用しきい値を記憶するよう
になっている。なお、半値幅判定用しきい値記憶部17
は、ピークの幅に相当する値として予め設定されたピー
ク幅判定用しきい値を記憶するものであれば良い。この
ため、半値幅判定用しきい値記憶部17をピーク幅判定
用しきい値記憶部ともいう。
【0051】巻きコブ(小)判定部15Cは、各平行光
ラインセンサ2A〜2Cのそれぞれの補正検出値のピー
ク値及び半値幅に対するピーク値判定部15A及び半値
幅判定部15Bによる判定結果のうちの2つ以上の判定
結果が、ピーク値がピーク値判定用しきい値(高さ約5
0μm)以上であり、かつ、半値幅が半値幅判定用しき
い値(幅約3mm)以上であるという判定結果である場
合に、巻きコブ(小)50BBによる欠陥であると判別
するものである。
【0052】ここで、ピーク値判定部15A及び半値幅
判定部15Bの判定結果のうちの2つ以上の判定結果に
よって巻きコブ(小)50BBによる欠陥を判別してい
るのは、巻きコブ(小)50BBによる欠陥がロール状
フィルム1の全周にわたって発生するという特徴がある
ためである。つまり、巻きコブ(小)50BBによる欠
陥はロール状フィルム1の全周にわたって発生するた
め、上述のように各平行光ラインセンサ2A〜2Cによ
ってロール状フィルム1の同一位相(同一ロール幅位
置)を検出し、これらの平行光ラインセンサ2A〜2C
のそれぞれの補正検出値のピーク値及び半値幅をピーク
値判定部15A及び半値幅判定部15Bによって判定
し、これにより、同一位相(同一ロール幅位置)におけ
る判定結果のうちの2つ以上の判定結果によってロール
状フィルム1の全周にわたって発生する巻きコブ(小)
50BBを確実に判別できるようにしているのである。
【0053】一方、巻きコブ(小)判定部15Cは、上
述のピーク値判定部15A及び半値幅判定部15Bによ
る判定結果のうちの3つの内の2つ以上の判定結果が、
ピーク値がピーク値判定用しきい値(高さ約50μm)
以上であり、かつ、半値幅が半値幅判定用しきい値(幅
約3mm)以上であるという判定結果でない場合には、
巻きコブ(小)50BBによる欠陥でないと判別するよ
うになっている。
【0054】例えば、各平行光ラインセンサ2A〜2C
のそれぞれの補正検出値のピーク値及び半値幅に対する
ピーク値判定部15A及び半値幅判定部15Bによる判
定結果のうちの1つの判定結果が、ピーク値がピーク値
判定用しきい値(高さ約50μm)以上であり、かつ、
半値幅が半値幅判定用しきい値(幅約3mm)以上であ
る場合には、ロール状フィルム1の巻き終わり50Gで
あると判別するようになっている。このため、巻きコブ
(小)判定部15Cを巻き終わり判定部ともいう。
【0055】そして、信号処理装置3は、この判別結果
を表示装置4に表示するための表示用データを作成し、
この表示用データを表示装置5へ出力するようになって
いる。なお、信号処理装置3は、欠陥判別部15による
判別結果をデータとして記憶装置に記憶するようになっ
ている。表示装置4は、上述のような判別結果に応じた
表示データを表示するものであり、例えば信号処理装置
3により欠陥が検出された場合には欠陥の種類や位置な
どをモニタに表示するようになっている。
【0056】本発明の第1実施形態にかかるロール状フ
ィルムの欠陥検出装置は、上述のように構成されるた
め、この装置による欠陥検出方法は、以下のようにな
る。つまり、図6に示すように、ステップS10では、
ロール状フィルム1を静止状態としてロール状フィルム
1のロール幅方向へ同期してスキャンする各平行光ライ
ンセンサ2A〜2Cの検出信号(検出値)をロール状フ
ィルム1のロール幅位置毎に読み込み、ステップS20
へ進む。
【0057】そして、ステップS20で、オープニング
処理部11が、各平行光ラインセンサ2A〜2Cのそれ
ぞれの検出値に対して、侵食処理,膨張処理を順に行な
うオープニング処理を行なうことで、それぞれの検出値
のベースラインを算出して、ステップS30へ進む。次
に、ステップS30で、補正検出値算出部12が、各平
行光ラインセンサ2A〜2Cのそれぞれの検出値から各
ベースラインを引いてそれぞれの補正検出値を算出し
て、ステップS40へ進む。
【0058】次いで、ステップS40で、ピーク値算出
部13によりそれぞれの補正検出値のピーク値を算出す
るとともに、半値幅算出部14によりそれぞれの半値幅
を算出し、ステップS50で、ピーク値判定用しきい値
記憶部16からピーク値判定用しきい値(高さ約50μ
m)を読み込むとともに、半値幅判定用しきい値記憶部
17から半値幅判定用しきい値(幅約3mm)を読み込
んで、ステップS60へ進む。
【0059】そして、ステップS60で、欠陥判別部1
5が、各平行光ラインセンサ2A〜2Cのそれぞれの補
正検出値のピーク値及び半値幅に基づいて巻きコブ
(小)50BBによる欠陥の判別を行なう。つまり、ま
ず欠陥判別部15のピーク値判定部15Aが、ピーク値
算出部13により算出された各平行光ラインセンサ2A
〜2Cのそれぞれの補正検出値のピーク値がピーク値判
定用しきい値(高さ約50μm)以上であるかを判定
し、さらに、欠陥判別部15の半値幅判定部15Bが、
半値幅算出部14により算出された各平行光ラインセン
サ2A〜2Cのそれぞれの補正検出値の半値幅が半値幅
判定用しきい値(幅約3mm)以上であるか否かを判定
する。そして、巻きコブ(小)判定部15Cが、各平行
光ラインセンサ2A〜2Cのそれぞれの補正検出値のピ
ーク値及び半値幅に対するピーク値判定部15A及び半
値幅判定部15Bの判定結果のうちの2つ以上の判定結
果が、ピーク値がピーク値判定用しきい値(高さ約50
μm)以上であり、かつ、半値幅が半値幅判定用しきい
値(幅約3mm)以上であるという判定結果である場合
に巻きコブ(小)50BBによる欠陥であると判別す
る。なお、欠陥判別部15は、この判別結果はデータと
して記憶装置に記憶する。
【0060】この結果、巻きコブ(小)50BBによる
欠陥であると判別した場合は、ステップS70へ進み、
この判別結果を表示装置4に表示するための表示用デー
タを作成し、ステップS80で、欠陥判別部15が、表
示用データを表示装置4へ出力する。これにより、その
判別結果が表示装置4に表示される。なお、上述のピー
ク値判定部15A及び半値幅判定部15Bによる判定結
果のうちの2つ以上の判定結果が、ピーク値がピーク値
判定用しきい値(高さ約50μm)以上であり、かつ、
半値幅が半値幅判定用しきい値(幅約3mm)以上であ
るとの判定結果でない場合には、巻きコブ(小)50B
Bによる欠陥ではないと判別する。
【0061】例えば、各平行光ラインセンサ2A〜2C
のそれぞれの補正検出値のピーク値及び半値幅に対する
ピーク値判定部15A及び半値幅判定部15Bの判定結
果のうちの1つの判定結果が、ピーク値がピーク値判定
用しきい値(高さ約50μm)以上であり、かつ、半値
幅が半値幅判定用しきい値(幅約3mm)以上であると
の判定結果である場合にはロール状フィルム1の巻き終
わり50Gであると判別する。
【0062】したがって、本実施形態にかかるロール状
フィルムの欠陥検出装置によれば、ロール状フィルム1
の表面にロール状フィルム1の周方向に沿って照射され
る光を平行光ラインセンサ2Aで受け取ることでロール
状フィルム1の幅方向全面の凹凸を検査しているため、
ロール状フィルム1の表面に生じる欠陥を誤検出するこ
となく、正確、かつ確実に欠陥検出を行なうことができ
るという利点がある。
【0063】また、3台の平行光ラインセンサ2A〜2
Cからのそれぞれの検出値に形態解析処理を行なってそ
れぞれのベースラインを算出し、これに基づいてそれぞ
れの補正検出値を算出して巻きコブ(小)50BBによ
る欠陥を強調した各補正検出値によって欠陥検出を行な
っているため、ロール状フィルム1の表面に生じる欠陥
を誤検出することなく、より正確に、かつ精度良く欠陥
検出を行なうことができるという利点がある。
【0064】また、3台の平行光ラインセンサ2A〜2
Cによりロール状フィルム1の表面を検査し、欠陥判別
部15がピーク値算出部13により算出されたそれぞれ
のピーク値のうちの2つ以上のピーク値がピーク値判定
用しきい値以上である場合にロール状フィルム1に巻き
コブによる欠陥があると判別するようになっているた
め、ロール状フィルム1の巻き終わり50Gを巻きコブ
と誤判別することなく、正確、かつ確実にロール状フィ
ルムの巻きコブによる欠陥を検出することができるとい
う利点もある。
【0065】また、ロール状フィルム1に生じる高さが
約50ミクロン〜約1000ミクロン程度の巻きコブに
よる欠陥を確実に検出することができるという利点もあ
る。なお、上述の第1実施形態では、巻きコブ(小)判
定部15Cによって巻きコブ(小)50BBと巻き終わ
り50Gとの判定を行なっているが、ロール状フィルム
1に巻き終わり50Gがない状態(例えば巻き終わり5
0Gを平らにした状態)でロール状フィルム1の巻きコ
ブによる欠陥を検出する場合は、1台又は2台の平行光
ラインセンサを設けるだけでも良い。
【0066】また、上述の第1実施形態では、3台の平
行光ラインセンサを設けているが、ロール状フィルムの
径が大きい場合や設置スペースが十分に確保できる場合
には3台よりも多くの平行光ラインセンサを設けても良
い。また、上述の第1実施形態では、3台の平行光ライ
ンセンサを使用しているが、平行光ラインセンサの検査
範囲よりもロール状フィルム1の外径が小さい場合には
1台の平行光ラインセンサでロール状フィルム1の2箇
所について検出できるので、1台の平行光ラインセンサ
を設けるだけで良い。
【0067】次に、本発明の第2実施形態にかかるロー
ル状フィルムの欠陥検出装置及び欠陥検出方法につい
て、図8,図9を参照しながら説明する。本実施形態に
かかるロール状フィルムの欠陥検出装置は、第1実施形
態のものと、平行光ラインセンサの数が異なり、この実
施形態では、3台の平行光ラインセンサを設けるのに代
えて、4台の平行光ラインセンサを設けている。
【0068】図8に示すように、これらの4台の平行光
ラインセンサ2A〜2Dは、ロール状フィルム1の表面
の欠陥を検出しうるようにロール状フィルム1の表面近
傍に配置され、互いにロール幅方向に同一位置でロール
周方向に沿って直列になるように配設されている。そし
て、上述の第1実施形態のものと同様に、これらの4台
の平行光ラインセンサ2A〜2Dの検出信号(検出値)
は信号処理装置3へ出力されるようになっている。ここ
では、4台の平行光ラインセンサ2A〜2Dを二対の平
行光ラインセンサとして配設している。つまり、ロール
状フィルム1を挟んで互いに平行に配置された2台の平
行光ラインセンサ2A,2Cを1組とし、同様にロール
状フィルム1を挟んで互いに平行に配置された2台の平
行光ラインセンサ2B,2Dを1組として、2組の平行
光ラインセンサ(合計4台の平行光ラインセンサ)を配
設している。
【0069】なお、ここでは、各平行光ラインセンサ2
A〜2Dをロール周方向に沿って直列に配設している
が、これに限られるものではない。例えば各平行光ライ
ンセンサ2A〜2Dをロール周方向に沿って直列に配設
できない場合(例えばロール状フィルムの径が小さい場
合等)は、それぞれの位置をロール幅方向へずらして配
設しても良い。この場合、各平行光ラインセンサ2A〜
2Dからの測定データを演算処理することによってロー
ル幅方向位置の補正を行なう必要がある。
【0070】このように4台の平行光ラインセンサ2A
〜2Dを二対の平行光ラインセンサとして配設している
のは、上述の第1実施形態のものと同様にしてロール状
フィルム1に生じる巻きコブ(小)50BBによる欠陥
の検出を行なうと同時に、ロール状フィルム1の外径
(巻き径)を正確に測定できるようにするためである。
つまり、ロール状フィルム1の外径を測定する場合、一
対の平行光ラインセンサとして2台の平行光ラインセン
サを対向させて配設する必要があるが、このように一対
の平行光ラインセンサだけでロール状フィルム1の外径
を測定する場合、検出対象箇所にロール状フィルム1の
巻き終わり50Gがあると、正確にロール状フィルム1
の外径を測定できない場合がある。このため、ロール状
フィルム1の表面に巻き終わり50Gがある場合に、一
方の一対の平行光ラインセンサによってこの巻き終わり
50Gを検出してしまう場合であっても、他方の一対の
平行光ラインセンサによってロール状フィルム1の外径
を正確に測定できるようにするためである。
【0071】また、一対の平行光ラインセンサとせず
に、二対の平行光ラインセンサとして平行光ラインセン
サ2A〜2Dを設けているのは、ロール状フィルム1の
巻きコブ(小)50BBによる欠陥を検出する場合、ロ
ール状フィルム1の外周面には巻き終わり50G〔図7
(G)参照〕もあるため、この巻き終わり50Gを巻き
コブ(小)50BBとして誤判別しないようにするため
である。つまり、巻き終わり50Gはロール状フィルム
1の外周面の1箇所で生じるものであるのに対し、巻き
コブ(小)50BBはロール状フィルム1の全周にわた
って発生するという特徴があるため、各平行光ラインセ
ンサ2A〜2Dの検出信号(センサ信号)のうちの2つ
以上の検出信号(センサ出力)が同一位相(即ち同一ロ
ール幅位置)で凸になっている場合(即ち検出値が同じ
ロール幅位置で所定検出値以上となっている場合)には
巻きコブ(小)50BBであると考えることができる。
このため、4台の平行光ラインセンサ2A〜2Dを配設
して、巻き終わり50Gを巻きコブ(小)50BBとし
て誤判別しないようにしているのである。
【0072】ここで、これらの平行光ラインセンサ2A
〜2Dは、上述の第1実施形態のものと同様に構成され
ており、図9に示すように、一端側の投光器2aから照
射された面状の平行光を他端側の受光器2bで受信しう
るように構成され、投光器2aが、可視光半導体レーザ
素子2cから放射されたレーザ光(例えば赤色レーザ
光)を投光レンズ2dで平行光(面状の光)Sとして送
り出し、このようにして送り出された平行光が、受光器
2bに備えられる放射レーザ光のみを透過するバンドパ
スフィルタ2eを通過し、受光器2bに内蔵されている
一次元CCDイメージセンサ2fによって受光されるよ
うになっている。なお、図9では、説明を分かり易くす
るために、一対の平行光ラインセンサ2A,2Cのみを
示している。
【0073】そして、ロール状フィルム1の表面に巻き
コブ(小)50BBがあると、投光器2aから照射され
た平行光Sが巻きコブ(小)50BBによって遮られ、
受光器2bの一次元CCDイメージセンサ2fには巻き
コブ(小)50BBの大きさに比例して平行光Sが照射
されない影の部分が生じる。この影部分の大きさや位置
をCCDイメージセンサ2fが例えば780回/秒で走
査して演算し、ロール状フィルム1の巻きコブ(小)5
0BBに応じた検出信号(検出値)を出力するようにな
っている。
【0074】具体的には、ロール状フィルム1に巻きコ
ブ(小)50BBがあると、受光器2bのCCDイメー
ジセンサ2fで取り込まれる平行光の位置(即ち平行光
の下端位置)が変化するが、この平行光の位置が所定量
以上ずれている場合に巻きコブ(小)50BBによる欠
陥があると判別するようになっている。なお、ロール状
フィルム1に巻きコブ(小)50BBがあると、受光器
2bのCCDイメージセンサ2fで取り込まれる平行光
の長さが変化したり、平行光の光量が変化したりもす
る。このため、平行光の長さが所定長さ以下になってい
る場合や平行光の光量が所定量以下になっている場合
に、巻きコブ(小)50BBによる欠陥があると判別す
るようにしても良い。
【0075】一方、これらの平行光ラインセンサ2A〜
2Dは、このような巻きコブ(小)50BBによる欠陥
の検出を行なうと同時に、ロール状フィルム1の外径を
測定するようになっている。つまり、これらの平行光ラ
インセンサ2A〜2Dは、図9に示すように、ロール状
フィルム1が平行光ラインセンサ2A〜2Dの計測領域
に導入されると、投光器2aから照射された平行光Sが
ロール状フィルム1によって遮られ、受光器2bの一次
元CCDイメージセンサ2fにはロール状フィルム1に
よって遮られた分だけ平行光Sが照射されない影の部分
が生じる。これをCCDイメージセンサ2fが例えば7
80回/秒で走査して演算し、その検出信号(検出値)
を信号処理装置3へ出力するようになっている。
【0076】そして、信号処理装置3には、ロール状フ
ィルム1に対する平行光ラインセンサ2A〜2Dの位置
(例えば一対の平行光ラインセンサ間の距離)が予め記
憶されており、これと平行光ラインセンサ2A〜2Dか
らの検出値とに基づいてロール状フィルム1の外径を測
定するようになっている。例えば、信号処理装置3が、
平行光ラインセンサ2Aの一次元CCDイメージセンサ
2fの下端と、平行光ラインセンサ2Cの一次元CCD
イメージセンサ2fの上端との間の距離を予め記憶して
おり、一次元CCDイメージセンサ2f,2fからの検
出信号に基づいて平行光Sが照射されずに影となった部
分の長さを算出し、この長さを予め記憶されている平行
光ラインセンサ2Cの一次元CCDイメージセンサ2f
の上端との間の距離に加算することでロール状フィルム
1の外径を測定する。なお、ロール状フィルム1の外径
の算出方法はこれに限られるものではない。
【0077】その他の構成やこの装置による欠陥検出検
出方法については、上述の第1実施形態のものと同様で
あるため、ここではその説明を省略する。したがって、
本発明の第2実施形態にかかるロール状フィルムの欠陥
検出装置によれば、上述の第1実施形態のものと同様の
効果に加え、平行光ラインセンサ2A〜2Dからの検出
値を補正した補正検出値に基づいて ロール状フィルム
1の表面に生じる巻きコブ(小)50BBによる欠陥を
判別するようになっているため、誤判別することなく、
正確、かつ確実にロール状フィルム1の欠陥を検出する
ことができると同時に、ロール状フィルム1の外径を正
確に測定することができるという利点がある。
【0078】なお、上述の第2実施形態では、4台の平
行光ラインセンサ2A〜2Dを設けているが、ロール状
フィルム1に巻き終わり50Gがない状態(例えば巻き
終わり50Gを平らにした状態)でロール状フィルム1
の巻きコブによる欠陥を検出する場合は、2台の平行光
ラインセンサ(一対の平行光ラインセンサ)を設けるだ
けで良く、これにより、ロール状フィルム1の巻きコブ
(小)50BBによる欠陥の検出を行なうと同時に、ロ
ール状フィルム1の外径を測定するができる。
【0079】また、上述の第2実施形態では、2台の平
行光ラインセンサを一対として二対の平行光ラインセン
サ(4台の平行光ラインセンサ)を設けているが、ロー
ル状フィルム1の外径が大きい場合や設置スペースが十
分に確保できる場合には、2台の平行光ラインセンサを
一対として、二対よりも多くの平行光ラインセンサを設
けても良い。
【0080】また、上述の第2実施形態では、4台の平
行光ラインセンサ2A〜2Dを使用しているが、平行光
ラインセンサの検査範囲よりもロール状フィルム1の外
径が小さい場合には2台の平行光ラインセンサを設ける
だけで良く、これにより、ロール状フィルム1の巻きコ
ブによる欠陥の検出を行なうと同時に、ロール状フィル
ム1の外径を測定することができる。
【0081】次に、本発明の第3実施形態にかかるロー
ル状フィルムの欠陥検出装置及び欠陥検出方法につい
て、図10を参照しながら説明する。本実施形態にかか
るロール状フィルムの欠陥検出装置は、第1実施形態の
ものと、平行光ラインセンサの数が異なり、この実施形
態では、上述の第1実施形態がロール状フィルムの巻き
終わり50Gを巻きコブ(小)50BBと誤判定してし
まうのを防止するために3台の平行光ラインセンサを設
けているのに代えて、1台の平行光ラインセンサのみを
設け、この1台の平行光ラインセンサをロール周方向に
可動式にすることによりロール状フィルム1の巻き終わ
り50Gを巻きコブ(小)50BBと誤判定してしまう
のを防止できるようにしている。
【0082】図10に示すように、この1台の平行光ラ
インセンサ2Aは、ロール状フィルム1の表面の欠陥を
検出しうるようにロール状フィルム1の表面近傍に配設
されており、この1台の平行光ラインセンサ2Aの検出
信号(検出値)は信号処理装置3へ出力されるようにな
っている。この平行光ラインセンサ2Aは、図10中、
矢印で示すように、ロール状フィルム1の周囲をロール
周方向に沿って移動できるように構成されており、平行
光ラインセンサ2Aのロール状フィルム1に対するロー
ル周方向位置を変えることにより、複数の平行光ライン
センサを備えた場合と同様に、ロール状フィルム1の表
面に生じる巻きコブ(小)50BBによる欠陥を検出で
きるようになっている。
【0083】この平行光ラインセンサ2Aは、さらにロ
ール状フィルム1の表面の3箇所(図10中、符号〜
で示す位置)でロール状フィルム1の一端から他端へ
平行移動して巻きコブ(小)50BBによる欠陥検出を
行なうようになっている。つまり、まず平行光ラインセ
ンサ2Aによってロール状フィルム1の表面の第1位置
でロール状フィルム1の一端から他端まで平行移動し
て欠陥検出を行ない、次いでこの平行光ラインセンサ2
Aをロール状フィルム1の表面の第2位置まで回転移
動させ、第2位置でロール状フィルム1の一端から他
端まで平行移動して欠陥検出を行ない、さらに平行光ラ
インセンサ2Aをロール状フィルム1の表面の第3位置
まで回転移動させ、第3位置でロール状フィルム1
の一端から他端まで平行移動して欠陥検出を行なうよう
になっている。
【0084】これにより、上述の第1実施形態の場合と
同様に、1台の平行光ラインセンサ2Aによりロール状
フィルム1の表面の3箇所(図10中、符号〜で示
す位置)で巻きコブ(小)50BBによる欠陥の検出が
行なわれ、これらの3箇所における平行光ラインセンサ
2Aの各検出信号(検出値)が信号処理装置3へ出力さ
れるようになっている。
【0085】その他の構成やこの装置による欠陥検出検
出方法については、上述の第1実施形態のものと同様で
あるため、ここではその説明を省略する。なお、本実施
形態の場合には、平行光ラインセンサ2Aをロール幅方
向へ移動させるためのロール幅方向移動手段のほかにロ
ール周方向へ移動させるロール周方向移動手段を設ける
必要がある。
【0086】また、信号処理装置3は、ロール状フィル
ム1の表面の3箇所(図10中、符号〜で示す位
置)で検出された平行光ラインセンサ2Aのそれぞれの
検出値(検出信号)を取り込んで、同一位相(同一ロー
ル幅位置)の検出値を同期させて信号処理を行なって巻
きコブ(小)50BBによる欠陥の検出を行なう必要も
ある。
【0087】したがって、本実施形態にかかるロール状
フィルムの欠陥検出装置によれば、上述の第1実施形態
のものと同様に、1台の平行光ラインセンサ2Aからの
検出値を補正した補正検出値に基づいて、ロール状フィ
ルム1の表面に生じる巻きコブ(小)50BBによる欠
陥を判別するようになっているため、誤判別することな
く、正確、かつ確実にロール状フィルム1の欠陥を検出
することができるという利点がある。
【0088】なお、上述の第3実施形態では、ロール状
フィルム1の表面の3箇所で欠陥検出を行なう場合に、
平行光ラインセンサ2Aを1箇所づつロール状フィルム
1の一端から他端まで平行移動させているが、平行光ラ
インセンサ2Aの移動方法は、これに限られるものでは
なく、例えば、まずロール状フィルム1の一端側の同一
位相(同一ロール幅位置)で、図10中、矢印で示すよ
うに、平行光ラインセンサ2Aをロール周方向へ回転移
動させてロール状フィルム1の外周面の3箇所(図10
中、符号〜で示す位置)で欠陥検出を行ない、順
次、ロール状フィルム1の他端側へ向けて平行光ライン
センサ2Aを平行移動させていくようにしても良い。
【0089】また、上述の第3実施形態では、巻きコブ
(小)判定部15Cによって巻きコブ(小)50BBと
巻き終わり50Gとの判定を行なっているが、ロール状
フィルム1に巻き終わり50Gがない状態(例えば巻き
終わり50Gを平らにした状態)でロール状フィルム1
の巻きコブによる欠陥を検出する場合は、平行光ライン
センサによりロール状フィルムの外周面のうち1箇所又
は2箇所だけ検査すれば良い。
【0090】また、上述の第3実施形態では、平行光ラ
インセンサによりロール状フィルムの外周面のうち3箇
所で検査を行なっているが、ロール状フィルムの径が大
きい場合や設置スペースが十分に確保できる場合には3
箇所以上で検査を行なっても良い。また、上述の第3実
施形態では、平行光ラインセンサによりロール状フィル
ムの外周面のうち3箇所で検査を行なっているが、平行
光ラインセンサの検査範囲よりもロール状フィルム1の
外径が小さい場合には1箇所だけで検査を行なえば良
い。
【0091】なお、上述の各実施形態では、ロール状フ
ィルムを静止状態とし、平行光ラインセンサを移動させ
て巻きコブ(小)50BBによる欠陥検出を行なってい
るが、逆に平行光ラインセンサを固定した静止状態と
し、ロール状フィルムを移動させたり、回転させたりし
ても良い。また、上述の各実施形態で用いられている平
行光ラインセンサ2A〜2Dは、上述のような構成のも
のに限られるものではない。つまり、ここでは、平行光
ラインセンサ2A〜2Cは、CCDラインセンサを備え
るものとして構成しているが、これに限られるものでは
なく、受光素子(センサ)をライン状に配列した他のラ
インセンサ(例えばフォトダイオード型ラインセンサ
等)であっても良い。また、平行光ラインセンサ2A〜
2Cは、CCDラインセンサによって可視光半導体レー
ザ素子からのレーザ光を受け取るようになっているが、
照射される光の種類はこれに限られるものではない。さ
らに、平行光ラインセンサ2A〜2Cは、ロール状フィ
ルム1の周方向の表面に沿ってCCDラインセンサに対
してロール状フィルム1を挟んで反対側から照射される
光(例えばロール状フィルム1の表面に沿って斜めに照
射される光でも良い)を受け取ることでロール状フィル
ム1の表面の凹凸を検査できれば良いため、上述の各実
施形態のように、必ずしも投光器と受光器とを一体とし
て備えるものとして構成する必要はなく、投光器と受光
器とを別体として構成しても良い。
【0092】また、上述の各実施形態では、平行光ライ
ンセンサ(平行光イメージセンサ)のCCDラインセン
サ(一次元CCDイメージセンサ)で電気的に垂直走査
するとともに、平行光ラインセンサをロール幅方向へ機
械的に移動させて水平走査を行なうことで、ロール状フ
ィルム1の表面の凹凸をロール幅方向全面にわたって検
査するようにしているが、例えば上述の各実施形態の平
行光イメージセンサの受光器,投光器をロール幅方向全
長にわたって延設し、その受光器に内蔵されるセンサを
ロール状フィルムのロール幅方向全面にわたるエリアの
光強度分布を測定しうる二次元CCDイメージセンサ
(CCDエリアセンサ)として構成し、このCCDエリ
アセンサで電気的に垂直走査及び水平走査を行なうよう
にしてもよい。なお、CCDイメージセンサを備える平
行光イメージセンサのうち、CCDエリアセンサを備え
るものを平行光エリアセンサという。上述したように、
受光素子(センサ)をエリア状に配列した他のエリアセ
ンサ(例えばフォトダイオード型エリアセンサ等)であ
っても良い。また、CCDエリアセンサへ向けて照射さ
れる光もレーザ光に限られない。さらに、必ずしも投光
器と受光器とを一体として備えるものとして構成する必
要はなく、投光器と受光器とを別体として構成しても良
い。
【0093】また、上述の各実施形態では、オープニン
グ処理等のデータ処理を行なっているが、これに限られ
るものではなく、他の手法によるデータ処理を行なうも
のであっても良い。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のロール状フィルムの欠陥検出装置によれば、ロー
ル状フィルムの表面に沿って照射される光をイメージセ
ンサで受け取ることでロール状フィルムの表面の凹凸を
ロール幅方向全面にわたって検査しているため、ロール
状フィルムの表面に生じる欠陥の有無を誤検出すること
なく、正確に、かつ精度良く欠陥検出を行なうことがで
きるという利点がある。
【0095】請求項2〜4記載の本発明のロール状フィ
ルムの欠陥検出装置によれば、信号処理装置が、イメー
ジセンサからの検出値に形態解析処理を行なってベース
ラインを算出し、これに基づいて補正検出値を算出して
欠陥を強調した補正検出値によって欠陥検出を行なって
いるため、ロール状フィルムの表面に生じる欠陥の有無
を誤検出することなく、正確に、かつ精度良く欠陥検出
を行なうことができるという利点がある。
【0096】請求項5記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置によれば、ロール状フィルムに生じる高
さが約50マイクロメートル〜約1000マイクロメー
トル程度の巻きコブによる欠陥の有無を確実に検出する
ことができるという利点がある。請求項6記載の本発明
のロール状フィルムの欠陥検出装置によれば、3つ以上
のイメージセンサによりロール状フィルムの表面を検査
し、欠陥判別部がピーク値算出部により算出されたそれ
ぞれのピーク値のうちの2つ以上のピーク値がピーク値
判定用しきい値以上である場合にロール状フィルムに巻
きコブによる欠陥があると判別するようになっているた
め、ロール状フィルムの巻き終わりを巻きコブと誤判別
することなく、正確、かつ確実にロール状フィルムの巻
きコブによる欠陥の有無を検出することができるという
利点がある。
【0097】請求項7記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出装置によれば、イメージセンサが、ロール状
フィルムの直径の一端側の表面に照射される光を受け取
るものと他端側の表面に照射される光を受け取るものと
の2つを一組として合計4つ備えられ、これらによりロ
ール状フィルムの表面を検査するため、ロール状フィル
ムの巻きコブによる欠陥の有無を誤判別することなく、
正確、かつ確実に検出することができると同時に、ロー
ル状フィルムの外径を正確に測定することができるとい
う利点がある。
【0098】請求項8記載の本発明のロール状フィルム
の欠陥検出方法によれば、ロール状フィルムの表面に沿
って照射される光をイメージセンサで受け取ることでロ
ール状フィルムの表面の凹凸をロール幅方向全面にわた
って検査しているため、ロール状フィルムの表面に生じ
る欠陥の有無を誤検出することなく、正確に、かつ精度
良く欠陥検出を行なうことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置に備えられる信号処理装置の機能プロ
ック図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置の全体構成を示す模式図であり、ロー
ル状フィルムを側面視により示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置の平行光ラインセンサの構成を説明す
るための模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置の平行光ラインセンサの動作を説明す
るための模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置により巻きコブ(小)による欠陥を検
出する場合の信号処理装置による処理を説明するための
図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置による欠陥検出方法を説明するための
フローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置により検出する欠陥等を説明するため
の模式図であり、(A)は帯状シワ,(B)は巻きコ
ブ,(C)は傷,(D)は縦シワ,(E)は斜めシワ,
(F)は異物,(G)は巻き終わりを示しており、
(A), (C), (F)は模式的断面図、(B), (D),
(E), (G)は模式的正面図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置の全体構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかるロール状フィル
ムの欠陥検出装置によるロール状フィルムの径の測定方
法を説明するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかるロール状フィ
ルムの欠陥検出装置の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ロール状フィルム(被検査対象物) 2A,2B,2C,2D 平行光ラインセンサ(平行光
イメージセンサ) 3 信号処理装置(データ処理装置) 4 表示装置 11 オープニング処理部(形態解析処理部) 12 補正検出値算出部 13 ピーク値算出部 14 半値幅算出部(ピーク幅算出部) 15 欠陥判別部 15A ピーク値判定部 15B 半値幅判定部(ピーク幅判定部) 15C 巻きコブ(小)判定部 16 ピーク値判定用しきい値記憶部 17 半値幅判定用しきい値記憶部(ピーク幅判定用し
きい値記憶部) 50BA 巻きコブ(大) 50BB 巻きコブ(小) 50G 巻き終わり

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール状フィルムの周方向の表面に沿っ
    て照射される光を受け取ることで該ロール状フィルムの
    表面の凹凸をロール幅方向全面にわたって検査するイメ
    ージセンサと、 該イメージセンサからの検出値に基づいて該ロール状フ
    ィルムの欠陥の有無を検出する信号処理装置とを備える
    ことを特徴とする、ロール状フィルムの欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 該信号処理装置が、 該イメージセンサからの検出値のベースラインを算出す
    る形態解析処理部と、 該イメージセンサからの検出値から該ベースラインを減
    算して補正検出値を算出する補正検出値算出部と、 該補正検出値算出部により算出された補正検出値により
    該ロール状フィルムの欠陥の有無を判別する欠陥判別部
    とを備えることを特徴とする、請求項1記載のロール状
    フィルムの欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 該信号処理装置が、該補正検出値算出部
    により算出された該補正検出値のピーク値を算出するピ
    ーク値算出部をさらに備え、 該欠陥判別部が、該ピーク値算出部により算出された該
    ピーク値とピーク値判定用しきい値とを比較して該ロー
    ル状フィルムの欠陥の有無を判別することを特徴とす
    る、請求項2記載のロール状フィルムの欠陥検出装置。
  4. 【請求項4】 該信号処理装置が、該イメージセンサか
    らの検出値に基づいて該ピークの幅を算出するピーク幅
    算出部をさらに備え、 該欠陥判別部が、該ピーク値算出部により算出された該
    ピーク値と該ピーク値判定用しきい値とを比較するとと
    もに、該ピーク幅算出部により算出された該ピーク幅と
    ピーク幅判定用しきい値とを比較して該ロール状フィル
    ムの欠陥を判別することを特徴とする、請求項3記載の
    ロール状フィルムの欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】 該信号処理装置が、該ロール状フィルム
    に生じる高さが50マイクロメートル〜1000マイク
    ロメートル程度の巻きコブによる欠陥を判別することを
    特徴とする、請求項1記載のロール状フィルムの欠陥検
    出装置。
  6. 【請求項6】 該イメージセンサが、該ロール状フィル
    ムに周方向に3つ以上配置され、 該形態解析処理部が、上記の各イメージセンサからのそ
    れぞれの検出値のそれぞれのベースラインを算出するよ
    うに構成され、 該補正検出値算出部が、上記の各イメージセンサからの
    それぞれの検出値から上記の各ベースラインを減算して
    それぞれの補正検出値を算出するように構成され、 該ピーク値算出部が、該補正検出値算出部により算出さ
    れた同一周上の上記の各補正検出値のピーク値を算出す
    るように構成され、 該欠陥判別部が、該ピーク値算出部により算出されたそ
    れぞれのピーク値のうちの2つ以上のピーク値がピーク
    値判定用しきい値以上である場合に該ロール状フィルム
    に巻きコブによる欠陥があると判別することを特徴とす
    る、請求項3記載のロール状フィルムの欠陥検出装置。
  7. 【請求項7】 該イメージセンサが、該ロール状フィル
    ムの直径の一端側の表面に照射される光を受け取るもの
    と他端側の表面に照射される光を受け取るものとの2つ
    を一組として合計4つ備えられ、 該信号処理装置が、該ロール状フィルムの欠陥の有無を
    判別するとともに、該ロール状フィルムの外径を算出す
    ることを特徴とする、請求項1記載のロール状フィルム
    の欠陥検出装置。
  8. 【請求項8】 ロール状フィルムの周方向の表面に沿っ
    て照射される光を受け取るイメージセンサによって該ロ
    ール状フィルムの表面の凹凸をロール幅方向全面にわた
    って検査するステップと、 該イメージセンサからの検出値に基づいて該ロール状フ
    ィルムの欠陥の有無を検出するステップとを備えること
    を特徴とする、ロール状フィルムの欠陥検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002310939A (ja) * 2001-04-18 2002-10-23 Nec Corp 気泡検査装置
WO2019176903A1 (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 東レ株式会社 異物の検査方法、検査装置、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
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